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〘416㌻〙

第1章

1 パウロ、シルワノ、テモテ、ふみ父󠄃ちちなるかみおよびしゅイエス・キリストにあるテサロニケびと敎會けうくわいおくる。ねがはくは恩惠めぐみ平󠄃安へいあんなんぢらにらんことを。

2 われらいのりのときになんぢらをおぼえて、つねなんぢ衆人もろもろのためにかみ感謝かんしゃす。 3 これなんぢらが信仰しんかうのはたらき、あい勞苦らうくしゅイエス・キリストにたいする望󠄇のぞみ忍󠄄耐にんたいを、われらの父󠄃ちちなるかみ前󠄃まへえずおもふにりてなり。 4 かみあいせらるる兄弟きゃうだいよ、またなんぢらの選󠄄えらばれたることをるにりてなり。 5 それわれらの福音󠄃ふくいんなんぢらにいたりしは、ことばにのみらず、能力ちから聖󠄄せいれいおほいなる確信かくしんとにれり。かつわれらがなんぢらのうちにありてなんぢらのため如何いかなる行爲おこなひをなししかは、なんぢらの所󠄃ところなり。 6 かくなんぢらは、おほいなる患難なやみのうちにも、聖󠄄せいれいによる喜悅よろこびをもて御言みことばをうけ、われおよしゅならものとなり、 7 しかしてマケドニヤおよびアカヤにすべての信者しんじゃ模範もはんとなれり。 8 それはしゅのことばなんぢよりでてたゞにマケドニヤおよびアカヤにひゞきしのみならず、かみたいするなんぢらの信仰しんかうのことは諸方しょはうひろまりたるなり。ればこれきては、なにをもかたるにおよばず。 9 人々ひとびとしたしくわれらがなんぢらのうちりしさまげ、またなんぢらが偶像ぐうざうててかみし、けるまことかみつかへ、 10 かみ死人しにんうちよりよみがへらせたまひし御子みこ、すなはちわれらをきたらんとするいかりよりすくいだすイエスの、てんよりくだりたまふを望󠄇のぞむことをぐればなり。
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第2章

1 兄弟きゃうだいよ、われらのなんぢらにいたりしことの空󠄃むなしからざりしは、なんぢみづかる。 2 前󠄃さきわれらはなんぢらのるごとく、ピリピにて苦難くるしみ侮辱はづかしめとをけたれど、われらのかみりておほいなる紛爭あらそひのうちに、はゞからずかみ福音󠄃ふくいんなんぢらにかたれり。 3 われらのすゝめは、迷󠄃まよひよりでず、汚穢けがれよりでず、詭計たばかりもちひず、 4 かみよみせられて福音󠄃ふくいんゆだねられたるものなれば、ひとよろこばせんとせず、われらのこゝろたまかみよろこばせたてまつらんとしてかたるなり。 5 われらはなんぢらのるごとく何時いつにても諂諛へつらひことばもちひず、ことによせて慳貪むさぼりをなさず(かみこれをあかしたまふ) 6 キリストの使徒しととしておもんぜらるべきものなれども、なんぢらにもほかものにもひとよりはほまれもとめず、 7 なんぢらのうちにありてやさしきこと、ははおのそだてやしなふごとくなりき。 8 われらはなんぢらをしたひ、なんぢらはわれらのあいするものとなりたれば、たゞかみ福音󠄃ふくいんのみならず、われらの生命いのちをもあたへんとねがへり。〘302㌻〙 9 兄弟きゃうだいよ、なんぢらはわれらのらう苦難くるしみとを記憶きおくす、われらはなんぢらのうち一人ひとりをもわずらはすまじとて、夜晝よるひるわざをなし、らうしつつ福音󠄃ふくいん宣傳のべつたへたり。 10 またしんじたるなんぢにむかひて、如何いか潔󠄄きよたゞしく、むべき所󠄃ところなくおこなひしかは、なんぢらもあかしし、かみあかしたまふなり。 11 なんぢらはる、われらが父󠄃ちちのそのたいするごとく各人おのおのたいし、 12 御國みくに榮光えいくわうとにまねきたまふかみこゝろ適󠄄かなひてあゆむべきことをすゝめ、またはげまし、またさとしたるを。

13 かくてなほわれかみ感謝かんしゃしてまざるは、なんぢらがかみことばわれらよりきしとき、これをひとことばとせず、かみことばとしてけしことなり。これはまことかみことばにして、なんぢしんずるもののうちにはたらくなり。
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14 兄弟きゃうだいよ、なんぢらはユダヤにけるキリスト・イエスにあるかみ敎會けうくわいならものとなれり、かれらのユダヤびとくるしめられたるごとく、なんぢらもおの國人くにびとくるしめられたるなり。 15 ユダヤびとしゅイエスをも預言者よげんしゃをもころし、われらを追󠄃いだし、 16 われらが異邦人いはうじんかたりてすくひさせんとするをこばみ、かみよろこばせず、かつ萬民ばんみん逆󠄃さからひ、かくしてつねおのつみみたすなり。しかしてかみいかりは、かれらにのぞみてそのきはみいたれり。

17 兄弟きゃうだいよ、われらこゝろはなれねど、かほにて暫時しばしなんぢらとはなれば、なんぢらのかほんことを愈々いよいよせつねがひて、 18われパウロは一度ひとたびならず再度ふたゝびまでも)なんぢらにいたらんとたれど、サタンにさまたげられたり。 19 われらのしゅイエスのきたたまふとき、御前󠄃みまへにおけるわれらの希望󠄇のぞみ、また喜悅よろこび、またほこり冠冕かんむりたれぞ、なんぢらならずや。 20 なんぢらはわれらの光榮くわうえいわれらの喜悅よろこびなり。

第3章

1 このゆゑに、もはや忍󠄄しのぶことあたはず、我等われらのみアテネにとゞまることにけっし、 2 キリストの福音󠄃ふくいんにおいてかみ役者えきしゃたるわれらの兄弟きゃうだいテモテをなんぢらに遣󠄃つかはせり。これはなんぢらをかたうし、また信仰しんかうにつきてすゝめ、 3 この患難なやみによりてうごかさるるものからんためなり。患難なやみ遭󠄃ふことのわれらにさだまりたるは、なんぢみづから所󠄃ところなり。 4 われらが患難なやみ遭󠄃ふべきことは、なんぢらとともりしときあらかじめげたるが、いまはたしてなんぢらのるごとくれり。 5 このゆゑ最早もはやわれ忍󠄄しのぶことあたはず、こゝろむるものなんぢらをこゝろみて、われらのらう空󠄃むなしくならんことをおそれ、なんぢらの信仰しんかうらんとてひと遣󠄃つかはせり。
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6 しかるにいまテモテなんぢらよりかへりて、なんぢらの信仰しんかうあいとにつきてよろこばしき音󠄃信おとづれかせ、又󠄂またなんぢらつねわれらをねんごろにおもひ、われらにはんことをせつ望󠄇のぞるは、われらがなんぢらにはんことを望󠄇のぞむにひとしとげたるによりて、〘303㌻〙 7 兄弟きゃうだいよ、われらは諸般もろもろ苦難くるしみ患難なやみとのうちにも、なんぢらの信仰しんかうによりて慰安なぐさめたり。 8 なんぢもししゅりてかたたばわれらはくるなり。 9 なんぢにつきてわれらのかみ前󠄃まへによろこぶおほいなる喜悅よろこびのために如何いかなる感謝かんしゃをかかみさゝぐべき。 10 われらは夜晝よるひるいのりて、なんぢらのかほんことと、なんぢらの信仰しんかうらぬ所󠄃ところおぎなはんこととをせつねがふ。

11 ねがはくはわれらの父󠄃ちちなるかみみづからとわれらのしゅなるイエスと、われらを導󠄃みちびきてなんぢらにいたらせたまはんことを。 12 ねがはくはしゅ、なんぢらあひたがひあいおよびすべてのひとたいするあいし、かつゆたかにして、われらがなんぢらをあいするごとくならしめ、 13 かくしてなんぢらのこゝろかたうし、われらのしゅイエスの、すべての聖󠄄徒せいとともきたりたまふとき、われらの父󠄃ちちなるかみ前󠄃まへ潔󠄄きよくしてむべき所󠄃ところなからしめたまはんことを。

第4章

1 されば兄弟きゃうだいよ、終󠄃をはりわれしゅイエスによりてなんぢらにもとめ、かつすゝむ。なんぢら如何いかあゆみてかみよろこばすべきかを我等われらよりまなびしごとく、またあゆみをるごとくに增々ますます進󠄃すゝまんことを。 2 われらがしゅイエスにりて如何いかなる命令めいれいあたへしかは、なんぢらの所󠄃ところなり。 3 それかみ御旨みむねは、なんぢらの潔󠄄きよからんことにして、すなは淫行いんかうをつつしみ、 4 各人おのおのおのがつまて、潔󠄄きよく、かつたふとくし、 5 かみらぬ異邦人いはうじんのごとく情󠄃じゃうよく放縱ほしいまゝにすまじきをり、
 419㌻ 
6 かゝことによりて兄弟きゃうだいあざむき、またかすめざらんことなり。すべこれのことをおこなものしゅむくいたまふは、わがすでなんぢらにげ、かつあかしせしごとし。 7 かみわれらをまねたまひしは、汚穢けがれおこなはしめんためにあらず、潔󠄄きよからしめんためなり。 8 このゆゑこれこばものひとこばむにあらず、なんぢらに聖󠄄せいれいあたへたまふかみこばむなり。

9 兄弟きゃうだいあいにつきてはなんぢらにきおくるにおよばず。なんぢらはたがひあひあいすることしたしくかみをしへられ、 10 またすでにマケドニヤ全󠄃國ぜんこくるすべての兄弟きゃうだいあいするにりてなり。れど兄弟きゃうだいよ、なんぢらにすゝむ。ますますこれおこなひ、 11 われらが前󠄃さきめいぜしごとくつとめて安靜しづかにし、おのれわざをなし、づからはたらけ。 12 これそとひとたいしてたゞしくおこなひ、またみづかともしきことなからんためなり。

13 兄弟きゃうだいよ、すでねむれるもののことにきては、なんぢらのらざるをこのまず、希望󠄇のぞみなきほかひとのごとくなげかざらんためなり。〘304㌻〙 14 われらのしんずるごとく、イエスもしにてよみがへりたまひしならば、かみはイエスによりてねむりきたるものを、イエスととも連󠄃れきたりたまふべきなり。 15 われらしゅことばをもてなんぢらにはん、我等われらのうちしゅきたりたまふときいたるまできてのこれるものは、すでねむれるものけっしてさきだたじ。 16 それしゅは、號令がうれい御使みつかひをさこゑかみのラッパとともに、みづからてんよりくだたまはん。そのときキリストにある死人しにんまづよみがへり、 17 のちきてのこれるわれらはかれらとともくものうちにられ、空󠄃中くうちゅうにてしゅ迎󠄃むかへ、かくていつまでもしゅともるべし。 18 ればこれことばをもてたがひあひなぐさめよ。
 420㌻ 

第5章

1 兄弟きゃうだいよ、ときとにきてはなんぢらにきおくるにおよばず。 2 なんぢらはしゅ盜人ぬすびとよるきたるがごとくにきたることを、みづか詳細つまびらかればなり。 3 人々ひとびと平󠄃和へいわ無事ぶじなりとふほどに、滅亡ほろびにはかにかれらのうへきたらん、はらめる婦󠄃をんなうみ苦痛くるしみのぞむがごとし、かならのがるることをじ。 4 されど兄弟きゃうだいよ、なんぢらは暗󠄃やみらざれば、盜人ぬすびときたるごとくなんぢらに追󠄃及おひしくことなし。 5 それなんぢはみなひかりどもひる子供こどもなり。われらはよるものにあらず、暗󠄃やみものにあらず。 6 さればほかひとのごとくねむるべからず、さましてつゝしむべし。 7 ねむものよるねむり、さけものよるふなり。 8 されどわれらはひるものなれば、信仰しんかうあいとの胸當むねあてけ、すくひ望󠄇のぞみかぶとをかむりてつゝしむべし。 9 それかみわれらをいかり遭󠄃あはせんとにあらず、しゅイエス・キリストにりてすくひさせんとさだたまへるなり。 10 しゅ我等われらのためにたまへるは、我等われらをしてめをるともねむりをるともおのれともくることをしめんためなり。 11 ゆゑたがひすゝめて各自おのおのとくつべし、これなんぢらがつね所󠄃ところなり。

12 兄弟きゃうだいよ、なんぢらにもとむ。なんぢらのうちらうし、しゅにありてなんぢらををさめ、なんぢらを訓戒くんかいするものおもんじ、 13 その勤勞はたらきによりてあつこれあいうやまへ。またたがひあひやはらぐべし。 14 兄弟きゃうだいよ、なんぢらにすゝむ、みだりなるもの訓戒くんかいし、落膽きおちせしものはげまし、弱󠄃よわものたすけ、すべてのひとたいして寛容くわんようなれ。 15 たれひとたいあくをもてあくむくいぬやうつゝしめ。ただあひたがひに、またすべてのひとたいしてつねぜん追󠄃もとめよ。 16 つねよろこべ、 17 えずいのれ、 18 すべてのことを感謝かんしゃせよ、これキリスト・イエスにりてかみなんぢらにもとたま所󠄃ところなり。 19 御靈みたますな、 20 預言よげんなみすな、 21 すべてのことこゝろみてきものをまもり、
 421㌻ 
22 すべあくたぐひ遠󠄄とほざかれ。
〘305㌻〙
23 ねがはくは平󠄃和へいわかみ、みづからなんぢらを全󠄃まった潔󠄄きよくし、なんぢらのれいこゝろからだとを全󠄃まったまもりて、われらのしゅイエス・キリストのきたたまふときむべき所󠄃ところなからしめたまはんことを。 24 なんぢらをしたまふもの眞實まことなれば、これたまふべし。

25 兄弟きゃうだいよ、われらのためにいのれ。

26 きよき接吻くちつけをもてすべての兄弟きゃうだい安否あんぴへ。 27 しゅによりてなんぢらにめいず、このふみすべての兄弟きゃうだいかせよ。

28 ねがはくはしゅイエス・キリストの恩惠めぐみ、なんぢらとともらんことを。〘306㌻〙
 422㌻