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〘1508㌻〙

第1章

1 これユダのわうウジヤ、ヨタム、アハズ、ヒゼキヤのイスラエルのわうヨアシのヤラベアムのにベエリのホセアにのぞめるヱホバのことばなり

2 ヱホバはじめホセアによりてかたりたまへるときヱホバ、ホセアにのたまはくなんぢゆきて淫行いんかう婦󠄃人をんなめと淫行いんかう子等こられ このくにヱホバに遠󠄄とほざかりてはなはだしき淫行いんかうをなせばなり 3 こゝにおいてかれゆきてデブライムの女子むすめゴメルをつまめとりけるがその婦󠄃をんなはらみて男子なんしうめ 4 ヱホバまたかれにいひたまひけるはなんぢそのをヱズレルとなづくべし 暫時しばらくありてわれヱズレルのをヱヒウのいへむくいイスラエルのいへくにをほろぼすべければなり 5 そのわれヱズレルのたににてイスラエルのゆみをるべしと 6 ゴメルまたはらみて女子によしうみければヱホバ、ホセアにいひたまひけるはなんぢそのをロルマハ(あはれまれぬもの)となづくべしそはわれもはやイスラエルのいへをあはれみてゆるすがごときことをざるべければなり 7 されどわれユダのいへをあはれまん そのかみヱホバによりてこれをすくはん われゆみつるぎ戰爭いくさむま騎兵きへいなどによりてすくふことをせじ 8 ロルハマ乳󠄃をやめゴメルまたはらみて男子なんしうみけるに 9 ヱホバいひたまひけるはそのをロアンミ(わがたみあらざるもの)となづくべし なんぢらはわがたみにあらずわれなんぢらのかみあらざればなり

10 されどイスラエルの子孫しそんかずはま沙石いさごのごとくになりゆきてはかることもかぞふることしがたく前󠄃まへになんぢらわがたみにあらずといはれしそのところにてなんぢらはいけるかみなりといはれんとす 11 かくてユダの子孫しそんとイスラエルの子孫しそんともあつま一人ひとりをさをたててそのよりのぼきたらん ヱズレルのおほいなるべし
 1508㌻ 

第2章

1 なんぢらの兄弟きやうだいむかひてはアンミ(わがたみ)となんぢらの姉妹しまいにむかひてはルハマ(あはれまるるもの)と 2 なんぢらのはゝとあげつらへ論辨あげつらふことをせよかれはわがつまにあらずわれはかれのをつとにあらざるなりなんぢらかくしてかれにそのかほより淫行いんかうのぞかせその乳󠄃房ちぶさあひだより姦淫かんいんをのぞかしめよ 3 しからざればわれかれをはぎあかはだかにしそのうまれいでたるのごとくにしまた荒野あれののごとくならしめうるほひなきのごとくならしめかわきによりてしなしめん 4 われその子等こらあはれまじ淫行いんかう子等こらなればなり〘1155㌻〙 5 かれらのはゝ淫行いんかうをなせりかれらをうめものはづべきことをおこなへりそはかれいへることありわれはわが戀人こひびとたちにつきしたがはんかれらはわがパンわがみづわが羊毛ひつじのけわが麻󠄃あさわがあぶらわが飮物のみものなどをわれあたふるなりと 6 このゆゑにわれ荊棘いばらをもてなんぢのみちをふさぎかきをたててかれにそのみちをえざらしむべし 7 かれはその戀人こひびとたちのあとをしたひゆけども追󠄃及おひしくことなくこれをたづぬれども遇󠄃あふことなしこゝにおいてかれいはんわれゆきてわが前󠄃まへをつとにかへるべしかのときのわが狀態ありさまいまにまさりてよかりきと

8 かれ穀物こくもつさけあぶらはわがあたふるところかれがバアルのためにもちゐたる金銀きんぎんはわがかれましあたへたるところなるをかれはしらざるなり 9 これによりてわれわが穀物こくもつをそのときにおよびてうばひわがさけをそのにいたりてうばひ又󠄂またかれの裸體はだかをおほふにもちゆべきわが羊毛ひつじのけおよびわが麻󠄃あさをとらん 10 いまわれかれのはづるところをその戀人こひびとのまへにあらはすべしかれをわがよりすくふものあらじ 11 われかれがすべての喜樂たのしみすなはち祝筵しくえん新月しんげつのいはひ安息日あんそくにちおよび一切すべて節󠄄會せちゑをしてやましめん 12 またかれ葡萄ぶだう無花果いちじくのをそこなはんかれさきにこれをさしてわが戀人こひびとわれにあたへし賞賜たまものなりといひしがわれこれをはやしとなしけものをしてくらはしめん 13 われかれがみゝくびだまなどをかけてその戀人こひびとらをしたひゆきわれをわすれかうをたきてつかへしもろもろのバアルののゆゑをもてそのつみばつせんヱホバかくいひたまふ

 1509㌻ 
14 かゝるがゆゑにわれかれをいざなひて荒野あれのにみちびきいり終󠄃つひにかれのこゝろをなぐさめ 15 かしこをいづるやたゞちにわれかれにその葡萄園ぶだうばたけあたへアコル(艱難なやみ)のたに望󠄇のぞみもんとなしてあたへんかれはわかかりしときのごとくエジプトのくによりのぼりきたりしときのごとくかしこにてうたうたはん 16 ヱホバいひたまふそのにはなんぢわれをふたゝびバアリとよばずしてイシ(わがをつと)とよばん 17 われもろもろのバアルのをかれがくちよりとりのぞきかさねてその記憶きおくせらるることなからしめん 18 そのにはわれかれら(我民わがたみ)のためにけものそらのとりおよび昆蟲はふもの誓約ちかひをむすびまた弓箭ゆみやををり戰爭いくさ全󠄃ぜん世界せかいよりのぞきかれらをしてやすらかにをらしむべし 19 われなんぢをめとりて永遠󠄄とこしへにいたらん公義ただしき公平󠄃おほやけ寵愛いつくしみ憐憫あはれみとをもてなんぢをめと 20 かはることなき眞實まことをもてなんぢをめとるべしなんぢヱホバをしらん

21 ヱホバいひたまふそのわれこたへんわれてんにこたへてんにこたへ〘1156㌻〙 22 穀物こくもつさけあぶらとにこたへまた是等これらのものはヱズレルにこたへん 23 われわがためにかれをにまきあはれまれざりしものをあはれみわがたみならざりしものにむかひてなんぢはわがたみなりといはんかれらはわれにむかひてなんぢはわがかみなりといはん

第3章

1 ヱホバわれにいひたまひけるはなんぢふたゝびゆきてヱホバにあいせらるれどもかへりてほかのもろもろのかみにむかひ葡萄ぶだう菓子くわしあいするイスラエルの子孫しそんのごとく そのつれそふものにあいせらるれども姦淫かんいんをおこなふ婦󠄃人をんなをあいせよ 2 われぎん十五まいおほむぎ一ホメル半󠄃はんをもてわがためにその婦󠄃人をんなをえたり 3 われこれにいひけるはなんぢおほくのわがためにとゞまりて淫行いんかうをなすことなくほかひとにゆくことなかれ われもまたなんぢにむかひてしかせん
 1510㌻ 
4 イスラエルの子輩こらおほくのわうなくきみなく犧牲いけにへなくしるしのはしらなくエボデなくテラビムなくしてらん 5 そののちイスラエルの子輩こらはかへりてそのかみヱホバとそのわうダビデをたづねもとめすゑのにをののきてヱホバとその恩惠めぐみとにむかひてゆかん

第4章

1 イスラエルの子輩こらよヱホバのことばけヱホバこの住󠄃すめもの爭辨あらそひたまふこのには誠實まことなく愛情󠄃いつくしみなくかみことなければなり 2 ただのろひいつはり凶殺ひとごろしぬすみ姦淫かんいんのみにしてたがひあひおそにつづきなが 3 このゆゑにそのうれひにしづみこれにすむものはみなのけもの空󠄃そらのとりとともにおとろへうみうをもまたたえはてん 4 されど何人なにびともあらそふべからずいましむべからずなんぢたみ祭司さいしあらそものごとくなれり 5 なんぢひるつまづきなんぢともなる預言者よげんしやよるつまづかんわれなんぢのはゝほろぼすべし

6 わがたみ知識ちしきなきによりてほろぼさるなんぢ知識ちしきつるによりてわれもまたなんぢててわが祭司さいしたらしめじなんぢおのがかみ律法おきてわするるによりてわれもなんぢの子等こらわすれん 7 かれらはおほいなるにしたがひてますますわれつみをかせばわれかれらのさかえはぢかへ 8 かれらはわがたみつみをくらひこゝろをかたむけてそのつみををかすをねがへり 9 このゆゑにたみ遇󠄃ふところは祭司さいしもまたおなじわれその途󠄃みちをかれらにきたらせその行爲わざをもてこれにむくゆべし 10 かれらは食󠄃くらへども飽󠄄あか淫行いんかうをなせどもそのかずまさずそのこゝろをヱホバにとむることをやむればなり

11 淫行いんかうさけあたらしきさけはそのひとこゝろをうばふ 12 わがたみにむかひてことをとふそのつゑかれらにことをしめすこれかれら淫行いんかうれいにまよはされそのかみしたはなれて淫行いんかうすなり〘1157㌻〙 13 かれらは山々やま〳〵いただきにて犧牲いけにへさゝをかうへにてかう橡樹かしのき やなぎの くりのもとにてこのことをおこなふはそのかげうるはしきによりてなりここをもてなんぢらの女子むすめ淫行いんかうをなしなんぢらのこの婦󠄃つま姦淫かんいんをおこなふ
 1511㌻ 
14 われなんぢらのむすめ淫行いんかうをなせどもばつせずなんぢらのこの婦󠄃つまかんいんをおこなへどもつみせじはなんぢらもみづからはなれゆきて妓女あそびめとともに淫婦󠄃たはれめとともにさゝげものをそなふればなりさとらざるたみはほろぶべし

15 イスラエルよなんぢ淫行いんかうをなすともユダにつみをかさするなかれギルガルにゆくなかれベテアベンにのぼるなかれヱホバはくといひちかふなかれ 16 イスラエルは頑强かたくななるうしのごとくに頑强かたくななりいまヱホバ恙羊こひつじをひろきにはなてるがごとくしてこれやしなはん 17 エフライムは偶像ぐうざうにむすびつらなれりそのなすにまかせよ 18 かれらのさけはくされかれらの淫行いんかうはやまずかれらのたてとなるべき者等ものらはぢあいしいたくこれあいせり 19 かれはかぜつばさにつつまれかれらはその禮物そなへものによりて恥辱はぢをかうむらん

第5章

1 祭司さいしよこれをけイスラエルのいへみゝをかたむけよ わうのいへよこれにこころをとめよ さばきは汝等なんぢらにのぞまん そはわれらはミズパにまうくるわなタボルにれるあみのごとくなればなり 2 悖逆󠄃者そむくものはふかくつみにしづみたりわれかれらをことごとくこらしめん 3 われはエフライムをる イスラエルはわれにかくるるところし エフライムよなんぢいますでに淫行いんかうをなせりイスラエルはすでにけがれたり 4 かれらの行爲おこなひかれらをしてそのかみかへることあたはざらしむ そは淫行いんかうれいそのうちにありてヱホバをることなければなり 5 イスラエルの驕傲ほこりはそのかほにむかひてあかしをなしそのつみによりてイスラエルとエフライムはたふれユダもまたこれとともにたふれん 6 かれらはひつじのむれうしむれをたづさへゆきてヱホバを尋󠄃たづもとめんされどあふことあらじヱホバすでにかれらよりはなたまひたればなり
 1512㌻ 
7 かれらヱホバにむかひ貞操みさをまもらずして他人あだしびとうめ新月しんげつかれらとその產業さんげふとをともにほろぼさん

8 なんぢらギベアにてつのをふきラマにてラッパをふきならしベテアベンにてよばはりてへベニヤミンよなんぢのうしろにありと 9 つみせらるるのにエフライムはあれすたれんわれイスラエルの支派わかれうちにかならずるべきことをしめせり 10 ユダの牧伯等きみら境界さかひをうつすもののごとくなれりわれわが震怒いかりみづのごとくにかれらのうへにそゝがん 11 エフライムはあまんじてひとのさだめたるところにしたがひあゆむがゆゑにさばきをうけて虐󠄃しへたげられおさへられん〘1158㌻〙 12 われエフライムにはしみのごとくユダのいへには腐朽くされのごとし 13 エフライムおのれにやまひあるをユダおのれにきずあるをみたりかくてエフライムはアツスリヤにきヤレブわうひとをつかはしたれどかれはなんぢらをいやすことをえず又󠄂またなんぢらのきずをのぞきさることをざるべし 14 われエフライムには獅子しゝのごとくユダのいへにはわかき獅子しゝのごとしわれしもわれかきさきてさりかすめゆけどもすくものなかるべし 15 われふたゝびわがところにかへりゆきかれらがそのつみをくいてひたすらわがかほをたづねもとむるまで其處そこにをらんかれらは艱難なやみによりてわれをたづねもとむることをせん

第6章

1 きたれわれらヱホバにかへるべし ヱホバわれらをかきさきたまひたれどもまたいやすことをなし我儕われらをうちたまひたれどもまたそのきずをつつむことをしたまふべければなり 2 ヱホバは二日ふつかののちわれらむいきかへし三日みつかにわれらを起󠄃たゝせたまはん われらその前󠄃まへにていき 3 このゆゑにわれらヱホバをしるべしせつにヱホバをることをもとむべしヱホバは晨光あしたのひかりのごとくかならずあらはれいであめのごとくわれらにのぞみのちあめのごとくをうるほしたま

 1513㌻ 
4 エフライムよわれなんぢになにをなさんやユダよわれなんぢになにをなさんやなんぢの愛情󠄃いつくしみはあしたのくものごとくまたただちにきゆるつゆのごとし 5 このゆゑにわれ預言者よげんしやをもてかれらをちわがくちことばをもてかれらをころせりわが審判󠄄さばきはあらはれいづる光明ひかりのごとし 6 われは愛情󠄃いつくしみをよろこびて犧牲いけにへをよろこばずかみをしるをよろこぶこと燔祭はんさいにまされり 7 しかるにかれらはアダムのごとくちかひをやぶりかしこにて不義ふぎをわれにおこなへり 8 ギレアデはあくをおこなふもののまちにしてあしあとそのなかにあまね 9 祭司さいしのともがらは山賊やまだちむれのごとく伏伺したまちしてひとをそこなひシケムに大路おほぢにてひとをころす彼等かれらはかくのごときあしきことをおこなへり 10 われイスラエルのいへに憎にくむべきことあるをたりかのところにてエフライムはいんをおこなふイスフルはけがれたり 11 ユダよわれわがたみ俘囚とらはれをかへさんときまたなんぢのためにも穫刈かりいれをそなへん

第7章

1 われイスラエルをいやさんときエフライムのとがとサマリヤのあしきわざとあらはるかれらは詐詭いつはりをおこなひうちには偸盜ぬすびといるありそとには山賊やまだちのむれかすめさるあり 2 かれらこゝろにわがその一切すべてあくをしたためたることをおもはずいまその行爲わざはかれらをかこみふさぎてみなわが目前󠄃まのあたりにあり〘1159㌻〙 3 かれらはそのあくをもてわうよろこばせその詐詭いつはりをもてもろもろの牧伯きみよろこばせり 4 かれらはみな姦淫かんいんをおこなふものにしてパンをつくるものにやかるるのごとし揑粉ねりこをこねてその發酵ふくるるときまでしばらくをおこすことをせざるのみなり 5 われらのわうにもろもろの牧伯きみさけねつによりてやまひわうあざけるものとともに 6 かれら伏伺したまちするほどにこゝろのごとくしてそなへをなすそのパンをくものは終󠄃夜よもすがらねむりにつき朝󠄃あしたにおよべばまたほのほのごとく
 1514㌻ 
7 かれらはみなのごとくにねつしてその審士さばきびとをやくそのもろもろのわうはみなたふるかれらのなかにはわれをよぶもの一人ひとりだになし

8 エフライムは異邦人ことくにびとにいりまじるエフライムはかへさざる餹餅もちいひとなれり 9 かれは他邦人とつくにびとらにそのちからをのまるれどもこれをしらず白髮しらがそのまじはゆれどもこれをさとらず 10 イスラエルの驕傲ほこりはそのかほにむかひてあかしをなすかれらはこのもろもろのことあれどもそのかみヱホバにかへることをせず又󠄂またもとむることをせざるなり 11 エフライムは智慧󠄄ちゑなくしておろかなる鴿はとのごとし彼等かれらはエジプトにむかひてよびもとめまたアツスリヤに 12 われかれらのゆくときわがあみをそのうへにはりて天空󠄃そらとりのごとくにひきおと前󠄃さきにその公會こうくわいつげしごとくかれらをこらしめん 13 わざはひなるかなかれらはわれをはなれて迷󠄃まよひいでたり敗壞ほろびかれらにきたらんかれらはわれにむかひてつみををかしたりわれかれらをあがなはんとおもへどもかれらわれにさからひて謊言いつはりをいへり 14 かれら誠心まごころをもてわれをよばずたゞとこにありてかなしみさけべりかれらは穀物こくもつとあたらしきさけのゆゑをもてあひあつまりかつわれに逆󠄃さからふ 15 われかれらををしへそのかひなをつよくせしかどもかれらはわれにもとりてあしきことをはか 16 かれらはかへるされども至高者いとたかきものにかへらずかれらはたのみがたきゆみのごとしかれらのもろもろの牧伯きみはそのしたのあらきことばによりてつるぎにたふれんかれらはこれがためにエジプトのくににて嘲笑あざけりをうくべし

第8章

1 ラッパをなんぢのくちにあてよあだわしのごとくヱホバのいへにのぞめりこのたみわが契󠄅約けいやくをやぶりわが律法おきてをかししによる 2 かれらわれにむかひてわがかみよわれらイスラエルはなんぢをれりとさけばん 3 イスラエルはぜんをいみきらへりてきこれを追󠄃おは 4 かれらわうをたてたりしかれどもわれによりたてしにあらずかれら牧伯きみをたてたりしかれどもがしらざるところなりかれらまたその金銀きんぎんをもておのがために偶像ぐうざうをつくれりその造󠄃つくれるはこぼちすてられんがためにせしにことならず〘1160㌻〙
 1515㌻ 
5 サマリヤよなんぢのこうしいみきらふべきものなりわがいかりかれらにむかひてゆかれらいづれのときにかつみなきにいたらん 6 このこうしはイスラエルより匠人たくみのつくれるものにしてかみにあらずサマリヤのこうしはくだけてとならん 7 かれらはかぜをまきて狂風はやちをかりとらんまくところは生長おえたて穀物こくもつなくそのはみのらざるべしたとひみのるとも他邦人とつくにびとこれをのま

8 イスラエルはすでのまれたり彼等かれらいま列國くにぐにうちにおいてよろこばれざるうつはのごとくなさるるなり 9 かれらはひとりゐし驢馬ろばのごとくアッスリヤにゆけりエフライムはものおくりて戀人こひびとたり 10 かれら列國くにぐにたみものおくりたりといへどいまわれ彼等かれらをつどへあつかれらはもろもろの侯伯きみわう負󠄅おはせらるるおものためにおとろはじめん

11 エフライムはおほくの祭壇さいだん造󠄃つくりてつみをかすこの祭壇さいだんはかれらがつみおちいはしとはなれり 12 われかれらのために律法おきてをしるして數件あまた箇條かじやうしめしたれどかれらはかへつこれあやしきものとおもへり 13 かれらはわれそなふべきものそなふれどもたゞにくをそなへておのれみづからこれ食󠄃くらふヱホバはこれ納󠄃いれたまはずいまかれらのとがおぼかれらのつみばつしたまはんかれらはエジプトにかへるべし 14 イスラエルはおのれ造󠄃主つくりぬしわすれてもろもろの社廟やしろてユダはへいをとりまはせるまちおほくはへたりされどわれをその邑々まち〳〵におくりてもろ〳〵しろやきほろぼさん

第9章

1 イスラエルよ異邦人ことくにびとのごとくよろこびすさむなかれなんぢ淫行いんかうをなしてなんぢかみはななんぢすべてのむぎ打塲うちばにてたまはる淫行いんかう賞賜たまものあいせり 2 うち酒榨さかぶねとはかれらを養󠄄やしなはじまたあたらしきさけもむなしくならん
 1516㌻ 
3 かれらはヱホバのにとゞまらずエフライムはエジプトにかへりアッスリヤにて汚穢けがれたるもの食󠄃くらはん 4 彼等かれらはヱホバにむかひてさけそゝぐべきものにあらずその祭物そなへものはヱホバのよろこびたまふ所󠄃ところにあらずかれらの犧牲いけにへをるもののパンのごとしすべてこれを食󠄃くらふものはけがるべし彼等かれらのパンはたゞおのが食󠄃くらふためにのみもちゐべくしてヱホバのいへるべきにあらず 5 なんぢら集會つどひとヱホバの節󠄄會せちゑなにをなさんとするや 6 よかれら滅亡ほろびゆゑによりてさりゆきぬエジプトかれらをあつめメンピスかれらをはうむらん蒺藜あざみかれらがぎんたからものいばらかれらのてんまくはびこらん 7 刑罰けいばつきたり應報むくいきたれりイスラエルこれをしら預言者よげんしやおろかなるものれいかんじたるものはくるへるものなりこれなんぢあくおほくなんぢ怨恨うらみおほいなるに〘1161㌻〙 8 エフライムはかみにならべてほかかみをもまち望󠄇のぞめり預言者よげんしや一切すべて途󠄃みちとりとらふるものあみのごとくかつそのかみいへうちにて怨恨うらみいだけり 9 かれらはギベアののごとくはなはだしくあしことおこなへりヱホバはそのあくをこころにとめてそのつみばつしたまはん

10 在昔むかしわれイスラエルをること荒野あれの葡萄ぶだうのごとくなんぢらの先祖せんぞたちること無花果いちじくのはじめにむすべる最先いやさきごとくなししに彼等かれらはバアルペオルにゆきて恥辱ちじよくにゆだねそのあいするものとともに憎にくむべきものとはなれり 11 エフライムの榮光さかえとりのごとくとびさらんすなはうむこともはらむことも妊娠みごもることもなかるべし 12 假令たとひかれら子等こらそだつるともわれそのうしなひて遺󠄃のこひとなきにいたらしめんはなるるときかれらのわざはひおほいなるかな 13 われエフライムをよきうゑてツロのごとくなししかどもエフライムはその子等こらたづさへいだしてひところすにわたさんとす 14 ヱホバよかれらにあたへたまへなんぢなにをあたふへんとしたまふやはらまざるはら乳󠄃なき乳󠄃房ちぶさとをあたへたまへ 15 かれらがすべてあくはギルガルにあり此故このゆゑわれかしこにてこれにくめりその行爲おこなひあしければいへより逐󠄃おひいだしかさねあいすることをせじその牧伯等つかさたちはみなもとれるものなり
 1517㌻ 
16 エフライムはうたれそのはかれてむすぶまじうむことあらばわれそのはらなるいつくしむころさん 17 かれらきゝしたがはざるによりてかみこれをすてたまふべしかれらはもろもろの國民くにたみのうちに流離さすらひびととならん

第10章

1 イスラエルはをむすびてしげさかえ葡萄ぶだうそのおほくなるがままに祭壇さいだんをましそのゆたかなるがままに偶像ぐうざううるはしくせり 2 かれらは二心ふたごころをいだけりいまかれらつみせらるべしかみはその祭壇さいだんうちこぼちその偶像ぐうざうくだきてたまはん 3 かれらいまいふべし我儕われらかみおそれざりしによりわれらにわうなしこのわうはわれらのためになにをかなさんと

4 かれらはむなしきことばをいだしいつはりちかひをなしてやくをたつ審判󠄄さばきはたけうねにもえいづる茵蔯いんちんのごとし 5 サマリヤの居民きよみんはベテアベンのこうしゆゑによりて戰慄をののかんそのたみとこれをよろこ祭司さいしたちはそのさかえのうせたるがためになげかん 6 こうしはアッスリヤにたづさへられ禮物れいもつとしてヤレブわうさゝげらるべしエフライムははぢをかうむりイスラエルはおのが計議はからひぢん 7 サマリヤはほろびそのわうみづのうへのぎれのごとし 8 イスラエルのつみなるアベンの崇邱たかきところあれはてて荊棘いばら蒺藜あざみそのだんのうへにはえしげらんそのときかれらやまにむかひて我儕われらをおほへをかにむかひて我儕われらのうへにたふれよといはん
〘1162㌻〙
9 イスラエルよなんぢはギベアのよりつみををかせり彼等かれらはそこにたて邪惡よこしまのひとびとをせめたりし戰爭いくさはギベアにてかれらにおよばざりき
 1518㌻ 
10 われおもふままに彼等かれらをいましめん彼等かれらそのふたつつみにつながれんときもろもろのたみあつまりてこれをせめん 11 エフライムはならされたるうしのごとくにしてこくをふむことをこのむされどわれそのうるはしきくびもの負󠄅おはしむべしわれエフライムにくびきをかけんユダはたがへしヤコブは土塊つちくれをくだかん

12 なんぢらしやうずるためにたねをまき憐憫あはれみにしたがひてかりとり又󠄂またあらをひらけいまはヱホバをもとむべきときなり終󠄃つひにはヱホバきたりてあめのごとく汝等なんぢらのうへにふらせたまはん 13 なんぢらはあくをたがへし不義ふぎかりをさめ虛僞いつはりをくらへりこはなんぢおのれの途󠄃みちをたのみおの勇士ゆうしかずおほきをたのめるに 14 このゆゑになんぢらのたみのなかに擾亂さわぎおこりてなんぢらのしろはことごとくうちやぶられんシャルマンが戰門たたかひにベテアルベルをうちやぶりしにことならずはゝそのとともにくだかれたり 15 なんぢらのおほいなるあくのゆゑによりてべテル如此かくなんぢらにおこなへるなりイスラエルのわうはあしたにほろびん

第11章

1 イスラエルのおさなかりしときわれこれをあいしぬわれわがをエジプトよりよびいだしたり 2 かれらはよばるるにしたがひていよいよそのよぶもの遠󠄄とほざかりかつもろもろのバアルに犧牲いけにへをささげえりたる偶像ぐうざうかうたけ 3 われエフライムにあゆむことををしへ彼等かれらをわがかひなにのせていだけりされどかれらはわれにいやされたるをしら 4 われひとにもちゐるつなすなはちあいのつなをもて彼等かれらをひけりがかれらをあしらふはくびきをそのあごよりあげのくるもののごとくにして彼等かれら食󠄃物くひものをあたへたり

5 かれらはエジプトのにかへらじされどかれらがヱホバにかへらざるによりてアッスリヤびとそのわうとならん 6 つるぎかれらのもろもろのまちにまはりゆきてそのくわんもんをこぼちかれらをその謀計はかりごとゆゑによりてほろぼさん 7 わがたみはともすればわれにはなれんとするこゝろありひとこれをまねきてかみるものにつかしめんとすれどもをおこすもの一人ひとりだになし

 1519㌻ 
8 エフライムよわれいかでなんぢをすてんやイスラエルよわれいかでなんぢをわたさんやわれいかでなんぢをアデマのごとくせんやいかでなんぢをゼボイムのごとくんやわがこゝろわがうちにかはりてわれ愛憐いつくしみことごとくもえおこれり 9 われわがはげしき震怒いかりをほどこすことをせじわれかさねてエフライムをほろぼすことをせじわれひとにあらずかみなればなりわれなんぢのうちにいます聖󠄄者きよきものなりいかりをもてのぞまじ〘1163㌻〙 10 かれらは獅子しゝほゆるごとくにこゑいだしたまふヱホバにしたがひてあゆまんヱホバこゑいだしたまへば子等こら西にしより急󠄃いそきたらん 11 かれらエジプトよりとりのごとくアッスリヤより鴿はとのごとくに急󠄃いそきたらんわれかれらをその家々いへ〳〵住󠄃すまはしむべしこれヱホバの聖󠄄言みことばなり

12 エフライムは謊言いつはりをもてイスラエルのいへ詐僞たばかりをもてわれかこめりユダはかみまことある聖󠄄者せいしやとにきみつかずみ漂蕩たゆたへをれり

第12章

1 エフライムはかぜをくらひ東風こちをおひ日々ひび詐僞いつはり暴逆󠄃あらびとをましくはへアッスリヤと契󠄅約けいやくむすあぶらをエジプトにおくれり 2 ヱホバはユダと爭辨あらそひをなしたまふヤコブをその途󠄃みちにしたがひてばつしその行爲おこなひにしたがひてむくいたまふ 3 ヤコブははらにゐしときその兄弟きやうだいくびすをとらへまたおのちからをもてかみ角力すまひあらそへり 4 かれはてん使つかひ角力すまひあらそひて勝󠄃ちなきてこれめぐみをもとめたりかれはベテルにてかみにあへり其處そこにてかみわれらにものいひたまへり 5 これは萬軍ばんぐんかみヱホバなりヱホバはその記念きねんなり 6 さればなんぢのかみにかへり矜恤あはれみ公義ただしきとをまもりつねになんぢのかみあふぐべし

 1520㌻ 
7 かれはカナンびと商賈あきうど)なりその詭詐いつはり權衡はかりをもちこのんであざむきとることをなす 8 エフライムはいふまことにわれはとめものとなれりわれ財寳ざいはうをえたりすべてわがらうしたることのうちつみをうべき不義ふぎいだすものなかるべし 9 われヱホバはエジプトのくにをいでしより以來このかたなんぢらのかみなりわれいまもなほなんぢを幕屋まくやにすまはせて節󠄄會せちゑのごとくならしめん 10 われもろもろの預言者よげんしやにかたり又󠄂またこれに益々ます〳〵おほく異象まぼろしをしめしたりわれもろもろの預言者よげんしやたくして譬喩たとへをまうく 11 ギレアデは不義ふぎなるものならずやかれらは全󠄃まつたむなしかれらはギルガルにてうし犧牲いけにへさゝぐかれらの祭壇さいだんはたうねにつみたるいしごと 12 ヤコブはアラムのににげゆけりイスラエルはつまんためにひとつかつまんためにひつじへり 13 ヱホバ一人ひとり預言者よげんしやをもてイスラエルをエジプトより導󠄃みちびきいだし一人ひとり預言者よげんしやをもてこれまもりたまへり 14 エフライムはいかりむかふることきはめてはなはだしそのしゆかれがながししをかれがうへにとどめその恥辱はづかしめをかれにかへらせたまはん

第13章

1 エフライムことばいだせばひとをののけりかれはイスラエルのなかにおのれをたかうしバアルによりつみをかしてしにたりしが〘1164㌻〙 2 いまなほますますつみをかしそのぎんをもておのれのためにざうその機巧たくみにしたがひて偶像ぐうざうつくこれみな工人こうじんさくなるなりかれらはこれにつきていふ犧牲いけにへさゝぐるものはこのこうしくちつくべしと 3 これによりてかれらは朝󠄃あしたくものごとく速󠄃とみにきえうするつゆのごとくうちより大風おほかぜふきちらさるる穀殼󠇯もみがらのごとくまどよりいでゆくけぶりのごとくならん

4 されどわれはエジプトのくにをいでてより以來このかたなんぢのかみヱホバなりなんぢわれのほかかみしることなしわれのほかに救者すくふものなし
 1521㌻ 
5 われさきに荒野あれのにてみづなきにてなんぢ顧󠄃かへりみたり 6 かれらは秣場まきによりて食󠄃しよく飽󠄄飽󠄄くによりてそのこゝろたかぶりこれによりてわれわすれたり 7 かゝるがゆゑにわれかれらにむかひて獅子しゝごとくなり途󠄃みちかたへにひそみうかがふへうのごとくならん 8 われをうしなへるくまのごとくかれらにむかひてそのしんまく獅子しゝごとくこれを食󠄃くらはんけものこれをかきやぶるべし

9 イスラエルよなんぢほろぶるはわれそむなんぢたすくるものそむくがゆゑなり 10 なんぢのもろもろのまちなんぢたすくべきなんぢわういまいづくにかあるなんぢらがそのわう牧伯等をさたちとをわれあたへよといひたりし士師さばきつかさいまいづくにかある 11 われ忿怒いかりをもてなんぢわうあた憤恨いきどほりをもてこれをうばひたり 12 エフライムの不義ふぎつゝまれてありそのつみはをさめたくはへられたり 13 うみのくるしみにかかれる婦󠄃をんなのかなしみこれのぞまんかれおろかなるなりときのぞみてもなほさんもんらず 14 われかれらを陰府よみよりあがなはんわれかれらをよりあがなはんよなんぢのなやみ何處いづくにあるか陰府よみよなんぢのわざはひ何處いづくにあるかくいあらためはかくれてにみえず

15 かれ兄弟きやうだいのなかにてむすぶことおほけれども東風ひがしかぜふききたりヱホバのいき荒野あれのよりふきおこらんこれがためにそのいづみそのみなもとれんその積蓄つみたくはへたるもろもろの賓貴たふとき器皿うつはものかすうばはるべし 16 サマリヤはそのかみにそむきたればつみせられつるぎたふれんその嬰兒をさなごはなげくだかれそのはらみたる婦󠄃をんなさかれん

第14章

1 イスラエルよなんぢかみヱホバにかへれよなんぢ不義ふぎのためにたふれたり 2 なんぢ言詞ことばをたづさへきたりヱホバにかへりていへもろ〳〵不義ふぎゆるしてよきところを受納󠄃うけいれたまへかくわれらはくちびるをもてうしのごとくになんぢさゝげん
 1522㌻ 
3 アッスリヤはわれらをたすけじわれらはむまらじまたふたゝび我儕われらみづからのにてつくれるものにむかひわがかみなりといは孤兒みなしごなんぢによりて憐憫あはれみべければなりと
〘1165㌻〙
4 われかれらの反逆󠄃そむきいやよろこびてこれあいせんいかりはかれをはなさりたり 5 われイスラエルにたいしてはつゆのごとくならんかれ百合花ゆりのごとくはなさきレバノンのごとくをはらん 6 そのえだしげりひろがりその美麗うるはしき橄欖かんらんのごとくその芬芳かうばしきはレバノンのごとくならん 7 そのかげ住󠄃ものかへりきたらんかれらは穀物こくもつごといきかへり葡萄樹ぶだうのきのごとくはなさきその馨香かうばしきはレバノンのさけのごとくなるべし 8 エフライムはいふわれまた偶像ぐうざうなにのあづかる所󠄃ところあらんやとわれこれにこたへたりわれかれを顧󠄃かへりみんわれ蒼翠みどりまつのごとしなんぢわれより

9 たれ智慧󠄄ちゑあるものぞそのひとはこのことさとらんたれ頴悟さとりあるものぞそのひとこれしらんヱホバの道󠄃みちすべなほ義者ただしきものこれあゆされ罪人つみびとこれつまづかん〘1166㌻〙
 1523㌻