〘497㌻〙
第1章
1 長老、書を選󠄄ばれたる婦󠄃人および其の子供に贈る。われ眞をもて汝らを愛す。啻に我のみならず、凡て眞理を知る者はみな汝らを愛す。
2 これは我らの衷に止りて永遠󠄄に偕にあらんとする眞理に因りてなり。
3 父󠄃なる神および父󠄃の子イエス・キリストより賜ふ恩惠と憐憫と平󠄃安とは、眞と愛との中にて我らと偕にあらん。
4 われ汝の子供のうちに、我らが父󠄃より誡命を受けし如く眞理に循ひて步む者あるを見て甚だ喜べり。
5 婦󠄃人よ、われ今なんぢに願ふは、我らが互に相愛すべき事なり。これは新しき誡命を書き贈るにあらず、我らが初より有てる誡命なり。
6 彼の誡命に循ひて步むは即ち愛なり、汝らが初より聞きしごとく愛に步むは即ち誡命なり。
7 人を惑すもの多く世にいで、イエス・キリストの肉體にて來り給ひしことを言ひ表さず、斯る者は人を惑す者にして、非キリストなり。
8 なんぢら我らが働きし所󠄃を空󠄃しくせず、滿ち足れる報を得んために自ら心せよ。
9 凡そキリストの敎に居らずして、之を越えゆく者は神を有たず、キリストの敎にをる者は父󠄃と子とを有つなり。
10 人もし此の敎を有たずして汝らに來らば、之を家に入るな、安かれと言ふな。
11 之に安かれと言ふ者は、その惡しき行爲に與するなり。
12 我なほ汝らに書き贈ること多くあれど、紙と墨とにて爲るを好まず、《[*]》我らの歡喜を充さんために汝等にいたり、顏をあわせて語らんことを望󠄇む。[*異本「汝ら」とあり。]
13 選󠄄ばれたる汝の姉妹の子供、なんぢに安否を問ふ。〘363㌻〙
497㌻