〘1588㌻〙
第1章
1 これマラキに托てイスラエルに臨めるヱホバの言の重負󠄅なり
2 ヱホバ曰たまふ我汝らを愛したり 然るに汝ら云ふ 汝いかに我儕を愛せしやと ヱホバいふエサウはヤコブの兄に非ずや されど我はヤコブを愛し
3 エサウを惡めり 且つわれ彼の山を荒し其嗣業を山犬にあたへたり
4 エドムは我儕ほろぼされたれども再び荒たる所󠄃を建んといふによりて萬軍のヱホバかく曰たまふ 彼等は建ん されど我これを倒さん 人は彼等を惡境とよび又󠄂ヱホバの恒に怒りたまふ人民と稱へん
5 汝らこれを目に見て云ん ヱホバはイスラエルの地に大なりと
6 子は其父󠄃を敬ひ僕はその主を敬ふ されば我もし父󠄃たらば我を敬ふこと安にあるや 我もし主たらば我をおそるること安にあるや なんぢら我が名を藐視る祭司よと萬軍のヱホバいひたまふ 然るに汝曹はいふ我儕何に汝の名を藐視りしやと
7 汝ら汚れたるパンをわが壇の上に獻げしかして言ふ我儕何に爾を汚せしやと 汝曹ヱホバの臺は卑しきなりと云しがゆゑなり
8 汝ら盲目なる者を犧牲に獻ぐるは惡に非ずや 又󠄂跛足なるものと病者を獻ぐるは惡に非ずや 今これを汝の方伯に獻げよ されば彼なんぢを悅ぶや 汝を受納󠄃るや 萬軍のヱホバこれをいふ
9 請󠄃ふ汝ら神に我らをあはれみ給はんことをもとめよ これらは凡て汝らの手になれり 彼なんぢらを納󠄃んや 萬軍のヱホバこれを言ふ
10 汝らがわが壇の上にいたづらに火をたくこと無らんために汝らの中一人扉を閉づる者あらまほし われ汝らを悅ばず 又󠄂なんぢらの手より獻物を受じと萬軍のヱホバいひ給ふ
11 日の出る處より沒る處までの列國の中に我名は大ならん 又󠄂何處にても香と潔󠄄き獻物を我名に獻げん そはわが名列國の中に大なるべければなりと萬軍のヱホバいひ給ふ
1588㌻
12 しかるになんぢら之を褻したり そは爾曹はヱホバの臺は汚れたり また其果すなはちその食󠄃物は卑しと云ばなり
13 なんぢらは又󠄂如何に煩勞しきことにあらずやといひ且これを藐視たり 萬軍のヱホバこれをいふ 又󠄂なんぢらは奪ひし物跛足たる者病る者を携へ來れり 汝らかく獻物を携へ來ればわれ之を汝らの手より受べけんや ヱホバこれをいひ給へり
14 群の中に牡あるに誓を立てて疵あるものをヱホバに獻ぐる詐僞者は詛はるべし そは我は大なる王また我名は列國に畏れらるべきなればなり 萬軍のヱホバこれをいふ〘1217㌻〙
第2章
1 祭司等よ今この命令なんぢらにあたへらる
2 萬軍のヱホバいひたまふ汝等もし聽きしたがはず又󠄂これを心にとめず我名に榮光を歸せずばわれ汝らの上に詛を來らせん 又󠄂なんぢらの祝福を詛はん われすでに此等を詛へり 汝らこれを心にとめざりしに因てなり
3 視よ我なんぢらのために種をいましめん また糞すなはち汝らの犧牲の糞を汝らの面の上に撒さん 汝らこれとともに携へさられん
4 わが此命令をなんぢらに下し與ふるは我契󠄅約をしてレビに保たしめんためなるを汝ら知るべし 萬軍のヱホバこれをいふ
5 わが彼と結びし契󠄅約は生命と平󠄃安とにあり 我がこれを彼に與へしは彼に我を畏れしめんが爲なり 彼われを懼れわが名の前󠄃にをののけり
6 眞理の法彼の口に在て不義その口唇にあらず 彼平󠄃安と公義をとりて我とともにあゆみ又󠄂多の人を不義より立歸らせたりき
7 夫れ祭司の口唇に知識を持べく又󠄂人彼の口より法を諮詢べし そは祭司は萬軍のヱホバの使者なればなり
8 しかるに汝らは道󠄃を離れ衆多の人を法に躓礙かせレビの契󠄅約を壞りたり 萬軍のヱホバこれをいふ
1589㌻
9 汝らは我道󠄃を守らず法をおこなふに當りて人に偏󠄃りし故にわれも汝らを一切の民の前󠄃に輕められまた賤められしむ
10 我儕の父󠄃は皆同一なるにあらずや われらを造󠄃りし神は同一なるにあらずや 我儕先祖等の契󠄅約を破りて各々おのれの兄弟にいつはりを行ふは何ぞ
11 ユダは誓約にそむけり イスラエル及びエルサレムの中には憎むべき事行はる すなはちユダはヱホバの愛したまふ聖󠄄所󠄃を褻して他神の女をめとれり
12 ヱホバこれをおこなふ人をば主なるものをも事ふる者をもヤコブの幕屋よりのぞきたまはん 萬軍のヱホバに獻物をささぐるものにてもまた然り
13 つぎに又󠄂なんぢらはこれをなせり 即ち淚と泣と歎とをもてヱホバの壇をおほはしめたり 故に彼もはや獻物を顧󠄃みずまたこれを汝らの手より悅び納󠄃たまはざるなり
14 汝らはなほ何故ぞやと言ふ そは是はヱホバ汝となんぢの若き時の妻の間にいりて證をなしたまへばなり 彼はなんぢの伴󠄃侶汝が契󠄅約をなせし妻なるに汝誓約に背きてこれを棄つ
15 ヱホバは只一を造󠄃りたまひしにあらずや されども彼にはなほ靈の餘ありき 何故にひとつのみなりしや 是は神を敬虔の裔を得んが爲なりき 故になんぢら心に謹みその若き時の妻を誓約にそむきて棄るなかれ〘1218㌻〙
16 イスラエルの神ヱホバいひたまふ われは離緣を惡みまた虐󠄃遇󠄃をもて其衣を蔽ふ人を惡む 故に汝ら誓約にそむきて妻を待遇󠄃はざるやう心につつしむべし 萬軍のヱホバこれをいふ
17 なんぢらは言をもてヱホバを煩勞はせり されど汝ら言ふ 何にわづらはせしやと 如何となればなんぢら凡て惡をなすものはヱホバの目に善と見えかつ彼に悅ばると言ひ また審判󠄄の神は安にあるやといへばなり
1590㌻
第3章
1 視よ我わが使者を遣󠄃さん かれ我面の前󠄃に道󠄃を備へん また汝らが求むるところの主すなはち汝らの悅樂ぶ契󠄅約の使者忽然その殿に來らん 視よ彼來らんと萬軍のヱホバ云たまふ
2 されど其來る日には誰か堪えんや その顯著る時には誰か立えんや 彼は金をふきわくる者の火の如く布晒の灰󠄃汁のごとくならん
3 かれは銀をふきわけてこれを潔󠄄むる者のごとく坐せん 彼はレビの裔を潔󠄄め金銀の如くかれらをきよめん 而して彼等は義をもて獻物をヱホバにささげん
4 その時ユダとエルサレムの獻物はむかし日の如く又󠄂先の年のごとくヱホバに悅ばれん
5 われ汝らにちかづきて審判󠄄をなし巫術者にむかひ姦淫を行ふ者にむかひ僞の誓をなせる者にむかひ傭人の價金をかすめ寡婦󠄃と孤子をしへたげ異邦人を推抂げ我を畏れざるものどもにむかひて速󠄃に證をなさんと萬軍のヱホバ云たまふ
6 それわれヱホバは易らざる者なり 故にヤコブの子等よ汝らは亡されず
7 なんぢら其先祖等の日よりこのかたわが律例をはなれてこれを守らざりき 我にかへれ われ亦なんぢらに歸らん 萬軍のヱホバこれを言ふ 然るに汝らはわれら何においてかへるべきやと言り
8 ひと神の物をぬすむことをせんや されど汝らはわが物を盜めり 汝らは又󠄂何において汝の物をぬすみしやといへり 十分󠄃の一および獻物に於てなり
9 汝らは呪詛をもて詛はる またなんぢら一切の國人はわが物をぬすめり
10 わが殿に食󠄃物あらしめんために汝ら什一をすべて我倉にたづさへきたれ 而して是をもて我を試みわが天の窓をひらきて容べきところなきまでに恩澤を汝らにそそぐや否やを見るべし 萬軍のヱホバこれを言ふ
11 我また噬食󠄃ふ者をなんぢらの爲に抑へてなんぢらの地の產物をやぶらざらしめん 又󠄂なんぢらの葡萄の樹をして時のいたらざる前󠄃にその實を圃におとさざらしめん 萬軍のヱホバこれをいふ
12 又󠄂萬國の人なんぢらを幸福なる者ととなへん そは汝ら樂しき地となるべければなり 萬軍のヱホバこれをいふ
〘1219㌻〙
1591㌻
13 ヱホバ云たまふ 汝らは言詞をはげしくして我に逆󠄃らへり しかるも汝らは我儕なんぢらにさからひて何をいひしやといへり
14 汝らは言らく神に服󠄃事ることは徒然なり われらその命令をまもりかつ萬軍のヱホバの前󠄃に悲みて步みたりとて何の益あらんや
15 今われらは驕傲ものを幸福なりと稱ふ また惡をおこなふものも盛になり 神を試むるものすらも救はると
16 その時ヱホバをおそるる者互に相かたりヱホバ耳をかたむけてこれを聽たまへり またヱホバを畏るる者およびその名を記憶る者のためにヱホバの前󠄃に記念の書をかきしるせり
17 萬軍のヱホバいひたまふ 我わが設くる日にかれらをもて我寳となすべし また人の己につかふる子をあはれむがごとく我彼等をあはれまん
18 その時汝らは更にまた義者と惡きものと神に服󠄃事るものと事へざる者との區別をしらん
第4章
1 萬軍のヱホバいひたまふ 視よ爐のごとくに燒る日來らん すべて驕傲者と惡をおこなふ者は藁のごとくにならん 其きたらんとする日彼等を燒つくして根も枝ものこらざらしめん
2 されど我名をおそるる汝らには義の日いでて昇らん その翼には醫す能をそなへん 汝らは牢よりいでし犢の如く躍󠄃跳ん
3 又󠄂なんぢらは惡人を踐つけん 即ちわが設くる日にかれらは汝らの脚の掌の下にありて灰󠄃のごとくならん 萬軍のヱホバこれを言ふ
4 なんぢらわが僕モーセの律法をおぼえよ すなはち我がホレブにてイスラエル全󠄃體のために彼に命ぜし法度と誡命をおぼゆべし
1592㌻
5 視よヱホバの大なる畏るべき日の來るまへにわれ預言者エリヤを汝らにつかはさんかれ父󠄃の心にその子女の心を慈はせ 子女の心にその父󠄃をおもはしめん 是は我が來りて詛をもて地を擊ことなからんためなり〘1220㌻〙
1593㌻