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〘963㌻〙

第1篇

1 あしきものの謀略はかりごとにあゆまず つみびとの途󠄃みちにたたず あざけるもののにすわらぬものはさいはひなり 2 かかるひとはヱホバののりをよろこびてひるよるもこれをおもふ 3 かかるひと水流ながれのほとりにうゑしときにいたりてをむすび もまたしぼまざるごとく そのなすところみなさかえん 4 あしきひとはしからず かぜのふきさる粃糠もみがらのごとし 5 さればあしきものは審判󠄄さばきにたへず罪人つみびとただしきもののつどひにたつことをざるなり 6 そはヱホバはただしきものの途󠄃みちをしりたまふ されどあしきものの途󠄃みちはほろびん

第2篇

1 いかなればもろもろの國人くにびとはさわぎたち諸民たみらはむなしきことをはかるや 2 のもろもろのわうはたちかまへ群伯をさらはともにはかり ヱホバとその受膏者じゆかうじやとにさからひていふ 3 われらそのかせをこぼち そのなはをすてんと 4 てんするものわらひたまはん しゆかれらをあざけりたまふべし 5 かくてしゆ忿恚いきどほりをもてものいひおほいなるいかりをもてかれらをおぢまどはしめて宣給のたま 6 しかれどもわれわがわうをわがきよきシオンのやまにたてたりと 7 われ詔命みことのりをのべんヱホバわれにのたまへり なんぢはわがなり今日けふわれなんぢをうめ 8 われにもとめよ さらばなんぢにもろもろのくに嗣業ゆづりとしてあたへはてをなんぢのものとしてあたへん 9 なんぢくろがねのつゑをもて彼等かれらをうちやぶり陶工すゑつくりのうつはもののごとくにうちくだかんと 10 されば汝等なんぢらもろもろのわうよ さとかれ審士さばきびとをしへをうけよ 11 おそれをもてヱホバにつかへ戰慄をののきをもてよろこべ 12 にくちつけせよ おそらくはかれいかりをはなちなんぢら途󠄃みちにほろびんその忿恚いきどほりはすみやかにもゆべければなり すべてかれに依賴よりたのむものはさいはひなり
 963㌻ 

第3篇

[ ダビデそのアブサロムを避󠄃さけしときのうた ]

1 ヱホバよわれにあたするもののいかに蔓延はびこれるや われにさからひて起󠄃おこりたつものおほ 2 わが靈魂たましひをあげつらひて かれはかみにすくはるることなしといふものぞおほき セラ 3 されどヱホバよ なんぢはわれをかこめるたてわがさかえわがかうべをもたげたまふものなり 4 われこゑをあげてヱホバによばはればその聖󠄄山きよきやまよりわれにこたへたまふ セラ 5 われしていね またさめたり ヱホバわれをさゝへたまへばなり 6 われをかこみてたちかまへたる千萬ちよろづひとをもわれはおそれじ〘745㌻〙 7 ヱホバよねがはくは起󠄃おきたまへ わがかみよわれをすくひたまへ なんぢさきにわがすべてのあた頬骨つらぼねをうちあしきもののををりたまへり 8 すくひはヱホバにあり ねがはくは恩惠みめぐみなんぢのたみのうへにあらんことを セラ

第4篇

[ ことにあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるダビデのうた ]

1 わがをまもりたまふかみよ ねがはくはわがよばはるときにこたへたまへ わがなやみたるときなんぢわれをくつろがせたまへり ねがはくはわれをあはれみ わがいのりをききたまへ 2 ひとよなんぢらわがさかえをはぢしめていく何時そのときをへんとするか なんぢらむなしきことをこのみ虛僞いつはりをしたひていくそのときをんとするか セラ 3 されどなんぢられ ヱホバはかみをうやまふひとをわかちておのれにつかしめたまひしことを われヱホバによばはらばきゝたまはん 4 なんぢらつゝしみをののきてつみををかすなかれ 臥床ふしどにておのがこゝろにかたりてもだせ セラ 5 なんぢらのそなへものをさゝげてヱホバに依賴よりたの 6 おほくのひとはいふたれか嘉事よきことをわれらにするものあらんやと ヱホバよねがはくは聖󠄄顏みかほひかりをわれらのうへにのぼらせたまへ
 964㌻ 
7 なんぢのわがこゝろにあたへたまひし歡喜よろこびはかれらの穀物たなつものさけとのゆたかなるときにまさりき 8 われ安然やすらかにしてふしまたねぶらん ヱホバよわれをひとりにて坦然たひらかにをらしむるものはなんぢなり

第5篇

[ ふえにあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるダビデのうた ]

1 ヱホバよねがはくはがことばにみゝをかたむけ わがおもひにみこころをとめたまへ 2 わがわうよわがかみよ わが號呼さけびのこゑをききたまへ われなんぢにいのればなり 3 ヱホバよ朝󠄃あしたになんぢわがこゑをききたまはん われあしたになんぢのためにそなへしてまち望󠄇のぞむべし 4 なんぢはあしきことをよろこびたまふかみにあらず あしきひとはなんぢの賓客まらうどたるをざるなり 5 たかぶるものはなんぢの目前󠄃めのまへにたつをえず なんぢはすべて邪曲よこしまをおこなふものを憎にくみたまふ 6 なんぢは虛僞いつはりをいふものをほろぼしたまふ をながすものと詭計いつはりをなすものとは ヱホバ憎にくみたまふなり 7 されどわれはゆたかなる仁慈みいつくしみによりてなんぢのいへにいらん われなんぢをおそれつつ聖󠄄きよきみやにむかひてをがまん 8 ヱホバよねがはくはわがあたのゆゑになんぢのをもてわれをみちびき なんぢの途󠄃みちをわが前󠄃まへになほくしたまへ 9 かれらのくちには眞實まことなく そのうちはよこしま そののどはあばけるはか そのしたはへつらひをいへばなり 10 かみよねがはくはかれらをつみなひ その謀略はかりごとによりてみづからたふれしめ そのとがのおほきによりてこれをおひいだしたまへ かれらはなんぢにそむきたればなり〘746㌻〙 11 されどすべてなんぢに依賴よりたのものをよろこばせ永遠󠄄とこしへによろこびよばはらせたまへ なんぢかゝひとをまもりたまふなり みなをいつくしむものにもなんぢによりて歡喜よろこびをえしめたまへ 12 ヱホバよなんぢに義者ただしきものにさいはひしたてのごとく恩惠めぐみをもてこれをかこみたまはん
 965㌻ 

第6篇

[ 八音󠄃やつのねあることにあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるダビデのうた ]

1 ヱホバよねがはくは忿恚いきどほりをもてわれをせめはげしきいかりをもてわれをこらしめたまふなかれ 2 ヱホバよわれをあはれみたまへ われしぼみおとろふなり ヱホバよわれいやしたまへ わがほねわななきふるふ 3 わが靈魂たましひさへもいたくふるひわななく ヱホバよかくていく何時そのときをへたまふや 4 ヱホバよかへりたまへ わがたましひをすくひたまへ なんぢの仁慈いつくしみゆゑをもてわれをたすけたまへ 5 そはにありてはなんぢをおもひいづることなし 陰府よみにありてはたれかなんぢに感謝かんしやせん 6 われ歎息なげきにてつかれたり われよなよなとこをただよはせなみだをもてわがふすまをひたせり 7 わがうれへによりておとろへ もろもろのあたゆゑにおい 8 なんぢら邪曲よこしまをおこなふものことごとくわれをはなれよ ヱホバはわがなくこゑをききたまひたり 9 ヱホバわが懇求ねがひをききたまへり ヱホバわがいのりをうけたまはん 10 わがもろもろのあたははぢておほいにおぢまどひ あわただしくはぢてしりぞきぬ

第7篇

[ ベニヤミンのひとクシのことばにつきダビデ、ヱホバにむかひてうたへるシガヨンのうた ]

1 わがかみヱホバよわれなんぢによりたのむ ねがはくはすべての逐󠄃おひせまるものよりわれをすくひわれをたすけたまへ 2 おそらくはかれしゝごとくわが靈魂たましひをかきやぶりたすくるものなきにさきてずたずたに 3 わがかみヱホバよ もしわれ此事このことをなししならんには わがによこしまのまつはりをらんには 4 ゆゑなくあたするものをさへたすけしに禍害󠄅わざはひをもてわがともにむくいしならんには 5 よし仇人あだびとわがたましひを逐󠄃おひとらへ わが生命いのちをつちにふみにじりわがさかえちりにおくとも そのなすにまかせよ セラ 6 ヱホバよなんぢのいかりをもて起󠄃おきわがあたのいきどほりにむかひてたちたまへ わがためにをさましたまへ なんぢは審判󠄄さばきをおほせいだしたまへり 7 もろもろの國人くにびとつどひがなんぢのまはりにつどはしめ そのうへなる高座たかみくらにかへりたまへ
 966㌻ 
8 ヱホバはもろもろのたみにさばきをおこなひたまふ ヱホバよわが正義たゞしきとわがうちなる完全󠄃またきとにしたがひてわれをさばきたまへ〘747㌻〙 9 ねがはくはあしきものの曲事ひがわざをたちてたゞしきものをかたくしたまへ ただしきかみひとのこころとむらととをさぐりしりたまふ 10 わがたてをとるものはこゝろのなほきものをすくふかみなり 11 かみはただしき審士さばきびとひごとに忿恚いきどほりをおこしたまふかみなり 12 ひともしかへらずばかみはそのつるぎをとぎ そのゆみをはりてかまへ 13 これにうつはをそなへ そのをそへたまはん 14 よそのひとはよこしまをうまんとしてくるしむ 殘害󠄅そこなひをはらみ虛僞いつはりをうむなり 15 またあなをほりてふかくしおのれがつくれるそのみぞにおちいれり 16 その殘害󠄅そこなひはおのがかうべにかへり その强暴あらびはおのが頭上いただきにくだらん 17 われそのによりてヱホバに感謝かんしやし いとたかきヱホバのみなをほめうたはん

第8篇

[ ギデトのことにあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるダビデのうた ]

1 われらのしゆヱホバよなんぢのみなにあまねくして尊󠄅たふときかな その榮光えいくわうてんにおきたまへり 2 なんぢは嬰兒をさなごちのみごのくちによりちからもとゐをおきててきにそなへたまへり こは仇人あたびととうらみをむくゆるものを鎭靜おししづめんがためなり 3 われなんぢのゆびのわざなるてんなんぢのまうけたまへるつきほしとをみるに 4 世人よのひとはいかなるものなればこれを聖󠄄念みこころにとめたまふや ひとはいかなるものなればこれを顧󠄃かへりみたまふや 5 たゞすこしくひとかみよりもひくくつくりてさかえ尊󠄅貴たふときとをかうぶらせ 6 またこれにみてのわざををさめしめ萬物よろづのものをその足下あしのしたにおきたまへり 7 すべてのひつじうしまたけもの 8 そらのとりうみのうをもろもろの海路うみぢをかよふものをまでみなしかなせり
 967㌻ 
9 われらのしゆヱホバよなんぢのみなにあまねくして尊󠄅たふときかな

第9篇

[ ムツラベン(調子てうし)にあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるダビデのうた ]

1 われこゝろをつくしてヱホバに感謝かんしやし そのもろもろのくすしき事迹みわざをのべつたへん 2 われなんぢによりてたのしみかつよろこばん 至上者いとたかきものよなんぢのみなをほめうたはん 3 わがあたしりぞくときつまづきたふれて御前󠄃みまへにほろぶ 4 なんぢわがとわがうたへとをまもりたまへばなり なんぢはだしき審判󠄄さばきをしつつ寳座みくらにすわりたまへり 5 またもろもろのくにをせめあしきものをほろぼし 世々よゝかぎりなくかれらがをけしたまへり 6 あたはたえはてて世々よゝあれすたれたり なんぢのくつがへしたまへるもろもろのまちはうせてそのあとだにもなし 7 ヱホバはとこしへに聖󠄄位みくらゐにすわりたまふ 審判󠄄さばきのためにその寳座みくらをまうけたまひたり〘748㌻〙 8 ヱホバは公義ただしきをもてをさばき なほきをもてもろもろのたみ審判󠄄さばきをおこなひたまはん 9 ヱホバは虐󠄃しへたげらるるもののしろまたなやみのときのしろなり 10 聖󠄄名みなをしるものはなんぢに依賴よりたのまん そはヱホバよなんぢを尋󠄃たづぬるもののすてられしことたえてなければなり 11 シオンに住󠄃すみたまふヱホバにむかひてほめうたへ その事迹みわざをもろもろのたみのなかにのべつたへよ 12 とひたゞしたまふものはくるしむものをこゝろにとめてその號呼さけびをわすれたまはず 13 ヱホバよわれをあはれみたまへ われをもんよりすくひいだしたまへるものよ ねがはくは仇人あたびとのわれをなやむるをたまへ 14 さらばわれなんぢのすべての頌美ほまれをのぶるをまたシオンのむすめのもんにてなんぢのすくひをよろこばん 15 もろもろの國民くにびとはおのがつくれるあなにおちいり そのかくしまうけたるあみにおのがあしをとらへらる 16 ヱホバはおのれをしらしめ審判󠄄さばきをおこなひたまへり あしきひとはおのがのわざなるわなにかかれり ヒガイオン  セラ 17 あしきひと陰府よみにかへるべし かみをわするるもろもろの國民くにびともまたしからん
 968㌻ 
18 貧󠄃者まづしきものはつねにわすれらるるにあらずくるしむものの望󠄇のぞみはとこしへにほろぶるにあらず 19 ヱホバよ起󠄃おきたまへ ねがはくは勝󠄃かちひとにえしめたまふなかれ御前󠄃みまへにてもろもろのくにびとに審判󠄄さばきをうけしめたまヘ 20 ヱホバよねがはくはかれらにおそれをおこさしめたまへ もろもろの國民くにびとにおのれただひとなることをしらしめたまヘ セラ

第10篇

1 ああヱホバよなんぞはるかにたちたまふや なんぞ患難なやみのときにかくれたまふや 2 あしきひとはたかぶりてくるしむものをはなはだしくせむ かれらをそのくはだての謀略はかりごとにとらはれしめたまへ 3 あしきひとはおのがこころの欲望󠄇ねがひをほこりむさぼるものをしゆくしてヱホバをかろしむ 4 あしきひとはほこりかにいふ かみはさぐりもとむることをせざるなりと すべてそのおもひにかみなしとせり 5 かれの途󠄃みちはつねにかたく なんぢの審判󠄄さばきはそのよりはなれてたかし かれはそのもろもろのてきをくちさきらにて 6 かくておのがこころのうちにいふ われうごかさるることなく世々よゝわれに禍害󠄅わざはひなかるべしと 7 そのくちにはのろひと虛僞いつはりとしへたげとみち そのしたのしたには殘害󠄅そこなひとよこしまとあり 8 かれは村里むらざとのかくれたるところにをりしのびやかなるところにてつみなきものをころす そのはひそかに倚仗よるべなきものをうかがひ 9 ほらにをるしゝのごとくひそみまちくるしむものをとらへんためにふしねらひ 貧󠄃まづしきものをそのあみにひきいれてとらふ〘749㌻〙 10 またをかがめてうづくまるその强勁ちからによりて依仗よるべなきものはたふ 11 かれこゝろのうちにいふ かみはわすれたりかみはそのかほをかくせりかみはみることなかるべしと 12 ヱホバよ起󠄃おきたまへ かみみてをあげたまへ くるしむものをわすれたまふなかれ 13 いかなればあしきものかみをいやしめてこころのうちになんぢさぐりもとむることをせじといふや 14 なんぢはたまへりその殘害󠄅そこなひ怨恨うらみとをてこれにみてをくだしたまへり 倚仗よるべなきものはをなんぢにゆだぬ なんぢはむかしより孤子みなしごをたすけたまふものなり
 969㌻ 
15 ねがはくはあしきもののかひなををりたまへあしきもののあしきわざひとつだにのこらぬまでにたづねいだしたまへ 16 ヱホバはいやとほながにわうなり もろもろの國民くにびとはほろびてかみくによりあとをたちたり 17 ヱホバよなんぢはくるしむものの懇求ねがひをききたまへり そのこゝろをかたくしたまはん なんぢはみゝをかたぶけてきき 18 孤子みなしご虐󠄃しへたげらるものとのために審判󠄄さばきをなしにつけるひとにふたゝび恐嚇おびやかしをもちひざらしめたまはん

第11篇

[ うたのかみにうたはしめたるダビデのうた ]

1 われヱホバに依賴よりたのめり なんぢらなんぞわが靈魂たましひにむかひてとりのごとくなんぢのやまにのがれよといふや 2 よあしきものは暗󠄃處くらきにかくれこゝろなほきものをんとてゆみをはりつるをつがふ 3 もとゐみなやぶれたらんには義者ただしきものなにをなさんや 4 ヱホバはその聖󠄄宮きよきみやにいます ヱホバの寳座みくらてんにありそのはひとのこを その眼瞼まぶたはかれらをこころみたまふ 5 ヱホバは義者ただしきものをこころむ そのみこころはあしきものと强暴あらびをこのむものとをにくみ 6 わなをあしきもののうへにふらしたまはん硫磺いわうともゆるかぜとはかれらの酒杯さかづきにうくべきものなり 7 ヱホバはただしきものにしてただしきことをあいしたまへばなり なほきものはその聖󠄄顏みかほをあふぎみん

第12篇

[ 八音󠄃やつのねにあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるダビデのうた ]

1 ああヱホバよたすけたまへ そはかみをうやまふひとはたえまことあるものはひとのなかより消󠄃失きえうするなり 2 ひとはみな虛僞いつはりをもてそのとなりとあひかたりなめらなるくちびると貳心ふたごころとをもてものいふ 3 ヱホバはすべてのなめらかなるくちびるとおほいなることをかたるしたとをほろぼしたまはん
 970㌻ 
4 かれらはいふ われらしたをもて勝󠄃かちをえん この口唇くちびるはわがものなりたれかわれらにしゆたらんやと 5 ヱホバのたまはく くるしむものかすめられ貧󠄃まづしきものなげくがゆゑにわれいま起󠄃たちてこれをそのしたひもとむる平󠄃安やすきにおかん〘750㌻〙 6 ヱホバのことばはきよきことばなり にまうけたるにてねり七次ななたびきよめたる白銀しろかねのごとし 7 ヱホバよなんぢはかれらをまもりこれをたすけてとこしへにこのたぐひよりまぬかれしめたまはん 8 ひとのなかにけがしきことのあがめらるるときは惡者あしきものここやかしこにあるくなり

第13篇

[ 伶長うたのかみにうたはしめたるダビデのうた ]

1 ああヱホバよ かくていく何時そのときをへたまふや なんぢとこしへにわれをわすれたまふや 聖󠄄顏みかほをかくしていくそのときをたまふや 2 われこゝろのうちに終󠄃日ひねもすかなしみをいだきおもひはかりをたましひにもちひていく何時そのときをふべきか わがあたはわがうへにあがめられていく何時そのときをふべきか 3 わがかみヱホバよわれをかへりみてこたへをなしたまへ わがをあきらかにしたまへ おそらくはわれねぶりにつかん 4 おそらくはわがあたいはん われかれに勝󠄃かてりと おそらくはわがてきわがうごかさるるによりてよろこばん 5 されどわれはなんぢの憐憫あはれみによりたのみ わがこゝろはなんぢのすくひによりてよろこばん 6 ヱホバはゆたかにわれをあしらひたまひたれば われヱホバにむかひてうたはん

第14篇

[ うたのかみにうたはしめたるダビデのうた ]

1 おろかなるものはこゝろのうちにかみなしといへり かれらはくされたり かれらは憎にくむべきことをなせり ぜんをおこなふものなし 2 ヱホバてんよりひとをのぞみみてさとるものかみをたづぬるものありやとたまひしに 3 みな逆󠄃そむきいでてことごとくくされたり ぜんをなすものなし一人ひとりだになし 4 不義ふぎをおこなふものはみな智覺さとりなきか かれらはものくふごとくわがたみをくらひ またヱホバをよぶことをせざるなり
 971㌻ 
5 よかかるときかれらはおほいにおそれたり かみはただしきもののたぐひのなかにいませばなり 6 なんぢらはくるしめるものの謀略はかりごとをあなどりはづかしむ されどヱホバはその避󠄃所󠄃さけどころなり 7 ねがはくはシオンよりイスラエルのすくひのいでんことを ヱホバそのたみのとらはれたるを返󠄄かへしたまふときヤコブはよろこびイスラエルはたのしまん

第15篇

[ ダビデのうた ]

1 ヱホバよなんぢの帷幄あけばりのうちにやどらんものはたれぞ なんぢの聖󠄄山きよきやまにすまはんものはたれ 2 なほくあゆみをおこなひ そのこころに眞實まことをいふものぞそのひとなる 3 かかるひとしたをもてそしらず そのともをそこなはず またそのとなりをはぢしむることばをあげもちひず〘751㌻〙 4 あくにしづめるものをていとひかろしめ ヱホバをおそるるものをたふとび ちかひしことはおのれに禍害󠄅わざはひとなるもかふることなし 5 たからをかして過󠄃すぎたるをむさぼらず 賄賂まひなひをいれて無辜つみなきものをそこなはざるなり かゝることどもをおこなふものは永遠󠄄とこしへにうごかさるることなかるべし

第16篇

[ ダビデがミクタムのうた ]

1 かみよねがはくはわれまもりたまへ われなんぢに依賴よりたの 2 われヱホバにいへらくなんぢはわがしゆなり なんぢのほかにわが福祉さいはひはなしと 3 にある聖󠄄徒せいとはわがきはめてよろこぶ勝󠄃すぐれしものなり 4 ヱホバにかへて他神あだしかみをとるものの悲哀かなしみはいやまさん われかれらがささぐる御酒みきをそそがず そのくちにとなふることをせじ 5 ヱホバはわが嗣業ゆづりまたわが酒杯さかづきにうくべきものなり なんぢはわが所󠄃領しよりやうをまもりたまはん 6 準繩はかりなははわがためにたのしきにおちたり うべわれよき嗣業ゆづりをえたるかな
 972㌻ 
7 われは訓諭さとしをさづけたまふヱホバをほめまつらん はわがこゝろわれををしふ 8 われつねにヱホバをわが前󠄃まへにおけり ヱホバわがみぎにいませばわれうごかさるることなかるべし 9 このゆゑにわがこゝろはたのしみ わがさかえはよろこぶ わがもまた平󠄃安やすきにをらん 10 そはなんぢわがたましひを陰府よみにすておきたまはず なんぢの聖󠄄者せいしやはかのなかにくちしめたまはざるべければなり 11 なんぢ生命いのち道󠄃みちをわれにしめしたまはん なんぢの前󠄃みまへには充足みちたれるよろこびあり なんぢのみぎにはもろもろの快樂たのしみとこしへにあり

第17篇

[ ダビデの祈禱いのり ]

1 ああヱホバよ公義ただしきをききたまへ わがなくこゑにみこころをとめたまへ いつはりなき口唇くちびるよりいづるがいのりにみゝをかたぶけたまへ 2 ねがはくはわが宣吿せんこくみまへよりいでてなんぢの公平󠄃こうへいをみたまはんことを 3 なんぢわがこゝろをこころみ またよるわれにのぞみたまへり かくてわれをたゞしたまへどわれになにのあしきおもひあるをもいでたまはざりき わがくちはつみををかすことなからん 4 ひと行爲おこなひのことをいはばわれなんぢのくちびるのことばによりてあらくるものの途󠄃みちをさけたり 5 わがあゆみはかたくなんぢの途󠄃みちにたちわがあしはよろめくことなかりき 6 かみよなんぢわれにこたへたまふ われなんぢをよべり ねがはくはなんぢみゝをかたぶけてわがのぶるところをききたまへ 7 なんぢに依賴よりたのむものをみぎのをもてあたするものよりすくひたまふものよ ねがはくはなんぢのたへなる仁慈いつくしみをあらはしたまへ 8 ねがはくはわれをひとみのごとくにまもりなんぢのつばさのかげにかくし〘752㌻〙 9 われをなやむるあしきものまたわれをかこみてわがいのちをそこなはんとするあたよりのがれしめたま 10 かれらはおのがこゝろをふさぎ そのくちをもてほこりかにものいへり
 973㌻ 
11 いづこにまれゆくところにてわれらをうちかこみ われらをにたふさんとをとむ 12 かれはかきさかんといらだつしゝのごとくしのびやかなるところにひそみまつわかしゝのごとし 13 ヱホバよ起󠄃たちたまへ ねがはくはかれにたちむかひてこれをたふし御劍みつるぎをもてあしきものよりわが靈魂たましひをすくひたまへ 14 ヱホバよみてをもてひとよりわれをたすけいだしたまへ おのがうくべきものをこのにてうけ なんぢのたからにてそのはらをみたさるる世人よのひとよりわれをたすけいだしたまへ かれらはおほくのにあきたり そのとみををさなごに遺󠄃のこ 15 されどわれはにありて聖󠄄顏みかほをみさむるとき容光みかたちをもて飽󠄄あきることをえん

第18篇

[ 伶長うたのかみにうたはしめたるヱホバのしもべダビデのうた、このうたのことばはもろもろのあたおよびサウルのよりすくひれしときヱホバにむかひてうたへるなり いはく ]

1 ヱホバわれのちからよ われせちになんぢをいつくしむ 2 ヱホバはわがいはほ わがしろ われをすくふもの わがよりたのむかみ わが堅固けんごなるいはほ わがたて わがすくひのつの わがたかきやぐらなり 3 われほめたゝふべきヱホバをよびて仇人あたびとよりすくはるることをえん 4 のつなわれをめぐりあくのみなぎるながれわれをおそれしめたり 5 陰間よみのなはわれをかこみのわなわれにたちむかへり 6 われ窮苦なやみのうちにありてヱホバをよび又󠄂またわがかみにさけびたり ヱホバはそのみやよりわがこゑをききたまふ その前󠄃みまへにてわがよびしこゑはそのみゝにいれり 7 このときヱホバいかりたまひたればはふるひうごきやまもとゐはゆるぎうごきたり 8 けぶりそのはなよりたちそのくちよりいでてやきつくしすみはこれがためにもえあがれり 9 ヱホバはてんをたれてくだりたまふ そのみあししたはくらきことはなはだし 10 かくてケルブにりてとびかぜのつばさにてかけ 11 やみをおほひとなしみづのくらきとそらの密雲くろくもとをそのまはりのまくとなしたまへり 12 そのみまへの光輝かがやきよりくろくもをへてへうともえたるすみとふりきたれり
 974㌻ 
13 ヱホバはてん雷鳴いかづちをとどろかせたまへり 至上者いとたかきもののこゑいでてへうともえたるすみとふりきたり 14 ヱホバをとばせてかれらをうちちらしかずしげき電光いなづまをはなちてかれらをうちやぶりたまへり 15 ヱホバよかゝるときになんぢの叱咤しつたとなんぢのはなのいぶきとによりてみづそこみえもとゐあらはれいでたり〘753㌻〙 16 ヱホバはたかきよりをのべわれをとりて大水おほみづよりひきあげ 17 わがつよきあたとわれを憎にくむものとよりわれをたすけいだしたまへり かれらはわれにまさりていとつよかりき 18 かれらはわが災害󠄅わざはひにせまりきたれり されどヱホバはわが支柱さゝへとなりたまひき 19 ヱホバはわれをよろこびたまふがゆゑにわれをたづさへひろきところにだしてたすけたまへり 20 ヱホバはわが正義たゞしきにしたがひて恩賜たまものをたまひ わがのきよきにしたがひて報賞むくいをたれたまへり 21 われヱホバの道󠄃みちをまもりあくをなしてわがかみよりはなれしことなければなり 22 そのすべての審判󠄄さばきはわがまへにありて われその律法おきてをすてしことなければなり 23 われかみにむかひてかくるところなくおのれをまもりて不義ふぎをはなれたり 24 このゆゑにヱホバはわがただしきとその目前󠄃めのまへにわがのきよきとにしたがひてわれにむくいをなしたまへり 25 なんぢ憐憫あはれみあるものにはあはれみあるものとなり完全󠄃またきものには全󠄃またきものとなり 26 きよきものには潔󠄄きよきものとなりひがむものにはひがむものとなりたまふ 27 そはなんぢくるしめるたみをすくひたまへどたかぶるをひくくしたまふべければなり 28 なんぢわが燈火ともしびをともしたまふべければなり わがかみヱホバわが暗󠄃くらきをてらしたまはん 29 われなんぢによりていくさなかをはせとほり わがかみによりてかきををどりこゆ 30 かみはしもその途󠄃みちまたくヱホバのことばはきよし ヱホバはすべて依賴よりたのむもののたてなり 31 そはヱホバのほかにかみはたれぞや われらのかみのほかにいはほはたれぞや 32 かみはちからをわれにおばしめ わが途󠄃みち全󠄃またきものとなしたまふ 33 かみはわがあしめじかのあしのごとくしわれをわが高處たかきところにたたせたまふ
 975㌻ 
34 かみはわがをたたかひにならはせてわがかひな銅弓かなゆみをひくことをしめたまふ 35 又󠄂またなんぢのすくひたてをわれにあたへたまへり なんぢの右手みぎのてわれをささへなんぢの謙󠄃卑へりくだりわれをおほいならしめたまへり 36 なんぢわがあゆむところを寛濶ひろらかならしめたまひたれば わがあしふるはざりき 37 われあたをおひてこれに追󠄃及おひしきかれらのほろぶるまではかへることをせじ 38 われかれらをうちてたつことをざらしめん かれらはわがあしもとにたふるべし 39 そはなんぢ戰爭たたかひのためにちからをわれにおばしめ われにさからひておこりたつものをわがもとにかがませたまひたればなり 40 われをにくむものをわがほろぼしえんがためになんぢまたわがあたそびらをわれにむけしめたまへり 41 かれらさけびたれどもすくふものなく ヱホバにむかひてさけびたれどもこたへたまはざりき 42 われかれらをかぜのまへのちりのごとくにつきくだき ちまたのひじのごとくにうちすてたり〘754㌻〙 43 なんぢわれをたみのあらそひよりたすけいだしわれをたててもろもろのくにをさとなしたまへり わがしらざるたみわれにつかへん 44 かれらわがことをききて立刻たちまちわれにしたがひ異邦人ことくにびとはきたりておもねりつかへん 45 ことくにびとはおとろへてそのしろよりをののきいでん 46 ヱホバはいきていませり わがいははほむべきかな わがすくひのかみはあがむべきかな 47 わがためにあたをむくい異邦人ことくにびとをわれに服󠄃まつろはせたまふはこのかみなり 48 かみはわれをあたよりすくひたまふになんぢはわれにさからひて起󠄃おこりたつもののうへにわれをあげ あらぶるひとよりわれをたすけいだしたま 49 このゆゑにヱホバよ われもろもろの國人くにびとのなかにてなんぢに感謝かんしやし なんぢのみなをほめうたはん 50 ヱホバはおほいなるすくひをそのわうにあたへ その受膏者じゆかうじやダビデとそのすゑとに世々よゝかぎりなく憐憫あはれみをたれたまふ
 976㌻ 

第19篇

[ うたのかみにうたはしめたるダビデのうた ]

1 もろもろのてんかみのえいくわうをあらはし 穹蒼おほぞらはそのみてのわざをしめす 2 このことばをかのにつたへこのよ知識ちしきをかのにおくる 3 かたらずいはずそのこゑきこえざるに 4 そのひびきは全󠄃地ぜんちにあまねく そのことばはのはてにまでおよぶ かみはかしこに帷幄あけばりのためにまうけたまへり 5 新婿にひむこがいはひの殿とのをいづるごとく勇士ますらをがきそひはしるをよろこぶにたり 6 そのいでたつやてんはしよりし その運󠄃めぐりゆくやてんのはてにいたる ものとしてその和喣あたたまりをかうぶらざるはなし 7 ヱホバののりはまたくして靈魂たましひをいきかへらしめ ヱホバの證詞あかしはかたくしておろかなるものをさとからしむ 8 ヱホバの訓諭さとしはなほくしてこゝろをよろこばしめ ヱホバの誡命いましめはきよくしてまなこをあきらかならしむ 9 ヱホバをかしこみおそるる道󠄃みちはきよくして世々よゝにたゆることなく ヱホバのさばきは眞實まことにしてことごとくたゞ 10 これを黄金こがねにくらぶるもおほくの純精金まじりなきこがねにくらぶるも 彌增いやまさりてしたふべく これをみつにくらぶるもはちのすの滴瀝したたりにくらぶるもいやまさりてあま 11 なんぢのしもべはこれらによりて儆戒いましめをうく これらをまもらばおおいなる報賞むくいあらん 12 たれかおのれの過󠄃失あやまちをしりえんや ねがはくはわれをかくれたるとがより解放ときはなちたまへ 13 ねがはくはなんぢのしもべをひきとめて故意󠄃ことさらなるつみををかさしめず それをわがしゆたらしめあたふなかれ さればわれきずなきものとなりておほいなるとがをまぬかるるをえん 14 ヱホバわがいはわが贖主あがなひぬしよ わがくちのことばわがこころの思念おもひなんぢのまへによろこばるることをしめたまへ〘755㌻〙

第20篇

[ 伶長うたのかみにうたはしめたるダビデのうた ]

1 ねがはくはヱホバなやみのになんぢにこたヘヤユブのかみのみななんぢをたかきにあげ 2 聖󠄄所󠄃せいじよより援助たすけをなんぢにおくりシオンより能力ちからをなんぢにあたへ
 977㌻ 
3 なんぢのもろもろのさゝげものをみこころにとめ なんぢの燔祭はんさいをうけたまはんことを セラ 4 ねがはくはなんちがこころの願望󠄇ねがひをゆるし なんぢの謀略はかりごとをことごとく遂󠄅とげしめたまはんことを 5 我儕われらなんぢのすくひによりてよろこびうたひ われらのかみみなによりてはたをたてん ねがはくはヱホバなんぢのもろもろのもとめをとげしめたまはんことを 6 われいまヱホバその受膏者じゆかうじやをすくひたまふをる ヱホバそのきよきてんより右手みぎのてなるすくひのちからにてかれにこたへたまはん 7 あるひはくるまをたのみあるひはむまをたのみとするものあり されどわれらはわがかみヱホバのみなをとなへん 8 かれらはかがみまたたふるわれらは起󠄃おきてかたくたてり 9 ヱホバよわうをすくひたまへ われらがよぶときこたへたまへ

第21篇

[ 伶長うたのかみにうたはしめたるダビデのうた ]

1 ヱホバよわうはなんぢのちからによりてたのしみなんぢのすくひによりて奈何いかにおほいなる歡喜よろこびをなさん 2 なんぢかれがこころの願望󠄇ねがひをゆるし そのくちびるのもとめをいなみたまはざりき セラ 3 そはよきたまもののめぐみをもてかれを迎󠄃むかへ まじりなきこがねの冕弁かんむりをもてかれのかうべにいただかせたまひたり 4 かれ生命いのちをもとめしになんぢこれをあたへてそのよはひ世々よゝかぎりなからしめたまへり 5 なんぢのすくひによりてその榮光えいくわうおほいなり なんぢは尊󠄅貴たふとき稜威みいづとをかれにせたまふ 6 そはこれをとこしへにさいはひなるものとなし聖󠄄顏みかほのまへの歡喜よろこびをもてたのしませたまへばなり 7 わうはヱホバに依賴よりたのみ いとたかきもののいつくしみをかうむるがゆゑにうごかさるることなからん 8 なんぢのはそのもろもろのあたをたづねいだし なんぢのみぎのはおのれを憎にくむものをたづねいだすべし 9 なんぢいかるときは彼等かれらをもゆるのごとくにせんヱホバはげしきいかりによりてかれらをのみたまはん はかれらを食󠄃くらひつくさん
 978㌻ 
10 なんぢかれらのすゑよりほろぼし かれらのたねひとのなかよりほろぼさん 11 かれらはなんぢにむかひてあしきことをくはだて遂󠄅とげがたき謀略はかりごとをおもひまはせばなり 12 なんぢかれらをしてそびらをむけしめ そのかほにむかひて弓絃ゆづるをひかん 13 ヱホバよ能力みちからをあらはしてみづからをたかくしたまへ 我儕われらはなんぢの稜威みいづをうたひかつほめたたへん〘756㌻〙

第22篇

[ あけぼのの鹿しか調しらべにあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるダビデのうた ]

1 わがかみわがかみなんぞわれをすてたまふや いかなれば遠󠄄とほくはなれてわれをすくはず わがなげきのこゑをききたまはざるか 2 ああわがかみわれひるよばはれどもなんぢこたへたまはず よるよばはれどもわれ平󠄃安やすきをえず 3 はあれイスラエルの讃美さんびのなかに住󠄃すみたまふものよなんぢはきよし 4 われらの列祖おやたちはなんぢに依賴よりたのめり かれら依賴よりたのみたればこれをたすけたまへり 5 かれらなんぢをよびてたすけをえなんぢによりたのみてはぢをおへることなかりき 6 しかはあれどわれはむしにしてひとにあらず にそしられたみにいやしめらる 7 すべてわれをるものはわれをあざみわらひ 口唇くちびるをそらしかうべをふりていふ 8 かれはヱホバによりたのめりヱホバたすくべし ヱホバかれをよろこびたまふがゆゑにたすくべしと 9 されどなんぢはわれを胎內はらのうちよりいだしたまへるものなり わがはゝのふところにありしときすでになんぢに依賴よりたのましめたまへり 10 われうまれいでしよりなんぢにゆだねられたり わがはゝわれをうみしときよりなんぢはわがかみなり 11 われに遠󠄄とほざかりたまふなかれ 患難なやみちかづき又󠄂またすくふものなければなり 12 おほくの牡牛をうしわれをめぐりバサンのちからつよき牡牛をうしわれをかこめり 13 かれらはくちをあけてわれにむかひものをかきさきほえうだくしゝのごとし 14 われみづのごとくそそぎいだされ わがもろもろのほねははづれ わがこゝろらふのごとくなりてはらのうちにとけたり 15 わがちからはかわきて陶器すゑもののくだけのごとく わがしたあぎにひたつけり なんぢわれをちりにふさせたまへり
 979㌻ 
16 そはいぬわれをめぐりあしきもののむれわれをかこみてわがおよびわがあしをさしつらぬけり 17 わがほねはことごとくかぞふるばかりになりぬ あしきもののをとめてわれをみる 18 かれらたがひにわがころもをわかちがしたぎをくじにす 19 ヱホバよ遠󠄄とほくはなれたまふなかれ わがちからよねがはくは速󠄃とくきたりてわれをたすけたまへ 20 わがたましひをつるぎよりたすけいだし わが生命いのちいぬのたけきいきほひよりのがれしめたまへ 21 われをしゝくちまたうしのつのよりすくひいだしたまへ なんぢわれにこたへたまへり 22 われなんぢのをわが兄弟はらからにのべつたへ なんぢをつどひのなかにてほめたたへん 23 ヱホバをおそるるものよヱホバをほめたたへよ ヤコブのもろもろのすゑよヱホバをあがめよ イスラエルのもろもろのすゑよヱホバをかしこ〘757㌻〙 24 ヱホバはなやむものの辛苦くるしみをかろしめすてたまはず これに聖󠄄顏みかほをおほふことなくしてそのさけぶときにききたまへばなり 25 おほいなるつどひのなかにてわがなんぢをほめたたふるはなんぢよりいづるなり わがちかひしことはヱホバをおそるるもののまへにてことごとくつくのはん 26 謙󠄃遜者へりくだるものはくらひて飽󠄄あくことをえ ヱホバをたづねもとむるものはヱホバをほめたたへん ねがはくはなんぢらのこゝろとこしへにいきんことを 27 のはてはみなおもひいだしてヱホバにかへりもろもろのくにやからはみな前󠄃みまへにふしをがむべし 28 くにはヱホバのものなればなり ヱホバはもろもろの國人くにびとをすべをさめたまふ 29 のこえたるものはみなくらひてヱホバををがみちりにくだるものとおのがたましひをながらふることあたはざるものとみなそのみまへに拜跪ひざまづかん 30 たみのすゑのうちにヱホバにつかるものあらん しゆのことは代々よゝにかたりつたへらるべし 31 かれらきたりてこれはヱホバの行爲みわざなりとてそののちにうまるるたみにのべつたへん
 980㌻ 

第23篇

[ ダビデのうた ]

1 ヱホバは牧者ぼくしゃなり われとぼしきことあらじ 2 ヱホバはわれをみどりのにふさせ いこひの水濱みぎはにともなひたまふ 3 ヱホバはわが靈魂たましひをいかしみなのゆゑをもてわれをただしきみちにみちびきたま 4 たとひわれのかげのたにをあゆむとも禍害󠄅わざはひをおそれじ なんぢわれとともにいませばなり なんぢのしもとなんぢのつゑわれをなぐさ 5 なんぢわがあたのまへにがためにえんをまうけ わがかうべにあぶらをそそぎたまふ わが酒杯さかづきはあふるるなり 6 わがにあらんかぎりはかならず恩惠めぐみ憐憫あはれみとわれにそひきたらん われはとこしへにヱホバのみやにすまん

第24篇

[ ダビデのうた ]

1 とそれにみつるもの世界せかいとそのなかにすむものとはみなヱホバのものなり 2 ヱホバはそのもとゐを大海おほうみのうへにすゑこれを大川おほかはのうへにさだめたまへり 3 ヱホバのやまにのぼるべきものはたれぞ その聖󠄄所󠄃せいじよにたつべきものはたれぞ 4 きよくこゝろいさぎよきものそのたましひむなしきことをあふぎのぞまずいつはりのちかひをせざるものぞ そのひとなる 5 かかるひとはヱホバより福祉さいはひをうけ そのすくひのかみよりをうけん 6 かくのごときものかみをしたふものの族類やからなり ヤコブのかみよなんぢの聖󠄄顏みかほをもとむるものなり セラ 7 かどよなんぢらのかうべをあげよ とこしへのよあがれ 榮光えいくわうわういりたまはん 8 えいくわうのわうはたれなるか ちからをもちたまふたけきヱホバなり 戰鬪たたかひにたけきヱホバなり〘758㌻〙 9 かどよなんぢらのかうべをあげよ とこしへのよあがれ 榮光えいくわうわういりたまはん 10 この榮光えいくわうわうはたれなるか 萬軍ばんぐんのヱホバこれぞえいくわうのわうなる セラ
 981㌻ 

第25篇

[ ダビデのうた ]

1 ああヱホバよ わがたましひはなんぢをあふぎ望󠄇のぞ 2 わがかみよわれなんぢに依賴よりたのめり ねがはくはわれにはぢをおはしめたまふなかれ わがあたのわれに勝󠄃誇かちほこることなからしめたまへ 3 になんぢを俟望󠄇まちのぞむものははぢしめられず ゆゑなくしてまことをうしなふものははぢをうけん 4 ヱホバよなんぢの大路おほぢをわれにしめし なんぢのみちをわれにをしへたまへ 5 われをなんぢの眞理しんりにみちびきわれををしへたまへ なんぢはわがすくひのかみなり われ終󠄃日ひねもすなんぢを俟望󠄇まちのぞ 6 なんぢのあはれみと仁慈いつくしみとはいにしへよりたえずあり ヱホバよこれをおもひいだしたまへ 7 わがわかきときのつみとわがとがとはおもひいでたまふなかれ ヱホバよなんぢのめぐみのゆゑになんぢの仁慈いつくしみにしたがひてわれをおもひいでたまへ 8 ヱホバはめぐみふかくしてなほくましませり かゝるがゆゑに道󠄃みちをつみびとにをしへ 9 謙󠄃へりくだるものを正義たゞしきにみちびきたまはん その道󠄃みちをへりくだるものにしめしたまはん 10 ヱホバのもろもろの道󠄃みちはそのけいやくと證詞あかしとをまもるものには仁慈いつくしみなり眞理まことなり 11 わが不義ふぎはおほいなり ヱホバよみなのためにこれをゆるしたまへ 12 ヱホバをおそるるものはたれなるか これにそのえらぶべき道󠄃みちをしめしたまはん 13 かかるひとのたましひは平󠄃安やすきにすまひ そのすゑはくにをつぐべし 14 ヱホバの親愛したしみはヱホバをおそるるものとともにあり ヱホバはその契󠄅約けいやくをかれらにしめしたまはん 15 わがはつねにヱホバにむかふ ヱホバわがあしをあみよりとりいだしたまふべければなり 16 ねがはくはかへりきたりてわれをあはれみたまへ われひとりわびしくまたくるしみをるなり 17 ねがはくはわがこゝろのうれへをゆるめわれをわざはひよりまぬかれしめたまへ 18 わが患難なやみわが辛苦くるしみをかへりみ わがすべてのつみをゆるしたまへ
 982㌻ 
19 わがあたをみたまへ かれらのかずはおほし情󠄃なさけなきにくみをもてわれをにくめり 20 わがたましひをまもりわれをたすけたまへ われにはぢをおはしめたまふなかれ われなんぢに依賴よりたのめばなり 21 われなんぢを挨望󠄇まちのぞむねがはくは完全󠄃またき正直なほきとわれをまもれかし 22 かみよすべてのうれひよりイスラエルをあがなひいだしたまへ〘759㌻〙

第26篇

[ ダビデのうた ]

1 ヱホバよねがはくはわれをさばきたまへわれわが完全󠄃またきによりてあゆみたり しかのみならずわれたゆたはずヱホバに依賴よりたのめり 2 ヱホバよわれをたゞしまたこゝろみたまへ わがむらととこころとをねりきよめたまへ 3 そはなんぢのいつくしみわが眼前󠄃まのあたりにあり われはなんぢの眞理まことによりてあゆめり 4 われはむなしきひととともにすわらざりき あくをいつはりかざるものとともにはゆかじ 5 あくをなすもののつどひをにくみ惡者あしきものとともにすわることをせじ 6 われをあらひてつみなきをあらはす ヱホバよかくてなんぢの祭壇さいだんをめぐり 7 感謝かんしやのこゑをきこえしめ すべてなんぢのくすしきみわざをのべつたへん 8 ヱホバよわれなんぢのましますいへとなんぢが榮光えいくわうのとゞまるところとをいつくしむ 9 ねがはくはわがたましひを罪人つみびととともに わが生命いのちをながすものとともにとりをさめたまふなかれ 10 かかるひとにはあしきくはだてあり そのみぎ賄賂まひなひにてみつ 11 されどわれはわが完全󠄃またきによりてあゆまんねがはくはわれをあがなひわれをあはれみたまへ 12 わがあしは平󠄃坦たひらかなるところにたつ われもろもろのつどひのなかにてヱホバをほめまつらん

第27篇

[ ダビデのうた ]

1 ヱホバはわがひかりわがすくひなり われたれをかおそれん ヱホバはわが生命いのちのちからなり わがおそるべきものはたれぞや
 983㌻ 
2 われのてきわれのあたなるあしきものおそひきたりてわがにくをくらはんとせしがつまづきかつたふれたり 3 たとひいくさびとえいをつらねてわれをせむるともわがこゝろおそれじ たとひたゝかひおこりてわれをせむるともわれになほたのみあり 4 われ一事ひとつのことをヱホバにこへりわれこれをもとむ われヱホバのうるはしきをあふぎそのみやをみんがためにわがにあらんかぎりはヱホバのいへにすまんとこそねがふなれ 5 ヱホバはなやみのにその行宮かりいほのうちにわれをひそませその幕屋まくやのおくにわれをかくしいはほのうへにわれをたかくおきたまふべければなり 6 いまわがかうべはわれをめぐれるあたのうへにたかくあげらるべし このゆゑにわれヱホバのまくやにて歡喜よろこびのそなへものをさゝげん われうたひてヱホバをほめたたへん 7 わがこゑをあげてさけぶときヱホバよききたまへ またあはれみてわれにこたへたまへ 8 なんぢらわがかほをたづねもとめよと(かゝ聖󠄄言みことばのありしとき)わがこゝろなんぢにむかひてヱホバよわれなんぢの聖󠄄顏みかほをたづねんといへり 9 ねがはくは聖󠄄顏みかほをかくしたまふなかれ いかりてなんぢのしもべをとほざけたまふなかれなんぢはわれのたすけなり あゝわがすくひのかみよ われをおひいだしわれをすてたまふなかれ〘760㌻〙 10 わが父󠄃母ちちははわれをすつるともヱホバわれを迎󠄃むかへたまはん 11 ヱホバよなんぢの途󠄃みちをわれにをしへ わがあたのゆゑにわれをたひらかなる途󠄃みちにみちびきたまへ 12 いつはりのあかしをなすもの暴厲あらびはくものわれにさからひて起󠄃おこりたてり ねがはくはわれをあたにわたしてそのこゝろのままになさしめたまふなかれ 13 われもしヱホバの恩寵いつくしみをいけるもののくににてるのたのみなからましかば奈何いかにぞや 14 ヱホバをまち望󠄇ぞめ雄々ををしかれなんぢのこころをかたうせよ かならずやヱホバをまちのぞめ

第28篇

[ ダビデのうた ]

1 ああヱホバよわれなんぢをよばん わがいはよねがはくはわれにむかひて暗󠄃啞おふしとなりたまふなかれ なんぢもだしたまはばおそらくはわれはかにいるものとひとしからん
 984㌻ 
2 われなんぢにむかひてさけび聖󠄄所󠄃せいじよおくにむかひてをあぐるときわが懇求ねがひのこゑをききたまへ 3 あしきひとまた邪曲よこしまをおこなふものとともにわれをとらへてひきゆきたまふなかれ かれらはそのとなりにやはらぎをかたれどもこゝろには殘害󠄅そこなひをいだけり 4 そのわざにしたがひそのなすあくにしたがひて彼等かれらにあたへ その行爲なしわざにしたがひてあたへこれにそのうくべきものをむくいたまへ 5 かれらはヱホバのもろもろのわざとそのみてのなしわざとをかへりみず このゆゑにヱホバかれらをこぼちてたてたまふことなからん 6 ヱホバはほむべきかな わがいのりのこゑをききたまひたり 7 ヱホバはわがちからわがたてなり わがこころこれに依賴よりたのみたればわれたすけをえたり るゆゑにわがこゝろいたくよろこぶ われうたをもてほめまつらん 8 ヱホバはそのたみのちからなり その受膏者じゆかうじやのすくひのしろなり 9 なんぢのたみをすくひなんぢの嗣業ゆづりをさきはひかつこれをやしなひこれをとこしなへにいだきたすけたまへ

第29篇

[ ダビデのうた ]

1 なんぢらかみらよ ヱホバにさゝげまつれさかえちからとをヱホバにささげまつれ 2 そのみなにふさはしき榮光えいくわうをヱホバにささげまつれ きよきころもをつけてヱホバををがみまつれ 3 ヱホバのみこゑはみづのうへにあり えいくわうのかみいかづちをとどろかせたまふ ヱホバは大水おほみづのうへにいませり 4 ヱホバのみこゑはちからあり ヱホバのみこゑは稜威みいつあり 5 ヱホバのみこゑは香柏かうはくををりくだく ヱホバ、レバノンのかうはくををりくだきたまふ 6 これをこうしのごとくをどらせレバノンとシリオンとをわかきうしのごとくをどらせたまふ〘761㌻〙 7 ヱホバのみこゑは火焔ほのほをわかつ
 985㌻ 
8 ヱホバのみこゑはをふるはせヱホバはカデシのをふるはせたまふ 9 ヱホバのみこゑは鹿しかをうませ また林木はやしをはだかにす そのみやにあるすべてのものよばはりて榮光えいくわうなるかなといふ 10 ヱホバは洪水こうずゐのうへにしたまへり ヱホバは寳座みくらにざして永遠󠄄とこしへわうなり 11 ヱホバはそのたみにちからをあたへたまふ 平󠄃安やすきをもてそのたみをさきはひたまはん

第30篇

[ 殿とのをささぐるときにうたへるダビデのうた ]

1 ヱホバよわれなんぢをあがめん なんぢわれをおこしてわがあたのわがことによりてよろこぶをゆるしたまはざればなり 2 わがかみヱホバよわれなんぢによばはればなんぢわれをいやしたまへり 3 ヱホバよなんぢわがたましひを陰府よみよりあげわれをながらへしめてはかにくだらせたまはざりき 4 ヱホバの聖󠄄徒せいとよ ヱホバをほめうたへまつれ きよきみな感謝かんしやせよ 5 そのいかりはただしばしにてそのめぐみはいのちとともにながし はよもすがらなきかなしむとも朝󠄃あしたにはよろこびうたはん 6 われやすけかりしときにいへらく とこしへにうごかさるることなからんと 7 ヱホバよなんぢめぐみをもてわがやまをかたくたゝせたまひき しかはあれどなんぢみかほをかくしたまひたればわれおぢまどひたり 8 ヱホバよわれなんぢによばはれり われひたすらヱホバにねがへり 9 われはかにくだらばわがなにのえきあらん ちりはなんぢをほめたたへんや なんぢの眞理まことをのべつたへんや 10 ヱホバよきゝたまへ われをあはれみたまへ ヱホバよねがはくはわがたすけとなりたまへ 11 なんぢ踴躍󠄃をどりをもてわが哀哭なげきにかへわが麁服󠄃あらたへをとき歡喜よろこびをもてわがおびとしたまへり 12 われさかえをもてほめうたひつつもだすことなからんためなり わがかみヱホバよわれ永遠󠄄とこしへになんぢに感謝かんしやせん
 986㌻ 

第31篇

[ 伶長うたのかみにうたはしめたるダビデのうた ]

1 ヱホバよわれなんぢによりたのむ ねがはくはいづれのまでもはぢをおはしめたまふなかれ なんぢのをもてわれをたすけたまへ 2 なんぢのみゝをかたぶけて速󠄃すみやかにわれをすくひたまへ ねがはくはわがためにかたきいはとなりわれをすくふ保障まもりいへとなりたまへ 3 なんぢはわがいはわがしろなり さればみなのゆゑをもてわれをひきわれを導󠄃みちびきたまへ 4 なんぢわれをかれらがひそかにまうけたるあみよりひきいだしたまへ なんぢはわが保砦とりでなり 5 われ靈魂たましひをなんぢのみてにゆだぬ ヱホバまことのかみよなんぢはわれをあがなひたまへり 6 われはいつはりのむなしきことにこゝろをよするものをにくむ われはたゞヱホバによりたのむなり〘762㌻〙 7 われはなんぢの憐憫あはれみをよろこびたのしまん なんぢわが艱難なやみをかへりみ わがたましひの禍害󠄅わざはひをしり 8 われをあたにとぢこめしめたまはず わがあしをひろきところにたてたまへばなり 9 われ迫󠄃せまりくるしめり ヱホバよわれをあはれみたまへ わがはうれひによりておとろふ 靈魂たましひもまたおとろへぬ 10 わが生命いのちはかなしみによりて消󠄃えゆき わが年華としはなげきによりて消󠄃きえゆけばなり わがちからはわが不義ふぎによりておとろへ わがほねはかれはてたり 11 われもろもろのあたゆゑにそしらる わがとなりにはわけてはなはだしあひしるものには忌憚いみはばかられちまたにてわれをるもの避󠄃さけてのがる 12 われはしにたるもののごとくわすられてひとのこころにおかれず われはやぶれたるうつはもののごとくなれり 13 そはわれおほくのひとのそしりをきいいたるところにおそれあり かれらわれにさからひてたがひにはかりしが わが生命いのちをさへとらんとくはだてたり 14 されどヱホバよわれなんぢによりたのめり またなんぢはわがかみなりといへり 15 わがときはすべてなんぢのみてにあり ねがはくはわれをあたよりたすけ われに追󠄃おひ迫󠄃せまるものよりたすけいだしたまへ 16 なんぢのしもべのうへに聖󠄄顏みかほをかがやかせ なんぢの仁慈いつくしみをもてわれをすくひたまへ
 987㌻ 
17 ヱホバよわれにはぢをおはしめたまふなかれ そはわれなんぢをよべばなり ねがはくはあしきものにはぢをうけしめ陰府よみにありてくちをつぐましめたま 18 傲慢たかぶり輕侮あなどりとをもてただしきものにむかひみだりにののしるいつはりの口唇くちびるをつぐましめたまへ 19 なんぢをおそるるもののためにたくはへ なんぢに依賴よりたのむもののためにひとのまへにてほどこしたまへるなんぢのいつくしみはおほいなるかな 20 なんぢかれらを御前󠄃みまへなるひそかなる所󠄃ところにかくしてひと謀略はかりごとよりまぬかれしめ また行宮かりいほのうちにひそませてしたのあらそひをさけしめたまはん 21 ほむべきかなヱホバは堅固けんごなるしろのなかにてあやしまるるばかりの仁慈いつくしみをわれにあらはしたまへり 22 われおどろきあわてていへらく なんぢののまへよりたゝれたりと されどわれなんぢによびもとめしときなんぢわがねがひのこゑをききたまへり 23 なんぢらもろもろの聖󠄄徒せいとよヱホバをいつくしめ ヱホバは眞實まことあるものをまもり傲慢たかぶるものにおもくむくいをほどこしたまふ 24 すべてヱホバを俟望󠄇まちのぞむものよ雄々ををしかれ なんぢらこゝろをかたうせよ

第32篇

[ ダビデの訓諭をしへのうた ]

1 そのとがをゆるされそのつみをおほはれしものはさいはひなり〘763㌻〙 2 1不義ふぎをヱホバに負󠄅おはせられざるものこゝろにいつはりなきものはさいはひなり 3 われいひあらはさざりしときは終󠄃日ひねもすかなしみさけびたるがゆゑにわがほねふるびおとろへたり 4 なんぢのみてはよるもひるもわがうへにありておもし わが潤澤うるほひはかはりてなつひでりのごとくなれり セラ 5 かくてわれなんぢの前󠄃みまへにわがつみをあらはしわが不義ふぎをおほはざりき われいへらくわがとがをヱホバにいひあらはさんと かゝるときしもなんぢわがつみの邪曲よこしまをゆるしたまへり セラ 6 さればかみをうやまふものはなんぢに遇󠄃あふことをうべきになんぢにいのらん 大水おほみづあふれながるるともかならずそのにおよばじ
 988㌻ 
7 なんぢはわがかくるべき所󠄃ところなり なんぢ患難なやみをふせぎてわれをまもりすくひのうたをもてわれをかこみたまはん セラ 8 われなんぢををしへなんぢをあゆむべき途󠄃みちにみちびき わがをなんぢにとめてさとさん 9 汝等なんぢらわきまへなきむまのごとく驢馬うさぎむまのごとくなるなかれ かれらはくつわたづなのごとき具󠄄をもてひきとめずば近󠄃ちかづききたることなし 10 惡者あしきものはかなしみおほかれどヱホバに依賴よりたのむものは憐憫あはれみにてかこまれん 11 ただしきものよヱホバをよろこびたのしめ すべてこころのなほきものよよろこびよばふべし

第33篇

1 ただしきものよヱホバによりてよろこべ 讃美さんびはなほきものに適󠄄ふさはしきなり 2 ことをもてヱホバに感謝かんしやせよ 十絃とををのことをもてヱホバをほめうたへ 3 あたらしきうたをヱホバにむかひてうたひ歡喜よろこびこゑをあげてたくみにことをかきならせ 4 ヱホバのことばはなほく そのすべておこなひたまふところ眞實まことなればなり 5 ヱホバは公平󠄃こうへいとをこのみたまふ その仁慈いつくしみはあまねくにみつ 6 もろもろのてんはヱホバのみことばによりてり てんの萬軍ばんぐんはヱホバのくちいきによりてつくられたり 7 ヱホバはうみのみづをあつめてうづだかくしふかきふちくらにをさめたまふ 8 全󠄃地ぜんちはヱホバをおそれにすめるもろもろのひとはヱホバをおぢかしこむべし 9 そはヱホバいひたまへばり おほせたまへばたてるがゆゑなり 10 ヱホバはもろもろのくにのはかりごとをむなしくし もろもろのたみのおもひを徒勞いたづらにしたまふ 11 ヱホバの謀略はかりごとはとこしへにち そのみこころのおもひは世々よゝにたつ 12 ヱホバをおのがかみとするくにはさいはひなり ヱホバ嗣業ゆづりにせんとてえらびたまへるそのたみはさいはひなり 13 ヱホバてんよりうかがひてすべてのひと 14 そのいますところよりにすむもろもろのひとをみたまふ 15 ヱホバはすべてかれらのこゝろをつくり そのなすところをことごとくかんがみたまふ〘764㌻〙
 989㌻ 
16 わうしやいくさびとおほきをもてすくひをえず勇士ゆうしちからおほいなるをもてたすけをえざるなり 17 むまはすくひにえきなく そのおほいなるちからもひとをたすくることなからん 18 よヱホバのはヱホバをおそるるものまたその憐憫あはれみをのぞむもののうへにあり 19 はかれらのたましひをよりすくひ饑饉としうゑたるときにもにながらへしめんがためなり 20 われらのたましひはヱホバを侯望󠄇まちのぞめり ヱホバはわれらのたすけわれらのたてなり 21 われらはきよきみなにりたのめり かくてぞわれらのこゝろはヱホバにありてよろこばん 22 ヱホバよわれらなんぢをまちのぞめり これにしたがひて憐憫あはれみをわれらのうへにたれたまへ

第34篇

[ ダビデ、アビメレクのまへにてくるへるさまをなし逐󠄃おはれていでさりしときにつくれるうた ]

1 われつねにヱホバをいはひまつらんその頌詞たたへごとはわがくちにたえじ 2 わがたましひはヱホバによりてほこらん 謙󠄃へりくだるものはこれをききてよろこばん 3 われとともにヱホバをあがめよ われらともにそのみなをあげたたへん 4 われヱホバを尋󠄃たづねたればヱホバわれにこたへわれをもろもろの畏懼おそれよりたすけいだしたまへり 5 かれらヱホバをあふぎのぞみてひかりをかうぶれり かれらのかほははぢあからむことなし 6 このくるしむものさけびたればヱホバこれをきき そのすべての患難なやみよりすくひいだしたまへり 7 ヱホバの使者つかひはヱホバをおそるるもののまはりにえいをつらねてこれをたす 8 なんぢらヱホバの恩惠めぐみふかきをあぢはひしれ ヱホバによりたのむものはさいはひなり 9 ヱホバの聖󠄄徒せいとよヱホバをおそれよヱホバをおそるるものにはとぼしきことなければなり 10 わかきしゝはともしくしてうゝることあり されどヱホバをたづぬるものは嘉物よきものにかくることあらじ 11 よきたりてわれにきけ われヱホバをおそるべきことを汝等なんぢらにをしへん
 990㌻ 
12 福祉さいはひをみんがために生命いのちをしたひながらへんことをこのむものはたれぞや 13 なんぢのしたをおさへてあくにつかしめず なんぢの口唇くちびるをおさへて虛僞いつはりをいはざらしめよ 14 あくをはなれてぜんをおこなひ和睦やはらぎをもとめてせちにこのことをつとめよ 15 ヱホバのはただしきものをかへりみ そのみゝはかれらの號呼さけびにかたぶく 16 ヱホバの聖󠄄顏みかほはあくをなすものにむかひてそのあとよりたちほろぼしたまふ 17 義者ただしきものさけびたればヱホバこれをききてそのすべての患難なやみよりたすけいだしたまへり 18 ヱホバはこゝろのいたみかなしめるものにちかくいましてたましひのくいくづほれたるものをすくひたまふ〘765㌻〙 19 ただしきものは患難なやみおほし されどヱホバはみなそのなかよりたすけいだしたまふ 20 ヱホバはかれがすべてのほねをまもりたまふ そのひとつだにをららるることなし 21 あくはあしきものをころさん 義人ただしきひとをにくむものはつみなはるべし 22 ヱホバはそのしもべのたましひをあがなひたまふ ヱホバに依賴よりたのむものは一人ひとりだにつみなはるることなからん

第35篇

[ ダビデのうた ]

1 ヱホバよねがはくはわれにあらそふものとあらそひわれとたたかふものとたゝかひたまへ 2 たて大盾おほだてとをとりてわがたすけにたちいでたまへ 3 ほこをぬきいだしたまひてわれにおひせまるものの途󠄃みちをふさぎかつわが靈魂たましひにわれはなんぢのすくひなりといひたまへ 4 ねがはくはわが靈魂たましひをたづぬるもののはぢをえていやしめられ われをそこなはんとはかるものの退󠄃しりぞけられてあわてふためかんことを 5 ねがはくはかれらがかぜのまへなる粃糠もみがらのごとくなりヱホバの使者つかひにおひやられんことを 6 ねがはくはかれらの途󠄃みちをくらくしすべらかにしヱホバの使者つかひにかれらを追󠄃おひゆかしめたまはんことを
 991㌻ 
7 かれらはゆゑなくわれをとらへんとてあみをあなにふせ ゆゑなくわが靈魂たましひをそこなはんとてあなをうがちたればなり 8 ねがはくはかれらがおもひよらぬにほろびきたりおのがふせたるあみにとらへられみづからそのほろびにおちいらんことを 9 さるときわが靈魂たましひはヱホバによりてよろこび そのすくひをもてたのしまん 10 わがすべてのほねはいはん ヱホバよなんぢはくるしむものをこれにまさりてちからつよきものよりまたくるしむもの貧󠄃まづしきものをかすめうばふものよりたすけいだしたまたれかなんぢにたぐふべきものあらんと 11 こころあしきあかしびとおこりてわがしらざることをなじりとふ 12 かれらはあくをもてわがぜんにむくいがたましひを依仗よるべなきものとせり 13 されどわれかれらがやみしときには麁服󠄃あらたへをつけかてをたちてわが靈魂たましひをくるしめたり わがいのりはふところにかへれり 14 わがかれになせることはわがともわが兄弟はらからにことならずはゝにありて痛哭なげくがごとくかなしみうなたれたり 15 されどかれらはわがたふれんとせしときよろこびつどひわがしらざりしとき匪類をこのものあつまりきたりてわれをせめ われをさきてやめざりき 16 かれらは洒宴しゆえんにてきたなきことをのぶる嘲笑者あざけりびとのごとくわれにむかひてをかみならせり 17 しゆよいたづらにるのみにしていく何時そのときをへたまふや ねがはくはわがたましひの彼等かれらにほろぼさるるをのがれしめ わが生命いのちをわかきしゝよりまぬかれしめたまへ〘766㌻〙 18 われおほいなるつどひにありてなんぢに感謝かんしやし おほくのたみのなかにてなんぢをほめたたへん 19 虛僞いつはりをもてわれにあたするもののわがゆゑによろこぶことをゆるしたまなかれ ゆゑなくしてわれをにくむもののたがひにめくばせすることなからしめたまへ 20 かれらは平󠄃安やすきをかたらず あざむきのことばをつくりまうけて國內くにのうちにおだやかにすまふものをそこなはんとはか 21 しかのみならずわれにむかひてくちをあけひろげ ああよやよやわれらのこれをみたりといへり 22 ヱホバよなんぢすでにこれをたまへり ねがはくはもだしたまふなかれしゆよわれに遠󠄄とほざかりたまふなかれ
 992㌻ 
23 わがかみよわがしゆよ おきたまへさめたまへ ねがはくはわがために審判󠄄さばきをなしわがうたへををさめたまへ 24 わがかみヱホバよなんぢのにしたがひてわれをさばきたまへ わがことによりてかれらに歡喜よろこびをえしめたまふなかれ 25 かれらにその心裡こころのうちにて ああここちよきかなよこれわがねがひしところなりといはしめたまふなかれ 又󠄂またわれらかれをのみつくせりといはしめたまふなかれ 26 ねがはくはわが害󠄅そこなはるるをよろこぶものみなはぢてあわてふためき われにむかひてはこりかにたかぶるもののはぢとはづかしめとをんことを 27 わがをよみするものをばよろこびうたはしめおほいなるかなヱホバそのしもべのさいはひをよろこびたまふとつねにいはしめたまへ 28 わがした終󠄃日ひねもすなんぢのとなんぢのほまれとをかたらん

第36篇

[ 伶長うたのかみにうたはしめたるヱホバのしもべダビデのうた ]

1 あしきもののとがはわがこゝろのうちにかたりて そののまへにかみをおそるるのおそれあることなしといふ 2 かれはおのが邪曲よこしまのあらはるることなく憎にくまるることなからんとてみづからそのにておもね 3 そのくちのことばは邪曲よこしま虛僞いつはりとなりをこばみぜんをおこなふことをやめたり 4 かつその寢床ふしどにてよこしまなることをはかり よからぬ途󠄃みちにたちとまりてあくをきらはず 5 ヱホバよなんぢの仁慈いつくしみてんにあり なんぢの眞實まことくもにまでおよぶ 6 なんぢのただしきはかみやまのごとく なんぢの審判󠄄さばきはおほいなるふちなり ヱホバよなんぢはひととけものとをまもりたまふ 7 かみよなんぢの仁慈いつくしみはたふときかな ひとはなんぢのつばさかげにさけどころを 8 なんぢのいへのゆたかなるによりてことごとく飽󠄄あくことをえん なんぢはその歡樂たのしみのかはのみづをかれらにのましめたまはん 9 そはいのちのいづみはなんぢにり われらはなんぢのひかりによりてひかりをみん
 993㌻ 
10 ねがはくはなんぢをるものにたえず憐憫あはれみをほどこしこゝろなほきものにたえず正義たゞしきをほどこしたまへ〘767㌻〙 11 たかぶるもののあしわれをふみあしきもののわれを逐󠄃おひはらふをゆるしたまふなかれ 12 邪曲よこしまをおこなふものはかしこにたふれたり かれらうちふせられてまた起󠄃たつことあたはざるべし

第37篇

[ ダビデのうた ]

1 あくをなすもののゆゑをもてこゝろをなやめ 不義ふぎをおこなふものにむかひてねたみをおこすなかれ 2 かれらはやがてくさのごとくかりとられ靑菜あをきなのごとくうちしをるべければなり 3 ヱホバによりたのみてぜんをおこなへ このくににとゞまり眞實まことをもてかてとせよ 4 ヱホバによりて歡喜よろこびをなせ ヱホバはなんぢがこゝろのねがひをなんぢにあたへたまはん 5 なんぢの途󠄃みちをヱホバにゆだねよ かれによりたのまばこれをなしとげ 6 ひかりのごとくなんぢのをあきらかにし午日まひるのごとくなんぢのうたへをあきらかにしたまはん 7 なんぢヱホバのまへにくちをつぐみ忍󠄄しのびてこれをまち望󠄇のぞめ おのが途󠄃みちをあゆみてさかゆるもののゆゑをもて あしき謀略はかりごとをとぐるひとゆゑをもてこゝろをなやむるなかれ 8 いかりをやめ忿恚いきどほりをすてよ こゝろをなやむるなかれ これあくをおこなふかたにうつらん 9 そはあくをおこなふものはたちほろぼされ ヱホバをまち望󠄇のぞむものはくにをつぐべければなり 10 あしきものはひさしからずしてうせん なんぢ細密こまかにそのところをおもひみるともあることなからん 11 されど謙󠄃へりくだるものはくにをつぎ また平󠄃安やすきのゆたかなるをたのしまん 12 あしきものはただしきものにさからはんとて謀略はかりごとをめぐらしこれにむかひて切齒はがみ 13 しゆはあしきものをわらひたまはん かれがのきたるをたまへばなり 14 あしきものはつるぎをぬきゆみをはりてくるしむものと貧󠄃まづしきものとをたふしおこなひなほきものをころさんとせり
 994㌻ 
15 されどそのつるぎはおのがむねをさしそのゆみはをらるべし 16 義人ただしきひとのもてるもののすくなきはおほくのあしきもののゆたかなるにまされり 17 そはあしきもののかひなはをらるれどヱホバはただしきものをたすけささへたまへばなり 18 ヱホバは完全󠄃まつたきもののもろもろのをしりたまふ かれらの嗣業ゆずりはかぎりなくひさしからん 19 かれらは禍害󠄅わざはひにあふときはぢをおはず饑饉うゑどしにもあくことを 20 あしきものはほろびヱホバのあたは牧場まきのさかえのかるるがごとくうせけぶりのごとく消󠄃きえゆかん 21 あしきものはものかりてつくのはず ただしきものはめぐみありてほどこしあたふ 22 かみのことほぎたまふひとくにをつぎ かみののろひたまふひとたちほろぼさるべし 23 ひとのあゆみはヱホバによりてさだめらる そのゆく途󠄃みちをヱホバよろこびたまへり〘768㌻〙 24 たとひそのひとたふるることありとも全󠄃またくうちふせらるることなし ヱホバかれがをたすけさゝへたまへばなり 25 われむかしとしわかくしていまおいたれど 義者ただしきもののすてられあるはそのすゑかてこひありくをしことなし 26 ただしきものは終󠄃日ひねもすめぐみありてかしあたふ そのすゑはさいはひなり 27 あくをはなれてぜんをなせ さらばなんぢの住󠄃居すまひとこしへならん 28 ヱホバは公平󠄃こうへいをこのみ その聖󠄄徒せいとをすてたまはざればなり かれらは永遠󠄄とこしへにまもりたすけらるれどあしきもののすゑはたちほろぼさるべし 29 ただしきものはくにをつぎ そのなかにすまひてとこしへにおよばん 30 ただしきもののくち智慧󠄄ちゑをかたり そのした公平󠄃こうへいをのぶ 31 かれがかみのりはそのこころにあり そのあゆみはひとあゆみだにすべることあらじ 32 あしきものは義者ただしきものをひそみうかがひてこれをころさんとはかる 33 ヱホバは義者ただしきものをあしきもののにのこしおきたまはず 審判󠄄さばきのときにつみなひたまふことなし 34 ヱホバをまち望󠄇のぞみてその途󠄃みちをまもれ さらばなんぢをあげてくにをつがせたまはん なんぢ惡者あしきもののたちほろぼさるるときにこれをみん
 995㌻ 
35 われあしきもののたけくしてはびこれるをるにおひたちたるにさかえしげれるのごとし 36 しかれどもかれは逝󠄃すぎゆけり よたちまちになくなりぬ われこれをたづねしかどあふことをえざりき 37 またきひとをそそぎなほきひとをみよ 和平󠄃おだやかなるひとにはのちあれど 38 つみををかすものらはともにほろぼされあしきものののちはかならずたゝるべければなり 39 ただしきもののすくひはヱホバよりいづ ヱホバはかれらが辛苦くるしみのときの保砦とりでなり 40 ヱホバはかれらをたすけ かれらをときはなちたまふ ヱホバはかれらを惡者あしきものよりときはなちてすくひたまふ かれらはヱホバをその避󠄃所󠄃さけどころとすればなり

第38篇

[ 記念きねんのためにつくれるダビデのうた ]

1 ヱホバよねがはくは忿恚いきどほりをもてわれをせめ はげしきいかりをもてわれをこらしめたまふなかれ 2 なんぢのわれにあたり なんぢのみてわがうへをおさへたり 3 なんぢのいかりによりてわがにくには全󠄃またきところなく わがつみによりてわがほねにはすこやかなるところなし 4 わが不義ふぎかうべをすぎてたかく重荷おもにのごとく負󠄅おひがたければなり 5 われおろかなるによりてわがきずあしきにほひをはなちてくされただれたり 6 われをれかがみていたくなげきうなたれたり われ終󠄃日ひねもすかなしみありく 7 わがこしはことごとくやくるがごとくにく全󠄃またきところなければなり〘769㌻〙 8 われおとろへはていたくきずつけられわがこゝろのやすからざるによりて欷歔うめきさけべり 9 ああしゆよわがすべての願望󠄇ねがひはなんぢの前󠄃みまへにあり わが嘆息なげきはなんぢにかくるることなし 10 わがむねをどりわがちからおとろへ わがのひかりもまたわれをはなれたり 11 わがともわがしたしめるものはわがきづをみてはるかにたち わがとなりもまた遠󠄄とほざかりてたてり 12 わが生命いのちをたづぬるものはわなをまうけわれをそこなはんとするものはあしきことをいひ また終󠄃日ひねもすたばかりをはか 13 しかはあれどわれは聾者みみしひのごとくきかず われはくちをひらかぬ啞者おふしのごとし
 996㌻ 
14 如此かくわれはきかざるひとのごとくくちにことあげせぬひとのごときなり 15 ヱホバよわれなんぢをまち望󠄇のぞめり しゆわがかみよなんぢかならずこたへたまふべければなり 16 われさきにいふ おそらくはかれらわがことによりてよろこび わがあしのすべらんときわれにむかひてほこりかにたかぶらんと 17 われたふるるばかりになりぬ わが悲哀かなしみはたえずわが前󠄃まへにあり 18 そはわれみづから不義ふぎをいひあらはし わがつみのためにかなしめばなり 19 わがあたはいきはたらきてたけくゆゑなくしてわれをうらむるものおほし 20 あくをもてぜんにむくゆるものはわれ善事よきことにしたがふがゆゑにわがあたとなれり 21 ヱホバよねがはくはわれをはなれたたまふなかれ わがかみよわれに遠󠄄とほざかりたまふなかれ 22 しゆわがすくひよ速󠄃とくきたりてわれをたすけたまへ

第39篇

[ 伶長うたのかみエドトンにうたはしめたるダビデのうた ]

1 われさきにいへり われしたをもてつみををかさざらんためにわがすべての途󠄃みちをつつしみ惡者あしきもののわがまへにるあひだはわがくちくつわをかけんと 2 われもだしておふしとなり善言よきことすらことばにいださず わがうれひなほおこれり 3 わがこゝろわがうちにねつし おもひつづくるほどにもえぬればわれしたをもていへらく 4 ヱホバよねがはくはわが終󠄃をはりとわがかずのいくばくなるとをしらしめたまへ わが無常はかなきをしらしめたまへ 5 よなんぢわがすべての一掌つかのまにすぎさらしめたまふ わがかいのち主前󠄃みまへにてはなきにことならず にすべてのひとみなそのさかりのときだにもむなしからざるはなし セラ 6 ひとにあるはかげにことならず そのおもひなやむことはむなしからざるなし その積蓄つみたくはふるものはたがにをさまるをしらず 7 しゆよわれいまなにをかまたん わが望󠄇のぞみはなんぢにあり 8 ねがはくはわれぞすべてとがよりたすけいだしたまへ おろかなるものにそしらるることなからしめたまへ
 997㌻ 
9 われはもだしてくちをひらかず はなんぢのしたまふものなればなり〘770㌻〙 10 ねがはくはなんぢのせめをわれよりはなちたまへ われなんぢのみてにうちこらさるるによりてほろぶるばかりになりぬ 11 なんぢつみをせめてひとをこらし そのしたひよろこぶところのものをしみのくらふがごとく消󠄃きえうせしめたまふ にもろもろのひとはむなしからざるなし セラ 12 ああヱホバよねがはくはわがいのりをきき わが號呼さけびみゝをかたぶけたまへ わがなみだをみてもだしたまふなかれ われはなんぢに旅客たびゞとすべてわが列祖おやたちのごとく宿やどれるものなり 13 われここをさりてうせざるさきになんぢみかほをそむけてわれを爽快さはやかならしめたまへ

第40篇

[ 伶長うたのかみにうたはしめたるダビデのうた ]

1 われたへしのびてヱホバをまち望󠄇のぞみたり ヱホバわれにむかひてわが號呼さけびをききたまへり 2 またわれをほろびのあなよりひぢのなかよりとりいだしてわがあしいはのうへにおきわがあゆみをかたくしたまへり 3 ヱホバはあたらしきうたをわがくちにいれたまへりはわれらのかみにささぐる讃美さんびなり おほくのひとはこれをておそれ かつヱホバによりたのまん 4 ヱホバをおのがたのみとなしたかぶるものによらず虛僞いつはりにかたぶくものによらざるひとはさいはひなり 5 わがかみヱホバよなんぢのなしたまへるくすしきみわざと われらにむかふおもひとはいとおほくしてなんぢのみまへにつらねいふことあたはず われこれをいひのべんとすれどそのかずかぞふることあたはず 6 なんぢ犧牲いけにへ祭物そなへものとをよろこびたまはずなんぢわがみゝをひらきたまへり なんぢ燔祭はんさい罪祭ざいさいとをもとめたまはず 7 そのときわれいへらく よわれきたらんわがことをふみまきにしるしたり 8 わがかみよわれは聖󠄄意󠄃みこころにしたがふことをたのしむ なんぢののりはわがこゝろのうちにありと
 998㌻ 
9 われおほいなるつどひにてをつげしめせり よわれ口唇くちびるをとぢず ヱホバよなんぢこれをしりたまふ 10 われなんぢのをわがこゝろのうちにひめおかず なんぢの眞實しんじつとなんぢの拯救すくひとをのべつたへたり われなんぢの仁慈いつくしみとなんぢの眞理まこととをおほいなるつどひにかくさざりき 11 ヱホバよなんぢ憐憫あはれみをわれにをしみたまふなかれ 仁慈いつくしみ眞理まこととをもてつねにわれをまもりたまへ 12 そはかぞへがたき禍害󠄅わざはひわれをかこみ わが不義ふぎわれに追󠄃及おひしきてあふぎみることあたはぬまでになりぬ そのおほきことわがかしらにもまさり わがこゝろきえうするばかりなればなり 13 ヱホバよねがはくはわれをすくひたまへ ヱホバよ急󠄃いそぎきたりてわれをたすけたまへ 14 ねがはくはわが靈魂たましひをたづねほろぼさんとするもののみなはぢあわてんことを わが害󠄅そこなはるるをよろこぶもののみなうしろにしりぞきてはぢをおはんことを〘771㌻〙 15 われにむかひて ああよやよやといふものおのがはぢによりておどろきおそれんことを 16 ねがはくはなんぢを尋󠄃たづねもとむるもののみななんぢによりてたのしみよろこばんことを なんぢのすくひをしたふもののつねにヱホバはおほいなるかなととなへんことを 17 われはくるしみかつともし しゆわれをねんごろにおもひたまふ なんぢはわがたすけなり われをすくひたまふものなり ああわがかみよねがはくはためらひたまふなかれ

第41篇

[ うたのかみにうたはしめたるダビデのうた ]

1 よわきひとをかへりみるものはさいはひなり ヱホバかゝるものをわざはひのにたすけたまはん 2 ヱホバこれをまもりこれをながらへしめたまはん かれはこのにありて福祉さいはひをえん なんぢかれをそのあたののぞみにまかせてわたしたまふなかれ 3 ヱホバはかれがわづらひのとこにあるをたすけたまはん なんぢかれがやめるときその衾裯ふすまをしきかへたまはん 4 われいへらくヱホバよわれをあはれみわがたましひをいやしたまへ われなんぢにむかひてつみををかしたりと
 999㌻ 
5 わがあたわれをそしりていへり かれいづれのときにしにいづれのときにそのほろびんと 6 かれ又󠄂またわれをんとてきたるときは虛僞いつはりをかたり邪曲よこしまをそのこゝろにあつめ ほかにいでてはこれを述󠄃 7 すべてわれをにくむものたがひにささやきわれをそこなはんとてあひはか 8 かついふ かれにひとつのわざはひつきまとひたればたふれふしてふたゝび起󠄃おこることなからんと 9 わがたのみしところ わがかてをくらひしところのわがしたしきともさへもわれにそむきてそのくびすをあげたり 10 しかはあれどヱホバよなんぢねがはくはわれをあはれみわれをたすけて起󠄃おこしたまへ さればわれかれらにむくゆることをえん 11 わがあたわれにうち勝󠄃かちてよろこぶことあたはざるをもてなんぢがわれをめでいつくしみたまふをわれしりぬ 12 わがことをいはば なんぢわれをわが完全󠄃またきうちにてたもちわれをとこしへにみかほのまへにをきたまふ 13 イスラエルのかみヱホバはとこしへより永遠󠄄とこしへまでほむべきかな アーメン アーメン

第42篇

[ 伶長うたのかみにうたはしめたるコラののをしへのうた ]

1 ああかみよしかの溪水たにがはをしたひあへぐがごとく わが靈魂たましひもなんぢをしたひあへぐなり 2 わがたましひはかわけるごとくにかみをしたふ いけるかみをぞしたふ いづれのときにかわれゆきてかみのみまへにいでん 3 かれらが終󠄃日ひねもすわれにむかひて なんぢのかみはいづくにありやとののしるあひだはただわがなみだのみ晝夜よるひるそそぎてわがかてなりき〘772㌻〙 4 われむかしむれをなして祭日いはひのひをまもる衆人おほくのひととともにゆき歡喜よろこび讃美さんびのこゑをあげてかれらをかみいへにともなへり いまこれらのことを追󠄃想おもひおこしてわがうちよりたましひをそゝぎいだすなり 5 ああわが靈魂たましひよ なんぢなんぞうなたるるや なんぞわがうちにおもひみだるるや なんぢかみをまちのぞめ われに聖󠄄顏みかほのたすけありてわれなほわがかみをほめたたふべければなり 6 わがかみよわがたましひはわがうちにうなたる さればわれヨルダンのよりヘルモンよりミザルのやまよりなんぢをおもひいづ
 1000㌻ 
7 なんぢの大瀑おほだきのひびきによりて淵々ふち〴〵よびこたへ なんぢのなみなんぢの猛浪おほなみことごとくわがうへをこえゆけり 8 しかはあれどひるはヱホバその憐憫あはれみをほどこしたまふ よるはそのうたわれとともにあり このうたはわがいのちのかみにささぐるいのりなり 9 われわがいはなるかみにいはん なんぞわれをわすれたまひしや なんぞわれはあたのしへたげによりてかなしみありくや 10 わがほねもくだくるばかりにわがてきはひねもすわれにむかひて なんぢのかみはいづくにありやといひののしりつつわれをそしれり 11 ああわがたましひよ なんぢなんぞうなたるるや なんぞわがうちにおもひみだるるや なんぢかみをまちのぞめ われなほわがかほのたすけなるわがかみをほめたたふべければなり

第43篇

1 かみよねがはくはわれをさばき 情󠄃なさけしらぬたみにむかひてわがうたへをあげつらひ詭計たばかりおほきよこしまなるひとよりわれをたすけいだしたま 2 なんぢはわがちからかみなり なんぞわれをすてたまひしや なんぞわれはあた暴虐󠄃しひたげによりてかなしみありくや 3 ねがはくはなんぢのひかりとなんぢの眞理まこととをはなちわれをみちびきてその聖󠄄山きよきやまとその帷幄あけばりとにゆかしめたまへ 4 さらばわれかみ祭壇さいだんにゆき又󠄂またわがよろこびよろこぶかみにゆかん ああかみよわがかみよわれことをもてなんぢをほめたたへん 5 ああわが靈魂たましひよなんぢなんぞうなたるるや なんぞわがうちにおもひみだるるや なんぢかみによりて望󠄇のぞみをいだけ われなほわがかほのたすけなるわがかみをほめたたふべければなり

第44篇

[ 伶長うたのかみにうたはしめたるコラののをしへのうた ]

1 ああかみよむかしわれらの列祖おやたちになんぢがなしたまひし事迹みわざをわれらみゝにきけり 列祖おやたちわれらにかたれり
 1001㌻ 
2 なんぢみてをもてもろもろの國人くにびとをおひしりぞけ われらの列祖おやたちをうゑまたもろもろのたみをなやましてわれらの列祖おやたちをはびこらせたまひき 3 かれらはおのがつるぎによりてくにをえしにあらず おのがかひなによりて勝󠄃かちをえしにあらず たゞなんぢのみぎなんぢのかひななんぢのみかほのひかりによれり なんぢかれらをめぐみたまひたればなり〘773㌻〙 4 かみよなんぢはわがわうなり ねがはくはヤコブのためにすくひをほどこしたまへ 5 われらはなんぢによりててきをたふし また我儕われらにさからひて起󠄃おこりたつものをなんぢのみなによりてふみおさふべし 6 そはわれわがゆみによりたのまず わがつるぎもまたわれをすくふことあたはざればなり 7 なんぢわれらをてきよりすくひ またわれらをにくむものをはづかしめたまへり 8 われらはひねもすかみによりてほこり われらは永遠󠄄とこしへになんぢのみな感謝かんしやせん セラ 9 しかるにいまはわれらをすててはぢをおはせたまへり われらの軍人いくさびととともにいでゆきたまはず 10 われらをてきのまへより退󠄃しりぞかしめたまへり われらをにくむものその任意󠄃こころままにわれらをかすめうばへり 11 なんぢわれらを食󠄃しよくにそなへらるるひつじのごとくにあたへかくてわれらをもろもろの國人くにびとのなかにちらし 12 るところなくしてなんぢのたみをうり そのあたひによりてなんぢのとみをましたまはざりき 13 なんぢわれらを隣人となりにそしらしめ われらをめぐるものにあなどらしめ あざけらしめたまへり 14 又󠄂またもろもろのくにのなかにわれらを談柄ことくさとなし もろもろのたみのなかにわれらをかしらふらるるものとなしたまへり 15 わが凌辱はづかしめひねもすがまへにあり わがかほのはぢわれをおほへり 16 こはわれをそしりわれをののしるもののこゑによりわれにあだしわれにうらみをむくゆるもののゆゑによるなり 17 これらのことみなわれらにのぞみきつれどわれらなほなんぢをわすれず なんぢの契󠄅約けいやくをいつはりまもらざりき 18 われらのこゝろしりぞかずわれらの步履あゆみなんぢの道󠄃みちをはなれず
 1002㌻ 
19 されどなんぢはいぬのすみかにてわれらをきずつけ死蔭しのかげをもてわれらをおほひたまへり 20 われらもしおのれのかみみなをわすれあるひはわれらの異神あだしかみにのべしことあらんには 21 かみはこれをたゞしたまはざらんや かみはこころのかくれたることをもしりたまふ 22 われらは終󠄃日ひねもすなんぢのためににわたされほふられんとするひつじごとくせられたり 23 しゆよさめたまへいかなればねぶりたまふや起󠄃おきたまへ われらをとこしへにすてたまふなかれ 24 いかなれば聖󠄄顏みかほをかくしてわれらがうくる苦難なやみ虐󠄃待しへたげとをわすれたまふや 25 われらのたましひはかがみてちりにふし われらのはらつちにつきたり 26 ねがはくは起󠄃おきてわれらをたすけたまへ なんぢの仁慈いつくしみのゆゑをもてわれらをあがなひたまへ〘774㌻〙

第45篇

[ 百合花ゆりのはなのしらべにあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるコラののをしへのうた あいのうた ]

1 わがこゝろはうるはしきことにてあふる われはわうのためによみたるものをいひいでん わがしたはすみやけく寫字人ものかくひとふでなり 2 なんぢはひと子輩こらにまさりてうるはしく文雅みやびそのくちびるにそそがる このゆゑにかみはとこしへになんぢをさいはひしたまへり 3 英雄ますらをよなんぢそのつるぎそのさかえそのをこしにおぶべし 4 なんぢ眞理まこと柔和にうわとただしきとのためにをたくましくし勝󠄃かちをえてのりすすめ なんぢの右手みぎのてなんぢにおそるべきことををしへん 5 なんぢのとくしてわうのあたのむねをつらぬき もろもろのたみはなんぢのもとにたふる 6 かみよなんぢの寳座みくらはいやとほながくなんぢのくにのつゑは公平󠄃こうへいのつゑなり 7 なんぢはをいつくしみあくをにくむ このゆゑにかみなんぢのかみはよろこびのあぶらをなんぢのともよりまさりてなんぢにそそぎたまへり 8 なんぢのころもはみな沒藥もつやく蘆薈ろくわい肉桂にくけいのかをりあり 琴瑟をごと音󠄃ざうげの諸殿とのどのよりいでてなんぢをよろこばしめたり 9 なんぢがたふとき婦󠄃をんなのなかにはもろもろのわうのむすめあり 皇后きさきはオフルのこがねをかざりてなんぢのみぎにたつ
 1003㌻ 
10 むすめよきけをそそげ なんぢのみゝをかたぶけよ なんぢのたみとなんぢが父󠄃ちゝいへとをわすれよ 11 さらばわうはなんぢの美麗うるはしきをしたはん わうはなんぢのしゆなりこれをふしをが 12 ツロのむすめ贈物おくりものをもてきたりたみのなかのとめるものもまたなんぢのめぐみをこひもとめん 13 わうのむすめは殿とののうちにていとどさかえかがやき そのころもはこがねをもておりなせり 14 かれは鍼繍ぬひものせるころもをきてわうのもとにいざなはる これにともなへる處女をとめもそのあとにしたがひてなんぢのもとにみちびかれゆかん 15 かれらは歡喜よろこび快樂たのしみとをもていざなはれかくしてわう殿とのにいらん 16 なんぢのらは列祖おやたちにかはりてたち なんぢはこれを全󠄃地ぜんちきみとなさん 17 われなんぢのをよろづにしらしめん このゆゑにもろもろのたみはいやとほながくなんぢに感謝かんしやすべし

第46篇

[ をんなの音󠄃こゑのしらべにしたがひて伶長うたのかみにうたはしめたるコラののうた ]

1 かみはわれらの避󠄃所󠄃さけどころまたちからなり なやめるときのいとちかきたすけなり 2 さればたとひはかはりやまはうみの中央もなかにうつるとも我儕われらはおそれじ 3 よしそのみづはなりとどろきてさわぐとも その溢󠄃あふれきたるによりてやまはゆるぐともなにかあらん セラ 4 かはありそのながれはかみのみやこをよろこばしめ至上者いとたかきもののすみたまふ聖󠄄所󠄃せいじよをよろこばしむ〘775㌻〙 5 かみそのなかにいませばみやこはうごかじ かみ朝󠄃あさつとにこれをたすけたまはん 6 もろもろのたみはさわぎたち もろもろのくにはうごきたり かみそのこゑをいだしたまへばはやがてとけぬ 7 萬軍ばんぐんのヱホバはわれらとともなり ヤコブのかみはわれらのたかきやぐらなり セラ 8 きたりてヱホバの事跡みわざをみよ ヱホバはおほくのおそるべきことをになしたまへり 9 ヱホバはのはてまでも戰鬪たたかひをやめしめゆみををりほこをたち戰車いくさぐるまにてやきたまふ
 1004㌻ 
10 汝等なんぢらしづまりてわれかみたるをしれ われはもろもろのくにのうちにあがめられ全󠄃地ぜんちにあがめらるべし 11 萬軍ばんぐんのヱホバはわれらとともなり ヤコブのかみはわれらのたかきやぐらなり セラ

第47篇

[ 伶長うたのかみにうたはしめたるコラののうた ]

1 もろもろのたみよをうち歡喜よろこびのこゑをあげかみにむかひてさけべ 2 いとたかきヱホバはおそるべく またをあまねくしろしめすおほいなるわうにてましませばなり 3 ヱホバはもろもろのたみをわれらに服󠄃まつろはせ もろもろのくにをわれらの足下あしのもとにまつろはせたまふ 4 又󠄂またそのいつくしみたまふヤコブがほまれとする嗣業ゆづりをわれらのために選󠄄えらびたまはん セラ 5 かみはよろこびさけぶこゑとともにのぼり ヱホバはラッパのこゑとともにのぼりたまへり 6 ほめうたへかみをほめうたへ 頌歌ほめうたへわれらのわうをほめうたへ 7 かみはにあまねくわうなればなり 敎訓をしへのうたをうたひてほめよ 8 かみはもろもろのくにをすべをさめたまふ かみはそのきよき寳座みくらにすわりたまふ 9 もろもろのたみの諸侯きみたちはつどひきたりてアブラハムのかみたみとなれり のもろもろのたてかみのものなりかみはいとたふとし

第48篇

[ コラののうたなり讃美さんびなり ]

1 ヱホバはおほいなり われらのかみみやこそのきよきやまのうへにていたくほめたたへられたまふべし 2 シオンのやまはきたのはしたかくしてうるはしく喜悅よろこびにあまねくあたふ ここはおほいなるわうのみやこなり 3 そのもろもろの殿とののうちにかみはおのれをたかきやぐらとしてあらはしたまへり 4 みよ王等わうたちはつどひあつまりてともにすぎゆきぬ 5 かれらはみやこをみてあやしみかつおそれてたちまちのがれされり 6 戰慄をののきはかれらにのぞみ その苦痛くるしみをうまんとする婦󠄃をんなのごとし
 1005㌻ 
7 なんぢは東風こちかぜをおこしてタルシシのふねをやぶりたまふ 8 さきにわれらがきゝしごとくいまわれらは萬軍ばんぐんのヱホバのみやこわれらのかみのみやこにてこれをみることをえたり かみはこのみやこをとこしへまでかたくしたまはん セラ 9 かみわれらはなんぢのみやのうちにて仁慈みいつくしみをおもへり〘776㌻〙 10 かみよなんぢのほまれはそのみなのごとくはてにまでおよべり なんぢの右手みぎのてはただしきにてみて 11 なんぢのもろもろの審判󠄄さばきによりてシオンのやまはよろこびユダのむすめたちはたのしむべし 12 シオンの周󠄃圍まはりをありきあまねくめぐりてそのやぐらをかぞへよ 13 その石垣いしがきをとめよ そのもろもろの殿とのをみよ なんぢらこれを後代のちのよにかたりつたへんがためなり 14 そはこのかみはいや遠󠄄長とほながにわれらのかみにましましてわれらをしぬるまでみちびきたまはん

第49篇

[ 伶長うたのかみにうたはしめたるコラののうた ]

1 -2 もろもろのたみよきけいやしきもたふときもとめるも貧󠄃まづしきもすべてにすめるものよ なんぢらともにみゝをそばだてよ 3 わがくちはかしこきことをかたり わがこゝろはさときことをおもはん 4 われみゝ喩言たとへにかたぶけことをならしてわが幽玄かすかなることばをときあらはさん 5 わがくびすにちかかる不義ふぎのわれをうちかこむわざはひのもいかでおそるることあらんや 6 おのがとみをたのみたからおほきをほこるもの 7 たれ一人ひとりおのが兄弟はらからをあがなふことあたはずこれがために贖價あがなひしろかみにささげ 8 -9 これをとこしへに生存いかながらへしめてくちざらしむることあたはず(靈魂たましひをあがなふにはつひえいとおほくして此事このことをとこしへに捨置すておかざるをざればなり) 10 そはかしこきものもしに おろかものも獸心者しれものもひとしくほろびてそのとみ他人あだしびとにのこすことはつねにみるところなり 11 かれらひそかにおもふ わがいへはとこしへにのこりわがすまひは世々よゝにいたらんと かれらはそのにおのがをおはせたり 12 されどひとほまれのなかにながくとゞまらずほろびうするけもののごとし
 1006㌻ 
13 かくのごときはおろかなるものの途󠄃みちなり しかはあれどのちのひとはそのことばをよしとせん セラ 14 かれらはひつじのむれのごとくに陰府よみのものとさだめらる これが牧者ぼくしゃとならんなほきもの朝󠄃あしたにかれらををさめん その美容うるはしき陰府よみにほろぼされて宿やどるところなかるべし 15 されどかみわれをうけたまふべければわが靈魂たましひをあがなひて陰府よみのちからよりまぬかれしめたまはん セラ 16 ひとのとみてそのいへのさかえくははらんときなんぢおそるるなかれ 17 かれのしぬるときはなにひとつたづさへゆくことあたはず そのさかえはこれにしたがひてくだることをせざればなり 18 かかるひとはいきながらふるほどにおのがたましひをしゆくするとも みづからをあつうするがゆゑに人々ひと〴〵なんぢをほむるとも 19 なんぢ列祖おやたちにゆかん かれらはたえてひかりをみざるべし〘777㌻〙 20 尊󠄅貴たふときなかにありてさとらざるひとはほろびうするけもののごとし

第50篇

[ アサフのうた ]

1 ぜんのうのかみヱホバ詔命みことのりしてのいづるところよりのいるところまであまねくをよびたまへり 2 かみは美麗うるはしききはみなるシオンよりひかりをはなちたまへり 3 われらのかみはきたりてもだしたまはじその前󠄃まへにものをやきつくし暴風はやちその四周󠄃まはりにふきあれん 4 かみはそのたみをさばかんとてうへなるてんおよびをよびたまへり 5 いはく祭物そなへものをもてわれとけいやくをたてしわが聖󠄄徒せいとをわがもとにあつめよと 6 もろもろのてんかみをあらはせり かみはみづから審士さばきびとたればなり セラ 7 わがたみよきけわれものいはんイスラエルよきけわれなんぢにむかひてあかしをなさん われはかみなんぢのかみなり 8 わがなんぢをせむるは祭物そなへもののゆゑにあらず なんぢの燔祭はんさいはつねにわが前󠄃まへにあり
 1007㌻ 
9 われはなんぢのいへより牡牛をうしをとらず なんぢのをりより牡山羊をやぎをとらず 10 はやしのもろもろのけものやまのうへの千々ちぢ牲畜けだものはみなわがものなり 11 われはやまのすべてのとりをしる のたけきけものはみなわがものなり 12 世界せかいとそのなかにみつるものとはわがものなればたとひわれうゝるともなんぢにつげ 13 われいかで牡牛をうしにくをくらひ牡山羊をやぎをのまんや 14 感謝かんしやのそなへものをかみにささげよ なんぢのちかひを至上者いとたかきものにつくのへ 15 なやみのにわれをよべわれなんぢをたすけんしかしてなんぢわれをあがむべし 16 -17 しかはあれどかみあしきものにいひたまはく なんぢはをしへをにくみ わがことばをそのうしろにすつるものなるになにのかかはりありてわが律法おきてをのべ わがけいやくをくちにとりしや 18 なんぢ盜人ぬすびとをみればこれをよしとし姦淫たはれをおこなふものの伴󠄃侶かたうどとなれり 19 なんぢそのくちあくにわたす なんぢのした詭計たばかりをくみなせり 20 なんぢすわりて兄弟はらからをそしりおのがははのしひののしれり 21 なんぢこれらのことをなししをわれもだしぬれば なんぢわれをおのれにきもにたるものとおもへり されどわれなんぢをいましめてそのつみをなんぢの目前󠄃まのあたりにつらぬべし 22 かみをわするるものよいまこのことをおもへ おそらくはわれなんぢをかきさかんときたすくるものあらじ 23 感謝かんしやのそなへものをさゝぐるものはわれをあがむ おのれの行爲おこなひをつつしむものにはわれかみすくひをあらはさん

第51篇

[ ダビデがバテセバにかよひしのち預言よげんしやナタンのきたれるときよみて伶長うたのかみにうたはしめたるうた ]

1 ああかみよねがはくはなんぢの仁慈いつくしみによりてわれをあはれみ なんぢの憐憫あはれみのおほきによりてわがもろもろのとがをけしたまへ〘778㌻〙 2 わが不義ふぎをことごとくあらひさりわれをわがつみよりきよめたまへ 3 われはわがとがをしる わがつみはつねにわが前󠄃まへにあり 4 われはなんぢにむかひてたゞなんぢにつみををかし聖󠄄前󠄃みまへにあしきことをおこなへり さればなんぢものいふときはただしとせられ なんぢさばくときはとがめなしとせられたま
 1008㌻ 
5 よわれ邪曲よこしまのなかにうまれつみありてわがはゝわれをはらみたりき 6 なんぢ眞實まことをこころのうちにまでのぞみ わがかくれたるところに智慧󠄄ちゑをしらしめたまはん 7 なんぢヒソブをもてわれをきよめたまへ さらばわれきよまらん われをあらひたまへ さらばわれ雪󠄃ゆきよりもしろからん 8 なんぢわれによろこびと快樂たのしみとをきかせ なんぢがくだきしほねをよろこばせたまへ 9 ねがはくは聖󠄄顏みかほをわがすべてのつみよりそむけ わがすべての不義ふぎをけしたまへ 10 ああかみよわがためにきよきこゝろをつくり わがうちになほきみたまをあらたにおこしたまへ 11 われを聖󠄄前󠄃みまへよりすてたまふなかれ なんぢのきよきみたまをわれよりりたまふなかれ 12 なんぢのすくひのよろこびをわれにかへし自由じいうみたまをあたへてわれをたもちたまへ 13 さらばわれとがををかせるものになんぢの途󠄃みちををしへん罪人つみびとはなんぢにかへりきたるべし 14 かみよわがすくひのかみよをながししつみよりわれをたすけいだしたまへ わがしたこゑたからかになんぢのをうたはん 15 しゆよわが口唇くちびるをひらきたまへ さらばわがくちなんぢの頌美ほまれをあらはさん 16 なんぢは祭物そなへものをこのみたまはず もししからずばわれこれをささげん なんぢまた燔祭はんさいをもよろこびたまはず 17 かみのもとめたまふ祭物そなへものはくだけたる靈魂たましひなり かみよなんぢはくだけたるくいしこころをかろしめたまふまじ 18 ねがはくは聖󠄄意󠄃みこころにしたがひてシオンにさいはひし ヱルサレムの石垣いしがきをきづきたまへ 19 そのときなんぢのそなへものと燔祭はんさい全󠄃またきはんさいとをよろこびたまはん かくて人々ひと〴〵なんぢの祭壇さいだん牡牛をうしをささぐべし

第52篇

[ エドムびとドエグ、サウルにきたりてダビデはアビメレクのいへにきぬとつげしときダビデがよみて伶長うたのかみにうたはしめたる敎訓をしへのうた ]

 1009㌻ 
1 猛者たけきものよなんぢいかなればあしき企圖くはだてをもてみずからほこるやかみのあはれみはつねにたえざるなり 2 なんぢのしたはあしきことをはかり剃刀かみそりのごとくいつはりをおこなふ 3 なんぢはぜんよりもあくをこのみ正義たゞしきをいふよりも虛僞いつはりをいふをこのむ セラ 4 たばかりのしたよなんぢはすべてのものをくひほろぼすことばをこのむ 5 さればかみとこしへまでもなんぢをくだき またなんぢをとらへてその幕屋まくやよりぬきいだしいけるもののよりなんぢのをたやしたまはん セラ〘779㌻〙 6 義者ただしきものはこれをておそれかれをわらひていはん 7 かみをおのがちからとなさず そのとみのゆたかなるをたのみ そのあくをもておのれをかたくせんとするひとをみよと 8 しかはあれどわれはかみいへにあるあをき橄欖かんらんのごとし われはいやとほながにかみのあはれみに依賴よりたのまん 9 なんぢこのことをおこなひたまひしによりてわれとこしへになんぢに感謝かんしやし なんぢの聖󠄄徒せいとのまへにて聖󠄄名みなをまちのぞまん こはよろしきことなればなり

第53篇

[ マハラツ(樂器の名、あるひはいふ調べの名)にあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるダビデの敎訓をしへのうた ]

1 おろかなるものはこゝろのうちにかみなしといへり かれらはくされたりかれらは憎にくむべき不義ふぎをおこなへりぜんをおこなふものなし 2 かみてんよりひとをのぞみてさとるものとかみをたづぬるものとありやなしやをたまひしに 3 みな退󠄃ぞきてことごとくけがれたりぜんをなすものなし一人ひとりだになし 4 不義ふぎをおこなふものは知覺さとりなきか かれらはものくふごとくわがたみをくらひ またかみをよばふことをせざるなり 5 かれらはおそるべきことのなきときにおほいにおそれたり かみはなんぢにむかひてえいをつらぬるもののほねをちらしたまへばなり かみかれらをすてたまひしによりてなんぢかれらをはづかしめたり 6 ねがはくはシオンよりイスラエルのすくひのいでんことを かみそのたみのとらはれたるを返󠄄かへしたまふときヤコブはよろこびイスラエルはたのしまん
 1010㌻ 

第54篇

[ ジフびとのサウルにきたりてダビデはわれらのところにかくれをるにあらずやといひたりしとき ダビデうたのかみにことにてうたはしめたる敎訓をしへのうた ]

1 かみよねがはくはなんぢみなによりてわれをすくひ なんぢのちからをもてわれをさばきたまへ 2 かみよわがいのりをききたまへ わがくちのことばにみゝをかたぶけたまへ 3 そは外人あだしびとはわれにさからひて起󠄃おこりたち强暴人あらきひとはわがたましひをもとむるなり かれらはかみをおのが前󠄃まへにおかざりき セラ 4 みよかみはわれをたすくるものなり しゆはわがたましひをたもつものとともにいませり 5 しゆはわがあたにそのあしきことのむくいをなしたまはん ねがはくはなんぢの眞實まことによりて彼等かれらをほろぼしたまへ 6 われよろこびて祭物そなへものをなんぢにさゝげん ヱホバよわれなんぢのみなにむかひて感謝かんしやせん こはよろしきことなればなり〘780㌻〙 7 そはヱホバはすべての患難なやみよりわれをすくひたまへり わがはわがあたにつきての願望󠄇ねがひをみたり

第55篇

[ ダビデうたのかみにことにてうたはしめたる敎訓をしへのうた ]

1 かみよねがはくはみゝをわがいのりにかたぶけたまへ わが懇求ねがひをさけてをかくしたまふなかれ 2 われに聖󠄄意󠄃みこころをとめ われにこたへたまへ われ歎息なげきによりてやすからずかなしみうめくなり 3 これあたのこゑとあしきものの暴虐󠄃しひたげとのゆゑなり そはかれら不義ふぎをわれに負󠄅おはせ いきどほりてわれにおひせまるなり 4 わがこゝろわがうちにうれひいたみのもろもろの恐懼おそれわがうへにおちたり 5 おそれと戰慄をののきとわれにのぞみはなはだしき恐懼おそれわれをおほへり 6 われいふねがはくは鴿はとのごとく羽翼つばさのあらんことを さらばわれとびさりて平󠄃安やすきをえん 7 みよわれはるかにのがれさりてにすまん セラ 8 われ速󠄃すみやかにのがれて暴風はやち狂風つむじとをはなれん 9 われみやこのうちに强暴あらびとあらそひとをみたり しゆよねがはくは彼等かれらをほろぼしたまへ かれらのしたをわかれしめたまへ
 1011㌻ 
10 彼等かれらはひるもよるも石垣いしがきのうへをあるきてまちをめぐる まちのうちには邪曲よこしまとあしき企圖くはだてとあり 11 またあしきことまちのうちにあり しへたげと欺詐あざむきとはその街衢ちまたをはなるることなし 12 われをそしれるものはあたたりしものにあらず もししかりしならばなほしのばれしなるべし われにむかひておのれをたかくせしものはわれをうらたりしものにあらずもししかりしならばをかくしてかれをさけしなるべし 13 されどこれなんぢなり われとおなじきもの わがともわれとしたしきものなり 14 われらたがひにしたしきかたらひをなし また會衆つどひのなかにありてともにかみいへにのぼりたりき 15 忽然ゆくりなくかれらにのぞみ そのいけるままにて陰府よみにくだらんことを そはあしきことその住󠄃處すみかにありそのなかにあればなり 16 されどわれはただかみをよばんヱホバわれをすくひたまふべし 17 ゆふべにあしたにひるにわれなげきかつかなしみうめかん ヱホバわがこゑをききたまふべし 18 ヱホバはわれをせむる戰鬪たたかひよりわが靈魂たましひをあがなひいだして平󠄃安やすきをえしめたまへり そはわれをせむるものおほかりければなり 19 太古むかしよりいますものなるかみはわがこゑをききてかれらをなやめたまべし セラ かれらにはかはることなくかみをおそるることなし 20 かのひとはおのれとむつみをりしものにをのべてその契󠄅約けいやくをけがしたり 21 そのくちはなめらかにして乳󠄃ちちのあぶらのごとくなれどもそのこゝろはたたかひなり そのことばはあぶらに勝󠄃まさりてやはらかなれどもぬきたるつるぎにことならず〘781㌻〙 22 なんぢのをヱホバにゆだねよさらばなんぢをささへたまはん ただしきひとのうごかさるることをつねにゆるしたまふまじ 23 かくてかみよなんぢはかれらをほろびあなにおとしいれたまはんをながすものと詭計たばかりおほきものとはいきておのが半󠄃なかばにもいたらざるべし しかはあれどわれはなんぢによりたのまん
 1012㌻ 

第56篇

[ ダビデがガテにてペリシテびとにとらへられしときよみて「遠󠄄とほきところにをる音󠄃をたてぬ鴿はと」のしらべにあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるミクタムのうた ]

1 ああかみよねがはくはわれをあはれみたまへ ひといきまきてわれをのまんとし終󠄃日ひねもすたたかひてわれをしへたぐ 2 わがあたひねもす急󠄃喘いきまきてわれをのまんとすほこりたかぶりてわれとたたかふものおほし 3 われおそるるときはなんぢによりたのまん 4 われかみによりてその聖󠄄言みことばをほめまつらん われかみ依賴よりたのみたればおそるることあらじ肉體にくたいわれになにをなしんや 5 かれらは終󠄃日ひねもすわがことばをまぐるなり その思念おもひはことごとくわれにわざはひをなす 6 かれらはむれつどひてをひそめ わがあゆみをとめてわが靈魂たましひをうかがひもとむ 7 かれらは不義ふぎをもてのがれんとおもへり かみよねがはくはいきどほりてもろもろのたみをたふしたまへ 8 なんぢわがあまたつち流離さすらへをかぞへたまへり なんぢの革嚢かはぶくろにわがなみだをたくはへたまへ こはみななんぢのふみにしるしあるにあらずや 9 わがよびもとむるにはわがあたしりぞかん われかみのわれをまもりたまふことを 10 われかみによりてその聖󠄄言みことばをはめまつらん われヱホバによりてそのみことばをほめまつらん 11 われかみによりたのみたればおそるることあらじ ひとはわれになにをなしえんや 12 かみよわがなんぢにたてしちかひはわれをまとへり われ感謝かんしやのささげものをなんぢにささげん 13 なんぢわがたましひをよりすくひたまへばなり なんぢわれをたふさじとわがあしをまもり生命いのちひかりのうちにてかみのまへにわれをあゆませたまひしにあらずや

第57篇

[ ダビデがほらにいりてサウルのをのがれしときよみて「ほろぼすなかれ」にといふ調しらべにあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるミクタムのうた ]

 1013㌻ 
1 われをあはれみたまへかみよわれをあはれみたまへ わが靈魂たましひはなんぢを避󠄃所󠄃さけどころとす われ禍害󠄅わざはひのすぎさるまではなんぢのつばさのかげを避󠄃所󠄃さけどころとせん 2 われはいとたかきかみによばはん わがために百事すべてのことをなしをへたまふかみによばはん〘782㌻〙 3 かみはたすけをてんよりおくりてわれをのまんとするもののそしるときにわれすくひたまはん セラ かみはその憐憫あはれみその眞實まことをおくりたまはん 4 わがたましひはむれゐるしゝのなかにあり のごとくもゆるもの そのほこのごとくのごとくそのしたはときつるぎのごときひとのなかにわれふしぬ 5 かみよねがはくはみづからをてんよりもたかくしみさかえを全󠄃地ぜんちのうへにあげたまへ 6 かれらはわがあしをとらへんとてあみをまうく わが靈魂たましひはうなたる かれらはわがまへにあなをほりたりしかしてみづからそのなかにおちいれり セラ 7 わがこゝろさだまれりかみよわがこころさだまれり われうたひまつらんたたへまつらん 8 わがさかえよさめよ さうことよさめよ われ黎明しののめをよびさまさん 9 しゆよわれもろもろのたみのなかにてなんぢに感謝かんしやし もろもろのくにのなかにてなんぢをほめうたはん 10 そはなんぢのあはれみはおほいにしててんにまでいたり なんぢの眞實まことくもにまでいたる 11 かみよねがはくはみづからをてんよりもたかくし光榮みさかえをあまねくのうへにあげたまへ

第58篇

[ ダビデがよみて「ほろぼすなかれ」といふ調しらべにあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるミクタムのうた ]

1 なんぢらもだしゐてをのべうるか ひとよなんぢらなほき審判󠄄さばきをおこなふや 2 いななんぢらはこゝろのうちにあしきことをおこなひ その强暴あらびをこのにはかりいだすなり 3 あしきものはたいをはなるるよりそむきとほざかりうまれいづるより迷󠄃まよひていつはりをいふ 4 -5 かれらのどくへびのどくのごとし かれらは蠱術まじわざをおこなふもののいとたくみにまじなふそのこゑをだにきかざるみゝふさぐみみしひのまむしのごとし
 1014㌻ 
6 かみよかれらのくちををりたまヘ ヱホバよ壯獅わかきししきばをぬきくだきたまへ 7 ねがはくはかれらをながれゆくみづのごとくに消󠄃失きえうせしめ そのをはなつときはをられたるごとくなしたまはんことを 8 またとけてきえゆく蝸牛かたつむりのごとく婦󠄃をんなのときならずうみたるをみぬのごとくならしめたま 9 なんぢらのかまいまだ荊蕀いばらをうけざるさきにあをきをももえたるをもともに狂風つむじにてふきさりたまはん 10 義者ただしきものはかれらがあたかへさるるをてよろこび そのあしをあしきものののなかにてあらはん 11 かくてひとはいふべしにただしきものに報賞むくいありにさばきをほどこしたまふかみはましますなりと

第59篇

[ サウル、ダビデをころさんとしひとをおくりてそのいへをうかがはしめしときダビデがよみて「ほろぼすなかれ」といふ調しらべにあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるミクタムのうた ]〘783㌻〙

1 わがかみよねがはくはわれをわがあたよりたすけいだし われを高處たかきにおきてわれにさからひ起󠄃おこりつものよりまぬかれしめたまへ 2 邪曲よこしまをおこなふものよりわれをたすけいだしをながすひとよりわれをすくひたまへ 3 よかれらはひそみかくれてわが靈魂たましひをうかがひ猛者たけきものむれつどひてわれをせむ ヱホバよはわれにとがあるにあらず われにつみあるにあらず 4 かれらはしりまはりて過󠄃失あやまちなきにわれをそこなはんとてそなへをなす ねがはくはわれをたすくるためにをさましてたまへ 5 なんぢヱホバ萬軍ばんぐんかみイスラエルのかみよ ねがはくはをさましてもろもろのくににのぞみたまへ あしき罪人つみびとにあはれみをくはへたまふなかれ セラ 6 かれらはゆふべにかへりきたりいぬのごとくほえてまちをへありく 7 よかれらはくちよりあくをはく そのくちびるにつるぎあり かれらおもへらくたれありてこのことをきかんやと 8 されどヱホバよなんぢはかれらをわらひ もろもろのくにをあざわらひたまはん 9 わがちからよわれなんぢをまちのぞまん かみはわがたかきやぐらなり
 1015㌻ 
10 憐憫あはれみをたまふかみはわれを迎󠄃むかへたまはん かみはわがあたにつきての願望󠄇ねがひをわれにさせたまはん 11 ねがはくはかれらをころしたまふなかれ わがたみつひにわすれやはせん しゆわれらのたて大能みちからをもてかれらをちらし またおとしたまへ 12 かれらがくちびるのことばはそのくちのつみなり かれらはのろひ虛僞いつはりとをいひいづるによりてその傲慢たかぶりのためにとらへられしめたまへ 13 忿恚いきどほりをもてかれらをほろぼしたまへ ふたゝびながらふることなきまでに彼等かれらをほろぼしたまへ ヤコブのなかにかみいまして統治すべをさめたまふことをかれらにしらしめてはてにまでおよぼしたまへ セラ 14 かれらはゆふべにかへりきたりいぬのごとくほえてまちをへありくべし 15 かれらはゆききして食󠄃物くひものをあさり もし飽󠄄あくことなくば終󠄃夜よもすがらとゞまれり 16 されどわれはなんぢの大能ちからをうたひ淸晨あしたにこゑをあげてなんぢの憐憫あはれみをうたひまつらん なんぢわが迫󠄃せまりくるしみたるにたかきやぐらとなり わが避󠄃所󠄃さけどころとなりたまひたればなり 17 わがちからよわれなんぢにむかひて頌辭たたへごとをうたひまつらん かみはわがたかきやぐらわれにあはれみをたまふかみなればなり

第60篇

[ ダビデ、ナハライムのアラムおよびゾバのアラムとたたかひをりしがヨアブかへりゆきしほのたににてエドムびとまんせんをころししとき敎訓をしへをなさんとてダビデがよみて「證詞あかし百合花ゆり」といふ調しらべにあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるミクタムのうた ]〘784㌻〙

1 かみよなんぢわれらをすてわれらをちらしたまへり なんぢはいきどほりたまへり ねがはくはふたゝびわれらをかへしたまへ 2 なんぢくにをふるはせてこれをさきたまへり ねがはくはそのおほくのすきをおぎなひたまへ そはくにゆりうごくなり 3 なんぢはそのたみにたへがたきことをしめし ひとをよろめかするさけをわれらにのましめたまへり 4 なんぢ眞理まことのためにあげしめんとてなんぢをおそるるものにひとつのはたをあたへたまへり セラ
 1016㌻ 
5 ねがはくはみぎみてをもてすくひをほどこし われらにこたへをなしていつくしみたまふものにたすけをえしめたまへ 6 かみはその聖󠄄きよきをもていひたまへり われいたくよろこばん われシケムをわかちスコテのたにをはからん 7 ギレアデはわがもの マナセはわがものなり エフライムもまたわがかうべのまもりなり ユダはわがつゑ 8 モアブはわが足盥あしだらひなり エドムにはわがくつをなげん ペリシテよわがゆゑによりてこゑをあげよと 9 たれかわれを堅固けんごなるまちにすすましめんや たれかわれをみちびきてエドムにゆきたるか 10 かみよなんぢはわれらをすてたまひしにあらずや かみよなんぢはわれらのいくさとともにいでゆきたまはず 11 ねがはくはたすけをわれにあたへててきにむかはしめたまへ ひとのたすけは空󠄃むなしければなり 12 われらはかみによりていさましくはたらかん われらのてきをみたまふものはかみなればなり

第61篇

[ ことにあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるダビデのうた ]

1 ああかみよねがはくはわがなくこゑをききたまへ わがいのりにみこころをとめたまへ 2 わがこゝろくづほるるときのはてよりなんぢをよばん なんぢわれをみちびきてわがおよびがたきほどのたかいはにのぼらせたまへ 3 なんぢはわが避󠄃所󠄃さけどころわれをあたよりのがれしむる堅固けんごなるやぐらなればなり 4 われ永遠󠄄とこしへになんぢの帷幄あけばりにすまはんわれなんぢのつばさしたにのがれん セラ 5 かみよなんぢはわがもろもろのちかひをききみなをおそるるものにたまふ嗣業ゆづりをわれにあたへたまへり 6 なんぢはわう生命いのちをのばし そのとし幾代いくよにもいたらせたまはん 7 わうはとこしへにかみのみまへにとゞまらん ねがはくは仁慈いつくしみ眞實まこととをそなへてかれをまもりたまへ 8 さらばわれとこしへにみなをほめうたひてごとにわがもろもろのちかひをつくのひはたさん
 1017㌻ 

第62篇

[ エドトンのさまにしたがひて伶長うたのかみにうたはしめたるダビデのうた ]〘785㌻〙

1 わがたましひはもだしてただかみをまつ わがすくひはかみよりいづるなり 2 かみこそはわがいはわがすくひなれ またわがたかやぐらにしあればわれいたくはうごかされじ 3 なんぢらはいづれのときまでひとにおしせまるや なんぢらあひともにかたぶける石垣いしがきのごとくゆるぎうごけるかきのごとくにひとをたふさんとするか 4 かれらはひとをたふときくらゐよりおとさんとのみはかり いつはりをよろこびまたそのくちにてはいはひそのこゝろにてはのろふ セラ 5 わがたましひよもだしてただかみをまて そはわがのぞみはかみよりいづ 6 かみこそはわがいはわがすくひなれ 又󠄂またわがたかきやぐらにしあればわれはうごかされじ 7 わがすくひとわがさかえとはかみにあり わがちからのいはわがさけどころはかみにあり 8 たみよいかなるときにもかみによりたのめ その前󠄃みまへになんぢらのこゝろをそそぎいだせ かみはわれらの避󠄃所󠄃さけどころなり セラ 9 にひくきひとはむなしくたかきひとはいつはりなり すべてかれらを權衡はかりにおかばうへにあがりてむなしきものよりもかろきなり 10 暴虐󠄃しひたげをもてたのみとするなかれ 掠奪かすめうばふをもてほこるなかれ とみのましくははるときはこれにこゝろをかくるなかれ 11 ちからはかみにありかみひとたびこれをのたまへり われ二次ふたゝびこれをきけり 12 ああしゆよあはれみもまたなんぢにあり なんぢはひとおのおののわざにしたがひてむくいをなしたまへばなり

第63篇

[ ユダのにありしときによめるダビデのうた ]

1 ああかみよなんぢはわがかみなり われせちになんぢをたづねもとむ みづなきかはきおとろへたるにあるごとくわが靈魂たましひはかわきてなんぢをのぞみ わが肉體にくたいはなんぢをこひしたふ 2 さきにもわれかくのごとく大權みちから榮光みさかえとをみんことをねがひ聖󠄄所󠄃せいじよにありてをなんぢよりはなれしめざりき
 1018㌻ 
3 なんぢの仁慈いつくしみはいのちにも勝󠄃まされるゆゑにわが口唇くちびるはなんぢをほめまつらん 4 かくわれはわがいくるあひだなんぢをいはひみなによりてわがをあげん 5 -6 われとこにありてなんぢをおもひいでふくるままになんぢをふかくおもはんとき わがたましひはずゐあぶらとにてもてなさるるごとく飽󠄄あくことをえ わがくちはよろこびの口唇くちびるをもてなんぢをほめたたへん 7 そはなんぢわがたすけとなりたまひたれば われなんぢのつばさのかげにいりてよろこびたのしまん 8 わがたましひはなんぢを慕追󠄃したひおふ みぎのみてはわれをさゝふるなり 9 されどわがたましひをほろぼさんとて尋󠄃たづねもとむるものはのふかきところにゆき 10 又󠄂またつるぎの刃󠄃にわたされいぬるところとなるべし 11 しかれどもわうかみをよろこばん かみによりてちかひをたつるものはみなほこることをえん 虛僞いつはりをいふもののくちはふさがるべければなり〘786㌻〙

第64篇

[ 伶長うたのかみにうたはしめたるダビデのうた ]

1 かみよわがなげくときわがこゑをききたまへ わが生命いのちをまもりてあたのおそれよりまぬかれしめたまへ 2 ねがはくはなんぢわれをかくしてあくをなすもののひそかなる謀略はかりごとよりまぬかれしめ不義ふぎをおこなふものの喧嘩かまびすしきよりまぬかれしめたま 3 かれらはつるぎのごとくおのがしたをとぎ そのゆみをはりをつがへるごとくにがきことばをはなち 4 かくれたるところにて全󠄃またきものんとすにはかにこれをておそるることなし 5 また彼此たがひにあしき企圖くはだてをはげましともにはかりてひそかにわなをまうく かくていふたれかわれらをんと 6 かれらはさまざまの不義ふぎをたづねいだしていふわれらはねんごろにたづね終󠄃をはれりと おのおののうちのおもひとこゝろとはふかし 7 しかはあれどかみにてかれらをたまふべし かれらはにはかにきずをうけん 8 かくてかれらのしたそのにさからふがゆゑに遂󠄅つひにかれらはつまづかん これをるものみな逃󠄄のがれさるべし
 1019㌻ 
9 もろもろのひとはおそれんしかしてかみのみわざをのべつたへ そのなしたまへることをかんがふべし 10 義者ただしきものはヱホバをよろこびてこれによりたのまん すべてこゝろのなほきものはみなほこることを

第65篇

[ 伶長うたのかみにうたはしめたるうたダビデの讃美さんびなり ]

1 ああかみよさんびはシオンにてなんぢをまつ ひとはみまへにてちかひをはたさん 2 いのりをききたまふものよ諸人もろびとこぞりてなんぢにきたらん 3 不義ふぎのことばわれにかてり なんぢ我儕われらのもろもろのとがをきよめたまはん 4 なんぢにえらばれなんぢにちかづけられておほにはにすまふものはさいはひなり われらはなんぢのいへなんぢのみやのきよきところのめぐみにて飽󠄄あくことをえん 5 われらがすくひのかみよ うみとのもろもろのはてなるきはめて遠󠄄とほきもののたのみとするなんぢは公義ただしきによりておそるべきことをもて我儕われらにこたへたまはん 6 かみは大能たいのうをおび その權力みちからによりてもろもろのやまをかたくたたしめ 7 うみのひびき狂瀾おほなみのひびき もろもろのたみのかしがましきをしづめたまへり 8 されば極遠󠄄はてにすめる人々ひと〴〵もなんぢのくさぐさの豫兆しるしをみておそる なんぢ朝󠄃夕あしたゆふべのいづるところをよろこびうたはしめたまふ 9 なんぢにのぞみてみづそそぎおほいにこれをゆたかにしたまへり かみのかはにみづみちたり なんぢ如此かくそなへをなしてたなつものをかれらにあたへたまへり 10 なんぢたみぞをおほいにうるほしうねをたひらにし白雨むらさめにてこれをやはらかにし その萌芽もえいづるをしゆく〘787㌻〙 11 また恩惠みめぐみをもてとし冕弁かんむりとしたまへり なんぢの途󠄃みちにはあぶらしたたれり 12 その恩滴したたり牧場まきをうるほしやまはみなよろこびにかこまる 13 牧場まきはみなひつじのむれをもろもろのたに穀物たなつものにおほはれたり かれらはみなよろこびてよばはりまたうた
 1020㌻ 

第66篇

[ 伶長うたのかみにうたはしめたる讃美さんびなり うたなり ]

1 全󠄃地ぜんちかみにむかひてよろこびよばはれ 2 そのみな榮光えいくわうをうたへその頌美ほまれをさかえしめよ 3 かみにつげまつれ なんぢのもろもろの功用みわざはおそるべきかなおほいなるちからによりてなんぢのあたはなんぢにおそれしたがひ 4 全󠄃地ぜんちはなんぢををがみてうたひみなをほめうたはんと セラ 5 きたりてかみのみわざをみよ ひと子輩こらにむかひてなしたまふことはおそるべきかな 6 かみはうみをかへてかわけるとなしたまへり ひとびと步行かちにてかはをわたりき そのところにてわれらはかみをよろこべり 7 かみはその大能たいのうをもてとこしへに統治すべをさめ その諸國くにぐにをみたまふ そむくものみづからをあがむべからず セラ 8 もろもろのたみよ われらのかみをほめまつれかみをほめたたふるこゑをきこえしめよ 9 かみはわれらの靈魂たましひをながらへしめ われらのあしのうごかさるることをゆるしたまはず 10 かみよなんぢはわれらをこゝろみて白銀しろかねをねるごとくにわれらをねりたまひたればなり 11 なんぢわれらをあみにひきいれ われらのこしにおもきをおき 12 人々ひと〴〵をわれらのかうべのうへにのりこえしめたまひき われらはのなかみづのなかをすぎゆけり されどなんぢそのなかよりわれらをひきいたし豐盛ゆたかなるところにいたらしめたまへり 13 -14 われ燔祭はんさいをもてなんぢのいへにゆかん 迫󠄃せまりくるしみたるときにわが口唇くちびるのいひいでわがくちののべしちかひをなんぢにつくのはん 15 われこえたるものを燔祭はんさいとし牡羊をひつじ馨香かほりとしてなんぢにささげ牡牛をうし牡山羊をやぎとをそなへまつらん セラ 16 かみをおそるるひとよ みなきたりてきけ われかみのわがたましひのためになしたまへることをのべん 17 われわがくちをもてかみによばはり またしたをもてあがむ 18 しかるにわがこゝろにしれる不義ふぎあらばしゆはわれにききたまふまじ 19 されどまことにかみはききたまへり聖󠄄意󠄃みこころをわがいのりのこゑにとめたまへり 20 かみはほむべきかな わがいのりをしりぞけず その憐憫あはれみをわれよりとりのぞきたまはざりき
 1021㌻ 

第67篇

[ ことにあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるうたなり 讃美さんびなり ]

1 ねがはくはかみわれらをあはれみ われらをさきはひてその聖󠄄顏みかほをわれらのうへにてらしたまはんことを セラ〘788㌻〙 2 はなんぢの途󠄃みちのあまねくにしられ なんぢのすくひのもろもろのくにのうちにしられんがためなり 3 かみよ庶民たみらはなんぢに感謝かんしやし もろもろのたみはみななんぢをほめたたへん 4 もろもろのくにはたのしみ又󠄂またよろこびうたふべし なんぢなほきをもて庶民たみらをさばきのうへなるよろづくにををさめたまべければなり セラ 5 かみよたみらはなんぢに感謝かんしやし もろもろのたみはみななんぢをほめたたへん 6 產物なりいでものをいだせり かみわがかみはわれらをさきはひたまはん 7 かみわれらをさきはひたまふべし かくてのもろもろのはてことごとくかみをおそれん

第68篇

[ 伶長うたのかみにうたはしめたるダビデのうたなり 讃美さんびなり ]

1 ねがはくはかみおきたまへ そのあたはことごとくちり かみをにくむものは前󠄃みまへよりにげさらんことを 2 けぶりのおひやらるるごとくかれらを驅逐󠄃おひやりたまへ あしきものはのまへにらふのとくるごとく かみのみまへにてほろぶべし 3 されどただしきものには歡喜よろこびあり かれらかみ前󠄃みまへにてよろこびをどらんにたのしみてよろこばん 4 かみのみまへにうたへ そのみなをほめたたへよ のりをすぐるもののために大道󠄃おほぢをきづけ かれのをヤハとよぶ その前󠄃まへによろこびをどれ 5 きよき住󠄃居すまひにましますかみはみなしごの父󠄃ちゝやもめの審士さばきびとなり 6 かみはよるべなきものを家族やからうちにをらしめ囚人めしうどをとき福祉さいはひにみちびきたまふ されど悖逆󠄃そむくものはうるほひなきにすめり 7 かみよなんぢはたみにさきだちいでてをすすみゆきたまひき セラ 8 そのときふるひてんかみのみまへにる シナイのやますらかみイスラエルのかみ前󠄃みまへにふるひうごけり
 1022㌻ 
9 かみよなんぢの嗣業ゆづりのつかれおとろへたるときゆたかなるあめをふらせてこれをかたくしたまへり 10 さきになんぢの公會こうくわいはそのなかにとゞまれり かみよなんぢはめぐみをもて貧󠄃まづしきもののために預備そなへをなしたまひき 11 しゆみことばをたまふ その佳音󠄃おとづれをのぶる婦󠄃女をんなはおほくしてむれをなせり 12 もろもろの軍旅いくさわうたちはにげさる 逃󠄄にげりたればいへなる婦󠄃女をんなはその掠物えものをわかつ 13 なんぢらひつじをりのうちにふすときは鴿はとのつばさの白銀しろかねにおほはれその黄金こがねにおほはるるがごとし 14 全󠄃能者ぜんのうしやかしこにて列王わうたちをちらしたまへるときはサルモンのやま雪󠄃ゆきふりたるがごとくなりき 15 バシャンのやまはかみやまなりバシャンのやまはみねかさなれるやまなり 16 みねかさなれるもろもろのやまよ なんぢらいかなればかみ住󠄃所󠄃すまひにえらびたまへるやまをねたみるや さはれヱホバは永遠󠄄とこしへにこのやまにすみたまはん〘789㌻〙 17 かみ戰車いくさぐるまはよろづによろづをかさねちぢにちぢをくはふ しゆそのなかにいませり 聖󠄄所󠄃せいじよにいますがごとくシナイのやまにいまししがごとし 18 なんぢ高處たかきところにのぼり虜者とりこをとりこにしてひきゐ禮物いやしろひとのなかよりも叛逆󠄃者そむくもののなかよりもうけたまへり ヤハのかみここに住󠄃すみたまはんがためなり 19 日々ひごとにわれらのをおひたまふしゆわれらのすくひのかみはほむべきかな セラ 20 かみはしばしばわれらをたすけたまへるかみなり よりのがれうるはしゆヱホバに 21 かみはそのあたのかうべをうちやぶりたまはん とがのなかにとゞまるもののかみけおほき顱頂いたゞきをうちやぶりたまはん 22 しゆいへらくわれバシャンよりかれらをたづさへかへりうみのふかき所󠄃ところよりたづさへかへらん 23 かくてなんぢのあしをそのあたのにひたしこれをなんぢのいぬしたになめしめん 24 かみよすべてのひとはなんぢの進󠄃すすみきたまふをみたり わがかみわがわう聖󠄄所󠄃せいじよにすすみゆきたまふをたり 25 つづみうつ童女をとめのなかにありてうたふものは前󠄃まへにゆきことひくものはあとにしたがへり
 1023㌻ 
26 なんぢらすべてのつどひにてかみをほめよイスラエルのみなもとよりいづるなんぢらよ しゆをほめまつれ 27 彼處かしこにかれらをすぶるとしわかきベニヤミンあり ユダの諸侯きみたちとその群衆ともがらとありまたゼブルンのきみたちナフタリの諸侯きみたちあり 28 なんぢのかみはなんぢのちからをたてたまへり かみよなんぢ我儕われらのためになしたまひしことをかたくしたまヘ 29 ヱルサレムなるなんぢのみやのために列王わうたちなんぢに禮物いやしろをささげん 30 ねがはくはあしけものむらがれるをうしこうしのごときもろもろのたみをいましめてかれらに白銀しろかねをたづさへきたり みづから服󠄃まつろふことをしめたまへ かみはたたかひをこのむもろもろのたみをちらしたまへり 31 諸侯きみたちはエジプトよりきたり エテオピアはあわただしくかみにむかひてをのべん 32 のもろもろのくによかみのまへにうたへしゆをほめうたへ セラ 33 上古いにしへよりのてんてんにのりたまふものにむかひてうたへ みよしゆはみこゑをいだしたまふ勢力いきほひあるみこゑをいだしたまふ 34 なんぢらちからをかみせよその稜威みいづはイスラエルのうへにとゞまり その大能みちからくものなかにあり 35 かみのおそるべきさまはきよき所󠄃ところよりあらはる イスラエルのかみはそのたみにちからと勢力いきほひとをあたへたまふ かみはほむべきかな

第69篇

[ 百合花ゆりのはなにあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるダビデのうた ]

1 かみよねがはくはわれをすくひたまへ 大水おほみづながれきたりてがたましひにまでおよべり〘790㌻〙 2 われたちなきふかきひぢなかにしづめり われふかきみづにおちいるおほみづわがうへをあふれすぐ 3 われ歎息なげきによりてつかれたり わがのどはかわき わがはわがかみをまちわびておとろへぬ 4 ゆゑなくしてわれをにくむものわがかしらのよりもおほくいはれなくしてわがあたとなりわれをほろぼさんとするものの勢力いきほひつよし われかすめざりしものをもつくのはせらる
 1024㌻ 
5 かみよなんぢはわがおろかなるをしりたまふ わがもろもろのつみはなんぢにかくれざるなり 6 萬軍ばんぐんのヱホバしゆよ ねがはくはなんぢをまちのぞむものをわがゆゑによりてはづかしめらるることなからしめたまへ イスラエルのかみよねがはくはなんぢをもとむるものをわがゆゑによりてはぢをおはしめらるることなからしめたまへ 7 われはなんぢのためにそしりをおひはぢはわがかほをおほひたればなり 8 われわが兄弟はらからには旅人たびゞとのごとく わがはゝには外人あだしびとのごとくなれり 9 そはなんぢのいへをおもふ熱心ねつしんわれをくらひなんぢをそしるもののそしりわれにおよべり 10 われなみだをながして食󠄃しよくをたち わが靈魂たましひをなげかすればかへりてこれによりてそしりをうく 11 われ麁布あらたへをころもとなししにかれらが諺語ことわざとなりぬ 12 かどにすわるものはわがうへをかたる われはゑひしれたるものにうたひはやされたり 13 しかはあれどヱホバよわれはめぐみのときになんぢにいのる ねがはくはかみよなんぢの憐憫あはれみのおほきによりてなんぢのすくひの眞實まことをもてわれにこたへたまへ 14 ねがはくはひぢのなかよりわれをたすけいだしてしづまざらしめたまへ われをにくむものよりふかきみづよりたすけいだしたまへ 15 大水おほみづわれをおほふことなくふちわれをのむことなくあなそのくちをわがうへにとづることなからしめたまへ 16 ヱホバよねがはくはわれにこたへたまへ なんぢの仁慈いつくしみうるはしければなり なんぢの憐憫あはれみはおほしわれにかへりきたりたまへ 17 みかほをなんぢのしもべにかくしたまふなかれ われ迫󠄃せまりくるしめり ねがはくは速󠄃すみやかにわれにこたへたまへ 18 わがたましひに近󠄃ちかくよりてこれをあがなひわがあたのゆゑにわれをすくひたまへ 19 なんぢはわがうくるそしりとはぢと侮辱あなどりとをしりたまへり わがてきはみななんぢのみまへにあり 20 譭謗そしりわがこゝろをくだきぬればわれいたくわづらへり われ憐憫あはれみをあたふるものをまちたれど一人ひとりだになくなぐさむるものをまちたれど一人ひとりをもみざりき 21 かれらにがきくさをわがくひものにあたへ わがかわけるときにをのませたり
 1025㌻ 
22 ねがはくは彼等かれらのまへなるえんあみとなり そのたのむ安逸やすきはつひにわなとなれ 23 そのをくらくしてみえしめず そのこしをつねにふるはしめたまへ〘791㌻〙 24 ねがはくはなんぢの忿恚いきどほりをかれらのうへにそそぎなんぢのいかりの猛烈はげしきをかれらに追󠄃及おひしかせたまへ 25 かれらのいへをむなしくせよ その幕屋まくやひとをすまはするなかれ 26 かれらはなんぢがうちたまひたるものをせめ なんぢがきずつけたまひたるもののいたみをかたりふるればなり 27 ねがはくはれらの不義ふぎ不義ふぎをくはへてなんぢのにあづからせたまふなかれ 28 かれらを生命いのちふみよりけしてただしきものとともにしるさるることなからしめたまへ 29 かくてわれはくるしみかつうれひあり かみよねがはくはなんぢのすくひわれを高處たかきところにおかんことを 30 われうたをもてかみみなをほめたたへ 感謝かんしやをもてかみをあがめまつらん 31 はをうしまたはつのひづめとあるちからつよき牡牛をうしにまさりてヱホバよろこびたまはん 32 謙󠄃遜者へりくだるものはこれをてよろこべり かみをしたふものよなんぢらのこゝろはいくべし 33 ヱホバはともしきもののこゑをきき その俘囚とらはれびとをかろしめたまはざればなり 34 天地あめつちはヱホバをほめ蒼海おほうみとそのなかにうごくあらゆるものとはヱホバをほむまつるべし 35 かみはシオンをすくひユダのもろもろのまちたてたまふべければなり かれらは其處そこにすみかつこれをおのがものとせん 36 そのしもべのすゑもまたこれをつぎそのみなをいつくしむものそのなかにすまん

第70篇

[ 伶長うたのかみにうたはしめたるダビデが記念きねんのうた ]

1 かみよねがはくはわれをすくひたまヘ ヱホバよ速󠄃とくきたりてわれをたすけたまへ 2 わが靈魂たましひをたづぬるもののはぢあわてんことを わが害󠄅そこなはるるをよろこぶもののうしろにしりぞきてはぢをおはんことを 3 ああよやよやといふもののおのがはぢによりてうしろにしりぞかんことを
 1026㌻ 
4 すべてなんぢをたづねもとむるもののなんぢによりてたのしみよろこばんことを なんぢのすくひをしたふもののつねにかみおほいなるかなととなへんことを 5 われはくるしみかつともしかみよいそぎてわれにきたりたまへ なんぢはわがたすけわれをすくふものなり ヱホバよねがはくは猶豫ためらひたまふなかれ

第71篇

1 ヱホバよわれなんぢに依賴よりたのむ ねがはくはいづれまでもはぢうくることなからしめたま 2 なんぢのをもてわれをたすけわれをまぬかれしめたまへ なんぢのみゝをわれにかたぶけてわれをすくひたまへ 3 ねがはくはなんぢわがすまひのいはとなりたまへ われつねにそのところにゆくことをん なんぢわれをすくはんとて勅命みことのりをいだしたまへり そはなんぢはわがいはわがしろなり 4 わがかみよあしきもののより不義ふぎ殘忍󠄄ざんにんなるひとのてより われをまぬかれしめたまへ〘792㌻〙 5 しゆヱホバよなんぢはわが望󠄇のぞみなり わが幼少おさなきよりのたのみなり 6 われたいをはなるるよりなんぢにまもられはゝはらにありしときよりなんぢにめぐまれたり われつねになんぢをほめたたへん 7 われおほくのひとにあやしまるるごときものとなれり されどなんぢはわが堅固けんごなる避󠄃所󠄃さけどころなり 8 なんぢのたたへごととなんぢの頌美ほまれとは終󠄃日ひねもすわがくちにみちん 9 わがとしおいぬるときわれをすてたまふなかれ わがちからおとろふるときわれをはなれたまなかれ 10 わがあたはわがことをあげつらひ ひわが靈魂たましひをうかがふものはたがひにはかりていふ 11 かみかれをはなれたりかれをたすくるものなし かれを追󠄃おひてとらへよと 12 かみよわれに遠󠄄とほざかりたまふなかれ わがかみよとくきたりてわれをたすけたまへ 13 わがたましひのてきははぢかつおとろへわれをそこなはんとするものはそしりはぢとにおほはれよ 14 されどわれはたえず望󠄇のぞみをいだきていやますますなんぢをほめたたへん 15 わがくちはひねもすなんぢとなんぢのすくひとをかたらん われそのかずをしらざればなり
 1027㌻ 
16 われはしゆヱホバの大能たいのう事跡みわざをたづさへゆかん われはたゞなんぢののみをかたらん 17 かみよなんぢわれを幼少おさなきよりをしへたまへり われいまにいたるまでなんぢのくすしき事跡みわざをのべつたへたり 18 かみよねがはくはわれおい頭髮かみげしろくなるともがなんぢのちから次代つぎのよにのべつたへ なんぢの大能みちからにうまれいづるすべてのものにのべつたふるまでわれをはなれたまふなかれ 19 かみよなんぢのもまたいとたかし なんぢはおほいなることをなしたまへり かみよたれかなんぢにひとしきものあらんや 20 なんぢわれらをおほくのおもき苦難なやみにあはせたまへり なんぢふたゝびわれらをいかしわれらをふかき所󠄃ところよりあげたまはん 21 ねがはくはわれをいよいよおほいならしめかへりきたりてわれをなぐさめたま 22 わがかみよさらばわれさうをもてなんぢをほめ なんぢの眞實まことをほめたたへん イスラエルの聖󠄄者せいじやよわれことをもてなんぢをほめうたはん 23 われ聖󠄄前󠄃みまへにうたときわが口唇くちびるよろこびなんぢのあがなひたまへるわが靈魂たましひおほいによろこばん 24 わがしたもまた終󠄃日ひねもすなんぢのをかたらん われを害󠄅そこなはんとするものはぢあわつればなり

第72篇

[ ソロモンのうた ]

1 かみよねがはくはなんぢのもろもろの審判󠄄さばきわうにあたへ なんぢのをわうのにあたへたまへ 2 かれはをもてなんぢのたみをさばき公平󠄃こうへいをもてくるしむものをさばかん 3 によりてやまをかとはたみ平󠄃康やすきをあたふべし 4 かれはたみのくるしむもののために審判󠄄さばきをなしともしきものの子輩こらをすくひ虐󠄃しへたぐるものをくだきたまはん〘793㌻〙 5 かれらはつきとのあらんかぎり世々よゝおしなべてなんぢをおそるべし 6 かれはかりとれるまきにふるあめのごとくつちをうるほす白雨むらさめのごとくのぞまん 7 かれのにただしきものはさかえ平󠄃和へいわつきのうするまでゆたかならん 8 またその政治まつりごとうみよりうみにいたりかはよりのはてにおよぶべし
 1028㌻ 
9 にをるものはそのまへにかがみ そりあたちりをなめん 10 タルシシおよび島々しま〴〵わうたちはみつぎををさめ シバとセバのわうたちは禮物いやしろをささげん 11 もろもろのわうはそのまへに俯伏ひれふし もろもろのくにはかれにつかへん 12 かれはともしきものをそのさけぶときにすくひ たすけなきくるしむものをたすけ 13 弱󠄃よわきものとともしきものとをあはれみともしきものの靈魂たましひをすくひ 14 かれらのたましひを暴虐󠄃しひたげ强暴あらびとよりあがなひたまふ そのはみまへにたふとかるべし 15 かれらはながらふべし ひとはシバの黄金こがねをささげてかれのためにつねにいのり終󠄃日ひねもすかれをいははん 16 くにのうち五穀たなつものゆたかにしてそのはレバノンのごとくやまのいただきにそよぎ まち人々ひと〴〵くさのごとくさかゆべし 17 かれのはつねにたえず かれのひさしきごとくにたゆることなし ひとはかれによりて福祉さいはひをえん もろもろのくにはかれをさいはひなるものととなへん 18 ただイスラエルのかみのみくすしき事跡みわざをなしたまへり かみヱホバはほむべきかな 19 その榮光えいくわうはよよにほむべきかな全󠄃地ぜんちはその榮光えいくわうにて滿みつべしアーメン アーメン 20 ヱッサイのダビデのいのりはをはりぬ

第73篇

[ アサフのうた ]

1 かみはイスラエルにむかひこゝろのきよきものにむかひてまことにめぐみあり 2 しかはあれどわれはわがあしつまづくばかりわがあゆみすべるばかりにてありき 3 こはわれあしきもののさかゆるをてそのほこれるものをねたみしによる 4 かれらはしぬるにくるしみなくそのちからはかへりてかたし 5 かれらはひとのごとくうれひにをらずひとのごとく患難なやみにあふことなし 6 このゆゑに傲慢たかぶり妝飾󠄃かざりのごとくそのくびをめぐり强暴あらびはころものごとく彼等かれらをおほへり 7 かれらこえふとりてそのとびいでこゝろねがひにまさりてものをうるなり 8 また嘲笑あざけりをなしあくをもて暴虐󠄃しへたげのことばをいだしたかぶりてものいふ
 1029㌻ 
9 そのくちてんにおきそのしたにあまねくゆかしむ 10 このゆゑにかれのたみはここにかへりみづのみちたるさかづきをしぼりいだして 11 いへらくかみいかでしりたまはんや至上者いとたかきもの知識さとりあらんやと 12 よかれらはあしきものなるにつねにやすらかにしてそのとみましくははれり〘794㌻〙 13 まことわれはいたづらにこゝろをきよめつみををかさずしてをあらひたり 14 そはわれ終󠄃日ひねもすなやみにあひ朝󠄃あさごとにせめをうけしなり 15 われもしかゝることを述󠄃のべんといひしならばわれなんぢが子輩こらをあやまらせしならん 16 われこれらの道󠄃理ことはりをしらんとしておもひめぐらししにわがいたくいたみたり 17 われかみ聖󠄄所󠄃せいじよにゆきてかれらの結局いやはてをふかくおもへるまではしかりき 18 まことになんぢはかれらをなめらかなるところにおきかれらを滅亡ほろびにおとしいれたま 19 かれらはまたたくひまにやぶれたるかな彼等かれら恐怖おそれをもてことごとくほろびたり 20 しゆよなんぢをさましてかれらがざうをかろしめたまはんときはゆめみしひとさめたるがごとし 21 わがこゝろはうれへ わがむらとはさされたり 22 われおろかにして知覺さとりなし聖󠄄前󠄃みまへにありてけものにひとしかりき 23 されどわれつねになんぢとともにありなんぢわが右手みぎのてをたもちたまへり 24 なんぢその訓諭さとしをもてわれをみちびきのちまたわれをうけて榮光さかえのうちにいれたまはん 25 なんぢのほかにわれたれをかてんにもたんにはなんぢのほかにわがしたふものなし 26 わがとわがこゝろとはおとろふ されどかみはわがこころのいはわがとこしへの嗣業ゆづりなり 27 よなんぢに遠󠄄とほきものはほろびん なんぢをはなれて姦淫たはれをおこなふものはみななんぢこれをほろぼしたまひたり 28 かみにちかづきまつるはわれによきことなり われはしゆヱホバを避󠄃所󠄃さけどころとしてそのもろもろの事跡みわざをのべつたへん

第74篇

[ アサフの敎訓をしへのうた ]

 1030㌻ 
1 かみよいかなればなんぢわれらをかぎりなくすてたまひしや 奈何いかなればなんぢの草苑まきひつじにみいかりのけぶりあがれるや 2 ねがはくは徃昔むかしなんぢがかひもとめたまへる公會こうくわいゆづりの支派やからとなさんとてあがなひたまへるものをおもひいでたまへ又󠄂またなんぢが住󠄃すみたまふシオンのやまをおもひいでたま 3 とこしへの滅亡ほろびあとにみあしをむけたまへあた聖󠄄所󠄃せいじよにてもろもろのあしきわざをおこなへり 4 なんぢのてきはなんぢのつどひのなかにほえたけびおのがはたをたててしるしとせり 5 かれらははやしのしげみにてをのをあぐるひとさまにみゆ 6 いまてをのつちとをもて聖󠄄所󠄃せいじよのなかなる彫刻ほりきざめるものをことごとくこぼちおとせり 7 かれらはなんぢの聖󠄄所󠄃せいじよをかけ居所󠄃すみかをけがしてにおとしたり 8 かれらこゝろのうちにいふ われらことごとくこれをこぼちあらさんと かくて國內くにのうちなるかみのもろもろの會堂くわいだうをやきつくせり 9 われらのしるしはみえず預言者よげんしやいまはなし かくていくそのときをかふべき われらのうちにるものなし〘795㌻〙 10 かみてきはいくそのときをふるまでそしるや あたはなんぢのみなをとこしへにけがすならんか 11 いかなればなんぢそのみてみぎのみてをひきたまふや ねがはくはみてをふところよりいだしてかれらをほろぼしたまへ 12 かみはいにしへよりわがわうなり すくひをなかにおこなひたまへり 13 なんぢそのちからをもてうみをわかちみづのなかなる龍󠄇たつかうべをくだき 14 わにのかうべをうちくだきにすめるたみにあたへて食󠄃しよくとなしたまへり 15 なんぢはいづみ水流ながれとをひらき又󠄂またもろもろの大河おほかはをからしたまへり 16 ひるはなんぢのものよる又󠄂またなんぢのものなり なんぢはひかりとをそなへ 17 あまねくのもろもろのさかひをたてなつふゆとをつくりたまへり 18 ヱホバよあたはなんぢをそしりおろかなるたみはなんぢのみなをけがせり このことをおもひいでたまへ 19 ねがはくはなんぢの鴿はとのたましひをのあらきけものにわたしたまふなかれ くるしむものにいのちをとこしへにわすれたまふなかれ
 1031㌻ 
20 契󠄅約けいやくをかへりみたまへのくらきところは强暴あらびすまひにてみちたればなり 21 ねがはくは虐󠄃しへたげらるるものをはぢ退󠄃しりぞかしめたまふなかれ なやめるものとくるしむものとに聖󠄄名みなをほめたたへしめたまへ 22 かみよおきてなんぢのうたへをあげつらひおろかなるものの終󠄃日ひねもすなんぢをそしれるをみこころにとめたまへ 23 なんぢのてきこゑをわすれたまふなかれ なんぢにさからひて起󠄃おこりたつもののかしがましきこゑはたえずあがれり

第75篇

[ 「ほろぼすなかれ」といふ調しらべにあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるアサフのうたなり讃美さんびなり ]

1 かみよわれらなんぢにかんしやす われら感謝かんしやすなんぢのみなはちかくいませばなり もろもろのひとはなんぢのくすしき事跡みわざをかたりあへり 2 さだまりたるときいたらばわれなほき審判󠄄さばきをなさん 3 とすべてのこれにすむものと消󠄃とけさりしときわれそのもろもろのはしらをたてたり セラ 4 われほこれるものにほこりかにおこなふなかれといひ あしきものにつのをあぐるなかれといへり 5 なんぢらのつのをたかくあぐるなかれくびをかたくしてたかぶりいふなかれ 6 あぐることはひがしよりにあらず西にしよりにあらずまたみなみよりにもあらざるなり 7 ただかみのみ審士さばきびとにましませばこれをさげかれをあげたまふ 8 ヱホバのみてにさかづきありてさけあわだてり そのなかにものまじりてみつ かみこれをそそぎいだせり まことにそのおりのすべてのあしきものしぼりてむべし 9 されどわれはヤコブのかみをのべつたへん とこしへにほめうたはん 10 われあしきもののすべてのつのをきりはなたん ただしきもののつのはあげらるべし〘796㌻〙

第76篇

[ ことにあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるアサフのうたなり讃美さんびなり ]

1 かみはユダにしられたまへり そのみなはイスラエルにおほいなり 2 またサレムのなかにその幕屋まくやあり その居所󠄃ゐすまひはシオンにあり 3 彼所󠄃かしこにてかれはゆみををりたてつるぎ戰陣いくさとをやぶりたまひき セラ 4 なんぢ榮光えいくわうありかすめうばふやまよりもたふとし
 1032㌻ 
5 こゝろのつよきものはかすめらる かれらはねぶりにしづみいさましきものはみなそのうしなへり 6 ヤコブのかみよなんぢの叱咤しつたによりて戰車いくさぐるまむまとともにふかきねぶりにつけり 7 かみよなんぢこそおそるべきものなれ ひとたびいかりたまふときはたれかみまへにたちえんや 8 -9 なんぢてんより宣吿せんこくをのりたまへり のへりくだるものをみなすくはんとてかみのさばきにたちたまへるときはおそれてもだしたり セラ 10 ひとのいかりはなんぢをほむべし いかりのあまりはなんぢおのれのおびとしたまはん 11 なんぢのかみヱホバにちかひをたててつくのへ そのまはりなるすべてのものはおそるべきヱホバに禮物いやしろをささぐべし 12 ヱホバはもろもろの諸侯きみたちのたましひをたちたまはん ヱホバはわうたちのおそるべきものなり

第77篇

[ エドトンのさまにしたがひて伶長うたのかみにうたはしめたるアサフのうた ]

1 われわがこゑをあげてかみによばはん われこゑかみにあげなばそのみゝをわれにかたぶけたまはん 2 わがなやみのにわれしゆをたづねまつれり よるわがをのべてゆるむることなかりき わがたましひはなぐさめらるるをいなみたり 3 われかみをおもひいでてうちなやむ われおもひなげきてわが靈魂たましひおとろへぬ セラ 4 なんぢはわがをささへてふさがしめたまはず われはものいふことあたはぬほどになやみたり 5 われむかしのいにしへのとしをおもへり 6 われよるわがうたをむもひいづ われわがこゝろにてふかくおもひわが靈魂たましひはねもころに尋󠄃たづねもとむ 7 しゆはとこしへにすてたまふや ふたゝびめぐみをたれたまはざるや 8 その憐憫あはれみはのこりなく永遠󠄄とこしへにさり そのちかひは世々よゝながくすたれたるや 9 かみおんをほどこすことをわすれたまふや いかりをもてそのあはれみをとぢたまふや セラ
 1033㌻ 
10 かゝるときにわれいへらくはただわが弱󠄃よわきがゆゑのみいで至上者いとたかきもののみぎのみてのもろもろのとしをおもひいでん 11 われヤハの作爲みわざをのべとなへん われ徃古いにしへよりありしなんぢがくすしきみわざをおもひいたさん 12 またわれなんぢのすべての作爲みわざをおもひいでなんぢのなしたまへることをふかくおもはん〘797㌻〙 13 かみよなんぢの途󠄃みちはいときよし かみのごとくおほいなるかみはたれぞや 14 なんぢはくすきみわざをなしたまへるかみなり もろもろのたみのあひだにその大能みちからをしめし 15 そのかひなをもてヤコブ、ヨセフの子輩こらなんぢのたみをあがなひたまへり セラ 16 かみよ大水おほみづなんぢをたり おほみづなんぢをみてをののきふちもまたふるへり 17 くもはみづをそそぎいだし空󠄃からはひびきをいだし なんぢのははしりいでたり 18 なんぢの雷鳴いかづちのこゑは暴風はやちのうちにありき 電光いなづまをてらしはふるひうごけり 19 なんぢの大道󠄃おほぢうみのなかにあり なんぢのみちはおほみづのなかにあり なんぢの蹤跡みあとはたづねがたかりき 20 なんぢそのたみをモーセとアロンとのによりてひつじむれのごとくみちびきたまへり

第78篇

[ アサフの敎訓をしへのうた ]

1 わがたみよわが敎訓をしへをきき、わがくちのことばになんぢらのみゝをかたぶけよ 2 われくちをひらきて譬喩たとへをまうけ いにしへの玄幽かすかなることばをかたりいでん 3 これわれらがさきにききしところしりしところ又󠄂またわれらが列祖おやたちのかたりつたへし所󠄃ところなり 4 われらこれをその子孫こらにかくさずヱホバのもろもろの頌美ほまれ能力ちからとそのなしたまへるくすしき事跡みわざとをきたらんとするにつげん 5 そはヱホバ證詞あかしをヤコブのうちにたて律法おきてをイスラエルのうちにさだめてその子孫こらにしらすべきことをわれらの列祖おやたちにおほせたまひたればなり 6 これきたらんとするのちにうまるる子孫こらがこれをしりみづから起󠄃おこりてそのまた子孫こらにつたへ
 1034㌻ 
7 かれらをしてかみによりたのみかみのみわざをわすれずその誡命いましめをまもらしめんためなり 8 またその列祖おやたちのごとく頑固かたくなにしてそむくもののたぐひとなり そのこころをさまらず そのたましひかみまめならざるたぐひとならざらんためなり 9 エフライムのこらは武具󠄄もののぐととのへゆみをたづさへしにたゝかひのにうしろをそむけたり 10 かれらかみのちかひをまもらず そのおきてをふむことをいなみ 11 ヱホバのなしたまへることとかれらにしめしたまへるくすしき事跡みわざとをわすれたり 12 かみはエジプトのくににてゾアンのにてたへなることをかれらの列祖おやたちのまへになしたまへり 13 すなはちうみをさきてかれらを過󠄃ぎしめみづをつみてうづたかくしたまへり 14 ひるはくもをもてかれらをみちびきよるはよもすがらひかりをもてこれを導󠄃みちびきたまへり 15 かみはあれのにていはをさきおほいなるふちよりくむがごとくにかれらにのましめ 16 またいはよりながれをひきてかはのごとくにみづをながれしめたまへり〘798㌻〙 17 しかるにかれらなほたえまなくつみををかしてかみにさからひ荒野あれのにて至上者いとたかきものにそむき 18 またおのがよくのために食󠄃しよくをもとめてそのこゝろのうちにかみをこころみたり 19 しかのみならずかれらはかみにさからひていへり かみ荒野あれのにてえんをまうけたまふをんや 20 みよかみいはをうちたまへばみづほどばしりいでながれあぶれたり かてをもあたへたまふをんやかみはそのたみのためににくをそなへたまはんやと 21 このゆゑにヱホバこれをきゝていきどほりたまひき はヤコブにむかひてもえあがりいかりはイスラエルにむかひてたちのぼれり 22 こはかれらかみしんぜずそのすくひにたのまざりしゆゑなり 23 されどなほかみはうへなるくもめいじてあめをひらき 24 彼等かれらのうへにマナをふらせて食󠄃くらはしめあめ穀物たなつものをあたへたまへり 25 ひとみな勇士ますらをかてをくらへり かみはかれらに食󠄃物くひものをおくりて飽󠄄あきらしめたまふ
 1035㌻ 
26 かみてん東風こちをふかせ大能みちからもてみなみかぜをみちびきたまへり 27 かみはかれらのうへにちりのごとくにくをふらせうみいさごのごとくつばさあるとりをふらせて 28 そのえいのなかその住󠄃所󠄃すむところのまはりにおとしたまへり 29 かくてかれらは食󠄃くらひて飽󠄄あきたりぬ かみはこれにそののぞみしものをあたへたまへり 30 かれらがいまだそのよくをはなれず食󠄃物くひもののなほくちのうちにあるほどに 31 かみのいかりはやにかれらにむかひてたちのぼり彼等かれらのうちにてもつともこえたるものをころしイスラエルのわかきをとこをうちたふしたまへり 32 これらのことありしかど彼等かれらはなほつみををかしてそのくすしきみわざをしんぜざりしかば 33 かみはかれらの空󠄃むなしくすぐさせ そのとしをおそれつつ過󠄃すぐさせたまへり 34 かみかれらをころしたまへるときかれらかみをたづねかへりきたりてねんごろにかみをもとめたり 35 かくてかみはおのれのいはいとたかきかみはおのれの贖主あがなひぬしなることをおもひいでたり 36 しかはあれど彼等かれらはただそのくちをもてかみにへつらひそのしたをもてかみにいつはりをいひたりしのみ 37 そはかれらのこころはかみにむかひてかたからず その契󠄅約けいやくをまもるに忠信ちゆうしんならざりき 38 されどかみはあはれみにみちたまへばかれらの不義ふぎをゆるしてほろぼしたまはずしばしばそのみいかりをうつしてことごとくは忿恚いきどほりをふりおこしたまはざりき 39 又󠄂またかれがただにくにして過󠄃去すぎさればふたゝびかへりこぬかぜなるをおもひいでたまへり 40 かれらはにてかみにそむき荒野あれのにてかみをうれへしめしこと幾次いくたびぞや 41 かれらかへすがへすかみをこころみイスラエルの聖󠄄者せいじやをはづかしめたり 42 かれらはかみみてをもてきよりあがなひたまひしをもおもひいでざりき 43 かみはそのもろもろの豫兆しるしをエジプトにあらはしそのくすしきみわざをゾアンのにあらはし〘799㌻〙 44 かれらのかはにかはらせてそのながれのみあたはざらしめ 45 またはへむれをおくりてかれらをくはしめかはづをおくりてかれらをほろぼさせたまへり
 1036㌻ 
46 かみはかれらの田產なりいでもの蟊賊おほねむしにわたし かれらの勤勞きんらういなごにあたへたまへり 47 かみへうをもてかれらの葡萄ぶだうをからししもをもてかれらのくはをからし 48 その家畜けものをへうにわたしそのむれをもゆる閃電いなづまにわたし 49 かれらのうへにはげしきいかりといきどほりと怨恨うらみとなやみと禍害󠄅わざはひのつかひのむれとをなげいだしたまへり 50 かみはそのいかりをもらす道󠄃みちをまうけ かれらのたましひをよりまぬかれしめず そのいのちを疫癘えやみにわたし 51 エジプトにてすべての初子うひごをうちハムの幕屋まくやにてかれらのちからはじめをうちたまへり 52 されどおのれのたみひつじのごとくにひきいだし かれらを曠野あらのにてけだもののむれのごとくにみちびき 53 かれらをともなひておそれなくやすけからしめたまへり されどうみはかれらのあたをおほへり 54 かみはその聖󠄄所󠄃せいじよのさかひ そのみぎにてかひたまへるこのやまかれらをたづさへたまへり 55 又󠄂またかれらの前󠄃まへにてもろもろの國人くにびとをおもひいだし準繩はかりなはをもちゐ そのをわかちて嗣業ゆづりとなし イスラエルのやからをかれらの幕屋まくやにすまはせたまへり 56 しかはあれど彼等かれらはいとたかきかみをこころみこれにそむきてそのもろもろの證詞あかしをまもらず 57 そむきしりぞきてその列祖おやたちごと眞實まことをうしなひ くるへるゆみのごとくひるがへりてそれゆけり 58 高處たかきところをまうけてかみのいきどほりをひききざめるざうにてかみ嫉妬ねたみをおこしたり 59 かみききたまひてはなはだしくいかりおほいにイスラエルを憎にくみたまひしかば 60 人々ひと〴〵なかにおきたまひし幕屋まくやなるシロのあげばりをすてさり 61 そのちからをとりことならしめ その榮光えいくわうてきにわたし 62 そのたみつるぎにあたへ その嗣業ゆづりにむかひてはなはだしくいかりたまへり 63 はかれらのわかきをとこをやきつくし かれらの處女をとめはその婚姻こんいんうたによりてほめらるることなく 64 かれらの祭司さいしはつるぎにてたふれ かれらの寡婦󠄃やもめのなげきだにせざりき 65 かゝるときにしゆはねぶりしもののさめしごとく勇士ますらをさけによりてさけぶがごとくさめたまひて
 1037㌻ 
66 そのてきをうちしりぞけ とこしへのはぢをかれらに負󠄅おはせたまへり 67 またヨセフの幕屋まくやをいなみエフライムのやからをえらばず 68 ユダのやからそのいつくしみたまふシオンのやまをえらびたまへり 69 その聖󠄄所󠄃せいじよやまのごとく永遠󠄄とこしへにさだめたまへるのごとくにたてたまへり〘800㌻〙 70 またそのしもべダビデをえらびてひつじをりのなかよりとり 71 乳󠄃をあたふるひつじにしたがひゆくつとめのうちよりたづさへきたりてそのたみヤコブその嗣業ゆづりイスラエルをやしなはせたまへり 72 かくてダビデはそのこころの完全󠄃またきにしたがひてかれらをやしなひ そののたくみをもてこれをみちびけり

第79篇

[ アサフのうた ]

1 ああかみよもろもろの異邦人ことくにびとはなんぢの嗣業ゆづりををかし なんぢの聖󠄄宮きよきみやをけがしヱルサレムをこぼちて礫堆いしづかとなし 2 なんぢのしもべのしかばねをそらのとりあたへてとなし なんぢの聖󠄄徒せいとにくのけものにあたへ 3 そのをヱルサレムのめぐりにみづのごとくながしたりされどこれをはうむるひとなし 4 われらは隣人となりびとにそしられ四周󠄃めぐりのひとびとにあなどられあざけらるるものとなれり 5 ヱホバよかくいく何時そのときをへたまふや なんぢとこしへにいかりたまふや なんぢのねたみはのごとくもゆるか 6 ねがはくはなんぢをしらざることくにびと聖󠄄名みなをよばざるもろもろのくにのうへに烈怒みいかりをそそぎたまへ 7 かれらはヤコブをのみその住󠄃處すみかをあらしたればなり 8 われらにむかひて先祖とほつおやのよこしまなるわざを記念きねんしたまふなかれねがはくはなんぢの憐憫あはれみをもて速󠄃すみやかにわれらを迎󠄃むかへたまへ われらはおとされてはなはだしくひくくなりたればなり 9 われらのすくひのかみみなのえいくわうのために我儕われらをたすけみなのためにわれらをすくひ われらのつみをのぞきたまへ
 1038㌻ 
10 いかなれば異邦人ことくにびとはいふ かれらのかみはいづくにありやと ねがはくはなんぢのしもべがながされしむくいをわれらの目前󠄃まのあたりになして異邦人ことくにびとにしらしめたまへ 11 ねがはくはなんぢのみまへにとらはれびとの嘆息なげきのとどかんことを なんぢのおほいなる能力みちからによりにさだめられしものをまもりてながらへしめたまへ 12 しゆよわれらの隣人となりびとのなんぢをそしりたるそしり七倍ななかさましてそのふところにむくいかへしたまへ 13 さらばわれらなんぢのたみなんぢの草苑まきのひつじは永遠󠄄とこしへになんぢに感謝かんしやしその頌辭たたへごと世々よゝあらはさん

第80篇

[ 證詞あかし百合花ゆりのはなといへる調しらべにあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるアサフのうた ]

1 イスラエルの牧者ぼくしゃよひつじのむれのごとくヨセフを導󠄃みちびきたまものよ みゝをかたぶけたまへ ケルビムのうへにしたまふものよ ひかりをはなちたまへ 2 エフライム、ベニヤミン、マナセの前󠄃まへになんぢのちからをふりおこしきたりてわれらをすくひたまへ 3 かみよふたゝびわれらをかへし なんぢの聖󠄄顏みかほのひかりをてらしたまへ さらばわれらすくひをえん〘801㌻〙 4 ばんぐんのかみヱホバよなんぢそのたみいのりにむかひていづれのときまでいかりたまふや 5 なんぢかれらになみだのかてをくらはせなみだ量器ますにみちみつるほどあたへてのましめたまへり 6 なんぢわれらを隣人となりびとのあひあらそふ種料たねぐさとなしたまふ われらのあたはたがひにあざわらへり 7 萬軍ばんぐんかみよふたゝびわれらをかへしたまへ なんぢのみかほのひかりをてらしたまへ さらばわれらすくひをえん 8 なんぢ葡萄ぶだうをエジプトよりたづさへいだしもろもろの國人くにびとをおひしりぞけてこれをうゑたまへり 9 なんぢそのまへにをまうけたまひしかばふかねざしてくににはびこれり 10 そのかげはもろもろのやまをおほひ そのえだはかみ香柏かうはくのごとくにてありき 11 そのはえだをうみにまでのべ その若枝わかえかはにまでのべたり
 1039㌻ 
12 なんぢいかなればそのかきをくづしてみちゆくすべてのひとつみらせたまふや 13 はやしのゐのこはこれをあらしのあらきけものはこれをくらふ 14 ああ萬軍ばんぐんかみよねがはくはかへりたまへ てんよりふしてこの葡萄ぶだうをかへりみ 15 なんぢがみぎにてうゑたまへるもの自己みづからのためにつよくなしたまへるえだをまもりたまへ 16 そのにてやかれまたきりたふさる かれらは聖󠄄顏みかほのいかりにてほろ 17 ねがはくはなんぢのをそのみぎひとのうへにおき自己みづからのためにつよくなしたまへるひとのうへにおきたまへ 18 さらばわれらなんぢをしりぞきはなるることなからん ねがはくはわれらをいかしたまへ われらみなをよばん 19 ああ萬軍ばんぐんかみヱホバよふたゝび我儕われらをかへしたまへ なんぢの聖󠄄顏みかほのひかりをてらしたまへ さらばわれらすくひをえん

第81篇

[ ギテトのことにあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるアサフのうた ]

1 われらのちからなるかみにむかひてたからかにうたひヤコブのかみにむかひてよろこびのこゑをあげよ 2 うたをうたひつづみとよき音󠄃のこととさうとをもちきたれ 3 新月しんげつ滿月まんげつとわれらの節󠄄會せちゑとにラッパをふきならせ 4 これイスラエルの律法おきてヤコブのかみのさだめなり 5 かみさきにエジプトをせめたまひしときヨセフのなかにこれをたててあかしとなしたまへり われかしこにていまだしらざりし方言ことばをきけり 6 われかれのかたより重荷おもにをのぞき かれのかごよりまぬかれしめたり 7 なんぢなやめるときよびしかばわれなんぢをすくへり われ雷鳴いかづちのかくれたるところにてなんぢにこたへメリバのみづのほとりにてなんぢをこころみたり セラ 8 わがたみよきけわれなんぢにあかしせん イスラエルよなんぢがわれにしたがはんことをもとむ〘802㌻〙 9 なんぢのうちに他神あだしかみあるべからず なんぢ他神あだしかみををがむべからず 10 われはエジプトのくによりなんぢをたづさへいでたるなんぢかみヱホバなり なんぢのくちをひろくあけよ われものをみたしめん 11 されどわがたみはわかこゑにしたがはず イスラエルはわれをこのまず
 1040㌻ 
12 このゆゑにわれかれらがこゝろのかたくななるにまかせ彼等かれらがその任意󠄃こころままにゆくにまかせたり 13 われはわがたみのわれにしたがひイスフルのわが道󠄃みちにあゆまんことをもと 14 さらばわれすみやかにかれらのあたをしたがへ わがをかれらのてきにむけん 15 かくてヱホバをにくみしものもかれらにしたがひ かれらのときはとこしへにつづかん 16 かみはむぎのいとよきをもてかれらをやしなひ いはよりいでたるみつをもてなんぢをあかしむべし

第82篇

[ アサフのうた ]

1 かみはかみのつどひのなかにたちたまふ かみはもろもろのかみのなかに審判󠄄さばきをなしたまふ 2 なんぢらはたゞしからざる審判󠄄さばきをなし あしきもののをかたよりみていく何時そのときをへんとするや セラ 3 よわきものと孤兒みなしごとのためにさばきくるしむものとともしきものとのために公平󠄃こうへいをほどこせ 4 弱󠄃よわきものと貧󠄃まづしきものとをすくひ彼等かれらをあしきもののよりたすけいだせ 5 かれらはることなくさとることなくして暗󠄃中くらきなかをゆきめぐりぬ のもろもろのもとゐはうごきたり 6 われいへらく なんぢらはかみなりなんぢらはみな至上者いとたかきものなりと 7 されどなんぢらはひとのごとくにしにもろもろのきみのなかの一人ひとりのごとくたふれん 8 かみよおきて全󠄃地ぜんちをさばきたまへ なんぢもろもろのくにつぎたまふべければなり

第83篇

[ アサフのうたなり讃美さんびなり ]

1 かみよもだしたまふなかれかみよものいはで寂靜しづまりたまふなかれ 2 よなんぢのあたはかしがきしきこゑをあげなんぢをにくむものはかしらをあげたり
 1041㌻ 
3 かれらはたくみなる謀略はかりごとをもてなんぢのたみにむかひあひともにはかりてなんぢのかくれたるものにむかふ 4 かれらいひたりき いざかれらをたちほろぼしてふたゝびくにをたつることをざらしめイスラエルのをふたゝびひとにしられざらしめんと 5 かれらはこゝろひとつにしてともにはかりたがひにちかひをなしてなんぢに逆󠄃さか 6 こはエドムの幕屋まくやにすめるひとイシマエルびとモアブ、ハガルびと 7 ゲバル、アンモン、アマレク、ペリシテおよびツロのたみなどなり 8 アッスリヤもまたかれらにくみせり かくてロトの子輩こらのたすけをなせり セラ 9 なんぢさきにミデアンになしたまへるごとくキションのかはにてシセラとヤビンとになしたまへるごとく彼等かれらにもなしたまへ〘803㌻〙 10 かれらはエンドルにてほろびのために肥料こえとなれり 11 かれらの貴人きにんをオレブ、ゼエブのごとくそのもろもろのきみをゼバ、ザルムンナのごとくなしたまへ 12 かれらはいへり われらかみ草苑まきをえてわがものとすべしと 13 わがかみよかれらをまきあげらるるちりのごとくかぜのまへのわらのごとくならしめたまへ 14 はやしをやくのごとくやまをもやすほのほのごとく 15 なんぢの暴風はやちをもてかれらを追󠄃ひなんぢの旋風つむじかぜをもてかれらをおそれしめたまへ 16 かれらのかほはぢをみたしめたまへ ヱホバよさらばかれらなんぢのをもとめん 17 かれらをとこしへにはぢおそれしめあわてまどひてほろびうせしめたまへ 18 さらばかれらはヱホバてふをもちたまふなんぢのみ全󠄃地ぜんちをしろしめす至上者いとたかきものなることをるべし

第84篇

[ ギテトのことにあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるコラののうた ]

1 萬軍ばんぐんのヱホバよなんぢの帷幄あけばりはいかにあいすべきかな 2 わが靈魂たましひはたえいるばかりにヱホバのおほにはをしたひ わがこゝろわがはいけるかみにむかひてよば 3 まことやすずめはやどりをえ燕子つばくらめはそのひなをいるるをえたり萬軍ばんぐんのヱホバわがわうわがかみよ これなんぢの祭壇さいだんなり
 1042㌻ 
4 なんぢのいへにすむものはさいはひなり かかるひとはつねになんぢをたたへまつらん セラ 5 そのちからなんぢにあり そのこゝろシオンの大路おほぢにあるものはさいはひなり 6 かれらはなみだたにをすぐれども其處そこをおほくのいづみあるところとなす また前󠄃まへあめはもろもろのめぐみをもてこれをおほへり 7 かれらはちからよりちからにすすみ遂󠄅つひにおのおのシオンにいたりてかみにまみゆ 8 ばんぐんのかみヱホバよわがいのりをききたまへ ヤコブのかみみゝをかたぶけたまへ セラ 9 われらのたてなるかみよ みそなはして なんぢの受膏者じゆかうじやかほをかへりみたまへ 10 なんぢのおほにはにすまふ一日いちにち千日せんにちにもまされり われあく幕屋まくやにをらんよりは むしろわがかみのいへの門守かどもりとならんことをねがふなり 11 そはかみヱホバはなりたてなり ヱホバはおんとえいくわうとをあたへなほくあゆむものによきものをこばみたまふことなし 12 萬軍ばんぐんのヱホバよなんぢに依賴よりたのむものはさいはひなり

第85篇

[ 伶長うたのかみにうたはしめたるコラののうた ]

1 ヱホバよなんぢは御國みくににめぐみをそそぎたまへり なんぢヤコブの俘囚とらはれをかへしたまひき〘804㌻〙 2 なんぢおのがたみ不義ふぎをゆるしそのもろもろのつみをおほひたまひき セラ 3 なんぢすべてのいかりをすてそのはげしきいきどほりを遠󠄄とほざけたまへり 4 われらのすくひのかみよかへりきたり我儕われらにむかひて忿怒みいかりをやめたまへ 5 なんぢ永遠󠄄とこしへにわれらをいかり萬世よろづよにみいかりをひきのべたまふや 6 なんぢによりてなんぢのたみ喜悅よろこびをえんがため我儕われらいかしたまはざるか 7 ヱホバよなんぢの憐憫あはれみをわれらにしめしなんぢのすくひを我儕われらにあたへたまへ 8 わがかみヱホバのいたりたまふことをきかん ヱホバはそのたみその聖󠄄徒せいと平󠄃和へいわをかたりたまへばなり さればかれらはおろかなる行爲おこなひにふたゝびかへるなかれ
 1043㌻ 
9 にそのすくひはかみをおそるるものにちかし かくて榮光えいくわうはわれらのくににとゞまらん 10 あはれみと眞實まこととともにあひ平󠄃和へいわとたがひに接吻くちつけせり 11 まことはよりはえてんよりみおろせり 12 ヱホバよきものをあたへたまへばわれらのくに物產なりいでものをいださん 13 はヱホバのまへにゆきヱホバのあゆみたまふあとをわれにふましめん

第86篇

[ ダビデの祈禱いのり ]

1 ヱホバよなんぢみゝをかたぶけてわれにこたへたまへ われはくるしみかつともしければなり 2 ねがはくはわが靈魂たましひをまもりたまへ われかみをうやまふものなればなり わがかみよなんぢに依賴よりたのめるなんぢのしもべをすくたま 3 しゆよわれをあはれみたまへ われ終󠄃日ひねもすなんぢによばふ 4 なんぢのしもべのたましひをよろこばせたまへ しゆよわが靈魂たましひはなんぢをあふぎのぞむ 5 しゆよなんぢはめぐみふかくまたゆるしをこのみたまふ なんぢによばふすべてのものをゆたかにあはれみたまふ 6 ヱホバよわがいのりにみゝをかたぶけ わが懇求ねがひのこゑをききたまへ 7 われわが患難なやみになんぢによばはん なんぢはわれにこたへたまふべし 8 しゆよもろもろのかみのなかになんぢにひとしきものはなくなんぢのみわざにひとしきものはなし 9 しゆよなんぢの造󠄃つくれるもろもろのくにはなんぢの前󠄃まへにきたりてふしをがまん かれらは聖󠄄名みなをあがむべし 10 なんぢはおほいなりくすしき事跡みわざをなしたまふ たゞなんぢのみかみにましませり 11 ヱホバよなんぢの道󠄃みちをわれにをしへたまへわれなんぢの眞理まことをあゆまん ねがはくはわれをしてこゝろひとつに聖󠄄名みなをおそれしめたまへ 12 しゆわがかみわれこゝろをつくしてなんぢをほめたたへ とこしへに聖󠄄名みなをあがめまつらん 13 そはなんぢの憐憫あはれみはわれにおほいなり わがたましひを陰府よみのふかきところよりたすけいだしたまへり
 1044㌻ 
14 かみよたかぶれるものはわれにさからひて起󠄃おこりたちあらぶるひとつどひはわがたましひをもとめ かくてなんぢをおのがまへにおかざりき〘805㌻〙 15 されどしゆよなんぢは憐憫あはれみとめぐみとにとみいかりをおそくしいつくしみと眞實まこととにゆたかなるかみにましませり 16 われをかへりみわれをあはれみたまへ ねがはくはなんぢのしもべに能力ちからあたなんぢのはしためのをすくひたまへ 17 われにめぐみの憑據しるしをあらはしたまへ さらばわれをにくむものこれをみてはぢをいだかん そはヱホバよなんぢわれをたすけわれをなぐさめたまへばなり

第87篇

[ コラののうたなり讃美さんびなり ]

1 ヱホバのもとゐはきよきやまにあり 2 ヱホバはヤコブのすべての住󠄃居すまひにまさりてシオンのもろもろのかどあいしたまふ 3 かみみやこよなんぢにつきておほくの榮光えいくわうのことをかたりはやせり セラ 4 われはラハブ、バビロンをもわれをしるもののうちにあげん ペリシテ、ツロ、エテオピアをよこのひとはかしこにうまれたりといはん 5 シオンにつきては如此かくいはん このものかのものそのなかにうまれたり至上者いとたかきものみづからシオンをたてたまはんと 6 ヱホバもろもろのたみをしるしたまふときこのものは彼處かしこにうまれたりとかぞへあげたまはん セラ 7 うたふものをどるものみないはん わがもろもろのいづみはなんぢのうちにありと

第88篇

[ マハラテ、レアノテの調しらべにあはせて伶長うたのかみにうたはしめたるコラののうたなり 讃美さんびなり、エズフびとヘマンのをしへのうたなり ]

1 わがすくひのかみヱホバよわれひるよるもなんぢの前󠄃まへにさけべり 2 ねがはくはわがいのりをみまへにいたらせなんぢのみみをわが號呼さけびのこゑにかたぶけたまへ 3 わがたましひは患難なやみにてみちがいのちは陰府よみにちかづけり
 1045㌻ 
4 われは穴󠄄あなにいるものとともにかぞへられ依仗よるべなきひとのごとくなれり 5 われはかのうちなるころされしもののごとくしねるもののうちにすてらるなんぢかれらをふたゝびこころにとめたまはず かれらは御手みてよりたちほろぼされしものなり 6 なんぢわれをいとふかき穴󠄄あな くらきところ ふかきふちにおきたまひき 7 なんぢのいかりはいたくわれにせまれり なんぢそのもろもろのなみをもてわれをくるしめたまへり セラ 8 わがあひしるものをわれよりとほざけわれをかれらに憎にくませたまへり われはこめとざされていづることあたはず 9 わがはなやみのゆゑをもておとろへぬ われごとになんぢをよべり ヱホバよなんぢにむかひてわが兩手もろてをのべたり 10 なんぢしねるものにくすしき事跡みわざをあらはしたまはんや うせにしものたちてなんぢをほめたたへんや セラ〘806㌻〙 11 なんぢのいつくしみははかのうちになんぢのまことは滅亡ほろびのなかに宣傳のべつたへられんや 12 なんぢのくすしきみわざは幽暗󠄃くらきになんぢの忘失わすれのくににしらるることあらんや 13 されどヱホバよわれなんぢにむかひてさけべり わがいのりは朝󠄃あしたにみまへに達󠄃いたらん 14 ヱホバよなんぢいかなればわが靈魂たましひをすてたまふやいかなればわれにみかほをかくしたまふや 15 われ幼稚をさなきよりなやみてしぬるばかりなりわれなんぢの恐嚇おびやかしにあひてくるしみまどへり 16 なんぢのはげしきいかりわがうへをすぐなんぢのおびやかしわれをほろぼせり 17 これらのことひねもす大水おほみづのごとくわれをめぐり ことごとくきたりてわれをかこみふさげり 18 なんぢわれをいつくしむものとわがともとをとほざけ わがあひるものを幽暗󠄃くらきにいれたまへり

第89篇

[ エズラびとエタンのをしへのうた ]

1 われヱホバの憐憫あはれみをとこしへにうたはん われくちもてヱホバの眞實まことをよろづにつげしらせん
 1046㌻ 
2 われいふ あはれみは永遠󠄄とこしへにたてらる なんぢはその眞實まことをかたくてんにさだめたまはんと 3 われわがえらびたるものと契󠄅約けいやくをむすびわがしもべダビデにちかひたり 4 われなんぢのすゑをとこしへにかたうしなんぢの座位くらゐをたてて代々よゝにおよばしめん セラ 5 ヱホバよもろもろのてんはなんぢのくすしき事跡みわざをほめん なんぢの眞實まこともまた潔󠄄きよきもののつどひにてほめらるべし 6 蒼天おほぞらにてたれかヱホバにたぐふものあらんや かみのなかにたれかヱホバのごときものあらんや 7 かみはきよきものの公會こうくわいのなかにてかしこむべきものなり その四周󠄃まはりにあるすべてのものにまさりておそるべきものなり 8 萬軍ばんぐんかみヱホバよヤハよなんぢのごとく大能たいのうあるものはたれぞや なんぢの眞實まことはなんぢをめぐりたり 9 なんぢうみのあるるををさめ そのなみのたちあがらんときはこれをしづめたまふなり 10 なんぢラハブをころされしもののごとくうちくだきおのれのあたどもをちからあるみうでをもてうちちらしたまへり 11 もろもろのてんはなんぢのものもまたなんぢのものなり世界せかいとそのなかにみつるものとはなんぢのもとゐしたまへるなり 12 きたみなみはなんぢ造󠄃つくりたまへり タボル、ヘルモンはなんぢのみなによりてよろこびよばふ 13 なんぢは大能たいのうのみうでをもちたまふ なんぢのみてはつよくなんぢのみぎのみてはたかし 14 公平󠄃こうへいはなんぢの寳座みくらのもとゐなり あはれみと眞實まこととは聖󠄄顏みかほのまへにあらはれゆく 15 よろこびの音󠄃おとをしるたみはさいはひなり ヱホバよかれらはみかほのひかりのなかをあゆめり 16 かれらはみなによりて終󠄃日ひねもすよろこび なんぢによりてたかくあげられたり〘807㌻〙 17 かれらのちから榮光えいくわうはなんぢなり なんぢめぐみによりてわれらのつのはたかくあげられん 18 そはわれらのたてはヱホバにつきわれらのわうはイスラエルの聖󠄄者せいじやにつけり 19 そのとき異象まぼろしをもてなんぢの聖󠄄徒せいとにつげたまはく われ佑助たすけをちからあるものにゆだねたり わがたみのなかより一人ひとりをえらびてたかくあげたり
 1047㌻ 
20 われわがしもべダビデをえてこれにわが聖󠄄きよきあぶらをそそげり 21 わがはかれとともにかたくわがかひなはかれをつよくせん 22 あたかれをしへたぐることなしあくかれをくるしむることなからん 23 われかれの前󠄃まへにそのもろもろのてきをたふしかれをにくめるものをうた 24 されどわが眞實まこととわが憐憫あはれみとはダビデとともにり わがによりてそのつのはたかくあげられん 25 われまたかれのうみのうへにおき そのみぎのかはのうへにおかん 26 ダビデわれにむかひてなんぢはわが父󠄃ちゝわがかみわがすくひのいはなりとよばん 27 われまたかれをわが初子うひごとなしわうたちのうちいともたかきものとなさん 28 われとこしへに憐憫あはれみをかれがためにたもち これとたてし契󠄅約けいやくはかはることなかるべし 29 われまたそのすゑをとこしへにながらへ そのくらゐをてんかずのごとくながらへしめん 30 もしそのわがのりをはなれ わが審判󠄄さばきにしたがひてあゆまず 31 わが律法おきてをやぶりわが誡命いましめをまもらずば 32 われつゑをもてかれらのとがをただしむちをもてその邪曲よこしまをただすべし 33 されどかれよりわが憐憫あはれみをことごとくはとりさらず わが眞實まことをおとろへしむることなからん 34 われおのれの契󠄅約けいやくをやぶらずおのれのくちびるよりいでしことをかへじ 35 われさきにわが聖󠄄きよきをさしてちかへり われダビデに虛僞いつはりをいはじ 36 そのすゑはとこしへにつづきその座位くらゐのごとくつねにわが前󠄃まへにあらん 37 またつきのごとく永遠󠄄とこしへにたてられん空󠄃そらにあるあかしびとはまことなり セラ 38 されどその受膏者じゆかうじやをとほざけてすてたまへり なんぢこれをいきどほりたまへり 39 なんぢおのがしもべの契󠄅約けいやくをいみ そのかんむりをけがしてにまでおとしたまへり 40 またそのかきをことごとくたふし その保砦とりでをあれすたれしめたまへり 41 その道󠄃みちをすぐるすべてのものにかすめられ隣人となりびとにののしらる 42 なんぢかれがてきのみぎのをたかくあげそのもろもろのあたをよろこばしめたまへり
 1048㌻ 
43 なんぢかれのつるぎ刃󠄃をふりかへして戰鬪たたかひにたつにへざらしめたまひき 44 またその光輝かがやきをけしその座位くらゐになげおとし 45 そのとしわかをちぢめはぢをそのうへにおほひたまへり セラ 46 ヱホバよかくていく何時そのときをへたまふや自己みづからをとこしへにかくしたまふや忿怒みいかりのもゆるごとくなるべきか〘808㌻〙 47 ねがはくはわがときのいかにみぢかきかをおもひたまへ なんぢいたづらにすべてのひとをつくりたまはんや 48 たれかいきてをみず又󠄂またおのがたましひを陰府よみよりすくひうるものあらんや セラ 49 しゆよなんぢが眞實まことをもてダビデにちかひたまへる昔日むかしのあはれみはいづこにありや 50 -51 しゆよねがはくはなんぢのしもべのうくるそしりをみこころにとめたまへ ヱホバよなんぢのもろもろのあたはわれをそしりなんぢの受膏者じゆかうじやのあしあとをそしれり われもろもろのたみのそしりをわが懷中ふところにいだく 52 ヱホバは永遠󠄄とこしへにほむべきかな アーメン アーメン

第90篇

[ かみひとモーセの祈禱いのり ]

1 しゆよなんぢは徃古いにしへより世々よゝわれらの居所󠄃すみかにてましませり 2 やまいまだなりいでずなんぢいまだ世界せかいとをつくりたまはざりしとき 永遠󠄄とこしへよりとこしへまでなんぢはかみなり 3 なんぢひとちりにかへらしめてのたまはく ひとよなんぢらかへれと 4 なんぢの目前󠄃めのまへには千年ちとせもすでにすぐる昨日きのふのごとく また夜間よのまのひとときにおなじ 5 なんぢこれらを大水おほみづのごとくながれらしめたまふ かれらは一夜ひとよねむりのごとく朝󠄃あしたにはえいづるあをくさのごとし 6 朝󠄃あしたにはえいでてさかえゆふべにはかられてかるるなり 7 われらはなんぢのいかりによりて消󠄃きえうせ なんぢのいきどほりによりておぢまどふ 8 なんぢわれらの不義ふぎをみまへにおき われらのかくれたるつみを聖󠄄顏みかほのひかりのなかにおきたまへり 9 われらのもろもろのはなんぢのいかりによりて過󠄃去すぎさらり われらがすべてのとしのつくるは一息ひといきのごとし 10 われらがとしをふる七十歳ななそじにすぎず あるひはすこやかにして八十歳やそじにいたらん されどそのほこるところはただ勤勞きんらうとかなしみとのみ そのさりゆくこと速󠄃すみやかにしてわれらもまたとびれり
 1049㌻ 
11 たれかなんぢのいかりのちからをらんや たれかなんぢをおそるるおそれにたくらべてなんぢのいきどほりをしらんや 12 ねがはくはわれらにおのがをかぞふることををしへて智慧󠄄ちゑのこころをしめたまへ 13 ヱホバよかへりたまへかくていくそのときをたまふや ねがはくはなんぢのしもべらにかゝはれるみこころをへたまへ 14 ねがはくは朝󠄃あしたにわれらをなんぢのあはれみにてあきたらしめ をはるまでよろこびたのしませたまへ 15 なんぢがわれらをくるしめたまへるもろもろのと われらが禍害󠄅わざはひにかかれるもろもろのとしとにたくらべて我儕われらをたのしませたまへ 16 なんぢの作爲みわざをなんぢのしもべに なんぢの榮光えいくわうをその子等こらにあらはしたまへ 17 かくてわれらのかみヱホバの佳美うるはしきをわれらのうへにのぞましめ われらののわざをわれらのうへにかたからしめたまへ ねがはくはわれらののわざをかたからしめたまへ〘809㌻〙

第91篇

1 至上者いとたかきもののもとなるかくれたるところにすまふそのひと全󠄃能者ぜんのうしやかげにやどらん 2 われヱホバのことをのべて ヱホバはわが避󠄃所󠄃さけどころわがしろわがよりたのむかみなりといはん 3 そはかみなんぢを狩人かりうどのわなとどくをながす疫癘えやみよりたすけいだしたまふべければなり 4 かれそのはねをもてなんぢをおほひたまはん なんぢそのつばさしたにかくれん その眞實まことたてなりこだてなり 5 よるはおどろくべきことありひるはとびきたるあり 6 幽暗󠄃くらきにはあゆむ疫癘えやみあり日午ひるにはそこなふはげしきやまひあり されどなんぢおそるることあらじ 7 せんにんはなんぢのひだりにたふれまんにんはなんぢのみぎにたふる されどその災害󠄅わざはひはなんぢに近󠄃ちかづくことなからん 8 なんぢのはただこのことをみるのみ なんぢ惡者あしきもののむくいを 9 なんぢさきにいへりヱホバはわが避󠄃所󠄃さけどころなりと なんぢ至上者いとたかきものをその住󠄃居すまひとなしたれば
 1050㌻ 
10 災害󠄅わざはひなんぢにいたらず苦難なやみなんぢの幕屋まくや近󠄃ちかづかじ 11 そは至上者いとたかきものなんぢのためにその使者つかひたちにおほせて なんぢがあゆむもろもろの道󠄃みちになんぢをまもらせたまへばなり 12 かれにてなんぢのあしいしにふれざらんためになんぢをささへん 13 なんぢはしゝまむしとをふみ壯獅わかきししへびとをあししたにふみにじらん 14 かれそのあいをわれにそそげるがゆゑにわれこれをたすけん かれわがをしるがゆゑにわれこれを高處たかきところにおかん 15 かれわれをよはばわれこたへん われその苦難なやみのときにともにをりてこれをたすけこれをあがめん 16 われながきいのちをもてかれをたらはしめかつわがすくひをしめさん

第92篇

[ 安息日あんそくにちにもちゐるうたなり 讃美さんびなり ]

1 いとたかきものよヱホバにかんしやし聖󠄄名みなをほめたたふるはよきかな 2 あしたになんぢのいつくしみをあらはし 夜々よな〳〵なんぢの眞實まことをあらはすに 3 十絃とををのなりものとさうとをもちゐ ことたへなる音󠄃をもちゐるはいとよきかな 4 そはヱホバよ なんぢその作爲みわざをもてわれをたのしませたまへり われなんぢのみてのわざをよろこびほこらん 5 ヱホバよなんぢのみわざはおほいなるかななんぢのもろもろの思念おもひはいとふかし 6 無知者しれものはしることなくおろかなるものはこれをさとらず 7 あしきものはくさのごとくもえいで 不義ふぎをおこなふ衆庶もろ〳〵はさかゆるとも 遂󠄅つひにはとこしへにほろびん 8 されどヱホバよなんぢはとこしへに高處たかきところにましませり 9 ヱホバよあゝなんぢのあたああなんぢのあたはほろびん 不義ふぎをおこなふものはことごとくちらされん〘810㌻〙 10 されどなんぢわがつのをたかくあげて うしのつののごとくならしめたまへり われはあたらしきあぶらをそそがれたり 11 又󠄂またわがはわがあたにつきてねがへることをわがみゝはわれにさからひておこりたつあくをなすものにつきてねがへることをききたり 12 たゞしきものは棕櫚しゆろのごとくさかえ レバノンの香柏かうはくのごとくそだつべし
 1051㌻ 
13 ヱホバのみやにうゑられしものはわれらのかみおほにはにさかえん 14 かれらはとしおいてなほをむすびゆたかにうるほひみどりいろみちみちて 15 ヱホバのなほきものなることをしめすべし ヱホバはわがいはなりヱホバには不義ふぎなし

第93篇

1 ヱホバは統治すべをさめたまふ ヱホバは稜威みいづをきたまへり ヱホバは能力ちからをころもとなしおびとなしたまへり さればまた世界せかいもかたくたちてうごかさるることなし 2 なんぢの寳座みくらはいにしへよりかたくたちぬ なんぢはとこしへよりいませり 3 大水おほみづはこゑをあげたり ヱホバよおほみづはこゑをあげたり おほみづはなみをあぐ 4 ヱホバは高處たかきところにいましてその威力いきほひはおほくのみづのこゑうみのさかまくにまさりてさかんんなり 5 なんぢの證詞あかしはいとかたし ヱホバよ聖󠄄潔󠄄きよきはなんぢのいへにとこしへまでも適󠄄應ふさはしきなり

第94篇

1 ヱホバよあたをかへすはなんぢにありかみよあたをかへすはなんぢにあり ねがはくはひかりをはなちたまへ 2 をさばきたまふものよ ねがはくは起󠄃たちてたかぶるものにそのうくべきむくいをなしたまへ 3 ヱホバよあしきもの幾何いくそのときをんとするや あしきもの勝󠄃誇かちほこりていくそのとしをるや 4 かれらはみだりにことばをいだしてほこりものいふ すべて不義ふぎをおこなふものはみづからたかぶれり 5 ヱホバよ彼等かれらはなんぢのたみをうちくだき なんぢのもちものをそこなふ 6 かれらは嫠婦󠄃やもめ旅人たびゞととの生命いのちをうしなひ孤子みなしごをころす 7 かれらはいふ ヤハはずヤコブのかみはさとらざるべしと 8 たみのなかなる無知しれものよ なんぢらさとれ おろかなるものよ いづれのときにかかしこからん 9 みみをうゝるものきくことをせざらんや をつくれるものることをせざらんや 10 もろもろのくにををしふるものただすことをざらんや ひと知識ちしきをあたふるものしることなからんや 11 ヱホバはひと思念おもひのむなしきをりたまふ
 1052㌻ 
12 ヤハよなんぢのこらしめたまふひとなんぢののりををしへらるるひとは さいはひなるかな 13 かかるひとをわざはひのよりのがれしめ あしきもののためにあなのほらるるまで これに平󠄃安やすきをあたへたまはん〘811㌻〙 14 そはヱホバそのたみをすてたまはず その嗣業ゆづりをはなれたまはざるなり 15 審判󠄄さばきはただしきにかへりこゝろのなほきものはみなそのあとにしたがはん 16 たれかわがために起󠄃おこりたちてあしきものをせめんや たれがためにたち不義ふぎをおこなふものをせめんや 17 もしヱホバわれをたすけたまはざりせば わが靈魂たましひはとくに幽寂おとなきところに住󠄃すまひしならん 18 されどわがあしすべりぬといひしとき ヱホバよなんぢの憐憫あはれみわれをささへたまへり 19 わがうちにおもひわづらひのみつるとき なんぢの安慰なぐさめわがたましひをよろこばせたまふ 20 律法おきてをもて害󠄅そこなふことをはかるあくくらゐはなんぢにしたしむことをんや 21 彼等かれらはあひかたらひて義人ただしきひとのたましひをせめつみなきをつみにさだ 22 しかはあれどヱホバはわがたかきやぐら わがかみはわが避󠄃所󠄃さけどころいはなりき 23 かみはかれらの邪曲よこしまをそのにおはしめ かれらをそのあしことのなかにほろぼしたまはん われらのかみヱホバはこれをほろぼしたまはん

第95篇

1 率󠄃いざわれらヱホバにむかひてうたひ すくひのいはにむかひてよろこばしきこゑをあげん 2 われら感謝かんしやをもてその前󠄃みまへにゆき ヱホバにむかひうたをもてよろこばしきこゑをあげん 3 そはヱホバはおほいなるかみなり もろもろのかみにまされるおほいなるわうなり 4 のふかきところみなそのみてにあり やまのいただきもまたかみのものなり 5 うみはかみのものその造󠄃つくりたまふところかわけるもまたそのみてにて造󠄃つくりたまへり 6 いざわれらをがみひれふし我儕われらをつくれるしゆヱホバのみまへに曲跪ひざまづくべし 7 かれはわれらのかみなり われらはその草苑まきたみそのみてのひつじなり 今日けふなんぢらがそのみこゑをきかんことをのぞむ
 1053㌻ 
8 なんぢらメリバにりしときのごとく なるマサにありしごとく そのこゝろをかたくなにするなかれ 9 そのときなんぢらの列祖おやたちわれをこころみわれをためし 又󠄂またわがわざをみたり 10 われそののためにうれへて四十しじふねん われいへり かれらはこゝろあやまれるたみわが道󠄃みちしらざりきと 11 このゆゑにわれいきどほりて彼等かれらはわが安息やすみにいるべからずとちかひたり

第96篇

1 あたらしきうたをヱホバにむかひてうたへ 全󠄃地ぜんちよヱホバにむかひてうたふべし 2 ヱホバにむかひてうたひそのみなをほめよ ごとにそのすくひをのべつたへよ 3 もろもろのくにのなかにその榮光えいくわうをあらはし もろもろのたみのなかにそのくすしきみわざをあらはすべし 4 そはヱホバはおほいなりおほいにほめたたふべきものなり もろもろのかみにまさりておそるべきものなり〘812㌻〙 5 もろもろのたみのすべてのかみはことごとくむなし されどヱホバはもろもろのてんをつくりたまへり 6 尊󠄅貴たふとき稜威みいづとはその前󠄃みまへにありちから善美うるはしきとはその聖󠄄所󠄃せいじよにあり 7 もろもろのたみのやからよ榮光えいくわうとちからとをヱホバにあたへよヱホバにあたへよ 8 その聖󠄄名みなにかなふ榮光えいくわうをもてヱホバにあたへ さゝげものをたづさへてそのおほにはにきたれ 9 きよきうるはしきものをもてヱホバををがめ 全󠄃地ぜんちよその前󠄃みまへにをののけ 10 もろもろのくにのなかにいへ ヱホバは統治すべをさめたまふ世界せかいもかたくたちてうごかさるることなし ヱホバは正直なほきをもてすべてのたみをさばきたまはんと 11 てんはよろこびはたのしみうみとそのなかにみつるものとはなりどよみ 12 田畑たはたとそのなかのすべてのものとはよろこぶべし かくてはやしのもろもろのもまたヱホバの前󠄃みまへによろこびうたはん 13 ヱホバきたりたまふをさばかんとてきたりたまふ をもて世界せかいをさばきその眞實まことをもてもろもろのたみをさばきたまはん
 1054㌻ 

第97篇

1 ヱホバは統治すべをさめたまふ 全󠄃地ぜんちはたのしみおほくの島々しま〴〵はよろこぶべし 2 くもとくらきとはそり周󠄃環めぐりにあり 公平󠄃こうへいとはその寳座みくらのもとゐなり 3 ありそのみまへにすすみ その四周󠄃まはりてきをやきつくす 4 ヱホバのいなびかりは世界せかいをてらす これをてふるへり 5 もろもろのやまはヱホバのみまへ全󠄃地ぜんちしゆのみまへにてらふのごとくとけぬ 6 もろもろのてんはそのをあらはし よろづのたみはその榮光えいくわうをみたり 7 すべてきざめるざうにつかへむなしきものによりてみづからほこるものは恥辱はづかしめをうくべし もろもろのかみよみなヱホバをふしをがめ 8 ヱホバよなんぢの審判󠄄さばきのゆゑによりシオンはききてよろこびユダのむすめはみなたのしめり 9 ヱホバよなんぢ全󠄃地ぜんちのうへにましまして至高いとたかく なんぢもろもろのかみのうへにましましていとたふとし 10 ヱホバをいつくしむものよあくをにくめ ヱホバはその聖󠄄徒せいとのたましひをまもり これをあしきもののよりたすけいだしたまふ 11 ひかりはただしきひとのためにまかれ 欣喜よろこびはこころなほきもののためにまかれたり 12 義人ただしきひとよヱホバによりよろこべ そのきよきみな感謝かんしやせよ

第98篇

[ うたなり ]

1 あたらしきうたをヱホバにむかひてうたへ そはたへなることをおこなひそのみぎみてそのきよきかひなをもて おのれのためにすくひをなしをへたまへり 2 ヱホバはそのすくひをしらしめ そのをもろもろの國人くにびとのまへにあらはしたまへり〘813㌻〙 3 又󠄂またその憐憫あはれみ眞實まこととをイスラエルのいへにむかひて記念きねんしたまふ はてもことごとくわがかみのすくひをたり
 1055㌻ 
4 全󠄃地ぜんちよヱホバにむかひてよろこばしきこゑをあげよ こゑをはなちてよろこびうたへほめうたへ 5 ことをもてヱホバをほめうたへ こと音󠄃うたのこゑとをもてせよ 6 ラッパとつのぶえをふきならし わうヱホバのみまへによろこばしきこゑをあげよ 7 うみとそのなかにみつるもの 世界せかいとせかいにすむものとなりどよむべし 8 大水おほみづはそのをうち もろもろのやまはあひともにヱホバの前󠄃みまへによろこびうたふべし 9 ヱホバをさばかんためにきたりたまへばなり ヱホバをもて世界せかいをさばき 公平󠄃こうへいをもてもろもろのたみをさばきたまはん

第99篇

1 ヱホバは統治すべをさめたまふ もろもろのたみはをののくべし ヱホバはケルビムのあひだにいます ふるはん 2 ヱホバはシオンにましましておほいなり もろもろのたみにすぐれてたふとし 3 かれらはなんぢのおほいなるおそるべきみなをほめたたふべし ヱホバは聖󠄄せいなるかな 4 わうのちからは審判󠄄さばきをこのみたまふ なんぢはかたく公平󠄃こうへいをたてヤコブのなかに審判󠄄さばき公義ただしきとをおこなひたまふ 5 われらのかみヱホバをあがめ その承足せうそくのもとにてをがみまつれ ヱホバは聖󠄄せいなるかな 6 その祭司さいしのなかにモーセとアロンとあり そのみなをよぶもののなかにサムエルあり かれらヱホバをよびしにこたへたまへり 7 ヱホバくもはしらのうちにましましてかれらにかたりたまへり かれらはその證詞あかしとそのたまはりたる律法おきてとをまもりたりき 8 われらのかみヱホバよなんぢ彼等かれらにこたへたまへり かれらのなししことにむくいたまひたれど また赦免ゆるしをあたへたまへるかみにてましませり 9 われらのかみヱホバをあがめそのきよきやまにてをがみまつれ そはわれらのかみヱホバは聖󠄄せいなるなり

第100篇

[ 感謝かんしやのうた ]

 1056㌻ 
1 全󠄃地ぜんちよヱホバにむかひてよろばしきこゑをあげよ 2 欣喜よろこびをいだきてヱホバにつかへ うたひつつその前󠄃みまへにきたれ 3 れヱホバこそかみにますなれ われらを造󠄃つくりたまへるものはヱホバにましませば我儕われらはそのものなり われらはそのたみその草苑まきのひつじなり 4 感謝かんしやしつつそのみかどにいり ほめたたへつつそのおほにはにいれ 感謝かんしやしてそのみなをほめたたへよ 5 ヱホバはめぐみふかくその憐憫あはれみかぎりなく その眞實まことよろづにおよぶべければなり〘814㌻〙

第101篇

[ ダビデのうた ]

1 われ憐憫あはれみ審判󠄄さばきとをうたはん ヱホバよわれなんぢをほめうたはん 2 われこゝろをさとくして全󠄃また道󠄃みちをまもらん なんぢいづれのときわれにきたりたまふや われなほきこゝろをもてわがいへのうちをありかん 3 われわが眼前󠄃めのまへにいやしきことをおかず われそむくもののわざをにくむ そのわざはわれにつかじ 4 ひがめるこころはわれよりはなれん あしきものをることをこのまず 5 ひそかにそのともをそしるものはわれこれをほろぼさん たかぶるまたおごれるこゝろのものはわれこれをしのばじ 6 わがくにのうちのまめなるものをみてこれをわれとともに住󠄃すまはせん 全󠄃また道󠄃みちをあゆむひとはわれにつかへん 7 あざむくことをなすものはわがいへのうちに住󠄃むことをえず 虛僞いつはりをいふものはわが目前󠄃めのまへにたつことを 8 われ朝󠄃あさ朝󠄃あさなこのくにのあしきものをことごとくほろぼし ヱホバのまちより不義ふぎをおこなふものをことごとく絕除たちのぞかん

第102篇

[ なやみたるものおもひくづほれてその歎息なげきをヱホバの前󠄃みまへにそそぎいだせるときの祈禱いのり ]

1 ヱホバよわがいのりをききたまへ ねがはくはわが號呼さけびのこゑの御前󠄃みまへにいたらんことを 2 わが窮苦なやみみかほをおほひたまふなかれ なんぢのみゝをわれにかたぶけ がよぶにすみやかにわれにこたへたまへ 3 わがもろもろのけぶりのごとくきえ わがほねはたきぎのごとくやかるるなり
 1057㌻ 
4 わがこころはくさのごとくうたれてしほれたり われかてをくらふをわすれしによる 5 わが歎息なげきのこゑによりてわがほねはわがにくにつく 6 われは鸅鸕をすめどりのごとくあれたるあとのふくろふのごとくになりぬ 7 われさめてねぶらず ただともなくして屋蓋やねにをるすずめのごとくなれり 8 わがあたはひねもすわれをそしる たけびくるひてわれをせむるものわれをさしてちか 9 われはかてをくらふごとくに灰󠄃はひをくらひ わがのみものにはなみだをまじへたり 10 こはみななんぢのいかり忿恚いきどほりとによりてなり なんぢわれをもたげてなげすてたまへり 11 わがよはいはかたぶけるかげのごとし またわれはくさのごとくしほれたり 12 されどヱホバよなんぢは永遠󠄄とこしへにながらへ そのみなはよろづにながらへん 13 なんぢ起󠄃たちてシオンをあはれみたまはん そはシオンに恩惠めぐみをほどこしたまふときなり そのさだまれるときすでにきたれり 14 なんぢのしもべはシオンのいしをもよろこび そのちりをさへいとほしむ 15 もろもろのくにはヱホバのみなをおそれ のもろもろのわうはその榮光えいくわうをおそれん 16 ヱホバはシオンをきづき榮光えいくわうをもてあらはれたまへり 17 ヱホバはともしきもののいのりをかへりみ彼等かれらのいのりをかろしめたまはざりき〘815㌻〙 18 きたらんとするのちののためにこのことをしるさん あたらしくつくられたるたみはヤハをほめたたふべし 19 ヱホバその聖󠄄所󠄃せいじよのたかき所󠄃ところよりみおろしてんよりをみたまへり 20 こは俘囚とらはれびとのなげきをききにさだまれるものをときはなち 21 人々ひと〴〵のシオンにてヱホバのみなをあらはしヱルサレムにてその頌美ほまれをあらはさんがためなり 22 かかるときにもろもろのたみもろもろのくにつどひあつまりてヱホバにつかへまつらん 23 ヱホバはわがちからを途󠄃みちにておとろへしめ わがよはひをみじかからしめたまへり 24 われいへりねがはくはわがかみよわがすべてののなかばにてわれをとりさりたまふなかれ なんぢのよはひは世々よゝかぎりなし
 1058㌻ 
25 なんぢいにしへもとゐをすゑたまへり てんもまたなんぢのみてわざなり 26 これらはほろびん されどなんぢはつねにながらへたまはん これらはみなころものごとくふるびん なんぢこれらをうはぎのごとくかへたまはん されば彼等かれらはかはらん 27 しかれどもなんぢはかはることなし なんぢのよはひはをはらざるなり 28 なんぢのしもべの子輩こらはながらへん そのすゑはかたく前󠄃みまへにたてらるべし

第103篇

[ ダビデのうた ]

1 わが靈魂たましひよヱホバをほめまつれ わがうちなるすべてのものよそのきよきみなをほめまつれ 2 わがたましひよヱホバをほめまつれ そのすべての恩惠めぐみをわするるなかれ 3 ヱホバはなんぢがすべての不義ふぎをゆるしなんぢのすべてのやまひをいやし 4 なんぢの生命いのちをほろびよりあがなひいだし 仁慈いつくしみ憐憫あはれみとをなんぢにかうぶらせ 5 なんぢのくち嘉物よきものにてあかしめたまふ かくてなんぢはわかやぎてわしのごとくあらたになるなり 6 ヱホバはすべて虐󠄃しへたげらるるもののために公義ただしき審判󠄄さばきとをおこなひたまふ 7 おのれの途󠄃みちをモーセにしらしめ おのれの作爲しわざをイスラエルの子輩こらにしらしめたまへり 8 ヱホバはあはれみと恩惠めぐみにみちていかりたまふことおそく仁慈いつくしみゆたかにましませり 9 つねにせむることをせず永遠󠄄とこしへにいかりをいだきたまはざるなり 10 ヱホバはわれらのつみかさにしたがひて我儕われらをあしらひたまはず われらの不義ふぎのかさにしたがひてむくいたまはざりき 11 ヱホバをおそるるものにヱホバのたまふそのあはれみはおほいにして てんよりもたかきがごとし 12 そのわれらよりとがをとほざけたまふことはひがし西にしより遠󠄄とほきがごとし 13 ヱホバのおのれをおそるるものをあはれみたまふことは父󠄃ちゝがそのをあはれむがごと〘816㌻〙 14 ヱホバは我儕われらのつくられしさまをしり われらのちりなることをおもたまへばなり
 1059㌻ 
15 ひとのよはひはくさのごとく そのさかえはののはなのごとし 16 かぜすぐればうせてあとなくそのおひいでしところにとへどなほしらざるなり 17 しかはあれどヱホバの憐憫あはれみはとこしへより永遠󠄄とこしへまで ヱホバをおそるるものにいたり その公義ただしき子孫こらのまた子孫こらにいたらん 18 その契󠄅約けいやくをまもりその訓諭みさとしこゝろにとめておこなふものぞそのひとなる 19 ヱホバはその寳座みくらをもろもろのてんにかたくすゑたまへり その政權まつりごとはよろづのもののうへにあり 20 ヱホバにつかふる使者つかひよ ヱホバの聖󠄄言みことばのこゑをきき その聖󠄄言みことばをおこなふ勇士ますらをよ ヱホバをほめまつれ 21 その萬軍ばんぐんよ その聖󠄄旨みこころをおこなふしもべよ ヱホバをほめまつれ 22 その造󠄃つくりたまへる萬物よろづのものよ ヱホバの政權まつりごとしたなるすべてのところにてヱホバをほめよ わがたましひよヱホバをほめまつれ

第104篇

1 わが靈魂たましひよヱホバをほめまつれ わがかみヱホバよなんぢはいとおほいにして尊󠄅貴たふとき稜威みいづとをたまへり 2 なんぢひかりをころものごとくにまとひてんまくのごとくにはり 3 みづのなかにおのれの殿との棟梁うつばりをおき くもをおのれのくるまとなし かぜつばさにのりあるき 4 かぜを使者つかひとなしほのほのいづるしもべとなしたまふ 5 ヱホバはもとゐのうへにおきて 永遠󠄄とこしへにうごくことなからしめたまふ 6 ころもにておほふがごとく大水おほみづにてをおほひたまへり みづたたへてやまのうへをこゆ 7 なんぢ叱咤しつたすればみづしりぞき なんぢいかづちのこゑをはなてばみづたちまちさり 8 あるひはやまにのぼりあるひはたににくだりて なんぢのさだめたまへる所󠄃ところにゆけり 9 なんぢさかひをたててこれをこえしめず ふたゝびをおほふことなからしむ 10 ヱホバはいづみをたににわきいだしたまふ そのながれやまのあひだにはしる 11 かくてのもろもろのけものにのましむ 驢馬うさぎむまもそのかわきをやむ 12 空󠄃からとりもそのほとりにすみ 樹梢こずゑひまよりさえづりうたふ
 1060㌻ 
13 ヱホバはその殿とのよりもろもろのやま灌漑みづそそぎたまふ はなんぢのみわざのによりて飽󠄄あきたり 14 ヱホバはくさをはえしめて家畜けだものにあたへ 田產はたつものをはえしめてひと使用もちゐにそなへたまふ かくつちより食󠄃物くひものをいだしたまふ 15 ひとのこころをよろこばしむる葡萄ぶだうしゆ ひとのかほをつややかならしむるあぶら ひとのこころをつよからしむるかてどもなり 16 ヱホバのとそのうゑたまへるレバノンの香柏かうはくとは飽󠄄あきたりぬべし 17 とりはそのなかにをつくりつるまつをそのすまひとせり 18 たかきやま山羊やぎのすまひ磐石いはやまねづみのかくるる所󠄃ところなり〘817㌻〙 19 ヱホバはつきをつくりてときをつかさどらせたまへり はその西にしにいることをしる 20 なんぢ黑暗󠄃くらきをつくりたまへばよるあり そのときはやしのけものはみなしのびしのびにいできたる 21 わかきしゝほえてをもとめかみにくひものをもとむ 22 いづれば退󠄃しりぞきてその穴󠄄あなにふす 23 ひとはいでてわざをとりその勤勞きんらうはゆふべにまでいたる 24 ヱホバよなんぢの事跡みわざはいかにさはなる これらはみななんぢの智慧󠄄ちゑにてつくりたまへり なんぢのもろもろのとみにみつ 25 かしこにおほいなるひろきうみあり そのなかにかずしられぬふものちひさなるおほきなるいけるものあり 26 ふねそのうへをはしりなんぢのつくりたまへるわにそのうちにあそびたはぶる 27 かれみななんぢをまち望󠄇のぞむ なんぢよきときにくひものをこれにあたへたまふ 28 彼等かれらはなんぢのあたへたまふものをひろふ なんぢみてをひらきたまへばかれら嘉物よきものにあきたりぬ 29 なんぢみかほをおほひたまへば彼等かれらはあわてふためく なんぢかれらの氣息いきをとりたまへばかれらはしにちりにかへる 30 なんぢみたまをいだしたまへば百物すべてのものみな造󠄃つくらるなんぢのおもてをあらたにしたまふ 31 ねがはくはヱホバの榮光えいくわうとこしへにあらんことを ヱホバそのみわざをよろこびたまはんことを 32 ヱホバをみたまへばふるひやまにふれたまへばやまけぶりをいだす 33 いけるかぎりはヱホバにむかひてうたひ われながらふるほどはわがかみをほめうたはん
 1061㌻ 
34 ヱホバをおもふわが思念おもひはたのしみふかからん われヱホバによりてよろこぶべし 35 罪人つみびとよりたちほろぼされ あしきものはまたあらざるべし わが靈魂たましひよヱホバをほめまつれヱホバを讃稱ほめたたへよ

第105篇

1 ヱホバに感謝かんしやしてそのみなをよび そのなしたまへることをもろもろのたみのなかにしらしめよ 2 ヱホバにむかひてうたへヱホバをほめうたへ そのもろもろのたへなる事跡みわざをかたれ 3 そのきよきみなをほこれ ヱホバをたづねもとむるもののこゝろはよろこぶべし 4 ヱホバとその能力ちからとをたづねもとめよ つねにその聖󠄄顏みかほをたづねよ 5 -6 そのしもべアブラムのすゑよヤコブの子輩こらよ そのえらびたまひし所󠄃ところのものよ そのなしたまへるたへなるみわざとくすしき事跡みわざとそのくちのさばきとをこゝろにとむれ 7 かれはわれらのかみヱホバなり そのみさばきは全󠄃地ぜんちにあり 8 ヱホバはたえずその契󠄅約けいやくをみこころにとめたまへり これはよろづめいじたまひし聖󠄄言みことばなり 9 アブラハムとむすびたまひし契󠄅約けいやくイサクにあたへたまひしちかひなり〘818㌻〙 10 これをかたくしヤコブのために律法おきてとなし イスラエルのためにとこしへの契󠄅約けいやくとなして 11 いひたまひけるはわれなんぢにカナンのをたまひてなんぢらの嗣業ゆづり分󠄃ものとなさん 12 このときかれらのかずおほからずいとすくなくしてかしこにて旅人たびゞととなり 13 このくによりかのくににゆき このくによりほかのたみにゆけり 14 ひとのかれらを虐󠄃しへたぐるをゆるしたまはず かれらのゆゑによりてわうたちをこらしめて 15 宣給のたまはくわが受膏者じゆかうじやたちにふるるなかれ わが預言者よげんしやたちをそこなふなかれ 16 ヱホバは饑饉うゑにまねき ひとつゑとするかてをことごとくくだきたまへり 17 又󠄂またかれらの前󠄃まへにひとりを遣󠄃つかはしたまへり ヨセフはうられてしもべとなりぬ
 1062㌻ 
18 かれら足械あしかせをもてヨセフのあしをそこなひ くろかねのくさりをもてその靈魂たましひをつなげり 19 かくてそのことばのしるしをうるまでにおよぶ ヱホバのみことばかれをこころみたまへり 20 わうひとをつかはしてこれをき もろもろのたみをさはこれをゆるし 21 これをそのいへつかさとなし その財寶たからをことごとくつかさどらせ 22 そのこゝろのままにかのくにのきみたちをいましめ 長老ちやうらうたちに智慧󠄄ちゑををしへしむ 23 イスラエルもまたエジプトにゆき ヤコブはハムのにやどれり 24 ヱホバはそのたみおほいにましくはへこれをそのてきよりもつよくしたまへり 25 またてきのこころをかへておのれのたみをにくましめ おのれの僕輩しもべらをあざむきもてなさしめたまへり 26 又󠄂またそのしもべモーセとその選󠄄えらびたまへるアロンとを遣󠄃つかはしたまへり 27 かれらはヱホバの預兆しるしをハムのにおこなひ またそのくににくすしきわざをおこなへり 28 ヱホバはやみをつかはして暗󠄃くらくしたまへり かれらその聖󠄄言みことばにそむくことをせざりき 29 彼等かれらのすべてのみづにかへてそのうををころしたまへり 30 かれらのくにかはづむれいでてわう殿とののうちにまでみちふさがりぬ 31 ヱホバいひたまへばはへむらがりのみそのすべてのさかひにいりきたりぬ 32 またあめにかへてあられをかれらにあたへもゆるをかれらのくににふらし 33 かれらの葡萄ぶだうといちじくのとをうちそのさかひのもろちろのををりくだきたまへり 34 ヱホバいひたまへばかぞへしられぬいなご蟊賊おほねむしきたり 35 かれらのくにのすべての田產はたつものをはみつくしそののすべての食󠄃はみつくせり 36 ヱホバはかれらのくにのすべての首出者うひごをうち かれらのすべてのちからはじめをうちたまへり 37 しろかね黄金こがねをたづさへて彼等かれらをいでゆかしめたまへり その家族やからのうちに一人ひとりのよわきものもなかりき 38 エジプトはかれらのいづるをよろこべり かれらをおそるるのおもひそのうちにおこりたればなり〘819㌻〙
 1063㌻ 
39 ヱホバはくもをしきておほひとなしよるをもててらしたまへり 40 又󠄂またかれらのもとめによりてうづらをきたらしめてんかてにてかれらを飽󠄄あかしめたまへり 41 いはをひらきたまへばみづほどばしりいで うるほひなきところにかはをなしてながれいでたり 42 ヱホバそのきよき聖󠄄言みことばとそのしもべアブラハムとをおもひいでたまひたればなり 43 そのたみをみちびきてよろこびつついでしめ そのえらべるたみをみちびきてうたひつついでしめたまへり 44 もろもろの國人くにびとをかれらにあたへたまひしかば 彼等かれらもろもろのたみの勤勞きんらうをおのがものとせり 45 こは彼等かれらがそのおきてにしたがひそののりをまもらんがためなり ヱホバをほめたたへよ

第106篇

1 ヱホバをほめたたへヱホバに感謝かんしやせよ そのめぐみはふかくその憐憫あはれみはかぎりなし 2 たれかヱホバのちからある事跡みわざをかたり そのほむべきことをことごととくいひあらはしんや 3 審判󠄄さばきをまもる人々ひと〴〵つねに正義たゞしきをおこなふものはさいはひなり 4 ヱホバよなんぢのたみにたまふめぐみをもてわれをおぼえ なんぢのすくひをもてわれにのぞみたまへ 5 さらばわれなんぢのえらびたまへるもののさいはひを なんぢのくに歡喜よろこびをよろこび なんぢの嗣業ゆづりとともにほこることをせん 6 われら列祖おやたちとともにつみををかせり 我儕われらよこしまをなしあしきをおこなへり 7 われらの列祖おやたちはなんぢがエジプトにてなしたまへるくすしき事跡みわざをさとらず なんぢのあはれみのゆたかなるをこゝろにとめず うみのほとりすなは紅海こうかいのほとりにて逆󠄃そむきたり 8 されどヱホバはそのみなのゆゑをもて彼等かれらをすくひたまへり こはおほいなる能力ちからをしらしめんとてなり 9 また紅海こうかい叱咤しつたしたまひたればかわきたり かくてたみをみちびきてをゆくがごとくにふちをすぎしめ 10 うらむるもののよりかれらをすくひ あたよりかれらをあがなひたまへり 11 みづそのてきをおほひたればその一人ひとりだにのこりしものなかりき
 1064㌻ 
12 このとき彼等かれらそのみことばをしんじその頌美ほまれをうたへり 13 彼等かれらしばしがほどにその事跡みわざをわすれその訓誨をしへをまたず 14 にていたくむさぼり荒野あれのにてかみをこころみたりき 15 ヱホバはかれらの願欲ねがひをかなへたまひしかど その靈魂たましひをやせしめたまへり 16 たみはえいのうちにてモーセをねたみヱホバの聖󠄄者せいじやアロンをねたみしかば 17 ひらけてダタンをみアビラムの黨類たぐひをおほひ 18 はこのともがらのなかにもえおこりほのほはあしきものをやきつくせり 19 かれらはホレブのやまにてこうしをつくりたるざうををがみたり 20 かくのごとくおのが榮光えいくわうをかへてくさをくらふうしのかたちに〘820㌻〙 21 救主すくひぬしなるかみはエジプトにておほいなるわざをなし 22 ハムのにてくすしき事跡みわざをなし紅海こうかいのほとりにておそるべきことをなしたまへり かれはかゝかみをわすれたり 23 このゆゑにヱホバかれらをほろぼさんとのたまへり されどかみのえらみたまへるものモーセやぶれの間隙はざまにありてその前󠄃みまへにたちその烈怒みいかりをひきかへして滅亡ほろびをまぬかれしめたり 24 かれらうるはしきなみしそのみことばをしんぜず 25 あまつさへその幕屋まくやにてつぶやきヱホバのみこゑをもきかざりき 26 このゆゑみてをあげて彼等かれらにむかひたまへり これにてかれらをたふれしめんとし 27 又󠄂またもろもろのくにのうちにてそのすゑをたふれしめ もろもろのにかれらをちらさんとしたまへるなり 28 かれらはバアルベオルにつきてしぬるものの祭物そなへものをくらひたり 29 かくのごとくその行爲わざをもてヱホバの烈怒みいかりをひきいだしければえやみをかしいりたり 30 そのときピネハスたちて裁判󠄄さばきをなせり かくて疫癘えやみはやみぬ 31 ピネハスはよろづまでとこしへにこのことをとせられたり 32 たみメリバのみづのほとりにてヱホバの烈怒みいかりをひきおこししかば かれらのゆゑによりてモーセも禍害󠄅わざはひにあへり 33 かれらかみみたまにそむきしかばモーセその口唇くちびるにてみだりにものいひたればなり
 1065㌻ 
34 かれらはヱホバのめいじたまへることにしたがはずしてもろもろのたみをほろぼさず 35 かへりてもろもろの國人くにびととまじりをりてその行爲わざにならひ 36 おのがわなとなりしその偶像ぐうざうにつかへたり 37 かれらはその子女むすこむすめおににささぐ 38 つみなきすなはちカナンの偶像ぐうざうにささげたるおのがむすこむすめのをながしぬ かくてくにはにてけがされたり 39 またそのわざは自己みづからをけがし そのおこなふところは姦淫たはれなり 40 このゆゑにヱホバのいかりそのたみにむかひて起󠄃おこり その嗣業ゆづりをにくみて 41 かれらをもろもろのくににわたしたまへり 彼等かれらはおのれをうらむるものにおさへられ 42 おのれのあたにしへたげられ そのしたにうちふせられたり 43 ヱホバはしばしばたすけたまひしかどかれらは謀略はかりごとをまうけて逆󠄃そむき そのよこしまにひくくせられたり 44 されどヱホバはかれらのなくこゑをききたまひしとき その患難なやみをかへりみ 45 その契󠄅約けいやくをかれらのためにおもひいだし その憐憫あはれみのゆたかなるにより聖󠄄意󠄃みこころをかへさせたまひて 46 かれらをおのがとりこにせられたるものどもにあはれまるることをしめたまへり 47 われらのかみヱホバよ われらをすくひて列邦くにぐにのなかよりとりあつめたまへ われらは聖󠄄名みなしやし なんぢのほむべきことをほこらん〘821㌻〙 48 イスラエルのかみヱホバはとこしへより永遠󠄄とこしへまでほむべきかな すべてのたみはアーメンととなふべし ヱホバを讃稱ほめたたへよ

第107篇

1 ヱホバに感謝かんしやせよ ヱホバはめぐみふかくましましてその憐憫あはれみかぎりなし 2 ヱホバの救贖あがなひをかうぶるものはみなしかいふべきなり 3 ヱホバはてきよりかれらをあがなひもろもろのひがし西にしきたみなみよりとりあつめたまへり 4 かれらにてあれはてたるみちにさまよひその住󠄃すまふべきまちにあはざりき 5 かれらうゑまたかわきそのうちの靈魂たましひおとろへたり
 1066㌻ 
6 かくてその困苦くるしみのうちにてヱホバをよばはりたればヱホバこれを患難なやみよりたすけいだし 7 住󠄃すまふべきまちにゆかしめんとてなほみちにみちびきたまへり 8 ねがはくはすべてのひとはヱホバのめぐみによりひとになしたまへるくすしき事跡みわざによりてヱホバを讃稱ほめたたへんことを 9 ヱホバはかわきしたふ靈魂たましひをたらはせうゑたるたましひを嘉物よきものにてあかしめたまへばなり 10 くらきとかげとにるもの患難なやみとくろがねとにいましめらるるもの 11 かみことばにそむき至高者いとたかきもののをしへをかろしめければ 12 勤勞きんらうをもてそのこゝろをひくうしたまへり かれらたふれたれどたすくるものもなかりき 13 かくてその困苦くるしみのうちにてヱホバをよばはりたればヱホバこれを患難なやみよりすくひ 14 くらきとのかげより彼等かれらをみちびきいだしてそのかせをこぼちたまへり 15 ねがはくはすべてのひとはヱホバのめぐみによりひとになしたまへるくすしき事跡みわざによりてヱホバを讃稱ほめたたへんことを 16 そはあかがねのもんをこぼち くろがねの關木くわんのきをたちきりたまへり 17 おろかなるものはおのがとが道󠄃みちによりおのがよこしまによりてなやめり 18 かれらの靈魂たましひはすべての食󠄃物くひものをきらひてかどにちかづく 19 かくてその困苦くるしみのうちにてヱホバをよばふ ヱホバこれを患難なやみよりすくひたまふ 20 その聖󠄄言みことばをつかはしてこれをいやしこれをその滅亡ほろびよりたすけいだしたまふ 21 ねがはくはすべてのひとヱホバのめぐみによりひとになしたまへるくすしき事跡みわざによりてヱホバをほめたたへんことを 22 かれらは感謝かんしやのそなへものをささげよろこびうたひてその事跡みわざをいひあらはすべし 23 ふねにてうみにうかび大洋おほうみにてわざをいとなむもの 24 ヱホバのみわざをまたふちにてそのくすしき事跡みわざをみる 25 ヱホバめいじたまへばあらきかぜおこりてそのなみをあぐ
 1067㌻ 
26 かれらあめにのぼりまたふちにくだり患難なやみによりてその靈魂たましひとけさり 27 こなかなたにかたぶきゑひたるもののごとく踉蹌よろぼひてなす所󠄃ところをしらず 28 かくてその困苦くるしみのうちにてヱホバをよばふ ヱホバこれを患難なやみよりたづさへいで〘822㌻〙 29 狂風あらしをしづめてなみをおだやかになしたまへり 30 かれらはおのがしづかなるをよろこぶ かくてヱホバはかれらをその望󠄇のぞむところのみなとにみちびきたまふ 31 ねがはくはすべてのひとヱホバのめぐみによりひとになしたまへるあやしき事跡みわざによりてヱホバをほめたたへんことを 32 かれらたみつどひにてこれをあがめ長老ちやうらうにてこれを讃稱ほめたたふべし 33 ヱホバはかはにかはらせいづみをかわけるかはらせ 34 またゆたかなるにすめるたみあくによりてそこをしほにかはらせたま 35 いけにかはらせかわけるをいづみにかはらせ 36 ここに餓󠄃うゑたるものを住󠄃すまはせたまふ さればかれらはおのがすまひのまちをたて 37 はたにたねをまき葡萄園ぶだうぞのをまうけてそのむすべるをえたり 38 ヱホバはかれらのいたくふえひろごれるまでにめぐみをあたへ その牲畜けだもののへることをもゆるしたまはず 39 されどまた虐󠄃待しへたげくるしみ悲哀かなしみによりてへりゆきかつうなたれたり 40 ヱホバもろもろのきみ侮辱あなどりをそそぎ道󠄃みちなきあれにさまよはせたまふ 41 しかはあれど貧󠄃まづしきものを患難なやみのうちよりあげてその家族やからをひつじのむれのごとくならしめたまふ 42 なほきものはこれをみてよろこびもろもろの不義ふぎはそのくちをふさがん 43 すべて慧󠄄さときものはこれらのことにこゝろをよせヱホバの憐憫あはれみをさとるべし

第108篇

[ ダビデのうたなり讃美さんびなり ]

1 かみよわがこゝろはさだまれり われうたひまつらん たたへまつらん わがさかえをもてたたへまつらん 2 さうことよさむべし われ黎明しののめをよびさまさん 3 ヱホバよわれもろもろのたみのなかにてなんぢに感謝かんしやし もろもろのくにのなかにてなんぢをほめうたはん
 1068㌻ 
4 そはなんぢのあはれみはおほいにしててんのうへにあがり なんぢの眞實まことくもにまでおよぶ 5 かみよねがはくはみづからをてんよりもたかくし榮光みさかえ全󠄃地ぜんちのうへにあげたまへ 6 ねがはくはみぎみてをもてすくひをほどこし われらにこたへをなしていつくしみたまふものにたすけをえしめたまへ 7 かみはその聖󠄄きよきをもていひたまへり われいたくよろこばんわれシケムをわかちスコテのたにをはからん 8 ギレアデはわがものマナセはわがものなりエフライムもまたわがかうべのまもりなりユダはわがつゑ 9 モアブはわが足盥あしだらひなりエドムにはわがくつをなげんペリシテよわがゆゑによりてこゑをあげよと 10 たれかわれを堅固けんごなるまちにすすましめんや たれかわれをみちびきてエドムにゆきしや 11 かみよなんぢはわれらをすてたまひしにあらずや かみよなんぢはわれらのいくさとともにいでゆきたまはず〘823㌻〙 12 ねがはくはたすけをわれにあたへててきにむかはしめたまへ ひとのたすけは空󠄃むなしければなり 13 われらはかみによりていさましくはたらかん われらのてきをふみたまふものはかみなればなり

第109篇

[ 伶長うたのかみにうたはしめたるダビデのうた ]

1 わがほめたたふるかみよもだしたまふなかれ 2 かれらはあくくちとあざむきのくちとをあけてわれにむかひ いつはりのしたをもてわれにかたり 3 うらみのことばをもてわれをかこみ ゆゑなくわれをせめてたたかふことあればなり 4 われあいするにかれらかへりてわがてきとなる われただいのるなり 5 かれらはあくをもてわがぜんにむくいうらみをもてわがあいにむくいたり 6 ねがはくはかれのうへに惡人あしきひとをたてその右方みぎりてきをたたしめたまへ 7 かれがさばかるるときはそのつみをあらはにせられ又󠄂またそのいのりはつみとなり 8 そのはすくなく そのつとめはほかのひとにえられ 9 その子輩こらはみなしごとなり その妻はやもめとなり 10 その子輩こらはさすらひて乞丐ものこひ そのあれたるところよりいできたりて食󠄃しよくをもとむべし
 1069㌻ 
11 かれのもてるすべてのものは債主はたるものにうばはれ かれの勤勞きんらう外人あだしびとにかすめらるべし 12 かれにめぐみをあたふるひとひとりだになく かれの孤子みなしごをあはれむものもなく 13 そのすゑはたえそのみなはつぎのにきえうすべし 14 その父󠄃等ちちらのよこしまはヱホバのみこころにしるされ そのはゝのつみはきえざるべし 15 かれらはつねにヱホバの前󠄃まへにおかれ そのよりたゝるべし 16 かかるひとはあはれみをほどこすことをおもはずかへりて貧󠄃まづしきものともしきものこゝろのいためるものをころさんとしてせめたりき 17 かかるひとのろふことをこのむ このゆゑにのろひおのれにいたるめぐむことをたのしまず このゆゑにめぐみおのれにとほざかれり 18 かかるひとはころものごとくにのろひをきる このゆゑにのろひみづのごとくにおのれのうちにいりあぶらのごとくにおのれのほねにいれり 19 ねがはくはのろひをおのれのきたるころものごとくおびのごとくなしてつねにみづからまとはんことを 20 これらのことはわがてきとわが靈魂たましひにさからひてあしきことをいふものとにヱホバのあたへたまふむくいなり 21 されどしゆヱホバよなんぢのみなのゆゑをもてわれをかへりみたまへ なんぢの憐憫あはれみはいとふかし ねがはくはわれをたすけたまへ 22 われは貧󠄃まづしくしてともし わがこゝろうちにてきずをうく 23 わがゆくさまはゆふかげのごとく またいなごのごとくふきさらるるなり 24 わがひざ斷食󠄃だんじきによりてよろめき わがにくはやせおとろふ〘824㌻〙 25 われは彼等かれらにそしらるるものとなれり かれらわれをみるときはかうべをふる 26 わがかみヱホバよねがはくはわれをたすけその憐憫あはれみにしたがひてわれをすくひたまへ 27 ヱホバよこれらはみななんぢのみてよりいで なんぢのなしたまへることなるを彼等かれらにしらしめたまへ 28 かれらはのろへどもなんぢはめぐみたまふ かれらのたつときははづかしめらるれどもなんぢのしもべはよろこばん 29 わがもろもろのてきはあなどりをおのがはぢ外袍うはぎのごとくにまとふべし
 1070㌻ 
30 われはわがくちをもておほいにヱホバにしやし おほくのひとのなかにてほめまつらむ 31 ヱホバはまづしきもののみぎにたちてその靈魂たましひつみせんとするものよりこれをすくひたまへり

第110篇

[ ダビデのうた ]

1 ヱホバわがしゆにのたまふ われなんぢのあたをなんぢの承足せうそくとするまではわがみぎにざすべし 2 ヱホバはなんぢのちからのつゑをシオンよりつきいださしめたまはん なんぢはもろもろのあたのなかにわうとなるべし 3 なんぢのいきほひのになんぢのたみ聖󠄄せいなるうるはしきころもをつけ こゝろよりよろこびておのれをささげん なんぢは朝󠄃あしたはらよりいづるわかきもののつゆをもてり 4 ヱホバちかひをたてて聖󠄄意󠄃みこころをかへさせたまふことなし なんぢはメルキセデクのさまにひとしくとこしへに祭司さいしたり 5 しゆはなんぢのみぎにありてそのいかりの王等わうたちをうちたまへり 6 しゆはもろもろのくにのなかにて審判󠄄さばきをおこなひたまはん 此處こゝにも彼處かしこにもかばねをみたしめ 寛濶ひろらかなるをすぶる首領かしらをうちたまへり 7 かれ道󠄃みちのほとりのかはよりくみてのみかくてかうべをあげ

第111篇

1 ヱホバをほめたたへよ われはなほきもののつどひあるひは公會こうくわいにてこゝろをつくしてヱホバに感謝かんしやせん 2 ヱホバのみわざはおほいなりすべてその事跡みわざをしたふものはこれをかんがへきは 3 そのおこなひたまふところは榮光さかえありまた稜威みいづあり その公義ただしきはとこしへにすることなし 4 ヱホバはそのくすしきみわざをひとのこころにとめしめたまへり ヱホバはめぐみと憐憫あはれみとにてみちたまふ 5 ヱホバはおのれをおそるるものにかてをあたへたまへり またその契󠄅約けいやくをとこしへにこゝろにとめたまはん 6 ヱホバはもろもろのくに所󠄃領しよりやうをおのれのたみにあたへてその作爲みわざのちからをこれにあらはしたまへり
 1071㌻ 
7 そのみてのみわざは眞實まことなり公義ただしきなり そのもろもろの訓諭みさとしはかたし 8 これらは世々よゝかぎりなくかたくたち眞實まこと正直なほきとにてなれり 9 ヱホバはそのたみに救贖あがなひをほどこし その契󠄅約けいやくをとこしへにたてたまへり ヱホバのみな聖󠄄せいにしてあがむべきなり〘825㌻〙 10 ヱホバをおそるるは智慧󠄄ちゑのはじめなり これらをおこなふものはみなあきらかなるさとりあるひとなり ヱホバの頌美ほまれはとこしへにうすることなし

第112篇

1 ヱホバをほめまつれヱホバをおそれてそのもろもろの誡命いましめをいたくよろこぶものはさいはひなり 2 かかるひとのすゑはにてつよくなほきもののたぐひはさいはひを 3 とみたからとはそのいへにあり その公義ただしきはとこしへにうすることなし 4 なほもののために暗󠄃くらきなかにもひかりあらはる かれめぐみゆたかに憐憫あはれみにみつるたゞしきものなり 5 めぐみをほどこしかすことをなすものはさいはひなり かかるひと審判󠄄さばきをうくるときおのがうたへをささへうべし 6 又󠄂またとこしへまでうごかさるることなからん義者ただしきものはながくわすれらるることなかるべし 7 かれはあしき音󠄃信おとづれによりておそれず そのこゝろヱホバに依賴よりたのみてさだまれり 8 そのこゝろかたくたちておそるることなくてきにつきての願望󠄇ねがひをつひに 9 かれはちらして貧󠄃者まづしきものにあたふ その正義たゞしきはとこしへにうすることなし そのつのはあがめをうけてあげられん 10 惡者あしきものはこれをてうれへもだえ切齒はがみしつつ消󠄃とけさらん またあしきものの願望󠄇ねがひはほろぶべし

第113篇

1 ヱホバをほめまつれ汝等なんぢらヱホバのしもべよほめまつれヱホバのみなをほめまつれ 2 いまより永遠󠄄とこしへにいたるまでヱホバのみなはほむべきかな 3 のいづるところよりのいるところまでヱホバのみなはほめらるべし 4 ヱホバはもろもろのくにうへにありてたかく その榮光みさかえてんよりもたかし 5 -6 われらのかみヱホバにたぐふべきものはたれぞや 寳座みくらをその高處たかきところにすゑおのれをひくくしててんとをかへりみたま
 1072㌻ 
7 まづしきものをちりよりあげともしきものを糞土あくたよりあげて 8 もろもろの諸侯きみたちとともにすわらせ そのたみのきみたちとともにすわらせたまはん 9 又󠄂またはらみなき婦󠄃をんないへをまもらせ おほくの子女こらのよろこばしきはゝたらしめたまふ ヱホバをほめまつれ

第114篇

1 イスラエルのたみエジプトをいで ヤコブのいへあだしことばたみをはなれしとき 2 ユダはヱホバの聖󠄄所󠄃せいじよとなりイスラエルはヱホバの所󠄃領しよりやうとなれり 3 うみはこれをてにげヨルダンはうしろにしりぞき 4 やま牡羊をひつじのごとくをどり小山こやまはこひつじのごとく躍󠄃をどれり 5 うみよなんぢなにとてにぐるやヨルダンよなんぢなにとてうしろにしりぞくや 6 やまよなにとて牡羊をひつじのごとくをどるや小山こやまよなにとてひつじのごとく躍󠄃をどるや〘826㌻〙 7 しゆのみまへヤコブのかみ前󠄃みまへにをののけ 8 しゆはいはをいけにかはらせいしをいづみにかはらせたまへり

第115篇

1 ヱホバよ榮光さかえをわれらにするなかれ われらにするなかれ なんぢのあはれみとなんぢのまこととのゆゑによりてただみなにのみしたまへ 2 もろもろの國人くにびとはいかなればいふ いまかれらのかみはいづくにありやと 3 されどわれらのかみてんにいます かみはみこころのままにすべてのことをおこなひたまへり 4 かれらの偶像ぐうざうはしろかねとこがねにしてひとのわざなり 5 その偶像ぐうざうくちあれどいはずあれどみず 6 みゝあれどきかずはなあれどかがず 7 あれどとらずあしあれどあゆまずのどよりこゑをいだすことなし 8 これをつくるものとこれに依賴よりたのむものとはみなこれにひとしからん 9 イスラエルよなんぢヱホバに依賴よりたのめ ヱホバはかれらのたすけかれらのたてなり 10 アロンのいへよなんぢらヱホバによりたのめ ヱホバはかれらのたすけかれらのたてなり 11 ヱホバをおそるるものよヱホバに依賴よりたのめ ヱホバはかれらのたすけかれらのたてなり
 1073㌻ 
12 ヱホバは我儕われらをみこころにとめたまへり われらをめぐみイスラエルのいへをめぐみアロンのいへをめぐみ 13 またちひさなるもおほきなるもヱホバをおそるるものをめぐみたまはん 14 ねがはくはヱホバなんぢらをましくはへ なんぢらとなんぢらの子孫こらとをましくはへたまはんことを 15 なんぢらは天地あめつちをつくりたまへるヱホバにめぐまるるものなり 16 てんはヱホバのてんなり されどひとにあたへたまへり 17 しぬるひと幽寂おとなきところにくだれるものもヤハを讃稱ほめたたふることなし 18 されどわれらはいまより永遠󠄄とこしへにいたるまでヱホバをほめまつらむ 汝等なんぢらヱホバをほめたたへよ

第116篇

1 われヱホバをいつくしむ そはわがこゑとわが願望󠄇ねがひとをききたまへばなり 2 ヱホバみみをわれにかたぶけたまひしがゆゑに われにあらんかぎりヱホバをよびまつらむ 3 なはわれをまとひ陰府よみのくるしみわれにのぞめり われは患難なやみとうれへとにあへり 4 そのときわれヱホバのみなをよべり ヱホバよねがはくはわが靈魂たましひをすくひたまへと 5 ヱホバは恩惠めぐみゆたかにして公義ただしきましませり われらのかみはあはれみふか 6 ヱホバはおろかなるものをまもりたまふ われひくくせられしがヱホバわれをすくひたまへり 7 わが靈魂たましひよなんぢの平󠄃安やすきにかへれ ヱホバはゆたかになんぢをあしらひたまへばなり 8 なんぢはわがたましひをより わがをなみだより わがあし顚蹶つまづきよりたすけいだしたまひき 9 われはいけるもののくににてヱホバの前󠄃まへにあゆまん 10 われおほいになやめりといひつつもなほしんじたり 11 われあわてしときにいへらく すべてのひとはいつはりなりと 12 われいかにしてそのたまへるもろもろの恩惠めぐみをヱホバにむくいんや 13 われすくひのさかづきをとりてヱホバのみなをよびまつらむ 14 われすべてのたみのまへにてヱホバにわがちかひをつくのはん 15 ヱホバの聖󠄄徒せいとはそのみまへにてたふとし 16 ヱホバよまことにわれはなんぢのしもべなり われはなんぢの婢女はしためにしてなんぢのしもべなり なんぢわが縲絏いましめをときたまへり
 1074㌻ 
17 われ感謝かんしやをそなへものとしてなんぢにささげん われヱホバのみなをよばん 18 われすべてのたみのまへにてヱホバにわがちかひをつくのはん〘827㌻〙 19 ヱルサレムよなんぢのなかにてヱホバのいへの大庭おほにはのなかにてこれをつくのふべし ヱホバをほめまつれ

第117篇

1 もろもろのくによなんぢらヱホバをほめまつれ もろもろのたみよなんぢらヱホバをたゝへまつれ 2 そはわれらにたまふその憐憫あはれみはおほいなり ヱホバの眞實まことはとこしへにたゆることなし ヱホバをほめまつれ

第118篇

1 ヱホバに感謝かんしやせよヱホバは恩惠めぐみふかくその憐憫あはれみとこしへにたゆることなし 2 イスラエルは率󠄃いざいふべし その憐憫あはれみはとこしへにたゆることなしと 3 アロンのいへはいざふべし そのあはれみは永遠󠄄とこしへにたゆることなしと 4 ヱホバをおそるるものは率󠄃いざいふべし その憐憫あはれみはとこしへにたゆることなしと 5 われ患難なやみのなかよりヱホバをよべば ヱホバこたへてわれをひろきところにおきたまへり 6 ヱホバわがかたにいませばわれにおそれなし ひとわれになにをなしえんや 7 ヱホバはわれをたすくるものとともにがかたにいます このゆゑにわれを憎にくむものにつきての願望󠄇ねがひをわれることをえん 8 ヱホバに依賴よりたのむはひとにたよるよりも勝󠄃まさりてよし 9 ヱホバによりたのむはもろもろのきみにたよるよりも勝󠄃まさりてよし 10 もろもろのくにはわれをかこめり われヱホバのみなによりて彼等かれらをほろぼさん 11 かれらはわれをかこめりわれをかこめりヱホバのみなによりて彼等かれらをほろぼさん 12 かれらははちのごとくわれをかこめり かれらはいばらのごとく消󠄃きえたり われはヱホバのみなによりてかれらをほろぼさん 13 なんぢわれをたふさんとしていたくさしつれど ヱホバわれをたすけたまへり
 1075㌻ 
14 ヱホバはわがちからわがうたにしてわがすくひとなりたまへり〘828㌻〙 15 歡喜よろこびとすくひとのこゑはただしきものの幕屋まくやにあり ヱホバのみぎのみてはいさましき動作はたらきをなしたまふ 16 ヱホバのみぎのみてはたかくあがりヱホバのみぎみてはいさましき動作はたらきをなしたまふ 17 われはしぬることなからん ながらへてヤハの事跡みわざをいひあらはさん 18 ヤハはいたくわれをこらしたまひしかどにはわたしたまはざりき 19 わがためにもんをひらけ われそのうちにいりてヤハに感謝かんしやせん 20 こはヱホバのもんなりただしきものはそのうちにいるべし 21 われなんぢ感謝かんしやせん なんぢわれにこたへてわがすくひとなりたまへばなり 22 工師いへつくりのすてたるいしはすみの首石おやいしとなれり 23 これヱホバのなしたまへることにしてわれらのにあやしとする所󠄃ところなり 24 これヱホバのまうけたまへるなり われらはこのによろこびたのしまん 25 ヱホバよねがはくはわれらをいますくひたまへ ヱホバよねがはくは我儕われらをいまさかえしめたまヘ 26 ヱホバのみなによりてきたるものはさいはひなり われらヱホバのいへよりなんぢらをしゆくせり 27 ヱホバはかみなり われらにひかりをあたへたまへり なはをもて祭壇さいだんつのにいけにへをつなげ 28 なんぢはわがかみなりわれなんぢに感謝かんしやせん なんぢはわがかみなりわれなんぢをあがめまつらん 29 ヱホバにかんしやせよ ヱホバは恩惠めぐみふかくその憐憫あはれみとこしへにたゆることなし

第119篇

[ アレフ ]

1 おのが道󠄃みちをなほくしてヱホバの律法おきてをあゆむものはさいはひなり 2 ヱホバのもろもろの證詞あかしをまもり こゝろをつくしてヱホバを尋󠄃たづねもとむるものはさいはひなり 3 かかるひと不義ふぎをおこなはずしてヱホバの道󠄃みちをあゆむなり
 1076㌻ 
4 ヱホバよなんぢ訓諭さとしをわれらにめいじてねんごろにまもらせたまふ 5 なんぢわが道󠄃みちをかたくたててその律法おきてをまもらせたまはんことを 6 われなんぢのもろもろの誡命いましめにこころをとむるときははづることあらじ 7 われなんぢのただしき審判󠄄さばきをまなばば なほこゝろをもてなんぢに感謝かんしやせん 8 われは律法おきてをまもらん われをすてはてたまふなかれ

[○ベテ ]

9 わかきひとはなにによりてかその道󠄃みちをきよめん 聖󠄄言みことばにしたがひてつゝしむのほかぞなき 10 われこゝろをつくしてなんぢをたづねもとめたり ねがはくはなんぢの誡命いましめより迷󠄃まよひいださしめたまふなかれ 11 われなんぢにむかひてつみををかすまじきためになんぢのことばをわがこゝろのうちにたくはへたり 12 ほむべきかなヱホバよねがはくは律法みおきてをわれにをしへたまへ〘829㌻〙 13 われわが口唇くちびるをもてなんぢのくちよりいでしもろもろの審判󠄄さばきをのべつたへたり 14 われもろもろの財貨たからをよろこぶごとくになんぢのあかしの道󠄃みちをよろこべり 15 われなんぢの訓諭さとしをおもひなんぢのみちにこゝろをとめん 16 われは律法みおきてをよろこび聖󠄄言みことばをわするることなからん

[○ギメル ]

17 ねがはくはなんぢのしもべをゆたかにあしらひてながらへしめたまへ さらばわれ聖󠄄言みことばをまもらん 18 なんぢわがをひらき なんぢののりのうちなるくすしきことをわれにみせたまへ 19 われはにある旅客たびゞとなり われになんぢの誡命いましめをかくしたまふなかれ 20 たゆるときなくなんぢの審判󠄄さばきをしたふがゆゑにわが靈魂たましひはくだくるなり 21 なんぢはたかぶるものをせめたまへり なんぢの誡命いましめよりまよひづるものはのろはる 22 われなんぢの證詞あかしをまもりたり われよりそしりとあなどりとをとりさりたまへ
 1077㌻ 
23 又󠄂またもろもろのきみしてあひかたりわれをそこなはんとせり しかはあれどなんぢのしもべは律法みおきてをふかくおもへり 24 なんぢのもろもろの證詞あかしはわれをよろこばせわれをさとすものなり

[○ダレテ ]

25 わが靈魂たましひちりにつきぬ なんぢのことばにしたがひてわれをいかしたまへ 26 われわがふめる道󠄃みちをあらはししかばなんぢこたへをわれになしたまへり なんぢの律法おきてをわれにをしへたまへ 27 なんぢの訓諭さとしのみちをわれにわきまへしめたまへ われなんぢのくすしき事跡みわざをふかくおもはん 28 わがたましひいためるによりてとけゆく ねがはくは聖󠄄言みことばにしたがひてわれにちからをあたへたまへ 29 ねがはくはいつはりの道󠄃みちをわれより遠󠄄とほざけ なんぢののりをもてわれをめぐみたまへ 30 われは眞實まことのみちをえらび つねになんぢのもろもろの審判󠄄さばきをわが前󠄃まへにおけり 31 われなんぢの證詞あかしをしたひてはなれず ヱホバよねがはくはわれをはづかしめたまふなかれ 32 われなんぢのいましめの道󠄃みちをはしらん そのときなんぢわがこゝろをひろくたまふべし

[○へ ]

33 ヱホバよねがはくはなんぢの律法おきてのみちをわれにをしへたまへ われ終󠄃をはりにいたるまでこれをまもらん 34 われに智慧󠄄ちゑをあたへたまへ さらばわれなんぢののりをまもりこゝろをつくしてこれにしたがはん 35 われになんぢのいましめの道󠄃みちをふましめたまへ われその道󠄃みちをたのしめばなり 36 わがこゝろをなんぢの證詞あかしにかたぶかしめて 貪利むさぼりにかたぶかしめたまふなかれ 37 わがをほかにむけてむなしきことをざらしめ われをなんぢの途󠄃みちにていかたま〘830㌻〙 38 ひたすらになんぢをおそるるなんぢのしもべに 聖󠄄言みことばをかたくしたまへ
 1078㌻ 
39 わがおそるるそしりをのぞきたまへ そはなんぢの審判󠄄さばきはきはめて 40 われなんぢの訓諭さとしをしたへり ねがはくはなんぢのをもてわれをいかしたまへ

[○ワウ ]

41 ヱホバよ聖󠄄言みことばにしたがひてなんぢの憐憫あはれみなんぢの拯救すくひわれにのぞませたまへ 42 さらばわれわれをそしるものにこたふることをえん われ聖󠄄言みことばによりたのめばなり 43 又󠄂またわがくちより眞理まことのことばをことごとくのぞたまふなかれ われなんぢの審判󠄄さばきをのぞみたればなり 44 われたえずいや永久とほながになんぢののりをまもらん 45 われなんぢの訓諭さとしをもとめたるによりさはりなくしてあゆまん 46 われまたわうたちの前󠄃まへになんぢの證詞あかしをかたりてはづることあらじ 47 われわがあいするなんぢの誡命いましめをもておのれをたのしましめん 48 われをわがあいするなんぢのいましめにげ なんぢの律法おきてをふかくおもはん

[○ザイン ]

49 ねがはくはなんぢのしもべにのたまひたる聖󠄄言みことばをおもひいだしたまへ なんぢわれにこれをのぞましめたまへり 50 なんぢの聖󠄄言みことばはわれをいかししがゆゑに いまもなほわが艱難なやみのときの安慰なぐさめなり 51 たかぶるものおほいにわれをあざわらへり されどわれなんぢののりをはなれざりき 52 ヱホバよわれなんぢがふるき徃昔むかしよりの審判󠄄さばきをおもひいだしてみづからなぐさめたり 53 なんぢののりをすつる惡者あしきもののゆゑによりて われはげしきいかりをおこしたり 54 なんぢの律法おきてはわがたびいへにてわがうたとなれり 55 ヱホバよわれ夜間よのまになんぢのみなをおもひいだして なんぢののりをまもれり 56 われなんぢのさとしをまもりしによりてこのことをえたるなり
 1079㌻ 

[○ヘテ ]

57 ヱホバはわがうくべきものなり われなんぢのもろもろのことばをまもらんといへり 58 われこゝろをつくしてなんぢのめぐみを請󠄃こひもとめたり ねがはくは聖󠄄言みことばにしたがひてわれをあはれみたまへ 59 われわがすべての途󠄃みちをおもひ あしをかへしてなんぢの證詞あかしにむけたり 60 われなんぢの誡命いましめをまもるに速󠄃すみやけくしてたゆたはざりき 61 あしきもののなはわれにまとひたれども われなんぢののりをわすれざりき 62 われなんぢのただしき審判󠄄さばきのゆゑに 夜半󠄃よはにおきてなんぢに感謝かんしやせん 63 われはなんぢをおそるるもの またなんぢの訓諭さとしをまもるもののともなり 64 ヱホバよなんぢのあはれみはにみちたり ねがはくはなんぢの律法おきてをわれにをしへたまへ〘831㌻〙

[○テテ ]

65 ヱホバよなんぢ聖󠄄言みことばにしたがひめぐみをもてそのしもべをあしらひたまへり 66 われなんぢのいましめをしんず ねがはくはわれに聰明そうめい智識ちしきとををしへたまへ 67 われくるしまざる前󠄃まへにはまよひいでぬ されどいまはわれ聖󠄄言みことばをまもる 68 なんぢはぜんにしてぜんをおこなひたまふ ねがはくはなんぢのおきてをわれにをしへたまへ 69 たかぶるもの虛僞いつはりをくはだててわれにさからへり われこゝろをつくしてなんぢの訓諭さとしをまもらん 70 かれらのこゝろはこえふとりてあぶらのごとし されどわれはなんぢののりをたのしむ 71 困苦くるしみにあひたりしはわれによきことなり これによりてわれなんぢの律法おきてをまなびえたり 72 なんぢのくちのりはわがためには千々ちぢのこがね白銀しろかねにもまされり

[○ヨーデ ]

73 なんぢのみてはわれを造󠄃つくりわれをかたちづくれり ねがはくは智慧󠄄ちゑをあたへてわれになんぢの誡命いましめをまなばしめたまへ
 1080㌻ 
74 なんぢをおそるるものはわれをみてよろこばん われ聖󠄄言みことばによりて望󠄇のぞみをいたきたればなり 75 ヱホバよわれはなんぢの審判󠄄さばきのただしく又󠄂またなんぢが眞實まことをもてわれをくるしめたまひしを 76 ねがはくはなんぢのしもべにのたまひたる聖󠄄言みことばにしたがひて なんぢ仁慈いつくしみをわが安慰なぐさめとなしたまへ 77 なんぢの憐憫あはれみをわれにのぞませたまへ さらばわれいきん なんぢののりはわがたのしめるところなり 78 たかぶるものにはぢをかうぷらせたまへ かれらは虛僞いつはりをもてわれをくつがへしたればなり されどわれなんぢの訓諭さとしをふかくおもはん 79 なんぢをおそるるものとなんぢの證詞あかしをしるものとをわれにかへらしめたまへ 80 わがこころを全󠄃またくしてなんぢのおきてをまもらしめたまへ さらばわれはぢをかうぶらじ

[○カフ ]

81 わが靈魂たましひはなんぢのすくひをしたひてたえいるばかりなり されどわれなほ聖󠄄言みことばによりて望󠄇のぞみをいだく 82 なんぢいづれのときわれをなぐさむるやといひつつ われみことばをしたふによりておとろふ 83 われけぶりのなかの革嚢かはぶくろのごとくなりぬれども なほなんぢの律法おきてをわすれず 84 なんぢのしもべの幾何いくばくありや なんぢいづれのときわれをせむるものに審判󠄄さばきをおこなひたまふや 85 たかぶるものわれを害󠄅そこなはんとてあなをほれり かれらはなんぢののりにしたがはず 86 なんぢの誡命いましめはみな眞實まことなり かれらは虛僞いつはりをもてわれをせむ ねがはくはわれをたすけたまへ 87 かれらはにてほとんどわれをほろぼせり されどわれはなんぢの訓諭さとしをすてざりき〘832㌻〙 88 ねがはくはなんぢの仁慈いつくしみにしたがひてわれをいかしたまへ さらばわれ御口みくちよりいづる證詞あかしをまもらん
 1081㌻ 

[○ラメテ ]

89 ヱホバよみことばはてんにてとこしえにさだまり 90 なんぢの眞實まことはよろづにおよぶ なんぢをかたくたてたまへばはつねにあり 91 これらのものはなんぢの命令おほせごとにしたがひ つねにありて今日けふにいたる よろづのものはみななんぢのしもべなればなり 92 なんぢののりわがたのしみとならざりしならばわれはつひに患難なやみのうちにほろびたるならん 93 われつねになんぢの訓諭さとしをわすれじ なんぢこれをもてわれをいかしたまへばなり 94 われはなんぢのものなりねがはくはわれをすくひたまへ われなんぢのさとしをもとめたり 95 あしきものはわれをほろぼさんとしてうかゞひぬ われはたゞなんぢのもろもろの證詞あかしをおもはん 96 われもろもろの純全󠄃またきはてあるをみたり されどなんぢのいましめはいとひろ

[○メム ]

97 われなんぢののりをいつくしむこといかばかりぞや われ終󠄃日ひねもすこれをふかくおもふ 98 なんぢの誡命いましめはつねにわれとともにありて われをわがあたにまさりて慧󠄄さとからしむ 99 われはなんぢの證詞あかしをふかくおもふがゆゑに わがすべてのにまさりて智慧󠄄ちゑおほし 100 われはなんぢの訓諭さとしをまもるがゆゑに おいたるものにまさりてことをわきまふるなり 101 われ聖󠄄言みことばをまもらんために わがあしをとどめてもろもろのあしき途󠄃みちにゆかしめず 102 なんぢわれををしへたまひしによりて われなんぢの審判󠄄さばきをはなれざりき 103 みことばの滋味あじはひはわがあぎにあまきこといかばかりぞや みつのわがくちあまきにまされり 104 われなんぢの訓諭さとしによりて智慧󠄄ちゑをえたり このゆゑに虛僞いつはりのすべての途󠄃みちをにくむ

[○ヌン ]

105 なんぢの聖󠄄言みことばはわがあしの燈火ともしびわがみちのひかりなり 106 われなんぢのただしき審判󠄄さばきをまもらんことをちかひかつかたくせり 107 われいといたくくるしめり ヱホバよねがはくは聖󠄄言みことばにしたがひてわれをいかしたまヘ 108 ヱホバよねがはくは誠意󠄃まごころよりするわがくちさゝげものをうけて なんぢの審判󠄄さばきををしへたまへ
 1082㌻ 
109 わが靈魂たましひはつねに危險あやふきををかす されどわれなんぢののりをわすれず 110 あしきものわがためにわなをまうけたり されどわれなんぢのさとしより迷󠄃まよひいでざりき 111 われなんぢのもろもろの證詞あかしをとこしへにわが嗣業ゆづりとせり これらの證詞あかしはわがこゝろをよろこばしむ〘833㌻〙 112 われなんぢのおきてを終󠄃をはりまでとこしへにまもらんとてこれにこころをかたぶけたり

[○サメク ]

113 われ二心ふたごころのものをにくみなんぢのおきてをいつくしむ 114 なんぢはわがかくるべき所󠄃ところわがたてなり われ聖󠄄言みことばによりて望󠄇のぞみをいだく 115 あしきをなすものよわれをはなれされ われわがかみのいましめをまもらん 116 聖󠄄言みことばにしたがひわれをささへて生存ながらへしめたまへ わが望󠄇のぞみにつきてはぢなからしめたまへ 117 われをさゝへたまへ さらばわれやすけかるべし われつねになんぢの律法おきてにこころをそそがん 118 すべて律法みおきてよりまよひいづるものをなんぢかろしめたまへり かれらの欺詐あざむきはむなしければなり 119 なんぢはのすべてのあしきものを渣滓かなかすのごとくのぞきさりたまふ このゆゑにわれなんぢのあかしをあい 120 わが肉體にくたいなんぢをおそるるによりてふるふ われはなんぢの審判󠄄さばきをおそる

[○アイン ]

121 われは審判󠄄さばき公義ただしきとをおこなふ われをすてて虐󠄃しへたぐるものにゆだねたまふなかれ 122 なんぢのしもべの中保なかだちとなりて福祉さいはひをえしめたまへ たかぶるもののわれをしへたぐるをゆるしたまふなかれ 123 わがはなんぢのすくひとなんぢのただしき聖󠄄言みことばとをしたふによりておとろふ 124 ねがはくはなんぢの憐憫あはれみにしたがひてなんぢのしもべをあしらひ われになんぢの律法おきてををしへたまへ
 1083㌻ 
125 われはなんぢのしもべなり われに智慧󠄄ちゑをあたへてなんぢの證詞あかしをしらしめたまへ 126 彼等かれらはなんぢののりをすてたり いまはヱホバのはたらきたまふべきときなり 127 このゆゑにわれこがねよりもまじりなきこがねよりもまさりてなんぢのいましめをあい 128 このゆゑにもろもろのことにかゝるなんぢの一切すべてのさとしをたゞしとおもふ われすべてのいつはりの途󠄃みちをにくむ

[○べ ]

129 なんぢのあかしはたへなり かかるがゆゑにわが靈魂たましひこれをまもる 130 聖󠄄言みことばうちひらくればひかりをはなちて おろかなるものをさとからしむ 131 われなんぢの誡命いましめをしたふがゆゑに わがくちをひろくあけてあへぎもとめたり 132 ねがはくは聖󠄄名みなあいするものにつねになしたまふごとくをかへしてわれをあはれみたまへ 133 聖󠄄言みことばをもてわが步履あゆみをととのへ もろもろの邪曲よこしまをわれにしゆたらしめたまふなかれ 134 われをひとのしへたげよりあがなひたまへ さらばわれ訓諭みさとしをまもらん 135 ねがはくは聖󠄄顏みかほをなんぢのしもべのうへにてらし なんぢのおきてをわれにをしへたま〘834㌻〙 136 ひとなんぢののりをまもらざるによりて わがのなみだかはのごとくになが

[○ツァデー ]

137 ヱホバよなんぢはたゞしくなんぢの審判󠄄さばきはなほし 138 なんぢただしきと此上こよなき眞實まこととをもて その證詞あかしめいたまへり 139 わがてきなんぢの聖󠄄言みことばをわすれたるをもて わが熱心ねつしんわれをほろぼせり 140 なんぢの聖󠄄言みことばはいときよし 此故このゆゑになんぢのしもべはこれをあい 141 われはかすかなるものにてひとにあなどらるれどもなんぢのさとしをわすれず 142 なんぢのはとこしへのなりなんぢののりは眞理まことなり
 1084㌻ 
143 われ患難なやみうれへとにかかれども なんぢのいましめはわが喜樂たのしみなり 144 なんぢの證詞あかしはとこしへにたゞし ねがはくはわれに智慧󠄄ちゑをたまへ われながらふることを

[○コフ ]

145 われこゝろをつくしてよばはれり ヱホバよわれにこたへたまへ われなんぢの律法おきてをまもらん 146 われなんぢをよばはれり ねがはくはわれをすくたまわれなんぢの證詞あかしをまもらん 147 われ詰朝󠄃あさまだきおきいでてよばはれり われ聖󠄄言みことばによりて望󠄇のぞみをいだけり 148 よるときのきたらぬにさきだち わがはさめてなんぢのみことばをふかくおもふ 149 ねがはくはなんぢの仁慈いつくしみにしたがひてわがこゑをききたまへ ヱホバよなんぢの審判󠄄さばきにしたがひてわれをいかしたまへ 150 あくをおひもとむるものはわれにちかづけり 彼等かれらはなんぢののりにとほくはなる 151 ヱホバよなんぢはわれに近󠄃ちかくましませり なんぢのすべての誡命いましめはまことなり 152 われはやくよりなんぢの證詞あかしによりてなんぢがこれを永遠󠄄とこしへにたてたまへることをれり

[○レシ ]

153 ねがはくはわが患難なやみをみてわれをすくひたまへ われなんぢののりをわすれざればなり 154 ねがはくはわがうたへをあげつらひてわれをあがなひ 聖󠄄言みことばにしたがひてわれをいかしたまへ 155 すくひはあしきものより遠󠄄とほくはなる かれらはなんぢの律法おきてをもとめざればなり 156 ヱホバよなんぢの憐憫あはれみはおほいなり ねがはくはなんぢの審判󠄄さばきにしたがひてわれをいかしたまへ 157 われをせむるものわれにてきするものおほし われなんぢの證詞あかしをはなるることなかりき 158 虛僞いつはりをおこなふものなんぢのみことばをまもらざるにより われかれらをてうれへたり 159 ねがはくはわがなんぢのさとしをあいすること幾何いかばかりなるをかへりみたまへ ヱホバよなんぢの仁慈いつくしみにしたがひてわれをいかしたまへ〘835㌻〙 160 なんぢのみことばの總計すべくくりはまことなり なんぢのただしき審判󠄄さばきはとこしへにいたるまでみなたゆることなし
 1085㌻ 

[○シン ]

161 もろもろのきみはゆゑなくしてわれをせむ されどわがこゝろはただなんぢのみことばをおそ 162 われひとのおほいなる掠物えものをえたるごとくに なんぢのみことばをよろこぶ 163 われ虛僞いつはりをにくみこれをいみきらへども なんぢののりをあい 164 われなんぢのただしき審判󠄄さばきのゆゑをもて 一日ひとひ七次ななたびなんぢを讃稱ほめたた 165 なんぢののりをあいするものにはおほいなる平󠄃安やすきあり かれらには躓礙つまづきをあたふるものなし 166 ヱホバよわれなんぢのすくひをのぞみなんぢのいましめをおこなへり 167 わが靈魂たましひはなんぢの證詞あかしをまもれり われはいたくこれをあいす 168 われなんぢの訓諭さとしとなんぢの證詞あかしとをまもりぬ わがすべての道󠄃みちはみまへにあればなり

[○タウ ]

169 ヱホバよねがはくはわがよぶこゑをみまへにちかづけ 聖󠄄言みことばにしたがひてわれにちゑをあたへたまへ 170 わがねがひをみまへにいたらせ 聖󠄄言みことばにしたがひてわれをたすけたまへ 171 わがくちびるは讃美さんびをいだすべし なんぢわれに律法みおきてををしへたまへばなり 172 わがしたはみことばをうたふべし なんぢの一切すべてのいましめはなればなり 173 なんぢのみてをつねにわがたすけとなしたまへ われなんぢの訓諭さとしをえらびもちゐたればなり 174 ヱホバよわれなんぢのすくひをしたへり なんぢののりはわがたのしみなり 175 ねがはくはわが靈魂たましひをながらへしめたまへ さらばなんぢをほめたたへん なんぢのさばきのわれをたすけんことを 176 われはうしなはれたるひつじのごとく迷󠄃まよひいでぬ なんぢのしもべをたづねたまへ われなんぢのいましめをわすれざればなり
 1086㌻ 

第120篇

[ みやこまうでのうた ]

1 われ困苦なやみにあひてヱホバをよびしかばわれにこたへたまへり 2 ヱホバよねがはくは虛僞いつはりのくちびる欺詐あざむきしたよりわが靈魂たましひをたすけいだしたまへ 3 あざむきのしたよなんぢになにをあたへられ なにをくはへらるべきか 4 ますらをの金萑花えにしだのあつきすみとなり 5 わざはひなるかなわれはメセクにやどりケダルの幕屋まくやのかたはらに住󠄃めり 6 わがたましひは平󠄃安やすきをにくむものとともにすめり 7 われは平󠄃安やすきをねがふ されどわれものいふときにかれら戰爭たたかひをこのむ〘836㌻〙

第121篇

[ みやこまうでのうた ]

1 われやまにむかひてをあぐ わが扶助たすけはいづこよりきたるや 2 わがたすけは天地あめつちをつくりたまへるヱホバよりきたる 3 ヱホバはなんぢのあしのうごかさるるをゆるしたまはず なんぢをまもるものは微睡まどろみたまふことなし 4 よイスラエルをまもりたまふものは微睡まどろむこともなくねむることもなからん 5 ヱホバはなんぢをまもるものなり ヱホバはなんぢの右手みぎのてをおほふかげなり 6 ひるはなんぢをうたずよるつきなんぢをうた 7 ヱホバはなんぢをまもりてもろもろの禍害󠄅わざはひをまぬかれしめまたなんぢの靈魂たましひをまもりたまはん 8 ヱホバはいまよりとこしへにいたるまで なんぢのいづるとるとをまもりたまはん

第122篇

[ ダビデがよめるみやこまうでのうた ]

1 ひとわれにむかひて率󠄃いざヱホバのいへにゆかんといへるときわれよろこべり 2 ヱルサレムよわれらのあしはなんぢのもんのうちにたてり 3 ヱルサレムよなんぢはしげくつらなりたるまちのごとくかたくたてり 4 もろもろのやからすなはちヤハの支派やからかしこにのぼりきたり イスラエルにむかひて證詞あかしをなし またヱホバのみなにかんしやをなす
 1087㌻ 
5 彼處かしこにさばきの寳座みくらまうけらる これダビデのいへのみくらなり 6 ヱルサレムのために平󠄃安やすきをいのれ ヱルサレムをあいするものはさかゆべし 7 ねがはくはなんぢの石垣いしがきのうちに平󠄃安やすきあり なんぢの諸殿とのどののうちに福祉さいはひあらんことを 8 わが兄弟きやうだいのためわがとものために われいまなんぢのなかに平󠄃安やすきあれといはん 9 われらのかみヱホバのいへのためにわれなんぢの福祉さいはひをもとめん

第123篇

[ みやこまうでのうた ]

1 てんにいますものよわれなんぢにむかひてをあぐ 2 みよしもべそのしゆをそそぎ 婢女はしためその主母とじをそそぐがごとく われらはわがかみヱホバにをそそぎて そのわれをあはれみたまはんことをまつ 3 ねがはくはわれらをあはれみたまヘ ヱホバよわれらをあはれみたまへ そはわれらに輕侮あなどりはみちあふれぬ 4 おもひわづらひなきものの凌辱はぢしめと たかぶるものの輕侮あなどりとはわれらの靈魂たましひにみちあふれぬ

第124篇

[ ダビデのよめるみやこまうでのうた ]

1 いまイスラエルはいふべし ヱホバもしわれらのかたにいまさず 2 人々ひと〴〵われらにさからひて起󠄃おこりたつとき ヱホバもし我儕われらのかたにいまさざりしならんには 3 かれらのいかりのわれらにむかひておこりしとき われらをいけるままにてのみしならん〘837㌻〙 4 またみづはわれらをおほひ ながれはわれらの靈魂たましひをうちこえ 5 たかぶるみづはわれらの靈魂たましひをうちこえしならん 6 ヱホバはほむべきかな我儕われらをかれらのにわたしてかみくらはせたまはざりき 7 我儕われらのたましひは捕鳥者とり〳〵のわなをのがるるとりのごとくにのがれたり わなはやぶれてわれらはのがれたり 8 われらのたすけ天地あめつちをつくりたまへるヱホバのみなにあり
 1088㌻ 

第125篇

[ みやこまうでのうた ]

1 ヱホバに依賴よりたのむものはシオンのやまのうごかさるることなくして永遠󠄄とこしへにあるがごとし 2 ヱルサレムをやまのかこめるごとくヱホバもいまよりとこしへにそのたみをかこみたまはん 3 あくつゑはただしきものの所󠄃領しよりやうにとゞまることなかるべしかくてただしきものはその不義ふぎにのぶることあらじ 4 ヱホバよねがはくはよきひととこころなほきものとに福祉さいはひをほどこしたまへ 5 されどヱホバはふりかへりておのがまがれる道󠄃みちにいるものをあしきわざをなすものとともにさりしめたまはん 平󠄃安やすきはイスラエルのうへにあれ

第126篇

[ みやこまうでのうた ]

1 ヱホバ、シオンの俘囚とらはれびとをかへしたまひしとき われらはゆめみるもののごとくなりき 2 そのときわらひはわれらのくちにみちうたはわれらのしたにみてり ヱホバかれらのためにおほいなることをなしたまへりといへるものもろもろのくにのなかにありき 3 ヱホバわれらのためにおほいなることをなしたまひたれば我儕われらはたのしめり 4 ヱホバよねがはくはわれらの俘囚とらはれびとをみなみのかはのごとくにかへしたまへ 5 なみだとともにくものは歡喜よろこびとともにかりとらん 6 そのひとたねをたづさへなみだをながしていでゆけど禾束たばをたづさへよろこびてかへりきたらん

第127篇

[ ソロモンがよめるみやこまうでのうた ]

1 ヱホバいへをたてたまふにあらずば たつるものの勤勞きんらうはむなしく ヱホバしろをまもりたまふにあらずば衞士ゑじのさめをるは徒勞いたづらなり 2 なんぢらはやくおきおそくいねて辛苦しんくかてをくらふはむなしきなり かくてヱホバそのいつくしみたまふものにねぶりをあたへたまふ
 1089㌻ 
3 みよ子輩こらはヱホバのあたへたまふ嗣業ゆづりにして たいはそのむくいのたまものなり 4 としわかきころほひのはますらをのにあるのごとし 5 のみちたるえびらをもつひとはさいはひなり かれらもんにありてあたとものいふときはづることあらじ〘838㌻〙

第128篇

[ みやこまうでのうた ]

1 ヱホバをおそれその道󠄃みちをあゆむものはみなさいはひなり 2 そはなんぢおのが勤勞きんらうをくらふべければなり なんぢは福祉さいはひをえまた安處やすきにをるべし 3 なんぢのつまはいへのおくにをりておほくのをむすぶ葡萄ぶだうのごとくなんぢ子輩こらはなんぢのえん圓居まどゐしてかんらんの若樹わかきのごとし 4 よヱホバをおそるるものはかく福祉さいはひをえん 5 ヱホバはシオンよりめぐみをなんぢにたまはん なんぢにあらんかぎりヱルサレムの福祉さいはひをみん 6 なんぢおのが子輩こらをみるべし 平󠄃安やすきはイスラエルのうへにあり

第129篇

[ みやこまうでのうた ]

1 いまイスラエルはいふべし彼等かれらはしばしばわれをわかきときよりなやめたり 2 かれらはしばしばわれをわかきときよりなやめたり されどわれに勝󠄃かつことをざりき 3 たがへすものはわがそびらをたがへしてそのたみぞをながくせり 4 ヱホバはたゞし あしきもののなはをたちたまへり 5 シオンをにくむものはみなはぢをおびてしりぞかせらるべし 6 かれらはそだたざるさきにかるる屋上やねくさのごとし 7 これをるものはそのにみたず これをつかぬるものはそのたばふところにみたざるなり 8 かたはらを過󠄃よぎるものはヱホバのめぐみなんぢのうへにあれといはず われらヱホバのみなによりてなんぢらをしくすといはず
 1090㌻ 

第130篇

[ みやこまうでのうた ]

1 ああヱホバよわれふかきふちよりなんぢをよべり 2 しゆよねがはくはわがこゑをききなんぢのみみをわが懇求ねがひのこゑにかたぶけたまへ 3 ヤハよしゆよなんぢもしもろもろの不義ふぎをとめたまはばたれたれかよくたつことをえんや 4 されどなんぢにゆるしあればひとにおそれかしこまれたまふべし 5 われヱホバをまち望󠄇のぞむ わが靈魂たましひはまちのぞむ われはその聖󠄄言みことばによりて望󠄇のぞみをいだく 6 わがたましひは衞士ゑじがあしたをまつにまさり まことにゑじがあしたをまつにまさりてしゆをまてり 7 イスラエルよヱホバによりて望󠄇のぞみをいだけ そはヱホバにあはれみあり またゆたかなる救贖あがなひあり 8 ヱホバはイスラエルをそのもろもろの邪曲よこしまよりあがなひたまはん

第131篇

[ ダビデのよめるみやこまうでのうた ]

1 ヱホバよわがこゝろおごらずわがたかぶらず われはおほいなることとわれにおよばぬくすしきわざとをつとめざりき 2 われはわが靈魂たましひをもださしめまたやすからしめたり 乳󠄃をたちし嬰兒みどりごのそのはゝにたよるごとく がたましひは乳󠄃をたちし嬰兒みどりごのごとくわれにたよれり〘839㌻〙 3 イスラエルよいまよりとこしへにヱホバにたよりて望󠄇のぞみをいだけ

第132篇

[ みやこまうでのうた ]

1 ヱホバよねがはくはダビデのためにそのもろもろのうれへをこころにとめたまへ 2 ダビデ、ヱホバにちかひヤコブの全󠄃能者ぜんのうしやにうけひていふ 3 -5 われヱホバのためにところをたづねいだし ヤコブの全󠄃能者ぜんのうしやのために居所󠄃すまひをもとめうるまでは わがいへ幕屋まくやにいらず わが臥床ふしどにのぼらず わがをねぶらしめず わが眼瞼まなぶたをとぢしめざるべしと
 1091㌻ 
6 われらエフラタにてこれをききヤアルのにてとめたり 7 われらはその居所󠄃すまひにゆきて その承足せうそくのまへに俯伏ひれふさん 8 ヱホバよねがはくは起󠄃きて なんぢの稜威みいづひつとともになんぢの安居やすみ所󠄃どころにいりたまへ 9 なんぢの祭司さいしたちは なんぢの聖󠄄徒せいとはみなよろこびよばふべし 10 なんぢのしもべダビデのためになんぢの受膏者じゆかうじやおもをしりぞけたまふなかれ 11 ヱホバ眞實まことをもてダビデにちかひたまひたればこれにたがふことあらじ いはくわれなんぢのよりいでしものをなんぢの座位くらゐにざせしめん 12 なんぢの子輩こらもしわがをしふる契󠄅約けいやく證詞あかしとをまもらばかれらの子輩こらもまた永遠󠄄とこしへになんぢの座位くらゐにざすべしと 13 ヱホバはシオンをえらびておのが居所󠄃すみかにせんとのぞみたまへり 14 いはくこれは永遠󠄄とこしへにわが安居やすみどころなり われここに住󠄃すまん そはわれこれをのぞみたればなり 15 われシオンのかてをゆたかにしくし くひものをもてその貧󠄃者まづしきものをあかしめん 16 われすくひをもてその祭司さいしたちにせん その聖󠄄徒せいとはみなこゑたからかによろこびよばふべし 17 われダビデのためにかしこにひとつのつのをはえしめん わが受膏者じゆかうじやのために燈火ともしびをそなへたり 18 われかれのあたにはぢをせん されどかれはその冠弁かんむりさかゆべし

第133篇

[ ダビデがよめるみやこまうでのうた ]

1 よはらからあひむつみてともにをるはいかによくいかにたのしきかな 2 かうべにそそがれたるたふときあぶらひげにながれ アロンのひげにながれ そのころものすそにまでながれしたたるるがごとく 3 またヘルモンのつゆくだりてシオンのやまにながるるがごとし そはヱホバかしこに福祉さいはひをくだしかぎりなき生命いのちをさへあたへたまへり
 1092㌻ 

第134篇

[ みやこまうでのうた ]

1 夜間よるヱホバのいへにたちヱホバにつかふるもろもろのしもべよ ヱホバをほめまつれ〘840㌻〙 2 なんぢら聖󠄄所󠄃せいじよにむかひをあげてヱホバをほめまつれ 3 ねがはくはヱホバ天地あめつちをつくりたまへるもの シオンよりなんぢをめぐみたまはんことを

第135篇

1 なんぢらヱホバを讃稱ほめたたへよ ヱホバのみなをほめたたへよ ヱホバのしもべほめたたへよ 2 ヱホバのいへわれらのかみのいへの大庭おほにはにたつものよ讃稱ほめたたへよ 3 ヱホバはめぐみふかし なんぢらヱホバをほめたたへよ その聖󠄄名みなはうるはしほめうたへ 4 そはヤハおのがためにヤコブをえらみ イスラエルをえらみてその珍寳うづたからとなしたまへり 5 われヱホバのおほいなるとわれらのしゆのもろもろのかみにまされるとをしれり 6 ヱホバその聖󠄄旨みこころにかなふことをてんにもつちにもうみにもふちにもみなことごとくおこなたまふなり 7 ヱホバはのはてよりきりをのぼらせ あめのために電光いなづまをつくりそのくらよりかぜをいだしたまふ 8 ヱホバはひとより畜類けだものにいたるまでエジプトの首出うひごをうちたまへり 9 エジプトよヱホバはなんぢのなかにしるしとくすしき事跡みわざとをおくりて パロとそのしもべとにのぞませたまへり 10 ヱホバはおほくの國々くに〴〵をうち 又󠄂またいきほひある王等わうたちをころしたまへり 11 アモリびとのわうシホン、バシヤンのわうオグならびにカナンの國々くに〴〵なり 12 かれらのをゆづりとしそのたみイスフルの嗣業ゆづりとしてあたへたまへり 13 ヱホバよなんぢのみなはとこしへにたゆることなし ヱホバよなんぢの記念きねんはよろづにおよばん 14 ヱホバはそのたみのために審判󠄄さばきをなしそのしもべにかかはれる聖󠄄意󠄃みこころをかへたまふべければなり 15 もろもろのくにの偶像ぐうざうはしろかねとこがねにしてひとのわざなり
 1093㌻ 
16 そのぐうざうはくちあれどいはずあれど 17 みゝあれどきかず またそのくち氣息いきあることなし 18 これを造󠄃つくるものとこれによりたのむものとはみなこれにひとしからん 19 イスラエルのいへよヱホバをほめまつれ アロンのいへよヱホバをほめまつれ 20 レビのいへよヱホバをほめまつれ ヱホバをおそるるものよヱホバをほめまつれ 21 ヱルサレムにすみたまふヱホバはシオンにてほめまつるべきかな ヱホバをほめたたへよ

第136篇

1 ヱホバに感謝かんしやせよヱホバはめぐみふかし その憐憫あはれみはとこしへにたゆることなければなり 2 もろもろのかみかみにかんしやせよ その憐憫あはれみはとこしへにたゆることなければなり 3 もろもろのしゆしゆにかんしやせよ その憐憫あはれみはとこしへにたゆることなければなり〘841㌻〙 4 ただひとりおほいなるくしわざなしたまふものに感謝かんしやせよ その憐憫あはれみはとこしへにたゆることなければなり 5 智慧󠄄ちゑをもてもろもろのてんをつくりたまへるものに感謝かんしやせよ そのあはれみはとこしへにたゆることなければなり 6 みづのうへにしきたまへるものに感謝かんしやせよ そのあはれみは永遠󠄄とこしへにたゆることなければなり 7 巨󠄃大おほいなるひかりをつくりたまへるものにかんしやせよ その憐憫あはれみはとこしへにたゆることなければなり 8 ひるをつかさどらするためにをつくりたまへるものにかんしやせよ その憐憫あはれみはとこしへにたゆることなければなり 9 よるをつかさどらするためにつきともろもろのほしとをつくりたまへるものにかんしやせよ その憐憫あはれみはとこしへにたゆることなければなり 10 もろもろの首出うひごをうちてエジプトをせめたまへるものに感謝かんしやせよ そのあはれみは永遠󠄄とこしへにたゆることなければなり 11 イスラエルを率󠄃ひきゐてエジプトびとのなかよりいだしたまへるものにかんしやせよ そのあはれみはとこしへにたゆることなければなり 12 かひなをのばしつよきみてをもてこれをひきいだしたまへるものにかんしやせよ その憐憫あはれみはとこしへにたゆることなければなり
 1094㌻ 
13 こうかいをふたつに分󠄃わけたまへるものにかんしやせよ その憐憫あはれみはとこしへにたゆることなければなり 14 イスラエルをしてそのなかをわたらしめたまへるものに感謝かんしやせよ そのあはれみは永遠󠄄とこしへにたゆることなければなり 15 パロとその軍兵つはものとをこうかいのうちにたふしたまへるものに感謝かんしやせよ そのあはれみは永遠󠄄とこしへにたゆることなければなり 16 そのたみをみちびきてをすぎしめたまへるものにかんしやせよ その憐憫あはれみはとこしへにたゆることなければなり 17 おほいなるわうたちをうちたまへるものに感謝かんしやせよ そのあはれみは永遠󠄄とこしへにたゆることなければなり 18 ある王等わうたちをころしたまへるものにかんしやせよ その憐憫あはれみはとこしへにたゆることなければなり 19 アモリびとのわうシホンをころしたまへるものにかんしやせよ その憐憫あはれみはとこしへにたゆることなければなり 20 バシヤンのわうオグをころしたまへるものに感謝かんしやせよ そのあはれみは永遠󠄄とこしへにたゆることなければなり 21 かれらの嗣業ゆづりとしてあたへたまへるものにかんしやせよ その憐憫あはれみはとこしへにたゆることなければなり 22 そのしもべイスラエルにゆづりとしてこれをあたへたまへるものに感謝かんしやせよ そのあはれみは永遠󠄄とこしへにたゆることなければなり 23 われらが微賤いやしかりしときに記念きねんしたまへるものにかんしやせよ その憐憫あはれみはとこしへにたゆることなければなり〘842㌻〙 24 わがてきよりわれらをたすけいだしたまへるものにかんしやせよ その憐憫あはれみはとこしへにたゆることなければなり 25 すべてのいけるものに食󠄃物くひものをあたへたまふものに感謝かんしやせよ そのあはれみはとこしへにたゆることなければなり 26 てんかみにかんしやせよ その憐憫あはれみはとこしへにたゆることなければなり

第137篇

1 われらバビロンのかはのほとりにすわり シオンをおもひいでてなみだをながしぬ 2 われらそのあたりのやなぎにわがことをかけたり
 1095㌻ 
3 そはわれらをとりこにせしものわれらにうたをもとめたり 我儕われらをくるしむるものわれらにおのれをよろこばせんとて シオンのうたひとつうたへといへり 4 われら外邦とつくににありていかでヱホバのうたをうたはんや 5 エルサレムよもしわれなんぢをわすれなばわがみぎにそのたくみをわすれしめたまへ 6 もしわれなんぢおもひいでず もしわれヱルサレムをわがすべての歡喜よろこびきはみとなさずばわがしたをわがあぎにつかしめたまヘ 7 ヱホバよねがはくはヱルサレムのにエドムの子輩こらがこれを掃除はらひのぞけそのもとゐまでもはらひのぞけといへるを聖󠄄意󠄃みこころにとめたまへ 8 ほろぼさるべきバビロンのむすめよ なんぢがわれらになししごとくなんぢにむくゆるひとはさいはひなるべし 9 なんぢの嬰兒みどりごをとりていはのうへになげうつものはさいはひなるべし

第138篇

[ ダビデのうた ]

1 われはわがこゝろをつくしてなんぢに感謝かんしやし もろもろのかみのまへにてなんぢをほめうたはん 2 われなんぢのきよきみやにむかひてふしをがみ なんぢの仁慈いつくしみとまこととのゆゑによりて聖󠄄名みなにかんしやせん そはなんぢそのみことばをもろもろの聖󠄄名みなにまさりてたかくしたまひたればなり 3 なんぢわがよばはりしにわれにこたへ わが靈魂たましひにちからをあたへて雄々ををしからしめたまへり 4 ヱホバよのすべてのわうはなんぢに感謝かんしやせん かれらはなんぢのくちのもろもろのことばをききたればなり 5 かれらはヱホバのもろもろの途󠄃みちについてうたはん ヱホバの榮光えいくわうおほいなればなり 6 ヱホバはたかくましませどもひくきものを顧󠄃かへりみたまふ されどまたおごれるものを遠󠄄とほきよりしりたまへり 7 たとひわれ患難なやみのなかをあゆむともなんぢわれをふたゝびいかし そのをのばしてわがあたのいかりをふせぎ そのみぎわれをすくひたまふべし 8 ヱホバはわれにかゝはれることを全󠄃まつたうしたまはん ヱホバよなんぢの憐憫あはれみはとこしへにたゆることなしねがはくはなんぢのみてのもろもろの事跡みわざをすてたまふなかれ〘843㌻〙
 1096㌻ 

第139篇

[ 伶長うたのかみにうたはしめたるダビデのうた ]

1 ヱホバよなんぢはわれをさぐりわれをしりたまへり 2 なんぢはわがすわるをもたつをもしり 又󠄂またとほくよりわがおもひをわきまへたまふ 3 なんぢはわがあゆむをもわがふすをもさぐりいだし わがもろもろの途󠄃みちをことごとくしりたまへり 4 そはわがした一言ひとことありともよヱホバよなんぢことごとくしりたまふ 5 なんぢは前󠄃まへよりうしろよりわれをかこみ わがうへにそのみてをおきたまへり 6 かかる知識ちしきはいとくすしくしてわれにすぐ またたかくしておよぶことあたはず 7 われいづこにゆきてなんぢの聖󠄄靈みたまをはなれんや われいづこにゆきてなんぢの前󠄃みまへをのがれんや 8 われてんにのぼるともなんぢかしこにいまし われわがとこ陰府よみにまうくるとも よなんぢ彼處かしこにいます 9 われあけぼののつばさをかりてうみのはてにすむとも 10 かしこにてなほなんぢのみてわれをみちびきなんぢのみぎのみてわれをたもちたまはん 11 暗󠄃くらきはかならすわれをおほひ われをかこめるひかりとならんとわれいふとも 12 なんぢのみまへには暗󠄃くらきものをかくすことなく よるもひるのごとくにかゞやけり なんぢにはくらきもひかりもことなることなし 13 なんぢはわがはらわたをつくり 又󠄂またわがははのたいにわれをくみなしたまひたり 14 われなんぢに感謝かんしやす われはおそるべくくすしくつくられたり なんぢの事跡みわざはことごとくくすし わが靈魂たましひはいとつばらにこれをしれり 15 われかくれたるところにてつくられ底所󠄃そこべにてたへにつづりあはされしとき わがほねなんぢにかくるることなかりき 16 わがむくろいまだ全󠄃またからざるに なんぢのみめははやくよりこれをみ 日々ひに〳〵かたちづくられしわが百體ひやくたいひとつだにあらざりしときに ことごとくなんぢのふみにしるされたり 17 かみよなんぢのもろもろの思念みおもひはわれにたふときこといかばかりぞや そのみおもひの總計すべくくりはいかにおほきかな
 1097㌻ 
18 われこれをかぞへんとすれどもそのかずはすなよりもおほし われさむるときもなほなんぢとともにをる 19 かみよなんぢはかならず惡者あしきものをころしたまはん さればをながすものよわれをはなれされ 20 かれらはあしき企圖くはだてをもてなんぢにさからひてものいふ なんぢのあたはみだりに聖󠄄名みなをとなふるなり 21 ヱホバよわれはなんぢをにくむものをにくむにあらずや なんぢに逆󠄃さからひておこりたつものをいとふにあらずや 22 われいたくかれらをにくみてわがあたとす 23 かみよねがはくはわれをさぐりてわがこゝろをしり われをこころみてわがもろもろの思念おもひをしりたまへ〘844㌻〙 24 ねがはくはわれによこしまなる途󠄃みちのありやなしやをて われを永遠󠄄とこしへのみちに導󠄃みちびきたまへ

第140篇

[ 伶長うたのかみにうたはしめたるダビデのうた ]

1 ヱホバよねがはくは惡人あしきひとよりわれをたすけいだし われをまもりて强暴人あらぶるものよりのがれしめたまへ 2 かれらはこゝろのうちに殘害󠄅そこなひをくはだて たえず戰鬪たたかひをおこす 3 かれらはへびのごとくおのがしたとくす そのくちびるのうちにまむしどくあり セラ 4 ヱホバよねがはくはわれをたもちてあしきひとのよりのがれしめ われをまもりてわがあしをつまづかせんとはかるあらぶるひとよりのがれしめたま 5 たかぶるものはわがためにわなつなとをふせ みちのほとりにあみをはり かつおしをまうけたり セラ 6 われヱホバにいへらくなんぢはわがかみなり ヱホバよねがはくはわがいのりのこゑをききたま 7 わがすくひのちからなるしゆかみよ なんぢはたたかひのにわがかうべをおほひたまへり 8 ヱホバよあしきひとのねがひのままにすることをゆるしたまふなかれ そのあしき企圖くはだてをとげしめたまふなかれ おそらくは彼等かれらみづからほこらん セラ 9 われをかこむもののかうべはおのれのくちびるの殘害󠄅そこなひにおほはるべし 10 もえたるすみはかれらのうへにおち かれらはになげいれられ ふかき穴󠄄あなになげいれられてふたゝびおきいづることあたはざるべし
 1098㌻ 
11 あしきことをいふものはにたてられず あらくぶるものはわざはひに追󠄃及おひしかれてたふさるべし 12 われはくるしむもののうたへとまづしきもののとをヱホバのまもりたまふを 13 義者ただしきものはかならず聖󠄄名みなにかんしやしなほきものはみまへに住󠄃すま

第141篇

[ ダビデのうた ]

1 ヱホバよわれなんぢをよばふ ねがはくは速󠄃すみやかにわれにきたりたまへ われなんぢをよばふときわがこゑみゝをかたぶけたまへ 2 われは薫物たきもののごとくにわがいのりをみまへにささげ ゆふべのそなへもののごとくにわがをあげて聖󠄄前󠄃みまへにささげんことをねがふ 3 ヱホバよねがはくはわがくち門守かどもりをおきて わがくちびるのをまもりたまへ 4 あしきことにわがこころをかたぶかしめて邪曲よこしまをおこなふものとともにあしきわざにあづからしめたまふなかれ 又󠄂またかれらの珍饈うまきものをくらはしめたまふなかれ 5 義者ただしきものわれをうつともわれはこれをいつくしみとしそのわれをせむるをかしらのあぶらとせん わがかしらはこれをいなまず かれらが禍害󠄅わざはひにあふときもわがいのりはたえじ 6 その審士さばきびとははほのがけになげられん かれらわがことばの甘美あまきによりてきくことをすべし〘845㌻〙 7 ひとつちをたがへしうがつがごとく我儕われらのほねははかのくちにちらさる 8 されどしゆヱホバよわがはなほなんぢにむかふ われなんぢに依賴よりたのめり ねがはくはわが靈魂たましひをともしきままにすておきたまなかれ 9 われをまもりてかれらがわがためにまうくるわなとよこしまをおこなふもののおしとをまぬかれしめたまへ 10 われは全󠄃またくのがれん あしきものをおのれのあみにおちいらしめたまへ

第142篇

[ ダビデがほらにありしときよみたるをしへのうたなりいのりなり ]

1 われこゑをいだしてヱホバによばはり こゑをいだしてヱホバにこひもとむ 2 われはその聖󠄄前󠄃みまへにわが歎息なげきをそそぎいだし そのみまへにわが患難なやみをあらはす
 1099㌻ 
3 わが靈魂たましひわがうちにきえうせんとするときもなんぢわがみちをしりたまへり ひとわれをとらへんとてわがゆくみちにわなをかくせり 4 ねがはくはわがみぎのをそそぎてたまへ 一人ひとりだにわれをしるものなし われには避󠄃所󠄃さけどころなくまたわが靈魂たましひをかへりみるひとなし 5 ヱホバよわれなんぢをよばふ われいへらくなんぢはわがさけどころ有生いけるものにてわがうべき分󠄃ものなりと 6 ねがはくはわが號呼さけびにみこころをとめたまへ われいたくひくくせられたればなり われをせむるものよりたすけいだしたまへ 彼等かれらはわれにまさりてつよければなり 7 ねがはくはわがたましひを囹圄ひとやよりいだし われに聖󠄄名みな感謝かんしやせしめたまへ なんぢゆたかにわれをあしらひたまふべければ 義者ただしきものわれをめぐらん

第143篇

[ ダビデのうた ]

1 ヱホバよねがはくはわがいのりをきき わが懇求ねがひにみみをかたぶけたまへ なんぢの眞實まことなんぢの公義ただしきをもてわれにこたへたまへ 2 なんぢのしもべの審判󠄄さばきにかかつらひたまふなかれ そはいけるもの一人ひとりだにみまへにとせらるるはなし 3 あたはわがたましひを迫󠄃めわが生命いのちにうちすて しにてひさしくたるもののごとくわれをくらき所󠄃ところにすまはせたり 4 又󠄂またわがたましひはわがうちにきえうせんとし わがこゝろはわがうちにあれさびれたり 5 われはいにしへのをおもひいで なんぢのおこなひたまひし一切すべてのことをかんがへ なんぢのみてのみわざをおもふ 6 われなんぢにむかひてわがをのべ わがたましひはかわきおとろへたるのごとくなんぢをしたへり セラ 7 ヱホバよ速󠄃すみやかにわれにこたへたまへ わが靈魂たましひはおとろふ われに聖󠄄顏みかほをかくしたまふなかれ おそらくはわれ穴󠄄あなにくだるもののごとくならん〘846㌻〙 8 朝󠄃あしたになんぢの仁慈いつくしみをきかしめたまへ われなんぢによりたのめばなり わがあゆむべき途󠄃みちをしらせたまへ われわが靈魂たましひをなんぢにあぐればなり
 1100㌻ 
9 ヱホバよねがはくはわれをわがあたよりたすけいだしたまへ われかくれんとしてなんぢにはしりゆく 10 なんぢはわがかみなり われに聖󠄄旨みむねをおこなふことををしへたまへ めぐみふかき聖󠄄靈みたまをもてわれをたひらかなるくににみちびきたまへ 11 ヱホバよねがはくは聖󠄄名みなのためにわれをいかし なんぢのによりてわがたましひを患難なやみよりいだしたまへ 12 又󠄂またなんぢの仁慈いつくしみによりてわがあたをたち 靈魂たましひをくるしむるものをことごとくほろぼしたまへ そはわれなんぢのしもべなり

第144篇

[ ダビデのうた ]

1 いくさすることをわがにをしへ たたかふことをわがゆびにをしへたまふ わがいはヱホバはほむべきかな 2 ヱホバはわが仁慈いつくしみわがしろなり わがたかきやぐらわれをすくひたまふものなり わがたてわが依賴よりたのむものなり ヱホバはわがたみをわれにしたがはせたまふ 3 ヱホバよひとはいかなるものなればこれをしり ひとはいかなるものなればこれをみこころにとめたまふや 4 ひと氣息いきにことならず そのながらふるはすぎゆくかげにひとし 5 ヱホバよねがはくはなんぢのてんをたれてくだり みてやまにつけてけぶりをたたしめたまへ 6 電光いなづまをうちいだして彼等かれらをちらし なんぢのをはなちてかれらをやぶりたまへ 7 うへよりみてをのべわれをすくひて 大水おほみづより外人あだしびとよりたすけいだしたまへ 8 かれらのくちはむなしきことをいひ そのみぎはいつはりのみぎのなり 9 かみよわれなんぢにむかひてあらたらしきうたをうたひ 十絃とををことにあはせてなんぢをほめうたはん 10 なんぢはわうたちにすくひをあたへ しもべダビデをわざはひのつるぎよりすくひたまふかみなり 11 ねがはくはわれをすくひて外人あだしびとよりたすけいだしたまへ かれらのくちはむなしきことをいひ そのみぎはいつはりのみぎのなり
 1101㌻ 
12 われらの男子をのこごはとしわかきときそだちたる草木くさきのごとくわれらの女子おみなごみやのふりにならひてきざみいだししすみいしのごとくならん 13 われらのくらはみちたらひてさまざまのものをそなへ われらのひつじにて千萬ちよろずをうみ 14 われらの牡牛をうしはよくものをおひ われらのちまたにはせめいることなくまたおしいづることなくさけぶこともなからん 15 かかるさまたみはさいはひなり ヱホバをおのがかみとするたみはさいはひなり〘847㌻〙

第145篇

[ ダビデの讃美さんびのうた ]

1 わがかみわうよわれなんぢをあがめ かぎりなく聖󠄄名みなをほめまつらん 2 われごとになんぢをほめ世々よゝかぎりなく聖󠄄名みなをほめたゝへん 3 ヱホバはおほいにましませばいともほむべきかな そのおほいなることは尋󠄃たづねしることかたし 4 このはかのにむかひてなんぢの事跡みわざをほめたたへ なんぢの大能たいのうのはたらきをのべつたへん 5 われなんぢのほまれの榮光えいくわうある稜威みいづとなんぢのくすしきみわざとをふかくおもはん 6 ひとはなんぢのおそるべき動作はたらきのいきほひをかたり われはなんぢのおほいなることをのべつたへん 7 かれらはなんぢのおほいなるめぐみあとをいひいで なんぢのをほめうたはん 8 ヱホバはめぐみふかく憐憫あはれみみち またいかりたまふことおそく憐憫あはれみおほいなり 9 ヱホバはよろづのものにめぐみあり そのふかき憐憫あはれみはみわざのうへにあまねし 10 ヱホバよなんぢのすべての事跡みわざはなんぢに感謝かんしやし なんぢの聖󠄄徒せいとはなんぢをほめん 11 かれらは御國みくにのえいくわうをかたりなんぢのみちからをのべつたへて 12 その大能たいのうのはたらきとそのみくにの榮光えいくわうあるみいづとをひと子輩こらにしらすべし 13 なんぢのくにはとこしへのくになり なんぢの政治まつりごとはよろづにたゆることなし 14 ヱホバはすべてたふれんとするものをささへ かがむものをなほくたたしめたまふ
 1102㌻ 
15 よろづのもののはなんぢをまち なんぢはときにしたがひてかれらにかてをあたへたま 16 なんぢみてをひらきてもろもろのいけるものの願望󠄇ねがひをあかしめたまふ 17 ヱホバはそのすべての途󠄃みちにただしく そのすべての作爲みわざにめぐみふかし 18 すべてヱホバをよぶもの まことをもてこれをよぶものに ヱホバは近󠄃ちかくましますなり 19 ヱホバはおのれをおそるるものの願望󠄇ねがひをみちたらしめ その號呼さけびをききてこれをすくひたまふ 20 ヱホバはおのれをいつくしむものをすべてまもりたまへど 惡者あしきものをことごとくほろぼしたまはん 21 わがくちはヱホバの頌美ほまれをかたり よろづのたみ世々よゝかぎりなくそのきよきみなをほめまつるべし

第146篇

1 ヱホバを讃稱ほめたたへよ わがたましひよヱホバをほめたたへよ 2 われいけるかぎりはヱホバをほめたたへ わがながらふるほどはわがかみをほめうたはん 3 もろもろのきみによりたのむことなく ひとによりたのむなかれ かれらにたすけあることなし 4 その氣息いきいでゆけばかれつちにかへる そのかれがもろもろの企圖くはだてはほろびん 5 ヤコブのかみをおのがたすけとしその望󠄇のぞみをおのがかみヱホバにおくものはさいはひなり〘848㌻〙 6 はあめつちとうみとそのなかなるあらゆるものを造󠄃つくり とこしへに眞實まことをまもり 7 虐󠄃しへたげらるるもののために審判󠄄さばきをおこなひ ゑたるものに食󠄃物くひものをあたへたまふかみなり ヱホバはとらはれたるひとをときはなちたまふ 8 ヱホバはめしひのをひらき ヱホバはかがむものをなほくたたせ ヱホバはたゞしきものをいつくしみたまふ 9 ヱホバは他邦人あだしくにびとをまもり 孤子みなしご寡婦󠄃やもめとをささへたまふ されどあしきもののみちはくつがへしたまふなり 10 ヱホバはとこしへに統治すべをさめめたまはん シオンよなんぢのかみはよろづまで統治すべをさめたまはん ヱホバをほめたたへよ
 1103㌻ 

第147篇

1 ヱホバをほめたたへよ われらのかみをほめうたふはよきことなりたのしきことなり たゝへまつるはよろしきに適󠄄かなへり 2 ヱホバはヱルサレムをきづきイスラエルのさすらへるものをあつめたまふ 3 ヱホバはこゝろのくだけたるものをいやしそのきずをつつみたまふ 4 ヱホバはもろもろのほしかずをかぞへてすべてこれにをあたへたまふ 5 われらのしゆはおほいなりその能力ちからもまたおほいなりその智慧󠄄ちゑはきはまりなし 6 ヱホバは柔和にうわなるものをささへあしきものをにひきおとしたま 7 ヱホバに感謝かんしやしてうたへことにあはせてわれらのかみをほめうたヘ 8 ヱホバはくもをもててんをおほひのためにあめをそなへ もろもろのやまくさをはえしめ 9 くひものをけものにあたへまたなくがらすにあたへたまふ 10 ヱホバはむまのちからをよろこびたまはず ひとあしをよみしたまはず 11 ヱホバはおのれをおそるるものと おのれの憐憫あはれみをのぞむものとをよみしたまふ 12 ヱルサレムよヱホバをほめたたへよ シオンよなんぢのかみをほめたたへよ 13 ヱホバはなんぢのもん關木くわんのきをかたうし なんぢのうちなる子輩こらをさきはひたまひたればなり 14 ヱホバはなんぢのすべてのさかひにやはらぎをあたへ いとよきむぎをもてなんぢをあかしめたまふ 15 ヱホバはそのいましめをにくだしたまふ その聖󠄄言みことばはいとすみやかにはしる 16 ヱホバは雪󠄃ゆきをひつじののごとくふらせしも灰󠄃はひのごとくにまきたまふ 17 ヱホバはこほりをつちくれのごとくになげうちたまふ たれかその寒冷さむさにたふることをえんや 18 ヱホバ聖󠄄言みことばをくだしてこれを消󠄃とかし そのかぜをふかしめたまへばもろもろのみづはながる 19 ヱホバはそのみことばをヤコブにしめし そのもろもろの律法おきてとその審判󠄄さばきとをイスラエルにしめしたまふ 20 ヱホバはいづれのくにをも如此かくあしらひたまひしにあらず ヱホバのもろもろの審判󠄄さばきをかれらはしらざるなり ヱホバをほめたたへよ〘849㌻〙
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第148篇

1 ヱホバをほめたたへよ もろもろのてんよりヱホバをほめたたへよ もろもろのたかき所󠄃ところにてヱホバをほめたたへよ 2 その天使みつかひよみなヱホバをほめたたへよ その萬軍ばんぐんよみなヱホバをほめたたへよ 3 つきよヱホバをほめたたへよ ひかりのほしよみなヱホバをほめたたへよ 4 もろもろのてんのてんよ てんのうへなるみづよ ヱホバをほめたたへよ 5 これらはみなヱホバの聖󠄄名みなをほめたたふべし そはヱホバめいじたまひたればかれらは造󠄃つくられたり 6 ヱホバまたこれをいやとほながにたてたまひたり 又󠄂またすぎうすまじき詔命みことのりをくだしたまへり 7 龍󠄇たつよ すべてのふちよりヱホバをほめたたへよ 8 あられ雪󠄃ゆききりよみことばにしたがふ狂風あらし 9 もろもろのやまもろもろのをかをむすぶすべての香柏かうはく 10 けものもろもろの牲畜けだものはふものつばさあるとり 11 わうたち もろもろのたみ 諸侯きみたちのもろもろの審士さばきびと 12 わかきをのこ わかきをみな おいたるひと をさなきものよ 13 みなヱホバの聖󠄄名みなをほめたたふべし その聖󠄄名みなはたかくしてたぐひなく そのえいくわうはよりもてんよりもうへにあればなり 14 ヱホバはそのたみのためにひとつのつのをあげたまへり こはそもろもろの聖󠄄徒せいとのほまれ ヱホバにちかきたみなるイスラエルの子輩こらのほまれなり ヱホバを讃稱ほめたたへよ

第149篇

1 ヱホバをほめたたへよ ヱホバにむかひてあたらしきうたをうたへ 聖󠄄徒せいとのつどひにてヱホバの頌美ほまれをうたへ 2 イスラエルはおのれを造󠄃つくりたまひしものをよろこび シオンの子輩こらおのわうのゆゑによりてたのしむべし 3 かれらをどりつつその聖󠄄名みなをほめたたへ ことつづみにてヱホバをほめうたべし 4 ヱホバはおのがたみをよろこび すくひにて柔和にうわなるものをうるはしくしたまへばなり
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5 聖󠄄徒せいとはえいくわうのゆゑによりてよろこび その寢牀ふしどにてよろこびうたふべし 6 そのくちかみをほむるうたあり そのにもろはのつるぎあり 7 こはもろもろのくにあたをかへし もろもろのたみをつみなひ 8 かれらのわうたちをくさりにてかれらの貴人きにんをくろかねのかせにていましめ 9 しるしたる審判󠄄さばきをかれらにおこなふべきためなり かゝるほまれはそのもろもろの聖󠄄徒せいとにあり ヱホバをほめたたへよ

第150篇

1 ヱホバをほめたたへよ その聖󠄄所󠄃せいじよにてかみをほめたたへよ その能力みちからのあらはるる穹蒼おほぞらにてかみをほめたたへよ 2 その大能たいのうのはたらきのゆゑをもてかみをほめたたへよ そのひいでておほいなることのゆゑによりてヱホバをほめたたへよ〘850㌻〙 3 ラッパのこゑをもてかみをほめたたへよ さうこととをもてかみをほめたたへよ 4 つづみと蹈舞をどりとをもてかみをほめたたへよ 絃簫いとたけをもてかみをほめたたへよ 5 音󠄃のたかき鐃鈸ねうはちをもてかみをほめたたへよ なりひびく鐃鈸ねうはちをもてかみをほめたたへよ 6 氣息いきあるものはみなヤハをほめたたふべし なんぢらヱホバをほめたたへよ〘851㌻〙
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