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〘1274㌻〙

第1章

1 こはベニヤミンのアナトテの祭司さいし一人ひとりなるヒルキヤのヱレミヤのことばなり 2 アモンのユダのわうヨシヤのときすなはちその治世の十三ねんにヱホバのことばヱレミヤにのぞめり 3 そのことばまたヨシヤのユダのわうヱホヤキムのときにものぞみてヨシヤのユダのわうゼデキヤの十一ねんのをはりすなはちそのとし五月ごぐわつヱルサレムのたみうつされたるときまでにいたれり

4 ヱホバのことばわれにのぞみて 5 われなんぢはらにつくらざりしさきなんぢをしりなんぢたいをいでざりしさきなんぢ聖󠄄きよなんぢをたてて萬國ばんこく預言者よげんしやとなせりと 6 われこたへけるはあゝしゆヱホバよよわれは幼少をさなきによりかたることをらず 7 ヱホバわれにいひたまひけるはなんぢわれは幼少をさなしといふなかれすべてわがなんぢ遣󠄃つかはすところにゆきわがなんぢめいずるすべてのことをかたるべし 8 なんぢ彼等かれらかほおそるるなかそはわれなんぢともにありてなんぢをすくふべければなりとヱホバいひたまへり 9 ヱホバ遂󠄅つひにそのをのべてわがくちにつけヱホバわれにいひたまひけるはよわれわがことばなんぢくちにいれたり 10 みよわれけふなんぢ萬民ばんみんのうへと萬國ばんこくのうへにたてなんぢをしてあるひあるひこぼあるひほろぼあるひたふあるひあるひうゑしめん

11 ヱホバのことばまたわれのぞみていふヱレミヤよなんぢなにをみるやわれこたへけるは巴旦杏はたんきやうえだをみる 12 ヱホバわれにいひたまひけるはなんぢたりそはわれ速󠄃すみやかわがことばをなさんとすればなり 13 ヱホバのことばふたゝびわれのぞみていふなんぢなにをみるやわれこたへけるは沸騰にえたちたるなべをみるそのおもてきたより此方こなたむか
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14 ヱホバわれにいひたまひけるはわざはひきたよりおこりてこの住󠄃すめるすべてのものにきたらん 15 ヱホバいひたまひけるはわれきた國々くに〴〵のすべてのやからをよばん彼等かれらきたりてヱルサレムのもん入口いりくちとその周󠄃圍まはりのすべての石垣いしがきおよびユダのすべての邑々まち〳〵むかひておのおのそのまうけん 16 われかれらのすべ惡事あしきことのためにわがさばきをかれにつげんはかれらわれをすててほかかみかうきおのれのにてつくりしものはいするによる 17 なんぢこしおびして起󠄃ちわがなんぢめいずるすべてのこと彼等かれらにつげよそのかほおそるるなかしからざればわれかれらの前󠄃まへなんぢはづかしめん 18 よわれ今日けふこの全󠄃國ぜんこくとユダのわうとその牧伯つかさとその祭司さいしとそのたみ前󠄃まへなんぢかたしろ くろがねはしら あかがねかきとなせり 19 彼等かれらなんぢとたゝかはんとするもなんぢ勝󠄃かたざるべしそはわれなんぢとともにありてなんぢをすくふべければなりとヱホバいひたまへり〘977㌻〙

第2章

1 ヱホバのことばわれにのぞみていふ 2 ゆきてヱルサレムに住󠄃すめものみゝにつげよヱホバくいふわれなんぢにつきてなんぢわかとき懇切まことなんぢが契󠄅ちぎりをなせしときのあい曠野あらのなるたねまかにてわれしたがひしことをおぼゆと 3 イスラエルはヱホバの聖󠄄物きよきものにしてそのはじめむすべるなりすべてこれ食󠄃くらふものはつみせられわざはひにあふべしとヱホバひたまへり

4 ヤコブのいへとイスラエルのいへすべてやからよヱホバのことばをきけ 5 ヱホバかくいひたまふ汝等なんぢら先祖せんぞわれなに惡事あしきことありしをわれ遠󠄄とほざかり むなしきものにしたがひてむなしくなりしや 6 かれらは我儕われらをエジプトのより導󠄃みちびきいだし曠野あらのなる岩穴󠄄あなあるあれたる かはきたるかげ ひと過󠄃ぎざる ひと住󠄃すまはざる通󠄃とほらしめしヱホバはいづこにあるといはざりき
 1275㌻ 
7 われ汝等なんぢら導󠄃みちびきてそののごときにいれその佳物よきものをくらはしめたりされ汝等なんぢら此處こゝにいりわがけがわが產業さんげふ憎にくむべきものとなせり 8 祭司さいしはヱホバは何處いづこにいますといはず律法おきてをあつかふものわれらず牧者ぼくしやわれそむ預言者よげんしやはバアルによりて預言よげんえきなきものにしたがへり

9 ゆゑにわれなほ汝等なんぢらとあらそはんまたなんぢ子孫しそんとあらそふべしとヱホバいひたまふ 10 汝等なんぢらキッテムの諸島しまにわたりてよまた使者つかひをケダルにつかはしかくのごときことあるやいなやを詳細つまびらかさつせしめよ 11 そのかみかみにあらざるものかへたるくにありやしかるに我民わがたみはそのさかええきなきものにかへたり 12 てんよこのことおどろをののけいたくおそれよとヱホバいひたまふ 13 そはわがたみはふたつの惡事あしきことをなせりすなはいけみづみなもとなるわれをすて自己みづから水溜みづためれりすなはちやぶれたる水溜みづためにしてみづたもたざるものなり

14 イスラエルはしもべなるかいへにうまれししもべなるかいかにして擄掠とらはれものとなれるや 15 わかき獅子しゝかれにむかひてえそのこゑをあげてそのあらせりその諸邑まち〳〵やかれて住󠄃ひとなし 16 ノフとタパネスの諸子こどもらなんぢ頭首かしらをくらはん 17 なんぢかみヱホバのなんぢ途󠄃みちにみちびきたまへるときなんぢこれをすてたるによりて此事このことなんぢにおよぶにあらずや 18 なんぢナイルのみづのまんとてエジプトのみちにあるはなにゆゑぞまたかはみづのまんとてアツスリヤのみちにあるは何故なにゆゑ 19 なんぢあしきなんぢをこらしめなんぢそむきなんぢをせめんなんぢなんぢかみヱホバをすてたるとわれおそるることのなんぢうちにあらざるとはあしにがきことなるをなんぢてしるべしとしゆなる萬軍ばんぐんのヱホバいひたま
〘978㌻〙
20 なんぢむかしよりなんぢくびきををりなんぢなはめちていひけるはわれつかふることをせじとすなはなんぢすべての高山たかやまのうへとすべて靑木あをきした妓女あそびめのごとくをかがめたり
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21 われなんぢうゑ葡萄ぶだうとなし全󠄃まつたまことたねとなせしにいかなればなんぢわれにむかひてことなる葡萄ぶだうあしえだにかはりしや 22 たとひ嚥哘そうだをもてみづか濯󠄄あらひまたおほくの灰󠄃汁あくくはふるもなんぢあくはわが前󠄃まへけがれたりとしゆヱホバいひたま 23 なんぢいかでわれけがれずバアルにしたがはざりしといふことをんやなんぢたにうちのおこなひをなんぢのなせしことをなんぢとくはしるわかき駱駝らくだにしてその途󠄃みちにさまよへり 24 なんぢ曠野あらのになれたる牝驢馬めろばなりそのよくのためにかぜにあへぐそのよくのうごくときはたれかこれをとどめえんすべてこれを尋󠄃たづぬものみづからうするにおよばすそのつきうちこれにあふべし 25 なんぢあしをつつしみて跣足はだしにならざるやうにしのどをつつしみてかわかぬやうにせよしかるになんぢいふ徒然いたづらなりしかりわれことなるくにものあいしてこれにしたがふなりと

26 盜人ぬすびととらへられて恥辱はづかしめをうくるがごとくイスラエルのいへ恥辱はづかしめをうく彼等かれらそのわうその牧伯つかさその祭司さいしその預言者よげんしやみなしか 27 彼等かれらにむかひてなんぢわが父󠄃ちゝなりといひまたいしにむかひてなんぢわれうみみたりといふ彼等かれらわれにむけてそのかほをわれにけずされど彼等かれらわざはひにあふときは起󠄃たちてわれらをすくたまへといふ 28 なんぢがおのれのため造󠄃つくりしかみはいづこにあるやもしなんぢわざはひにあふときかれらなんぢすくふを起󠄃つべきなりそはユダよなんぢかみなんぢまちかずおなじければなり

29 汝等なんぢらなんぞわれとあらそふやなんぢらはみなわれそむけりとヱホバいひたま 30 われなんぢらの衆子こどもらうちしはえきなかりき彼等かれら懲治いましめをうけず汝等なんぢらつるぎたけ獅子しゝのごとく汝等なんぢら預言者よげんしやほろぼせり 31 なんぢらこのひとよヱホバのことばをきけわれはイスラエルのために曠野あらのとなりしや暗󠄃くらとなりしや何故なにゆゑにわがたみはわれら徘徊ゆきめぐりてまたなんぢきたらじといふや
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32 それ處女をとめはその飾󠄃物かざりものわすれんや新婦󠄃はなよめはそのおびをわすれんやされ我民わがたみわれわすれたるかぞへがたし 33 なんぢあいんとて如何いかなんぢ途󠄃みちくするぞよさればなんぢおこなひはあしきことすになれたり 34 またなんぢすそつみなき貧󠄃者まづしきもの生命いのちありわれ盜人ぬすびと穿うがちたる所󠄃ところにてこれずしてすべて此等これらうへにこれを 35 されどなんぢいふわれはつみなしゆゑにそのいかりはかならずわれのぞまじとみよなんぢわれつみをかさざりしといふによりわれなんぢとあらそふべし〘979㌻〙 36 なんぢ何故なにゆゑにその途󠄃みちかへんとて迅󠄄くはしるやなんぢアツスリヤに恥辱はづかしめをうけしごとくエジプトにもまた恥辱はづかしめをうけん 37 なんぢ兩手もろてかうべおきてかしこよりも出去いでさらんそはヱホバなんぢのたのむところのものすつればなんぢ彼等かれらによりて望󠄇のぞみ遂󠄅とぐることなかるべければなり

第3章

1 にいへるありひともしそのつまをいださんにりゆきてほかのひとつまとならばそのをつとふたゝびかれかへるべけんやさすればそのはおほいにけがれざらんやなんぢはおほくのもの姦淫かんいんおこなへりされどなんぢわれにかへれよとヱホバいひたま 2 なんぢをあげてもろもろの童山はげやまをみよ姦淫かんいんおこなはざる所󠄃ところはいづこにあるやなんぢ曠野あらのにをるアラビヤびとすがごとくみちしてひとをまてりなんぢ姦淫かんいんあくをもてこのけがせり 3 このゆゑあめはとどめられはるあめはふらざりしれどなんぢ娼妓あそびめひたひあればあへはぢ 4 なんぢいまよりわれよびていはざらんやわが父󠄃ちゝなんぢはわが少時わかきとき交友ともなり 5 かぎりなくそのいかりふくまんやつねこれたもたんやとなんぢはかくいへどちからをきはめてあくすなり

6 ヨシヤわうのときヱホバまたわれにいひたまひけるはなんぢそむけるイスラエルのなせしことをしやかれはすべての高山たかやまにのぼりすべての靑木あをきしたにゆきて其處そこ姦淫かんいんおこなへり
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7 かれこのすべてのことせしのちわれかれになんぢわれにかへれといひしかどもわれにかへらざりきそのもとれる姊妹しまいなるユダこれたり 8 われそむけるイスラエル姦淫かんいんをなせしによりわれかれをいだして離緣狀りえんじやうをあたへたれどそのもとれる姊妹しまいなるユダはおそれずしてゆき姦淫かんいんおこなわれこれを 9 またその姦淫かんいんさわぎをもてこのけがかついしとに姦淫かんいんおこなへり 10 このもろ〳〵ことあるもなほそのもとれる姊妹しまいなるユダは眞心まごころをもてわれにかへらずいつはれるのみとヱホバいひたまふ

11 ヱホバまたわれにいひたまひけるはそむけるイスラエルはもとれるユダよりも自己おのれただしとす 12 なんぢゆきてきたにむかひ此言このことばのべていふべしヱホバいひたまふそむけるイスラエルよかへれわれいかりおもてなんぢらにむけじわれは矜恤あはれみあるものなりいかりかぎりなくふくみをることあらじとヱホバいひたまふ 13 なんぢただなんぢつみ認󠄃いひあらはせそはなんぢかみヱホバにそむきめぐりてすべての靑木あをきしたにて異邦人ことくにびとにゆき汝等なんぢらわがこゑをきかざればなりとヱホバいひたま 14 ヱホバいひたまふそむける衆子こどもらわれにかへれそはわれ汝等なんぢらめとればなりわれまちより一人ひとり支派わかれより二人ふたりりて汝等なんぢらをシオンにつれゆかん 15 われわがこゝろかな牧者ぼくしや汝等なんぢらにあたへん彼等かれら知識ちしき明哲さとりをもて汝等なんぢら養󠄄やしなふべし〘980㌻〙 16 ヱホバいひたまふ汝等なんぢらしておほくならんときは人々ひと〴〵またヱホバの契󠄅約けいやくはこといはずこれおもひいでずこれおぼえずこれを尋󠄃たづねずこれをつくらざるべし 17 そのときヱルサレムはヱホバの座位みくらゐとなへられ萬國ばんこくたみここにあつまるべしすなはちヱホバのによりてヱルサレムにあつまかさねそのあしこゝろ剛愎かたくななるにしたがひてあゆまざるべし 18 そのときユダのいへはイスラエルのいへとともにあゆみてきたよりいでわがなんぢらの先祖せんぞたちにあたへてつがしめしともにきたるべし

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19 われいへり嗚呼あゝわれいかにしてなんぢ諸子こどもらうち萬國ばんこくうちにてもつとうるはしき產業さんげふなるこの美地よきちなんぢにあたへんとわれまたいへりなんぢわれをわが父󠄃ちゝとよびまたわれはなれざるべしと 20 しかるにイスラエルのいへつまちかひ違󠄇そむきてそのをつとすつるがごとく汝等なんぢらわれにそむけりとヱホバいひたまふ 21 こゑやまのうへにきこはイスラエルのたみかなしいのるなりそは彼等かれらまがれる途󠄃みちにあゆみそのかみヱホバをわするればなり 22 そむける諸子こどもらわれかへれわれなんぢ退󠄃違󠄇そむきをいやさん
  我儕われらなんぢにいたなんぢはわれらのかみヱホバなればなり
23 もろ〳〵をかとおほくのやますくひ望󠄇のぞむはいたづらなりまことにイスラエルのすくひはわれらのかみヱホバにあり 24 羞恥はぢはわれらの幼時わかきときより我儕われら先祖せんぞ產業さんげふすなはちそのおほくひつじとそのおほくのうしおよびそのそのむすめ呑盡のみつくせり 25 われらは羞恥はぢわれらは恥辱はづかしめおほはるべしそは我儕われらとわれらの列祖せんぞわれらの幼時わかきときより今日こんにちにいたるまでつみをわれらのかみヱホバにをか我儕われらかみヱホバのこゑ遵󠄅したがはざればなり

第4章

1 ヱホバいひたまふイスラエルよなんぢもしかへらばわれかへなんぢもし憎にくむべきものわが前󠄃まへよりのぞかば流蕩さまよはじ 2 かつなんぢ眞實まこと正直なほき公義ただしきとをもてヱホバはくとちかはんさらば萬國ばんこくたみかれによりて福祉さいはひをうけかれによりてほこるべし

3 ヱホバ、ユダとヱルサレムの人々ひと〴〵にかくいひたま汝等なんぢら新田しんでんたがや荊棘いばらなかくなかれ。 4 ユダの人々ひと〴〵とヱルサレムに住󠄃めるもの汝等なんぢらみづから割󠄅禮かつれいをおこなひてヱホバにきおのれのこゝろ前󠄃まへかはしからざれば汝等なんぢら惡行あしきおこなひのためわがいかりごとくにはつしてえんこれをすものなかるべし

 1280㌻ 
5 汝等なんぢらユダにげヱルサレムにしめしていへらつぱくにうちけとまた大聲おほごゑよばはりていへ汝等なんぢらあつまれ我儕われらかたまちにゆくべしと 6 シオンに指示しめ合圖あひづはたをたてよ逃󠄄にげとどままるなかれそはわれきたよりわざはひとおほいなる敗壞ほろびをきたらすればなり〘981㌻〙 7 獅子しゝそのもりよりいでてのぼ國々くに〴〵ほろぼすものは進󠄃すゝみきたるかれなんぢくにあらさんとてすでにそのところよりいでたりなんぢ諸邑まち〳〵ほろぼされて住󠄃ものなきにいたらん 8 このゆゑ汝等なんぢら麻󠄃あさころもにまとひてかなしなげけそはヱホバのはげしきいかりいまだ我儕われらはなれざればなり 9 ヱホバいひたまひけるはそのわう牧伯等きみたちはそのこゝろをうしなひ祭司さいしおどろ預言者よげんしやあやしむべし

10 われいひけるは嗚呼あゝしゆヱホバよなんぢはまことに此民このたみとヱルサレムをおほいにあざむきたまふすなはちなんぢはなんぢらやすかるべしといひたまひしにつるぎいのちにまでおよべり

11 そのときこのたみとヱルサレムにいふものあらんあつかぜ 曠野あらの童山はげやまよりわがたみむすめにふききたるとるためにあらず潔󠄄きよむるためにもあらざるなり 12 これよりもなほはげしきかぜわれよりきたらんいまわれかれらにさばきしめさん 13 みよかれくものごとくのぼりきたらんそのくるま颶風はやてのごとくにしてそのむまわしよりもはや嗚呼あゝわれらはわざはひなるかな我儕われらほろぼさるべし 14 ヱルサレムよなんぢこゝろあくをあらひ潔󠄄きよめよさらばすくはれんなんぢあしおもひいつまでなんぢのうちにあるや 15 ダンよりぐるこゑありエフライムのやまよりわざはひしらするなり 16 なんぢ國々くに〴〵たみげまたヱルサレムにらせよめかこむもの遠󠄄とほくによりきたりユダの諸邑まち〳〵にむかひてそのこゑぐと 17 かれらは田圃たはたをまもるもののごとくにこれをかこむこはわれしたがはざりしにるとヱホバいひたま 18 なんぢ途󠄃みちなんぢおこなひこれをなんぢまねけりこれはなんぢあくなりまことにがくしてなんぢこゝろにおよぶ

 1281㌻ 
19 嗚呼あゝわがはらわたわがはらわた痛苦いたみこゝろそこにおよびわが心胸むねとどろくわれもくしがたしわが靈魂たましひなんぢらつぱこゑいくささわぎをきくなり 20 敗滅ほろび敗滅ほろびのしらせありこのみなあらされわが幕屋まくや頃刻にはかにやぶられわがまくたちまやぶられたり 21 われはたをみらつぱこゑをきくは何時いつまでぞや 22 それ我民わがたみおろかにしてわれらずつたな子等こどもにしてさとることなしかれらはあくおこなふにさとけれどもぜんおこなふことをしら

23 われるにかたちなくして空󠄃むなしくありてんあふぐに其處そこひかりなし 24 われやまるにみなふるへまたすべてをかうごけり 25 われみるひとあることなし天空󠄃そらとりみなとびされり 26 われみるに肥美ゆたかなる沙漠あれちとなりかつそのすべてまちはヱホバの前󠄃まへにそのはげしきいかり前󠄃まへこぼたれたり

27 そはヱホバかくいひたまへりすべてこの荒地あれちとならんされどわれことごとくはこれほろぼさじ〘982㌻〙 28 ゆゑみなかなしみうへなるてん暗󠄃くらくならんわれすでにこれをいひかつこれをさだめていずまたこれをなすことやめざればなり 29 まちひとみな騎兵きへい射者いて咄喊さけびのために逃󠄄にげ叢林もりにいり又󠄂またいはうへのぼれりまちはみなすてられて其處そこ住󠄃ひとなし 30 ほろぼされたるものなんぢなにをなさんとするや設令たとひなんぢくれなゐのころもをきこがね飾󠄃物かざりをもてよそほをぬりておほきくするともなんぢよそほふはいたづらなりなんぢ戀人こひびとらはなんぢをいやしめなんぢのいのちをもとむるなり 31 われをうむ婦󠄃をんなのごときこゑ首子うひごをうむものくるしむがごときこゑれシオンのむすめこゑなりかれみづかなげをのべていふ嗚呼あゝわれはわざはひなるかなわが靈魂たましひころもののためにつかれはてぬ

第5章

1 汝等なんぢらヱルサレムのまちをめぐりてかつさとりそのちまた尋󠄃たづねよ汝等なんぢらもし一人ひとり公義ただしきおこな眞理まこともとむものはばわれこれ(ヱルサレム)をゆるすべし 2 かれらヱホバはくといふともまこといつはりてちかふなり
 1282㌻ 
3 ヱホバよなんぢ誠實まこと顧󠄃かへりみるにあらずやなんぢかれらをうてどもかれら痛苦いたみをおぼえず彼等かれらほろぼせどもかれら懲治いましめをうけずそのかほいはよりもかたくしてかへることをいなめり

4 ゆゑわれいひけるは此輩これらたゞいやしきおろかなるものなればヱホバの途󠄃みちそのかみさばきしらざるなり 5 われ貴人たふときひとにゆきてこれかたらんかれらはヱホバの途󠄃みちとそのかみさばきるなりしかるかれらもみなくびきなはめたて 6 ゆゑはやしよりいづる獅子しゝかれらをころしアラバのおほかみはかれらをほろぼへうはそのまちをねらふ此處こゝよりいづるものみなさかるべしそはそのつみおほくその背違󠄇そむきはなはだしければなり

7 われなにゆゑなんぢをゆるすべきやなんぢ諸子こどもらわれをかみにあらざるかみしてちかわれすでにかれらをちかはせたれどかれ姦淫かんいんして娼妓あそびめいへ群集むれあつま 8 かれらはこえたる牡馬をむまのごとくにゆきめぐりおのおのいななきてとなりつました 9 ヱホバいひたまふわれこれらのことのためにかれらをばつせざらんやわがこゝろはかくのごとたみあたかへさざらんや

10 汝等なんぢらその石垣いしがきにのぼりてほろぼせされどこと〴〵くはこれをほろぼなかれそのえだ截除きりのぞけヱホバのものにあらざればなり 11 イスラエルのいへとユダのいへおほいわれもとるなりとヱホバいひたまふ 12 彼等かれらはヱホバを認󠄃みとめずしていふヱホバはあるものにあらずわざはひわれらにきたらじ我儕われらつるぎ饑饉ききんをもざるべし 13 預言者よげんしやかぜとなりことばはかれらのうちにあらずかくかれらになるべしと
〘983㌻〙
14 ゆゑ萬軍ばんぐんかみヱホバかくいひたまふ汝等なんぢらこのこといふによりよわれなんぢくちにあるわがことばとなし此民このたみたきゞとなさんそのかれらを焚盡やきつくすべし 15 ヱホバいひたまふイスラエルのいへよみよわれ遠󠄄とほ國人くにびとをなんぢらにきたらしめんそのくにつよくまたふるくになり汝等なんぢらそのことばをしらずそのかたることをもさとらざるなり
 1283㌻ 
16 そのえびらひらきたるはかのごとしかれらはみな勇士ゆうしなり 17 かれらはなんぢかりいれたるものなんぢ糧食󠄃くひもの食󠄃くらなんぢ子女むすこむすめ食󠄃くらなんぢひつじうし食󠄃くらなんぢ葡萄ぶだう無花果いちぢく食󠄃くらひまたつるぎをもてなんぢたのむところのかたまちほろぼさん 18 されど其時そのときわれことごとくはなんぢほろぼさじとヱホバいひたまふ

19 汝等なんぢらなにゆゑにわれらのかみヱホバ此等これらすべてのことを我儕われらになしたまふやといはばなんぢかれらにこたふべしなんぢわれをすてなんぢらのおいことなるかみつかへしごとくなんぢらのものにあらざるおい異邦人ことくにびとにつかふべしと

20 なんぢこれをヤコブのいへにのべまたこれをユダにしめしていへ 21 おろかにして了知さとりなくあれどもえずみゝあれどもきこえざるたみよこれをきけ 22 ヱホバいひたま汝等なんぢらわれをおそれざるかわが前󠄃まへ戰慄をののかざるかわれすなおきうみさかひとなしこれを永遠󠄄とこしなへ限界かぎりとなしこゆることをえざらしむ其浪そのなみさかまきいたるも勝󠄃かつことあたはず澎湃なりわたるもこれをこゆるあたはざるなり 23 しかるにこのたみそむかつもとれるこゝろありすでそむきてれり 24 かれらはまた我儕われらあめをあたへてあきあめはるあめときにしたがひてくだ我儕われらのために收穫かりいれ時節󠄄ときさだたまへるわがかみヱホバをおそるべしと其心そのこころにいはざるなり 25 汝等なんぢらとがはこれらのこと退󠄃しりぞ汝等なんぢらつみ嘉物よきものなんぢらにきたらしめざりき 26 我民わがたみのうちに惡者あしきものありあみもののごとくにをかがめてうかがひわなおきひとをとらふ 27 樊籠かごとりみつるがごとく不義ふぎたからかれらのいへつこのゆゑかれらはおほいなるものとなりとめものとなる 28 かれらはこえ光澤つやありそのあしおこなひはなはだかれらはうつたへをたださずみなしごうつたへたゞさずして利達󠄃さかえをえまた貧󠄃者まづしきものうつたへさばかず 29 ヱホバいひたまふわれかくのごときことをばつせざらんやわがこゝろかくのごときたみあだかへさざらんや

 1284㌻ 
30 このおどろくべきこと憎にくむべきことおこなはる 31 預言者よげんしやいつはりて預言よげんをなし祭司さいしかれらのによりてをさ我民わがたみかゝことあいすされど汝等なんぢらその終󠄃をはりなにをなさんとするや〘984㌻〙

第6章

1 ベニヤミンの子等こどもらよヱルサレムのうちより逃󠄄のがれテコアにらつぱをふきベテハケレムに合圖あひづをあげよそはきたよりわざはひおほいなる敗壞ほろびのぞめばなり 2 われうるはしき窈窕たをやかなるシオンのむすめほろぼさん 3 牧者ぼくしやそのむれひき此處こゝにきたりその周󠄃圍まはり天幕てんまくをはらんむれはおのおのそのところにてくさ食󠄃くらはん 4 なんぢ戰端たたかひひらきてこれせむべし起󠄃たてよわれら日午ひるにのぼらん嗚呼あゝをしいかなははやかたむ夕日ゆふひかげながくなれり 5 起󠄃たてよわれらうちにのぼりてそのもろ〳〵殿舍やかたこぼたん 6 萬軍ばんぐんのヱホバかくいひたまへりなんぢをきりヱルサレムにむかひてるいきづけこれはばつすべきまちなりそのうちにはたゞ暴逆󠄃ばうぎやくのみあり 7 みなもとみづをいだすがごとくかれそのあくいだすそのうち暴逆󠄃ばうぎやく威虐󠄃しひたげきこゆわが前󠄃まへうれへきずたえず 8 ヱルサレムよなんぢ訓戒いましめをうけよしからざればわがこゝろなんぢをはなれなんぢ荒蕪あれちとなし住󠄃ひとなきとなさん

9 萬軍ばんぐんのヱホバかくいひたまふかれらは葡萄ぶだう遺󠄃餘のこりみとるごとくイスラエルの遺󠄃のこれるものつみとらんなんぢ葡萄ぶだう摘取者つみとるもののごとくしば〳〵かごるべし 10 われたれにかたたれいましめてきかしめんやよそのみゝ割󠄅禮かつれいをうけざるによりてきこえずかれらはヱホバのことばあざけりこれをよろこばず 11 ヱホバのいかりわがつわれ忍󠄄しのぶにむこれを衢街ちまたにある童子こどもらあつまれる年少者わかきものとにもらすべしをつと婦󠄃つまおいたるものとしすすみものとらへらるるにいたらん 12 そのいへ田地はたけつまはともに佗人たにんにわたらんはわれあげてこの住󠄃すめものうてばなりとヱホバいひたまふ 13 それかれらはちひさきものよりおほいなるものにいたるまでみな貪婪者むさぼるものなり又󠄂また預言者よげんしやより祭司さいしにいたるまでみな詭詐いつはりをなすものなればなり
 1285㌻ 
14 かれらあさ我民わがたみむすめきずいや平󠄃康やすからざるとき平󠄃康やすし平󠄃康やすしといへり 15 かれらは憎にくむべきことなし恥辱はづかしめをうくれどもすこしはぢずまたはぢらずこのゆゑかれらは傾仆たふるるものともにたふれんわがきたるときかれつまづかんとヱホバいひたまふ

16 ヱホバかくいひたまふなんぢ途󠄃みちたちふるみちつきいづれよき道󠄃みちなるを尋󠄃たづねてその途󠄃みちあゆめさらばなんぢらの靈魂たましひやすきされかれらこたへて我儕われらはそれにあゆまじといふ 17 われまたなんぢらのうへ守望󠄇者まもるものをたてらつぱこゑをきけといへりされ彼等かれらこたへて我儕われらきかじといふ 18 ゆゑ萬國ばんこくたみよきけ會衆くわいしうよかれらの遇󠄃あふところを 19 よきけわれわざはひをこのたみにくださんこはかれらのおもひむすなりかれらわがことばとわが律法おきてをきかずしてこれすつるによる 20 シバよりわがもと乳󠄃香にうかうきたり遠󠄄とほくにより菖蒲あやめきたるはなんのためぞやわれはなんぢらの燔祭はんさいをよろこばずなんぢらの犧牲いけにへうましとせず〘985㌻〙 21 ゆゑにヱホバかくいひたまふみよわれこのたみ前󠄃まへ躓礙つまづくものをおく父󠄃ちゝとそれにつまづ隣人となりびととそのともともほろぶべし

22 ヱホバかくいひたまふみよたみきたくによりきたるおほいなるたみはてより起󠄃おこ 23 かれらはゆみやりをとる殘忍󠄄ざんにんにしてあはれみなしそのこゑうみごとるシオンのむすめよかれらはうま軍人いくさびとのごとくをよろひてなんぢめん 24 我儕われらその風聲うはさをききたれば我儕われら弱󠄃よわをうむ婦󠄃をんなのごとき苦痛くるしみ劬勞いたみわれらに迫󠄃せま 25 なんぢ田地はたけいづなかれまたみちあゆむなかれてきつるぎ畏怖おそれ四方よもにあればなり 26 我民わがたみむすめ麻󠄃衣あさのころもにまとひ灰󠄃はひのうちにまろび獨子ひとりごうしなひしごとくにかなしみていたくなげけそは毀滅者ほろぼすもの突然にはかわれらにきたるべければなり

27 われなんぢたみのうちにたてかねこころむもののごとくなし又󠄂またしろのごとくなすこはなんぢをしてその途󠄃みちしらしめまたこゝろみしめんためなり
 1286㌻ 
28 かれらはみないたくもとれるものなり步行あるきひとそしものなりかれらはあかがねのごとくくろがねのごとしみなよこしまなるものなり 29 ふいごなまりはつき鎔匠とかすものはいたづらにとか惡者あしきものいまだのぞかれざればなり 30 ヱホバかれらをすてたまふによりて彼等かれらすてられたるぎんばれん

第7章

1 ヱホバよりヱレミヤにのぞめることば 2 なんぢヱホバのいへもんにたち其處そこにてこのことばのべへヱホバををがまんとてこのもんにいりしユダのすべてのひとよヱホバのことばをきけ 3 萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルのかみかくいひたまなんぢらの途󠄃みちなんぢらのおこなひあらためよさらばわれ汝等なんぢらをこの住󠄃すましめん 4 なんぢこれはヱホバの殿みやなりヱホバの殿みやなりヱホバの殿みやなりといつはりことばをたのむなか 5 なんぢらもし全󠄃まつたくその途󠄃みちおこなひあらたひとひととのあひだたゞしくさば 6 異邦人ことくにびと孤兒みなしごやもめ虐󠄃しへたげず無辜者つみなきものをこのところながさずほかかみしたがひて害󠄅がいをまねかずば 7 われなんぢらをわが汝等なんぢら先祖せんぞにあたへしこの永遠󠄄えいゑんより永遠󠄄えいゑんにいたるまで住󠄃すましむべし

8 みよなんぢらはえきなきいつはりことばたの 9 汝等なんぢらぬすころ姦淫かんいんいつはりてちかひバアルにかうなんぢらがしらざるほかかみにしたがふなれど 10 わがをもてとなへらるるこのいへにきたりてわが前󠄃まへにたちわれらはこれらの憎にくむべきことをおこなふともすくはるるなりといふはいかにぞや 11 わがをもてとなへらるるこのいへなんぢらのには盜賊ぬすびとゆるやわれこれをみたりとヱホバいひたまふ
〘986㌻〙
12 汝等なんぢらわがはじめシロにおいわがおきところにゆきがイスラエルのたみあくのために其處そこになせしところのことをみよ 13 ヱホバいひたまふいまなんぢ此等これらのすべてのことをなす又󠄂またわれなんぢらにかたしきりにかたりたれどもかずなんぢらをびたれどもこたへざりき
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14 このゆゑわれシロになせしごとくわがをもてとなへらるるこのいへになさんすなはち汝等なんぢらたのむところわがなんぢらとなんぢらの先祖せんぞにあたへしこのところになすべし 15 またわれ汝等なんぢらのすべての兄弟きやうだいすなはちエフライムのすべてのすゑてしごとくわが前󠄃まへよりなんぢらをもつべし

16 ゆゑなんぢこのたみのためにいのなかかれらのためなげくなかれもとむるなかれ又󠄂またわれにとりなしをなすなかれわれなんぢにきかじ 17 なんぢかれらがユダのまちとヱルサレムのちまたになすところをざるか 18 諸子こどもらたきゞあつ父󠄃ちゝ婦󠄃をんなこなねパンをつくりてこれ天后てんこうにそなふ又󠄂またかれらほかかみ前󠄃まへさけをそそぎてわれいからす 19 ヱホバいひたまふかれわれいからするかれおのがかほはづかしむるにあらずや 20 是故このゆえしゆヱホバかくいひたまふよわが震怒いかりとわが憤怒いきどほりはこのところひとけものおよびにそそがんかつもえきえざるべし

21 萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルのかみかくいひたまふなんぢらの犧牲いけにへ燔祭はんさいものをあはせてにくをくらへ 22 そはわれ汝等なんぢら先祖せんぞをエジプトより導󠄃みちびきいだせし燔祭はんさい犧牲いけにへとにつきてかたりしことなく又󠄂まためいぜしことなし 23 たゞわれこのこと彼等かれらめいなんぢわがこゑきかばわれなんぢらのかみとなりなんぢ我民わがたみとならんかつわがなんぢらにめいぜしすべての道󠄃みちあゆみて福祉さいはひをうべしといへり 24 されどかれらはきかずそのみゝかたむけずおのれのあしこゝろはかりごと剛愎かたくななるとにしたがひてあゆみまたうしろわれにむけてそのかほけざりき 25 なんぢらの先祖せんぞがエジプトのをいでしより今日こんにちにいたるまでわれわがしもべなる預言者よげんしやなんぢらにつかはし日々ひびあさよりこれをつかはせり 26 されどかれらはわれにきかずみゝかたむけずしてそのうなじこはくしその列祖せんぞよりもまさりてあくをなすなり

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27 なんぢかれらに此等これらのすべてのことばをかたるともなんぢにきかずかれらをぶともなんぢにこたへざるべし 28 なんぢかくかれらにかたれこれはそのかみヱホバのこゑきかずそのいましめうけざるたみなり眞實まことはうせてそのくちたえたり

29 (シオンのむすめよ)なんぢかみりてこれをやまうへ哀哭なげきこゑをあげよヱホバそのいかるところのひとをすててこれをはなれたまへばなり 30 ヱホバいひたまふユダのたみわが前󠄃まへあくおこなへりすなはちその憎にくむべきものわがをもてとなへらるるいへおきてこれをけがせり〘987㌻〙 31 又󠄂またベンヒンノムのたにおいてトペテの崇邱たかきところきづきてその子女むすこむすめやかかんとせりわれこれをめいぜずまたかゝることをおもはざりし 32 ヱホバいひたまふされ此處こゝをトペテまたはベンヒンノムのたにとなへずして殺戮ほふりたにとなふるきたらんはうむるべき地所󠄃ところなきまでにトペテにはうむるべければなり 33 このたみしかばね天空󠄃そらとりけもの食󠄃物くひものとならんこれを逐󠄃ふものなかるべし 34 そのときわれユダのまちとヱルサレムのちまた欣喜よろこびこゑ 歡樂たのしみこゑ 新婿はなむここゑ 新婦󠄃はなよめこゑなからしむべしこの荒蕪あれはつればなり

第8章

1 ヱホバいひたまふそのときひとユダの王等わうたちほねとその牧伯等つかさたちほね祭司さいしほね預言者よげんしやほねとヱルサレムのたみほねをそのはかよりほりいだし 2 彼等かれらあいつかしたがもとかつまつれるところのつきてん衆群しうぐん前󠄃まへにこれをさらすべしそのほねはあつむるものなくはうむものなくして糞土ふんどのごとくにおもてにあらん 3 このあしたみうちののこれる餘遺󠄃のこりものすべてわが逐󠄃おひやりしところにのこれるものみないくるよりもぬることをねがはんと萬軍ばんぐんのヱホバいひたまふ

4 なんぢまたかれらにヱホバかくいふとかたるべしひともしたふるれば起󠄃きかへるにあらずやもしはなるればかへきたるにあらずや
 1289㌻ 
5 何故なにゆゑにヱルサレムにをる此民このたみつねにわれをはなれてかへらざるやかれらは詐僞いつはりをかたくとりかへることをいなめり 6 われみゝそばだててきくかれらはよきことをいは一人ひとりもそのあくいてわがなせしことなにぞやといふものなしかれらはみな戰場いくさば馳入はせいうまのごとくにその途󠄃みちかへるなり 7 天空󠄃そらつるはその定期とき斑鳩やまばとつばめかりはそのきたるときまもるされど我民わがたみはヱホバの律法おきてをしらざるなり

8 なんぢいかでわれ智慧󠄄ちゑありわれらにはヱホバの律法おきてありといふことをえんやよまことに書記しよきいつはりふでこれいつはりとせり 9 智慧󠄄ちゑあるものはづかしめられまたあわててとらへらる彼等かれらヱホバのことばすてたりかれなに智慧󠄄ちゑあらんや 10 ゆゑにわれそのつま他人たにんにあたへその田圃たはた他人たにんつがしめんかれらはちひさきものよりおほいなるものにいたるまでみな貪婪者むさぼるものまた預言者よげんしやより祭司さいしにいたるまでみな詭詐いつはりをなすものなればなり 11 かれ我民わがたみむすめきずあさいや平󠄃康やすからざるとき平󠄃康やすし平󠄃康やすしといへり 12 かれ憎にくむべきことをなして恥辱はづかしめらるれどすこしはぢずまたはぢらずこのゆゑかれらはたふるるものともたふれんわがかれらをばつするときかれらつまづくべしとヱホバいひたまふ〘988㌻〙 13 ヱホバいひたまふわれかれらをことごとくほろぼさん葡萄ぶだう葡萄ぶだうなく無花果いちぢく無花果いちぢくなしそのれたりゆゑにわれ殲滅者ほろぼすものかれらにつかはす.

14 われなんこゝにとゞまるやあつまれよわれかた城邑まちにゆきて其處そこほろび我儕われらヱホバにつみをかせしによりてわれらのかみヱホバわれらをほろぼどくなるみづのませたまへばなり 15 われら平󠄃康やすき望󠄇のぞめどもよきこときたらずなぐさめらるるとき望󠄇のぞむにかへつて恐懼おそれきたる 16 そのうまいななきはダンよりきこえこのみなそのつようまこゑによりてふるかれらきたりてこのとそのうへにあるものおよびまちとそのうち住󠄃すめもの食󠄃くら 17 よわれ呪詛まじなひのきかざるへびまむしなんぢらのうちに遣󠄃つかははさんこれなんぢらをかむべしとヱホバいひたまふ

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18 嗚呼あゝわれうれふいかにして慰藉なぐさめをえんやわがうちこゝろなや 19 みよ遠󠄄とほくにより我民わがたみむすめこゑありていふヱホバはシオンにいまさざるかそのわうはそのうちあらざるかと(ヱホバいひたまふ)かれらは何故なにゆゑにその偶像ぐうざう異邦ことくにむなしものをもてわれいからせしやと 20 收穫かりいれとき過󠄃なつもはやをはりぬされどわれらはいまだすくはれず 21 我民わがたみむすめいたみによりてわれいたかつかなしむ恐懼おそれわれ迫󠄃せまれり 22 ギレアデに乳󠄃香にうかうあるにあらずや彼處かしこ醫者いしやあるにあらずやいかにして我民わがたみむすめはいやされざるや

第9章

1 ああわれわがかうべみづとなしわがなみだいづみとなすことをえんものを我民わがたみむすめころされたるものため晝夜ひるよるなげかん 2 嗚呼あゝわれ曠野あらの旅人たびゞと寓所󠄃やどりどころをえんものを我民わがたみはなれてさりゆかんかれらはみな姦淫かんいんするものもとれるものともがらなればなり 3 かれらはゆみくがごとくそのしたをもていつはりをいだすかれらはこのにおいて眞實まことのためにつよからずあくよりあくにすすみまたわれしらざるなりとヱホバいひたまふ 4 なんぢらおのおのそのとなりこゝろせよいづれ兄弟きやうだいをもしんずるなか兄弟きやうだいはみなあざむきをなしとなりはみなそしりまはればなり 5 かれらはおのおのそのとなりあざむきかつ眞實まことをいはずそのしたいつはりをかたることををしあくをなすにつか 6 なんぢ住󠄃居すまひ詭譎いつはりなかにありかれらは詭譎いつはりのためにわれしることをいなめりとヱホバいひたまふ

7 ゆゑ萬軍ばんぐんのヱホバかくいひたまへりわれかれらをとかこゝろむべしわれ我民わがたみむすめこと如何いかになすべきや 8 かれらのしたころのごとしかれらいつはりをいふまたそのくちをもてとなりにおだやかにかたれどもそのこゝろうちには害󠄅がいをはかるなり 9 ヱホバいひたまふわれこれらのことのためにかれらをばつせざらんやわがこゝろはかくのごときたみあだかへさざらんや
〘989㌻〙
 1291㌻ 
10 われやまのためにさけ牧場まきばのためにかなしむこれらはやかれて過󠄃すぐひとなしまたここにうしひつじこゑをきかず天空󠄃そらとりけものみな逃󠄄にげてさりぬ 11 われヱルサレムを邱墟くづれづかとし山犬やまいぬとなさんまたユダのすべて邑々まち〳〵あらして住󠄃ひとなからしめん

12 智慧󠄄ちゑありてこのことさとひとたれぞやヱホバのくちことばうけてこれをしめさんものたれぞやこのほろぼされまたのごとくやかれて過󠄃すぐものなきにいたりしは何故なにゆゑ 13 ヱホバいひたまふこれかれわがその前󠄃まへたてしところの律法おきてをすてわがこゑをきかずこれしたがはざるによりてなり 14 かれらはそのこゝろ剛愎かたくななるとその列祖せんぞたちがおのれにをしへしバアルとにしたがへり 15 このゆゑ萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルのかみかくいひたまふよわれ彼等かれらすなはちこのたみ茵蔯いんちん食󠄃くらはせどくなるみづのま 16 かれらもその先祖せんぞたちもしらざりし國人くにびとのうちにかれらをちらしまたかれらをほろぼつくすまでそのうしろつるぎをつかはさん

17 萬軍ばんぐんのヱホバかくいひたまふなんぢらよくかんが哭婦󠄃なきをんなをよびきたれ又󠄂またひと遣󠄃つかはしてかしこ婦󠄃をんなをまねけよ 18 かれらは速󠄃すみやかにきたりて我儕われらのために哭哀なきかなしみ我儕われらなみだをこぼさせ我儕われら目蓋まぶたよりみづ溢󠄃あふれしめん 19 シオンよりかなしみこゑきこゆいは嗚呼あゝわれらほろぼされわれいたはづかしめらるわれらはそのかれらはわが住󠄃家すみかこぼちたり 20 婦󠄃をんなたちよヱホバのことばをきけなんぢらのみゝそのくちことばをいれよなんぢらのむすめなくことををしへおのおのそのとなりかなしみうたをしふべし 21 そはのぼりてわれらのまどよりいりわれらの殿舍やかたそとにある諸子こどもらたやちまたにある壯年わかきものころさんとすればなり 22 ヱホバかくいへりとなんぢふべしひとしかばね糞土ふんどのごとく田野はたけちんまた收穫者かりいるるもののうしろにのこりてあつめずにあるたばのごとくならんと

 1292㌻ 
23 ヱホバかくいひたまふ智慧󠄄ちゑあるものはその智慧󠄄ちゑほこなかちからあるものそのちからほこるなかれ富者とめるものはそのとみほこることなか 24 ほこものはこれをもてほこるべしすなは明哲さとくしてわれこととわがヱホバにして仁惠めぐみ公道󠄃おほやけ公義ただしきとをおこなものなるをことこれなりわれこれらをよろこぶなりとヱホバいひたまふ

25 -26 ヱホバいひたまひけるはよわれすべてまへかは割󠄅禮かつれいをうけたるものすなはちエジプトとユダとエドムとアンモンの子孫ひと〴〵とモアブとにをりてそのひげものとをばつするきたらんそはすべて異邦人ことくにびと割󠄅禮かつれいをうけずまたイスラエルのいへこゝろ割󠄅禮かつれいをうけざればなり〘990㌻〙

第10章

1 イスラエルのいへよヱホバのなんぢらにいひたまふことばをきけ 2 ヱホバかくいひたまふなんぢ異邦人ことくにびと途󠄃みちならなか異邦人ことくにびとてんにあらはるるしるしおそるるともなんぢらはこれをおそるるなか 3 異國人ことくにびと風俗ならはしはむなしそのあがむるものはやしよりきりたるにして木匠たくみをのをもてつくりしものなり 4 かれらはぎんきんをもてこれを飾󠄃かざくぎつちをもてこれかためて搖動うごかざらしむ 5 こはまるはしらのごとくにしてものいはずまたあゆむことあたはざるによりてひとにたづさへらるこれ災害󠄅わざはひをくだしまた福祉さいはひをくだすのちからなきによりてなんぢらこれをおそるるなか

6 ヱホバよなんぢたぐふべきものなしなんぢおほいなりなんぢその權威ちからのためにおほいなり 7 なんぢ萬國ばんこくわうたるものたれなんぢおそれざるべきやなんぢおそるるは當然たうぜんなりそは萬國ばんこくのすべての博士はかせたちのうちにもその諸國くにぐにのうちにもなんぢたぐふべきものなければなり 8 かれらはみなけもののことくまた痴愚おろかなりむなしきものをしへたゞのみ 9 タルシシよりたづさ銀箔ぎんぱくウパズよりたづさきん鍛冶かぢ鑄匠いものしつくりしものなりあをむらさきをそのころもとなすこれはすべてたくみみなる細工人さいくにん工作わざなり
 1293㌻ 
10 ヱホバはまことかみなりかれいけかみなり永遠󠄄えいゑんわうなりそのいかりによりてふる萬國ばんこくはその憤怒いきどほりにあたることあたはず

11 汝等なんぢらかくかれらにいふべし天地てんち造󠄃つくらざりし諸神かみたちうへよりこのてんしたよりうせさらんと

12 ヱホバはそのちからをもてをつくりその智慧󠄄ちゑをもて世界せかいてその明哲さとりをもててんべたまへり 13 かれこゑをいだせばてんおほくみづありかれくもはてよりいだしいなびかりあめをおこしかぜをその府庫くらよりいだす 14 すべてのひとけものごとくにしてなしすべての鑄匠いものしはそのつくりしざうのためにはぢをとるそのるところのざう僞物いつはりものにしてそのうち靈魂たましひなければなり 15 これらはむなしものにして迷󠄃妄まよひ工作わざなりそのばつせらるるときにほろぶべし 16 ヤコブの分󠄃ぶんかくのごとくならずかれ萬物ばんもつ造󠄃化主つくりぬしなりイスラエルはその產業さんげふつゑなりその萬軍ばんぐんのヱホバといふなり

17 かこみうちするものなんぢつつみよりりあげよ 18 ヱホバかくいひたまふみよわれこのにすめるもの此度このたびなげうたんかつかれらをせめなやましてとらへられしむべし

19 われ毀傷いたみをうく嗚呼あゝわれはわざはひなるかなわがきずおもわれいふこれまことにわが患難なやみなりわれこれ忍󠄄しのぶべし 20 わが幕屋まくやはやぶれわが繩索なはこと〴〵わが衆子こどもらわれをすてゆきてをらずなりぬ幕屋まくやものなくわがまくをかくるものなし 21 牧者ぼくしやおろかにしてヱホバをもとめずゆゑ利達󠄃さかえずそのむれはみなれり〘991㌻〙 22 きけよ風聲うはさありきたくによりおほいなるさわぎきたるこれユダの諸邑まち〳〵あらして山犬やまいぬとなさん

23 ヱホバよわれひと途󠄃みち自己おのれによらずかつ步行あゆひとみづからその步履あゆみさだむることあたはざるなり 24 ヱホバよわれこらしたまへたゞ道󠄃みちにしたがひいからずしてこらしたまへおそらくはわれせん 25 なんぢしらざる國人くにびとなんぢよばざるやからなんぢいかりそゝぎたまへかれらはヤコブをくらこれをくらふてほろぼしその牧場まきばあらしたればなり
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第11章

1 ヱホバよりヱレミヤにのぞめることばいふ 2 なんぢらこの契󠄅約けいやくことばをききユダのひととヱルサレムにすめるものつげ 3 なんぢかれらにかたれイスラエルのかみヱホバかくいひたまふこの契󠄅約けいやくことば遵󠄅したがはざるひとのろはる 4 この契󠄅約けいやくはわがなんぢらの先祖せんぞをエジプトのてつかまどうちより導󠄃みちびいだせしにかれらにめいぜしものなりすなはわれいひけらくなんぢわがこゑをききわがなんぢらにめいぜしすべてことしたがひておこなはばなんぢらは我民わがたみとなりわれなんぢらのかみとならん 5 われなんぢらの先祖せんぞ乳󠄃ちゝみつながるるあたへんとちかひしことを成就なしとげんとすなは今日こんにちのごとしそのときわれこたへてアーメン、ヱホバといへり

6 またヱホバわれにいひたまひけるはなんぢすべて此等これらことばをユダの諸邑まち〳〵とヱルサレムのちまたにしめしなんぢこの契󠄅約けいやくことばをききてこれをおこなへといふべし 7 われなんぢらの列祖せんぞをエジプトのより導󠄃出みちびきいだせしより今日こんにちにいたるまでせちかれらをいまししきりいましめてなんぢわがこゑ遵󠄅したがへといへり 8 されかれらは遵󠄅したがはずそのみゝかたむけずおのおのそのあしこゝろ剛愎かたくななるにしたがひてあゆめりゆゑにわれこの契󠄅約けいやくことば彼等かれらにきたらすはわがかれらにこれおこなへとめいぜしかども彼等かれらがおこなはざりしものなり

9 またヱホバわれにいひたまひけるはユダの人々ひと〴〵とヱルサレムに住󠄃すめものうち叛逆󠄃はんぎやくことあり 10 かれらはわがことばをきくことをこのまざりしところのその先祖せんぞつみにかへりまたほかかみしたがひてこれつかへたりイスラエルのいへとユダのいへはわがその列祖せんぞたちとむすびたる契󠄅約けいやくをやぶれり 11 このゆゑにヱホバかくいひたまふみよわれ災禍わざはひをかれらにくださんかれらこれをまぬかるることをえざるべしかれわれをよぶともわれきか
 1295㌻ 
12 ユダのまちとヱルサレムに住󠄃すめものはゆきてそのかうたきかみよばんされど是等これらはその災禍わざはひときたえてかれらをすくふことあらじ 13 ユダよなんぢかみかずなんぢまちかずのごとしかつなんぢらヱルサレムのちまたかずにしたがひてはづべきものだんをたてたりすなはちバアルにかうたかんとてだんをたつ
〘992㌻〙
14 ゆゑなんぢこのたみためいのなか又󠄂またそのためきあるひはもとむなかかれらがその災禍わざはひのためにわれよぶときわれかれらにきかざるべし 15 わがあいするものわがいへにてなにをなすやあしはかりごとをなすやねがひ聖󠄄きよにくなんぢわざはひまぬかれしむるやもししからばなんぢよろこぶべし 16 ヱホバなんぢ嘉果よきみあるうるはしき靑橄欖あをかんらんよびたまひしがおほいなる喧嚷さわぎこゑをもてこれをかけかつそのえだりたまふ 17 なんぢうゑ萬軍ばんぐんのヱホバなんぢわざはひをさだめたまへりこれイスラエルのいへとユダのいへみづから害󠄅そこなふのあくをなしたるによるなりすなはちバアルにかうきてわれをいからせたり

18 ヱホバわれしらせたまひければわれこれをるそのときなんぢかれらの作爲わざわれにしめしたまへり 19 われひかれてほふられにゆくこひつじごとかれらがわれをそこなはんとてはかりごとをなすをしらかれらいふいざわれとそのとをともほろぼさんかれをいけものよりたちてそのひとわすれしむべしと 20 ただしさばきをなしひと心腸しんちやうさぐりたまふ萬軍ばんぐんのヱホバよわれわがうつたへなんぢにのべたればわれをしてなんぢかれらにあだかへすをせしめたまへ 21 こゝをもてヱホバ、アナトテの人々ひと〴〵につきてかくいひたまふ彼等かれらなんぢ生命いのちとらんともとめてなんぢヱホバのをもて預言よげんするなかおそらくはなんぢわれらのしなんと 22 ゆゑ萬軍ばんぐんのヱホバかくいひたまふみよわれかれらをばつすべし壯丁わかきひとつるぎにその子女むすこむすめ饑饉ききんにてなん 23 のこものなかるべしわれわざはひをアナトテの人々ひと〴〵にきたらしめわがかれらをばつするのとしをきたらしめん
 1296㌻ 

第12章

1 ヱホバよわがなんぢあらそときなんぢたゞたゞわれさばきことにつきてなんぢいは惡人あくにん途󠄃みちのさかえもとれるもののみなさいはひなるは何故なにゆゑぞや 2 なんぢかれらをうゑたりかれらはづき成長そだちむすべりそのくちなんぢ近󠄃ちかづけどもそのこゝろなんぢ遠󠄄とほざかる 3 ヱホバなんぢわれをわれまたわがこゝろなんぢにむかひていかなるかをこゝろみたまふひつじほふりにひきいだすがごとくかれらをひきいだしころためにかれらをそなへたまへ 4 いつまでこのなげきすべてのはたけ蔬菜あをものかれをるべけんやこの住󠄃すめものあくによりて畜獸けものとりほろぼさるかれらいふかれわれらの終󠄃をはりをみざるべしと

5 なんぢもし步行者かちのものとともにはしりてつかれなばいかで騎馬者うまにのれるものきそはんやなんぢ平󠄃安おだやかなるたのまばいかでヨルダンのほとりくさむらることをえんや 6 なんぢ兄弟きやうだいなんぢ父󠄃ちゝいへなんぢあざむきまた大聲おほごゑをあげてなんぢ追󠄃ふかれらしたしくなんぢかたるともこれをしんずるなか
〘993㌻〙
7 われわがいへはなれわが產業さんげふをすてわが靈魂たましひあいするところのものをそのてきにわたせり 8 わが產業さんげふはやし獅子しゝのごとしわれにむかひてそのこゑゆゑにわれこれにくめり 9 わが產業さんげふわれにおけること班駁まだらあるとりのごとくならずやとりこれかこむにあらずやのすべてのけものきたりあつまれきたりてこれを食󠄃くら 10 おほく牧者ぼくしやわが葡萄ぶだうばたけをほろぼしわが踐踏ふみあらしわがうるはしき荒野あれのとなせり 11 かれらこれを荒地あれちとなせりその荒地あれちわれにむかひてなげくなり一人ひとりもかへりみるものなければこの全󠄃地ぜんちあれたり 12 毀滅者ほろぼすもののすべての童山はげやまのうへにきたれりヱホバのつるぎのこのはてよりかのはてまでをほろぼすすべて血氣いのちあるものやすきをえず 13 かれらはむぎまき荊棘いばらをかるほねをれどもるところなしなんぢらはその作物つくりもののためにはづるにいたらんこれヱホバのはげしいかりによりてなり

 1297㌻ 
14 わがイスラエルのたみつがしむる產業さんげふをせむるところのすべてのわがあしとなりにむかひてヱホバかくいふみよわれ彼等かれらをそのより拔出ぬきいだしまたユダのいへかれらのうちより拔出ぬきいだすべし 15 われかれらを拔出ぬきいだせしのちまたかれらをあはれみておのおのをその產業さんげふにかへし各人おの〳〵をそのかへらしめん 16 彼等かれらもし我民わがたみ道󠄃みちをまなびわがをさしてヱホバはくとちかふことかつ我民わがたみをしへてバアルをさしちかはしめしごとくせばかれらはわがたみうちたてらるべし 17 されどかれらもしかざればわれかならずかかるたみ全󠄃まつた拔出ぬきいだしてほろぼすべしとヱホバいひたまふ

第13章

1 ヱホバかくいひたまへりなんぢゆきて麻󠄃あさおびをかひなんぢこしにむすべみづなか 2 われすなはちヱホバのことば遵󠄅したがおびをかひてわがこしにむすべり 3 ヱホバのことばふたゝびわれにのぞみて 4 なんぢかひこしにむすべるおび起󠄃たちてユフラテにゆき彼處かしこにてこれをいは穴󠄄あなにかくせと 5 ここにおいてわれヱホバのめいじたまひしごとゆきてこれをユフラテのほとりにかくせり 6 おほくのしのちヱホバわれにいひたまひけるは起󠄃たちてユフラテにゆきわがなんぢめいじて彼處かしこにかくさしめしおびれと 7 われすなはちユフラテにゆきおびわがかくせしところより掘取ほりとりりしにそのおびくちもちふるにたへず

8 またヱホバのことばわれにのぞみて 9 ヱホバかくいふわれかくのごとくユダの驕傲たかぶりとヱルサレムのおほいなる驕傲たかぶりをやぶらん 10 このあしたみはわがことばきくことをこばみおのれこゝろ剛愎かたくななるにしたがひてあゆかつほかかみしたがひてこれにつかへこれはい彼等かれらこのおびもちふるにたへざるがごとくなるべし〘994㌻〙 11 ヱホバいふおびひとこしつくがごとくわれイスラエルのすべてのいへとユダのすべてのいへわれつかしめこれ我民わがたみとなしとなしほまれとなしさかえとなさんとせりしかるに彼等かれらはきかざりき

 1298㌻ 
12 ゆゑなんぢこのことばかれらにかたるべしイスラエルのかみヱホバかくいふ酒壺さかつぼにはみなさけつとかれなんぢにこたへていはん我儕われらあに酒壺さかつぼさけみつることをしらざらんやと 13 そのときなんぢかれらにいふべしヱホバかくいふみよわれこの住󠄃すめるすべてのものとダビデのくらゐする王等わうたち祭司さいし預言者よげんしやおよびヱルサレムに住󠄃すめるすべてのものゑひみた 14 かれらをこれかれうちあはせてくだかん父󠄃ちゝをもしかすべしわれかれらをめぐまずをしまずあはれまずしてほろぼさん

15 なんぢらきけみゝかたむけよたかぶなかれヱホバかたりたまふなり 16 なんぢらのかみヱホバにそのいまだ暗󠄃やみ起󠄃おこしたまはざるさきなんぢらのあしのくらきやまつまづかざるさき榮光さかえすべしなんぢ光明ひかり望󠄇のぞまんにヱホバこれかげこれ昏黑くらやみとなしたまふにいたらん 17 なんぢもしこれをきかずばわが靈魂たましひなんぢらのたかぶりひそかなるところにかなしまん又󠄂またヱホバのむれかすめらるるによりてわがいたくなきなみだをながすべし

18 なんぢわう大后たいこうにつげよなんぢみづか謙󠄃へりくだりりてせそはなんぢらのうるはしきかんむりなんぢらのかうべよりおつべければなり 19 みなみ諸邑まち〳〵とぢてこれをひらひとなしユダはみな擄移とらへうつされこと〴〵くとらへうつさる

20 なんぢげてきたよりきたものをみよなんぢらがたまはりしむれなんぢのうるはしきむれはいづこにあるや 21 かれなんぢしたしなれたるものなんぢうへにたてて首領かしらとなさんときなんぢなにのいふべきことあらんやなんぢいたみをうむ婦󠄃をんなのごとくならざらんや 22 なんぢこゝろのうちに何故なにゆゑにこのことわれにきたるやといふかなんぢつみおもきによりてなんぢすそかゝげられなんぢのくびすはあらはさるるなり 23 エテオピアびとそのはだへをかへうるかへうその斑駁まだらをかへうるかもしこれをしえばあくなれたるなんぢらもぜんをなしべし 24 ゆゑにわれかれらをちらしてかぜ吹散ふきちらさるる皮壳からのごとくせん 25 ヱホバいひたまふこはなんぢべき分󠄃ぶんわがはかりなんぢにあたふる產業さんげふなりなんぢわれをわすれて虛假いつはり依賴たのめばなり 26 ゆゑにわれなんぢ前󠄃まへころもぎてなんぢ羞恥はぢをあらはさん
 1299㌻ 
27 われなんぢ姦淫かんいんなんぢいななきなんぢをかのうへとになせしなんぢ亂淫らんいんつみなんぢ憎にくむべきおこなひをみたりヱルサレムよなんぢわざはひなるかななんぢ潔󠄄きよくせらるるにはなほいくばくのときべきや〘995㌻〙

第14章

1 乾旱ひでりことにつきてヱレミヤにのぞみしヱホバのことばのごとし 2 ユダはかなしむそのもんかたむにたふれてなげくヱルサレムのさけびあが 3 その侯伯等きみたちしもべをつかはしてみづくましむかれゐどにいたれどもみづ空󠄃むなしうつはをもちてかへはぢかつうれへてそのかうべをおほふ 4 あめふらずしてつち燥裂ひわれたるにより農夫のうふはぢかうべおほ 5 またにあるめじかをうみてこれくさなければなり 6 驢馬ろば童山はげやまのうへにたちて山犬やまいぬのごとくあへくさなきによりてくら

7 ヱホバよ我儕われらつみわれらをうつたへてあかしをなすともねがはくはなんぢためことをなしたま我儕われら違󠄇背そむきはおほいなり我儕われらなんぢつみをかしたり 8 イスラエルの企望󠄇のぞみなるものそのなやめるときにすくひたまふものなんぢいかなればこのおい他邦人ことくにびとのごとくし一夜ひとよ寄宿やどり旅客たびゞとのごとくしたまふや 9 なんぢいかなればあきれてをるひとのごとくしすくひをなすことあたはざる勇士ゆうしのごとくしたまふやヱホバよなんぢわれらのうちにいます我儕われらなんぢをもてとなへらるるものなりわれらをすてたまふなか

10 ヱホバこのたみにかくいひたまへりかれらかくこのんでさまよひそのあしとどめざればヱホバかれらをよろこばずいまそのとがをおぼえそのつみばつすべし 11 ヱホバまたわれにいひたまひけるはなんぢこのたみのためにめぐみをいのるなか 12 かれ斷食󠄃だんじきするともわれその呼龥よぶをきかず燔祭はんさい素祭そさいさゝぐるともわれこれをうけずかへつてわれつるぎ饑饉ききん疫病えきびやうをもてかれらをほろぼすべし

 1300㌻ 
13 われいひけるは嗚呼あゝしゆヱホバよみよ預言者よげんしやたちはこのたみにむかひなんぢつるぎざるべし饑饉ききんなんぢらにきたらじわれ此處こゝ鞏固たしかなる平󠄃安へいあんなんぢらにあたへんといへり 14 ヱホバわれにいひたまひけるは預言者等よげんしやらわがをもていつはり預言よげんせりわれこれ遣󠄃つかはさずこれめいぜずまたこれにいはずかれらは虛誕いつはり默示もくし卜筮うらなひむなしきこととおのれこゝろいつはりなんぢらに預言よげんせり 15 このゆゑにかの遣󠄃つかはさざるにわがをもて預言よげんしてつるぎ饑饉ききんはこのにきたらじといへる預言者等よげんしやらにつきてヱホバかくいふこの預言者等よげんしやらつるぎ饑饉ききんほろぼさるべし 16 また彼等かれら預言よげんをうけしたみ饑饉ききんつるぎによりてヱルサレムのちまた擲棄なげすてられんこれをはうむものなかるべし彼等かれらとそのつまおよびそのむすこそのむすめみなしかりそはわれかれらのあくをそのうへそゝげばなり 17 なんぢこのことばかれらにかたるべしわがよるひるもたえずなみだながさんそは我民わがたみ童女をとめおほいなるほろびおもきずによりてほろぼさるればなり 18 われいではたけにゆくにつるぎしぬものありわれまちにいるに饑饉ききんなやむものあり預言者よげんしや祭司さいしもみなそのにさまよひてしるところなし
〘996㌻〙
19 なんぢはユダをこと〴〵くすてたまふやなんぢこゝろはシオンをきらふやなんぢいかなれば我儕われらうちいえしめざるかわれ平󠄃安やすき望󠄇のぞめどもよきことあらず又󠄂またいやさるるとき望󠄇のぞむにかへつ驚懼おそれあり 20 ヱホバよわれらはおのれのあく先祖せんぞとがるわれらなんぢつみをかしたり 21 なんぢのためにわれらをすてたまふなかなんぢさかえくらゐはづかしめたまふなかなんぢのわれらにたて契󠄅約けいやくをおぼえてやぶりたまふなかれ 22 異邦ことくにむなしものうちあめふらせうるものあるやてんみづから白雨ゆふだちをくだすをえんやわれらのかみヱホバなんぢこれをしたまふにあらずやわれなんぢ望󠄇のぞむそはなんぢすべて此等これらこと〴〵つくりたまひたればなり
 1301㌻ 

第15章

1 ヱホバわれにいひたまひけるはたとひモーセとサムエルわが前󠄃まへにたつともわがこころはこのたみ顧󠄃かへりみざるべしかれらをわが前󠄃まへより逐󠄃ひていでさらしめよ 2 かれらもしなんぢにわれら何處いづくにいでさらんやといはばなんぢかれらにヱホバかくいへりといへさだめられたるものにいたりつるぎさだめられたるものつるぎにいたり饑饉ききんさだめられたるもの饑饉ききんにいたりとりこさだめられたるものとりこにいたるべしと 3 ヱホバいひたまひけるはわれよつものをもてかれらをばつせんすなはちつるぎをもてころいぬをもてかま天空󠄃そらとりおよびけものをもて食󠄃ほろぼさしめん 4 またユダのわうヒゼキヤのマナセがヱルサレムになせしことによりわれかれらをしてのすべてのくに艱難なやみをうけしめん

5 ヱルサレムよたれなんぢあはれまんたれかなんぢのためになげかんたれかちかづきてなんぢ安否あんぴはん 6 ヱホバいひたまふなんぢわれをすてたりなんぢ退󠄃しりぞけりゆゑにわれなんぢのうへにのべなんぢほろぼさんわれあはれみうめ 7 われ風扇うちはをもて我民わがたみをこのもんあふがんかれらはその途󠄃みちはなれざるによりてわれそのかれらをほろぼすべし 8 かれらの寡婦󠄃やもめはわが前󠄃まへ海濱はまいさごよりもおほひるわれほろぼすものたづさへきたりてかれらと壯者わかきものはゝとをせめ驚駭おどろき恐懼おそれ突然にはかにかれのうへにおこさん 9 七人しちにんをうみし婦󠄃をんなおとろへていきたえなほひるなるにそのはやかれはづかしめられてかほをあからめんそののこれるものはわれこれをそのてきつるぎわたさんとヱホバいひたまふ

10 嗚呼あゝわれはわざはひなるかなわがはゝなんぢなにゆゑわれうみしや全󠄃國ぜんこくひとわれあらそわれむわれひとさずひとまたわれさずみなわれのろふなり
〘997㌻〙
11 ヱホバいひたまひけるはわれまことなんぢえきをえせしめんためになんぢなやまわれまことにてきをしてそのなやみときわざはひときなんぢもとむることをなさしめん
 1302㌻ 
12 くろがねいかできたくろがねあかがねくだかんや 13 われなんぢ資產しさんなんぢ資財たから擄掠物ぶんどりものとならしめあたひをうることなからしめんこれなんぢのすべてのつみによるなりすべてなんぢさかひのうちにかくなさん 14 われなんぢてきをしてなんぢなんぢしらざるにとらへうつさしめんそれわがいかりによりてなんぢやかんとするなり

15 ヱホバよなんぢこれをりたまふわれおぼわれをかへりみたまへわれ迫󠄃害󠄅せむるものにあだかへしたまへなんぢ容忍󠄄しのびによりてわれをとらへられしむるなかわがなんぢためはづかしめうくるをりたまへ 16 われなんぢことばこれ食󠄃くらへりなんぢことばはわがこゝろ欣喜よろこび快樂たのしみなり萬軍ばんぐんかみヱホバよわれはなんぢをもてとなへらるるなり 17 われ嬉笑者わらふものあつまりせずまたよろこばずわれなんぢによりてひとなんぢ憤怒いきどほりをもてわれみたしたまへり 18 何故なにゆゑにわがいたみやまずわがきずおもくしていえざるかなんぢはわれにおけることみづをたもたずしてひとあざむ溪河たにがはのごとくなるや

19 こゝをもてヱホバかくいひたまへりなんぢもしかへらばわれまたなんぢをかへらしめてわが前󠄃まへたゝしめんなんぢもしいやしきをすててたふときをいださばわがくちのごとくならんかれらはなんぢかへらんされどなんぢかれらにかへるなか 20 われなんぢをこのたみ前󠄃まへかたあかがねかきとなさんかれらなんぢせむるともなんぢにかたざるべしそはわれなんぢともにありてなんぢをたすけなんぢすくへばなりとヱホバいひたまへり 21 われなんぢ惡人あくにんよりすくひとりなんぢおそるべきものよりはなつべし

第16章

1 ヱホバのことばまたわれにのぞみていふ 2 なんぢこのところにてつまめとるなかれ子女むすこむすめるなかれ 3 このところうまるる子女むすこむすめとこのこれはゝこれ父󠄃ちゝとにつきてヱホバかくいひたまふ 4 かれらはいたましきやまひかなしまれずはうむられずして糞土ふんどのごとくに田地はたけおもてにあらんまたつるぎ饑饉ききんほろぼされてそのしかばね天空󠄃そらとりけもの食󠄃物くひものとならん

 1303㌻ 
5 ヱホバかくいひたまへりあるいへにいるなかれまたゆきこれかなしなげなかれそはわれわが平󠄃安へいあん恩寵めぐみ矜恤あはれみをこのたみよりとればなりとヱホバいひたまへり 6 おほいなるものちひさきものもこのしぬべしかれらははうむられずまたかれらのためにかなしものなくみづかきずつくるものなくかみをそるものなかるべし 7 またそのかなしむときパンをさきてその死者しにしもののためにこれなぐさむるものなく又󠄂また父󠄃ちゝあるひははゝのために慰藉なぐさめさかづきかれらにのましむるものなかるべし〘998㌻〙 8 なんぢまた筵宴ふるまひいへにいりてともして食󠄃飮くひのみするなか 9 萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルのかみかくいひたまふなんぢ前󠄃まへなんぢるときにわれ欣喜よろこびこゑ歡樂たのしみこゑ新娶者はなむここゑ新婦󠄃はなよめこゑとを此處このところたえしめん

10 なんぢこのすべてのことばこのたみつぐるときかれなんぢふてヱホバわれらをせめてこのおほいなるわざはひしめしたまふは何故なにゆゑぞやまたわれらになに惡事あしきことあるやわがかみヱホバにそむきてわれらのなせしつみなにぞやといはば 11 なんぢかれらにこたふべしヱホバいひたまふこれなんぢらの先祖せんぞわれをすてほかかみしたがひこれにつかへこれをはいしまたわれをすてわが律法おきてまもらざりしによる 12 なんぢらはなんぢらの先祖せんぞよりもおほあくをなせりみよなんぢらはおのおの自己おのれあしこゝろ剛愎かたくななるにしたがひてわれにきかず 13 ゆゑにわれなんぢらをより逐󠄃ひてなんぢらとなんぢらの先祖せんぞしらざるにいたらしめんなんぢらかしこにて晝夜ひるよるほかのかみつかへんこれわがなんぢらをあはれまざるによるなりと

14 ヱホバいひたまふさればみよこののちイスラエルのたみをエジプトのより導󠄃みちびきいだせしヱホバはくといふことなくして 15 イスラエルのたみきたとそのすべて逐󠄃おひやられしより導󠄃出みちびきいだせしヱホバはくといふきたらんわがかれらをわれその先祖せんぞあたへしかれらの導󠄃みちびきかへるべし

 1304㌻ 
16 ヱホバいひたまふみよわれおほくの漁者すなどるものをよびきたりてかれらをすなどらせまたそののちおほくの獵者かりうど呼來よびきたりてかれらをもろ〳〵やまもろもろのをかおよびいは穴󠄄あなよりかりいださしめん 17 わがはかれらのすべて途󠄃みちみなわれにかくるるところなし又󠄂またそのあくわがかくれざるなり 18 われまづばいしてそのあくとそのつみむくいんそはかれらそのけがれたるものしかばねをもてわがけがしそのにくむべきものをもてわが產業さんげふみたせばなり

19 ヱホバわれちから われしろ なやみとき逃󠄄場のがれば萬國ばんこくたみはてよりなんぢにきたりわれらの先祖せんぞつげるところのものたゞいつはり虛浮事むなしきことえきなきもののみなりといはん 20 ひとあにかみにあらざるものをおのれのかみとなすべけんや

21 ゆゑにみよわれ此度このたびかれらにらしむるところあらんすなはわがわがちからをかれらにらしめんかれらはわがのヱホバなるをるべし

第17章

1 ユダのつみてつふで金剛石こんがうせきとがりをもてしるされそのこゝろなんぢらの祭壇さいだんつのえりつけらるるなり 2 かれらはその子女こどもらをおもふがごとくに靑木あをきした高岡たかをかのうへなるその祭壇さいだんとアシラをおもふ 3 われわがやまなんぢ資產もちものなんぢのもろもろの財產たからおよびなんぢ四方よもさかひうちなるなんぢつみをかせる崇邱たかきところ擄掠物ぶんどりものとならしめん〘999㌻〙 4 わがなんぢにあたへし產業さんげふよりなんぢをはなさん又󠄂またわれなんぢをしてなんぢしらざるおいなんぢてきにつかへしめんそはなんぢわれをいからせてかぎりなくもゆおこしたればなり

5 ヱホバかくいひたまふおほよそひとたのにくをそのちからとしこゝろにヱホバをはなるるひとのろはるべし 6 かれ荒野あれのすてられたるもののごとくならんかれ善事よきことのきたるをみず荒野あれのかわきたるところしほあるところひと住󠄃すまざるらん
 1305㌻ 
7 おほよそヱホバをたのみヱホバをそのたのみとするひとさいはひなり 8 かれみづほとりうゑたるごとくならんそのかはにのべ炎熱あつさきたるもおそるるところなしそのあを亢旱ひでりとしにもうれへずしてたえむすぶべし

9 こゝろ萬物すべてのものよりもいつはものにしてはなはあしたれかこれをるをえんや 10 われヱホバは心腹しんぷくさぐ腎腸じんちやうこゝろみおのおのにその途󠄃みちしたがひその行爲わざによりてむくゆべし 11 鷓鴣しやこのおのれのうまざるたまごをいだくがごと不義ふぎをもてたからものあり其人そのひといのち半󠄃なかばにてこれにはなれその終󠄃をはりおろかなるものとならん

12 さかえくらゐ原始はじめよりたかものわが聖󠄄所󠄃きよきところたるもの 13 イスラエルの望󠄇のぞみなるヱホバよすべなんぢはなるるものはづかしめられんわれすつものつちしるされんはいけるみづみなもとなるヱホバをはなるるによる 14 ヱホバよわれいやたまらばわれいえんわれをすくひたまへさらばわれすくはれんなんぢはわがほむるものなり 15 かれわれにいふヱホバのことばいづくにあるやいまこれをのぞましめよと 16 われ牧者ぼくしやつとめ退󠄃しりぞかずしてなんぢにしたがひ又󠄂またわざはひねがはざりきなんぢこれをりたまふわがくちびるよりいづるものなんぢかほ前󠄃まへにあり 17 なんぢわれおそれしむるものとなりたまなかわざはひときなんぢわが避󠄃場のがればなり 18 われせむものはづかしめたまわれはづかしむるなかれかれらをおそれしめよわれおそれしめたまふなかれわざはひかれらにきたらしめ滅亡ほろびばいしてこれほろぼたま

19 ヱホバわれにかくいひたまへりなんぢゆきてユダの王等わうたち出入でいりするたみもんおよびヱルサレムのすべてもんたち 20 かれらにいへこのもんより所󠄃ところのユダの王等わうたちとユダのすべてのたみとヱルサレムに住󠄃すめるすべてのものなんぢらヱホバのことばをきけ 21 ヱホバかくいひたまふなんぢみづかつゝし安息日あんそくにちをたづさへてヱルサレムのもんにいるなか
 1306㌻ 
22 また安息日あんそくにちなんぢらのいへよりいだなかすべて工作わざをなすなかわがなんぢらの先祖せんぞめいぜしごとく安息日あんそくにち聖󠄄きよくせよ〘1000㌻〙 23 されどかれらは遵󠄅したがはずみゝかたむけずまたそのうなじこはくしてきかいましめをうけざるなり

24 ヱホバいひたまなんぢらもし謹愼つつしみわれにきき安息日あんそくにちをたづさへてこのまちもんにいらず安息日あんそくにち聖󠄄きよくなしてすべて工作わざをなさずば 25 ダビデのくらゐする王等わうたち牧伯きみたちユダのたみヱルサレムに住󠄃すめものくるまむまのりてこのまちもんよりいることをえんまたこのまちにはかぎりなくひとすまはん 26 また人々ひと〴〵ユダのまちとヱルサレムの四周󠄃まはりおよびベニヤミンの平󠄃地ひらちやまみなみかたよりきたり燔祭はんさい 犧牲ぎせい 素祭そさい 馨香けいかう 謝祭しやさいたづさへてヱホバのいへにいらん 27 されどなんぢらもしわれきかずして安息日あんそくにち聖󠄄きよくせず安息日あんそくにちをたづさへてヱルサレムのもんにいらばわれをそのもんうちもやしてヱルサレムの殿舍やかたやかんそのきえざるべし

第18章

1 ヱホバよりヱレミヤにのぞめることばいふ 2 なんぢ起󠄃たち陶人すゑものしいへにくだれわれかしこにおいてわがことばなんぢきかしめんと 3 われすなはち陶人すゑものしいへにくだりるに轆轤ろくろをもてものをつくりをりしが 4 そのつちをもて造󠄃つくれるところのうつは陶人すゑものしのうちにそこねたればかれそのこゝろのままにこれをもてほかうつはをつくれり

5 ときにヱホバのことばわれにのぞみていふ 6 ヱホバいふイスラエルのいへよこの陶人すゑものしのなすがごとくわれなんぢになすことをえざるかイスラエルのいへ陶人すゑものしつちのあるごとくなんぢらはわがにあり 7 われ急󠄃にはかたみあるひはくにをぬくべしやぶるべしほろぼすべしといふことあらんに 8 もしわがいひしところのくにそのあくはなれなばわれこれわざはひくださんとおもひしことをくい 9 われまた急󠄃にはかたみあるいはくにたつべしうゝべしといふことあらんに 10 もしそのくにわがあしゆるところのことおこなひわがこゑ遵󠄅したがはずばわれこれに福祉さいはひあたへんといひしことをくい 11 なんぢいまユダの人々ひと〴〵とヱルサレムに住󠄃すめものにいへヱホバかくいへりわれなんぢらにわざはひをくださんとおもひめぐらしなんぢらをはかる計策はかりごとまうゆゑなんぢらおのおのあし途󠄃みちはなその途󠄃みちおこなひをあらためよと
 1307㌻ 
12 しかるにかれらいふ徒然いたづらなりわれらは自己おのれ圖維はかるところにしたがひ各自おの〳〵そのあしこゝろ剛愎かたくななるをおこなはんと

13 このゆゑにヱホバかくいひたまふなんぢ異國ことくにのうちにかくごときことをきゝものありやイスラエルの處女をとめはいとおどろくべきことをなせり 14 レバノンの雪󠄃ゆきあにいははなれんや遠󠄄方とほくよりながれくるひややかなるみづあにかわかんや 15 しかるに我民わがたみわれをわすれてむなしものかうたけ是等これらものかれらをその途󠄃みちすなはちふる途󠄃みちつまづかせまたこみちすなはちそなへなき道󠄃みちゆかしめ〘1001㌻〙 16 そのあらしてつねひとわらひとならしめんすべ其處そこ過󠄃すぐものおどろきてそのくびらん 17 われ東風ひがしかぜのごとくにかれらをそのてき前󠄃まへちらさんその滅亡ほろびにはわれかれらにむけかほをむけじ

18 かれらいふ去來いざわれら計策はかりごとまうけてヱレミヤをはからんそれ祭司さいしには律法おきてあり智慧󠄄ちゑあるものには謀畧はかりごとあり預言者よげんしやにはことばありてうせざるべし去來いざわれらしたをもてかれちそのすべてことばきくことをせざらんと

19 ヱホバよわれにききたまへ又󠄂またわれあらそものこゑをききたまへ 20 あくをもてぜんむくゆべきものならんやかれらはわが生命いのちをとらんためあなれりわがなんぢ前󠄃まへたちかれらをなんぢ憤怒いきどほりめんとせしをおぼえたまへ 21 さればかれらの子女こどもら饑饉ききんにあたへかれらをつるぎ刃󠄃にわたしたまへそのつまうしなかつやもめとなりそのをとこをもてほろぼされその少者わかきものつるぎをもていくさころされよかし 22 なんぢ突然にはかてきをかれらにのぞませたまふとき號呼さけびをそのいへうちよりきこえしめよそはかれあなりてわれとらへんとしまた機檻わなおきてわがあしとらへんとすればなり 23 ヱホバよなんぢはかれらがわれころさんとするすべての謀畧はかりごとりたまふそのあくゆるすことなくそのつみなんぢ前󠄃まへより抹去けしさりたまふなかれかれらをなんぢ前󠄃まへたふれしめよなんぢいかりたまふときにかくかれらになしたまへ
 1308㌻ 

第19章

1 ヱホバかくいひたまふゆき陶人すゑものし瓦罇とくりをかひたみ長老としより祭司さいし長老としよりうちより數人すにんをともなひて 2 陶人すゑものしもん前󠄃まへにあるベンヒンノムのたににゆき彼處かしこおいてわがなんぢつげんところのことばのべ 3 いはくユダの王等わうたちとヱルサレムに住󠄃すめものよヱホバのことばをきけ萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルのかみかくいひたまふわれわざはひ此處このところにくだすべしおよこれをきくものみゝはかならずらん 4 こはかれわれてこのところけがこゝにて自己おのれとその先祖せんぞおよびユダの王等わうたちしらざるほかかみかうかつつみなきもののをこのところみたせばなり 5 又󠄂またかれらはバアルのため崇邱たかきところきづをもておのれ兒子こどもら燔祭はんさいとなしてバアルにささげたりこれわがめいぜしことにあらずわがいひしことにあらず又󠄂またわがこゝろ意󠄃おもはざりしことなり 6 ヱホバいひたまふさればみよ此處こゝをトペテまたはベンヒンノムのたにとなへずして屠戮ほふりたにとなふるきたらん 7 またわれこのところおいてユダとヱルサレムのはかりごとをむなしうしつるぎをもてかれらをそのてき前󠄃まへとその生命いのちもとむものたふしまたそのしかばね天空󠄃そらとりけもの食󠄃物くひものとなし〘1002㌻〙 8 かつこのまちあらしてひと胡盧ものわらひとならしめんおよそここを過󠄃すぐものはそのもろ〳〵わざはひおどろきてわらふべし 9 またかれらがそのてきとその生命いのちもとむものとにかこみくるしめらるるときわれかれらをしておのれむすこにくむすめにく食󠄃くらはせん又󠄂またかれらはたがひにそのともにく食󠄃くらふべし

10 なんぢともにひと前󠄃まへにてその瓦罇とくりこぼちてかれらにいふべし 11 萬軍ばんぐんのヱホバかくいひたま一回ひとたびこぼてばまた全󠄃まつたうすることあたはざる陶人すゑものしうつはこぼつがごとくわれ此民このたみとこのまちこぼたんまたかれらははうむるべきなきによりてトペテにはうむられん
 1309㌻ 
12 ヱホバいひたまわれこのところとこのうち住󠄃すめものとにかくなしこのまちをトペテのごとくなすべし 13 かつヱルサレムのいへとユダの王等わうたちいへはトペテのところのごとくけがれんかれらすべてのいへ屋蓋やねのうへにててん衆群しうぐんかうをたきほかかみさけをそそげばなり

14 ヱレミヤ、ヱホバのおのれ遣󠄃つかははして預言よげんせしめたまひしトペテよりかへりきたりヱホバのいへにはちすべてのたみかたりていひけるは 15 萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルのかみかくいひたまふよわれわれいひしもろ〳〵わざはひをこのまちとそのすべて郷村むら〳〵にくださんかれらそのうなじこはくしてわがことばきかざればなり

第20章

1 祭司さいしインメルのヱホバのいへつかさをさなるパシユル、ヱレミヤがこのことば預言よげんするをきけり 2 こゝおいてパシユル預言者よげんしやヱレミヤをちヱホバのいへにあるかみのベニヤミンのもん桎梏あしがせつなげり 3 翌󠄃日あくるひパシユル、ヱレミヤを桎梏あしがせよりときはなちしにヱレミヤかれにいひけるはヱホバなんぢをパシユルとよばずしてマゴルミッサビブ(驚懼おそれ周󠄃圍まはりにあり)とたま 4 すなはちヱホバかくいひたまふよわれなんぢをしてなんぢなんぢのすべてのとも恐怖おそれをおこさしむるものとなさんかれらはそのてきつるぎたふれんなんぢはこれをみるべしわれまたユダのすべてのたみをバビロンわうわたさんかれかれらをバビロンにうつつるぎをもてころすべし 5 われまたこのまちのすべての貨財たからとそのたるすべてものとそのすべて珍寶たふときものとユダの王等わうたちのすべての儲蓄たくはへそのてきわたさんかれらはこれをかすめまたたみとらへてバビロンにうつすべし 6 パシユルよなんぢなんぢいへにすめるものこと〴〵とらうつされんなんぢはバビロンにいたりて彼處かしこにかしこにはうむられんなんぢなんぢいつはりて預言よげんせしことばきゝとももみなしからん

7 ヱホバよなんぢわれをすゝめたまひてわれそのすすめしたがへりなんぢわれをとらへてわれ勝󠄃かちたまへりわれ日々ひびひとわらひとなりひとみなわれあざけりぬ〘1003㌻〙
 1310㌻ 
8 われかたよばはるごとに暴逆󠄃ばうぎやく殘虐󠄃しへたげことをいふヱホバのことば日々ひびにわが恥辱はづかしめとなり嘲弄あざけりとなるなり 9 こゝをもてわれかさねてヱホバのことのべ又󠄂またそのをもてかたらじといへりされどヱホバのことばわがこゝろにありてのわがほねうちとぢこもりてもゆるがごとくなれば忍󠄄耐しのぶにつかれて堪難たえがた 10 そはわれおほくのひとそしりをきく驚懼おそれまはりにありうつたへよかれうつたへんわがしたしきものはみなわがつまづくことあらんかとうかゞひてたがひにいふかれいざなはるることあらんしからば我儕われらかれ勝󠄃かちあだむくゆることをえんと 11 されどヱホバはつよ勇士ゆうしのごとくにしてわれともにいますゆゑわれせむものつまづきて勝󠄃かつことをえずそのなし遂󠄅とげざるがためおほいなる恥辱はぢとらその羞恥はぢ何時いつまでわすられざるべし 12 義人ただしきひとこゝろひと心膓しんちやうたまふ萬軍ばんぐんのヱホバよわれなんぢうつたへのべたればわれをしてなんぢかれらにあだかへすをせしめよ 13 ヱホバにうたうたへよヱホバをめよそは貧󠄃者まづしきもの生命いのち惡者あしきものよりすくたまへばなり

14 ああわがうまれしのろはれよわがはゝのわれをうみしゆくせられざれ 15 わが父󠄃ちゝ男子をのこなんぢうまれしとつげ父󠄃ちゝおほいよろこばせしひとのろはれよ 16 其人そのひとはヱホバのあはれまずしてほろぼしたまひしまちのごとくなれよかれをして朝󠄃あした號呼さけびをきかしめ午間ひる鬨聲いくさのこゑをきかしめよ 17 かれわれはらのうちにころさずわがはゝわれはかとなさずつねにそのはらおほいならしめざりしがゆゑなり 18 われいかなればはらをいでて艱難なやみ憂患うれひをかうむり恥辱はぢをもて送󠄃おくるや

第21章

1 ゼデキヤわうマルキヤのパシユルと祭司さいしマアセヤのゼパニヤをヱレミヤに遣󠄃つかは 2 バビロンのわうネブカデネザルわれらをむればなんぢわれらのためにヱホバにもとめよヱホバつねのごとくそのもろもろのふしぎなるわざをもてわれらをたすけバビロンのわうわれらより退󠄃しりぞかしめたまふことあらんといはしむ其時そのときヱホバのことばヱレミヤにのぞめり

 1311㌻ 
3 ヱレミヤかれらにこたへけるはなんぢらゼデキヤにかくふべし 4 イスラエルのかみヱホバかくいひたまふよわれなんぢらがこのまちそとにありてなんぢらをかこむところのバビロンわうおよびカルデヤびととたたかひてもつところのその武器ぶきをかへしこれまちのうちにあつめん 5 われひぢをつよくし震怒いかり憤恨いきどほりはげしいかりをもてなんぢらをせむべし 6 われまたこのまちにすめるひとけものうたみなおも疫病えきびやうによりてしぬべし 7 ヱホバいひたまふこののちわれユダのわうゼデキヤとその諸臣しもべおよびたみこのまち疫病えきびやうつるぎ饑饉ききんをまぬかれて遺󠄃のこれるものをバビロンのわうネブカデネザルのそのてきおよびおよそその生命いのちもとむものわたさんバビロンのわうつるぎ刃󠄃をもてかれらをちかれらををしまず顧󠄃かへりみずあはれま〘1004㌻〙 8 なんぢまた此民このたみにヱホバかくいふとかたるべしよわれ生命いのち道󠄃みち道󠄃みちなんぢらの前󠄃まへ 9 このまちにとゞまるものつるぎ饑饉ききん疫病えきびやうしぬべしされどなんぢらをかこむところのカルデヤびと出降いでくだものはいきんそのいのちはおのれの掠取物ぶんどりものとなるべし 10 ヱホバいひたまふわれこのまちかほむけしはさいはひをあたふるためにあらずわざはひをあたへんがためなりこのまちはバビロンのわうわたされんかれをもてこれくべし

11 またユダのわういへつぐべしなんぢらヱホバのことばをきけ 12 ダビデのいへよヱホバかくいふなんぢ朝󠄃あさごとにただしさばきをなしものうばはるるひとをその暴逆󠄃者しへたぐるものよりすくしからざればなんぢらのおこなひあしきによりてわがいかりのごとくにもえきえざるべし 13 ヱホバいひたまふたに平󠄃原はらいはとにすめるものよみよわがなんぢてきなんぢらはたれくだり我儕われらせめんやたれかわれらのをるところにいらんやといふ 14 わがなんぢらをそのおこなひによりてばつせん又󠄂またそのはやし起󠄃おこその四周󠄃まはりをことごとくやきつくすべしとヱホバいひたまふ
 1312㌻ 

第22章

1 ヱホバかくいひたまへりなんぢユダのわういへにくだり彼處かしこにこのことばをのべていへ 2 ダビデのくらゐするユダのわうなんぢなんぢしもべおよびこのもんよりいるなんぢたみヱホバのことばをきけ 3 ヱホバかくいふなんぢ公道󠄃おほやけ公義ただしきおこなものうばはるるひとをその暴虐󠄃者しへたぐるものよりすく異邦人ことくにびと孤子みなしご嫠婦󠄃やもめをなやまし虐󠄃しへたぐるなかれまた此處こゝ無辜つみなきものながなか 4 なんぢらもし此言このことばまことおこなはばダビデのくらゐするわうとそのしもべおよびそのたみくるまむまのりてこのいへもんにいることをえん 5 されなんぢらもしこのことばきかずばわれ自己おのれしてちかこのいへ荒地あれちとなるべしとヱホバいひたまふ 6 ヱホバ、ユダのわういへにつきてかくいひたまふなんぢわれにおけることギレアデのごとくレバノンのいただきのごとしされどわれかならずなんぢ荒野あれのとなしひと住󠄃すまはざるまちとなさん 7 われ破壞者ほろぼすものをまふけてなんぢめしめんかれ各人おの〳〵その武器ぶきなんぢうるはしき香柏かうはくきりてこれをなげいれん 8 おほくくにひとこのまちをすぎたがひかたりてヱホバいかなればこのおほいなるまちにかくせしやといはんに 9 ひとこたへて彼等かれらそのかみヱホバの契󠄅約けいやくをすててほかかみはいこれつかへしによるなりといはん
〘1005㌻〙
10 死者しにしものためくことなくまたこれためなげくことなかむしろとらうつされしものためにいたくなげくべしかれふたゝかへりてその故園ふるさとざるべければなり 11 ユダのわうヨシヤのシヤルムすなはちその父󠄃ちゝついわうとなりて遂󠄅つひ此處このところをいでたるものにつきてヱホバかくいひたまへりかれふたゝ此處こゝかへらじ 12 かれはそのうつされしところしなんふたゝびこのざるべし

13 不義ふぎをもてそのいへをつくり不法ふはふをもてそのたかどの造󠄃つくその隣人となりびとやとふなにをもあたへずそのあたひはらはざるものわざはひなるかな
 1313㌻ 
14 かれいふわれおのれためひろきいへすずしきたかどのをつくり又󠄂またおのれためまど造󠄃つく香柏かうはくをもてこれおほあかこれぬらんと 15 なんぢ香柏かうはくあらそひもちふるによりてわうたるをるかなんぢ父󠄃ちゝ食󠄃飮くひのみせざりしや公義ただしき公道󠄃おほやけおこなひてさいはひざりしや 16 かれ貧󠄃者まづしきもの患艱者なやめるものうつたへたゞしてさいはひをえたりかくすはわれしることにあらずやとヱホバいひたま 17 されなんぢこゝろたゞむさぼりをなさんとし無辜つみなきものながさんとし虐󠄃遇󠄃しへたげ暴逆󠄃ばうぎやくをなさんとするのみ 18 ゆゑにヱホバ、ユダのわうのヨシヤのヱホヤキムにつきてかくいひたまふ衆人ひと〴〵かなしいかなわがあにかなしいかなわがあねといひてなげかず又󠄂またかなしいかなしゆかなしいかなそのさかえいひなげかじ 19 かれ驢馬ろばうづむるがごとくうづめられんすなはひかれてヱルサレムのもんそと投棄なげすてらるべし

20 なんぢレバノンにのぼりてばはりバシヤンになんぢこゑげアバリムよりよばはれなんぢあいするものこと〴〵ほろぼされたればなり 21 なんぢ平󠄃康やすらかなるときわれなんぢかたりしかどもなんぢわれにきかじといへりなんぢいとけなきときよりわがこゑきかずこれなんぢ故習つねなり 22 なんぢ牧者ぼくしやはみなかぜのみつくされなんぢあいするものはとらへうつされんそのときなんぢはおのれのもろ〳〵あくのためにいたはづべし 23 なんぢレバノンにすみ香柏かうはくにつくるものなんぢ劬勞くるしみ婦󠄃をんな痛苦いたみのごとくにきたらんときなんぢ哀慘なげきはいかにぞや

24 ヱホバいひたまふわれくユダのわうヱホヤキムのヱコニヤはわがみぎ指環ゆびわなれどもわれこれをぬか 25 われなんぢ生命いのちもとむものおよびなんぢそのかほおそるるものすなはちバビロンのわうネブカデネザルのとカルデヤびとなんぢわたさん 26 われなんぢなんぢうみはゝ汝等なんぢらがうまれざりしほか逐󠄃おひやらんなんぢ彼處かしこしぬべし 27 かれらの靈魂たましひのいたくかへらんことをねがふところのかれらはかへることをえず 28 このひとヱコニヤはいやしむべきやぶれたるうつはならんやこのましからざる器具󠄄きぐならんや如何いかなればかれその子孫しそん逐󠄃出おひいだされてそのしらざるなげやらるるや〘1006㌻〙
 1314㌻ 
29 よヱホバのことばをきけ 30 ヱホバかくいひたまふこのひとなくしてその生命いのちうちさかええざるひとしるせそはその子孫ひと〴〵のうちにさかえてダビデのくらゐしユダををさむひとかさねてなかるべければなり

第23章

1 ヱホバいひたまひけるは嗚呼あゝわが養󠄄やしなむれほろぼちら牧者ぼくしやわざはひなるかな 2 ゆゑにイスラエルのかみヱホバ我民わがたみ養󠄄やしな牧者ぼくしやにつきてかくいふなんぢらはわがむれちらしこれを逐󠄃おひはなちて顧󠄃かへりみざりきよわれなんぢらのあしおこなひによりて汝等なんぢらむくゆべしとヱホバいふ 3 われわがむれ遺󠄃餘のこりたるものをその逐󠄃おひはなちたるすべてよりあつふたゝびこれをそのをりかへさんかれらはうみおほくなるべし 4 われこれを養󠄄やしな牧者ぼくしやをそのうへたて彼等かれらはふたゝびをののかずおそれずまたうせじとヱホバいひたまふ

5 ヱホバいひたまひけるはよわがダビデにひとつただしえだ起󠄃おこきたらんかれわうとなりてをささか公道󠄃おほやけ公義ただしきおこなふべし 6 其日そのひユダはすくひをえイスラエルはやすきらんそのはヱホバ我儕われらとなへらるべし 7 このゆゑにヱホバいひたまよイスラエルのたみをエジプトのより導󠄃出みちびきいだせしヱホバはくと人衆ひと〴〵またいはずして 8 イスラエルのいへすゑきたそのすべ逐󠄃おひやりしより導󠄃出みちびきいだせしヱホバはくといふきたらんかれらは自己おのれるべし

9 預言者輩よげんしやたちのためにわがこゝろはわがうちやぶれわがほねみなふるかつヱホバとその聖󠄄言きよきことばのためにわれはゑへひとのごとくさけ勝󠄃かたるるひとのごとし 10 この姦淫かんいんをなすもの呪詛のろひによりてうれ曠野あらのくさかれらの途󠄃みちはあしくそのちからたゞしからず
 1315㌻ 
11 預言者よげんしや祭司さいしとも邪惡じやあくなりわれわがいへおいてすら彼等かれらあくたりとヱホバいひたまふ 12 ゆゑにかれらの途󠄃みち暗󠄃くらきなめらかなる途󠄃みちごとくならん彼等かれらおされてその途󠄃みちたふるべしわれわざはひをそのうへにのぞましめんこれかれらが刑罰つみせらるるとしなりとヱホバいひたまふ

13 われサマリヤの預言者よげんしやうち愚昧おろかなることあるをみたり彼等かれらはバアルにりて預言よげん我民わがたみイスラエルをまどはせり 14 われヱルサレムの預言者よげんしやうちにも憎にくむべきことあるをたり彼等かれら姦淫かんいんをなし詐僞いつはりをおこなひ惡人あくにんかたくしてひとをそのあくはなれざらしむ彼等かれらみなわれにはソドムのごとくそのたみはゴモラのごとし 15 このゆゑ萬軍ばんぐんのヱホバ預言者よげんしやにつきてかくいひたまふよわれ茵蔯いんちんこれ食󠄃くらはせ毒水どくすゐをこれにのませんそは邪惡じやあくヱルサレムの預言者よげんしやよりいでてこの全󠄃地ぜんちおよべばなり
〘1007㌻〙
16 萬軍ばんぐんのヱホバかくいひたまふ汝等なんぢら預言よげんする預言者よげんしやことばなか彼等かれらなんぢらをあざむきヱホバのくちよりいでざるおのがこゝろ默示もくしかたるなり 17 つねかれらはわれ藐忽かろんずるものにむかひて汝等なんぢら平󠄃安やすきをえんとヱホバいひたまへりといひ又󠄂またおのこゝろ剛愎かたくななるにしたがひてあゆむところのすべてのものむかひてわざはひなんぢらにきたらじといへり 18 たれかヱホバの議會ぎくわいたちそのことば見聞みききせしものあらんやたれそのみゝかたむけてわがことばきゝものあらんや 19 みよヱホバの暴風はやてありいかり旋轉風つむじかぜいでて惡人あくにんかうべをうたん 20 ヱホバのいかりはかれがそのこゝろおもひおこなひてこれを遂󠄅たまふまではやますゑなんぢあきらかにこれをさとらん 21 預言者等よげんしやらはわが遣󠄃つかはさざるにはしわれつげざるに預言よげんせり 22 かれらもしわが議會ぎくわいちしならば我民わがたみにわがことばをきかしめてこれをそのあし途󠄃みちとそのあしおこなひはなれしめしならん

 1316㌻ 
23 ヱホバいひたまわれはただ近󠄃ちかくにおいてのみかみたらんや遠󠄄とほくにおいてもかみたるにあらずや 24 ヱホバいひたまふひとわれられざるやうひそかなるところかくるかヱホバいひたまふわれ天地てんちみつるにあらずや 25 われわがをもていつはり預言よげんする預言者等よげんしやらがわれゆめたりわれゆめたりとふをきけり 26 いつはり預言よげんする預言者等よげんしやらはいつまでこのこゝろをいだくやかれらは其心そのこころ詐僞いつはり預言よげんするなり 27 かれらはその先祖せんぞがバアルによりてわがわすれしごとくたがひゆめをかたりて我民わがたみにわがわすれしめんとおもふや 28 ゆめをみし預言者よげんしやゆめかたるべしわがことばうけもの誠實まことをもてわがことばかたるべしぬかいかでむぎ比擬たぐふことをえんやとヱホバいひたまふ 29 ヱホバいひたまはくわがことばのごとくならずや又󠄂またいは打碎うちくだつちごとくならずや 30 ゆゑよわれわがことば相互たがひぬすめる預言者よげんしやてきとなるとヱホバいひたまふ 31 よわれはかれいひたまへりとしたをもてかたるところの預言者よげんしやてきとなるとヱホバいひたまふ 32 ヱホバいひたまひけるはよわれいつはりゆめ預言よげんするものてきとなるかれらはこれかたりまたそのいつはりそのほこりをもて我民わがたみまどはすわれかれらを遣󠄃つかはさずかれらにめいぜざるなりゆゑかれらはこのたみえきなしとヱホバいひたま

33 このたみまた預言者よげんしや又󠄂また祭司さいしなんぢとふてヱホバの重負󠄅おもになにぞやといはばなんぢ彼等かれらにこたへてヱホバの重負󠄅おもにわれ汝等なんぢらすてんとヱホバのいひたまひしことこれなりといふべし〘1008㌻〙 34 ヱホバの重負󠄅おもにといふところの預言者よげんしや祭司さいしたみにはわれそのひとそのいへにこれをくださん 35 なんぢらはおのおのかくたがひひその兄弟きやうだいにいふべしヱホバはなにこたへたまひしやヱホバはなにいひたまひしやと 36 なんぢふたたびヱホバの重負󠄅おもにといふべからずひと重負󠄅おもにとなるもの其人そのひとことばなるべしなんぢらはいけかみ萬軍ばんぐんのヱホバなるわれらのかみことばまぐるなり 37 なんぢかく預言者よげんしやにいふべしヱホバはなんぢなにこたたまひしやヱホバはなにといひたまひしやと 38 なんぢらもしヱホバの重負󠄅おもにといはばヱホバそれにつきてかくいひたまふわれひとなんぢらに遣󠄃つかはして汝等なんぢらヱホバの重負󠄅おもにといふべからずといはしむるもなんぢらはヱホバの重負󠄅おもにといふ此言このことばをいふによりて
 1317㌻ 
39 われかならなんぢらをわすなんぢらとなんぢらの先祖せんぞにあたへしこのまちなんぢらとをわが前󠄃まへよりすて 40 かつわれ永遠󠄄えいゑんはづかしめ永遠󠄄えいゑんなるわすらるることなきはぢなんぢらにかうむらしめん

第24章

1 バビロンのわうネブカデネザル、ユダのわうヱホヤキムのヱコニヤおよびユダの牧伯等きみたち木匠たくみ鐵匠かぢをヱルサレムよりバビロンにうつせしのちヱホバわれにヱホバの殿みや前󠄃まへおかれたる二筐ふたかご無花果いちぢくしめしたまへり 2 そのひとつかごにははじめじゆくせしがごとき至佳いとよ無花果いちぢくありそのひとつかごにはいとあしくして食󠄃くらざるほどなるあし無花果いちぢくあり 3 ヱホバわれにいひたまひけるはヱレミヤよなんぢなにしやわれこたへけるは無花果いちぢくなりその無花果いちぢくはいとしそのあしきものはいとしくして食󠄃くらざるほどにあし

4 ヱホバのことばまたわれにのぞみていふ 5 イスラエルのかみヱホバかくいふわれわが此處このところよりカルデヤびと逐󠄃ひやりしユダの虜人とらはれびとこの無花果いちぢくのごとくに顧󠄃かへりみてめぐまん 6 われ彼等かれらをかけてこれをめぐみかれらをこのにかへし彼等かれらたてたふさずうゑぬか 7 われかれらにわれのヱホバなるをるのこゝろをあたへん彼等かれらわがたみとなりわれかれらのかみとならん彼等かれら一心いつしんをもてわれかへるべし

8 ヱホバかくいひたまへりわれユダのわうゼデキヤとその牧伯等きみたちおよびヱルサレムのひと遺󠄃のこりて此地このくににをるものならびにエジプトの住󠄃すめものとをこのあしくして食󠄃くらはれざるあし無花果いちぢくのごとくになさん 9 われかれらをしてのもろもろのくににて虐󠄃遇󠄃しへたげ災害󠄅わざはひにあはしめん又󠄂またかれらをしてわが逐󠄃おひやらんすべてところにてはづかしめにあはせことわざとなりあざけりのろひ遭󠄃あはしめん 10 われつるぎ饑饉ききん疫病えきびやうをかれらのうちにおくりてかれらをしてわがかれらとその先祖せんぞにあたへしたゆるにいたらしめん〘1009㌻〙
 1318㌻ 

第25章

1 ユダのわうヨシヤのヱホヤキムの四年よねんバビロンのわうネブカデネザルの元年ぐわんねんにユダのすべてのたみにかかはることばヱレミヤにのぞめり 2 預言者よげんしやヱレミヤこのことばをユダのすべてのたみとヱルサレムにすめるすべてのものつげていひけるは 3 ユダのわうアモンのヨシヤの十三ねんより今日こんにちにいたるまで二十三ねんのあひだヱホバのことばわれにのぞめりわれこれを汝等なんぢらしきりにこれをかたりしかどもなんぢらきかざりし 4 ヱホバそのしもべなる預言者よげんしやなんぢらに遣󠄃つかはしきり遣󠄃つかはしたまひけれどもなんぢらはきかず又󠄂またきかんとてみゝかたむけざりき 5 かれらいへり汝等なんぢらおのおのいまそのあし途󠄃みちとそのあしおこなひすてさらばヱホバがなんぢらとなんぢらの先祖せんぞあたへたまひし永遠󠄄えいゑんより永遠󠄄えいゑんにいたるまで住󠄃すむことをえん 6 なんぢほかかみしたがひこれにつかへこれををがなんぢらのにてつくりしものをもてわれいからするなかさらわれなんぢらを害󠄅そこなはじ 7 されなんぢらはわれにきかず汝等なんぢらにてつくりしものをもてわれいからせてみづか害󠄅そこなへりとヱホバいひたまふ 8 このゆゑ萬軍ばんぐんのヱホバかくいひたまふなんぢわがことばきかざれば 9 われきたすべてやからわがしもべなるバビロンのわうネブカデネザルをまねきよせ此地このくにとそのたみその四圍まはり諸國くにぐにせめほろぼさしめてこれ詫異物おどろくべきものとなしひと嗤笑わらひとなし永遠󠄄えいゑん荒地あれちとなさんとヱホバいひたまふ 10 またわれ欣喜よろこびこゑ 歡樂たのしみこゑ 新夫はなむここゑ 新婦󠄃はなよめこゑ 磐磨ひきうす音󠄃おとおよびともしびひかりかれらのうちにたえしめん 11 このはみな空󠄃曠あれちとなり詫異物おどろくべきものとならん又󠄂またその諸國くにぐには七十ねんあひだバビロンのわうにつかふべし

12 ヱホバいひたまふ七十ねんのをはりしのちわれバビロンのわうそのたみとカルデヤのをそのつみのためにばつ永遠󠄄えいゑん空󠄃曠あれちとなさん
 1319㌻ 
13 われかのにつきてわれかたりしすべてことばをそのうへのぞましめんこれヱレミヤが萬國ばんこくことにつきて預言よげんしたるものにてみなこのふみしるさるるなり 14 おほく國々くに〴〵おほいなる王等わうたちかれらをしておのれにつかへしめんわれかれらの行爲おこなひとその所󠄃作わざしたがひてこれにむくいん

15 イスラエルのかみヱホバかくわれいひたまへりわがよりこのいかりさかづきをうけてわがなんぢ遣󠄃つかはすところの國々くに〴〵たみのましめよ 16 かれらはのみてよろめきくるはんこはわれかれらのうちつるぎをつかはすによりてなり 17 こゝおいてわれヱホバのよりさかづきをうけヱホバのわれを遣󠄃つかはしたまふところの國々くに〴〵たみのましめたり 18 すなはちヱルサレムとユダのすべてまちとその王等わうたちおよびその牧伯等きみたちのませてこれをほろぼし詫異物おどろくべきものとなしひと嗤笑わらひとなしのろはるるものとなせり今日こんにちのごとし 19 またエジプトのわうパロとその臣僕しもべその牧伯等きみたちそのすべてたみ〘1010㌻〙 20 もろ〳〵雜種ざつしゆたみおよびウズのすべて王等わうたちおよびペリシテびとすべて王等わうたちアシケロン、ガザ、エクロン、アシドドの遺󠄃餘のこりもの 21 エドム、モアブ、アンモンの子孫しそん 22 ツロのすべての王等わうたちシドンのすべての王等わうたちうみのかなたの島々しま〴〵王等わうたち 23 デダン、テマ、ブズおよびすべてひげをそるもの 24 アラビヤのすべての王等わうたち曠野あらの雜種ざつしゆたみすべて王等わうたち 25 ジムリのすべて王等わうたちエラムのすべて王等わうたちメデアのすべての王等わうたち 26 きたのすべての王等わうたちそのかれこれとにおいてあるひ遠󠄄者とをきものあるひ近󠄃ちかきものすべておもてにある國々くに〴〵王等わうたちはこのさかづきのまんセシヤクわうはこれらののちのむべし

27 ゆゑなんぢかれらにつげていへ萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルのかみかくいひたまふわれ汝等なんぢらうちつるぎ遣󠄃つかはすによりてなんぢらはみまたひまた又󠄂またたふれふたゝ起󠄃たゝざれと 28 彼等かれらもしなんぢよりこのさかづきうけのまずばなんぢかれらにいへ萬軍ばんぐんのヱホバかくいひたまふなんぢかならのむべし
 1320㌻ 
29 よわれわがをもてとなへらるるこのまちにすらわざはひくだすなりなんぢらいかでばつまぬかるることをえんやなんぢらはばつまぬかれじそはわれつるぎをよびて住󠄃すめるすべてのものせむべければなりと萬軍ばんぐんのヱホバいひたまふ

30 なんぢ彼等かれらにこのすべてことば預言よげんしていふべしヱホバたか所󠄃ところより呼號よばはその聖󠄄宮きよきみやよりこゑいだおのれ住󠄃家すみかむかひてよばはり住󠄃すめすべてものにむかひて葡萄ぶだうもののごとくさけびたまはん 31 號咷さけびはてまできこそはヱホバ列國くにぐにあらそ萬民ばんみんさば惡人あくにんつるぎわたせばなりとヱホバいひたまへり

32 萬軍ばんぐんのヱホバかくいひたまふわざはひいでてくによりくににいたらんおほいなる暴風あらしはてよりおこるべし 33 其日そのひヱホバのころしたまふものこのはてよりはておよばん彼等かれらかなしまれずあつめられずはうむられずしておもて糞土ふんどとならん 34 牧者ぼくしやなげさけむれ長等をさたちなんぢ灰󠄃はひうちまろぶべしそはなんぢらのほふらるる滿みつればなりわれなんぢらをちらすべければなんぢらはたふとうつはのごとくおつべし 35 牧者ぼくしや避󠄃場のがればなくむれ長等をさたち逃󠄄にぐところなし 36 牧者ぼくしや呼號さけびこゑむれ長等をさたち哀哭なげききこゆそはヱホバその牧場まきほろぼしたまへばなり 37 ヱホバのはげしいかりによりて平󠄃安おだやかなる牧場まきばほろぼさる 38 かれ獅子しゝごとそのいでたりほろぼものいかりそのはげし忿いかりによりてかれらのあらされたり

第26章

1 ユダのわうヨシヤのヱホヤキムがくらゐつきはじめのころヱホバより此言このことばいでていふ〘1011㌻〙 2 ヱホバかくいふなんぢヱホバのいへにはたちわがなんぢめいじていはしむるすべてことばをユダの邑々まち〳〵よりきたりてヱホバのいへをがみをする人々ひと〴〵つげ一言ひとことをもへらなか 3 彼等かれらきゝておのおのそのあし途󠄃みちはなるることあらんさらわれかれらのおこなひあしきがためにわざはひかれらにくださんとせることをくゆべし
 1321㌻ 
4 なんぢ彼等かれらにヱホバかくいふといへ汝等なんぢらもしわれきかずわがなんぢらの前󠄃まへおき律法おきておこなはず 5 われなんぢらに遣󠄃つかはしきり遣󠄃つかはせしわがしもべなる預言者よげんしやことばきかずば(なんぢらはこれをきかざりき) 6 われこのいへをシロのごとくになし又󠄂またこのまち萬國ばんこくのろはるるものとなすべし 7 祭司さいし預言者よげんしやおよたみみなヱレミヤがヱホバのいへたちてこのことばをのぶるをきけり

8 ヱレミヤ、ヱホバにめいぜられしすべてことばたみつげをはりしとき祭司さいし預言者よげんしやおよびすべてたみかれとらへいひけるはなんぢかならしぬべし 9 なんぢ何故なにゆゑにヱホバのをもて預言よげんこのいへはシロのごとくになりこのまち荒蕪あれちとなりて住󠄃ものなきにいたらんといひしやとたみみなヱホバのいへにあつまりてヱレミヤを

10 ユダの牧伯等きみたちこのことをききてわういへをいでヱホバのいへにのぼりてヱホバのいへあたらしきもん入口いりくちせり 11 祭司さいし預言者等よげんしやら牧伯等きみたちとすべてのたみうつたへていふ此人このひとにあたるものなりこゝなんぢらがみゝきゝしごとくこのまちにむかひてあし預言よげんをなしたるなり 12 こゝおいてヱレミヤ牧伯等きみたちとすべてのたみにいひけるはヱホバわれ遣󠄃つかはなんぢらがきけすべてことばをもてこのいへとこのまちにむかひて預言よげんせしめたまふ 13 ゆゑなんぢらいまなんぢらの途󠄃みち行爲おこなひをあらためてなんぢらのかみヱホバのこゑにしたがへさらばヱホバなんぢらにわざはひくださんとせしことをくいたまふべし 14 みよわれなんぢらのにありなんぢらのよしとみゆるところただしとみゆることをわれおこな 15 されなんぢくこれをなんぢらもしわれころさばかなら無辜つみなきもののなんぢらのとこのまちそのうち住󠄃すめものせんヱホバわれ遣󠄃つかはしてこのすべてことばなんぢらのみゝにつげしめたまひしなればなり

16 牧伯等きみたちとすべてのたみすなはち祭司さいし預言者よげんしやにいひけるは此人このひとにあたるものにあらずこれわれらのかみヱホバのによりて我儕われらかたりしなりと
 1322㌻ 
17 ときにこの長老としより數人すにんたちたみのすべてのあつまれるものにつげていひけるは 18 ユダのわうヒゼキヤのにモレシテびとミカ、ユダのたみ預言よげんしていひけらく萬軍ばんぐんのヱホバかくいひたまふシオンは田地はたけのごとくたがへされヱルサレムは邱墟くづれづかとなりこのいへやま樹深きぶか崇邱たかきところとならんと 19 ユダのわうヒゼキヤとすべてのユダびとかれころさんとせしことありしやヒゼキヤ、ヱホバをおそれヱホバにもとめければヱホバかれらにくださんとつげたまひしわざはひくいたまひしにあらずや我儕われらかくすは自己おのれ靈魂たましひをそこなふおほいなるあくをなすなり
〘1012㌻〙
20 又󠄂また前󠄃さきにヱホバのをもて預言よげんせしひとありすなはちキリヤテヤリムのシマヤのウリヤなりかれヱレミヤのすべていへるごとくこのまちとこのにむかひて預言よげんせり 21 ヱホヤキムわうそのすべての勇士ゆうしとすべての牧伯等きみたちそのことばきけこゝにおいてわうかれころさんとおもひしがウリヤこれをききおそれてエジプトに逃󠄄にげゆきしかば 22 ヱホヤキムわうひとをエジプトに遣󠄃つかはせりすなはちアクボルのエルナタンに數人すにんをそへてエジプトにつかはしければ 23 かれらウリヤをエジプトより引出ひきいだしヱホヤキムわうもとつれきたりしにわうつるぎをもてこれころその屍骸かばね賤者いやしきものはかすてさせたりと 24 ときにシヤパンのアヒカム、ヱレミヤをたすけこれをたみにわたしてころさざらしむ

第27章

1 ユダのわうヨシヤのヱホヤキムがくらゐつきはじめのころヱホバより此言このことばヱレミヤにのぞみていふ 2 すなはちヱホバかくわれいひたまへりなんぢなはくびきをつくりてなんぢくび 3 これをヱルサレムにきたりてゼデキヤわうにいたるところの使臣等つかひたちによりてエドムのわうモアブのわうアンモンびとわうツロのわうシドンのわう送󠄃おくるべし 4 なんぢかれらにめいじてそのしゆにいはしめよ萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルのかみかくいひたまふなんぢそのしゆにかくつぐべし 5 われわがおほいなる能力ちからのべたるひぢをもてうへにをるひとけものとをつくりわがこゝろのままにひとにあたへたり
 1323㌻ 
6 いまわれこのすべてわがしもべなるバビロンのわうネブカデネザルのにあたへ又󠄂またけものかれにあたへてかれにつかへしむ 7 かれの時期ときいたるまで萬國民ばんこくみんかれそのとそのまごにつかへん其時そのときいたらばおほくのくにおほいなるわうかれおのれつかへしむべし 8 バビロンのわうネブカデネザルにつかへずバビロンのわうくびきをそのくび負󠄅おはざるくにたみわれかれをもてこと〴〵くこれをほろぼすまでつるぎ饑饉ききん疫病えきびやうをもてこれをばつせんとヱホバいひたまふ 9 ゆゑなんぢらの預言者よげんしやなんぢらの占筮師うらなひしなんぢらのゆめみるものなんぢらの法術士はふじゆつしなんぢらの魔󠄃法士まはふしなんぢらにつげなんぢらはバビロンのわうつかふることあらじといふともきくなかれ 10 かれらはいつはりなんぢらに預言よげんしてなんぢらをそのくにより遠󠄄とほはなれしめかつわれをしてなんぢらを逐󠄃おはしめなんぢらをほろぼさしむるなり〘1013㌻〙 11 されどバビロンのわうくびきをそのくび負󠄅ふてかれつかふる國々くに〴〵ひとわれこれをその故土くにのこ其處そこたがへ住󠄃すましむべしとヱホバいひたまふ

12 われこのすべてことばのごとくユダのわうゼデキヤにつげていひけるはなんぢらバビロンのわうくびきなんぢらのくび負󠄅ふてかれそのたみにつかへよさらいくべし 13 なんぢなんぢたみなんぞヱホバがバビロンのわうにつかへざるくににつきていひたまひしごとつるぎ饑饉ききん疫病えきびやうぬべけんや 14 ゆゑなんぢらはバビロンのわうつかふることあらじと汝等なんぢらつぐ預言者よげんしやことばきくなかれかれらはいつはりなんぢらに預言よげんするなり 15 ヱホバいひたまひけるはわれかれらを遣󠄃つかはさざるにかれらはわがをもていつはり預言よげんこゝをもてわれなんぢらを逐󠄃おひはなちなんぢらとなんぢらに預言よげんする預言者等よげんしやたちほろぼすにいたらん

16 われまた祭司さいしとこのすべてのたみかたりていひけるはヱホバかくいひたまふよヱホバのいへ器皿うつはいま速󠄃すみやかにバビロンより持歸もちかへさるべしとなんぢらに預言よげんする預言者よげんしやことばをきくなかれそはかれいつはりなんぢらに預言よげんすればなり 17 なんぢかれらにきくなかれバビロンのわうつかへよさらいくべしこのまちなん荒蕪あれちとなすべけんや 18 もしかれ預言者よげんしやにしてヱホバのことばかれらのうちにあらばヱホバのいへとユダのわういへとヱルサレムとにのこれるところの器皿うつはのバビロンにうつされざることを萬軍ばんぐんのヱホバにもとむべきなり
 1324㌻ 
19 萬軍ばんぐんのヱホバはしらうみだいおよびこのまちのこれる器皿うつはにつきてかくいひたまふ 20 これはバビロンのわうネブカデネザルがユダのわうヱホヤキムのヱコニヤおよびユダとヱルサレムのすべての牧伯等きみたちをヱルサレムよりバビロンにとらへうつせしときにかすめざりし器皿うつはなり 21 すなはち萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルのかみヱホバのいへとユダのわういへとヱルサレムとにのこれる器皿うつはにつきてかくいひたまふ 22 これらはバビロンにたづさへゆかれわがこれを顧󠄃かへりみまで彼處かしこにあらんそののちわれこれをこのところにたづさへかへらしめんとヱホバいひたまふ

第28章

1 このとしすなはちユダのわうゼデキヤがくらゐつきはじめその四年よねんの五ぐわつギベオンのアズルのなる預言者よげんしやハナニヤ、ヱホバのいへにて祭司さいしすべてたみ前󠄃まへにてわれかたりいひけるは 2 萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルのかみかくいひたまふわれバビロンのわうくびきくだけり 3 二年ふたとせうちにバビロンのわうネブカデネザルがこのところよりとりてバビロンにたづさへゆきしヱホバのいへ器皿うつはふたゝこと〴〵くこのところかへらしめん 4 われまたユダのわうヱホヤキムのヱコニヤおよびバビロンに住󠄃ゆきしユダのすべての擄人とらはれびとをこのところかへらしめんそはわれバビロンのわうくびきくだくべければなりとヱホバいひたまふ
〘1014㌻〙
5 こゝおい預言者よげんしやヱレミヤ、ヱホバのいへたて祭司さいし前󠄃まへとすべてのたみ前󠄃まへにて預言者よげんしやハナニヤとものい 6 預言者よげんしやヱレミヤすなはちいひけるはアーメンねがはくはヱホバかくなしたまねがはくはバビロンにたづさへゆかれしヱホバのいへ器皿うつはおよびすべてとらへうつされしものをヱホバ、バビロンよりふたたびこのところかへらしめたまはんとなんぢ預言よげんせしことばらんことを
 1325㌻ 
7 されなんぢいまわがなんぢのみゝすべてたみみゝかたらんとする此言このことばをきけ 8 われなんぢさきにいでし預言者よげんしや古昔むかしよりおほくのおほいなるくににつきて戰鬪いくさ災難わざはひ疫病えきびやうこと預言よげんせり 9 泰平󠄃たいへい預言よげんするところの預言者よげんしやしその預言者よげんしやことばとげなばそのまことにヱホバの遣󠄃つかはしたまへるものなることらるべし 10 ここにおい預言者よげんしやハナニヤ預言者よげんしやヱレミヤのくびよりくびきとりてこれをくだけり 11 ハナニヤすべてたみ前󠄃まへにてかたりヱホバかくいひたまふわれ二年ふたとせのうちにかくごと萬國民ばんこくみんくびよりバビロンわうネブカデネザルのくびきくだきはなさんといふ預言者よげんしやヱレミヤ遂󠄅ついりぬ

12 預言者よげんしやハナニヤ預言者よげんしやヱレミヤのくびよりくびきくだきはなせしのちヱホバのことばヱレミヤにのぞみていふ 13 なんぢゆきてハナニヤにヱホバかくいふとつげなんぢくびきくだきたれどもこれかへてつくびきつくれり 14 萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルのかみかくいふわれてつくびきをこの萬國民ばんこくみんくびきてバビロンのわうネブカデネザルにつかへしむかれこれにつかへんわれけものをもこれにあたへたり 15 また預言者よげんしやヱレミヤ預言者よげんしやハナニヤにいひけるはハナニヤよ請󠄃けヱホバなんぢ遣󠄃つかはしたまはずなんぢはこのたみいつはりしんぜしむるなり 16 是故このゆえにヱホバいひたまわれなんぢおもてよりのぞかんなんぢヱホバにそむくことををしふるによりて今年ことしぬべしと 17 預言者よげんしやハナニヤはこのとしの七ぐわつねり

第29章

1 預言者よげんしやヱレミヤ、ヱルサレムよりふみをかのとらへうつされてのこれるところの長老としよりおよび祭司さいし預言者よげんしやならびにネブカデネザルがヱルサレムよりバビロンにうつしたるすべてのたみ送󠄃おくれり 2 これよりさきヱコニヤわう王后きさき寺人じじんおよびユダとヱルサレムの牧伯等きみたちおよび木匠たくみ鐵匠かぢはヱルサレムをされり 3 ヱレミヤそのふみをシヤパンのエラサおよびヒルキヤのゲマリヤすなはちユダのわうゼデキヤがバビロンにつかはしてバビロンのわうネブカデネザルにいたらしむるものによりて送󠄃おくれりそのふみにいはく〘1015㌻〙 4 萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルのかみすべてとらへうつされしものすなはわれヱルサレムよりバビロンにうつさしめしものにかくいふ
 1326㌻ 
5 なんぢいへたててこれに住󠄃すまはたけをつくりてそのをくらへ 6 つまめとり子女むすこむすめをうみ又󠄂またなんぢらのよめめとなんぢらのむすめとつがしめかれらに子女むすこむすめうましめよ汝等なんぢらかしこにへらずしてまさんがためなり 7 わがなんぢらをとらへうつさしめしところのまちやすきもとめこれがためにヱホバにいのれそのまちやすきによりてなんぢらもまたやすきをうればなり 8 萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルのかみかくいひたまふなんぢらのうち預言者よげんしや卜筮士うらなひしまどはさるるなかれまたなんぢみづかつくりしところのゆめきゝしたがふなか 9 そはかれわがをもていつはりなんぢらに預言よげんすればなりわれかれらを遣󠄃つかはさずヱホバいひたまふ 10 ヱホバかくいひたまふバビロンにおいて七十ねん滿みちなばわれなんぢらをかへりわが嘉言よきことばなんぢらになしてなんぢらをこのところかへらしめん 11 ヱホバいひたまふなんぢらにむかひていだくところのおもひわれこれをるすなはちわざはひをあたへんとにあらず平󠄃安やすきあたへんとおもひ又󠄂またなんぢらにのち望󠄇のぞみをあたへんとおもふなり 12 なんぢらわれによばはりゆきわれにいのらんわれなんぢらにきくべし 13 なんぢらもし一心いつしんをもてわれもとめなばわれ尋󠄃たづ遇󠄃はん 14 ヱホバいひたまふわれなんぢらの遇󠄃あふところとならんわれなんぢらの俘擄とらはれなんぢらを萬國ばんこくよりすべてわれなんぢらを逐󠄃おひやりしところよりあつかつわがなんぢらをしてらはれてはなれしめしそのところなんぢらをひきかへらんとヱホバいひたまふ

15 ヱホバわれらのためにバビロンにおい預言者よげんしやたてたまひしとなんぢらはいふ 16 ダビデのくらゐするわうとこのまち住󠄃すめるすべてのたみなんぢらとともにとらへうつされざりし兄弟きやうだいにつきてヱホバかくいひたまふ 17 萬軍ばんぐんのヱホバかくいふよわれつるぎ饑饉ききん疫病えきびやうかれらにおくりかれらをあしくして食󠄃くらはれざるあし無花果いちじくのごとくになさん 18 われつるぎ饑饉ききん疫病えきびやうをもてかれらを逐󠄃ひまたかれらを萬國ばんこくにわたして虐󠄃しへたげにあはしめわがかれらを逐󠄃おひやる諸國くにぐにおい呪詛のろひとなり詫異おどろきとなりひと嗤笑わらひとなり恥辱はづかしめとならしめん
 1327㌻ 
19 これかれわがことばきかざればなりとヱホバいひたまふわれこのことばわがしもべなる預言者よげんしやによりて遣󠄃おくしきりにおくれどもなんぢきかざるなりとヱホバいひたまふ 20 わがヱルサレムよりバビロンにおくりしすべて俘擄人とらはれびとなんぢらヱホバのことばをきけ

21 わがをもていつはりなんぢらに預言よげんするコラヤのアハブとマアセヤのゼデキヤにつきて萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルのかみかくいふよわれかれらをバビロンのわうネブカデネザルのわたさんかれこれをなんぢらの前󠄃まへころすべし〘1016㌻〙 22 バビロンにあるユダの俘擄人とらはれびとみなかれらをもてのろひとなしねがはくはヱホバなんぢをバビロンのわうにてやきしゼデキヤとアハブのごときものとなしたまはんことをといふ 23 こはかれらイスラエルのうちあくをなしとなりつまをかかつわがかれらにめいぜざるいつはりことばをわがをもてかたりしによるわれこれをりまたあかしすとヱホバいひたまふ

24 なんぢネヘラミびとシマヤにかくかたりいふべし 25 萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルのかみかくいふなんぢおのれのをもてふみをヱルサレムにあるすべてたみ祭司さいしマアセヤのゼパニヤおよびすべて祭司さいし送󠄃おくりていふ 26 ヱホバなんぢ祭司さいしヱホヤダにかへ祭司さいしとなしなんぢらをヱホバのいへ監督つかさとなしたまふこはすべて狂妄くるかつみづから預言者よげんしやなりといふものひとや桎梏あしがせにつながしめんためなり 27 しかるになんぢいま何故なにゆゑなんぢらにむかひてみづから預言者よげんしやなりといふところのアナトテのヱレミヤを斥責いましめざるや 28 そはかれバビロンにをる我儕われらふみ送󠄃おくときなほながければなんぢいへたてこれ住󠄃すまはたけをつくりてそのをくらへといへり 29 祭司さいしゼパニヤこのふみ預言者よげんしやヱレミヤによみきかせたり 30 ときにヱホバのことばヱレミヤにのぞみていふ 31 すべて俘擄人とらはれびとふみをおくりていふべしネヘラミびとシマヤのことにつきてヱホバかくいふわれシマヤを遣󠄃つかはさざるにかれなんぢらに預言よげんなんぢらにいつはりしんぜしめしによりて 32 ヱホバかくいふわれネヘラミびとシマヤとその子孫しそんばつすべしかれヱホバに逆󠄃そむくことををしへしによりて此民このたみのうちにかれぞくするもの一人ひとり住󠄃すまふことなからんかつわがたみがなさんとする善事よきことをみざるべしとヱホバいひたまふ
 1328㌻ 

第30章

1 ヱホバよりヱレミヤにのぞめることばいふ 2 イスラエルのかみヱホバかくつげていふわれなんぢいひことばをことごとくふみしる 3 ヱホバいふわれ我民わがたみイスラエルとユダの俘囚人とらはれびと返󠄄かへきたらんヱホバこれをいふわれかれらをその先祖せんぞにあたへしにかへらしめんかれらはこれをたもたん

4 ヱホバのイスラエルとユダにつきていひたまひしことばこれなり 5 ヱホバかくいふわれ戰慄をののきこゑをきく驚懼おそれあり平󠄃安やすきあらず 6 なんぢをとこあるやを尋󠄃たづわれをとこみな婦󠄃をんなのごとくをそのこしにおきかつその面色かほいろみなあをかはるをみるこは何故なにゆゑぞや 7 かなしいかなそのおほいにしてこれたぐふべきなしはヤコブの患難なやみときなりされかれはこれより救出すくひいだされん〘1017㌻〙 8 萬軍ばんぐんのヱホバいふそのわれなんぢのくびよりそのくびきをくだきはなしなんぢ繩目なはめをとかん異邦人ことくにびとまたかれ使役つかはざるべし 9 かれらはそのかみヱホバとわがかれらのためたてんところのそのわうダビデにつかふべし 10 ヱホバいふわがしもべヤコブよおそるるなかれイスラエルよおどろなかわれなんぢ遠󠄄方とほくよりすくひかへしなんぢ子孫しそんそのとらへうつされしよりすくひかへさんヤコブはかへりて平󠄃穩おだやか寧靜やすきをえんかれおそれしむるものなかるべし 11 ヱホバいふわれなんぢともにありてなんぢすくはん設令たとひわれなんぢちらせし國々くに〴〵こと〴〵ほろぼしつくすともなんぢをばほろぼしつくさじされどわが道󠄃みちをもてなんぢこらさんなんぢ全󠄃まつたくつみせずにはおかざるべし

12 ヱホバかくいふなんぢきずいえなんぢいたみおも 13 なんぢうつたへたゞものなくなんぢきずつゝ膏藥かうやくあらず 14 なんぢあいするものみななんぢわすれてなんぢもとめずこれなんぢとがおほきとつみ數多あまたなるによりてわれ仇敵あだうつがごとくなんぢきびしなんぢこらせばなり
 1329㌻ 
15 なんなんぢきずのためにさけぶやなんぢうれへいゆることなしなんぢとがおほきとつみ數多あまたなるによりてわれこれをなんぢになすなり 16 されどすべてなんぢ食󠄃くらもの食󠄃くらはれすべてなんぢ虐󠄃しへたぐるものみなとらはれなんぢかすむるものかすめられんすべなんぢものうばものわれこれをしてうばはるることにあはしむべし 17 ヱホバいふわれなんぢ膏藥かうやくなんぢきずいやさんそはひとなんぢすてられしものとよび尋󠄃たづねものなきシオンといへばなり

18 ヱホバかくいふよわれかのとらへうつされたるヤコブの天幕てんまくをかへしその住󠄃居すまひをあはれまんこのまちはそのもと丘垤をかたてられんしろにはよろしさまひと住󠄃すまはん 19 感謝かんしや歡樂者よろこぶものこゑとそのうちよりいでんわれかれらをまさかれすくなからじわれかれらをたつとくせんかれいやしめられじ 20 その疇昔いにしへのごとくあらんその集會あつまりわが前󠄃まへかたたゝおよそかれを虐󠄃しへたぐるものわれこれをばつせん 21 その首領かしら本族おのれよりいでその督者つかさはそのうちよりいでんわれかれをちかづけかれ近󠄃ちかづかんたれかその生命いのちかけわれ近󠄃ちかづくものあらんやとヱホバいふ 22 汝等なんぢら我民わがたみとなりわれなんぢらのかみとならん

23 みよヱホバの暴風はやてありいかり旋轉風つむじかぜいでて惡人あくにんかうべをうたん 24 ヱホバのはげし忿いかりはかれがそのこゝろおもひおこなひてこれを遂󠄅とぐるまではやますゑなんぢあきらかにこれをさとらん

第31章

1 ヱホバいひたまふ其時そのときわれはイスラエルのすべてやからかみとなりかれらは我民わがたみとならん 2 ヱホバかくいひたまふつるぎをのがれて遺󠄃のこりしたみ曠野あらのうちめぐみたりわれゆきかれイスラエルに安息やすみをあたへん〘1018㌻〙 3 遠󠄄方とほくよりヱホバわれあらはれていひたまふわれかぎりなきあいをもてなんぢあいせりゆゑにわれたえずなんぢをめぐむなり 4 イスラエルの童女をとめよわれふたたなんぢたてなんぢたてらるべしなんぢふたゝびつづみをもて飾󠄃かざ歡樂者たのしきものまひにいでん 5 なんぢまた葡萄ぶだうをサマリヤのやまうゑうゝものうゑてその食󠄃くらふことをえん
 1330㌻ 
6 エフライムのやまうへ守望󠄇者まもるものたちよばはるきたらんいはくなんぢ起󠄃たてわれらシオンにのぼりて我儕われらかみヱホバにまうでんと

7 ヱホバかくいひたまふなんぢらヤコブのためよろこびてよばはり萬國ばんこくかしらなるもののためにさけなんぢしめかつうたひてへヱホバよねがはくはイスラエルの遺󠄃のこれるものなんぢたみすくひたまへと 8 みよわれかれらをきたよりひきかへりかれらをはてよりあつめんかれらのうちには瞽者めしひ 跛者あしなへ はらめる婦󠄃をんな うみみし婦󠄃をんなともにかれらはおほいなるむれをなして此處こゝにかへらん 9 かれ悲泣かなしみきたらんわれかれらをして祈禱いのりをもてきたらしめなほくしてつまづかざる途󠄃みちよりみづながれあゆみいたらしめんわれはイスラエルの父󠄃ちゝにしてエフライムはわが長子ちやうしなればなり

10 萬國ばんこくたみなんぢらヱホバのことばをききこれ遠󠄄とほ諸島しまじましめしていえへイスラエルをちらせしものこれをあつ牧者ぼくしやのそのむれまもるがごとこれまもらん 11 すなはちヱホバ、ヤコブをあがな彼等かれらよりもつよものよりかれを救出すくひいだしたまへり 12 かれらはきたりてシオンのいたゞきによばはりヱホバのたまひしさいはひなるむぎさけあぶらおよびわかひつじうしため寄集よりつどはんその靈魂たましひうるほそののごとくならんかれらはかさねうれふることなかるべし 13 そのとき童女をとめまひてたのしみ壯者わかきもの老者おいたるものもろともにたのしまんわれかれらのかなしみをかへてよろこびとなしかれらのうれへをさりてこれをなぐさめん 14 われあぶらをもて祭司さいしこゝろあかしめわがめぐみをもて我民わがたみ滿みたしめんとヱホバいひたまふ

15 ヱホバかくいひたまふなげかなしみいたくうれふるこゑラマにきこゆラケルその兒子こどものためになげきその兒子こどものあらずなりしによりてなぐさめをえず 16 ヱホバかくいひたまなんぢこゑとどめなくことなかなんぢとどめなみだながすことなかなんぢわざむくいあるべしかれらはそのてきよりかへらんとヱホバいひたまふ
 1331㌻ 
17 なんぢのち望󠄇のぞみあり兒子こどもそのさかひかへらんとヱホバいひたまふ 18 われまことにエフライムのみづからなげくをきけりいはなんぢわれこらしめたまふわれくびきなれざるこうしのごとくに懲治こらしめうけたりヱホバよなんぢはわがかみなればわれ牽轉ひきかへしたまへさらわれかへるべし 19 われかへりしのちをしへうけしのちにわがもゝわれ幼時わかきときはぢにもてばぢかつはづかしめらるるなりと〘1019㌻〙 20 ヱホバいひたまふエフライムはわがあいするところのよろこぶところのならずやわれかれにむかひてかたるごとにかれおもはざるをこゝをもてわがはらわたかれのためいたわれかならかれあはれむべし

21 なんぢのために指路號みちしるべなんぢのためにはしらをたてよなんぢのゆける道󠄃みちなる大路おほぢこゝろをとめよイスラエルの童女をとめかへれこのなんぢ邑々まち〳〵にかへれよ 22 違󠄇そむけるむすめなんぢいつまで流蕩さまよふやヱホバあたらしきこと創造󠄃つくらんをんなをとこいだくべし

23 萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルのかみかくいひたまわれかの俘囚とらはれもの返󠄄かへさんとき人々ひと〴〵またユダのとその邑々まち〳〵おい此言このことばをいはんただし居所󠄃すみか聖󠄄きよやまねがはくはヱホバなんぢめぐみたまへと 24 ユダとそのすべて邑々まち〳〵農夫のうふむれふものとも住󠄃すまはん 25 われつかれたる靈魂たましひあかしめすべてのうれふる靈魂たましひをなぐさむるなり 26 こゝにわれさましみるにわがねむりうまかりし

27 ヱホバいひたまふひとたねけものたねとをイスラエルのいへとユダのいへとにいたらん 28 われかれらをこぼたふほろぼなやまさんとうかがひしごとくまたかれらをゑんとうかがふべしとヱホバいひたま 29 そのときかれらは父󠄃ちゝ葡萄ぶだう食󠄃くらひしによりて兒子こどもくとふたゝびいはざるべし 30 ひとはおのおの自己おのれあくによりてなんおほよ葡萄ぶだうをくらふひとはその

 1332㌻ 
31 ヱホバいひたまふみよわれイスラエルのいへとユダのいへとにあたらしき契󠄅約けいやくつるきたらん 32 この契󠄅約けいやくわがかれらの先祖せんぞをとりてエジプトのよりこれを導󠄃みちびきいだせしたてしところのごときにあらずわれかれらをめとりたれどもかれらはそのわが契󠄅約けいやくやぶれりとヱホバいひたまふ 33 されどかののちわがイスラエルのいへたてんところの契󠄅約けいやくこれなりすなはちわれわが律法おきてをかれらのうちにおきそのこゝろうへしるさんわれかれらのかみとなりかれらは我民わがたみとなるべしとヱホバいひたまふ 34 ひとおのおのそのとなりとその兄弟きやうだいをしへてなんぢヱホバをしれまたいはじそはせうよりだいにいたるまでこと〴〵われをしるべければなりとヱホバいひたまふわれかれらの不義ふぎゆるしそのつみをまたおもはざるべし

35 ヱホバかくいふすなはちこれをあたへてひるひかりとなしつきほしをさだめてよるひかりとなしうみげきしてそのなみならしむるものその萬軍ばんぐんのヱホバといふなり 36 ヱホバいひたまふもし此等これら規律さだめわが前󠄃まへすたらばイスラエルの子孫しそんわが前󠄃まへすたりて永遠󠄄いつまでたみたることをざるべし〘1020㌻〙 37 ヱホバかくいひたまふうへてんはかることをしたもとゐさぐることをえばわれまたイスラエルのすべての子孫しそんそのもろもろのおこなひのためにすつべしヱホバこれをいふ

38 ヱホバいひたまふこのまちハナネルのたふよりすみもんまでヱホバのためきたらん 39 量繩はかりなはふたゝびたゞちにガレブのをかをこえゴアテのかためぐるべし 40 しかばね灰󠄃はひたにまたケデロンのたににいたるまでとひがしかたうまもんすみにいたるまでのすべて田地たはたみなヱホバの聖󠄄きよところとなり永遠󠄄えいゑんにおよぶまでふたゝぬかれまたたふさるることなかるべし

第32章

1 ユダのわうゼデキヤの十ねんすなはちネブカデネザルの十八ねんころヱホバのことばヱレミヤにのぞめり 2 そのときバビロンの軍勢ぐんぜいヱルサレムを攻環せめかこ預言者よげんしやヱレミヤはユダのわういへにあるひとやにはうち禁錮とぢこめられたり
 1333㌻ 
3 ユダのわうゼデキヤかれ禁錮とぢこめていひけるはなんぢ何故なにゆゑ預言よげんしてヱホバかくいひたまふといふやいはわれこのまちをバビロンわうわたさんかれこれるべし 4 またユダのわうゼデキヤはカルデヤびとよりのがれずかならずバビロンわうわたされくちくちとあひかたあひるべし 5 かれゼデキヤをバビロンにきゆかんゼデキヤはわがかれ顧󠄃かへりみときまで彼處かしこをらんとヱホバいひたまふなんぢらカルデヤびとたゝかふとも勝󠄃かつことをじと

6 ヱレミヤいふヱホバのことばわれにのぞみていはく 7 みよなんぢ叔父󠄃おぢシヤルムのハナメルなんぢにきたりていはんなんぢアナトテにるわが田地はたけへそはこれあがなことなんぢ分󠄃ぶんなればなりと 8 かくてヱホバのことばのごとくわが叔父󠄃おぢハナメルひとやにはにてわれきたいひけるはねがはくはなんぢベニヤミンののアナトテにるわが田地はたけへそはこれぎこれをあがなふことはなんぢ分󠄃ぶんなればなんぢみづからこれをひとれとここにおいてわれこれはヱホバのことばなりとりたれば 9 わが叔父󠄃おぢハナメルがアナトテにもてる田地はたけをかひてかれぎん十七シケルをはかりてあたふ 10 すなはちわれその契󠄅劵てがたかきてこれに封印ふういん證人あかしびとをたて權衡はかりをもてぎんはかりあた 11 しかしてわれその約定やくじやうをのするところの封印ふういんせし買劵かひてがたとそのひらきたるものを 12 わが叔父󠄃おぢハナメルと買劵かひてがたいんせし證人あかしびと前󠄃まへおよびひとやにはするユダびと前󠄃まへにてその買劵かひてがたをマアセヤのなるネリヤのバルクにあた 13 かれらの前󠄃まへにてわれバルクにめいじていひけるは 14 萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルのかみかくいひたまふなんぢこれらの契󠄅劵てがたすなはちこの買劵かひてがた封印ふういんせしものひらきたるものをこれ瓦器やきものうちたくはへておほくのあひだたもたしめよ〘1021㌻〙 15 萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルのかみかくいひたまふそはこのおいひとまたいへ田地はたけ葡萄園ぶだうばたけふにいたらんと

16 われ買契󠄅かひてがたをネリヤのバルクにわたせしのちヱホバにいのりてひけるは 17 嗚呼あゝしゆヱホバよなんぢはそのおほいなる能力ちからのべたるうでをもててん造󠄃つくりたまへりなんぢにはあたはざるところなし
 1334㌻ 
18 なんぢ恩寵めぐみ千萬人せんまんにんほどこ又󠄂また父󠄃ちゝつみをそののち子孫しそんふところむくいたまふなんぢおほいなる全󠄃能ぜんのうかみにいましてその萬軍ばんぐんのヱホバとまうすなり 19 なんぢ謀略みはかりおほいなりなんぢことをなすにちからありなんぢひとのこどもらのもろ〳〵途󠄃みちみそなはしおのおののおこなひしたがひその行爲わざによりてこれむくいいたまふ 20 なんぢ休徴しるし奇跡ふしぎなるわざをエジプトのおこなひたまひて今日こんにちにまでいたるまたイスラエルとほかたみうちにもしかりかくして今日こんにちのごとくになんぢあげたまへり 21 なんぢ休徴しるし奇跡ふしぎなるわざつよのべたるうでおほいなるおそろしきことをもてなんぢたみイスラエルをエジプトのより導󠄃みちびきいだし 22 このかれらにたまへりこれすなはなんぢがかれらの先祖等せんぞたちあたへんとちかひたまひし乳󠄃ちゝみつながるるなり 23 彼等かれらすなはちいりてこれをたりしかどもなんぢこゑ遵󠄅したがはずなんぢ例典おきておこなはずすべなんぢがなせとめいじたまひしことなさざりしによりてなんぢこのわざはひそのうへにくだらしむ 24 みよるいれりこれこのまちとらんとてきたれるなりつるぎ饑饉ききん疫病えきびやうのためにこのまちこれせめむるカルデヤびとわたさるなんぢのいひたまひしことばすでれりなんぢこれたまふなり 25 しゆヱホバよなんぢわれにぎんをもて田地はたけ證人あかしびとたてよといひたまへりしかるにこのまちはカルデヤびとわたさる

26 ときにヱホバのことばヱレミヤにのぞみていふ 27 みよわれはヱホバなりすべて血氣いのちあるものかみなりわれあたはざるところあらんや 28 ゆゑにヱホバかくいふよわれこのまちをカルデヤびととバビロンのわうネブカデネザルのわたさんかれこれをるべし 29 このまちせむるところのカルデヤびときたりをこのまちはなちてこれやか屋蓋やねのうへにてひとがバアルにかうほかかみさけをそそぎてわれいからせしそのいへをもかれまたやか 30 そはイスラエルの子孫ひと〴〵とユダの子孫ひと〴〵はその幼少時わかきときよりわが前󠄃まへあしことのみをなしまたイスラエルのたみはその作爲わざをもてわれをいからすることのみをなしたればなりヱホバこれをいふ
 1335㌻ 
31 このまちはそのたちより今日こんにちにいたるまでわが震怒いかりわが憤恨いきどほりをおこすところのものなればわが前󠄃まへよりわれこれのぞかんとするなり〘1022㌻〙 32 こはイスラエルのたみとユダのたみもろ〳〵あくおこなひてわれいからせしによりてなりかれらその王等わうたちその牧伯等きみたちその祭司さいしその預言者よげんしやおよびユダの人々ひと〴〵とヱルサレムに住󠄃すめものみなしかなせり 33 かれうしろわれにむけてかほわれにむけずわれかれらををしへしきりをしふれどもかれらはをしへをきかずしてうけざるなり 34 かれらは憎にくむべきものをわがをもてとなへらるるいへにたててこれけが 35 又󠄂またベンヒンノムのたににあるバアルの崇邱たかきところきづきその子女むすこむすめをモロクにさゝげたりわれはかれらにこの憎にくむべきことをおこなひてユダにつみをかさしむることをめいぜずかゝことわがこゝろにおこらざりしなり

36 いまイスラエルのかみヱホバこのまちすなはちなんぢらがつるぎ饑饉ききん疫病えきびやうのためにバビロンわうわたされんといひしところのまちにつきてかくいひたまふ 37 みよわれわが震怒いかり憤恨いきどほりおほいなるいかりをもてかれらを逐󠄃おひやりしもろ〳〵くによりかれらをあつこのところ導󠄃みちびきかへりて安然やすらからしめん 38 かれらは我民わがたみとなりわれかれらのかみとならん 39 われかれらにひとつこゝろひとつ途󠄃みちをあたへてつねわれおそれしめんこはかれらとその子孫しそんとにさいはひをえせしめんためなり 40 われかれらをすてずしてめぐみほどこすべしといふ永遠󠄄えいゑん契󠄅約けいやくをかれらにたてわれおそるるのおそれをかれらのこゝろにおきてわれはなれざらしめん 41 われよろこびてかれらにめぐみほどここゝろつく精神せいしんをつくしてまことかれらをこのうゝべし 42 ヱホバかくいひたまふわれこのもろ〳〵おほいなるわざはひをこのたみくだせしごとくわがかれらにいひもろ〳〵さいはひ彼等かれらくださん 43 人衆ひと〴〵この田野たはたはんこれ汝等なんぢらあれひとけものもなきにいたりカルデヤびとわたされしといへるなり
 1336㌻ 
44 人衆ひと〴〵ベニヤミンのとヱルサレムの四周󠄃まはりとユダの邑々まち〳〵やま邑々まち〳〵平󠄃地ひらち邑々まち〳〵みなみかた邑々まち〳〵においてぎんをもて田野たはたをかひ契󠄅劵てがたきてこれに封印ふういん又󠄂また證人あかしびとをたてんそはわれかの俘囚者とらはれしものかへらしむればなりとヱホバいひたまふ

第33章

1 ヱレミヤなほひとやには禁錮とぢこめられてをるときヱホバのことばふたゝびかれのぞみていふ 2 ことをおこなふヱホバことをなしてこれ成就とぐるヱホバそのをヱホバとなのものかく 3 なんぢわれ龢求よびもとめよわれなんぢこたへん又󠄂またなんぢしらざるおほいなること祕密かくれたることとをなんぢしめさん 4 イスラエルのかみヱホバるいつるぎによりてこぼたれたるこのまちいへとユダのわういへにつきてかくいひたま 5 かれらカルデヤびとたゝかはんとてきたこれにはわが震怒いかり憤恨いきどほりをもてころすところの人々ひと〴〵屍體しかばねみつるにいたらんわれかれらのもろ〳〵あくのためにわがかほをこのまちおほひかくせり〘1023㌻〙 6 よわれ卷布まきぬの良藥よきくすりをこれにもちきたりて人々ひと〴〵いや平󠄃康やすき眞實まこと豐厚ゆたかなるをこれにしめさん 7 われユダの俘囚人とらはれびととイスラエルの俘囚人とらはれびとかへらしめかれらをたて從前󠄃もとのごとくになすべし 8 われかれらがわれにむかひてをかせし一切すべてつみ潔󠄄きよかれらがわれにむかひてをかかつおこなひし一切すべてつみゆるさん 9 このまちのもろもろのたみうちにおいてがために欣喜よろこびとなり頌美ほまれとなり榮耀さかえとなるべし彼等かれらはわが此民このたみにほどこすところのもろ〳〵恩惠めぐみきかしかしてわがこのまちにほどこすところのもろ〳〵恩惠めぐみもろ〳〵福祿さいはひのために發振ふるかつ動搖うごかさん

10 ヱホバかくいひたまへりなんぢらがれてひともなくけものもなしといひしこのところすなはれてひともなく住󠄃ものもなくけものもなきユダのまちとヱルサレムのちまた 11 ふたゝ欣喜よろこびこゑ 歡樂たのしみこゑ 新娶者はなむここゑ 新婦󠄃はなよめこゑおよび萬軍ばんぐんのヱホバをあがめよヱホバはぜんにしてその矜恤あはれみかぎりなしといひてその感謝かんしや祭物そなへものをヱホバのいへたづさふるものこゑきこゆべしそはわれこの俘囚人とらはれびと返󠄄かへらしめてはじめのごとくになすべければなりヱホバこれをいひたまふ
 1337㌻ 
12 萬軍ばんぐんのヱホバかくいひたまふれてひともなくけものもなきこのところそのすべての邑々まち〳〵ふたゝ牧者かふもののそのむれふさしむる牧場まきばあるにいたらん 13 やままち平󠄃地ひらちまちみなみかたまちとベニヤミンのとヱルサレムの四周󠄃まはりとユダのまちにおいてむれふたゝびそのこれかぞふるものした過󠄃とほらんとヱホバいひたまふ

14 ヱホバいひたまはくわれイスラエルのいへとユダのいへかたりし善言よきことば成就なしとぐぐるきたらん 15 そのそのときにいたらばわれダビデのためひとつただしえだしやうぜしめんかれ公道󠄃おほやけ公義ただしきおこなふべし 16 そのユダはすくひをえヱルサレムはやすらかにらんそのはヱホバ我儕われらとなへらるべし 17 ヱホバかくいひたまふイスラエルのいへくらゐするひとダビデにかくることなかるべし 18 またわが前󠄃まへ燔祭はんさいをささげ素祭そさいもやつね犧牲いけにへさゝぐるひとレビびとなる祭司さいしたえざるべし

19 ヱホバのことばヱレミヤにのぞみていふ 20 ヱホバかくいふなんぢらもしわがひるにつきての契󠄅約けいやくわがよるにつきての契󠄅約けいやくやぶりてその時々とき〴〵ひるよるもなからしむることをえば 21 しもべダビデにたて契󠄅約けいやくもまたやぶれそのはかれのくらゐしてわうとなることをえざらんまたわがわれつかふるレビびとなる祭司さいしたて契󠄅約けいやくやぶれん〘1024㌻〙 22 てんほしかぞへられずはまいさごはかられずわれそのごとわがしもべダビデのすゑわれつかふるレビびとまさ

23 ヱホバのことばまたヱレミヤにのぞみていふ 24 なんぢこのたみかたりてヱホバはその選󠄄えらみしふたつやからすてたりといふをきかざるかかれらはかく我民わがたみかろんじてそのにこれをくになさざるなり
 1338㌻ 
25 ヱホバかくいひたまふもしわれひるよるとについての契󠄅約けいやくたてずまた天地あめつち律法おきてさだめずば 26 われヤコブとわがしもべダビデとのすゑをすててふたゝびかれのすゑうちよりアブラハム、イサク、ヤコブのすゑをさむるものとらざるべしわれその俘囚とらはれもの返󠄄かへらしめこれをあはれれむべし

第34章

1 バビロンのわうネブカデネザルその全󠄃軍ぜんぐんおよびおのれしたぞくするところの列國くにぐにひとおよびもろ〳〵たみ率󠄃ひきゐてヱルサレムとその諸邑まち〳〵めてたゝかときヱホバのことばヱレミヤにのぞみていふ 2 イスラエルのかみヱホバかくいふなんぢゆきてユダのわうゼデキヤにつげていふべしヱホバかくいひたまふよわれこのまちをバビロンわうわたさんかれをもてこれをやくべし 3 なんぢはそののがれずかならとらへられてこれがわたされんなんぢはバビロンわうをみ又󠄂またかれのくちなんぢくちものいふべしなんぢはバビロンにゆくにいたらん 4 されどユダのわうゼデキヤよヱホバのことばをきけヱホバなんぢことにつきてかくいひたまふなんぢつるぎしな 5 なんぢやすらかになんたみなんぢ先祖せんぞたるなんぢさき王等わうたちためかうたきしごとくなんぢのためにもかうかつなんぢのためになげき嗚呼あゝしゆよといはんわれこのことばをいふとヱホバいひたまふ

6 預言者よげんしやエレミヤすなはち此言このことばをことごとくヱルサレムにてユダのわうゼデキヤにつげたり 7 ときにバビロンわう軍勢ぐんぜいはヱルサレムおよびのこれるユダのすべてまちめラキシとアゼカをせめたゝかひをるはユダの諸邑まち〳〵のうちに是等これらしろまちなほのこりゐたればなり

8 ゼデキヤわうヱルサレムにすべてたみ契󠄅約けいやくててかれらに釋放ときはなちこと宣示ふれしめせしのちヱホバのことばヱレミヤにのぞめり 9 その契󠄅約けいやくはすなはちひとをしておのおのそのしもべしもめなるヘブルの男女をとこをんなはなたしめその兄弟きやうだいなるユダヤびと奴隸どれいとなさざらしむるものなりき
 1339㌻ 
10 この契󠄅約けいやくをなせし牧伯等きみたちとすべてのたみひとおのおのその僕婢しもべしもめはなちてふたゝこれ奴隸どれいとなすべからずといふをききて遂󠄅ついにそれにきゝしたがひてこれをはなちしが 11 のちこゝろをひるがへしてそのちし僕婢しもべしもめをひきかへりてふたゝこれ伏從したがはしめて僕婢しもべしもめとなせり
〘1025㌻〙
12 是故このゆえにヱホバのことばヱホバよりヱレミヤにのぞみていふ 13 イスラエルのかみヱホバかくいふわれなんぢらの先祖せんぞをエジプトのその奴隸どれいたりしいへより導󠄃みちびきいだせしときかれらと契󠄅約けいやくたてていひけらく 14 なんぢらの兄弟きやうだいなるヘブルびとなんぢらにうりたるものをば七ねん終󠄃をはりなんぢらおのおのこれをはなつべしかれねんなんぢにつかへたらばこれはなつべしとしかるになんぢらの先祖等せんぞたちわれきかまたそのみゝかたむけざりし 15 されなんぢらは今日こんにちこゝろをあらためておのおのその鄰人となりびと釋放ときはなちことしめしてわがたゞしとみゆることおこなかつわがをもてとなへらるるいへおいわが前󠄃まへ契󠄅約けいやくたてたり 16 しかるになんぢふたゝこゝろをひるがへしてわがけが各自おの〳〵はなちて其心そのこころまかせしめたる僕婢しもべしもめをひきかへふたゝこれ伏從したがはしめてなんぢらの僕婢しもべしもめとなせり

17 このゆゑにヱホバかくいひたまふなんぢわれきゝておのおのその兄弟きやうだいとそのとなり釋放ときはなちことしめさざりしによりてよわれなんぢらのため釋放ときはなちしめしてなんぢらをつるぎ饑饉ききん疫病えきびやうにわたさんわれんぢらをしてもろ〳〵くににて艱難なやみをうけしむべし 18 ヱホバこれをこうしふたつにさきてその二個ふたつあひだ過󠄃とほわが前󠄃まへ契󠄅約けいやくをたててかへつてそのことばしたがはずわが契󠄅約けいやくをやぶる人々ひと〴〵 19 すなはふたつ分󠄃わかちしこうしあひだ過󠄃とほりしユダの牧伯等きみたちヱルサレムの牧伯等きみたち寺人じじん祭司さいしとこののすべてのたみ 20 われそのてきとその生命いのちもとむものわたさんその屍體しかばね天空󠄃そらとりけもの食󠄃物くひものとなるべし 21 かつわれユダのわうゼデキヤとその牧伯等きみたちをそのてきその生命いのちもとむるものなんぢらをはなれてさりしバビロンわう軍勢ぐんぜいわたさん
 1340㌻ 
22 ヱホバいひたまふわれかれらにめいじてこのまちかへらしめんかれらこのまちせめたゝかこれをもてくべしわれユダの諸邑まち〳〵住󠄃すむひとなき荒地あれちとなさん

第35章

1 ユダのわうヨシヤのヱホヤキムのときヱレミヤにのぞみしヱホバのことばいふ 2 なんぢレカブびといへゆきかれらとかたりかれらをヱホバのいへ一房ひとまつれきたりてさけをのませよと 3 こゝおいてわれハバジニヤのなるヱレミヤのヤザニヤとその兄弟きやうだいとその諸子むすこらおよびレカブびと全󠄃家ぜんか 4 これをヱホバのいへにあるハナンの諸子むすこらにつれきたれりハナンはイグダリヤのにしてかみひとなりその牧伯等きみたちつぎにしてもんまもるシヤレムのマアセヤののうへに 5 われすなはちレカブびといへ諸子むすこら前󠄃まへさけ滿みたしたるつぼさかづきかれらにつげなんぢさけめといひければ 6 かれらこたへけるは我儕われらさけをのまずそはレカブのなるわれらの先祖せんぞヨナダブわれらにめいじて汝等なんぢらなんぢらの子孫しそんはいつまでもさけをのむべからず〘1026㌻〙 7 またなんぢいへたてたねをまかず葡萄園ぶだうばたけうゑざれまたこれをもつべからずなんぢらの生存いきながらふるあひだ幕屋まくやにをれらばなんぢらが寄寓やどるところのおいなんぢらの生命いのちながからんといひたればなり 8 かくわれらはレカブのなるわれらの先祖せんぞヨナダブのすべめいぜしことば遵󠄅したがひて我儕われらとわれらのつま子女むすこむすめ生存いきながらふるあひださけのま 9 われらは住󠄃すむべきいへてず葡萄園ぶだうばたけ田野はたけたねもたずして 10 幕屋まくやにをりすべて我儕われら先祖せんぞヨナダブがわれらにめいぜしごとくおこなへり 11 されどバビロンのわうネブカデネザルがこののぼきたりしときわれいひけるはわれらカルデヤびと軍勢ぐんぜいとスリアびと軍勢ぐんぜいおそるれば去來いざヱルサレムにゆかんとすなはちわれらはヱルサレムに住󠄃すまへり

12 ときにヱホバのことばヱレミヤにのぞみていふ 13 萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルのかみかくいふなんぢゆきてユダの人々ひと〴〵とヱルサレムに住󠄃すめものとにつげよヱホバいひたまふなんぢらはわがことばきゝをしへうけざるか
 1341㌻ 
14 レカブのヨナダブがその子孫しそんさけをのむべからずとめいぜしことばおこなはるかれらは今日こんにちいたるまでさけをのまずその先祖せんぞ命令めいれい遵󠄅したがふなりしかるになんぢらはわれなんぢらにかたしきりりにかたれどもわれにきかざるなり 15 われまたわがもべなる預言者よげんしやたちをなんぢらに遣󠄃つかはしきりにこれを遣󠄃つかはしていはせけるはなんぢらいまおのおのそのあし道󠄃みちはなれてかへなんぢらのおこなひをあらためよほかかみしたがひてこれつかふるなかさらなんぢらはわがなんぢらとなんぢらの先祖せんぞあたへたるこの住󠄃すむことをえんとされど汝 16 レカブのヨナダブの子孫しそんはその先祖せんぞかれらにめいぜしところの命令めいれい遵󠄅したがふなりされ此民このたみわれきか 17 このゆゑ萬軍ばんぐんかみヱホバ、イスラエルのかみかくいふよわれユダとヱルサレムに住󠄃すめものとにわがかれらにつきていひし所󠄃ところわざはひくださんわれかれらにかたれどもきかずかれらをよべどもこたへざればなり

18 こゝにヱレミヤ、レカブびといへにいひけるは萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルのかみかくいひたまふなんぢらはその先祖せんぞヨナダブのめい遵󠄅したがひそのすべていましめまもかれなんぢらにめいぜしことをおこな 19 これによりて萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルのかみかくいひたまふレカブのヨナダブにはわが前󠄃まへひといつまでもかくることあらじ

第36章

1 ユダのわうヨシヤのヱホヤキムの四ねんにこのことばヱホバよりヱレミヤにのぞみていふ〘1027㌻〙 2 なんぢ卷物まきものをとりわがなんぢかたりしすなはちヨシヤのより今日こんにちいたるまでイスラエルとユダと萬國ばんこくとにつきてわがなんぢかたりしすべてのことばこれしる 3 ユダのいへわがくださんとはかるところのわざはひをききて各自おの〳〵そのあし途󠄃みちをはなれてかへることもあらんさらばわれそのとがとそのつみゆるすべし

4 こゝおいてヱレミヤ、ネリヤのバルクをべりバルクすなはちヱレミヤのくちにしたがひヱホバのかれつげたまひしことばをことごとく卷物まきものしるせり
 1342㌻ 
5 ヱレミヤ、バルクにひけるはわれは禁錮とぢこめられたればヱホバのいへくことを 6 ゆゑなんぢゆきてなんぢわれくちにしたがひて卷物まきものしるしたるヱホバのことばをよみ斷食󠄃だんじきにヱホバのいへおいたみみゝにこれをきかしめよまたこれみてユダの人々ひと〴〵のその邑々まち〳〵よりきたれるものみゝきかしむべし 7 かれらヱホバの前󠄃まへにその祈禱いのりたてまつ各自おの〳〵そのあし途󠄃みちをはなれてかへることもあらんヱホバの此民このたみにつきてのべたまひしいかりいきどほりおほいなり 8 かくてネリヤのバルクはすべ預言者よげんしやヱレミヤがおのれめいぜしごとくヱホバのいへにてその卷物まきものよりヱホバのことばよめ

9 ユダのわうヨシヤのヱホヤキムの五ねんぐわつヱルサレムのすべてたみおよびユダの諸邑まち〳〵よりヱルサレムにきたれるすべてたみにヱホバの前󠄃まへ斷食󠄃だんじきおこなふべきこと宣示ふれしめさる 10 バルク、ヱホバのいへ上庭かみにはおいてヱホバのいへあたらしきもん入口いりぐちかたはらにあるシヤパンのなる書記しよきゲマリヤのにてそのふみよりヱレミヤのことばたみよみきかせたり

11 シヤパンのなるゲマリヤのミカヤそのふみのヱホバのことばこと〴〵くききて 12 わういへにある書記しよきにくだりいたるにすべて牧伯等きみたちすなは書記しよきエリシヤマ、シマヤのデラヤ、アカボルのエルナタン、シヤパンのゲマリヤ、ハナニヤのゼデキヤおよびすべて牧伯等きみたちそこにせり 13 ミカヤ、バルクがふみよみたみみゝきかせしときにおのきゝしところのすべてのことばかれらにつげければ 14 牧伯等きみたちクシのシレミヤのなるネタニヤのエホデをバルクに遣󠄃つかははしていはせけるはなんぢたみよみきかせしその卷物まきものとりきたれとネリヤのバルクすなはち卷物まきものりてかれらのもとにきたりたれば 15 かれらバルクにいひけるは請󠄃してこれわれらによみきかせよとバルクすなはちかれらによみきかせたり 16 かれらそのすべてことばをききてともおそれバルクにいひけるはわれかならずこのすべてことばわうつげんと 17 またバルクにとふていひけるは請󠄃なんぢいかにこのすべてことばをかれのくちにしたがひてしるせしやわれらにつげ〘1028㌻〙
 1343㌻ 
18 バルクこたへけるはかれそのくちをもてこのすべてことばわれ述󠄃べたればわれすみをもてこれふみしるせり 19 牧伯きみたちバルクにいひけるはなんぢゆきてヱレミヤとともにかく在所󠄃をるところひとしらしむべからずと

20 すなはち卷物まきもの書記しよきエリシヤマのきてにはにいりわういたりてこのすべてことばわうにつげければ 21 わうその卷物まきもの持來もちきたらせんとてヱホデを遣󠄃つかはせりヱホデすなはち書記しよきエリシヤマのより卷物まきもの取來とりきたりてこれわうわうかたはらたてるすべての牧伯等きみたちみきかせたり 22 ときは九ぐわつにしてわうふゆいへせりその前󠄃まへもゆあり 23 ヱホデひらひらよみけるときわう小刀こがたなをもてその卷物まきもの切割󠄅きりさなげいれてこれこと〴〵やけ 24 わうとその臣僕等しもべらはこのもろ〳〵ことばをきけどもおそれずまたそのころもさかざりき 25 エルナタン、デラヤ、ゲマリヤわうにその卷物まきものやきたまふなかれともとめたれどもきかざりき 26 わうハンメレクのヱラメルとアヅリエルのセラヤとアブデルのセレミヤに書記しよきバルクと預言者よげんしやヱレミヤをとらへよとめいぜしがヱホバかれらをかくしたまへり

27 わう卷物まきものおよびバルクがヱレミヤのくちにしたがひてしるせしことばやきしのちヱホバのことばヱレミヤにのぞみていふ 28 なんぢまたほか卷物まきものをとりユダのわうヱホヤキムがやきしところの前󠄃さき卷物まきものうちことばをことごとくそれしる 29 なんぢまたユダのわうヱホヤキムにつげよヱホバかくいふなんぢかの卷物まきものやきていへりなんぢいかなればこの卷物まきものしるしてバビロンのわうかならきたりてこのほろぼこゝひとけものたやさんといひしやと 30 このゆゑにヱホバ、ユダのわうヱホヤキムにつきてかくいひたまかれにはダビデのくらゐするものなきにいたらんかつかれのしかばねすてられてひる熱氣あつきにあひよる寒氣さむきにあはん 31 われまたかれとその子孫しそんとその臣僕等しもべらをそのあくのためにばつせんまたかれらとヱルサレムのたみとユダの人々ひと〴〵にはわれわがかれらにつきてかたりしかどもかれらがきくことをせざりし所󠄃ところわざはひくだすべし
 1344㌻ 
32 こゝおいてヱレミヤほか卷物まきものとりてネリヤの書記しよきバルクにあたふバルクすなはちユダのわうヱホヤキムがやきたるところのふみすべてことばをヱレミヤのくちにしたがひてこれしるほかにまたかゝことばおほこれくはへたり

第37章

1 ヨシヤのゼデキヤ、ヱホヤキムのコニヤにかわりてわうとなるバビロンのわうネブカデネザルかれをユダのわうとなせしなり 2 かれもその臣僕等しもべらもその人々ひと〴〵もヱホバが預言者よげんしやヱレミヤによりてしめしたまひしことばきかざりき
〘1029㌻〙
3 ゼデキヤわうシレミヤのユカルとマアセヤの祭司さいしゼパニヤを預言者よげんしやヱレミヤに遣󠄃つかはして請󠄃なんぢわれらのためわれらのかみヱホバにいのれといはしむ 4 ヱレミヤはたみうち出入でいりせりそはいまだひとやいれられざればなり 5 パロの軍勢ぐんぜいのエジプトよりきたりしかばヱルサレムをせめかこみたるカルデヤびとその音󠄃信おとづれをききてヱルサレムを退󠄃しりぞけり

6 ときにヱホバのことば預言者よげんしやヱレミヤにのぞみていふ 7 イスラエルのかみヱホバかくいふなんぢらを遣󠄃つかはしてわれもとめしユダのわうにかくいへなんぢらをすくはんとていできたりしパロの軍勢ぐんぜいはおのれのエジプトへかへらん 8 カルデヤびとふたゝきたりてこのまちせめたゝかひこれををもてやくべし 9 ヱホバかくいふなんぢらカルデヤびとかならわれらをはなれてさらんといひてみづかあざむなかかれらはさらざるべし 10 設令たとひなんぢらおのれをせめたゝかふところのカルデヤびと軍勢ぐんぜいこと〴〵ちやぶりてそのうち負󠄅傷人ておひびとのみを遺󠄃のこすともかれらはおのおのその幕屋まくや起󠄃ちあがりをもてこのまちかん

11 こゝにカルデヤびと軍勢ぐんぜいパロの軍勢ぐんぜいおそれてヱルサレムを退󠄃しりぞきければ 12 ヱレミヤ、ベニヤミンのにてたみなかにその分󠄃ぶん分󠄃わからんとてヱルサレムをでてかのきしが 13 ベニヤミンのもんにいりしときそこにハナニヤのシレミヤのなるイリヤとなづくる門守かどもりをり預言者よげんしやヱレミヤをとらへてなんぢはカルデヤびとくだるなりといふ
 1345㌻ 
14 ヱレミヤいひけるはいつはりなりわれはカルデヤびとくだるにあらずとされどイリヤこれをきかずヱレミヤをとらへて侯伯等きみたちもとひきゆけり 15 侯伯等きみたちすなはちいかりてヱレミヤをちこれを書記しよきヨナタンのいへひとやにいれたりそはこのいへひとやとなしたればなり

16 ヱレミヤひとやにいり土牢あなりてそこにおほく送󠄃おくりしのち 17 ゼデキヤわうひと遣󠄃つかはしてかれをひきいださしむしかしてわういへにてひそかにかれにいひけるはヱホバよりのぞめることばあるやとヱレミヤこたへていひけるはなんぢはバビロンわうわたされん 18 ヱレミヤまたゼデキヤわうにいひけるはわれなんぢあるいはなんぢ臣僕しもべあるひはこのたみいかなるつみをかしたればなんぢわれひとやにいれしや 19 なんぢらに預言よげんしてバビロンのわうなんぢらにもこのにも攻來せめきたらじといひしなんぢらの預言者よげんしやはいま何處いづこにあるや 20 さればわうわがきみねがはくはいまわれきゝたまへ請󠄃ふわが願望󠄇ねがひ受納󠄃うけいたまわれ書記しよきヨナタンのいへかへらしめたまふなかれおそらくはわれ彼處かしこなんと〘1030㌻〙 21 こゝにおいてゼデキヤわうめいじてヱレミヤをひとやにはにいれしめかつまちのパンのこと〴〵つくるまでパンをつくものちまたより日々ひび一片ひときれのパンをかれあたへしむすなはちヱレミヤはひとやにはにをる

第38章

1 マツタンのシパテヤ、パシユルのゲダリヤ、シレミヤのユカル、マルキヤのパシユル、ヱレミヤがすべてのたみつげたるそのことばきけ 2 いはくヱホバかくいひたまふこのまちとどままるものはつるぎ饑饉ききん疫病えきびやうしぬべしされどいでてカルデヤびとくだものいきんすなはちその生命いのちをおのれの掠取物ぶんどりものとなしていくべし 3 ヱホバかくいひたまふこのまちかならずバビロンわう軍勢ぐんぜいわたされんかれこれとるべしと 4 これをもてかの牧伯等きみたちわうにいひけるは請󠄃ふこのひところしたまへかれはかくのごとことばをのべてこのまち遺󠄃のこれる兵卒つはものたみ弱󠄃よわくす夫人かのひとたみやすきもとめずしてその害󠄅わざはひもとむるなりと
 1346㌻ 
5 ゼデキヤわういひけるはかれなんぢらのにありわうなんぢらに逆󠄃さからふことあたはざるなりと 6 かれらすなはちヱレミヤをとりひとやにはにあるハンメレクのマルキヤのあななげいるすなはなはをもてヱレミヤをつりおろせしがそのあなみづなくして汚泥どろのみなりければヱレミヤは汚泥どろのなかにしづめり

7 わういへ寺人じじんエテオピアびとエベデメレクかれらがヱレミヤをあなになげいれしをきけときわうベニヤミンのもんしゐたれば 8 エベデメレクわういへよりいでゆきてわうにいひけるは 9 わうわがきみよかの人々ひと〴〵預言者よげんしやヱレミヤにおこなひしことみなよからずかれらこれをあなになげいれたりまちうち食󠄃物くひものなければかれはそのるところに餓󠄃死うゑじにせん 10 わうエテオピヤびとエベデメレクにめいじていひけるはなんぢここより三十にんたづさへゆきて預言者よげんしやヱレミヤをそのしなざるさきにをあなよりひきあげよ 11 エベデメレクすなはちその人々ひと〴〵たづさへてわういへくらしたにいり其處そこよりやぶれたるふるころも布片きれをとりなはをもてこれををあなにをるヱレミヤの所󠄃ところつりおろせり 12 しかしてエテオピアびとエベデメレク、ヱレミヤにつげなんぢこのやぶれたるふるころも布片きれなんぢわきしたにはさみてなはあてよといひければヱレミヤしかなせり 13 かれらすなはちなはをもてヱレミヤをあなよりひきあげたりヱレミヤはひとやにはにをる

14 かくてゼデキヤわうひと遣󠄃つかははして預言者よげんしやヱレミヤをヱホバのいへだい三のもんにつれきたらしめわうヱレミヤにいひけるはわれなんぢとふことありすこしもわれにかくなか〘1031㌻〙 15 ヱレミヤ、ゼデキヤにいひけるはわれもしなんぢしめさばなんぢかならずわれころさざらんや假令たとひわれなんぢすゝむるともなんぢわれにきか 16 ゼデキヤわうひそかにヱレミヤにちかひていひけるはわれらにこの靈魂たましひ造󠄃つくりあたへしヱホバはわれなんぢころさずなんぢ生命いのちもとむるものなんぢわたさじ

17 ヱレミヤ、ゼデキヤにいひけるは萬軍ばんぐんかみイスラエルのかみヱホバかくいひたまふなんぢもしまことにバビロンわう牧伯等つかさたちくだらばなんぢ生命いのちいきんまたこのまちにてやかれずなんぢなんぢいへものはいくべし 18 されなんぢもしいでてバビロンのわう牧伯等つかさたちくだらずばこのまちはカルデヤびとわたされんかれらはをもてこれやかなんぢはそののがれざるべし
 1347㌻ 
19 ゼデキヤわうヱレミヤにいひけるはわれカルデヤびとくだりしところのユダびとおそおそらくはカルデヤびとわれをかれらのわたさんかれわれはづかしめん 20 ヱレミヤいひけるはかれらはなんぢわたさじねがはくはわがなんぢつげしヱホバのこゑきゝしたがひたまへさらばなんぢさいはひをえんなんぢ生命いのちいきん 21 されなんぢもしくだることをいなまばヱホバこのことばわれしめたま 22 すなはちユダのわういへ遺󠄃のこれる婦󠄃をんなみなバビロンのわう牧伯等つかさたち所󠄃ところひきいだされんその婦󠄃等をんなたちいはんなんぢ朋友等ともだちなんぢいざなひてなんぢ勝󠄃かてなんぢあしどろしづかれらは退󠄃しりぞ 23 なんぢつまたちとなんぢ子女等こどもらはカルデヤびと所󠄃ところ曵出ひきいだされんなんぢそののがれじバビロンのわうとらへられんなんぢこのまちをしてやけしめん

24 ゼデキヤ、ヱレミヤにいひけるはなんぢこのことひとしらするなかれさらばなんぢころされじ 25 もし牧伯等きみたちわがなんぢかたりしことを我儕われらげよわれらにかくなかさらわれなんぢころさじ又󠄂またわうなんぢかたりしことをつげよといはば 26 なんぢかれらにこたへてわれわうもとめてわれをヨナタンのいへかへして彼處かしこしなしむることなかれといへりといふべし 27 かくて牧伯等きみたちヱレミヤにきたりてとひけるにかれわうめいぜしことばのごとくかれらにつげたればそのことあらはれざりきこゝをもてかれかれとものいふことをやめたり 28 ヱレミヤはヱルサレムのとらるるまでひとやにはりしがヱルサレムのとられしときにも彼處かしこにをれり

第39章

1 ユダのわうゼデキヤの九ねんぐわつバビロンのわうネブカデネザルその全󠄃軍ぜんぐんをひきゐヱルサレムにきたりてこれ攻圍せめかこみけるが 2 ゼデキヤの十一ねんぐわつ九日ここのかにいたりて城邑まちやぶれたれば 3 バビロンのわう牧伯等つかさたちすなはちネルガルシヤレゼル、サムガルネボ 寺人じじんかしらサルセキム 博士はかせかしらネルガルシヤレゼルおよびバビロンのわうのそのほか牧伯等つかさたちみなともにいりなかもんせり
〘1032㌻〙
 1348㌻ 
4 ユダのわうゼデキヤおよび兵卒へいそつどもこれ逃󠄄よるうちわうその途󠄃みちよりふたつ石垣いしがきあひだもんよりまちをいでてアラバの途󠄃みちにゆきしが 5 カルデヤびと軍勢ぐんぜいこれを追󠄃ひヱリコの平󠄃地ひらちにてゼデキヤにおひつきこれとらへてハマテのリブラにをるバビロンのわうネブカデネザルのもとひきゆきければわうかしこにてかれつみをさだめたり 6 すなはちバビロンのわうリブラにてゼデキヤの諸子こたちをかれの前󠄃まへころせりバビロンのわうまたユダのすべての牧伯等きみたちころせり 7 わうまたゼデキヤのつぶさしめかれをバビロンにひきゆかんとて銅索くさりつなげり 8 またカルデヤびとをもてわういへたみいへをやきかつヱルサレムの石垣いしがきこぼてり 9 かくて侍衞じゑいかしらネブザラダンはまちうちのこれるたみとおのれにくだりしものおよびそのほか遺󠄃のこれるたみをバビロンにうつせり 10 されど侍衞じゑいかしらネブザラダンはそのときたみ貧󠄃まづしくして所󠄃有もちものなき者等ものどもをユダの遺󠄃のこ葡萄園ぶだうばたけ田地はたけとをこれにあたへたり

11 こゝにバビロンのわうネブカデネザル、ヱレミヤのことにつきて侍衞じゑいかしらネブザラダンにめいじていひけるは 12 かれりてあしらへよ害󠄅がいをくはふるなかかれなんぢふごとくなすべしと 13 こゝをもて侍衞じゑいかしらネブザラダン寺人じじんかしらネブシヤスバン博士はかせかしらネルガルシヤレゼルおよびバビロンのわう牧伯等つかさたち 14 ひと遣󠄃つかはしてヱレミヤをひとやにはよりたづさへきたらしめシヤパンのアヒカムのなるゲダリヤにわたしてこれいへにつれゆかしむかくかれたみうち

15 ヱレミヤひとやには禁錮とぢこめられをるときヱホバのことばかれにのぞみていふ 16 なんぢゆきてエテオピアびとエベデメレクにつげ萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルのかみかくいふわれわがいひしところのわざはひこのまちくださんさいはひはこれにくださじそのこのことなんぢ目前󠄃めのまへにならん 17 ヱホバいひたまふそのにはわれなんぢすくはんなんぢはそのおそるるところの人衆ひと〴〵わたされじ
 1349㌻ 
18 われかならなんぢすくはんなんぢつるぎをもてころされじなんぢ生命いのちなんぢ掠取物ぶんどりものとならんなんぢわれに倚賴よりたのめばなりとヱホバいひたまふ

第40章

1 侍衞じゑいかしらネブザラダンかのバビロンにとらへうつさるるヱルサレムとユダの人々ひと〴〵うちにヱレミヤをくさりにつなぎおきてこれをとらへゆきけるが遂󠄅つひにこれをはなちてラマをさらしめたりそののちヱホバのことばヱレミヤにのぞめり 2 このところ侍衞じゑいかしらヱレミヤをめしてこれにいひけるはなんぢかみヱホバ此處このところにこのわざはひあらんことをいへ〘1033㌻〙 3 ヱホバこれをくだしそのいひごとおこなへりなんぢらヱホバにつみをかしそのこゑきゝしたがはざりしによりてこのことなんぢらにきたりしなり 4 われ今日けふなんぢくさりときなんぢはななんぢもしわれとともにバビロンにゆくことをよしとせばきたれわれなんぢくあしらはんなんぢもしわれともにバビロンにゆくをあしとせばとゞまよこのみななんぢ前󠄃まへなんぢよしとする所󠄃ところなんぢこゝろかなふところにゆくべし 5 ヱレミヤいまだこたへざるにかれまたいひけるはなんぢバビロンのわうがユダの諸邑まち〳〵うへにたてて有司つかさとなせしシヤパンのアヒカムのなるゲダリヤのもとかへかれとともにたみうちあるひなんぢよしとおもふところにゆくべしと侍衞じゑいかしらかれ食󠄃糧くひもの禮物おくりものをとらせてさらしめたり 6 ヱレミヤすなはちミヅパにきてアヒカムのゲダリヤにいたりその遺󠄃のこれるたみのうちにかれともにをる

7 こゝ田舍ゐなかにある軍勢ぐんぜいかしらたちおよびかれらにぞくする人々ひと〴〵バビロンのわうがアヒカムのゲダリヤをたててこの有司つかさとなし男女をとこをんな嬰孩こどもおよびくにうちのバビロンにうつされざる貧󠄃者まづしきものかれにあづけたることをききしかば 8 すなはちネタニヤのイシマエルとカレヤのヨハナンとヨナタンおよびタンホメテのセラヤとネトパびとなるエパイの諸子こたちあるマアカびとヤザニヤおよびかれらにぞくする人々ひと〴〵ミヅパにゆきてゲダリヤのもとにいたる 9 シヤパンのアヒカムのなるゲダリヤかれらとかれらにぞくする人々ひと〴〵ちかひていひけるはなんぢらカルデヤびとつかふることをおそるるなかれこの住󠄃すみてバビロンのわうつかへなばなんぢ幸幅さいはひならん
 1350㌻ 
10 われはミヅパにわれらにきたらんところのカルデヤびとつかへんなんぢらは葡萄酒ぶだうしゆ菓物くだものあぶらとをあつめてこれうつはたくはなんぢらがるところの諸邑まち〳〵住󠄃めと 11 又󠄂またモアブとアンモンびとうちおよびエドムともろ〳〵くににをるところのユダヤびとはバビロンのわうがユダにひと遺󠄃のこしたるシヤパンのアヒカムのなるゲダリヤをたててこれが有司つかさとなしたることをきけ 12 こゝにおいてそのユダヤびとみなその追󠄃おひやられしもろ〳〵ところよりかへりてユダののミヅパにきたりゲダリヤにいたれりしかしておほくの葡萄酒ぶだうしゆ菓物くだものをあつむ

13 又󠄂またカレヤのヨハナンおよび田舍ゐなかにをりし軍勢ぐんぜいかしらたちミヅパにきたりてゲダリヤのもとにいたり 14 かれにいひけるはなんぢアンモンびとわうバアリスがなんぢころさんとてネタニヤのイシマエルを遣󠄃つかはせしをるやとされどアヒカムのゲダリヤこれをしんぜざりしかば〘1034㌻〙 15 カレヤのヨハナン、ミヅパにてひそかにゲダリヤにかたりていひけるは請󠄃ふわれゆきてひとしれずにネタニヤのイシマエルをころさんいかでかれなんぢころなんぢあつまれるユダびとちらしユダの遺󠄃のこれるものほろぼすべけんやと 16 しかるにアヒカムのゲダリヤ、カレヤのヨハナンにいひけるはなんぢこのことをなすべからずなんぢイシマエルにつきていつはりをいふなり

第41章

1ぐわつごろわう血統ちすぢなるエリシヤマのネタニヤのイシマエルわうの十にん牧伯等つかさたちとともにミヅパにゆきてアヒカムのゲダリヤにいたりミヅパにてとも食󠄃しよくをなせしが 2 ネタニヤのイシマエルおよびともにをりし十にんもの起󠄃上たちあがりバビロンのわうがこの有司つかさとなせしシヤパンのアヒカムのなるゲダリヤをかたなにてころせり 3 イシマエルまたミヅパにゲダリヤとともにをりしすべてのユダヤびと彼處そこにをりしカルデヤびと兵卒へいそつころしたり

 1351㌻ 
4 かれがゲダリヤをころしてより二日ふつかのちいまだたれこれしらざりしとき 5 あるひと八十にんそのひげころもきずつけ素祭そさいものかうたづさへてシケム、シロ、サマリヤよりきたりてヱホバのいへにいたらんとせしかば 6 ネタニヤのイシマエル、ミヅパよりいでてきつつゆきかれらを迎󠄃むか彼等かれらあひてアヒカムのゲダリヤのもときたれといへり 7 しかしてかれまちうちいれしときネタニヤのイシマエルおのれともにある人々ひと〴〵とともにかれらをころしてそのしかばねあななげいれたり 8 たゞしそのうちの十にんイシマエルにむかひわれらは田地はたけ小麥こむぎ 麰麥おほむぎあぶらおよびみつかくもてわれらをころすなかれといひたればかれらをその兄弟きやうだいともころさずしてやみ 9 イシマエルがゲダリヤのをもてころせしひとしかばね投入なげいれしあなはアサわうがイスラエルのわうバアシヤをおそれてほりあななりネタニヤのイシマエルそのころせし人々ひと〴〵これみたせり 10 イシマエルはミヅパに遺󠄃のこりをるすべてたみすなはわう諸女むすめたち侍衞じゑいかしらネブザラダンがアヒカムのゲダリヤに交付あづけしところのミヅパに遺󠄃のこれるもろ〳〵たみとをとりこにせりネタニヤのイシマエルすなはちかれらをとりこにしアンモンびとゆかんとてれり

11 カレヤのヨハナンおよびかれとも軍勢ぐんぜいかしらたちネタニヤのイシマエルのなせもろ〳〵惡事あしきこときゝければ 12 その衆卒つはもの率󠄃ひきゐてネタニヤのイシマエルとたゝかはんとてでギベオンのいけほとりにてかれ遇󠄃 13 イシマエルととも人々ひと〴〵はカレヤのヨハナンおよびかれとともに軍勢ぐんぜいかしらたちをよろこべり 14 こゝをもてイシマエルがミヅパよりとらへきたりし所󠄃ところ人々ひと〴〵をめぐらしてカレヤのヨハナンのもとにゆけり〘1035㌻〙 15 ネタニヤのイシマエルは八にんものともにヨハナンを避󠄃逃󠄄にげてアンモンびとゆけ 16 カレヤのヨハナンおよびかれとともにある軍勢ぐんぜい長等かしらたちはネタニヤのイシマエルがアヒカムのゲダリヤをころしてミヅパよりとらへゆけるところのかの遺󠄃のこれるたみすなはち兵卒へいそつ婦󠄃人をんな兒女こども寺人じじんそのよりりかへしてこれをギベオンよりつれかへりしが
 1352㌻ 
17 進󠄃すすみてエジプトにいたらんとてベツレヘムの近󠄃傍ちかくにあるキムハムの住󠄃處すまひゆきとゞまれり 18 こはネタニヤのイシマエルがバビロンのわう此地このくに有司つかさとなしたるアヒカムのゲダリヤをころせしによりカルデヤびとおそれたればなり

第42章

1 こゝ軍勢ぐんぜいかしらたちおよびカレヤのヨハナンとホシャヤのヱザニヤならびたみ至微者いとちひさきものより至大者いとおほいなるものにいたるまで 2 みな預言者よげんしやヱレミヤのもときたりていひけるはなんぢ前󠄃まへわれらのもとめ受納󠄃うけいれられんことをねが請󠄃われ遺󠄃のこれるものためなんぢかみヱホバにいのれ(いまなんぢみるがごとくわれらは衆多おほくうち遺󠄃のこれるものにしてすくなきなり) 3 さらばなんぢかみヱホバわれらのあゆむべき途󠄃みちとなすべきことしめしたまはん 4 預言者よげんしやヱレミヤかれらにいひけるはわれなんぢらにきけなんぢらのことばしたがひてなんぢらのかみヱホバにいのらんおよそヱホバがなんぢらにこたへたまふことはわれかく所󠄃ところなくなんぢらにつぐべし 5 かれらヱレミヤにいひけるはねがはくはヱホバ我儕われらあひだにありて眞實まことなるしんずべき證者あかしとなりたまへわれらはなんぢかみヱホバのなんぢ遣󠄃つかはしてわれらにつげしめたまふすべてこと遵󠄅したがひておこなふべし 6 われらはよきにまれあしきにまれわれらがなんぢ遣󠄃つかはすところのわれらのかみヱホバのこゑ遵󠄅したがはんかくわれらのかみヱホバのこゑ遵󠄅したがひてわれらさいはひをうけん

7 十日とをかのちヱホバのことばヱレミヤにのぞみしかば 8 ヱレミヤ、カレヤのヨハナンおよびかれとも軍勢ぐんぜいかしらたちならびたみ至微者いとちひさきものより至大者いとおほいなるものまでをこと〴〵まねきて 9 これにいひけるはなんぢらがわれ遣󠄃つかはしてなんぢらのいのりさゝげしめしところのイスラエルのかみヱホバかくいひたま 10 なんぢらもしまことこのとゞまらばわれなんぢらをててたふさずなんぢらをうゑぬかじそはわれなんぢらにわざはひくだせしをくゆればなり 11 ヱホバいひたまふなんぢらがおそるるところのバビロンのわうおそるるなかかれをおそるるなかれわれなんぢらとともにありてなんぢらをすくかれよりなんぢらをすくふべし 12 われなんぢらをあはれみまたかれをしてなんぢらをあはれませなんぢらを故土ふるさとかへらしめん〘1036㌻〙
 1353㌻ 
13 されなんぢらもしわれらはこのとゞまらじなんぢらのかみヱホバのこゑ遵󠄅したがはじと 14 またしかりわれらはかの戰爭いくさらつぱこゑをきかず食󠄃物くひものとぼしからざるエジプトのにいたりて彼處かしこ住󠄃すまはんといはば 15 なんぢらユダの遺󠄃のこれるものよヱホバのことばをきけ萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルのかみかくいひたまふなんぢらもししひてエジプトにゆきて彼處かしこ住󠄃すまはば 16 なんぢらがおそるるところのつるぎエジプトのにてなんぢらにのぞなんぢらがおそるるところの饑饉ききんエジプトにてなんぢらにおよばんしかしてなんぢらは彼處かしこしぬべし 17 おほよそエジプトにおもむきいたりて彼處かしこ住󠄃すまはんとする人々ひと〴〵つるぎ饑饉ききん疫病えきびやうしぬべしそのうちにはわがかれらにくださんところのわざはひのがれて遺󠄃のこものなかるべし

18 萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルのかみかくいひたまふわが震怒いかり憤恨いきどほりのヱルサレムに住󠄃すめものそゝぎしごとくわが憤恨いきどほりなんぢらがエジプトにいらんときなんぢらにそゝがんなんぢらは呪詛のろひとなり詫異おどろきとなり罵詈ののしりとなり凌辱はづかしめとならんなんぢらはふたゝびこのところざるべしと 19 ユダの遺󠄃のこれるものよヱホバなんぢらにつきていひたまへりなんぢらエジプトにゆくなかれとなんぢ今日けふわがなんぢらをいましめしことをたしか 20 なんぢわれなんぢらのかみヱホバに遣󠄃つかはしてへりわれらのためわれらのかみヱホバにいのわれらのかみヱホバのなんぢしめしたまふことをことごとくわれらにつげわれこれおこなはんとかくなんぢらみづかあざむけり 21 われ今日けふなんぢらにつげたれどなんぢらはなんぢらのかみヱホバのこゑ遵󠄅したがはずなんぢらはヱホバがわれ遣󠄃つかはしてめいぜしめたまひしことにはすべ遵󠄅したがはざりき 22 されなんぢらはそのゆき住󠄃すまんとねがふところにてつるぎ饑饉ききん疫病えきびやうしぬることをいまたしかるべし

第43章

1 ヱレミヤすべてたみにむかひてそのかみヱホバのことばこと〴〵べそのかみヱホバがおのれ遣󠄃つかはしていはしめたまへるそのもろ〳〵ことばのべをはりしとき 2 ホシャヤのアザリヤ、カレヤのヨハナンおよびたかぶひとみなヱレミヤにかたりていひけるはなんぢいつはりをいふわれらのかみヱホバはエジプトにゆきて彼處かしこ住󠄃なかれとなんぢをつかはしていはせたまはざるなり
 1354㌻ 
3 ネリヤのバルクなんぢそそのかしてわれらに逆󠄃さからはしむこれわれらをカルデヤびとわたしてころさしめバビロンにうつさしめんためなり 4 かくカレヤのヨハナンと軍勢ぐんぜい長等をさたちおよびたみみなヱホバのこゑ遵󠄅したがはずしてユダの住󠄃すむことをせざりき 5 かくてカレヤのヨハナンと軍勢ぐんぜい長等かしらたちはユダに遺󠄃のこれるものすなはちその逐󠄃おひやられし國々くに〴〵よりユダの住󠄃すまんとてかへりしもの 6 をとこをんな嬰孩こどもわうむすめたちおよびすべ侍衞じゑいかしらネブザラダンがシヤパンのなるアヒカムのゲダリヤにわたおきものならび預言者よげんしやヱレミヤとネリヤのバルクをとり〘1037㌻〙 7 エジプトのいたれりかれかくヱホバのこゑ遵󠄅したがはざりきしかして遂󠄅ついにタパネスにいたれり

8 ヱホバのことばタパネスにてヱレミヤにのぞみていふ 9 なんぢおほいなるいしりユダの人々ひと〴〵前󠄃まへにてこれをタパネスにるパロのいへ入口いりくちほとりなる磚窰かまど泥土つちうちかくして 10 かれらにいへ萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルのかみかくいひたまふよわれ使者つかひ遣󠄃つかははしてわがしもべなるバビロンのわうネブカデネザルをまねきそのくらゐをこのかくしたるいしうへすゑしめんかれ錦繡にしきをそのうへしくべし 11 かれきたりてエジプトのさだまれるものしなしめとりこさだまれるものとりこにしつるぎさだまれるものつるぎにかけん 12 われエジプトの諸神かみがみいへもやさんネブカデネザルこれきかれらをとりこにせんしかしてひつじもののそのころもまとふがごとくエジプトのをそのまとはんかれ安然やすらか其處そこをさるべし 13 かれはエジプトののベテシメシの偶像ぐうざうこぼをもてエジプトびと諸神かみがみいへやくべし

第44章

1 エジプトの住󠄃すめるところのユダの人衆ひと〴〵すなはちミグドル、タパネス、ノフ、パテロスの住󠄃すめものことにつきてヱレミヤにのぞみしことばいは 2 萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルのかみかくいふなんぢらはわがヱルサレムとユダの諸邑まち〳〵くだせしところのわざはひをみたりよこれらは今日けふすでに空󠄃曠あれちとなりて住󠄃ひとなし
 1355㌻ 
3 こはかれあくをなしてわれいからせしによるすなはちかれらはおのれなんぢらもなんぢらの先祖等せんぞたちしらざるところのほかかみにゆきてかうかつこれにつかへたり 4 われわがしもべなる預言者よげんしやたちをなんぢらに遣󠄃つかはしきりにこれを遣󠄃つかはして請󠄃なんぢらわが嫌󠄃きらふところのこの憎にくむべきことおこななかれといはせけるに 5 かれかずみゝかたむけずほかかみかうきてそのあくはなれざりし 6 これによりてわが震怒いかりとわが憤恨いきどほりユダの諸邑まち〳〵とヱルサレムのちまたにそそぎてこれやきたれば其等それら今日こんにちのごとくれかつ傾圮ほろびたり 7 萬軍ばんぐんかみイスラエルのかみヱホバいまかくいふなんぢいかなればおほいなるあくをなしておのれ靈魂たましひ害󠄅がいしユダのうちよりなんぢらのをとこをんな孩童こども乳󠄃哺子ちのみごたち一人ひとり遺󠄃のこらざらしめんとするや 8 いかなればなんぢその行爲わざをもてわれいからせなんぢらがゆき住󠄃すまふところのエジプトのおいほかかみかうきておのれほろぼ萬國ばんこくうち呪詛のろひとなり凌辱はづかしめとならんとするや〘1038㌻〙 9 ユダのとヱルサレムのちまたにておこなひしなんぢらの先祖等せんぞたちあくユダの王等わうたちあくそのつまあくおよびなんぢらのあくなんぢらのつまあくなんぢわすれしや 10 かれらは今日こんにちにいたるまでいずまたおそれずなんぢらとなんぢらの先祖等せんぞたち前󠄃まへたてたるわが律法おきてとわが典例さだめしたがひてあゆまざるなり

11 是故このゆえ萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルのかみかくいふよわれかほなんぢらにむけてわざはひくだしユダの人衆ひと〴〵こと〴〵たゝ 12 又󠄂またわれエジプトのにすまんとてそのかほをこれにむけてゆきしところのかのユダの遺󠄃のこれるものらんかれらはみなほろぼされてエジプトのたふれんかれらはつるぎ饑饉ききんほろぼされ微者ちひさきもの大者おほいなるものつるぎ饑饉ききんによりてしぬべししかして呪詛のろひとなり詫異おどろきとなり罵詈ののしりとなり凌辱はづかしめとならん 13 われヱルサレムをばつせしごとつるぎ饑饉ききん疫病えきびやうをもてエジプトに住󠄃すめものばつすべし 14 こゝをもてエジプトのゆき彼處かしこ住󠄃すめるところのユダの遺󠄃のこれるものうち一人ひとり逃󠄄のがれまたは遺󠄃のこりてそのこゝろにしたひてかへ住󠄃すまはんとねがふところのユダのかへるものなかるべし逃󠄄のがるるものほかにはかへものなかるべし

 1356㌻ 
15 こゝおいてそのつまかうほかかみたきしことをれる人々ひと〴〵および其處そこてる婦󠄃人等をんなたちおほいなる群衆ぐんしうならびにエジプトののパテロスに住󠄃すめるところのたみヱレミヤにこたへていひけるは 16 なんぢがヱホバのをもてわれらに述󠄃のべことばわれかじ 17 われらはかならわれらのくちよりいづことばおこなわれらがもとなせしごとかう天后てんかうきまたさけをその前󠄃まへそゝぐべしすなはちユダの諸邑まち〳〵とヱルサレムのちまたにてわれらとわれらの先祖等せんぞたちおよびわれらの王等わうたちわれらの牧伯等きみたちおこなひしごとくせん當時かのときわれらはかて飽󠄄き福《さいはひ 18 われ天后てんかうかうくことをさけをその前󠄃まへそゝがずなりしときよりすべてものとぼしくなりつるぎ饑饉ききんほろぼされたり 19 われらが天后てんかうかうさけをその前󠄃まへそゝぐにあたりてこれかたどりてパンをつくさけそゝぎしはわれらの夫等をつとたちゆるせしことにあらずや

20 ヱレミヤすなは男女をとこをんなすべて人衆ひと〴〵および此言このことばをもてこたへたるすべてたみにいひけるは 21 ユダの諸邑まち〳〵とヱルサレムのちまたにてなんぢらとなんぢらの先祖等せんぞたちおよび汝等なんぢら王等わうたちなんぢらの牧伯等きみたちおよびそのたみかうたきしことはヱホバこれおぼえまたこゝろおもひたまふにあらずや 22 ヱホバはなんぢらのあしわざのためなんぢらの憎にくむべきおこなひためふたゝ忍󠄄しのぶことをえせざりきこのゆゑなんぢらの今日こんにちのごとく荒地あれちとなり詫異おどろきとなり呪詛のろひとなり住󠄃ひとなきとなれり〘1039㌻〙 23 なんぢかうきヱホバにつみをかしヱホバのこゑきゝしたがはずその律法おきて憲法のり證詞あかししたがひてあゆまざりしにより今日こんにちのごとくこのわざはひなんぢらにおよべり

24 ヱレミヤまたすべてのたみ婦󠄃等をんなたちにいひけるはエジプトのるユダの子孫ひと〴〵よヱホバのことばをきけ 25 萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルのかみかくいひたまふなんぢらとなんぢらの妻等つまらくちをもていひをもてわれかう天后てんかうさけそゝぎてたてしところのちかひかなら成就なしとげんといふなんぢかならちかひをたてかならずそのちかひ成就なしとげんとす
 1357㌻ 
26 このゆゑにエジプトの住󠄃すめるユダの人々ひと〴〵よヱホバのことばをきけヱホバいひたまふわれわがおほいなるさしちかふエジプトの全󠄃地ぜんちにユダの人々ひと〴〵一人ひとりもそのくちしゆヱホバはくといひてふたゝわがとなふることなきにいたらん 27 よわれかれらをうかがはんこれさいはひをあたふるためにあらずわざはひをくださんためなりエジプトのるユダの人々ひと〴〵つるぎ饑饉ききんほろびてたゆるにいたらん 28 されつるぎ逃󠄄のがるる僅少わづかものはエジプトのいでてユダのかへらん又󠄂またエジプトのにゆきて彼處かしこ寄寓やどれるユダの遺󠄃のこれるものはそのたつところのことばわれのなるかかれらのなるかをるにいたるべし 29 ヱホバいひたまふわがこのところにてなんぢらをばつするしるしこれなりわれかくしてわがなんぢらにわざはひをくださんといひしことばかならたつことをしらしめん 30 すなはちヱホバかくいひたまふよわれユダのわうゼデキヤをその生命いのちもとむるてきなるバビロンのわうネブカデネザルのわたせしがごとくエジプトのわうパロホフラをそのてきその生命いのちもとむるものわたさん

第45章

1 ユダのわうヨシヤのヱホヤキムの四ねんネリヤのバルクが此等これらことばをヱレミヤのくちにしたがひてふみしるせしとき預言者よげんしやヱレミヤこれにかたりていひけるは 2 バルクよイスラエルのかみヱホバなんぢにかくいひたま 3 なんぢかつていへり嗚呼あゝわれわざはひなるかなヱホバわがうれへかなしみくはへたまへりわれなげきてつかやすきをえずと 4 なんぢかくかれかたれヱホバかくいひたまふよわれわがたてしところのものこぼわがうゑしところのものぬかこれこの全󠄃地ぜんちなり 5 なんぢおのれのためおほいなることもとむるかこれをもとむるなかよわれわざはひをすべてのたみくださんされなんぢ生命いのちわれなんぢのゆかんすべてところにてなんぢ掠物ぶんどりものとならしめんとヱホバいひたまふ

第46章

1 こゝにヱホバのことば預言者よげんしやヱレミヤにのぞみて諸國くにぐにこと

 1358㌻ 
2 まづエジプトのことすなはちユフラテがはほとりなるカルケミシの近󠄃傍ちかくにをるところのエジプトわうパロネコの軍勢ぐんぜいことこれはユダのわうヨシヤのヱホヤキムの四ねんにバビロンのわうネブカデネザルがうちやぶりしものなりそのことばにいはく
〘1040㌻〙
3 なんぢ大楯おほたて小干こたてそなへて進󠄃すゝたゝか 4 むまくるまつなむまかぶとかぶりてほこみがよろひ 5 われるにかれらはおそれて退󠄃しりぞきその勇士ゆうし打敗うちやぶられ狼狽あわてにげうしろをかへりみずこれ何故なにゆゑぞや畏懼おそれかれらのまはりにありとヱホバいひたまふ 6 快足あしばやなるもの逃󠄄にげえず强者つよきもののがれえずみなきたかたにてユフラテがはかたはらつまづたふれん 7 かのナイルのごとくにわきあがりかはのごとくにそのみづさかまくものたれぞや 8 エジプトはナイルのごとくにわきあがりそのみづかはごとくに逆󠄃さかまくなりしかしていふわれのぼりておほまちとそのうち住󠄃すめものとをほろぼさん 9 汝等なんぢらむまくるま驅馳かりはしらせよ勇士ゆうしたてるエテオピアびとプテびとおよびゆみくルデびと進󠄃すゝみいづべし 10 しゆなる萬軍ばんぐんのヱホバの復仇あだがへしすなはちそのてきあだかへたまなりつるぎ食󠄃くらひて飽󠄄きそのはんしゆなる萬軍ばんぐんのヱホバきたにてユフラテがはほとりほふることをなしたまへばなり 11 處女をとめよエジプトのむすめよギレアデにのぼりて乳󠄃香にうかうなんぢおほくのくすりもちふるもえきなしなんぢいえざるべし 12 なんぢ恥辱はぢ國々くに〴〵にきこえんなんぢ號泣さけび滿てり勇士ゆうし勇士ゆうしにうちふれてともにたふ

13 バビロンのわうネブカデネザルがきたりてエジプトのうたんとすることにつきてヱホバの預言者よげんしやヱレミヤにつげたまひしことば

14 なんぢらエジプトにべミグドルにしめ又󠄂またノフ、タパネスにしめしいふべしなんぢかたちてみづかそなへつるぎなんぢの四周󠄃まはり食󠄃くらひたればなり 15 なんぢちからあるものいかにしてはらのぞかれしやそのたゝざるはヱホバこれをたふしたまふにるなり
 1359㌻ 
16 かれおほくものつまづかせたまふひとそのともうへたふれかさなりしかしていふ起󠄃たてわれほろぼすところのつるぎ避󠄃けてわがくににかへり故土ふるさとにいたらんと 17 ひと彼處かしこさけびてエジプトのわうパロはほろぼされたりかれ機會をりうしなへりといふ 18 萬軍ばんぐんのヱホバとなのりたまふところのわういひたまふわれかれ山々やま〳〵うちのタボルのごとくうみほとりのカルメルのごとくにきたらん 19 エジプトに住󠄃すめをんななんぢ移轉ひきうつり器皿うつはそなへよそはノフは荒蕪あれちとなりやかれて住󠄃ひとなきにいたるべければなり 20 エジプトは至美いとうるはしきこうしのごとし蜚虻うしばへきたりきたかたよりきた 21 またそのうち傭人やとはれびとこえたるこうしのごとしかれ轉向ふりかへりてともに逃󠄄たつことをせずこれそのほろぼさるるいたりそのばつせらるるとききたりたればなり〘1041㌻〙 22 かれへびごとこゑをいだすかれ軍勢ぐんぜい率󠄃ひきゐてきた樵夫きこりごとをのをもてこれにのぞめり 23 ヱホバいひたまかれらはさぐりえざるにりてかれはやしきりたふせり彼等かれら蝗蟲いなごよりもおほくしてかずへがたし 24 エジプトのむすめはづかしめられきたたみわたされん 25 萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルのかみいひたまよわれノフのアモンとパロとエジプトとその諸神かみがみとその王等わうたちすなはちパロとかれをたのむものとをばつせん 26 われかれらをその生命いのちもとむるものとバビロンのわうネブカデネザルのとその臣僕しもべわたすべしそののちこのむかしのごとくひと住󠄃むところとならんとヱホバいひたまふ

27 わがしもべヤコブよおそるるなかれイスラエルよおどろなかよわれなんぢ遠󠄄方とほくよりすくひきたりなんぢ子孫しそんをその擄移とらへうつされたるよりすくひとるべしヤコブはかへりて平󠄃安へいあん寧靜やすきをえんかれおそれしむるものなかるべし 28 ヱホバいひたまふわがしもべヤコブよなんぢおそるるなかわれなんぢともにあればなりわれんぢ逐󠄃おひやりし國々くに〴〵こと〴〵ほろぼすべけれどなんぢをばこと〴〵くはほろぼさじわれ道󠄃みちをもてなんぢこらなんぢ全󠄃まつたくはつみなきものとせざるべし
 1360㌻ 

第47章

1 パロがガザをうたざりしさきにペリシテびとことにつきて預言者よげんしやヱレミヤにのぞみしヱホバのことば 2 ヱホバかくいひたまふみづきたより起󠄃おこ溢󠄃あふれながれてこのそのうちもろ〳〵ものとそのまちそのうち住󠄃すめものとに溢󠄃あふれかかるべしそのとき人衆ひと〴〵さけびこの住󠄃すめものみななげくべし 3 そのたくましきむまひづめたつる音󠄃おとのためそのくるまひびきのためそのとどろきのために父󠄃ちゝ弱󠄃よわりておのれ子女こども顧󠄃かへりみざるなり 4 これペリシテびとほろぼしつくしツロとシドンにのこりて助力たすけをなすものこと〴〵たやきたればなりヱホバ、カフトルの遺󠄃のこれるペリシテびとほろぼしたまふべし 5 ガザにはかみるのことはじまるアシケロンとその剩餘のこり平󠄃地ひらちほろぼさるなんぢいつまできずつくるや 6 ヱホバのつるぎなんぢいつまでやすまざるやなんぢさやかへりてやすしづまれ 7 ヱホバこれにめいじたるなればいかでやすむことをえんやアシケロンと海邊うみべせむることをさだめたまへり

第48章

1 萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルのかみモアブのことにつきてかくいひたまふ嗚呼あゝネボはわざはひなるかなこれほろぼされたりキリヤタイムははづかしめられてられミスガブははづかしめられてこぼたる 2 モアブの榮譽ほまれうせさりぬヘシボンにて人衆ひと〴〵モアブの害󠄅がいはか去來いざこれちてくにをなさざらしめんといふマデメンよなんぢほろぼされんつるぎなんぢ追󠄃はん〘1042㌻〙 3 ホロナイムより號咷さけびこゑきこゆ毀敗やぶれおほいなる滅亡ほろびあり 4 モアブほろぼされてその嬰孩等こどもら號咷さけびきこ 5 かれらはなげなげきてルヒテのさかのぼてきはホロナイムのくだみちにて滅亡ほろび號咷さけびをきけり 6 逃󠄄にげなんぢらの生命いのちすく曠野あらのすてられたるものごとくなれ 7 なんぢなんぢ工作わざ財寶たからたのむによりてなんぢとらへられん又󠄂またケモシはその祭司さいしおよびその牧伯等きみたちともとらへうつさるべし 8 殘害󠄅者ほろぼすものすべてまちきたらんひとつまちまぬがれざるべしたにほろぼされ平󠄃地ひらちあらされんヱホバのいひたまひしがごとし
 1361㌻ 
9 つばさをモアブにあたへてとびさらしむその諸邑まち〳〵あれ住󠄃すむものなからん 10 ヱホバのわざおこなふておこたもののろはれ又󠄂またそのつるぎをおさへてながさざるもののろはる

11 モアブはその幼時いとけなきときより安然やすらかにしてさけそのおりのうへにとざまりてこのうつはよりかのうつはくみうつされざるがごとくなりきかれとらへうつされざりしによりそのあぢはひなほたもちその香氣にほひかはらざるなり 12 ヱホバいひたまふこのゆゑにわがこれをかたむくるもの遣󠄃つかははすきたらんかれらすなはちこれかたむそのうつはをあけそのとくりくだくべし 13 モアブはケモシのためにはぢをとらんこれイスラエルのいへがそのたのめるところのベテルのためにはぢをとりしがごとくなるべし 14 なんぢなんわれらは勇士ゆうしなりつよ軍人いくさびとなりといふや 15 モアブはほろぼされその諸邑まち〳〵あがりその選󠄄擇えりぬき壯者わかものくだりてころさる萬軍ばんぐんのヱホバとなのわうこれをいひたま 16 モアブの滅亡ほろび近󠄃ちかづけりそのわざはひ速󠄃すみやかきた 17 おほよその四周󠄃まはりにあるものかれのためになげけそのものつよ竿さをうるはしきつゑいかにしてをれしやといへ 18 デボンに住󠄃すめむすめさかえをはなれてくだかわけるせよモアブをやぶものなんぢにきたりてなんぢしろほろぼさん 19 アロエルに住󠄃すめ婦󠄃をんな道󠄃みちかたはらにたちてうかが逃󠄄にげきたるもののがれいたるものこといかんと 20 モアブはやぶられてはぢをとるなんぢよばはりさけびモアブはほろぼされたりとアルノンにつげ 21 鞫災さばき平󠄃地ひらちのぞみホロン、ヤハヅ、メパアテ 22 デボン、ネボ、ベテデブラタイム 23 キリヤタイム、ベテガムル、ベテメオン 24 ケリオテ、ボズラ、モアブの諸邑まち〳〵遠󠄄とほものにも近󠄃ちかものにものぞめり 25 モアブのつのくだそのひぢをれたりとヱホバいひたまふ

26 なんぢらモアブをはしめよかれヱホバにむかひておごりたかぶればなりモアブはそのはきたるものまろびて笑柄わらひぐさとならん〘1043㌻〙
 1362㌻ 
27 イスラエルはなんぢ笑柄わらひぐさにあらざりしやかれ盜人ぬすびとうちにありしやなんぢかれことかたるごとにかうべふりたり 28 モアブに住󠄃すめものなんぢまちはなれていはにすめ穴󠄄あなくちかたはらつく斑鳩やまばとごとくせよ 29 われらモアブの驕傲たかぶりをきけりその驕傲たかぶりはなはだしすなはその驕慢おごり矜高たかぶり驕誇ほこりおよびそのこゝろみづかたかくするをきけ 30 ヱホバいひたまふわれモアブの驕傲たかぶりとそのことばむなしきとをかれらはいつはりおこなふなり 31 このゆゑわれモアブのためさけびモアブの全󠄃地ぜんちためよばはるキルハレスの人々ひと〴〵ため嗟歎なげきあり 32 シブマの葡萄ぶだうよわれヤゼルの哭泣なげきにこえてなんぢためになげくべしなんぢつるうみのびてヤゼルのうみにまでいたる掠奪者かすむるものきたりてなんぢ葡萄ぶだうをとらん 33 欣喜よろこび歡樂園たのしみそのとモアブのをはなれわれ酒醡さかぶねさけからしめんよばはりて葡萄ぶだうふむものなかるべしその喚呼よばはり葡萄ぶだうをふむ喚呼よばはりにあらざらん 34 ヘシボンよりエレアレとヤハヅにいたりゾアルよりホロナイムとエグラテシリシヤにいたるまでひとこゑぐそはニムリムのみづまでもたえたればなり 35 ヱホバいひたまふわれ祭物そなへもの崇邱たかきところさゝかうをその諸神かみがみくところのものをモアブのうちほろぼさんと

36 このゆゑわがこゝろはモアブのためふえのごとくなげわがこゝろはキルハレスの人衆ひと〴〵のためにふえのごとくなげこれそのたるところのたからうせたればなり 37 ひとみなそのかみみなそのひげをそりみなそのきずつこし麻󠄃布あさぬのをまとはん 38 モアブにては家蓋やねうへちまたのうちに遍󠄃あまね悲哀かなしみありそはわれこゝろ適󠄄かなはざるうつはのごとくにモアブをくだきたればなりとヱホバいひたまふ 39 嗚呼あゝモアブはほろびたりかれらはさけ嗚呼あゝモアブははぢかほそむけたりモアブはその四周󠄃まはりもの笑柄わらひぐさとなり恐懼おそれとなれり 40 ヱホバかくいひたまふてきわしのごとくに飛來とびきたりてつばさをモアブのうへにのべ 41 ケリオテはられしろはみなうばはるそのにはモアブの勇士ゆうしこゝろ婦󠄃をんなのごとくになるべし
 1363㌻ 
42 モアブはヱホバにむかひてほこりしゆゑにほろぼされてふたゝくになさざるべし 43 ヱホバいひたまふモアブにすめるもの恐怖おそれ陷阱あなわななんぢのぞめり 44 恐怖おそれをさけて逃󠄄にぐるものは陷阱あなにおちいり陷阱あなよりいづるものはわなにとらへられんはわれモアブにそのばつをうくべきとしをのぞましむればなりヱホバこれをいふ

45 遁逃󠄄者にぐるものちからなくしてヘシボンのかげヘシボンより火焔ほのほシホンのうちよりいでてモアブのおよび喧閙さわぎをなすものかうべいたゞきやけばなり〘1044㌻〙 46 嗚呼あゝわざはひなるかなモアブよケモシのたみほろびたりすなはなんぢ諸子むすこらとらへうつされなんぢ女等むすめらとらへゆかれたり 47 されすゑわれモアブの擄移とらへうつされたるもの返󠄄かへさんとヱホバいひたまこゝまではモアブのさばきをいへることばなり

第49章

1 アンモンびとことにつきてヱホバかくいひたまふイスラエルになからんや嗣子よつぎなからんやいかなればかれらのわうガドを受嗣うけつかれたみその邑々まち〳〵住󠄃すむ 2 ヱホバいひたまふ是故このゆえよわが戰鬪たたかひ號呼さけびをアンモンびとのラバにきこえしむるいたらんラバは荒垤くづれづかとなりその女等むすめらやかれんそのときイスラエルはおのれの嗣者よつぎとなりし者等ものども嗣者よつぎとなるべしヱホバこれをいひたまふ 3 ヘシボンよさけべアイはほろびたりラバのむすめたちよよばはれ麻󠄃布あさぬのにまとひなげきまがきのうちにはしれマルカムとその祭司さいしおよびその牧伯等きみたちともとらうつされたり 4 なんぢいかなればたにことほこるやそむけるむすめなんぢたにながるるなりなんぢ財貨たから倚賴よりたのみていふたれわれきたらんと 5 しゆなる萬軍ばんぐんのヱホバいひたまふわれ畏懼おそれなんぢ四周󠄃まはりものよりなんぢきたらしめんなんぢらおのおの逐󠄃おはれてたゞちにすすまん逃󠄄にぐものあつむるひとなかるべし
 1364㌻ 
6 されのちにいたりてわれアンモンびと擄移とらへうつされたるもの返󠄄かへさんとヱホバいひたまふ

7 エドムのことにつきて萬軍ばんぐんのヱホバかくいひたまふテマンのうちには智慧󠄄ちゑあることなきにいたりしや明哲者さときものには謀略はかりごとあらずなりしやその智慧󠄄ちゑつきはてしや 8 デダンに住󠄃すめもの逃󠄄にげのがれよふかかくれよわれエサウの滅亡ほろびをかれのうへにのぞませかればつするときをきたらしむべし 9 葡萄ぶだうあつむるものもしなんぢきたらば少許すこしをもあまさざらんもし夜間よる盜人ぬすびときたらばその飽󠄄あくまでほろぼさん 10 われエサウをはだかにし又󠄂またその隱處かくしどころあらはにせんかれかくすことをえざるべしそのすゑ兄弟きやうだい隣舍となりほろぼされんしかしてかれあらずなるべし 11 なんぢ孤子みなしご遺󠄃のこせわれこれ生存ながらへしめんなんぢやもめわれ倚賴よりたのむべし 12 ヱホバかくいひたまさかづきのむべきにあらざるものもこれをのまざるをえざるなればなんぢまつたくばつまぬかるることをえんやなんぢばつまぬかれじなんぢこれをのまざるべからず 13 ヱホバいひたまふわれおのれをしてちかふボズラは詫異おどろきとなり羞辱はづかしめとなり荒地あれちとなり呪詛のろひとならんその諸邑まち〳〵なが荒地あれちとなるべし

14 われヱホバより音󠄃信おとづれをきけり使者つかひ遣󠄃つかはされて萬國ばんこくにいたりなんぢあつまりてかれめきたり起󠄃たちたゝかへよといへり 15 よわれなんぢ萬國ばんこくうち小者ちひさきものとなし人々ひと〴〵うちいやしめらるるものとなせり 16 いは隱場かくればにすみやま高處たかみしむものなんぢおそろしきことなんぢこゝろ驕傲たかぶりなんぢあざむけりなんぢわしのごとくにたかところつくりたれどもわれ其處そこよりなんぢくださんとヱホバいひたまふ〘1045㌻〙 17 エドムは詫異おどろきとならんおほよ其處そこ過󠄃すぐものおどろきその災害󠄅わざはひのためにわらふべし 18 ヱホバいひたまふソドムとゴモラとそのとなり邑々まち〳〵ほろびしがごとく其處そこ住󠄃ひとなく其處そこ宿やどひとなかるべし 19 てき獅子しゝのヨルダンのくさむらよりのぼるがごとくかたすまひめきたらんわれたゞちかれ其處そこより逐󠄃奔おひはしらせわが選󠄄えらみたるものをそのうへてんたれわれのごときものあらんたれわがため時期ときさだめんやいづれ牧者ぼくしやわが前󠄃まへにたつことをえん

 1365㌻ 
20 さればエドムにつきてヱホバのはかりたまひし御謀みはかりとテマンに住󠄃すめものにつきておもひたまひしおもひをきけむれ弱󠄃者よわきものはかならずひきゆかれんかれかならずかれらの住󠄃宅すまひほろぼすべし 21 その傾圮たふれひびきによりてふる號咷さけびありそのこゑ紅海こうかいにきこゆ 22 みよかれわしのごとくにのぼびそのつばさをボズラのうへべんそのエドムの勇士ゆうしこゝろ婦󠄃をんなこゝろごとくならん

23 ダマスコのこと ハマテとアルパデはづそはあし音󠄃信おとづれをきけばなりかれらはこゝろうしなへりうみうへ恐懼おそれありやすものなし 24 ダマスコは弱󠄃よわをめぐらして逃󠄄にげんとす恐懼おそれこれにおよ憂愁うれへ痛劬いたみうみ婦󠄃をんなにあるごとくこれにおよぶ 25 頌美ほまれあるまちわがよろこぶところのまちいかなればすてさらざるや 26 さればその壯者わかきものちまたたふ兵卒へいそつこと〴〵ほろぼされんと萬軍ばんぐんのヱホバいひたまふ 27 われをダマスコの石垣いしがきうへもやしベネハダデの殿舍やかたをことごとくくべし

28 バビロンのわうネブカデネザルがうちたるケダルとハゾルの諸國くにぐにことにつきて
  ヱホバかくいひたまふなんぢ起󠄃たちてケダルにのぼひがし衆人ひと〴〵ほろぼ
29 その幕屋まくやとそのひつじむれ彼等かれらこれをりそのまくとそのもろ〳〵うつは駱駝らくだとは彼等かれらこれをうばひとらんひとこれにむか惶懼おそれ四方よもにありとよばはるべし 30 ヱホバいひたまふハゾルに住󠄃すめもの逃󠄄にげ急󠄃すみやかはしりゆきふかところれバビロンのわうネブカデネザルなんぢらをせむる謀略はかりごと運󠄃めぐらしなんぢらをせむる術計てだてまうけたればなり 31 ヱホバいひたまなんぢ起󠄃たちおだやなるやすらかに住󠄃めるたみ所󠄃ところのぼかれらはもんもなくくわんもなくしてひとりすまふなり 32 その駱駝らくだ擄掠ぶんどりとせられそのおほくけものうばはれんわれかのすみもの四方よもちらしその滅亡ほろび八方やもよりきたらせんとヱホバいひたまふ
 1366㌻ 
33 ハゾルは山犬やまいぬすまひとなりいつまでも荒蕪あれちとなりをらん彼處かしこ住󠄃ひとなく彼處かしこ宿やどひとなかるべし
〘1046㌻〙
34 ユダのわうゼデキヤがくらゐつきはじめのころヱホバのことば預言者よげんしやヱレミヤにのぞみてエラムのことをいふ 35 萬軍ばんぐんのヱホバかくいひたまふよわれエラムが權能ちからとしてたのむところのゆみらん 36 われてん四方しはうより四方よもかぜをエラムにきたらせかれらを四方よもかぜちらさんエラムより追󠄃出おひいださるるもののいたらざるくにはなかるべし 37 ヱホバいひたまふわれエラムをしてそのてき前󠄃まへとその生命いのちもとむるものの前󠄃まへおそれしめんわれわざはひをくだしわがはげしきいかりをそのうへにいたらせんまたわれつるぎをそのうしろにつかはしてこれをほろぼつくすべし 38 われわがくらゐをエラムにわう牧伯等きみたち其處そこよりほろぼしたたんとヱホバいひたまふ 39 されすゑにいたりてわれエラムのとらへうつされたるもの返󠄄かへすべしとヱホバいひたまふ

第50章

1 ヱホバ預言者よげんしやヱレミヤによりてバビロンとカルデヤびとのことをかたたまひしことば 2 なんぢ國々くに〴〵うちげまた宣示ふれしめはたたてかくすことなく宣示ふれしめしてへバビロンはられベルははづかしめられメロダクはくだかれそのざうはづかしめられその木像もくざうくだかると 3 そはきたかたよりひとつ國人くにびときたりてこれめそのあらして其處そこ住󠄃ものなからしむればなりひとけものみな逃󠄄去にげされり 4 ヱホバいひたまふそのそのときイスラエルの子孫しそんかへりきたらんかれらとともにユダの子孫しそんかへりきたるべしかれらはなげきつつゆきてそのかみヱホバに請󠄃求こひもとむべし 5 かれかほをシオンにむけてそのみちきたわれらは永遠󠄄えいゑんわするることなき契󠄅約けいやくをもてヱホバにつらならんといふべし

6 我民わがたみ迷󠄃まよへるひつじむれなりその牧者かふものこれをいざなひてやまにふみ迷󠄃まよはしめたればやまよりをかとゆきめぐりてその休息所󠄃やすむところわすれたり
 1367㌻ 
7 これ遇󠄃ふものみなこれ食󠄃くらふそのてきいへりわれらはつみなしかれらヱホバすなはちただしきのある所󠄃ところその先祖せんぞ望󠄇のぞみしところなるヱホバにつみをかしたるなり 8 なんぢらバビロンのうちより逃󠄄にげよカルデヤびとよりいでむれ前󠄃まへにゆくところの牡山羊をやぎのごとくせよ 9 よわれおほいなる國々くに〴〵よりひと起󠄃おこしあつめてきたよりバビロンにきたらしめんかれこれにむかひてそなへをたてんこれすなはちとらるべしかれらの空󠄃むなしく返󠄄かへらざるかしこ勇士ゆうしのごとくなるべし 10 カルデヤはひとかすめられんこれかすむるものみな飽󠄄あくことをえんとヱホバいひたまふ

11 わが產業さんげふかすむものなんぢらはよろこたのし穀物こくもつこなこうしのごとくに躍󠄃をど牡馬をうまのごとくいななけども〘1047㌻〙 12 なんぢらのはゝいたはづかしめられんなんぢらをうみしものははづべし國々くに〴〵うち終󠄃末をはりもの荒野あれのとなりかわけるとなり沙漠すなはらとならん 13 ヱホバのいかりのためこれ住󠄃ものなくしてこと〴〵荒地あれちとなるべしバビロンを過󠄃すぐものみなそのわざはひおどろかつわらはん 14 およゆみものよバビロンの四周󠄃まはりそなへをなしてをしまずしてこれよそはかれヱホバにつみをかしたればなり 15 その四周󠄃まはりをめさけびてせめめかかれこれぶその城堞へいたふれその石垣いしがき崩󠄃くづこれヱホバあだかへしたまふなりなんぢらこれにあだかへこれおこなひしごとくこれおこな 16 播種者たねまくものおよび穡收時かりいれどきかまものをバビロンにたやせそのほろぼすところのつるぎおそれてひとおのおのそのたみかへおの〳〵その故土ふるさと逃󠄄にぐべし

17 イスラエルはちらされたるひつじにして獅子しゝこれ追󠄃はじめにアツスリヤのわうこれ食󠄃くらのちにこのバビロンのわうネブカデネザルそのほねくだけり 18 このゆゑ萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルのかみかくいひたまふよわれアツスリヤのわうばつせしごとくバビロンのわうとそのばつせん 19 われイスラエルをふたゝびその牧場まきかへさんかれカルメルとバシヤンのうへくさをくらはんまたエフライムとギレアデのやまにてそのこゝろ飽󠄄あかすべし
 1368㌻ 
20 ヱホバいひたまふ其日そのひそのときにはイスラエルのとが尋󠄃たづぬるもらず又󠄂またユダのつみ尋󠄃たづぬるも遇󠄃あはじそはわれわがのこせしところのものゆるすべければなり

21 ヱホバいひたまふなんぢのぼりてもとれるくにばつうくべきたみめそのうしろよりこれあら全󠄃まつたくこれをほろぼわがなんぢらにめいぜしごとくおこなふべし 22 その戰鬪いくささけびおほいなる敗壤ほろびあり 23 嗚呼あゝ全󠄃地ぜんちくだきしつちくだくるかな嗚呼あゝバビロン國々くに〴〵うち荒地あれちとなるかな 24 バビロンよわれなんぢをとるためにわなけりなんぢとらへらるれどもしらなんぢヱホバにてきせしにより尋󠄃たづねられてとらへらるるなり 25 ヱホバくらひらきてそのいかりの武器ぶきをいだしたまふこれしゆなる萬軍ばんぐんのヱホバ、カルデヤびとことをなさんとしたまへばなり 26 なんぢ終󠄃をはりものにいたるまできたりてこれをめそのくらひらこれつみ塵垤ちりづかのごとくせよこと〴〵くこれをほろぼぼして其處そこ遺󠄃のこものなからしめよ 27 その牡牛をうしこと〴〵ころせこれを屠場ほふりばにくだらしめよ其等それらわざはひなるかな其日そのひそのばつうくべきとききたれり 28 バビロンのより逃󠄄げてのがものこゑありてわれらのかみヱホバの仇復あだがへしその殿みや仇復あだがへしをシオンに

29 射者いてをバビロンに召集よびあつめよおよゆみものよその四周󠄃まはりぢんどりてこれ何人たれをも逃󠄄のがなかれその作爲わざしたがひてこれむくいそのすべておこなひしごとくこれにおこなへそはかれイスラエルの聖󠄄者きよきものなるヱホバにむかひてたかぶりたればなり〘1048㌻〙 30 是故このゆえにその壯者わかきものちまたたふれその兵卒へいそつこと〴〵たやされんとヱホバいひたまふ 31 しゆなる萬軍ばんぐんのヱホバいひたまふ驕傲者たかぶるものよわれなんぢてきとなるなんぢわがなんぢばつするとききたれり 32 驕傲者たかぶるものつまづきてたふれんこれたす起󠄃おこものなかるべしわれをその諸邑まち〳〵もやしその四周󠄃まはりもの燒盡やきつくさん

 1369㌻ 
33 萬軍ばんぐんのヱホバかくいひたまふイスラエルのたみとユダのたみとも虐󠄃しへたげらるかれらをとりこにせしものみなかたくこれをまもりてはなたざるなり 34 かれらをあがなものつよしその萬軍ばんぐんのヱホバなりかれかならずそのうつたへたゞしてこのやすきあたへバビロンに住󠄃すめもの戰慄をののかしめたまはん 35 ヱホバいひたまふカルデヤびとうへバビロンに住󠄃すめものうへおよびその牧伯等きみたちとその智者等ちしやたちうへつるぎあり 36 つるぎいつはものうへにありかれおろかなるものとならんつるぎその勇士ゆうしうへにありかれおそれん 37 つるぎそのうまうへにありそのくるまうへにあり又󠄂またそのうちにあるすべての援兵えんぺいうへにありかれ婦󠄃女をんなのごとくにならんつるぎそのたからうへにありこれかすめらるべし 38 ひでりそのみづうへにありこれかわかんこれ偶像ぐうざうにして人々ひと〴〵偶像ぐうざう迷󠄃まよへばなり 39 是故このゆゑけもの彼處かしこ山犬やまいぬとも鴕鳥だてう彼處かしこすむべし何時いつまでもその住󠄃ひとなく世々よゝここに住󠄃ひとなかるべし 40 ヱホバいひたまふかみのソドム、ゴモラとその近󠄃隣となり邑々まち〳〵ほろぼせしごとく彼處かしこ住󠄃ひとなく彼處かしこ宿やどひとなかるべし

41 きたかたよりたみきたるあらんおほいなるくにひととおほくのわうたちはてより起󠄃おこらん 42 かれらはゆみやりをとる情󠄃なさけなく矜恤あはれみなしそのこゑうみのごとくにるバビロンのむすめかれらはうま戰士いくさびとのごとくにそなへてなんぢせめ 43 バビロンのわうその風聲うはさをききしかばその弱󠄃よわ苦痛くるしみ婦󠄃をんなごと劬勞いたみかれ迫󠄃せま 44 てき獅子しゝのヨルダンのくさむらよりのぼるがごとかたすまひめきたらんわれたゞち彼等かれら其處そこより逐󠄃奔おひはしらせわが選󠄄えらみたるものをそのうへたてたれわれのごときものあらんやたれかわがため時期ときさだめんやいづれ牧者ぼくしやわが前󠄃まへたつことをえん 45 さればバビロンにつきてヱホバのはかりたまひし御謀みはかりとカルデヤびとにつきておもひたまひし思想おもひをきけむれ弱󠄃者よわきものかならひきゆかれんかれかならずかれらの住󠄃居すまひほろぼすべし
 1370㌻ 
46 バビロンはとられたりとのこゑによりてふるへその號咷さけび國々くに〴〵うちきこ〘1049㌻〙

第51章

1 ヱホバかくいひたまふよわれほろぼすところのかぜ起󠄃おこしてバビロンをわれもとものうち住󠄃ものせむべし 2 われ簸者ひるものをバビロンに遣󠄃つかはさんかれらこれをてその空󠄃むなしくせんかれらすなはちそのわざはひにこれを四方よもよりむべし 3 ゆみものむかひまたよろひたちあがるものむかひて射者いてものそのゆみらんなんぢらその壯者わかきものあはれれまずその軍勢ぐんぜいこと〴〵ほろぼすべし 4 されころさるるものカルデヤびとたふさゝるるものそのちまたたふれん

5 イスラエルとユダはそのかみ萬軍ばんぐんのヱホバにてられずかれらのにはイスラエルの至聖󠄄者いときよきものにむかひてをかせるところのつみ 6 なんぢらバビロンのうちより逃󠄄げいでておのおのその生命いのちをすくへそれつみのためにほろぼさるるなかいまはヱホバのあだをかへしたまふときなればむくいをそれになしたまふなり 7 バビロンはきんさかづきにしてヱホバのにありすべてゑはせたり國々くに〴〵そのさけめりこゝをもて國々くに〴〵くるへり 8 バビロンはたちまたふれてやぶこれがためになげけそのきずのために乳󠄃香にうかうをとれこれあるひいえ 9 われらバビロンをいやさんとすれどもいえわれらこれをすてておの〳〵そのくにかへるべしそはそのばつてんにおよびくもにいたればなり 10 ヱホバわれらのただしきをあらはしたまふきたれシオンにおいわれらのかみヱホバの作爲わざをのべん

11 たてれヱホバ、メデアびと王等わうたちこゝろ激發ひきおこしたまふヱホバ、バビロンをせめんとはかこれほろぼさんとしたまふこれヱホバの復仇あだがへしその殿みや復仇あだがへしたるなり 12 バビロンの石垣いしがきむかひてはたかこみかたくし番兵ばんぺいまう伏兵ふくへいをそなへよそはヱホバ、バビロンに住󠄃めるものをせめんとてはかりそのいひしごとくおこなひたまへばなり 13 おほくのみづほとり住󠄃おほくの財寶たからをもてるものなんぢ終󠄃をはりなんぢ貧󠄃婪むさぼりかぎりきたれり
 1371㌻ 
14 萬軍ばんぐんのヱホバおのれをしてちかひいひたまわれまことにひといなごのごとくになんぢうちみたさんかれなんぢむかひて鯨波ときこゑぐべし

15 ヱホバその能力ちからをもてをつくりその知慧󠄄ちゑをもて世界せかいてその明哲さとりをもててんのべたまへり 16 かれこゑいだしたまふときてんおほくみづいづかれくもはてより起󠄃おこらしめ電光いなびかりあめをおこしかぜをそのくらよりいだしたまふ 17 すべてのひとけもののごとくにして智慧󠄄ちゑなしすべて鑄物師いものしはそのつくりしざうのためにはぢそのるところのざういつはりものにしてそのうちたましひなし 18 其等それら空󠄃むなしきものにして迷󠄃妄まよひ工作わざなりわがのぞむとき其等それらほろぶべし 19 ヤコブの分󠄃ぶんかくごとくならずかれ萬物よろづのものおよびその產業さんげふやから造󠄃化主つくりぬしなりその萬軍ばんぐんのヱホバといふ
〘1050㌻〙
20 なんぢはわがつちにしていくさ器具󠄄うつはなりわれなんぢをもてすべてくにくだなんぢをもて萬國ばんこくほろぼさん 21 われなんぢをもてうまとそのものくだなんぢをもてくるまとそのぎよするものくだかん 22 われなんぢをもてをとこをんなをくだきなんぢをもておいたるものいとけなものをくだきなんぢをもて壯者わかきもの童女をとめをくだくべし 23 われなんぢをもて牧者ひつじかひとそのむれをくだきなんぢをもて農夫のうふとそのくびき負󠄅うしをくだきなんぢをもて方伯等きみたち督宰等つかさたちをくだかん 24 なんぢらの前󠄃まへにてわれバビロンとカルデヤに住󠄃すめるすべてのものがシオンになせしもろ〳〵あしきことにむくいんとヱホバいひたまふ

25 ヱホバひたまはく全󠄃地ぜんちほろぼしたるほろぼやまよわれなんぢてきとなるわれなんぢうへのべなんぢいはよりまろばしなんぢ焚山やけやまとなすべし 26 ヱホバいひたまふひとなんぢよりいしとり隅石すみいしとなすことあらじまたなんぢよりいしりて基礎いしずゑとなすことあらじなんぢはいつまでも荒地あれちとなりをらん

27 はたらつぱ國々くに〴〵うち國々くに〴〵たみをあつめてこれめアララテ、ミンニ、アシケナズの諸國くにぐにまねきてこれ軍長ぐんちやうをたててこれおそろしきいなごのごとくにうまをすすめよ
 1372㌻ 
28 國々くに〴〵たみをあつめてこれめメデアびと王等わうたちとその方伯等きみたちとその督宰等つかさたちおよびそのすべての領地りやうちひとをあつめてこれめよ 29 ふるうごかんそはヱホバその意󠄃旨おもひをバビロンになしバビロンのをして住󠄃ひとなき荒地あれちとならしめたまふべければなり 30 バビロンの勇者ゆうしやたたかひをやめてそのしろにこもりそのちからせて婦󠄃をんなのごとくにならんそのいへけその門閂くわんぬきれん 31 はやはしりはやにあひ使者つかひはしり使者つかひにあひバビロンのわうにつげてまちこと〴〵られ 32 渡口わたしばられぬまやか兵卒へいそつおそるといはん

33 萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルのかみかくいひたまふバビロンのむすめ禾場うちばのごとしそのふまるるとききたれりしばらくありてそのからるるときいたらん 34 バビロンのわうネブカデネザルわれ食󠄃くらわれほろぼわれ空󠄃むなしうつはのごとくなし龍󠄇たつごとくにわれのみみわが珍饈うまきものをもてそのはらみたわれ逐󠄃出おひいだせり 35 シオンに住󠄃すめものいはんわがうけし虐󠄃遇󠄃しへたげわがにくはバビロンにかかるべしヱルサレムいはんわがはカルデヤに住󠄃めるものにかかるべしと 36 さればヱホバかくいひたまふよわれなんぢうつたへたゞなんぢためあだかへさんわれそのうみかわかしそのいずみかわかすべし 37 バビロンは頽壘くづれづかとなり山犬やまいぬ巢窟すみかとなり詫異おどろきとなり嗤笑わらひとなりひとなき所󠄃ところとならん 38 かれらは獅子しゝのごとくとも小獅わかきししのごとくに〘1051㌻〙 39 かれらのよくもゆときにわれふるまひまうけてかれらをよはかれらをしてよろこばしめながきねむりにいりてさますことなからしめんとヱホバいひたまふ 40 われほふ羔羊こひつじのごとく又󠄂また牡羊をひつじ牡山羊をやぎのごとくにかれらをくだらしめん

41 セシヤクいかにしてられしや全󠄃地ぜんちひと頌美者ほむるものいかにしてとらへられしや國々くに〴〵うちにバビロンいかにして詫異おどろきとなりしや
 1373㌻ 
42 うみバビロンに溢󠄃あふれかかりそのおほくの波濤なみこれをおほ 43 その諸邑まち〳〵あれれてかわけるとなり沙漠すなはらとなり住󠄃ひとなきとならんひとそこを過󠄃すぐることあらじ 44 われベルをバビロンにばつしそののみみたるものくちより取出とりいださん國々くに〴〵はまたかはごとくにかれきたらじバビロンの石垣いしがきたふれん

45 我民わがたみなんぢらそのうちよりいでおの〳〵ヱホバのはげしきいかりをまぬかれてそのいのちすく 46 なんぢこゝろ弱󠄃よわくするなかこのにてきく所󠄃ところ浮言うはきによりておそるるなか浮言うはきこのとしきたつぎとしまたきたらんこの强暴しへたげあり宰者つかさ宰者つかさとあひせめむることあらん 47 ゆゑわれバビロンの偶像ぐうざうばつするきたらんその全󠄃地ぜんちはづかしめられそのころさるるものこと〴〵くそのうちたふれん 48 しかしててんとそのうちにあるところのすべてのものはバビロンのことためよろこうたはんそは敗壞者ほろぼすものきたかたより此處こゝきたればなりヱホバこれをいひたまふ 49 バビロンがイスラエルのころさるるものたふせしごと全󠄃地ぜんちころさるるものバビロンにたふるべし

50 つるぎ逃󠄄のがるるものとゞまなか遠󠄄方とほくよりヱホバをおぼえヱルサレムをなんぢらのこゝろくべし 51 罵言ののしりをきくによりてわれ異邦人ことくにびとヱホバのいへ聖󠄄處きよきところにいるによりてわれらのかほには羞恥はぢ 52 このゆゑにヱホバいひたまふよわがその偶像ぐうざうばつするいたらんきずつけられたるものはその全󠄃國ぜんこく呻吟うめくべし 53 たとひバビロンてんのぼるともそのしろたかくしてかたむるとも敗壞者ほろぼすものわれよりいでてかれらにいたらんとヱホバいひたまふ

54 バビロンに號咷さけびこゑありカルデヤびとおほいなる敗壞ほろびあり 55 ヱホバ、バビロンをほろぼしそのうちおほいなるこゑたやしたまふその波濤なみ巨󠄃水おほみづのごとくにりそのこゑひびきわたる 56 破滅者ほろぼすものこれにのぞみバビロンにいたるその勇士ゆうしとらへられそのゆみらるヱホバは施報むくいをなすかみなればかならずむくいいたまふなり 57 われその牧伯等きみたち博士等はかせたち督宰等つかさたち勇士ゆうしとをゑはせんかれらはながねむりにいりてさますことあらじ萬軍ばんぐんのヱホバとなづくるわうこれをいひたま
 1374㌻ 
58 萬軍ばんぐんのヱホバかくいひたまふバビロンのひろ石垣いしがきこと〴〵こぼたれそのたかもんやかれんかくたみ勞苦らうくいたづらとなるべしたみのためにつかれん
〘1052㌻〙
59 これマアセヤのなるネリヤのセラヤがユダのわうゼデキヤとともにその治世の四ねんにバビロンにくときにあたりて豫言者よげんしやヱレミヤがこれにめいぜしことばなりこのセラヤは侍從じじゆうかしらなり 60 ヱレミヤ、バビロンにのぞまんとするすべてわざはひふみにしるせりこれすなはちバビロンのことにつきてしるせるこのすべてのことばなり 61 ヱレミヤ、セラヤにいひけるはなんぢバビロンにゆきしときつゝしみてこのすべて 62 しかしてなんぢいふべしヱホバよなんぢはこのところほろぼひとけものをいはずすべ此處こゝ住󠄃ものなからしめてかぎりなくこれを荒地あれちとなさんと此處こゝにむかひていひたまへり 63 なんぢこのふみ讀畢よみをはりしときこれいしをむすびつけてユフラテのうちなげいれよ 64 しかしていふべしバビロンはわれこれに災菑わざはひをくだすによりてかくしづみてまたおこらざるべしかれらはたえはてんと
  こゝまではヱレミヤのことばなり

第52章

1 ゼデキヤはくらゐきしとき二十一さいなりしがヱルサレムにおいて十一ねんををさめたりそのはゝはハムタルといひてリブナのヱレミヤのむすめなり 2 ゼデキヤはヱホヤキムがすべてなしたるごとくヱホバの前󠄃まへあくをなせり 3 すなはちヱホバ、ヱルサレムとユダとをいかりてこれをその前󠄃まへよりてはなちたまふ
  こゝおいてゼデキヤ、バビロンのわうそむけり
4 ゼデキヤのの九ねんぐわつ十日とをかにバビロンのわうネブカデネザルその軍勢ぐんぜいをひきゐてヱルサレムにめきたりこれむかひてぢんをはり四周󠄃まはり戌樓やぐらたてこれめたり 5 かくこのまち攻圍せめかこまれてゼデキヤわうの十一ねんにまでおよびしが
 1375㌻ 
6 その四ぐわつ九日ここのかにいたりて城邑まちのうちうゝることはなはだしくなりそのたみ食󠄃物くひものをえざりき 7 こゝをもて城邑まちつひに打破うちやぶられたれば兵卒へいそつみな逃󠄄にげうちわうそのほとりなる二個ふたつ石垣いしがきあひだもんより城邑まちをぬけいで平󠄃地ひらち途󠄃みちしたがひておちゆけりときにカルデヤびと城邑まちかこみをる 8 こゝにカルデヤびと軍勢ぐんぜいわう追󠄃ひゆきヱリコの平󠄃地ひらちにてゼデキヤに追󠄃付おひつきけるにその軍勢ぐんぜいみなかれはなれてりしかば 9 カルデヤびとわうとらへてこれをハマテののリブラにをるバビロンのわう所󠄃もときゆきければわうかれつみをさだめたり 10 バビロンのわうすなはちゼデキヤの子等こたちをその前󠄃まへころさしめユダの牧伯等きみたちこと〴〵くリブラにころさしめ 11 またゼデキヤのつぶさしめたりかくてバビロンのわうかれを銅索くさりつなぎてバビロンにたづさへゆきそのしぬまでひとやけり
〘1053㌻〙
12 バビロンわうネブカデネザルのの十九ねんの五ぐわつ十日とをかバビロンのわう前󠄃まへにつかふる侍衞じゑいかしらネブザラダン、ヱルサレムにきたり 13 ヱホバのいへわういへをもてヱルサレムのすべてのいへおほいなるすべていへけり 14 また侍衞じゑいかしらともにありしカルデヤびと軍勢ぐんぜいヱルサレムの四周󠄃まはり石垣いしがきこと〴〵こぼてり 15 侍衞じゑいかしらネブザラダンすなはちたみのうちの貧󠄃乏者まづしきもの城邑まちうちのこれるものおよびバビロンのわうくだりしひとたみのこれるものとらうつせり 16 たゞ侍衞じゑいかしらネブザラダンそののある貧󠄃者まづしきもの遺󠄃のこして葡萄ぶだうつくものとなし農夫のうふとなせり

17 カルデヤびとまたヱホバのいへあかがねはしら洗盥たらひだいあかがねうみくだきてそのあかがねこと〴〵くバビロンに運󠄃はこ 18 またなべ火鑪じふのう燭剪しんきりはちさじおよびすべてもちふるところの銅器あかがねのうつはれり 19 侍衞じゑいかしらもまた洗盥たらひ火盤ひいれはちなべ燭臺しよくだいさじさかづきなどすべ金銀きんぎんにてつくれるもの 20 またソロモンわうがヱホバのいへ造󠄃つくりしところのふたつのはしらひとつうみだいしたなる十二のあかがねうしれりこのもろもろのあかがねおもさはかべからず 21 このはしらたかさ十八キユビトなり又󠄂またひもをもてその周󠄃圍まはりはかるに十二キユビトありゆびほんあつさにして空󠄃うつろなり
 1376㌻ 
22 そのうへあかがねかしらありそのかしらたかさは五キユビトその周󠄃圍まはりあかがね網子あみ石榴ざくろにて飾󠄃かざれりほかはしらとその石榴ざくろこれにおなじ 23 その四はうに九十六の石榴ざくろあり網子あみうへなるすべての石榴ざくろかずひやくなり

24 侍衞じゑいかしら祭司さいしをさセラヤとだい二の祭司さいしゼパニヤと三にん門守かどもりとら 25 また兵卒へいそつつかさど一人ひとり寺人じじんわう前󠄃まへにはべるもののうち城邑まちにて遇󠄃あひしところのものにんとそのたみつの軍勢ぐんぜいかしらなる書記しよき城邑まちうちにて遇󠄃あひしところの六十にんものまちよりとらへされり 26 侍衞じゑいかしらネブザラダンこれらをとらへてリブラにるバビロンのわうもとにいたれり 27 バビロンのわうハマテののリブラにこれをころせりかくユダはおのれのよりとらへうつされたり

28 ネブカデネザルがとらへうつせしたみごとだいねんにユダびとぜん二十三にん 29 またネブカデネザルその十八ねんにヱルサレムより八ぴやく三十二にんをとらへうつせり 30 ネブカデネザルの二十三ねん侍衞じゑいかしらネブザラダン、ユダびとひやく四十五にんをとらへうつしたりそのすべてのかずは四せんぴやくにんなりき

31 ユダのわうヱホヤキンがとらへうつされたるのち三十七ねんの十二ぐわつ二十五にちバビロンのわうエビルメロダクその治世の一ねんにユダのわうヱホヤキンをひとやよりいだしてそのかうべをあげしめ〘1054㌻〙 32 善言よきことばをもてかれなぐさめそのくらゐをバビロンにともるところの王等わうたちくらゐよりもたかくし 33 そのひとや衣服󠄃ころもへしむヱホヤキンは一生いつしやうあひだつねにわう前󠄃まへ食󠄃しよくせり 34 かれそのしぬまで一生いつしやうあひだたえず日々ひび分󠄃ぶんをバビロンのわうよりたまはりてその食󠄃物くひものとなせり〘1055㌻〙
 1377㌻