前に戻る ガラテヤ書 🔝

 

〘380㌻〙

第1章

1 ひとよりにあらず、ひとるにもあらず、イエス・キリストおよこれ死人しにんうちよりよみがへらせたまひし父󠄃ちちなるかみりて使徒しととなれるパウロ、 2 およわれともにあるすべての兄弟きゃうだいふみをガラテヤのしょ敎會けうくわいおくる。 3 ねがはくは、われらの父󠄃ちちなるかみおよびしゅイエス・キリストよりたま恩惠めぐみ平󠄃安へいあんなんぢらにらんことを。 4 しゅわれらの父󠄃ちちなるかみ御意󠄃みこゝろしたがひて、われらをいましきよりすくいださんとて、おのわれらのつみのためにあたへたまへり。 5 ねがはくは榮光えいくわう世々よゝかぎりなくかみにあらんことを、アァメン。

6 われなんぢらがくも速󠄃すみやかにキリストの恩惠めぐみをもてたまひしものよりはなれてことなる福音󠄃ふくいんうつりゆくをあやしむ。 7 これ福音󠄃ふくいんふべきものにあらず、ただある人々ひとびとなんぢらをみだしてキリストの福音󠄃ふくいんへんとするなり。 8 されど我等われらにもせよ、てんよりの御使みつかひにもせよ、われらのかつ宣傳のべつたへたる所󠄃ところそむきたる福音󠄃ふくいんなんぢらに宣傳のべつたふるものあらばのろはるべし。 9 われら前󠄃さきひしごとく、いままたはん、なんぢらのけし所󠄃ところそむきたる福音󠄃ふくいん宣傳のべつたふるものあらば、のろはるべし。

10 われいまひとよろこばれんとするか、あるひかみよろこばれんとするか、そもそもまたひとよろこばせんことをもとむるか。もしわれなほひとよろこばせをらば、キリストのしもべにあらじ。

 380㌻ 
11 兄弟きゃうだいよ、われなんぢらに示す、わがつたへたる福音󠄃ふくいんは、ひとれるものにあらず。 12 われひとよりこれけず、またをしへられず、たゞイエス・キリストの默示もくしれるなり。 13 がユダヤけうけるさき擧動ふるまひは、なんぢらすでけり、すなははげしくかみ敎會けうくわいめ、かつあらしたり。 14 又󠄂またわが國人くにびとのうち、われおな年輩ねんぱいなるおほくのものにも勝󠄃まさりてユダヤけう進󠄃すゝみ、わが先祖せんぞたちの言傳いひつたへたいしてはなは熱心ねっしんなりき。 15 れどははたいでしよりわれ選󠄄えらわかち、その恩惠めぐみをもてたまへるもの 16 御子みこうちあらはして福音󠄃ふくいん異邦人いはうじん宣傳のべつたへしむるをしとしたまへるとき、われたゞちに血肉けつにくはからず、 17 われより前󠄃さき使徒しととなりし人々ひとびとはんとてエルサレムにものぼらず、アラビヤにきて遂󠄅つひにまたダマスコに返󠄄かへれり。

18 そののち三年さんねんてケパを尋󠄃たづねんとエルサレムにのぼり、じふにちあひだかれとともとゞまりしが、 19 しゅ兄弟きゃうだいヤコブのほかいづれ使徒しとにもはざりき。 20こゝきおくることは、よ、かみ前󠄃まへにていつはらざるなり)〘276㌻〙 21 そののちシリヤ、キリキヤの地方ちはうけり。 22 キリストにあるユダヤのしょ敎會けうくわいかほらざりしかど、 23 ただ人々ひとびとの『われらを前󠄃さきめしものかつあらしたる信仰しんかう道󠄃みちいまつたふ』といふをき、 24 わがことによりてかみあがめたり。

第2章

1 そののち十四年じふよねんてバルナバとともに、テトスをも連󠄃れて、またエルサレムにのぼれり。 2 のぼりしは默示もくしりてなり。かく異邦人いはうじんうちぶる福音󠄃ふくいんかれらにげ、またあるものどもにひそかにげたり、これははしること、又󠄂またすでにはしりしことの空󠄃むなしからざらんためなり。 3 しかしてわれともなるギリシヤびとテトスすら割󠄅禮かつれいひられざりき。
 381㌻ 
4 これひそかにりたるにせ兄弟きゃうだいあるにりてなり。かれらの忍󠄄しのりたるは、われらがキリスト・イエスにりててる自由じいううかゞひ、かつわれらを奴隷どれいとせんためなり。 5 れど福音󠄃ふくいん眞理まことなんぢらのうちとゞまらんために、われひとときかれらにゆずしたがはざりき。 6 しかるに、かのあるものどもより――かれらは如何いかなるひとなるにもせよ、われには關係かゝはりなし、かみひと外面うはべたまはず――にかのあるものどもはわれなにをもくはへず、 7 かへつてペテロが割󠄅禮かつれいあるものたいする福音󠄃ふくいんゆだねられたるごとく、割󠄅禮かつれいなきものたいする福音󠄃ふくいんゆだねられたるを認󠄃みとめ、 8 (ペテロに能力ちからあたへて割󠄅禮かつれいあるもの使徒しととなしたまひしものは、われにも異邦人いはうじんのために能力ちからあたたまへり) 9 またわれたまはりたる恩惠めぐみをさとりて、はしらおもはるるヤコブ、ケパ、ヨハネは、交誼まじはりしるしとしてわれとバルナバとに握手あくしゅせり。これはわれらが異邦人いはうじんにゆき、かれらが割󠄅禮かつれいあるものかんためなり。 10 たゞそのねがふところはわれらが貧󠄃まづしきもの顧󠄃かへりみんことなり、われもとよりことはげみておこなへり。

11 れどケパがアンテオケにきたりしときむべきことのありしをもて、面前󠄃まのあたりこれとあらそひたり。 12 そのゆゑ人々ひとびとのヤコブのもとよりきたるまでは、かれ異邦人いはうじんとも食󠄃しょくしゐたるに、かの人々ひとびときたりてよりは、割󠄅禮かつれいあるものどもをおそれ、退󠄃しりぞきて異邦人いはうじんわかれたり。 13 ほかのユダヤびとかれとともに僞行いつはりごとをなし、バルナバまでもその僞行いつはりごとさそはれゆけり。 14 れどわれかれらが福音󠄃ふくいん眞理まことしたがひてたゞしくあゆまざるをて、會衆くわいしゅう前󠄃まへにてケパにふ『なんぢユダヤびとなるにユダヤびとごとくせず、異邦人いはうじんのごとく生活せいくわつせば、なにひて異邦人いはうじんをユダヤびとごとくならしめんとするか』
 382㌻ 
15 われらは生來うまれながらのユダヤびとにして罪人つみびとなる異邦人いはうじんにあらざれども、〘277㌻〙 16 ひととせらるるは律法おきて行爲おこなひらず、ただキリスト・イエスをしんずる信仰しんかうるをりて、キリスト・イエスをしんじたり。これ律法おきて行爲おこなひらず、キリストをしんずる信仰しんかうによりてとせられんためなり。律法おきて行爲おこなひによりてはとせらるるもの一人ひとりだになし。 17 しキリストにりてとせられんことをもとめて、なほ罪人つみびと認󠄃みとめられなば、キリストはつみ役者えきしゃなるか、けっしてしからず。 18 われもし前󠄃さきこぼちしものをふたゝてなば、おのれみづから犯罪者はんざいしゃたるをあらはす。 19 われかみきんために、律法おきてによりて律法おきてにたり。 20 われキリストととも十字架じふじかにつけられたり。最早もはやわれくるにあらず、キリストうちりてくるなり。いまわれ肉體にくたいりてくるは、われあいしてがためにおのたまひしかみしんずるにりてくるなり。 21 われかみ恩惠めぐみ空󠄃むなしくせず、もしとせらるること律法おきてらば、キリストのたまへるは徒然いたづらなり。

第3章

1 おろかなるかな、ガラテヤびとよ、十字架じふじかにつけられたまひしままなるイエス・キリスト、なんぢらの眼前󠄃めのまへあらはされたるに、なんぢらをたぶらかししぞ。 2 われなんぢよりたゞこのことかんとほっす。なんぢらが御靈みたまけしは律法おきて行爲おこなひるか、きてしんじたるにるか。 3 なんぢらはくもおろかなるか、御靈みたまによりてはじまりしに、いまにくによりて全󠄃まったうせらるるか。 4 斯程かほどまでおほくの苦難くるしみけしことは徒然いたづらなるか、徒然いたづらにはあるまじ。 5 らばなんぢらに御靈みたまたまひてなんぢらのうち能力ちからあるわざおこなたまへるは、律法おきて行爲おこなひるか、きてしんずるにるか。 6 しるして『アブラハムかみしんじ、その信仰しんかうとせられたり』とあるがごとし。

 383㌻ 
7 さればれ、信仰しんかうものは、これアブラハムのなるを。 8 聖󠄄書せいしょかみ異邦人いはうじん信仰しんかうりてとしたまふことをりて、あらかじめ福音󠄃ふくいんをアブラハムにつたへてふ『なんぢにりて、もろもろの國人くにびと祝福しくふくせられん』と。 9 このゆゑ信仰しんかうによるものは、信仰しんかうありしアブラハムととも祝福しくふくせらる。 10 されどすべ律法おきて行爲おこなひによるもののろひしたにあり。しるして『律法おきてふみしるされたるすべてのことつねおこなはぬものはみなのろはるべし』とあればなり。 11 律法おきてりてかみ前󠄃まへとせらるることなきはあきらかなり『義人ぎじん信仰しんかうによりてくべし』とあればなり。 12 律法おきて信仰しんかうるにあらず、かへつて『律法おきておこなものこれりてくべし』とへり。 13 キリストは我等われらのためにのろはるるものとなりて律法おきてのろひよりわれらをあがないだたまへり。しるして『けらるるものすべのろはるべし』とへばなり。〘278㌻〙 14 これアブラハムのけたる祝福しくふくのイエス・キリストによりて異邦人いはうじんにおよび、かつわれらが信仰しんかうりて約束やくそく御靈みたまけんためなり。

15 兄弟きゃうだいよ、われひとことりてはん、ひと契󠄅約けいやくすらすでさだむれば、これはいし、またくはふるものなし。 16 かの約束やくそくはアブラハムとすゑとにあたたまひしものなり。おほくのものすごとく『裔々すゑずゑに』とははず、一人ひとりすごとく『なんぢのすゑに』とへり、これすなはちキリストなり。 17 ればわれいはん、かみあらかじめさだたまひし契󠄅約けいやくは、そののち四百三十年しひゃくさんじふねん起󠄃おこりし律法おきてはいせらるることなく、その約束やくそく空󠄃むなしくせらるることなし。 18 もし嗣業しげふくること律法おきてらば、もはや約束やくそくにはらず、しかるにかみ約束やくそくりてこれをアブラハムにたまひたり。 19 れば律法おきてなにのためぞ。これつみためくはたまひしものにて、御使みつかひたちを中保なかだちによりててられ、約束やくそくあたへられたるすゑきたらんときにまでおよぶなり。
 384㌻ 
20中保なかだち一方いっぱうのみのものにあらず、れどかみ唯一ゆゐいついませり) 21 らば律法おきてかみ約束やくそくもとるか、けっしてしからず。もしひとかすべき律法おきてあたへられたらんには、とせらるるは律法おきてりしならん。 22 れど聖󠄄書せいしょすべてのものつみしためたり。これしんずるもののイエス・キリストにたいする信仰しんかうれる約束やくそくあたへられんためなり。

23 信仰しんかうきたらぬ前󠄃さきは、われら律法おきてしたまもられて、のちあらはれんとする信仰しんかうときまでめられたり。 24 信仰しんかうによりてわれらのとせられんために、律法おきてわれらをキリストに導󠄃みちび守役もりやくとなれり。 25 されど信仰しんかういできたりしのちは、我等われらもはや守役もりやくしたらず。 26 なんぢらは信仰しんかうによりキリスト・イエスにりて、みなかみたり。 27 おほよそバプテスマにりてキリストにひしなんぢらは、キリストをたるなり。 28 いまはユダヤびともギリシヤびともなく、奴隷どれい自主じしゅもなく、をとこをんなもなし、なんぢらはみなキリスト・イエスにりて一體いったいなり。 29 なんぢもしキリストのものならば、アブラハムのすゑにして約束やくそくしたがへる世嗣よつぎたるなり。

第4章

1 われふ、世嗣よつぎ全󠄃業ぜんげふしゅなれども、成人おとなとならぬあひだしもべことなることなく、 2 父󠄃ちちさだめしときいたるまでは後見者うしろみ家令かれいとのしたにあり。 3 かくのごとくわれらも成人おとなとならぬほどは、小學せうがくしたにありてしもべたりしなり。 4 れどとき滿つるにおよびては、かみその御子みこ遣󠄃つかはし、これををんなよりうまれしめ、律法おきてしたうまれしめたまへり。〘279㌻〙 5 これ律法おきてしたにあるものをあがなひ、我等われらをしてたることをしめんためなり。 6 なんぢかみたるゆゑに、かみ御子みこ御靈みたまわれらのこゝろ遣󠄃つかはして『アバ、父󠄃ちち』とばしめたまふ。 7 されば最早もはやなんぢはしもべにあらず、たるなり、すでたらばまたかみりて世嗣よつぎたるなり。

 385㌻ 
8 れどなんぢかみらざりしときは、そのじつかみにあらざる神々かみがみつかへたり。 9 いまかみり、むしかみられたるに、なんまたかの弱󠄃よわくしていやしき小學せうがく還󠄃かへりて、ふたゝびそのしもべたらんとするか。 10 なんぢらはつき季節󠄄きせつとしとをまもる。 11 われなんぢらのためはたらきしことあるひえきにならんことをおそる。

12 兄弟きゃうだいよ、われなんぢらに請󠄃ふ、われなんぢのごとくりたれば、なんぢがごとくれ。なんぢ何事なにごとにもわれ害󠄅そこなひしことなし。 13 わがはじなんぢらに福音󠄃ふくいんつたへしは、肉體にくたい弱󠄃よわかりしゆゑなるをなんぢる。 14 わが肉體にくたいなんぢらの試鍊こゝろみとなるものありたれどなんぢこれいやしめず、又󠄂またきらはず、かへつてわれかみ使つかひごとく、キリスト・イエスのごと迎󠄃むかへたり。 15 なんぢらのとき幸福さいはひはいま何處いづこるか。われなんぢらにきてあかしす、もしべくばおのゑぐりてわれあたへんとまでおもひしを。 16 しかるにわれなんぢらにまことふによりてあたとなりたるか。 17 かの人々ひとびとなんぢらに熱心ねっしんなるはこゝろにあらず、なんぢらをわれらよりはなしておのれらに熱心ねっしんならしめんとてなり。 18 こゝろより熱心ねっしんしたはるるは、たゞなんぢらとともにをるときのみならず、何時いつにてもよろしきことなり。 19 わが幼兒をさなごよ、なんぢらのうちにキリストのかたちるまでは、われふたたびうみ苦痛くるしみをなす。 20 いまなんぢらにいたりてこゑへんことをねがふ、なんぢらにきてまどへばなり。

21 律法おきてしたにあらんとねがものよ、われにいへ、なんぢ律法おきてをきかぬか。 22 すなはちアブラハムに二人ふたりあり、一人ひとり婢女はしためより、一人ひとり自主じしゅをんなよりうまれたりとしるされたり。 23 婢女はしためよりのにくによりてうまれ、自主じしゅをんなよりの約束やくそくによる。 24 このうちたとへあり、二人ふたりをんなふたつの契󠄅約けいやくなり、そのひとつはシナイやまよりでて、奴隷どれいたるむ、これハガルなり。
 386㌻ 
25 このハガルはアラビヤにるシナイやまにしていまのエルサレムにあたる。エルサレムはそのらとともに奴隷どれいたるなり。 26 れどうへなるエルサレムは、自主じしゅにしてわれらのははなり。 27 しるしていふ 『石女うまずめにしてまぬものよ、よろこべ。 うみ苦痛くるしみせぬものよ、こゑをあげてよばはれ。 獨住󠄃ひとりずみをんなおほし、をっとあるものよりもおほし』とあり。〘280㌻〙 28 兄弟きゃうだいよ、なんぢらはイサクのごとく約束やくそくなり。 29 しかるにときにくによりてうまれしもの御靈みたまによりてうまれしものめしごとくいまなほしかり。 30 されど聖󠄄書せいしょなにへるか『婢女はしためとそのとを逐󠄃ひいだせ、婢女はしため自主じしゅをんなともげふぐべからず』とあり。 31 されば兄弟きゃうだいよ、われらは婢女はしためならず、自主じしゅをんななり。

第5章

1 キリストは自由じいうさせんためわれらをはなちたまへり。ればかたちてふたゝ奴隷どれいくびきつながるな。

2 われパウロなんぢらにふ、もし割󠄅禮かつれいけば、キリストはなんぢらにえきなし。 3 又󠄂またさらにすべ割󠄅禮かつれいくるひとあかしす、かれは律法おきて全󠄃體ぜんたいおこなふべき負󠄅債おひめあり。 4 律法おきてりてとせられんとおもなんぢらは、キリストよりはなれたり、恩惠めぐみよりちたり。 5 われらは御靈みたまにより、信仰しんかうによりて希望󠄇のぞみをいだき、とせらるることをてるなり。 6 キリスト・イエスにりては、割󠄅禮かつれいくるも割󠄅禮かつれいけぬもえきなく、ただあいりてはたらく信仰しんかうのみえきあり。 7 なんぢら前󠄃さきにははしりたるに、たれなんぢらの眞理まことしたがふをはばみしか。 8 かゝすゝめなんぢらをしたまふものよりづるにあらず。 9 すこしのパンだねこな團塊かたまりをみなふくれしむ。 10 われなんぢらにきては、そのいさゝかも異念いねんいだかぬことをしゅによりてしんず。されどなんぢらをみだものは、たれにもあれ、審判󠄄さばきけん。
 387㌻ 
11 兄弟きゃうだいよ、われもしいま割󠄅禮かつれい宣傳のべつたへば、なんぞなほ迫󠄃害󠄅はくがいせられんや。もししかりせば十字架じふじか顚躓つまづきみしならん。 12 ねがはくはなんぢらをみだものどもの自己みづから不具󠄄ふぐにせんことを。

13 兄弟きゃうだいよ、なんぢらのされたるは自由じいうあたへられんためなり。ただ自由じいうにくしたが機會をりとなさず、かへつてあいをもてたがひつかへよ。 14 それ律法おきて全󠄃體ぜんたいは『おのれのごとく、なんぢのとなりあいすべし』との一言いちげんにて全󠄃まったうせらるるなり。 15 こゝろせよ、たがひ食󠄃くらはばあひともほろぼされん。

16 われいふ、御靈みたまによりてあゆめ、さらばにくよく遂󠄅げざるべし。 17 にく望󠄇のぞむところは御靈みたまにさからひ、御靈みたま望󠄇のぞむところはにくにさからひてたがひあひもどればなり。これなんぢらのほっする所󠄃ところをなしざらしめんためなり。 18 なんぢもし御靈みたま導󠄃みちびかれなば、律法おきてしたにあらじ。 19 それにく行爲おこなひはあらはなり。すなは淫行いんかう汚穢けがれ好色かうしょく〘281㌻〙 20 偶像ぐうざう崇拜すうはい呪術まじわざ怨恨うらみ紛爭あらそひ嫉妬ねたみ憤恚いきどほり徒黨とたう分󠄃離ぶんり異端いたん 21 猜忌そねみ醉酒すゐしゅ宴樂えんらくなどのごとし。われすでにいましめたるごとく、いままたいましむ。か ることをおこなものかみくにぐことなし。 22 れど御靈みたまあい喜悅よろこび平󠄃和へいわ寛容くわんよう仁慈なさけ善良ぜんりゃう忠信ちゅうしん 23 柔和にうわ節󠄄制せつせいなり。かゝるものをきんずる律法おきてはあらず。 24 キリスト・イエスにぞくするものにくとともに情󠄃じゃうよくとを十字架じふじかにつけたり。

25 もしわれ御靈みたまりてきなば、御靈みたまりてあゆむべし。 26 たがひいどみ、たがひねたみて、むなしきほまれもとむることをな。
 388㌻ 

第6章

1 兄弟きゃうだいよ、もしひとつみ認󠄃みとむることあらば、御靈みたまかんじたるもの柔和にうわなるこゝろをもてこれたゞすべし、かつおのおのみづかかへりみよ、おそらくはおのれさそはるることあらん。 2 なんぢらたがひおもき負󠄅へ、しかしてキリストの律法おきて全󠄃まったうせよ。 3 ひともしることくしてみづかりとせば、これみづからあざむくなり。 4 各自おのおのおのが行爲おこなひためよ、さらばほこるところは、ほかにあらで、ただおのれにあらん。 5 各自おのおのおのが負󠄅ふべければなり。

6 御言みことばをしへらるるひとをしふるひとすべてのものともにせよ。 7 みづかあざむくな、かみあなどるべきものにあらず、ひと所󠄃ところは、その所󠄃ところとならん。 8 おのにくのためにものにくによりて滅亡ほろびりとり、御靈みたまのためにもの御靈みたまによりて永遠󠄄とこしへ生命いのちりとらん。 9 われらぜんをなすにまざれ、もしたゆまずば、ときいたりてるべし。 10 このゆゑをりしたがひて、すべてのひとこと信仰しんかう家族かぞくぜんをおこなへ。

11 よ、われづから如何いかおほいなる文字もじにてなんぢらにおくるかを。 12 おほよにくにおいてうるわしき外觀みえをなさんとほっするものは、なんぢらに割󠄅禮かつれいふ。これたゞキリストの十字架じふじかゆゑによりてめられざらんためのみ。 13 そは割󠄅禮かつれいをうくるものすらみづか律法おきてまもらず、しかなんぢらに割󠄅禮かつれいをうけしめんとほっするは、なんぢらのにくにつきてほこらんがためなり 14 れどわれにはわれらのしゅイエス・キリストの十字架じふじかのほかにほこ所󠄃ところあらざれ。これによりてわれたいして十字架じふじかにつけられたり、たいするもまたしかり。 15 それ割󠄅禮かつれいくるもけぬも、ともかぞふるにらず、ただたふときはあらた造󠄃つくらるることなり。
 389㌻ 
16 のりしたがひてあゆすべてのものうへに、かみのイスラエルのうへに、平󠄃安へいあん憐憫あはれみとあれ。

17 いまよりのちたれわれわづらはすな、われはイエスのしるしびたるなり。
〘282㌻〙
18 兄弟きゃうだいよ、ねがはくはわれらのしゅイエス・キリストの恩惠めぐみ、なんぢらのれいとともにらんことを、アァメン。〘283㌻〙
 390㌻