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〘1524㌻〙

第1章

1 ペトエルのヨエルにのぞめるヱホバのことば 2 おいたるひとなんぢこれけ すべてこの住󠄃ものなんぢみゝかたむけよ なんぢらのあるはなんぢらの先祖せんぞにもかくのごときことありしや 3 なんぢこれかたはまたこれをそのかたりそのこれのちかたりつたへよ 4 かみくらふ蝗虫おほねむし遺󠄃のこせるものむれゐる蝗虫おほねむしのくらふ所󠄃ところとなりその遺󠄃のこせるものはなめつくすおほねむしのくらふ所󠄃ところとなりその遺󠄃のこせるものくひほろぼす蝗虫おほねむし食󠄃くら所󠄃ところとなれり

5 ゑひものなんぢさましてけ すべてさけをのむものなげきさけべ あたらしきさけなんぢらのくちえたればなり 6 そはことなるたみわがくにせめよすればなり そのいきほつよくそのかずはかられずその獅子しゝのごとくそのきば獅子じしきばのごとし 7 彼等かれらわが葡萄ぶだうあらしわが無花果いちじくりそのかはをはぎはだかにしてこれつ そのえだしろくなれり

8 なんぢ哀哭なげきかなしめ 貞女ていぢよそのわかかりしときのをつとのゆゑに麻󠄃布あさぬのこしにまとひて哀哭なげきかなしむがごとくせよ 9 素祭そさい灌祭くわんさいともにヱホバのいへえヱホバにつかふる祭司さいし哀傷かなしみをなす 10 はた哀傷かなしこれ穀物こくもつあれはてあたらしきさけつきあぶらたえんとすればなり 11 こむぎおほむぎのゆゑをもて農夫のうふぢよ 葡萄ぶだうをつくりけよ はた禾稼みのりうせはてたればなり 12 葡萄樹ぶだうのき無花果いちじくのしほ石榴ざくろ椰子やし林檎りんごおよびすべてしぼみたり こゝをもてひと喜樂たのしみかれうせぬ

 1524㌻ 
13 祭司さいしなんぢ麻󠄃布あさぬのこしにまとひてなきかなしめ 祭壇さいだんつかふるものなんぢらなきさけべ かみつかふるものよなんぢらきた麻󠄃布あさぬのをまとひてよるをすごせ 素祭そさい灌祭くわんさいなんぢらのかみいへいることあらざればなり 14 なんぢ斷食󠄃だんじきさだ集會しふくわいまう長老としよりあつくに居民きよみんをことごとくなんぢらのかみヱホバのいへあつめヱホバにむかひて號呼よばはれよ

15 ああそのわざはひなるかな ヱホバの近󠄃ちかづ暴風はやちのごとくに全󠄃能者ぜんのうしやよりきたらん 16 われらがまのあたりに食󠄃物しょくもつたええしにあらずや われらのかみいへ歡喜よろこび快樂たのしみたえしにあらずや 17 たねつちしたくらやぶよねぐらくづる そは穀物こくもつほろぼされたればなり 18 いかに畜獸けものかなしくや うしむれみだ迷󠄃まよくさなければなり ひつじむれもまた死喪しにうせ 19 ヱホバよわれなんぢにむかひてよばはらん 荒野あれのすべてくさにてすべて火熖ほのほにてやけつくればなり〘1167㌻〙 20 けものもまたなんぢにむかひてよばはらん みづながれかれはて荒野あれのくさにてやけつくればなり

第2章

1 なんぢらシオンにて喇叭らつぱわが聖󠄄山きよきやまにて音󠄃おとたかくこれふきならくにたみみなふるひわななかん そはヱホバのきたらんとすればなり すでに近󠄃ちかづけり 2 このくろくをぐらきくもむらがるまぐらきにしてしののめの山々やま〳〵にたなびくがごとかずおほくいきほひさかんなるたみむれいたらん かかるものはいにしへよりありしことなくのちの代々よゝとしにもあることなかるべし 3 かれらの前󠄃まへ火熖ほのほかれらのうしろにもゆ その過󠄃すぎさる前󠄃まへエデンのごとくその過󠄃すぎしのちはあれはてたるごとこれをのがれうるものひとつとしてあることなし

4 かれらのかたちむまのかたちのごとくそのはせありくことは軍馬いくさむまのごとし 5 そのやまいただきにとびをどる音󠄃おとくるま轟聲とどろくがごとし また稗株いなかぶちをやくおとのごとくしてそのさまつよたみ行伍そなへをたてて戰陣いくさにのぞむにたり 6 そのむかふところ諸民しよみん戰慄をののきそのかほみないろうしな
 1525㌻ 
7 かれらは勇士ゆうしごとくにはせあるき軍人いくさびとのごとくに石垣いしがきよぢのぼる かれ各々おの〳〵おのが道󠄃みち進󠄃すゝみゆきてそのなみみださず 8 かれたがひおしあはず各々おの〳〵その道󠄃みちにしたがひて進󠄃すゝかれらはやいばふるるとも害󠄅そこなはず 9 かれらはまちをかけめぐり石垣いしがきうへはしいへ攀登よぢのぼ盜賊ぬすびとのごとくにまどより 10 そのむかふところゆるぎてんふるつき暗󠄃くらくなりほしその光明ひかりうしな 11 ヱホバその軍勢ぐんぜい前󠄃まへにてこゑをあげたまふ その軍旅ぐんりよはなはだおほいなればなり そのことばなしとぐるものつよし ヱホバのおほいにしてはなはおそるべきがゆゑたれかこれにたふることをんや

12 されどヱホバいひたまふ いまにてもなんぢ斷食󠄃だんじき哭泣なげき悲哀かなしみとをなしこゝろをつくしてわれかへ 13 なんぢころもかずしてこゝろ汝等なんぢらかみヱホバにかへるべし かれ恩惠めぐみあり憐憫あはれみありかついかることゆるく愛憐いつくしみおほいにして災害󠄅わざはひをなすをくいたまふなり 14 たれかれのあるひはたちかへくい祝福めぐみをそのあとにとめのこしなんぢらをして素祭そさい灌祭くわんさいとをなんぢらのかみヱホバにささげしめたまはじとしらんや

15 なんぢらシオンにて喇叭らつぱきならし斷食󠄃だんじきさだ公會こうくわいをよびつどへ 16 たみあつめそのくわい潔󠄄きよくしおいたるひとをあつめ孩童わらはべ乳󠄃哺子ちのみごあつ新郎にひむこをそのねやよりよびいだし新婦󠄃にいよめをその密室おくねやよりよびいだせ 17 しかしてヱホバにつかふる祭司さいしほそどの祭壇さいだんあひだにてなきへ ヱホバよなんぢたみゆるしたまへ なんぢ產業さんげふ恥辱はぢしめらるるにまかこれ異邦人ことくにびとをさめさするなかなん異邦人ことくにびとをしてかれらのかみ何處いづくにあるといはしむべけんや
〘1168㌻〙
18 しかせばヱホバおのれにために嫉妬ねたみ起󠄃おこしそのたみあはれみたまはん 19 ヱホバこたへてそのたみいひたまはん われ穀物こくもつとあたらしきさけあぶらなんぢにおくる なんぢこれ飽󠄄あかわれなんぢらをしてかさねて異邦人ことくにびとうち恥辱はぢかうむらしめじ
 1526㌻ 
20 われきたよりきたるぐん遠󠄄とほなんぢらよりはなれしめうるほひなきあれ逐󠄃おひやらん その前󠄃軍ぜんぐんひがしうみにその後軍こうぐん西にしうみれん その臭味くさきにほひちその惡臭あしきにほひのぼらん これおほいなることなしたるに

21 おそるるなかよろこたのしめ ヱホバおほいなることおこなひたまふなり 22 けものおそるるなかれ あれ牧草まきくさはもえいでむす無花果樹いちじく葡萄樹ぶだうのきはそのちからをめざすなり 23 シオンの子等こらなんぢらのかみヱホバによりてたのしよろこべ ヱホバはあきあめ適󠄄當ほどよくなんぢらにたまひまた前󠄃さきのごとくあきあめはるあめとをなんぢらのうへふらせたまふ 24 打塲うちばには穀物こくもつかめにはあたらしきさけあぶら溢󠄃あふれん 25 なんぢらに遣󠄃つかはしし大軍たいぐんすなはちむれゐるいなごなめつくすいなごすひほろぼすいなごかみくらふいなごくひあらせるとしをわれなんぢらにつくのはん 26 なんぢらは食󠄃くら食󠄃くらひて飽󠄄き よのつねならずなんぢらをあしらひたまひしなんぢらのかみヱホバのをほめたゝへん 我民わがたみはとこしへにはづかしめらるることなかるべし 27 かくてなんぢらはイスラエルのうちるをなんぢらのかみヱホバはわれのみにてほかきことをらん 我民わがたみ永遠󠄄とこしへはづかしめらるることなかるべし

28 そののちわれ吾靈わがみたま一切すべてひとそゝがん なんぢらの男子むすこ女子むすめ預言よげんせん なんぢらのおいたるひとゆめ なんぢらのわかひと異象まぼろし 29 そのわれまたわがみたましもべしもめそゝがん 30 またてん徴證しるしあらはさん すなはありありけぶりはしらあるべし 31 ヱホバのおほいなるおそるべききたらん前󠄃さき暗󠄃くらつきかはらん 32 すべてヱホバのものすくはるべし そはヱホバののたまひしごとくシオンのやまとヱルサレムとにすくはれしものあるべければなり その遺󠄃のこれるものうちにヱホバのたまへるものあらん
 1527㌻ 

第3章

1 われユダとヱルサレムの俘囚人とらはれびとかへさん そのそのとき 2 萬國ばんこくたみあつこれたづさへてヨシヤパテのたににくだりかしこにて我民わがたみわれゆづりのさんなるイスラエルのためにかれらをさばかん かれらこれを國々くに〴〵ちらしてその分󠄃わかりたればなり 3 かれらはくじをひきて我民わがたみ童子わらべ娼妓あそびめ童女めのわらはさけかへめり〘1169㌻〙 4 ツロ、シドンよペリシテのすべてのくになんぢわれなにのかかはりあらんや なんぢがなししことに返󠄄かへしをなさんとするや われ返󠄄報むくいをなさんとならばわれたちま迅󠄄速󠄃すみやかなんぢらがなししことをもてそのかうべかへらしめん 5 なんぢらはわれ金銀きんぎんわれのしたふべきたからなんぢらのみやにたづさへゆき 6 またユダのひととヱルサレムのひとをギリシヤびとりてその本國ほんごくより遠󠄄とほはならせたればなり 7 われかられを起󠄃おこしてなんぢらがりたるところよりいだなんぢらがなししことをもてそのかうべにかへらしめん 8 われはなんぢらの男子むすこ女子むすめをユダのひとかれらはこれ遠󠄄とほたみなるシバびとらん ヱホバこれを

9 もろもろのくにのべつたへよ 戰爭たたかひ準備そなへ勇士ゆうしをはげまし軍人いくさびとをことごとくちかよりきたらしめよ 10 汝等なんぢらすきつるぎうちかへなんぢらのかまやりうちかへよ 弱󠄃よわものわれつよしと 11 四周󠄃まはり國々くに〴〵たみなんぢ急󠄃いそのぼりてあつまれ ヱホバよなんぢ勇士ゆうしをかしこにくだしたまへ 12 國々くに〴〵たみ起󠄃たちのぼりヨシヤパテのたにいた彼處かしこわれをしめて四周󠄃まはり國々くに〴〵たみをことごとくさばかん 13 かまをいれよ 穀物こくもつじゆくせり きためよ酒榨さかぶねかめ溢󠄃あふかれらのあくおほいなればなりと

 1528㌻ 
14 かまびすしきかな無數むすうたみ審判󠄄さばきたににありてかまびすし ヱホバの審判󠄄さばきたに近󠄃ちかづくがゆゑなり 15 つき暗󠄃くらくなりほしその光明ひかりうしな 16 ヱホバ、シオンよりよびとどろかしヱルサレムよりこゑをはなち天地てんちふるひうごかしたまふ れどヱホバはそのたみ避󠄃所󠄃さけどころイスラエルの子孫しそんしろとなりたまはん 17 かくてなんぢわれはヱホバ汝等なんぢらかみにしてわが聖󠄄山きよきやまシオンに住󠄃むことをしるべし ヱルサレムは聖󠄄きよ所󠄃ところとなり他國よそぐにひとかさねてそのなかをかよふまじ

18 そのやまにあたらしきさけしたたをか乳󠄃ちゝながれユダのもろもろのかはみづながれヱホバのいへより泉水いづみながれいでてシッテムのたにそゝがん 19 エジプトはあれすたれエドムは荒野あれのとならん はかれらユダの子孫しそん虐󠄃しへたつみなきものをそのくにながしたればなり 20 されどユダは永久とこしへにすまひヱルサレムは世々よゝたもたん 21 われさきにはかれらがながししつみむくいざりしがいまはこれをむくいん ヱホバ、シオンに住󠄃みたまはん〘1170㌻〙
 1529㌻