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テトス書
🔝
〘441㌻〙
第1章
1
神
かみ
の
僕
しもべ
またイエス・キリストの
使徒
しと
パウロ――
我
わ
が
使徒
しと
となれるは、
永遠󠄄
とこしへ
の
生命
いのち
の
望󠄇
のぞみ
に
基
もとづ
きて
神
かみ
の
選󠄄民
せんみん
の
信仰
しんかう
を
堅
かた
うし、また
彼
かれ
らを
敬虔
けいけん
にかなふ
眞理
しんり
を
知
し
る
知識
ちしき
に
至
いた
らしめん
爲
ため
なり。
2
僞
いつは
りなき
神
かみ
は、
創世
さうせい
の
前󠄃
まへ
に、この
生命
いのち
を
約束
やくそく
し
給
たま
ひしが、
3
時
とき
いたりて
御言
みことば
を
宣敎
せんけう
にて
顯
あらは
さんとし、その
宣敎
せんけう
を
我
われ
らの
救主
すくひぬし
たる
神
かみ
の
命令
めいれい
をもて
我
われ
に
委
ゆだ
ねたまへり。――
4
われ
書
ふみ
を
同
おな
じ
信仰
しんかう
によりて
我
わ
が
眞實
しんじつ
の
子
こ
たるテトスに
贈
おく
る。
願
ねが
はくは
父󠄃
ちち
なる
神
かみ
、および
我
われ
らの
救主
すくひぬし
キリスト・イエスより
賜
たま
ふ
恩惠
めぐみ
と
平󠄃安
へいあん
と、
汝
なんぢ
にあらんことを。
5
わが
汝
なんぢ
をクレテに
遣󠄃
のこ
し
置
お
きたる
故
ゆゑ
は、
汝
なんぢ
をして
缺
か
けたる
所󠄃
ところ
を
正
たゞ
し、
且
かつ
わが
命
めい
ぜしごとく
町々
まちまち
に
長老
ちゃうらう
を
立
た
てしめん
爲
ため
なり。
6
長老
ちゃうらう
は
責
せ
むべき
所󠄃
ところ
なく、
一人
ひとり
の
女
をんな
の
夫
をっと
にして、
子女
こども
もまた
放蕩
はうたう
をもて
訴
うった
へらるる
事
こと
なく、
服󠄃從
ふくじゅう
せぬことなき
信者
しんじゃ
たるべきなり。
7
それ
監督
かんとく
は
神
かみ
の
家
いへ
司
つかさ
なれば、
責
せ
むべき
所󠄃
ところ
なく、
放縱
ほしいまゝ
ならず、
輕々
かるがる
しく
怒
いか
らず、
酒
さけ
を
嗜
たし
まず、
人
ひと
を
打
う
たず、
恥
は
づべき
利
り
を
取
と
らず、
8
反
かへ
つて
旅人
たびびと
を
懇
ねんご
ろに
待
あしら
ひ、
善
ぜん
を
愛
あい
し、
謹愼
つゝしみ
あり、
正
たゞ
しく
潔󠄄
きよ
く
節󠄄制
せつせい
にして、
9
敎
をしへ
に
適󠄄
かな
ふ
信
しん
ずべき
言
ことば
を
守
まも
る
者
もの
たるべし。これ
健全󠄃
けんぜん
なる
敎
をしへ
をもて
人
ひと
を
勸
すゝ
め、かつ
言
い
ひ
逆󠄃
さから
ふ
者
もの
を
言
いひ
伏
ふ
することを
得
え
んためなり。
10
服󠄃從
ふくじゅう
せず、
虛
むな
しき
事
こと
をかたり、
人
ひと
の
心
こゝろ
を
惑
まどは
す
者
もの
おほし、
殊
こと
に
割󠄅禮
かつれい
ある
者
もの
のうちに
多
おほ
し。
11
彼
かれ
らの
口
くち
を
箝
ふさ
がしむべし、
彼
かれ
らは
恥
は
づべき
利
り
を
得
え
んために、
敎
をし
ふまじき
事
こと
を
敎
をし
へて
全󠄃家
ぜんか
を
覆
くつが
へすなり。
441㌻
12
クレテ
人
びと
の
中
うち
なる
或
あ
る
預言者
よげんしゃ
いふ 『クレテ
人
びと
は
常
つね
に
虛僞
いつはり
をいふ
者
もの
、 あしき
獸
けもの
、また
懶惰
らんだ
の
腹
はら
なり』
13
この
證
あかし
は
眞
まこと
なり。されば
汝
なんぢ
きびしく
彼
かれ
らを
責
せ
めよ、
14
彼
かれ
らがユダヤ
人
びと
の
昔話
むかしばなし
と
眞理
しんり
を
棄
す
てたる
人
ひと
の
誡命
いましめ
とに
心
こゝろ
を
寄
よ
することなく、
信仰
しんかう
を
健全󠄃
けんぜん
にせん
爲
ため
なり。
15
潔󠄄
きよ
き
人
ひと
には
凡
すべ
ての
物
もの
きよく、
汚
けが
れたる
人
ひと
と
不
ふ
信者
しんじゃ
とには
一
ひと
つとして
潔󠄄
きよ
き
物
もの
なし、
彼
かれ
らは
旣
すで
に
心
こゝろ
も
良心
りゃうしん
も
汚
けが
れたり。
16
みづから
神
かみ
を
知
し
ると
言
い
ひあらはせど、
其
そ
の
行爲
おこなひ
にては
神
かみ
を
否
いな
む。
彼
かれ
らは
憎
にく
むべきもの、
服󠄃
したが
はぬ
者
もの
、すべての
善
よ
き
業
わざ
に
就
つ
きて
棄
す
てられたる
者
もの
なり。
〘320㌻〙
第2章
1
されど
汝
なんぢ
は
健全󠄃
けんぜん
なる
敎
をしへ
に
適󠄄
かな
ふことを
語
かた
れ。
2
老人
らうじん
には
自
みづか
ら
制
せい
することと
謹嚴
きんげん
と
謹愼
つゝしみ
とを
勸
すゝ
め、また
信仰
しんかう
と
愛
あい
と
忍󠄄耐
にんたい
とに
健全󠄃
けんぜん
ならんことを
勸
すゝ
めよ。
3
老
お
いたる
女
をんな
にも
同
おな
じく、
淸潔󠄄
きよき
にかなふ
行爲
おこなひ
をなし、
人
ひと
を
謗
そし
らず、
大酒
たいしゅ
の
奴隷
どれい
とならず、
善
よ
き
事
こと
を
敎
をし
ふる
者
もの
とならんことを
勸
すゝ
めよ。
4
かつ
彼
かれ
等
ら
をして
若
わか
き
女
をんな
に
夫
をっと
を
愛
あい
し、
子
こ
を
愛
あい
し、
5
謹愼
つつしみ
と
貞操
みさを
とを
守
まも
り、
家
いへ
の
務
つとめ
をなし、
仁慈
なさけ
をもち、
己
おの
が
夫
をっと
に
服󠄃
したが
はんことを
敎
をし
へしめよ。これ
神
かみ
の
言
ことば
の
汚
けが
されざらん
爲
ため
なり。
6
若
わか
き
人
ひと
にも
同
おな
じく、
謹愼
つゝしみ
を
勸
すゝ
め、
7
なんぢ
自
みづか
ら
凡
すべ
ての
事
こと
につきて
善
よ
き
業
わざ
の
模範
もはん
を
示
しめ
せ。
敎
をしへ
をなすには
邪曲
よこしま
なきことと
謹嚴
きんげん
と、
8
責
せ
むべき
所󠄃
ところ
なき
健全󠄃
けんぜん
なる
言
ことば
とを
以
もっ
てすべし。これ
逆󠄃
さから
ふ
者
もの
をして、
我
われ
らの
惡
あく
を
言
い
ふに
由
よし
なく、
自
みづか
ら
恥
は
づる
所󠄃
ところ
あらしめん
爲
ため
なり。
9
奴隷
どれい
には
己
おの
が
主人
しゅじん
に
服󠄃
したが
ひ、
凡
すべ
ての
事
こと
において
之
これ
を
喜
よろこ
ばせ、
之
これ
に
言
い
ひ
逆󠄃
さから
はず、
10
物
もの
を
盜
ぬす
まず、
反
かへ
つて
全󠄃
まった
き
忠信
ちゅうしん
を
顯
あらは
すべきことを
勸
すゝ
めよ。これ
凡
すべ
ての
事
こと
において
我
われ
らの
救主
すくひぬし
なる
神
かみ
の
敎
をしへ
を
飾󠄃
かざ
らん
爲
ため
なり。
442㌻
11
凡
すべ
ての
人
ひと
に
救
すくひ
を
得
え
さする
神
かみ
の
恩惠
めぐみ
は
旣
すで
に
顯
あらは
れて、
12
不
ふ
敬虔
けいけん
と
世
よ
の
慾
よく
とを
棄
す
てて、
謹愼
つゝしみ
と
正義
たゞしき
と
敬虔
けいけん
とをもて
此
こ
の
世
よ
を
過󠄃
すご
し、
13
幸福
さいはひ
なる
望󠄇
のぞみ
、すなはち
大
おほい
なる
神
かみ
、われらの
救主
すくひぬし
イエス・キリストの
榮光
えいくわう
の
顯現
あらはれ
を
待
ま
つべきを
我
われ
らに
敎
をし
ふ。
14
キリストは
我等
われら
のために
己
おのれ
を
與
あた
へたまへり。
是
これ
われらを
諸般
もろもろ
の
不法
ふはふ
より
贖
あがな
ひ
出
いだ
して、
善
よ
き
業
わざ
に
熱心
ねっしん
なる
特選󠄄
とくせん
の
民
たみ
を
己
おの
がために
潔󠄄
きよ
めんとてなり。
15
なんぢ
全󠄃
まった
き
權威
けんゐ
をもて
此
これ
等
ら
のことを
語
かた
り、
勸
すゝ
め、また
責
せ
めよ。なんぢ
人
ひと
に
輕
かろ
んぜらるな。
第3章
1
汝
なんぢ
かれらに、
司
つかさ
と
權威
けんゐ
ある
者
もの
とに
服󠄃
ふく
し、かつ
從
したが
ひ、
凡
すべ
ての
善
よ
き
業
わざ
をおこなふ
備
そなへ
をなし、
2
人
ひと
を
謗
そし
らず、
爭
あらそ
はず、
寛容
くわんよう
にし、
常
つね
に
柔和
にうわ
を
凡
すべ
ての
人
ひと
に
顯
あらは
すべきことを
思
おも
ひ
出
いだ
させよ。
3
我
われ
らも
前󠄃
さき
には
愚
おろか
なるもの、
順
したが
はぬもの、
迷󠄃
まよ
へる
者
もの
、さまざまの
慾
よく
と
快樂
けらく
とに
事
つか
ふるもの、
惡意󠄃
あくい
と
嫉妬
ねたみ
とをもて
過󠄃
すご
すもの、
憎
にく
むべき
者
もの
、また
互
たがひ
に
憎
にく
み
合
あ
ふ
者
もの
なりき。
4
されど
我
われ
らの
救主
すくひぬし
なる
神
かみ
の
仁慈
なさけ
と
人
ひと
を
愛
あい
したまふ
愛
あい
との
顯
あらは
れしとき、
5
-6
我
われ
らの
行
おこな
ひし
義
ぎ
の
業
わざ
にはよらで、
唯
たゞ
その
憐憫
あはれみ
により、
更生
うまれかはり
の
洗
あらひ
と
我
われ
らの
救主
すくひぬし
イエス・キリストをもて、
豐
ゆたか
に
注
そゝ
ぎたまふ
聖󠄄
せい
靈
れい
による
維新
ゐしん
とにて
我
われ
らを
救
すく
ひ
給
たま
へり。
7
これ
我
われ
らが
其
そ
の
恩惠
めぐみ
によりて
義
ぎ
とせられ、
永遠󠄄
とこしへ
の
生命
いのち
の
望󠄇
のぞみ
にしたがひて
世嗣
よつぎ
とならん
爲
ため
なり。
8
この
言
ことば
は
信
しん
ずべきなれば、
我
われ
なんぢが
此
これ
等
ら
につきて
確證
かくしょう
せんことを
欲
ほっ
す。
神
かみ
を
信
しん
じたる
者
もの
をして
愼
つゝし
みて
善
よ
き
業
わざ
を
務
つと
めしめん
爲
ため
なり。
斯
かく
するは
善
よ
き
事
こと
にして
人
ひと
に
益
えき
あり。
〘321㌻〙
9
されど
愚
おろか
なる
議論
ぎろん
・
系圖
けいづ
・
爭鬪
さうとう
、また
律法
おきて
に
就
つ
きての
分󠄃爭
あらそひ
を
避󠄃
さ
けよ。これらは
益
えき
なくして
空󠄃
むな
しきものなり。
10
異端
いたん
の《[*]》
者
もの
をば、
一度
ひとたび
もしくは
二度
ふたゝび
訓戒
くんかい
して
後
のち
これを
棄
す
てよ。[*或は「黨派を立つる者」と譯す。]
443㌻
11
斯
かゝ
る
者
もの
は
汝
なんぢ
の
知
し
るごとく、
邪曲
よこしま
にして
自
みづか
ら
罪
つみ
を
認󠄃
みと
めつつ
尙
なほ
これを
犯
をか
すなり。
12
我
われ
アルテマス
或
あるひ
はテキコを
汝
なんぢ
に
遣󠄃
つかは
さん、その
時
とき
なんぢ
急󠄃
いそ
ぎてニコポリなる
我
わ
がもとに
來
きた
れ。われ
彼處
かしこ
にて
冬
ふゆ
を
過󠄃
すご
さんと
定
さだ
めたり。
13
敎法師
けうほふし
ゼナス
及
およ
びアポロを
懇
ねんご
ろに
送󠄃
おく
りて、
乏
とも
しき
事
こと
なからしめよ。
14
斯
かく
て
我
われ
らの
伴󠄃侶
ともがら
も
善
よ
き
業
わざ
を
務
つと
めて
必要󠄃
ひつえう
を
資
たす
けんことを
學
まな
ぶべし、これ
果
み
を
結
むす
ばぬ
事
こと
なからん
爲
ため
なり。
15
我
われ
と
偕
とも
に
居
を
る
者
もの
みな
汝
なんぢ
に
安否
あんぴ
を
問
と
ふ。
信仰
しんかう
に
在
あ
りて
我
われ
らを
愛
あい
する
者
もの
に
安否
あんぴ
を
問
と
へ。
願
ねが
はくは
御惠
みめぐみ
なんぢら
凡
すべ
ての
者
もの
と
偕
とも
にあらん
事
こと
を。
〘322㌻〙
444㌻