〘1564㌻〙
第1章
1 アモンの子ユダの王ヨシヤの世にゼパニヤに臨めるヱホバの言 ゼパニヤはクシの子 クシはゲダリアの子 ゲダリアはアマリヤの子 アマリヤはヒゼキヤの子なり
2 ヱホバ言たまふ われ地の面よりすべての物をはらひのぞかん
3 われ人と獸畜をほろぼし空󠄃の鳥 海の魚および躓礙になる者と惡人とを滅さん 我かならず地の面より人をほろぼし絕ん ヱホバこれを言ふ
4 我ユダとエルサレムの一切の居民との上に手を伸ん 我 この處よりかの漏のこれるバアルを絕ちケマリムの名を祭司と與に絕ち
5 また屋上にて天の衆軍を拜む者ヱホバに誓を立てて拜みながらも亦おのれの王を指て誓ふことをする者
6 ヱホバに悖り離るる者ヱホバを求めず尋󠄃ねざる者を絕ん
7 汝 主ヱホバの前󠄃に默せよ そはヱホバの日近󠄃づきヱホバすでに犧牲を備へその招くべき者をさだめ給ひたればなり
8 ヱホバの犧牲の日に我もろもろの牧伯と王の子等および凡て異邦の衣服󠄃を着る者を罰すべし
9 その日には我また凡て閾をとびこえ强暴と詭譎をもて獲たる物をおのが主の家に滿す者等を罰せん
10 ヱホバ曰たまはく その日には魚の門より號呼の聲おこり下邑より喚く聲おこり山々より大なる敗壞おこらん
11 マクテシの民よ汝ら叫べ 其は商賣する民 悉くほろび銀を擔ふ者 悉く絕たればなり
12 その時はわれ燈をもちてエルサレムの中を尋󠄃ねん 而して滓の上に居着て心の中にヱホバは福をもなさず災をもなさずといふものを罰すべし
1564㌻
13 かれらの財寳は掠められ彼らの家は荒果ん かれら家を造󠄃るともその中に住󠄃ことを得ず 葡萄を植るともその葡萄酒を飮ことを得ざるべし
14 ヱホバの大なる日近󠄃づけり 近󠄃づきて速󠄃かに來る 聽よ是ヱホバの日なるぞ 彼處に勇士のいたく叫ぶあり
15 その日は忿怒の日 患難および痛苦の日 荒かつ亡ぶるの日 黑暗󠄃またをぐらき日 濃き雲および黑雲の日
16 箛をふき鯨聲をつくり堅き城を攻め高き櫓を攻るの日なり
17 われ人々に患難を蒙らせて盲者のごとくに惑ひあるかしめん 彼らヱホバにむかひて罪を犯したればなり 彼らの血は流されて塵のごとくになり彼らの肉は捨られて糞土のごとくなるべし
18 かれらの銀も金もヱホバの烈き怒の日には彼らを救ふことあたはず 全󠄃地その嫉妬の火に呑るべし 即ちヱホバ地の民をことごとく滅したまはん 其事まことに速󠄃なるべし〘1198㌻〙
第2章
1 汝等羞恥を知ぬ民早く自ら內に省みよ
2 夫日は糠粃の如く過󠄃ぎさる 然ば詔言のいまだ行はれざる先ヱホバの烈き怒のいまだ汝等に臨まざる先ヱホバの忿怒の日のいまだ汝等にきたらざるさきに自ら省みるべし
3 すべてヱホバの律法を行ふ斯地の遜るものよ 汝等ヱホバを求め公義を求め謙󠄃遜を求めよ 然すれば汝等ヱホバの忿怒の日に或は匿さるることあらん
4 夫ガザは棄られアシケロンは荒はてアシドドは白晝に逐󠄃はらはれエクロンは拔さらるべし
5 海邊に住󠄃る者およびケレテの國民は禍なるかな ペリシテ人の國カナンよ ヱホバの言なんぢらを攻む 我なんぢを滅して住󠄃者なきに至らしむべし
6 海邊は必ず牧塲となり牧者の洞および羊の牢そこに在ん
7 此地はユダの家の殘餘れる者に歸せん 彼ら其處にて草飼ひ暮に至ればアシケロンの家に臥ん そは彼らの神ヱホバかれらを顧󠄃みその俘囚を歸したまふべければなり
1565㌻
8 我すでにモアブの嘲弄とアンモンの子孫の罵言を聞けり 彼らはわが民を嘲り自ら誇りて之が境界を侵せしなり
9 是故に萬軍のヱホバ、イスラエルの神 言たまふ 我は活く 必ずモアブはソドムのごとくになりアンモンの子孫はゴモラのごとくにならん 是は共に蕁麻󠄃の蔓延る處となり鹽坑の地となりて長久に荒はつべし 我民の遺󠄃れる者かれらを掠めわが國民の餘されたる者かれらを獲ん
10 この事の彼らに臨むはその傲慢による 即ち彼ら萬軍のヱホバの民を嘲りて自ら誇りたればなり
11 ヱホバは彼等に對ひては畏ろしくましまし地の諸の神や饑し滅したまふなり 諸の國の民おのおのその處より出てヱホバを拜まん
12 エテオピア人よ汝等もまたわが劍にかかりて殺さる
13 ヱホバ北に手を伸てアッスリヤを滅したまはん 亦ニネベを荒して荒野のごとき旱地となしたまはん
14 而して畜の群もろもろの類の生物その中に伏し鸅鸕および刺猬其柱の頂に住󠄃み囀る者の聲窓の內にきこえ荒落たる物閾の上に積り香柏の板の細工露顯になるべし
15 是邑は驕り傲ぶりて安泰に立をり 唯我あり 我の外には誰もなしと心の中に言つつありし者なるが斯も荒はてて畜獸の臥す處となる者かな 此を過󠄃る者はみな嘶きて手をふるはん〘1199㌻〙
第3章
1 此暴虐󠄃を行ふ悖りかつ汚れたる邑は禍なるかな
2 是は聲を聽いれず敎晦を承ずヱホバに依賴まずおのれの神に近󠄃よらず
3 その中にをる牧伯等は吼る獅子の如くその審士は明旦までに何をも遺󠄃さゞる 夜求食󠄃する狼のごとし
1566㌻
4 その預言者は傲りかつ詐る人なり その祭司は聖󠄄物を汚し律法を破ることをなせり
5 その中にいますヱホバは義くして不義を行なひたまはず朝󠄃な朝󠄃な己の公義を顯して缺ることなし 然るに不義なる者は恥を知ず
6 我國々の民を滅したればその櫓は凡て荒たり 我これが街を荒凉れしめたれば徃來する者なし その邑々は滅びて人なく住󠄃む者なきに至れり
7 われ前󠄃に言り 汝ただ我を畏れまた警敎を受べし 然らばその住󠄃家は我が凡て之につきて定めたる所󠄃の如くに滅されざるべしと 然るに彼等は夙に起󠄃て己の一切の行狀を壞れり
8 ヱホバ曰たまふ 是ゆゑに汝らわが起󠄃て獲物をする日いたるまで我を俟て 我もろもろの民を集へ諸の國を聚めてわが憤恨とわが烈き忿怒を盡くその上にそそがんと思ひ定む 全󠄃地はわが嫉妬の火に燒ほろぼさるべし
9 その時われ國々の民に淸き唇をあたへ彼らをして凡てヱホバの名を呼しめ心をあはせて之につかへしめん
10 わが散せし者等の女即ち我を拜む者エテオピアの河々の彼旁よりもきたりて我に禮ものをささぐべし
11 その日には汝われに對てをかしきたりし諸の行爲をもて羞を得ことなかるべし その時には我なんぢの中より高ぶり樂む者等を除けば汝かさねてわが聖󠄄山にて傲り高ぶることなければなり
12 われ柔和にして貧󠄃き民をなんぢの中にのこさん 彼らはヱホバの名に依賴むべし
13 イスラエルの遺󠄃れる者は惡を行はず 謊をいはず その口のうちには詐僞の舌なし 彼らは草食󠄃ひ臥やすまん 之を懼れしむる者なかるべし
14 シオンの女よ歡喜の聲を擧よ イスラエルよ樂み呼はれ エルサレムの女よ心のかぎり喜び樂め
15 ヱホバすでに汝の鞫を止め汝の敵を逐󠄃はらひたまへり イスラエルの王ヱホバ汝の中にいます 汝はかさねて災禍にあふことあらじ
1567㌻
16 その日にはエルサレムに向ひて言あらん 懼るるなかれ シオンよ 汝の手をしなえ垂るるなかれと
17 なんぢの神ヱホバなんぢの中にいます 彼は拯救を施す勇士なり 彼なんぢのために喜び樂み愛の餘りに默し汝のために喜びて呼はりたまふ〘1200㌻〙
18 われ節󠄄會のことにつきて憂ふるものを集めん 彼等は汝より出し者なり 恥辱かれらに蒙むること重負󠄅のごとし
19 視よその時われ汝を虐󠄃遇󠄃る者を盡く處置し足蹇たるものを救ひ逐󠄃はなたれたる者を集め彼らをして其羞辱を蒙りし一切の國にて稱譽を得させ名を得さすべし
20 その時われ汝らを携へその時われ汝らを集むべし 我なんぢらの目の前󠄃において汝らの俘囚をかへし汝らをして地上の萬國に名を得させ稱譽を得さすべし ヱホバこれを言ふ〘1201㌻〙
1568㌻