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〘321㌻〙

第1章

1 これはモーセがヨルダンの此旁こなた曠野あらの紅海こうかいたいする平󠄃野ひらのありてバラン、トベル、ラバン、ハゼロテ、デザハブのあひだにてイスラエルの一切すべてひとつげたる言語ことばなり 2 ホレブよりセイルやまみちてカデシバルネアにいたるには十一日路にちぢあり 3 だい四十ねんの十一ぐわつにいたりそのつき一日ついたちにモーセはイスラエルの子孫ひと〴〵にむかひてヱホバが彼等かれらのために自己おのれさづけたまひし命令めいれいこと〴〵つげたり 4 これはモーセがヘシボンに住󠄃すめるアモリびとわうシホンおよびエデレイのアシタロテに住󠄃すめるバシヤンのわうオグをころしたるのちなりき 5 すなはちモーセ、ヨルダンの此旁こなたなるモアブのにおいてこの律法おきて解明ときあかすことをはじめたりいは 6 われらのかみヱホバ、ホレブにてわれらにつげいひたまへりなんぢらはこのやまをることすでにひさ 7 なんぢめぐらして途󠄃みち進󠄃すゝみアモリびとやまそれとなれる處々ところ〴〵平󠄃野ひらの 山地やまち 窪地くぼち みなみ 海邊うみべ カナンびとレバノンおよび大河おほかはユフラテがはいた 8 われこのなんぢらの前󠄃まへおけいりてこのこれはヱホバがなんぢらの先祖せんぞアブラハム、イサク、ヤコブにちかひてこれかれらとそののち子孫しそんあたへんといひたまひしものなりと

9 彼時かのときわれなんぢらにかたりていへわれ一人ひとりにてはなんぢらをわがとして負󠄅おふことあたはず 10 なんぢらのかみヱホバなんぢらを衆多おほくならしめたまひたればなんぢ今日こんにち天空󠄃そらほしのごとくにおほ 11 ねがはくはなんぢらの先祖せんぞかみヱホバなんぢらをしていまあるよりは千ばいおほくならしめ又󠄂またなんぢらに約束やくそくせしごとくなんぢらを祝福めぐみたまはんことを 12 われ一人ひとりにてはいかなんぢらをわがとなしまたなんぢらの重負󠄅おもになんぢらの爭競あらそひあたることをんや 13 なんぢらの支派わかれうちより智慧󠄄ちゑあり知識ちしきありてひとしられたる人々ひと〴〵えらわれこれをなんぢらの首長をさとなさんと 14 ときなんぢこたへていへなんぢいふところのことなすしと
 321㌻ 
15 こゝをもてわれなんぢらの支派わかれ首長をさなる智慧󠄄ちゑありてひとしられたる者等ものどもとりなんぢらの首長をさとなせりすなはこれをもて千にんかしらにんかしら五十にんかしらにんかしらとなしまたなんぢらの支派わかれうち官吏つかさびととなせり 16 また彼時かのときわれなんぢらの士師さばきびとたちめいじていへなんぢらその兄弟きやうだいうち訴訟うつたへ此人このひと彼人かのひとあひだたゞし審判󠄄さばくべし他國よそぐにひとにおいてもしか 17 なんぢひと審判󠄄さばきすべからずちひさものにもおほいなるものにもきくべしひとおもておそるべからず審判󠄄さばきかみことなればなりなんぢらにおいて斷定さだめがたきことわれもちきたれわれこれをきか〘245㌻〙 18 われかのときなんぢらのなすべきことをことごとくなんぢらにめいじたりき

19 我等われらかみヱホバの我等われらめいじたまひしごとくに我等われらはホレブよりいでたちなんぢらがしれるかのおほいなるおそろしき曠野あらの通󠄃とほりアモリびとやまさしてガデシバルネアにいたれり 20 ときわれなんぢらにいへなんぢらはわれらのかみヱホバのわれらにあたへたまへるアモリびとやまいたれり 21 なんぢかみヱホバこのなんぢ前󠄃まへおきたまふなんぢ先祖せんぞかみヱホバのなんぢいひたまふごとくのぼゆきてこれをおそるゝなかれ猶豫ためらふなかれと 22 なんぢらみなわれ近󠄃ちかよりていへ我等われらひとわれらのさき遣󠄃つかはしてその伺察うかゞはしめかれらをして返󠄄かへりなに途󠄃みちよりのぼるべきかなに邑々まち〳〵いるべきかをわれらにつげしめんと 23 このことばわがよしみえければわれなんぢらのうちより十二にんものとれすなはひとつ支派わかれより一人ひとりづゝなりき 24 彼等かれら前󠄃すゝみゆきてやまのぼりエシコルのたににいたりこれうかゞ 25 その菓物くだものとりてわれらのもともちくだりわれらに復命かへりごとしていへ我等われらかみヱホバの我等われらあたへたまへるよきなりと

26 しかるに汝等なんぢらのぼゆくことをこのまずしてなんぢらのかみヱホバの命令めいれいそむけり 27 すなはちなんぢらそのてんまくにてつぶやきていへりヱホバわれらをにくむがゆゑわれらをアモリびとわたしてほろぼさんとてエジプトのくによりわれらを導󠄃みちびいだせり 28 我等われら何方いづくゆくべきやわれらの兄弟きやうだいたちふそのたみわれらよりもおほいにして身長たけたかく邑々まち〳〵おほいにしてその石垣いしがきてん達󠄃いたわれらまたアナクの子孫しそん其處そこたりとかくいひてわれらのくじけりと
 322㌻ 
29 ときわれなんぢらにいへおづなかおそるゝなかれ 30 なんぢらにさきだゆきたまふなんぢらのかみヱホバ、エジプトにおいてなんぢらのためなんぢらの前󠄃まへにてもろ〳〵ことをなしたまひしごといままたなんぢらのためにたゝかひたまはん 31 曠野あらのにおいてはなんぢまたなんぢかみヱホバがひとのそのいだくがごとくになんぢいだきたまひしをたりなんぢらが此處このところにいたるまでそのみちすがらつねしかありしなりと 32 このことをなせどもなんぢらはなほそのかみヱホバをしんぜざりき 33 ヱホバは途󠄃みちにありてはなんぢらにさきだちゆきてなんぢらがえいはるべきところ尋󠄃たづよるうちにありひるくもうちにありてなんぢらのゆくべき途󠄃みちしめしたまへるものなり

34 ヱホバなんぢらの言語ことばこゑきゝいかちかひいひたまひけらく 35 このあし人々ひと〴〵うちにはなんぢらの先祖せんぞたちあたへんとちかひしかのよきもの一人ひとりあらざるべし〘246㌻〙 36 たゞヱフンネのカルブのみこれることをかれふみたりしをもてわれかれとかれの子孫しそんあたふべしかれまったくヱホバにしたがひたればなり 37 ヱホバまたなんぢらのゆゑをもてわれをもいかりいひたまへりなんぢもまた彼處かしこいることを 38 なんぢ前󠄃まへはべるヌンのヨシユアかしこにいるべしかれちからをつけよかれイスラエルをしてこれしむべし 39 また汝等なんぢらかすめられんといひたりしそのなんぢらの子女こどもおよび當日そのひになほよしあしわきまへざりしなんぢらの幼兒をさなごどもかれすなはちかしこにいるべしわれこれをかれらにあたへてさすべし 40 なんぢらはをめぐらし紅海こうかい途󠄃みちより曠野あらの進󠄃すゝみいるべしと

41 しかるになんぢこたへわれにいへり我等われらはヱホバにむかひてつみをかせりさればわれらのかみヱホバのすべわれらにめいじたまへるがごとくわれのぼりゆきてたゝかはんとなんぢらおのおの武器ぶきおび輕々かる〴〵しくやまのぼらんとせり 42 ときにヱホバわれにいひたまひけるはなんぢかれらになんぢのぼりゆくなかれ又󠄂またたゝかふなかれわれなんぢらの中間うちをらざればなりなんぢおそらくはそのてき打敗うちやぶられんと
 323㌻ 
43 われかくなんぢらにつげたるになんぢきかずしてヱホバの命令めいれいそむ自檀ほしいまゝやまのぼりたりしが 44 そのやま住󠄃すめるアモリびと汝等なんぢらにむかひていできたりはちおふがごとくになんぢらをおひちらしなんぢらをセイルに打敗うちやぶりてホルマにおよべり 45 かゝりしかばなんぢら還󠄃かへりきたりてヱホバの前󠄃まへきたりしがヱホバなんぢらのこゑきゝたまはずなんぢらにみゝかたむけたまはざりき 46 こゝをもてなんぢらはひさしくカデシにをれりなんぢらが其處そこをりたるかずのごとし

第2章

1 かくわれらはめぐらしヱホバのわれめいじたまへるごと紅海こうかい途󠄃みちより曠野あらの進󠄃すゝみいりてひさしくセイルやまあゆめぐりたりしが 2 ヱホバつひにわれつげいひたまはく 3 汝等なんぢらはこのやまゆきめぐることすでひさいまよりはきためぐりて進󠄃すゝ 4 なんぢまたたみめいじてなんぢらはセイルに住󠄃すめるヱサウの子孫しそんなるなんぢらの兄弟きやうだい境界さかひ通󠄃とほらんとすかれらはなんぢらをおそれんなんぢふかみづかつゝしむべし 5 かれらをせむなかかれらのあしうらふむほどをもなんぢらにあたへじわれセイルやまをエサウにあたへて產業さんげふとなさしめたればなり 6 なんぢかねをもてかれらより食󠄃物くひものかひ食󠄃くらひまたかねをもてかれらよりみづをもとめて 7 なんぢかみヱホバなんぢなすところのもろ〳〵ことにおいてなんぢをめぐみなんぢがこのおほいなる曠野あらの通󠄃とほるをそなはしたまへりなんぢかみヱホバこの四十ねんのあひだなんぢとともにいましたればなんぢとぼしき所󠄃ところあらざりしなり 8 われらつひにセイルやま住󠄃すめるエサウの子孫しそんなるわれらの兄弟きやうだいはなれてアラバのみち通󠄃とほりエラテとエジオンゲベルを
   めぐりてモアブの曠野あらのみち進󠄃すゝみいれり〘247㌻〙
9 ときにヱホバわれにいひたまひけるはモアブびとをなやますなかれまたこれせめたゝかふなかれかれらのをばわれなんぢらの產業さんげふあたへじわれロトの子孫しそんにアルをあたへて產業さんげふとなさしめたればなりと
 324㌻ 
10むかしエミびとこゝに住󠄃すめ是民このたみおほいにしてかずおほくアナクびとのごとくに身長たけたかかり 11 アナクびととおなじくレパイムとよびなされたりしがモアブびとはこれをエミびととよべり 12 ホリびともまたむかしセイルに住󠄃すみをりしがエサウの子孫しそんこれを逐󠄃おひほろぼこれにかはりて其處そこ住󠄃すめりイスラエルがヱホバにたまはりしその產業さんげふになせるがごとし) 13 こゝ汝等なんぢらいまたちあがりゼレデがはわたれとありければわれらすなはちゼレデがはわたれり 14 カデシバルネアをいでてよりゼレデがはわたるまでのあひだは三十八ねんにしてその軍人いくさびとはみなうせはてえいちうにあらずなりぬヱホバのかれらにちかひたまひしごと 15 まことにヱホバをもてこれめこれをえいちうよりほろぼしたまひければ終󠄃つひにみなうせはてたり

16 かく軍人いくさびとみなそのたみうちより死亡しにうせたるときにあたりて 17 ヱホバわれつげいひたまひけらく 18 なんぢ今日けふモアブのさかひなるアルを通󠄃とほらんとす 19 なんぢアンモンの子孫しそん近󠄃ちかづときこれをなやますなかこれせむるなかれアンモンの子孫しそんわれこれをなんぢらの產業さんげふあたへじわれこれをロトの子孫しそんにあたへて產業さんげふとなさしめたればなり 20これもまたレパイムのくにとよびなされたりむかしレパイムこゝに住󠄃すみゐたればなりアンモンびとはかれらをザムズミびととよべり 21 このたみおほいにしてかずおほくアナクびとのごとくに身長たけたかかりしがヱホバ、アンモンびと前󠄃まへこれほろぼしたまひたればアンモンびとこれを逐󠄃おひはらひてこれにかはりて住󠄃すめ 22 そのことはセイルに住󠄃すめるエサウの子孫しそん前󠄃まへにホリびとほろぼしたまひしがごとかれらはホリびと逐󠄃おひはらひこれにかはりて今日こんにちまで其處そこ住󠄃すみをるなり 23 カフトルよりいでたるカフトリびとはまたかの村々むら〳〵住󠄃すまひてガザにまでいたるところのアビびとほろぼしこれにかはりて其處そこる) 24 なんぢ起󠄃たちあがり進󠄃すゝみてアルノンがはわたわれヘシボンのわうアモリびとシホンとこれがくになんぢらのわた進󠄃すゝんでこれかれせめたゝか
 325㌻ 
25 今日けふわれいつてん國人くにびとなんぢなんぢおそれしめんかれらはなんぢ名聲きこえきゝふるなんぢためこゝろくるしめんと
〘248㌻〙
26 こゝわれケデモテの曠野あらのよりヘシボンのわうシホンに使者つかひをおくり和好やはらぎことば述󠄃のべしめたりいは 27 われなんぢくに通󠄃とほらしめよわれ大路おほぢ通󠄃とほりてゆかみぎにもひだりにもまがらじ 28 なんぢかねをとりて食󠄃物くひものわれうり食󠄃くらはせかねをとりてみづわれにあたへてのませよわれはたゞ徒步かちにて通󠄃とほらんのみ 29 セイルに住󠄃すめるエサウの子孫しそんとアルに住󠄃すめるモアブびととがわれになしたるごとくせよしかせばわれはヨルダンをわたりてわれらのかみヱホバのわれらにたまひしにいたらんと 30 しかるにヘシボンのわうシホンはわれらの通󠄃とほることをゆるさゞりきなんぢかみヱホバかれなんぢわたさんとてその頑梗かたくしそのこゝろ剛愎かたくなにしたまひたればなり今日こんにちるがごと 31 ときにヱホバわれいひたまひけるはわれいまシホンとこれがなんぢあたへんとす進󠄃すゝんでそのなんぢ產業さんげふとせよと 32 こゝにシホンそのたみをことごとく率󠄃ひきゐていできたりヤハヅにおいたゝかひけるが 33 われらのかみヱホバかれをわれらにわたしたまひたればわれらかれとその子等こどもとその一切すべてたみうちころせり 34 そのときわれらはかれ邑々まち〳〵こと〴〵りその一切すべてまちをとこをんなおよび兒童こどもほろぼして一人ひとりをも遺󠄃のこさゞりき 35 たゞその家畜かちくおよび邑々まち〳〵よりとりたる掠取ぶんどりものわれらこれを自分󠄃おのれものとなせり 36 アルノンの河邊かはべのアロエルおよびかはかたはらなるまちよりギレアデにいたるまでわれらの攻取せめとりがたきまちとてはひとつもあらざりきわれらのかみヱホバこれをこと〴〵くわれらにわたしたまへり 37 たゞアンモンの子孫しそんヤボクがは全󠄃ぜんがん山地やまち邑々まち〳〵などすべてわれらのかみヱホバがわれらのゆくきんじたまへるところにはなんぢいたらざりき
 326㌻ 

第3章

1 かくてわれらをめぐらしてバシヤンのみちのぼゆきけるにバシヤンのわうオグそのたみをことごとく率󠄃ひきいでてエデレイにたゝかはんとせり 2 ときにヱホバわれにいひたまひけらくかれおそるゝなかれわれかれとその一切すべてたみとそのとをなんぢわたさんなんぢかのヘシボンに住󠄃すみたるアモリびとわうシホンになせしごとかれなすべしと 3 われらのかみヱホバすなはちバシヤンのわうオグとその一切すべてたみわれらのわたしたまひしかばわれこれうちころして一人ひとりをも遺󠄃のこさゞりき 4 そのときわれらこれが邑々まち〳〵をことごとくとれとらざるまちひとつあらざりきそのとれまちは六十これすなはちアルゴブのにしてバシヤンにおけるオグのくになり 5 この邑々まち〳〵はみなたか石垣いしがきありもんありくわんありて堅固けんごなりきほかにまた石垣いしがきあらざるまちはなはおほくありき 6 われらはヘシボンのわうシホンになせしごとこれほろぼしその一切すべてまちをとこをんなおよび兒童こどもをことごとくほろぼせり〘249㌻〙 7 たゞその一切すべて家畜かちくとその邑々まち〳〵よりの掠取物ぶんどりものとはこれをてわれらのものとなせり 8 そのときわれらヨルダンの此旁こなたをアルノンがわよりヘルモンやままでアモリびとわう二人ふたりよりとれ 9 (ヘルモンはシドンびとこれをシリオンとびアモリびとこれをセニルとぶ) 10 すなはち平󠄃野ひらの一切すべてまちギレアデの全󠄃地ぜんちバシヤンの全󠄃地ぜんちサルカおよびエデレイなどバシヤンにおけるオグのくにをことごとくとれ 11 かのレパイムの遺󠄃のこれるものはバシヤンのわうオグたゞ一人ひとりなりきかれだいてつだいなりきこれいまなほアンモンの子孫しそんのラバにあるにあらずやひとひじによればこれはそのたけ九キユビトそのはゞ四キユビトあり

12 そのときわれらこのたりしがアルノンがはほとりなるアロエルよりのとギレアデの山地やまち半󠄃なかばとそのうち邑々まち〳〵とはわれこれをルベンびととガドびとあたへたり 13 またオグのくになりしギレアデの殘餘のこりとバシヤンの全󠄃地ぜんちとはわれこれをマナセの半󠄃はん支派わかれあたへたりアルゴブの全󠄃地ぜんちすなはちバシヤンの全󠄃體ぜんたいはレパイムのくにとなへらる 14 マナセのヤイルはアルゴブの全󠄃地ぜんちとりてゲシユルの境界さかひとマアカの境界さかひにまでいた自分󠄃おのれにしたがひてバシヤンをハヲテヤイルとなづけたりその今日こんにちにいたる
 327㌻ 
15 またマキルにはわれギレアデをあた 16 ルベンびととガドびとにはギレアデよりアルノンがはまでをあたへそのかは眞中たゞなかをもてさかひとなしまたアンモンの子孫しそんさかひなるヤボクがはにまでいた 17 またアラバおよびヨルダンとそのほとりをキンネレテよりアラバのうみすなはちしほうみまでこれにあたへてひがしかたピスガのふもとにいたる

18 そのときわれなんぢらにめいじていへなんぢらのかみヱホバこのなんぢらにあたへて產業さんげふとなさしめたまへばなんぢ軍人いくさびとをよろひてなんぢらの兄弟きやうだいなるイスラエルの子孫ひと〴〵さきだちてわたりゆくべし 19 たゞなんぢらのつま子女こども家畜かちくなんぢらにあたへしまちとゞまるべしわれなんぢらが衆多おほく家畜かちくもつしるなり 20 ヱホバなんぢらにたまひしごとくなんぢらの兄弟きやうだいにも安息やすみたまひてかれらもまたヨルダンの彼旁かなたにてなんぢらのかみヱホバにたまはるところの產業さんげふとなすにいたらばなんぢらおのおのわがなんぢらにあたへし產業さんげふかへるべし 21 かのときわれヨシユアにめいじていへなんぢはこの二人ふたりわうなんぢらのかみヱホバのおこなひたまふ所󠄃ところことたりヱホバまたなんぢゆくところのもろ〳〵くににもかくのごとくおこなひたまはん 22 なんぢこれをおそるゝなかなんぢらのかみヱホバなんぢらのためにたゝかひたまはんと
〘250㌻〙
23 當時そのときわれヱホバにもとめていへ 24 しゆヱホバよなんぢなんぢおほいなることなんぢつよしもべしめすことをはじめたまへりてんにてもにてもいづれかみよくなんぢのごと事業わざなんぢのごとき能力ちからもたんや 25 ねがはくはわれをしてわたりゆかしめヨルダンの彼旁かなたなるよきよきやまおよびレバノンをみることをさせたまへと 26 しかるにヱホバなんぢらのゆゑをもてわれいかわれきくことをなしたまはずヱホバすなはちわれいひたまひけるはすでたれりこのことかさねわれいふなかれ
 328㌻ 
27 なんぢピスガのいたゞきにのぼりあげ西にし きた みなみ ひがし望󠄇のぞなんぢをもてそのなんぢはヨルダンをわたることをざるべければなり 28 なんぢヨシユアにめいこれちからをつけこれかたうせよはこのたみ率󠄃ひきゐてわたりゆきこれなんぢるところのさするものかれなればなりと 29 かくてわれらはベテペオルにたいするたに

第4章

1 いまイスラエルよなんぢらにをしふる法度のり律法おきてきゝてこれをおこなしかせばなんぢらはいくることをなんぢらの先祖せんぞかみヱホバのなんぢらにたまにいりてこれ產業さんげふとなすをべし 2 なんぢらにめいずることばなんぢらこれをしまたはへらすべからずなんぢらにめいずるなんぢらのかみヱホバの命令めいれいまもるべし 3 なんぢらはヱホバがバアルペオルのことによりておこなひたまひし所󠄃ところたりすなはちバアルペオルにしたがひたる人々ひと〴〵なんぢかみヱホバことごとくこれなんぢらの中間うちよりほろぼさりたまひしが 4 なんぢらのかみヱホバにつきはなれざりし汝等なんぢらはみな今日こんにちまでもいきながらへるなり 5 われはわがかみヱホバのわれめいじたまひしごとくに法度のり律法おきてなんぢらにをしなんぢらをしてそのゆきうるところのにおいてこれおこなはしめんとせり 6 されなんぢこれまもおこなふべししかすること國々くに〴〵たみ前󠄃まへにおいてなんぢらの智慧󠄄ちゑたりなんぢらの知識ちしきたるなりかれらこのもろ〳〵法度のりきゝいはんこのおほいなる國人くにびとかなら智慧󠄄ちゑあり知識ちしきあるたみなりと 7 われらのかみヱホバはわれらがこれによびもとむるにつねわれらに近󠄃ちかいますなりいづれ國人くにびとかくのごとくおほいにしてかみこれに近󠄃ちかいますぞ 8 またいづれ國人くにびとかくのごとくおほいにして今日こんにちなんぢらの前󠄃まへたつるこの一切すべて律法おきてごとたゞしき法度のり律法おきてとをもてるぞ

9 なんぢふかみづかつゝしなんぢこゝろまもおそらくはなんぢそのたることわすれんおそらくはなんぢらの生存いきながらふるうちそれことなんぢこゝろはなれんなんぢそれらのことなんぢなんぢまごをしへよ
 329㌻ 
10 なんぢがホレブにおいてなんぢかみヱホバの前󠄃まへたてにヱホバわれにいひたまひけらくわがためにたみあつめよわれこれにわがことばきかしめこれをしてそのながらふるあひだわれおそるゝことをまなばせまたその子女こどもをしふることをなさしめんとすと〘251㌻〙 11 こゝにおいてなんぢらは前󠄃すゝみよりてやまふもとちけるがやまにてやけてそのほのほなかぞらいた暗󠄃くらくしてくもあり黑雲くろくもふかかりき 12 ときにヱホバなかよりなんぢらにものいひたまひしがなんぢらは言詞ことばこゑきけ而已のみにてこゑほかなにかたちをもざりし 13 ヱホバすなはちその契󠄅約けいやくなんぢらに述󠄃のべなんぢらにこれまもれとめいじたまへりこれすなはち十誡じつかいにしてヱホバこれをふたひらいしいたしるしたまふ 14 かのときにヱホバわれめいじてなんぢらに法度のり律法おきてをしへしめたまへりこれなんぢらにそのゆきうるところのにてこれなさしめんとてなりき

15 ホレブにおいてヱホバなかよりなんぢらにものいひたまひしにはなんぢなにかたちをもざりしなりされなんぢふかみづかつゝし 16 道󠄃みちをあやまりて自己おのれのために偶像ぐうざうきざなかものざうをとこかたちにもあれをんなかたちにもあれすべ造󠄃つくるなかれ 17 すなはうへにをるもろ〳〵けものざう空󠄃そらもろ〳〵とりざう 18 ふもろもろのものざうしたみづなかもろ〳〵うをざうなどすべ造󠄃つくなか 19 なんぢをあげててん望󠄇のぞつき星辰ほしなどすべてん衆群しうぐんいざなはれてこれををがこれつかふるなかこれなんぢかみヱホバがいつてん萬國ばんこく人々ひと〴〵分󠄃わかちたまひしものなり 20 ヱホバなんぢらをなんぢらをてつかまうちすなはちエジプトより導󠄃みちびきいだして自己おのれ產業さんげふたみとなしたまへること今日こんにちのごとし 21 しかるにヱホバなんぢらのゆゑによりてわれいかわれはヨルダンをわたりゆくことをずまたなんぢかみヱホバがなんぢ產業さんげふたまひしそのよきいることをずとちかひたまへり 22 われはこのしなざるをわれはヨルダンをわたりゆくことあたはずなんぢらはわたりゆきてこれ產業さんげふとなすことを
 330㌻ 
23 なんぢみづかつゝしなんぢらのかみヱホバがなんぢらにたてたまひし契󠄅約けいやくわすれてなんぢかみヱホバのきんじたまふ偶像ぐうざうなどすべものざうきざむことをなすなかれ 24 なんぢかみヱホバはやきつく嫉妬ねたむかみなり

25 なんぢまうまごてそのながをるにおよびて道󠄃みちをあやまりて偶像ぐうざうなどすべものざうきざなんぢかみヱホバのあしたまふことをなしてその震怒いかりひきおこすことあらば 26 われ今日けふてんよびあかしとなすなんぢらはかならずそのヨルダンをわたりゆきてたるより速󠄃すみやかに滅亡ほろびうせんなんぢらはそのうへなんぢらのながうするあたはずかならほろびうせん 27 ヱホバなんぢらを國々くに〴〵ちらしたまべしヱホバのなんぢらを逐󠄃おひやりたまふ國々くに〴〵うちなんぢらの遺󠄃のこものはそのかずすくなからん 28 其處そこにてなんぢらはひとわざなるみることもきくことも食󠄃くらふこともかぐこともなきいし神々かみ〴〵つかへん〘252㌻〙 29 たゞしまた其處そこにてなんぢそのかみヱホバをもとむるあらんにこゝろをつくし精神せいしんつくしてこれをもとめなばこれ遇󠄃あは 30 のちにいたりてなんぢ艱難なやみにあひてこのもろもろのことなんぢのぞまんときなんぢもしそのかみヱホバにたちかへりてそのことばにしたがはゞ 31 なんぢかみヱホバは慈悲あはれみあるかみなればなんぢすてなんぢほろぼさずまたなんぢ先祖せんぞちかひたりし契󠄅約けいやくわすれたまはざるべし

32 こゝろみなんぢ前󠄃まへ過󠄃すぎさりしかみうへひと造󠄃つくりたまひしより已來このかたてんこのはてよりかのはてまでにかつかくのごときおほいなることありしやかくのごときこときこえたることありしや 33 かつひとかみなかよりものいこゑなんぢらがきけるごとくにきゝなほいけものありしや 34 なんぢらのかみヱホバがエジプトにおいてなんぢらの前󠄃まへにてなんぢらのためもろ〳〵ことなしたまひしごとかつ試探こゝろみ徴證しるし奇蹟ふしぎ戰爭たゝかひつよのべたるうでおほいなる恐嚇おどしをもてきたりこのたみをかのたみうちよりひきいださんとせしかみありしや
 331㌻ 
35 なんぢにこのことしめしゝはヱホバはすなはちかみにしてそのほかにはあることなしとなんぢしらしめんがためなりき 36 なんぢをしへんためにヱホバてんよりなんぢこゑきかしめおいてはまたそのおほいなるなんぢしめしたまへりすなはなんぢはそのことばなかよりいづるをきけ 37 ヱホバなんぢ先祖せんぞたちあいしたまひしがゆゑにそののち子孫しそん選󠄄えらおほいなる能力ちからをもてみづかなんぢをエジプトより導󠄃みちびいだしたまひ 38 なんぢよりもおほいにしてつよ國々くに〴〵たみなんぢ前󠄃まへより逐󠄃おひはらひなんぢをその導󠄃みちびきいりてこれなんぢ產業さんげふあたへんとしたまふこと今日こんにちのごとくなり 39 されなんぢ今日こんにちしりこゝろ思念おもふべしうへてんしたにおいてヱホバはかみにいましそのほかにはかみあること 40 今日けふわがなんぢめいずるヱホバの法度のり命令めいれいまもるべししかせばなんぢなんぢのち子孫しそんさいはひなんぢかみヱホバのなんぢにたまふにおいてなんぢそのながうすることをかぎりなからん

41 かくてモーセ、ヨルダンの此旁こなたいづかたにおいてまちみつわかてり 42 これもとよりうらみなきにあやまりてひところせるものをして其處そこ逃󠄄のがれしむるためなりそのまちひとつ逃󠄄のがるゝときはそのひと生命いのち全󠄃まつたうするをべし 43 すなはひとつ曠野あらのうち平󠄃野ひらのにあるベゼルこれはルベンびとのためなりひとつはギレアデのラモテこれはガドびとのためなりひとつはバシヤンのゴランこれはマナセびとのためなり

44 モーセがイスラエルの子孫ひと〴〵前󠄃まへしめしゝ律法おきてこれなり 45 イスラエルの子孫ひと〴〵のエジプトよりいでたるのちモーセこの誡命いましめ法度のり律法おきてこれ述󠄃のべたり〘253㌻〙 46 すなはちヨルダンの此旁こなたなるアモリびとわうシホンのにありベテペオルにたいするたにおいこれ述󠄃のべたりシホンはヘシボンに住󠄃すみをりしがモーセとイスラエルの子孫ひと〴〵エジプトよりいできたりしのちこれをうちほろぼして 47 これまたバシヤンのわうオグのたりかれ二人ふたりはアモリびとわうにしてヨルダンの此旁こなたいづかたをれ
 332㌻ 
48 そのたるはアルノンがはほとりなるアロエルよりヘルモンといふシオンやまにいたり 49 ヨルダンの此旁こなたすなはちそのひがしかたなるアラバの全󠄃部ぜんぶかねてアラバのしほうみ達󠄃たつしピスガのふもとにおよべり

第5章

1 こゝにモーセ、イスラエルをことごとくめしこれふイスラエルよ今日けふがなんぢらのみゝかたるところの法度のり律法おきてとをきこれをまなびこれをまもりておこなへよ 2 われらのかみヱホバ、ホレブにおいわれらと契󠄅約けいやくむすびたまへり 3 この契󠄅約けいやくはヱホバわれらの先祖せんぞたちとはむすばずしてわれ今日こんにちこゝ生存いきながらへをるものむすびたまへり 4 ヱホバやまにおいてうちよりなんぢらとかほをあはせてひたまひしが 5 そのときわれはヱホバとなんぢらのあひだにたちてヱホバのことばなんぢらにつたへたりなんぢおそれてやまにのぼりざりければなり

6 ヱホバすなはちいひたまひけらくわれなんぢかみヱホバなんぢをエジプトのその奴隸どれいたるいへより導󠄃みちびいだせしものなり

7 なんぢわがかほ前󠄃まへわれほかなにものをもかみとすべからず

8 なんぢ自己おのれのためになに偶像ぐうざうをもきざむべからず又󠄂またかみてんにあるものしもにあるものならびにしたみづなかにあるものなに形狀かたちをもつくるべからず 9 これをがむべからずこれつかふべからずわれヱホバなんぢかみねたかみなればわれにくものにむかひては父󠄃ちゝつみむくいてさんだいにおよぼし 10 われあいしわが誡命いましめまもものには恩惠めぐみほどこしてせんだいにいたるなり

11 なんぢかみヱホバのみだりくちにあぐべからずヱホバはおのれみだりくちにあぐるものつみせではおかざるべし

12 安息日あんそくにちまもりてこれ聖󠄄潔󠄄きよくすることなんぢかみヱホバのなんぢめいぜしごとくすべし 13 六日むいかのあひだはたらきてなんぢ一切すべてわざなすべし
 333㌻ 
14 七日なぬかなんぢかみヱホバの安息あんそくなればなに業務わざをもなすべからずなんぢなんぢ男子むすこ女子むすめなんぢしもべしもめなんぢうし驢馬ろばなんぢもろ〳〵家畜かちくなんぢもんうちにをる他國よそぐにひとしかかくなんぢしもべしもめをしてなんぢとおなじくやすましむべし 15 なんぢおぼゆべしなんぢかつてエジプトの奴隸どれいたりしになんぢかみヱホバつよべたるうでとをもて其處そこよりなんぢ導󠄃みちびいだしたまへりこゝをもてなんぢかみヱホバなんぢに安息日あんそくにちまもれとめいじたまふなり
〘254㌻〙
16 なんぢかみヱホバのなんぢめいじたまふごとくなんぢ父󠄃母ちゝはゝうやまこれなんぢかみヱホバのなんぢたまにおいてなんぢながからんためなんぢさいはひのあらんためなり 17 なんぢころなか 18 なんぢ姦淫かんいんするなか 19 なんぢぬすむなかれ 20 なんぢそのとなりたいして虛妄いつはり證據あかしをたつるなか 21 なんぢその隣人となりつま貧󠄃むさぼるなかれまた隣人となりいへ 田野たはた しもべ しもめうし 驢馬ろばならびにすべなんぢ隣人となり所󠄃有もちもの貧󠄃むさぼるなかれ

22 是等これらことばをヱホバやまにおいてうちくもうち黑雲くろくもうちよりおほいなるこゑをもてなんぢらの全󠄃ぜん會衆くわいしうつげたまひしがこのほかにはいふことをこれふたひらいしいたしるしてわれさづけたまへり 23 ときにそのやまにてやけをりしがなんぢ黑暗󠄃くらやみうちよりそのこゑいづるをきくにおよびてなんぢらの支派わかれかしらおよび長老等としよりどもわれ進󠄃すゝみよりて 24 いひけるはわれらのかみヱホバその榮光さかえとそのおほいなることわれらにしめしたまひてわれらそのこゑうちよりいづるをきけわれ今日けふヱホバひとものいひたまふてそのひとなほいけるを 25 われらなんぞにいたるべけんやこのおほいなるわれらをやきほろぼさんとするなりわれらもしこのうへになほわれらのかみヱホバのこゑきかしぬべし 26 およ肉身にくしんものうちたれいけるかみうちよりものいひたまふこゑわれらのごとくにきゝてなほいけものあらんや 27 請󠄃なんぢ進󠄃すゝみゆきてわれらのかみヱホバのいひたまふところをすべわれらのかみヱホバのなんぢつげたまふところをすべわれらにつげわれきゝおこなはんと

 334㌻ 
28 ヱホバなんぢらがわれかたれることばこゑきゝてヱホバわれいひたまひけるはわれこのたみなんぢかたれることばこゑきけかれらのいふところはみな 29 たゞねがはしきは彼等かれらかくのごときこゝろいだいてつねわれおそ誡命いましめまもりてそのもその子孫しそんなが福祉さいはひうるにいたらんことなり 30 なんぢゆきてかれらになんぢらおのおのそのてんまくにかへるべしと 31 されなんぢこゝにてわがかたはらわれなんぢにもろ〳〵誡命いましめ法度のり律法おきてとをつげしめさんなんぢこれをかれらにをしかれらにあたへて產業さんげふとなさしむるにおいてかれらにこれをおこなはしむべしと 32 されなんぢらのかみヱホバの汝等なんぢらめいじたまふごとくになんぢつゝしみておこなふべしみぎにもひだりにもまぐるべからず 33 なんぢらのかみヱホバのなんぢらにめいじたまふ一切すべて道󠄃みちあゆしかせばなんぢらはいくることをかつ福祉さいはひなんぢらの產業さんげふとするなんぢらのながうすることを〘255㌻〙

第6章

1 これすなはちなんぢらのかみヱホバがなんぢらにをしへよとめいじたまふところの誡命いましめ法度のり律法おきてとにしてなんぢらがそのわたりゆきてうるところのにておこなふべきものなり 2 これなんぢなんぢおよびなんぢまごをしてその生命いのちながらふるあひだつねになんぢかみヱホバをおそれしめてなんぢらにめいずるそのもろ〳〵法度のり誡命いましめとをまもらしめんため又󠄂またなんぢのながからしめんためのものなり 3 さればイスラエルよきゝつゝしんでこれをおこなしかせばなんぢ福祉さいはひなんぢ先祖せんぞかみヱホバのなんぢいひたまひしごとく乳󠄃ちゝみつながるゝくににてなんぢかずおほいにまさ

4 イスラエルよわれらのかみヱホバはたゞひとりのヱホバなり 5 なんぢこゝろつく精神せいしんつくちからつくしてなんぢかみヱホバをあいすべし 6 今日けふわがなんぢめいずるこれらのことばなんぢこれをそのこゝろにあらしめ 7 つとめなんぢ子等こどもをしいへするときみちあゆときいぬときおくときもこれをかたるべし
 335㌻ 
8 なんぢまたこれをなんぢむすびてしるしとなしなんぢあひだにおきておぼえとなし 9 またなんぢいへはしらなんぢもん書記かきしるすべし

10 なんぢかみヱホバそのなんぢ先祖せんぞアブラハム、イサク、ヤコブにむかひてなんぢあたへんとちかひたりしなんぢいらしめんときなんぢをしてなんぢたてたるものにあらざるおほいなるうるはしき邑々まち〳〵させ 11 なんぢみたせるにあらざもろ〳〵佳物よきものみたせるいへさせなんぢほりたるものにあらざるほりゐどさせなんぢえしにあらざる葡萄園ぶどうぞの橄欖かんらんとをさせたまふべしなんぢ食󠄃くらひて飽󠄄あか 12 しかときなんぢつゝしなんぢをエジプトの奴隸どれいたるいへより導󠄃みちびいだしゝヱホバをわするゝなか 13 なんぢかみヱホバをおそれてこれにつかへそのさしちかふことをすべし 14 なんぢほか神々かみ〴〵すなはちなんぢ四周󠄃まはりなるたみ神々かみ〴〵したがふべからず 15 なんぢらのうちにいますなんぢかみヱホバは嫉妬ねたむかみなればおそらくはなんぢかみヱホバなんぢにむかひていかりはつなんぢおもてよりほろぼさりたまはん

16 なんぢマツサにおいてこゝろみしごとくなんぢかみヱホバをこゝろむるなかれ 17 なんぢらのかみヱホバのなんぢらにめいじたまへる誡命いましめ律法おきて法度のりとをなんぢつゝしみてまもるべし 18 なんぢヱホバのたゞしよしたまふことおこなふべししかせばなんぢ福祉さいはひかつヱホバのなんぢ先祖せんぞちかひたまひしかのよきいりてこれを產業さんげふとなすことを 19 ヱホバまたそのいひたまひしごとなんぢてきをことごとくなんぢ前󠄃まへより逐󠄃おひはらひたまはん

20 のちいたりてなんぢなんぢにとふてこのなんぢらのかみヱホバがなんぢらにめいじたまひし誡命いましめ法度のり律法おきてとはなにのためなるやといは〘256㌻〙 21 なんぢそのつげいふべしわれらはむかしエジプトにありてパロの奴隸どれいたりしがヱホバつよをもてわれらをエジプトより導󠄃みちびいだしたまへり 22 すなはちヱホバわれらの前󠄃まへにおいておほいなるおそるべきしるし奇蹟ふしぎをエジプトとパロとその全󠄃家ぜんかとにしめしたまひ
 336㌻ 
23 われらを其處そこより導󠄃みちびいだしてそのかつ我等われら先祖せんぞちかひしわれらをいらせてこれわれらにあたへたまへり 24 しかしてヱホバわれらにこのもろ〳〵法度のりまもれとめいじたまふこれわれらをしてわれらのかみヱホバをおそれてつねさいはひならしめんため又󠄂またヱホバ今日こんにちのごとくわれらをまもりて生命いのちたもたしめんとてなりき 25 われらもしそのめいぜられたるごとくこの一切すべて誡命いましめわれらのかみヱホバの前󠄃まへつゝしんでまもらばこれわれらのとなるべしと

第7章

1 なんぢかみヱホバなんぢゆきべきところのなんぢ導󠄃みちびきいりおほく國々くに〴〵たみヘテびとギルガシびとアモリびとカナンびとペリジびとヒビびとヱブスびとなどなんぢよりもかずおほくしてちからあるなゝつたみなんぢ前󠄃まへより逐󠄃おひはらひたまはんとき 2 すなはちなんぢかみヱホバかれらをなんぢわたしてなんぢにこれをうたせたまはんときなんぢかれらをことごとくほろぼすべしかれらとなに契󠄅約けいやくをもなすべからずかれらをあはれむべからず 3 またかれらと婚姻こんいんをなすべからずなんぢ女子むすめかれ男子むすこあたふべからずかれ女子むすめなんぢ男子むすこめとるべからず 4 かれなんぢ男子むすこまどはしてわれはなれしめこれをしてほか神々かみ〴〵つかへしむるありてヱホバこれがためになんぢらにむかひていかりはつ俄然にはかなんぢほろぼしたまふにいたるべければなり 5 なんぢらはかへつかくかれらにおこなふべしすなはちかれらのだんこぼちその偶像ぐうざううちくだきそのアシラざうきりたふしをもてその雕像てうざうやくべし

6 なんぢなんぢかみヱホバの聖󠄄きよきたみなればなりなんぢかみヱホバはおもてもろ〳〵たみうちよりなんぢえらびておのれたからたみとなしたまへり 7 ヱホバのなんぢらをあいなんぢらをえらびたまひしはなんぢらがよろづたみよりもかずおほかりしによるにあらずなんぢらはよろづたみうちにてもつとちひさものなればなり 8 たゞヱホバなんぢらをあいするにりまたなんぢらの先祖せんぞたちちかひちかひたもたんとするによりてヱホバつよをもてなんぢらを導󠄃みちびきいだしなんぢらをその奴隸どれいたりしいへよりエジプトのわうパロのよりあがなひいだしたまへるなり
 337㌻ 
9 なんぢしるべしなんぢかみヱホバはかみにましまし眞實しんじつかみにましましてこれあいしその誡命いましめまもものには契󠄅約けいやくたも恩惠めぐみをほどこしてせんだいにいたり 10 またこれにくものには覿面てきめんにそのむくいをなしてこれをほろぼしたまふヱホバはおのれにくものにはゆるやかならず覿面てきめんにこれにむくいたまふなり〘257㌻〙 11 されなんぢわが今日けふなんぢめいずるところの誡命いましめ法度のり律法おきてとをまもりてこれをおこなふべし

12 なんぢらもしこれらの律法おきてきこれをまもおこなはゞなんぢかみヱホバなんぢ先祖せんぞたちちかひし契󠄅約けいやくたもちてなんぢ恩惠めぐみをほどこしたまはん 13 すなはなんぢあいなんぢめぐみなんぢかずしたまひそのむかしなんぢにあたへんとなんぢらの先祖せんぞたちちかひたりしにおいてなんぢ兒女こどもをめぐみなんぢ產物さんぶつ 穀物こくもつ さけ あぶらなどふやなんぢうしさんなんぢひつじさんましたまふべし 14 なんぢめぐまるゝことよろづたみまさらんなんぢらのうちおよびなんぢらの家畜かちくうちにはをとこをんななきものなかるべし 15 ヱホバまたもろ〳〵疾病やまひなんぢよりのぞきたまひなんぢらがのエジプトのあしやまひなんぢのぞましめずたゞなんぢにくものこれのぞませたまふべし 16 なんぢなんぢかみヱホバのなんぢわたしたまはんところのたみをことごとくほろぼしつくすべしかれらをあはれみるべからずまたかれらのかみつかふべからずそのことなんぢわなとなればなり

17 なんぢこれらのたみわれよりもおほければわれいかでかこれ逐󠄃おひはらふことをんとこゝろおもふか 18 なんぢかれらをおそるゝなかれなんぢかみヱホバがパロとエジプトになしたまひしところのことおぼえよ 19 すなはなんぢたるおほいなる試煉こゝろみ徴證しるし奇蹟ふしぎつよのべたるうでとをおぼえよなんぢかみヱホバこれをもてなんぢ導󠄃みちびいだしたまへりかくのごとくなんぢかみヱホバまたなんぢおそるゝ一切すべてたみなしたまふべし
 338㌻ 
20 すなはなんぢかみヱホバ黄蜂くまばちかれらのなか遣󠄃おくりて終󠄃つひかれらの遺󠄃のこれるものなんぢかほ避󠄃さけかくれたるものとをほろぼしたまはん 21 なんぢかれらをおそるゝなかなんぢかみヱホバ能力ちからあるおそるべきかみなんぢらのうちにいませばなり 22 なんぢかみヱホバ是等これら國人くにびと漸々やう〳〵なんぢ前󠄃まへより逐󠄃おひはらひたまはんなんぢ急󠄃速󠄃すみやかかれらをほろぼしつくすべからずおそらくはけものふえなんぢせまらん 23 なんぢかみヱホバかれらをなんぢわたおほいにこれをおそをのゝかしめて終󠄃つひにこれをほろぼつく 24 かれらの王等わうたちなんぢわたしたまはんなんぢかれらのあめしたよりけづるべしなんぢにはあたることをものなくしてなんぢつひにこれほろぼしつくすにいたらん 25 なんぢかれらのかみ雕像てうざうにてやくべしこれせたるぎんあるひはきん貧󠄃むさぼるべからずこれおのれとるべからずおそらくはなんぢこれによりわなにかゝらんこれなんぢかみヱホバの憎にくみたまふものなればなり 26 憎にくむべきものなんぢいへたづさへいるべからずおそらくはなんぢそのごとくにのろはるゝものとならんなんぢこれをおほいいた嫌󠄃きらふべしこれのろふべきものなればなり〘258㌻〙

第8章

1 今日けふなんぢにめいずるところのもろ〳〵誡命いましめなんぢつゝしんでおこなふべししかせばなんぢいくることをかつ殖增ふえましヱホバのなんぢ先祖せんぞたちちかひたまひしいりてこれを產業さんげふとなすことを 2 なんぢ記念おぼゆべしなんぢかみヱホバこの四十ねんあひだなんぢをして曠野あらのみちあゆましめたまへりこれなんぢくるしめてなんぢ試驗こゝろなんぢこゝろ如何いかなるかなんぢがその誡命いましめまもるやいなやをしらんためなりき 3 すなはなんぢくるしめなんぢうゑしめまたなんぢしらなんぢ先祖せんぞたちしらざるところのマナをなんぢらに食󠄃くらはせたまへりこれひとはパン而已のみにていくものにあらずひとはヱホバのくちよりいづことばによりていくものなりとなんぢしらしめんがためなり 4 この四十ねんのあひだなんぢ衣服󠄃きものふるびてくちなんぢあしはれざりし 5 なんぢまたこゝろおもふべしひとのその懲戒いましむるごとくなんぢかみヱホバもなんぢ懲戒いましめたまふなり
 339㌻ 
6 なんぢかみヱホバの誡命いましめまもりその道󠄃みちにあゆみてこれをおそるべし 7 なんぢかみヱホバなんぢをしてよきいたらしめたまふこれたににもやまにもみづながれありいづみあり瀦水たまりみづある 8 小麥こむぎ おほむぎ 葡萄ぶだう 無花果いちじくおよび石榴ざくろあるあぶら 橄欖かんらんおよびみつのある 9 なんぢ食󠄃くら食󠄃物しよくもつかくるところなくなんぢなにとぼしきところあらざるなりそのいしはすなはちてつそのやまよりはあかゞねほりとるべし 10 なんぢ食󠄃くらひて飽󠄄なんぢかみヱホバにそのよきおのれにたまひしことしやすべし

11 なんぢわが今日けふなんぢにめいずるヱホバの誡命いましめ律法おきて法度のりとをまもらずしてなんぢかみヱホバをわするゝにいたらざるやうつゝしめよ 12 なんぢ食󠄃くらひて飽󠄄うるはしきいへたて住󠄃すまふにいた 13 またなんぢうしひつじ殖增ふえまなんぢ金銀きんぎん殖增ふえまなんぢ所󠄃有もちものみな殖增ふえますにいたらんとき 14 おそらくはなんぢこゝろおごりてなんぢかみヱホバをわすれんヱホバはなんぢをエジプトの奴隸どれいたるいへより導󠄃みちびいだ 15 なんぢをみちびきてかれおほいにしておそるべき曠野あらのすなはちへびへびさそりなどありてみづあらざるかわける通󠄃とほなんぢらのためにかたいはうちよりみづいだ 16 なんぢ先祖せんぞたちしらざるマナを曠野あらのにてなんぢ食󠄃くはせたまへりこれみななんぢくるしめなんぢこゝろみて終󠄃つひ福祉さいはひなんぢにたまはんとてなりき 17 なんぢわがちからとわが動作はたらきによりてわれこの資財たからたりとこゝろいふなかれ 18 なんぢかみヱホバをおぼえよはヱホバなんぢ資財たからうるちからをたまふなればなりかくしたまふはなんぢ先祖せんぞたちちかひ契󠄅約けいやく今日こんにちごとおこなはんとてなり 19 なんぢもしなんぢかみヱホバをわすほか神々かみ〴〵したがひこれつかへこれををがむことをなさわれ今日けふなんぢらにあかしをなすなんぢらはかならず滅亡ほろび 20 ヱホバのなんぢらの前󠄃まへほろぼしたまひし國々くに〴〵たみのごとくなんぢらも滅亡ほろぶべしこれなんぢらのかみヱホバのこゑなんぢらしたがはざればなり〘259㌻〙

第9章

1 イスラエルよなんぢ今日けふヨルダンをわたりゆきなんぢよりもおほいにしてつよ國々くに〴〵いりてこれをとらんとすその邑々まち〳〵おほいにして石垣いしがきてん達󠄃いた
 340㌻ 
2 そのたみなんぢしるところのアナクの子孫しそんにしておほきくかつ身長たけたかしなんぢまたひといへるをきけいはたれかアナクの子孫しそん前󠄃まへたつことをんと 3 なんぢ今日けふなんぢかみヱホバはやきつくすにましてなんぢ前󠄃まへ進󠄃すゝみたまふとヱホバかならずかれらをほろぼしかれらをなんぢ前󠄃まへ攻伏せめふせたまはんヱホバのなんぢいひたまひしごとなんぢかれらを逐󠄃おひはらひ速󠄃すみやかにかれらをほろぼすべし 4 なんぢかみヱホバなんぢ前󠄃まへよりかれらを逐󠄃おひはらひたまはんのちなんぢこゝろいふなかれいはわれたゞしきがためにヱホバわれをこの導󠄃みちびきいりてこれをさせたまへりとそはこの國々くに〴〵たみあしきがためにヱホバこれなんぢ前󠄃まへより逐󠄃おひはらひたまふなり 5 なんぢゆきてそのうるなんぢたゞしきによるにあらず又󠄂またなんぢのこゝろなほきによるにあらずこの國々くに〴〵たみあしきがゆゑなんぢかみヱホバこれをなんぢ前󠄃まへより逐󠄃おひはらひたまふなりヱホバのかくしたまふはまたなんぢ先祖せんぞアブラハム、イサク、ヤコブにちかひたりしことばおこなはんとてなり

6 なんぢなんぢかみヱホバのなんぢこのよきあたへてさせたまふはなんぢたゞしきによるにあらなんぢうなじこはたみなればなり 7 なんぢ曠野あらのおいなんぢかみヱホバをいからせしことおぼえてわするゝなかなんぢらはエジプトのいだより此處このところにいたるまでつねにヱホバにもとれり 8 ホレブにおいてなんぢらヱホバをいからせたればヱホバなんぢらをいかりてなんぢらをほろぼさんとしたまへり 9 かのときわれいしいたすなはちヱホバのなんぢらにたてたまへる契󠄅約けいやくのすいしいたうけんとてやまのぼり四十にち四十やまりパンも食󠄃くはみづのまざりき 10 ヱホバわれかみゆびをもてかきしるしたる文字もじあるいしいたまいさづけたまへりそのうへには集會しふくわいにヱホバがやまにおいてなかよりなんぢらにつげたまひしことばをことごとく 11 すなはち四十にち四十過󠄃すぎときヱホバわれにその契󠄅約けいやくのすいたなるいしいたまいさづ 12 しかしてヱホバわれいひたまひけるはなんぢ起󠄃たちあがりて速󠄃すみやかにこゝよりくだなんぢがエジプトより導󠄃みちびいだしゝたみあしことおこなふなりかれらははやくもわがかれらにめいぜし道󠄃みちはなれて自己おのれのために偶像ぐうざう造󠄃つくれりと
 341㌻ 
13 ヱホバまたわれいひたまひけるはわれこのたみたりこれうなじこはたみなり 14 われとゞむるなかれわれかれらをほろぼしそのあめしたよりけしさりなんぢをしてかれらよりもつよくまたおほいなるたみとならしむべし〘260㌻〙 15 こゝおいわれをめぐらしてやまくだりけるがやまにてやけをる又󠄂またその契󠄅約けいやくいたまいはわがふたつにあり 16 かくわれしになんぢらはそのかみヱホバにむかひてつみをか自己おのれのためにこうし造󠄃つくりてはやくもヱホバのなんぢらにめいじたまひし道󠄃みちはなれたりしかば 17 われその二まいいたをとりてわがふたつよりこれをなげうなんぢらの前󠄃まへにこれをくだけり 18 しかしてわれ前󠄃まへのごとく四十にち四十ヱホバの前󠄃まへふしりパンも食󠄃くはみづのまざりきなんぢらヱホバの前󠄃まへあしことをおこなひこれいからせておほいつみたればなり 19 ヱホバ忿怒いかりはつ憤恨いきどほりをおこしなんぢらをいかりてほろぼさんとしたまひしかばわれおそれたりしが此度このたびもまたヱホバわれきゝたまへり 20 ヱホバまたいたくアロンをいかりてこれをほろぼさんとしたまひしかばわれそのときまたアロンのためにいのれり 21 かくわれなんぢらがつくりてつみをかししこうしをもてこれきこれをきこれをうちくだきてこまかちりとなしそのちりやまよりながくだるところの溪流たにがは投棄なげすてたり

22 なんぢらはタベラ、マッサおよびキブロテハツタワにおいてもまたヱホバをいからせたり 23 またヱホバ、カデシバルネアよりなんぢらを遣󠄃つかはさんとせしときいひたまひけるはなんぢのぼりゆきてがなんぢらにあたふる產業さんげふとせよとしかるになんぢらはそのかみヱホバのめいもとこれしんぜずまたそのことばきかざりき 24 なんぢらをしりより以來このかたなんぢらはつねにヱホバにもとりしなり

 342㌻ 
25 かのときヱホバなんぢらをほろぼさんといひたまひしによりわれ最初はじめふしたるごとく四十にち四十ヱホバの前󠄃まへ 26 ヱホバにいのりていひけるはしゆヱホバよなんぢそのおほいなる權能ちからをもてあがなつよをもてエジプトより導󠄃みちびいだしゝなんぢたみなんぢ產業さんげふほろぼしたまふなか 27 なんぢしもべアブラハム、イサク、ヤコブをおもひたまへこのたみ剛愎かたくなあしきつみとをかんがみたまふなか 28 おそらくはなんぢわれらを導󠄃みちびいだしたまひしくにひといはんヱホバそのやくせしにかれらを導󠄃みちびきいることあたはざるにりまたかれらをにくむによりかれらを導󠄃みちびいだして曠野あらのころせりと 29 そも〳〵かれらはなんぢたみなんぢ產業さんげふにしてなんぢつよ能力ちからをもてうでのべ導󠄃みちびいだしたまひしものなり

第10章

1 かのときヱホバわれいひたまひけるはなんぢいしいたまい前󠄃まへのごとくにきりつくりまたはこ一箇ひとつつくりてやまのぼきた 2 なんぢくだきしかの前󠄃まへいたのせたることばわれそのいたしるさんなんぢこれをそのはこをさむべし〘261㌻〙 3 われすなはち合歡木ねむのきをもてはこ一箇ひとつつくりまたいしいたまい前󠄃まへのごとくにきりつくりそのいたまいとりやまのぼりしかば 4 ヱホバかの集會しふくわいやまにおいてなかよりなんぢらにつげたるその十誡じつかい前󠄃まへしるしたるごとくそのいたしるしかしてヱホバこれをわれさづけたまへり 5 こゝおいわれめぐらしてやまよりくだりそのいた造󠄃つくりしかのはこをさめたりいまなほそのなかにありヱホバのわれめいじたまへるごと 6 かくてイスラエルの子孫ひと〴〵はヤカンびとよりいでたちてモセラにいたれりアロン其處そこしに其處そこはうむられそのエレアザルこれにかはりて祭司さいしとなれり 7 又󠄂また其處そこよりいでたちてグデゴダにいたりグデゴダよりいでたちてヨテバにいたれりこのにはみづながれおほかりき 8 かのときヱホバ、レビの支派わかれ區分󠄃わかちてヱホバの契󠄅約けいやくはこかゝしめヱホバの前󠄃まへたちてこれにつかへしめ又󠄂またヱホバのをもてしゆくすることをなさせたまへりそのこと今日こんにちにいたる
 343㌻ 
9 こゝをもてレビはその兄弟きやうだいたちうち分󠄃ぶんなくまた產業さんげふなしたゞヱホバその產業さんげふたりなんぢかみヱホバのかれいひたまへるごと 10 われ前󠄃まへかずのごとく四十にち四十やまをりしがヱホバそのときにもまたわれきゝたまへりヱホバなんぢほろぼすことをこのみたまはざりき 11 かくてヱホバわれいひたまひけるはなんぢ起󠄃たちあがりたみさきだちて進󠄃すゝかれらをしてこれあたへんとその先祖せんぞちかひたるいりてこれをせしめよ

12 イスラエルよいまなんぢかみヱホバのなんぢ要󠄃もとめたまふことなんぞやたゞこれのみすなはなんぢがそのかみヱホバをおそれその一切すべて道󠄃みちあゆこれあいこゝろつく精神せいしんつくしてなんぢかみヱホバにつか 13 又󠄂また今日けふなんぢらにめいずるヱホバの誡命いましめ法度のりとをまもりて福祉さいはひるのことのみ 14 それてんしよてんてんおよびとそのうちにあるものみななんぢかみヱホバにぞく 15 しかるにヱホバたゞなんぢ先祖せんぞたちよろこびてこれあいしそののち子孫しそんたるなんぢらをよろづたみうちより選󠄄えらびたまへり今日こんにちのごとし 16 されなんぢこゝろ割󠄅禮かつれいおこなかさねうなじこはくするなか 17 なんぢかみヱホバはかみかみしゆしゆおほいにしてかつ權能ちからあるおそるべきかみにましましひと偏󠄃かたよずまた賄賂まひなひうけ 18 孤兒みなしご寡婦󠄃やもめのために審判󠄄さばきおこなひまた旅客たびゞとあいしてこれに食󠄃物くひもの衣服󠄃きものあたへたまふ 19 なんぢ旅客たびゞとあいすべしなんぢらもエジプトのくに旅客たびゞとたりしことあればなり 20 なんぢかみヱホバをおそこれつかへこれにつきしたがひそのさしちかふことをすべし 21 かれなんぢほむべきものまたなんぢかみにしてなんぢたるこれおほいなるおそるべき事業わざをなしたまへり 22 なんぢ先祖せんぞたちわづかか七十にんにてエジプトにくだりたりしにいまなんぢかみヱホバなんぢをして天空󠄃そらほしのごとくにおほくならしめたまへり〘262㌻〙
 344㌻ 

第11章

1 されなんぢかみヱホバをあいつねにその職守つとめ法度のり律法おきて誡命いましめとをまもるべし 2 なんぢらの子女こどもしらずまたざればわれこれにいはたゞなんぢらになんぢらは今日こんにちすでになんぢらのかみヱホバの懲戒こらしめとそのおほいなることとそのつよとそののべたるうでとを 3 またそのエジプトのうちにおいてエジプトわうパロとその全󠄃國ぜんこくにむかひておこなひたまひし徴證しるし行爲わざとを 4 またヱホバがエジプトの軍勢ぐんぜいとそのうまとそのくるまとになしたまひしことすなはちかれらがなんぢらのあと追󠄃おひきたれるとき紅海こうかいみづかれらのうへおほひかゝらしめこれほろぼして今日こんにちまでそのあとかたなからしめしこと 5 また此處このところにいたるまで曠野あらのおいなんぢらになしたまひし事等ことども 6 またそのルベンの子孫しそんなるエリアブの子等こどもダタンとアビラムになしたまひしことすなはちイスラエルの全󠄃家ぜんか眞中たゞなかにおいてそのくちひらきてかれらとその家族かぞくとそのてんまくとその足下あしもとものとをのみつくしゝことしるなり 7 すなはなんぢらはヱホバのおこなひたまひしこのもろ〳〵おほいなる作爲わざたり

8 されなんぢわが今日こんにちなんぢらにめいずる誡命いましめこと〴〵まもるべししかせばなんぢらはつよくなりなんぢらがわたりゆきてんとするにいりてこれうることを 9 またヱホバがなんぢらとなんぢらののち子孫しそんにあたへんとなんぢらの先祖せんぞたちちかひたまひし乳󠄃ちゝみつとのながるゝくににおいてなんぢらのながうすることを 10 なんぢらが進󠄃すゝみいりてんとするなんぢらがいできたりしエジプトののごとくならず彼處かしこにてはなんぢたねあしをもてこれみづそゝげりそのさま蔬菜あおものばたけにおけるがごと 11 されなんぢらがわたりゆきてうるところのやまたにおほにしててんよりのあまみづふなり 12 そのなんぢかみヱホバの顧󠄃かへりみたまふものにしてとしはじめよりとし終󠄃をはりまでなんぢかみヱホバのつねにそのうへ

13 なんぢらもしわが今日けふなんぢらにめいずるわが命令めいれいよくまもりてなんぢらのかみヱホバをあいこゝろつく精神せいしんつくしてこれつかへなば
 345㌻ 
14 われなんぢらのあめあきあめはるあめともにときしたがひてくだなんぢらをしてその穀物こくもつとりいれしめかつさけあぶらせしめ 15 またなんぢ家畜かちくのためにくさしやうぜしむべしなんぢ食󠄃くらひて飽󠄄あか 16 なんぢみづかつゝしむべしこゝろ迷󠄃まよひるがへりてほか神々かみ〴〵つかへこれををがなか 17 おそらくはヱホバなんぢらにむかひていかりはつしててんとぢたまひあめふらずものしやうぜずなりてなんぢらそのヱホバにたまはれるよきより速󠄃すみやかに滅亡ほろびうせるにいたらん
〘263㌻〙
18 なんぢ是等これらわがことばなんぢらのこゝろたましひとのうちをさめまたこれなんぢらのむすびてしるしとなしなんぢらのあひだにおきておぼえとなし 19 これをなんぢらの子等こどもをしいへするときみちあゆときいぬときおくときもこれをかた 20 またなんぢいへはしらとなんぢのもんこれ書記かきしるすべし 21 しかせばヱホバがなんぢらの先祖せんぞたちあたへんとちかひたまひしなんぢらのをるおよびなんぢらの子等こどものをるかずおほくしててんおほひさしきがごとくならん 22 なんぢらもしなんぢらにめいずるこの一切すべて誡命いましめまもりてこれをおこな汝等なんぢらかみヱホバをあいしその一切すべて道󠄃みちあゆこれつきしたがはゞ 23 ヱホバこの國々くに〴〵たみをことごとくなんぢらの前󠄃まへより逐󠄃おひはらひたまはんしかしてなんぢらはおのれよりもおほいにして能力ちからある國々くに〴〵うるにいたるべし 24 およなんぢらがあしうらにてところみななんぢらのものとならんすなはなんぢらの境界さかひ曠野あらのよりレバノンにわたりまたユフラテがはといふかはより西にしうみわたるべし 25 なんぢらの前󠄃まへたつことをひとあらじなんぢらのかみヱホバなんぢらがふみいるところの人々ひと〴〵をしてなんぢらをなんぢらをおそれしめたまふことそのかつなんぢらにいひたまひしごとくならん

26 われ今日けふなんぢらの前󠄃まへ祝福めぐみ呪詛のろひとを 27 なんぢらもし今日けふなんぢらにめいずるなんぢらのかみヱホバの誡命いましめ遵󠄅したがはゞ祝福めぐみ 28 なんぢらもしなんぢらのかみヱホバの誡命いましめ遵󠄅したがはずひるがへりて今日けふなんぢらにめいずる道󠄃みちはなもとしらざりしほか神々かみ〴〵したがひなば呪詛のろひかうむらん
 346㌻ 
29 なんぢかみヱホバなんぢゆきんとするなんぢ導󠄃みちびきいりたまふときなんぢゲリジムやま祝福めぐみきエバルやま呪詛のろひをおくべし 30 このふたやまはヨルダンの彼旁かなたアラバに住󠄃すめるカナンびとにおいていづかた道󠄃みちうしろにありギルガルにむかひてモレの橡樹かしのきあひさること遠󠄄とほざらざるにあらずや 31 なんぢらはヨルダンをわたなんぢらのかみヱホバのなんぢらにたま進󠄃すゝみいりてこれんとすかならずこれを其處そこ住󠄃すむことを 32 され今日けふなんぢらにさづくるところの法度のり律法おきてなんぢらことごとくまもりておこなふべし

第12章

1 これなんぢ先祖せんぞたちかみヱホバのなんぢあたへてさせたまふところのにおいてなんぢらが生存ながらふるあひだつねまもおこなふべき法度のり律法おきてとなり 2 なんぢらが逐󠄃おひはらふ國々くに〴〵たみがその神々かみ〴〵つかへしところやまにあるものをかにあるものあをもとにあるものもみなこれこと〴〵こぼ 3 そのだんこぼちそのはしらくだきそのアシラざうにてきまたその神々かみ〴〵雕像てうざうきりたふしてこれをそのところよりたちさるべし〘264㌻〙 4 たゞなんぢらのかみヱホバにはなんぢかくのごとくなすべからず 5 なんぢらのかみヱホバがそのおかんとてなんぢらの支派わかれうちよりえらびたまふところなるヱホバの住󠄃居すみかなんぢ尋󠄃たづもとめて其處そこにいたり 6 なんぢらの燔祭はんさい犧牲いけにへなんぢらの什一じふいちなんぢらのきよさいなんぢらの願還󠄃ぐわんはたし自意󠄃こゝろより禮物そなへものおよびなんぢらのうしひつじ首出うひごなどなんぢ其處そこたづさいた 7 其處そこにてなんぢらのかみヱホバの前󠄃まへ食󠄃しよくをなし又󠄂またなんぢらとなんぢらの家族かぞくみなそのらうしてたるものをもて快樂たのしみとるべしこれなんぢのかみヱホバの祝福めぐみによりてたるものなればなり 8 なんぢ彼處かしこにてはわれらが今日けふこゝなすごとく各々おの〳〵そのよしみるところをなすべからず 9 なんぢらはなほいまだなんぢらのかみヱホバのたま安息あんそく產業さんげふにいたらざるなり 10 されなんぢらヨルダンをわたなんぢらのかみヱホバのなんぢらにあたへてさせたまふ住󠄃すむにいたらんときまたヱホバなんぢらの周󠄃圍まはりてきのぞなんぢらに安息あんそくたまひて汝等なんぢら安泰やすらか住󠄃すまふにいたらんとき
 347㌻ 
11 なんぢらのかみヱホバそのおかんためにひとつところえらびたまはんなんぢ其處そこめいずるものすべたづさへゆくべしすなはなんぢらの燔祭はんさい犧牲いけにへなんぢらの什一じふいちなんぢらのきよさいおよびなんぢらがヱホバに誓願せいぐわんをたてゝさゝげんとちかひし一切すべて佳物よきものとをたづさへいたるべし 12 なんぢらはなんぢらの男子むすこ 女子むすめ しもべ しもめとともになんぢらのかみヱホバの前󠄃まへたのしむべしまたなんぢらのもんうちにをるレビびとともしかすべしこれなんぢらの中間うち分󠄃ぶんなく產業さんげふなきものなればなり 13 なんぢつゝしすべなんぢみづかえらところにて燔祭はんさいさゝげることをするなか 14 たゞなんぢらの支派わかれひとつうちにヱホバの選󠄄えらびたまはんそのところおいなんぢ燔祭はんさいさゝげまたなんぢめいずる一切すべてことなすべし

15 彼處かしこにてはなんぢかみヱホバのなんぢにたまふ祝福めぐみしたがひてなんぢそのこゝろこの獸畜けものなんぢもんうちころしてそのにく食󠄃くらふことをすなはけがれたるひと潔󠄄きよひともこれを食󠄃くらふをること羚羊かもしか鹿じかけるがごと 16 たゞしその食󠄃くらふべからずみづごとくにこれをそゝぐべし 17 なんぢ穀物こくもつさけあぶら什一じふいつおよびなんぢうしひつじ首出うひごならびになんぢたて誓願せいぐわん還󠄃はたすための禮物そなへものなんぢ自意󠄃こゝろより禮物そなへものおよびなんぢきよさいしななんぢこれをなんぢもんうち食󠄃くらふべからず 18 なんぢかみヱホバの選󠄄えらびたまふところにおいてなんぢかみヱホバの前󠄃まへなんぢこれを食󠄃くらふべしすなはなんぢ男子むすこ 女子むすめ しもべ しもめおよびなんぢもんうちにをるレビびととともにこれ食󠄃くらなんぢらうしてたる一切すべてものをもてなんぢかみヱホバの前󠄃まへ快樂たのしみとるべし 19 なんぢつゝしなんぢ生存ながらふるあひだレビびとすつなか
〘265㌻〙
20 なんぢかみヱホバなんぢいひしごとくになんぢ境界さかひひろくしたまふにおよなんぢこゝろにく食󠄃くらふことをほつしていはわれにく食󠄃くらはんとしかときなんぢすべてそのこゝろこのにく食󠄃くらふことをべし 21 もしなんぢかみヱホバのそのおかんとてえらびたまへるところなんぢはなるゝこと遠󠄄とほからばなんぢめいぜしごとなんぢそのヱホバにたまはれるうしひつじほふなんぢもんうちにてすべてそのこゝろこのもの食󠄃くらふべし
 348㌻ 
22 鹿じか羚羊かもしか食󠄃くらふがごとくなんぢこれを食󠄃くらふことをけがれたるもの潔󠄄きよものひとしくこれを食󠄃くらふことをるなり 23 たゞかたつゝしみてその食󠄃くらはざれはこれが生命いのちなればなりなんぢその生命いのちにくとともに食󠄃くらふべからず 24 なんぢこれを食󠄃くらなかみづのごとくにこれをそゝぐべし 25 なんぢ食󠄃くらはざれなんぢもしかくヱホバのよしたをふことなさなんぢなんぢのち子孫しそんとに福祉さいはひあらん 26 たゞなんぢさゝげたる聖󠄄物きよきもの誓願せいぐわんものとはこれをヱホバのえらびたまふところたづさへゆくべし 27 なんぢ燔祭はんさいさゝぐときはそのにくなんぢかみヱホバのだんそなふべくまた犧牲いけにへさゝぐときはそのなんぢかみヱホバのだんうへそゝぎそのにく食󠄃くらふべし 28 わがなんぢめいずる是等これらことばなんぢきゝまもなんぢかくなんぢかみヱホバのよしたゞしたまふことなさなんぢなんぢのち子孫しそんなが福祉さいはひあらん

29 なんぢかみヱホバなんぢゆき逐󠄃おひはらはんとする國々くに〴〵たみなんぢ前󠄃まへよりたちさりたまひてなんぢつひにその國々くに〴〵てその住󠄃すむにいたらんとき 30 なんぢみづからつゝしかれらがなんぢ前󠄃まへほろびたるのちなんぢかれらにならひてわなにかゝるなかれまたかれらのかみ尋󠄃たづねもとめこの國々くに〴〵たみ如何いかなるさまにてその神々かみ〴〵つかへたるかわれもそのごとくにせんといふことなかれ 31 なんぢかみヱホバにむかひてはなんぢしかべからずかれらはヱホバのいみかつ憎にくみたまふもろ〳〵ことをそのかみにむかひてしその男子むすこ女子むすめをさへにてやきてその神々かみ〴〵さゝげたり

32 なんぢらにめいずるこの一切すべてことばをなんぢらまもりておこなふべしなんぢこれをますなかれまたこれへらすなかれ

第13章

1 なんぢらのうち預言者よげんしやあるひはゆめみるものおこりて徴證しるし奇蹟ふしぎなんぢしめ 2 なんぢつげわれらはいまよりなんぢわれとがこれまでしらざりしほか神々かみ〴〵したがひてこれつかへんといふことあらんにその徴證しるしまたは奇蹟ふしぎこれがいふごとくなるとも
 349㌻ 
3 なんぢその預言者よげんしやまたはゆめみるものことばきゝしたがふなか汝等なんぢらかみヱホバなんぢらがこゝろつく精神せいしんつくしてなんぢらのかみヱホバをあいするやいなやをしらんとてかくなんぢらをこゝろみたまふなればなり〘266㌻〙 4 なんぢらはなんぢらのかみヱホバにしたがひてあゆこれおそれその誡命いましめまもりそのことば遵󠄅したがこれつかへこれにつきしたがふべし 5 その預言者よげんしやまたはゆめみるものをばころすべしかれなんぢらをしてなんぢらをエジプトのくにより導󠄃みちびいだ奴隸どれいいへよりあがなとりたるなんぢらのかみヱホバにそむかせんとしなんぢかみヱホバのなんぢあゆめとめいぜし道󠄃みちよりなんぢいざないださんとしてかたるによりてなりなんぢかくしてなんぢの中《 6 なんぢはゝうめなんぢ兄弟きやうだいまたはなんぢ男子むすこ女子むすめまたはなんぢふところつままたはなんぢしんめいともにするなんぢともひそかなんぢいざなひていふあらんなんぢなんぢ先祖せんぞたちしらざりしほか神々かみ〴〵われゆきつかへん 7 すなはなんぢ周󠄃圍まはりにある國々くに〴〵かみあるひなんぢ近󠄃ちかあるひなんぢ遠󠄄とほくしてこのはてよりかのはてまでにしづまものわれつかへんとかくいふことあるとも 8 なんぢこれにしたがなかこれきくなかれこれをしなかこれあはれむなかれこれおほかくなか 9 なんぢかならずこれころすべしこれころすにはなんぢまづこれくだしかのちたみみなくだすべし 10 かれはエジプトのくに奴隸どれいいへよりなんぢ導󠄃みちびいだしたまひしなんぢかみヱホバよりなんぢいざなはなさんともとめたればなんぢいしをもてこれうちころすべし 11 しかせばイスラエルみなきゝおそかさねてかゝあしことなんぢらのうちおこなはざらん

12 なんぢきくなんぢかみヱホバのなんぢあたへて住󠄃すましめたまへるなんぢまちひとつ 13 邪僻よこしまなる人々ひと〴〵おこわれらはいままでしらざりしほか神々かみ〴〵ゆきつかへんといひてそのまち住󠄃ひといざなまどはしたりといふあらば 14 なんぢこれを尋󠄃たづさぐよくとふべしもしそのことまことにそのことばたしかにしてかゝ憎にくむべきことなんぢらのうちおこなはれたらば
 350㌻ 
15 なんぢかならずそのまち住󠄃もの刃󠄃やいばにかけてうちころしそのまちとそのうち一切すべてものおよびその家畜かちく刃󠄃やいばにかけてこと〴〵うちころすべし 16 またそのうちよりたる掠取物ぶんどりものすべてこれをそのちまたあつをもてそのまちとその一切すべて掠取物ぶんどりものをことごとくやきなんぢかみヱホバにそなふべしこれなが荒邱あれあととなりてふたゝたてなほさるゝことなかるべきなり 17 かくなんぢこののろはれしもの少許すこしなんぢつけおくなかしかせばヱホバそのはげしきいかりしづなんぢ慈悲じひくはへてなんぢあはれみなんぢ先祖せんぞたちちかひしごとくなんぢかずおほくしたまはん 18 なんぢもしなんぢかみヱホバのことば今日けふなんぢにめいずるその一切すべて誡命いましめまもなんぢかみヱホバのよしたまふことおこなはゞかくのごとくなるべし

第14章

1 なんぢらは汝等なんぢらかみヱホバの子等こどもなりなんぢしぬもののためにおのきずつくべからずまたおのあひだにあたるいたゞきかみそるべからず〘267㌻〙 2 なんぢなんぢかみヱホバの聖󠄄きよきたみなればなりヱホバはおもてもろ〳〵たみうちよりなんぢえらびておのれたからたみとなしたまへり

3 なんぢけがらはしきものなにをも食󠄃くらなか 4 なんぢらが食󠄃くらふべき獸畜けものこれなりすなはうし ひつじ 山羊やぎ 5 鹿じか 羚羊かもしか 小鹿こじか やまひつじ くじか おほじか おほくじかなど 6 すべ獸畜けものうちひづめ分󠄃わか割󠄅われふたつのひづめなせ反蒭にれはむけものなんぢこれ食󠄃くらふべし 7 たゞ反蒭にれはむものひづめ分󠄃わかれたるものうちなんぢらの食󠄃くらふべからざるものこれなりすなは駱駝らくだ うさぎおよびやまねづみこれらは反蒭にれはめどもひづめわかれざればなんぢらにはけがれたるものなり 8 またぶたこれひづめわかるれども反蒭にれはむことをせざればなんぢらにはけがれたるものなりなんぢ是等これらものにく食󠄃くらふべからずまたその死體しかばねさはるべからず

9 みづにをるもろ〳〵ものうちかくのごときものなんぢ食󠄃くらふべしすなはすべひれうろこのあるものみななんぢこれ食󠄃くらふべし 10 すべひれうろこのあらざるものなんぢらこれを食󠄃くらふべからずこれなんぢらにはけがれたるものなり

 351㌻ 
11 またすべ潔󠄄きよとりみななんぢらこれを食󠄃くらふべし 12 たゞ是等これら食󠄃くらふべからずすなはわし 黄鷹くまたか とび 13 はやぶさ たか くろたかたぐひ 14 各種もろもろからすたぐひ 15 駝鳥だてう ふくろ 鷗󠄁かもめ すゞめたかたぐひ 16 かう さぎ はくてう 17 鸅鸕をすめどり おほたか 鷀󠄅 18 つる 鸚鵡おうむたぐひ しぎおよび蝙蝠かうもり 19 またすべ羽翼つばさありてはふところのものなんぢらにはけがれたるものなりなんぢらこれを食󠄃くらふべからず 20 すべ羽翼つばさをもてとぶところの潔󠄄きよものなんぢらこれを食󠄃くらふべし

21 およみづかしにたるものなんぢ食󠄃くらふべからずなんぢもんうちにをるよそぐにひとこれあたへて食󠄃くはしむべし又󠄂またこれを異邦人ことくにびとうるなんぢなんぢかみヱホバの聖󠄄きよきたみなればなりなんぢ山羊羔こやぎをそのはゝ乳󠄃ちゝにてにるべからず

22 なんぢかならず年々とし〴〵田畝はたけたねまきうるところの產物さんぶつ什一じふいつとるべし 23 しかしてなんぢかみヱホバの前󠄃まへすなはちヱホバのそのおかんとてえらびたまはんところにおいてなんぢ穀物こくもつさけあぶら什一じふいつ食󠄃くらひまたなんぢうしひつじ首出うひご食󠄃くらかくしてなんぢかみヱホバをつねおそるゝことをまなぶべし 24 たゞしそのみちゆく勝󠄃たへがたくしてこれたづさへいたることあたはざるときまたはなんぢかみヱホバのそのおかんとてえらびたまへるところなんぢはなるゝことあまりに遠󠄄とほときなんぢもしなんぢかみヱホバの恩惠めぐみうるほならば 25 そのものかねへそのかねつゝみてなんぢかみヱホバのえらびたまへるところ 26 すべなんぢこゝろこのものをそのかねかふべしすなはうし ひつじ 葡萄ぶだうしゆ 濃酒こきさけなどすべなんぢこゝろほつするものをもとめ其處そこにてなんぢかみヱホバの前󠄃まへにこれを食󠄃くらなんぢなんぢ家族かぞくともにたのしむべし〘268㌻〙 27 なんぢもんうちにをるレビびとすつなかこれなんぢ中間うち分󠄃ぶんなく產業さんげふなきものなればなり

28ねんすゑいたごとにそのとし產物さんぶつの十分󠄃ぶんの一をこと〴〵もちいだしてこれをなんぢもんうち儲蓄たくはふべし 29 しかときなんぢ中間うち分󠄃ぶんなく產業さんげふなきレビびとおよびなんぢもんうちにをるよそぐにひと孤子みなしご寡婦󠄃やもめなどきたりてこれを食󠄃くらひて飽󠄄あかかくせばなんぢかみヱホバなんぢをもてなすところのもろ〳〵ことにおいてなんぢ福祉さいはひたまふべし
 352㌻ 

第15章

1ねん終󠄃おはりいたるごとになんぢ放釋ゆるしおこなふべし 2 その放釋ゆるしれいかくのごとしすべてそのとなりかすことをなししそのかしぬしこれ放釋ゆるすべしそのとなりまたはその兄弟きやうだいにこれを督促はたるべからずこれはヱホバの放釋ゆるしとなへらるればなり 3 ことくにひとにはなんぢこれを督促はたることをされどなんぢ兄弟きやうだいかしたるものなんぢよりこれを放釋ゆるすべし 4 かくせばなんぢらの中間うち貧󠄃者まづしきものなからんなんぢかみヱホバそのなんぢあたへて產業さんげふとなさしめたまふにおいておほいなんぢ祝福めぐみたまふべければなり 5 たゞなんぢもしつゝしみてなんぢかみヱホバのことばきゝしたがひ今日けふなんぢにめいずるこの誡命いましめこと〴〵まもおこなふにおいてはかくのごとくなるべし 6 なんぢかみヱホバなんぢいひしごとくなんぢ祝福めぐみたまふべければなんぢ衆多おほく國人くにびとかすことをべしされかることあらじまたなんぢ衆多おほく國人くにびとをさめんされかれらはなんぢをさむることあらじ

7 なんぢかみヱホバのなんぢたまにおいてもしなんぢ兄弟きやうだい貧󠄃まづしひとなんぢもんうちにをらばその貧󠄃まづしき兄弟きやうだいにむかひてなんぢこゝろ剛愎かたくなにするなかれまたなんぢとづなか 8 かならずなんぢをこれにひらかならずその要󠄃もとむるものをこれにかしあたへてこれがとぼしきをおぎなふべし 9 なんぢつゝしこゝろあしおもひ起󠄃おこだいねん放釋ゆるしとし近󠄃ちかづけりといひなんぢ貧󠄃まづし兄弟きやうだいをかけざるなかなんぢもしかくこれなにをもあたへずしてそのひとこれがためになんぢをヱホバにうつたへなばなんぢつみ 10 なんぢかならずこれあたふることをなすべしまたこれあたふるときこゝろをしむことなか此事このことのためになんぢかみヱホバなんぢもろ〳〵事業わざなんぢもろ〳〵働作はたらきとにおいなんぢ祝福めぐみたまふべければなり 11 貧󠄃まづしもの何時いつまでもくににたゆることなかるべければわれなんぢめいじてなんぢかならずなんぢくにうちなるなんぢ兄弟きやうだい困難者なやめるもの貧󠄃乏まづしきものとになんぢひらくべし

 353㌻ 
12 なんぢ兄弟きやうだいたるヘブルのをとこまたはヘブルのをんななんぢもとうられたらんにもしねんなんぢにつかへたらばだいねんなんぢこれをはなちてさらしむべし〘269㌻〙 13 なんぢこれをはなちてさらしむるとき空󠄃手むなしでにてさらしむべからず 14 なんぢむれ禾場うちばしぼりうちより贈物おくりものとりこれかた負󠄅おはすべしすなはなんぢかみヱホバのなんぢ祝福めぐみたまふところのものをこれにあたふべし 15 なんぢ記憶おぼゆべしなんぢはエジプトのくに奴隸どれいたりしがなんぢかみヱホバなんぢあがないだしたまへり是故このゆえわれ今日けふこのことなんぢめい 16 そのひともしなんぢなんぢいへあいなんぢともにをるをよしとしてなんぢにむかひわれなんぢはなれてさるこのまずといは 17 なんぢきりとりかれみゝさしとほすべししかせばかれながなんぢしもべたるべしなんぢしもめにもまたかくのごとくすべし 18 なんぢこれをはなちてさらしむるをかたことるべからずかれが六ねんなんぢつかへてはたらきしは工價あたひ傭人やとひびとの二ばいあたればなりなんぢかくなさばなんぢかみヱホバなんぢすべなすところのことおいなんぢをめぐみたまふべし

19 なんぢうしひつじうめ初子うひごみなこれを聖󠄄別きよめなんぢかみヱホバにせしむべしなんぢうし初子うひごをもちゐてなに工作わざをもなすべからず又󠄂またなんぢひつじ初子うひごきるべからず 20 なんぢかみヱホバの選󠄄えらびたまへるところにてヱホバの前󠄃まへなんぢなんぢ家族かぞく年々とし〴〵にこれを食󠄃くらふべし 21 されどそのけものもしきずあるものすなはち跛足あしなへ盲目めくらなるなどすべあしきずあるものなるときなんぢかみヱホバにこれをほふりてさゝぐべからず 22 なんぢもんうちにこれを食󠄃くらふべしけがれたるもの潔󠄄きよものひとしくこれを食󠄃くらふをること鹿じか羚羊かもしかのごとし 23 たゞしそのはこれを食󠄃くらふべからずみづのごとくにこれをそゝぐべし

第16章

1 なんぢアビブのつきまもなんぢかみヱホバにむかひて逾越節󠄄すぎこしのいはひおこなへはアビブのつきおいなんぢかみヱホバなんぢをエジプトより導󠄃みちびいだしたまひたればなり 2 なんぢすなはちヱホバのそのおかんとてえらびたまふところにてひつじおよびうしほふなんぢかみヱホバの前󠄃まへ逾越節󠄄すぎこしのいはひをなすべし
 354㌻ 
3 たねいれたるパンをこれとともに食󠄃くらふべからず七日なぬかあひだたねいれぬパンすなは憂患うれへのパンをこれとともに食󠄃くらふべしなんぢエジプトのくによりいづとき急󠄃いそぎていでたればなりかくおこなひてなんぢその生存ながらふるあひだつねなんぢがエジプトのくによりいでおぼゆべし 4 その七日なぬかあひだなんぢ四方よもさかひうちにパンだねみゆることあらしむべからず又󠄂またなんぢがはじめ薄暮ゆふぐれほふりたるものにく翌󠄃朝󠄃あくるあさまでのこしおくべからず 5 なんぢかみヱホバのなんぢたまなんぢもんうちにて逾越すぎこし牲畜けものほふることをなすべからず 6 たゞなんぢかみヱホバのそのおかんとて選󠄄えらびたまふところにてなんぢ薄暮ゆふぐれころなんぢがエジプトよりいでたる時刻じこく逾越すぎこし牲畜けものほふるべし〘270㌻〙 7 しかしてなんぢかみヱホバの選󠄄えらびたまふところにてなんぢこれをやき食󠄃くら朝󠄃あしたにおよびてなんぢてんまくかへくべし 8 なんぢ六日むいかあひだたねいれぬパンを食󠄃くら第七日なぬかめなんぢかみヱホバの前󠄃まへくわいひらくべしなにしよくげふをもなすべからず

9 なんぢまたなゝ七日なぬかかぞふべしすなは穀物こくもつかまをいれそむときよりしてそのなゝ七日なぬかかぞはじむべきなり 10 しかしてなんぢかみヱホバの前󠄃まへなな週󠄃まはり節󠄄筵いはひおこなひなんぢかみヱホバのなんぢ祝福めぐみたまふ所󠄃ところにしたがひなんぢちからおうじてそのこゝろねが禮物そなへものさゝぐべし 11 かくしてなんぢなんぢ男子むすこ女子むすめしもべしもめおよびなんぢもんうちるレビびとならびになんぢらの中間うちにをる賓旅たびゞと孤子みなしご寡婦󠄃やもめみなともになんぢかみヱホバのそのおかんとて選󠄄えらびたまふところにてなんぢかみヱホバの前󠄃まへたのしむべし 12 なんぢそのむかしエジプトに奴隸どれいたりしことをおぼ是等これら法度のりまもおこなふべし

13 なんぢ禾場うちばしぼりもの收藏をさめたるとき七日なぬかあひだ結茅節󠄄かりほずまひのいはひをおこなふべし 14 節󠄄筵いはひをなすときにはなんぢなんぢ男子むすこ女子むすめしもべしもめおよびなんぢもんうちなるレビびと賓旅たびゞと孤子みなしご寡婦󠄃やもめなどみなともにたのしむべし 15 ヱホバの選󠄄えらびたまふところにてなんぢ七日なぬかあひだなんぢのかみヱホバの前󠄃まへ節󠄄筵いはひをなすべしなんぢかみヱホバなんぢもろ〳〵產物さんぶつなんぢもろ〳〵工事わざとについてなんぢ祝福めぐみたまふべければなんぢかならずたのしむことをなすべし
 355㌻ 
16 なんぢ中間うちをとこみななんぢの神ヱホバのえらびたまふところにて一年ひととせ三次みたびすなはたねいれぬパンの節󠄄いはひなな週󠄃まはり節󠄄いはひ結茅かりほずまひ節󠄄いはひとにおいてヱホバの前󠄃まへいづべしたゞ空󠄃手むなしでにてヱホバの前󠄃まへいづべからず 17 各人おのおのなんぢかみヱホバにたまはる恩惠めぐみにしたがひてそのちからにおよぶほどものさゝぐべし

18 なんぢかみヱホバのなんぢたま一切すべて邑々まちまちなんぢ支派わかれしたがひて士師さばきびとつかさびとたつべしかれらはまだただし審判󠄄さばきをもてたみ審判󠄄さばくべし 19 なんぢ裁判󠄄さばきまぐべからずひと偏󠄃視かたよりみるべからずまた賄賂まひなひとるべからず賄賂まひなひ智者かしこきもの暗󠄃くらまし義者ただしきものことばまぐればなり 20 なんぢただ公義ただしき而已のみもとむべしせばなんぢ生存いきながらへてなんぢかみヱホバのなんぢたまうるにいたらん

21 なんぢかみヱホバのためにきづくところのだんかたはらにアシラのもくざうたつべからず 22 またなんぢかみヱホバのにくみたまふ偶像ぐうざうおのれのために造󠄃つくるべからず

第17章

1 すべきずありあしところあるうしひつじなんぢこれをなんぢかみヱホバにさゝぐべからずかゝものなんぢかみヱホバの忌嫌󠄃いみきらひたまふものなればなり
〘271㌻〙
2 なんぢかみヱホバのなんぢたま邑々まちまちうちにてなんぢらの中間うちあるをとこまたはをんななんぢかみヱホバの前󠄃まへ惡事あくじおこなひてその契󠄅約けいやくもと 3 ゆきほか神々かみ〴〵つかへてこれををがめいぜざるつきてん衆群しうぐんなどををがむあらんに 4 そのことなんぢつぐものありてなんぢこれをこまかにこれをしらるにそのことまことにそのことばたしかにしてイスラエルのうちかゝ憎にくむべきことおこなはれたらば
 356㌻ 
5 なんぢそのあしことおこなへるをとこまたはをんななんぢもんひきいだしいしをもてそのをとこまたはをんなうちころすべし 6 ころすべきものにん證人あかしびとまたはさんにん證人あかしびとくちよりてこれをころすべしたゞいちにん證人あかしびとくちのみをもてこれころすことはなすべからず 7 かゝものころすには證人あかしびとまづそのこれくはしかのちたみみなそのくはふべしなんぢかく惡事あくじなんぢらのうちよりのぞくべし

8 なんぢもんうちうつたあらそことおこるにあたりその事件ことがらもしあひながことまたは權理けんりあひあらそことまたはたがひあひうちたることなどにしてなんぢ裁判󠄄さばきかぬるものならばなんぢ起󠄃たちあがりてなんぢかみヱホバの選󠄄えらびたまふところのぼ 9 祭司さいしなるレビびと當時そのとき士師さばきびととにいたりてとふべしかれ裁判󠄄さばき言詞ことばなんぢしめさん 10 ヱホバの選󠄄えらびたまふところにてかれらがなんぢしめ命令めいれいことばのごとくになんぢおこなすべかれらがなんぢをしふるごとくにつゝしみてなすべし 11 すなはゆゑらがなんぢをしふる律法おきて命令めいれいしたがひかれらがなんぢつぐ裁判󠄄さばきよりおこなふべしかれらがなんぢしめことば違󠄇たがふてみぎにもひだりにも偏󠄃かたよるべからず 12 ひともしみづか壇斷ほしいままにしそのなんぢかみヱホバの前󠄃まへたちつかふる祭司さいしまたはその士師さばきびときゝしたがはざるあらばそのひところしイスラエルのうちよりあくのぞくべし 13 しかせばたみみなきゝおそかさね壇斷ほしいままことをなさざらん

14 なんぢかみヱホバのなんぢたまなんぢいたりこれ其處そこ住󠄃すむにおよべるときなんぢもしわが周󠄃圍まはり一切すべて國人くにびとのごとくにわれわうをわがうへたてんといふあらば 15 たゞなんぢのかみヱホバの選󠄄えらびたまふひとなんぢうへにたててわうとなすべしまたなんぢうへわうたつるにはなんぢ兄弟きやうだいうちひとをもてすべしなんぢ兄弟きやうだいならざるよそぐにひとなんぢうへたつべからず 16 たゞわうとなれるものむまおほんとすべからず又󠄂またうまおほんためにたみ率󠄃ひきゐてエジプトに還󠄃かへるべからずはヱホバなんぢらにむかひてなんぢらはこののちかさねてこのみちかへるべからずとのたまひたればなり
 357㌻ 
17 またつまおほくそのもちこゝろ迷󠄃まよはすべからずまた金銀きんぎんおのれのためにおほ蓄積たくはふべからず

18 かれそのくにくらゐするにいたらば祭司さいしなるレビびと前󠄃まへにあるふみよりしてこの律法おきてひとつふみかきうつさしめ〘272㌻〙 19 生存ながらふるあひだつねにこれをおのれもとおきかくしてそのかみヱホバをおそるることをまなびこの律法おきて一切すべてことば是等これら法度のりまもりておこなふべし 20 しかせばかれこゝろその兄弟きやうだいうへたかぶることくまたその誡命いましめはなれてみぎにもひだりにもまがることなくしてその子女こどもとともにそのくににおいてイスラエルのなかにそのながうすることを

第18章

1 祭司さいしたるレビびとおよびレビの支派わかれすべてイスラエルのうち分󠄃ぶんなく產業さんげふなしかれらはヱホバのくわさいしなとその產業さんげふもの食󠄃くらふべし 2 かれらはその兄弟きやうだい中間うち產業さんげふもたじヱホバこれが產業さんげふたるたりすなはちそのかつこれいひたまひしがごと 3 祭司さいしたみよりうくべき分󠄃ぶんこれなりすなはすべ犧牲いけにへさゝぐるものうしにもあれひつじにもあれそのかたふたかたほほとを祭司さいしあたふべし 4 またなんぢ穀物こくもつさけあぶらはつおよびひつじはつをもこれにあたふべし 5 なんぢかみヱホバなんぢもろ〳〵支派わかれうちよりかれ選󠄄えらいだかれとその子孫しそんをしてながくヱホバのをもてたち奉事つとめをなさしめたまへばなり

6 レビびとはイスラエルの全󠄃地ぜんちうちいづれところものにもあれその寄寓やどりたるなんぢまちいでてヱホバの選󠄄えらびたまところいたるあらば 7 そのひとはヱホバの前󠄃まへはべるそのしよ兄弟きやうだいのレビびととおなじくそのかみヱホバのをもて奉事つとめをなすことをべし 8 そのひと食󠄃くら分󠄃ぶんかれらとおなたゞしその父󠄃ちち遺󠄃げふうりたるものはこのほかかれぞく

 358㌻ 
9 なんぢかみヱホバのなんぢたまいけにいたるにおよびてなんぢその國々くに〴〵たみ憎にくむべき行爲わざならおこなふなかれ 10 なんぢらの中間うちにその男子むすこ女子むすめをしてなか通󠄃とほらしむるものあるべからずまた卜筮うらなひするものじやはふおこなふもの禁厭まじなひするもの魔󠄃術まじゆつ使つかもの 11 はふいんむすもの憑鬼くちよせするもの巫覡かんなぎわざをなすものにんとふことをするものあるべからず 12 すべ是等これらことものはヱホバこれを憎にくみたまふなんぢかみヱホバがかれらをなんぢ前󠄃まへより逐󠄃おひはらひたまひしも是等これら憎にくむべきことのありしによりてなり 13 なんぢかみヱホバの前󠄃まへなんぢまつたものたれ 14 なんぢ逐󠄃おひはらふゆゑ國々くに〴〵たみじやはふ卜筮師うらなひしなどにきくことをなせりされなんぢにはなんぢかみヱホバしかすることゆるしたまはず

15 なんぢかみヱホバなんぢうちなんぢ兄弟きやうだいうちよりわれのごとき一箇ひとつ預言者よげんしやなんぢのためにおこしたまはんなんぢこれきくことをすべし 16 これまったくなんぢ集會しふくわいにホレブにおいてなんぢかみヱホバにもとめたる所󠄃ところなりすなはなんぢいひけらくわれをしてかさねてこのわがかみヱホバのこゑきかしむるなかれまたかさねてこのおほいなるさするなかおそらくはわれしなんと〘273㌻〙 17 こゝにおいてヱホバわれいひたまひけるはかれらのいへ所󠄃ところ 18 われかれら兄弟きやうだいうちよりなんぢのごとき一箇ひとり預言者よげんしやかれらのためにおこわがことばをそのくちさづけんかれめいずることばかれことごとくかれらにつぐべし 19 すべかれわがをもてかたるところのわがことばきゝしたがはざるものわれこれをばつせん

20 たゞ預言者よげんしやもしかたれとめいぜざることばわがをもて縱肆ほしいままかたりまたはほか神々かみ〴〵をもてかたることをすならばその預言者よげんしやころさるべし 21 なんぢあるひはこゝろいはわれ如何いかにしてそのことばのヱホバのいひたまふものにあらざるをしらんと 22 され預言者よげんしやありてヱホバのをもてかたることをなすにそのことばとげずまたしるしあらざるときこれヱホバのかたりたまふことばにあらずしてその預言者よげんしや縱肆ほしいままかたるところなりなんぢその預言者よげんしやおそるるにおよばす
 359㌻ 

第19章

1 なんぢかみヱホバこの國々くに〴〵たみほろぼなんぢかみヱホバこれがなんぢたまふてなんぢつひにこれをその邑々まちまちとその家々いへいへ住󠄃すむにいたるとき 2 なんぢかみヱホバのなんぢあたへて產業さんげふとなさしめたまふうちみつまちなんぢのために區別わかつべし 3 しかしてなんぢこれに道󠄃路みちひらきまたなんぢかみヱホバのなんぢあたへて產業さんげふとなさしめたまふ全󠄃體ぜんたいみつ分󠄃わかすべひところせるものをして其處そこ逃󠄄のがれしむべし

4 ひところせるもの彼處かしこ逃󠄄のがれて生命いのち全󠄃まつたうすべきそのことかくのごとしすなはすべもとよりにくむこともしらずしてそのとなりびところせるもの 5 たとへひときらんとてそのとなりびととともにはやしをのとりきらんとうちおろすときにそのかしらてつより脫󠄁ぬげてそのとなりびとにあたりてこれしなしめたるがごとこれなりかゝひと是等これらまちひとつ逃󠄄のがれて生命いのち全󠄃まつたうすべし 6 おそらくは復仇あだうちするものこゝろねつしてその殺人者ひとごろし追󠄃おひかけ道󠄃路みちながきにおいては遂󠄅つひ追󠄃おひしきてこれころさんしかるにそのひともとよりこれにくみたるものにあらざればころさるべきあらざるなり 7 こゝをもてわれなんぢにめいじてみつまちなんぢのために區別わかつべしといへ 8 なんぢかみヱホバなんぢ先祖せんぞたちちかひしごとくなんぢ境界さかひひろなんぢ先祖せんぞたちあたへんといひこと〴〵なんぢたまふにいたらんとき 9 すなはなんぢ今日けふなんぢにめいずるこの一切すべて誡命いましめまもりてこれをおこなひなんぢかみヱホバをあいつねにその道󠄃みちあゆまんときはこのみつほかにまたみつまちましくはふべし〘274㌻〙 10 これなんぢかみヱホバのなんぢあたへて產業さんげふとなさしめたまふつみなきものながすことなからんためなりかくせずばそのなんぢせん

11 されどもしひとその隣人となりびとにくみてこれつけねら起󠄃たちかかりうちてその生命いのちそこなひてこれしなしめしかしてこのまちひとつ逃󠄄のがれたることあらば 12 そのまち長老等としよりたちひと遣󠄃やりこれ其處そこよりひききたらしめ復仇あだうつものにこれをわたしてころさしむべし 13 なんぢかれをあはるべからずつみなきものながせるとがをイスラエルよりのぞくべししかせばなんぢ福祉さいはひあらん

 360㌻ 
14 なんぢかみヱホバのなんぢあたへてさせたまふうちにおいてなんぢぐところの產業さんげふなんぢせんじんさだめたるなんぢとなり地界ちざかひをかすべからず

15 なにあくにもあれすべてそのをかすところのつみたゞ一人ひとり證人あかしびとによりてさだむべからず二人ふたり證人あかしびとくちによりまたは三にん證人あかしびとくちによりてそのことさだむべし 16 もし僞妄いつはり證人あかしびと起󠄃おこりてそれひと惡事あくじをなせりといひたつることあら 17 そのあひあらそ二人ふたりものヱホバの前󠄃まへいた當時そのとき祭司さいし士師さばきびと前󠄃まへたつべし 18 しかとき士師さばきびと詳細つまびらかにこれをしらるにその證人あかしびともし僞妄いつはり證人あかしびとにしてその兄弟きやうだいにむかひて虛妄いつはりあかしをなしたるものなるとき 19 なんぢ兄弟きやうだいかれかうむらさんとはかれる所󠄃ところかれかうむらしかくしてなんぢらのうちより惡事あくじのぞくべし 20 しかせばその遺󠄃のこれる者等ものどもきゝおそれそののちかさねてかゝあしことなんぢらのうちにおこなはじ 21 なんぢあはれることをすべからず生命いのち生命いのちあしあしをもてつくのはしむべし

第20章

1 なんぢそのてきたゝかはんとていづるにあたむまくるままたなんぢよりもかずおほたみるもこれにおそるるなかなんぢをエジプトのくにより導󠄃みちびのぼりしなんぢかみヱホバなんぢとともにいませばなり 2 なんぢ戰鬪たたかひのぞとき祭司さいし進󠄃すゝみいでたみつげ 3 これいふべしイスラエルよなんぢらは今日けふなんぢらのてきたゝかはんとて進󠄃すゝきたれりこゝろおくするなかおそるるなかれ倉皇あはつるなかれかれらにおづるなかれ 4 なんぢらのかみヱホバなんぢらとともになんぢらのためになんぢらのてきたゝかひてなんぢらをすくひたまふべければなりと 5 かくてまた有司つかさたちたみつげいふべしたれあたらしきいへたてこれうつらざるものあるかそのひといへかへりゆくべしおそらくは自己おのれ戰鬪たたかひしにほかひとこれにうつらん 6 たれ菓物くだものばたけつくりてその食󠄃くらはざるものあるかそのひといへかへりゆくべしおそらくは自己おのれ戰鬪たたかひしにほかひとこれを食󠄃くらはん
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7 たれをんな契󠄅ちぎりてこれめとらざるものあるかそのひといへかへりゆくべしおそらくは自己おのれ戰鬪たたかひしにほかひとこれをめとらんと〘275㌻〙 8 有司つかさたちなほまたたみつげいふべしたれおそれてこゝろおくするものあるかそのひといへかへりゆくべしおそらくはその兄弟きやうだいたちのこゝろこれがこゝろのごとくくじけんと 9 有司つかさたちかくたみつぐることを終󠄃をへたらば軍勢ぐんぜいかしらたちたてたみ率󠄃ひきゐしむべし

10 なんぢあるまち進󠄃すゝみゆきてこれせめんとするときまづこれに平󠄃穩おだやかくだることをすゝむべし 11 そのまちもし平󠄃穩おだやかくだらんとこたへてそのもんなんぢひらかば其處そこなるたみをしてすべなんぢみつぎ納󠄃いれしめなんぢつかへしむべし 12 それもし平󠄃穩おだやかなんぢくだることをがへんぜずしてなんぢたたかはんとせばなんぢこれをせむべし 13 しかしてなんぢかみヱホバこれをなんぢわたしたまふにいたらば刃󠄃やいばをもてそのうちをとここと〴〵うちころすべし 14 たゞその婦󠄃女をんな嬰孩こども家畜かちくおよびすべてそのまちうちにてなんぢうばたるものこと〴〵おのれとるべしそもそもなんぢがそのてきよりうばたるものなんぢかみヱホバのなんぢたまものなればなんぢこれをもてたのしむべし 15 なんぢはなるることの遠󠄄とほ邑々まちまちすなはち是等これら國々くに〴〵ぞくせざるところの邑々まちまちにはすべてかくのごとくおこなふべし 16 たゞなんぢかみヱホバのなんぢあたへて產業さんげふとなさしめたまふこの國々くに〴〵邑々まちまちにおいては呼吸いきするもの一人ひとりいかおくべからず 17 すなはちヘテびと アモリびと カナンびと ペリジびと ヒビびと ヱブスびとなどはなんぢかならずこれをほろぼしつくしてなんぢかみヱホバのなんぢめいじたまへるごとくすべし 18 かくするはかれらがその神々かみ〴〵にむかひておこなふところの憎にくむべきことなんぢらにをしへてこれならひおこなはしめなんぢらをしてなんぢらのかみヱホバにつみせしむることのなからんためなり

19 なんぢひさしくまちかこみてこれ攻取せめとらんとするときにおいてもをのふるふて其處そこきりからすべからずこれなんぢ食󠄃しよくとなるべきものなりかつそのしろぜめにおいて田野でんやあにひとのごとくなんぢ前󠄃まへたちふさがらんや 20 たゞむすばざるしれはこれをからなんぢたゝかまちにむかひてこれをもて雲梯うんていきづきそのくだるまでこれせむるも
 362㌻ 

第21章

1 なんぢかみヱホバのなんぢあたへてさせたまふにおいてひところされてたふれをるあらんにこれころせるものたれなるかをしらざるとき 2 なんぢ長老等としよりたち士師さばきびとたちいできたりそのひところされをるところよりその四周󠄃まはり邑々まちまちまでをはかるべし 3 しかしてそのひところされをるところもつと近󠄃ちかまちすなはちそのまち長老等としよりたちいま使つかはずいまくびき負󠄅おはせてひかざるところのわかうし〘276㌻〙 4 まち長老等としよりたちそのうしたがすこともたねまくこともせざるながれつきせぬたにひきゆきそのたににおいてうしくびをるべし 5 そのとき祭司さいしたるレビの子孫しそん其處そこ進󠄃すゝきたるべしかれらはなんぢかみヱホバが選󠄄えらびておのれつかへしめまたヱホバのをもてしゆくすることをなさしめたまふものにて一切すべて訴訟うつたへ一切すべて爭競あらそひかれらのくちによりて決定さだまるべきがゆゑなり 6 しかしてそのひところされをりしところもつと近󠄃ちかまち長老等としよりたちそのたににてくびをりたるうしうへにおいてあら 7 こたへていふべしわれらのはこのながさずわれらのはこれをざりしなり 8 ヱホバよなんぢあがなひしなんぢたみイスラエルをゆるしたまへこのつみなきものながせるばつなんぢたみイスラエルのうちくだしたまふなかれとかくせばかれらそのつみゆるされん 9 なんぢかくヱホバのよしたまふことをおこなひそのつみなきものながせるとがなんぢらのうちよりのぞくべし

10 なんぢいでなんぢてきたゝかふにあたりなんぢかみヱホバこれをなんぢわたしたまひてなんぢこれを俘虜とりことなしたるとき 11 なんぢもしその俘虜とりこうちかたちうるはしきをんなあるをてこれをよろことりつまとなさんとせば 12 なんぢいへうちにこれをたづさへゆくべししかしてかれはそのかみつめ 13 まだ俘虜とりこ衣服󠄃きもの脫󠄁ぬぎすててなんぢいへりその父󠄃母ちちははのために一月ひとつきのあひだ哀哭なげくべししかのちなんぢゆゑところりてこれがをつととなりこれをなんぢつまとすべし 14 そののちなんぢもしかれこのまずなりなばかれこゝろのままにさりゆかしむべしけつしてかねのためにこれをうるべからずなんぢすでにこれををかしたればこれきびし待遇󠄃あしらふべからざるなり

 363㌻ 
15 ひと二人ふたりつまありてその一人ひとりあいするもの一人ひとりにくものならんにそのあいするものにくもの二人ふたりともにをとこうむありてその長子ちやうしもしにく婦󠄃をんなうめものなるとき 16 その子等こどもおのれ所󠄃有もちものつがしむるにそのにく婦󠄃をんなうめ長子ちやうしおきてそのあいする婦󠄃をんなうめ長子ちやうしとなすべからず 17 かならずそのにくものうめ長子ちやうしとなしおのれ所󠄃有もちもの分󠄃わかときにこれには二ばいあたふべしこれおのれちからはじめにして長子ちやうしけんこれにぞくすればなり

18 ひとにもし放肆わがままにしてそむきもとありその父󠄃ちちことばにもはゝことばにもしたがはず父󠄃母ちちははこれをせむるもきくことをせざるとき 19 その父󠄃母ちちははこれをとらへてそのところもんにいたりまち長老等としよりたち 20 まち長老としよりたちにいふべしわれらのこの放肆わがままにしてそむきもとものわれらのことばにしたがはざるもの放蕩はうたうにしてさけふけものなりと 21 しかときまちひとみないしをもてこれうちころすべしなんぢかくなんぢらのうちより惡事あくじのぞさるべししかせばイスラエルみなきゝおそれん
〘277㌻〙
22 ひともしにあたるつみをかして死刑しおき遇󠄃あふことありてなんぢこれをかけさらとき 23 翌󠄃朝󠄃あくるあさまでそのからだうへとめおくべからずかならずこれをそのうちうづむべしかけらるるものはヱホバにのろはるるものなればなりかくするはなんぢかみヱホバのなんぢたまふて產業さんげふとなさしめたまふけがれざらんためなり

第22章

1 なんぢ兄弟きやうだいうしまたはひつじ迷󠄃まよひをるをてこれをすておくべからずかならずこれをなんぢ兄弟きやうだいひきゆきてかへすべし 2 なんぢ兄弟きやうだいもしなんぢ近󠄃ちかからざるか又󠄂またなんぢかれをしらざるときはこれをなんぢいへひきゆきてなんぢもとにおきなんぢ兄弟きやうだい尋󠄃たづねきたるにおよびてこれかれ還󠄃かへすべし 3 なんぢ兄弟きやうだい驢馬ろばにおけるもかくのごとくしまたその衣服󠄃きものにおけるもかくなすべしすべなんぢ兄弟きやうだいうしなひたる遺󠄃失うせものたるときなんぢかくなすべしこれすておくべからず
 364㌻ 
4 またなんぢ兄弟きやうだい驢馬ろばまたはうし途󠄃みちたふれをるをすておくべからずかならずこれをたす起󠄃おこすべし

5 をんなをとこ衣服󠄃ころもまとふべからずまたをとこをんな衣裳きものきるべからずすべかくするものなんぢかみヱホバこれを憎にくみたまふなり

6 なんぢとりみちほとりまたはうへまたはつちうへにあるをんにひなまたはたまごそのうちにありてはゝどりそのひなまたはたまごうへふしをらばそのはゝどりひなとともにとるべからず 7 かならずそのはゝとりさらしめたゞそのひなのみをとるべしせばなんぢ福祉さいはひかつなんぢながうすることを

8 なんぢあたらしきいへたつときはその屋蓋やね周󠄃圍まはり欄杆らんかんまうくべしこれひとそのうへよりおちてこれがなんぢいへすることなからんためなり

9 なんぢ菓物くだものばたけるゐたねまぜまくべからずしかせばなんぢまきたるたねよりさんするものおよびなんぢ菓物くだものばたけよりいづ菓物くだものみな聖󠄄物きよきものとならん 10 なんぢうし驢馬ろばとをあはせてたがへすことをなすべからず 11 なんぢ麻󠄃あさとをまじへたる衣服󠄃ころもきるべからず

12 なんぢうへまと衣服󠄃ころもすそ四方しはうふさをつくべし

13 ひともしつまめとこれとともにいねのちこれを嫌󠄃きら 14 われこの婦󠄃人をんなめとりしがこれいねたるときにその處女をとめなるをざりしといひ誹謗そしり辭抦ことがらまうけこれにあし負󠄅おはせなば 15 そのをんな父󠄃ちちはゝそのむすめ處女をとめなる證跡しるしもんにをるまち長老としよりたちにこれをさしいだ 16 しかしてそのをんな父󠄃ちち長老等としよりたちいふべしわれこのひとにわが女子むすめあたへてつまとなさしめしにこのひとこれを嫌󠄃きら〘278㌻〙 17 誹謗そしり辭抦ことがらまうけてわれなんぢの女子むすめ處女をとめなるをざりしとしかるにわが女子むすめ處女をとめなりし證跡しるしこゝにありとかくいひてその父󠄃母ちちははかのぬのまち長老等としよりたち前󠄃まへのぶべし 18 しかときまち長老等としよりたちそのひととらへてこれをむちう
 365㌻ 
19 又󠄂またこれにぎん百シケルをばつしてそのをんな父󠄃ちちはらはしむべしはイスラエルの處女をとめあし負󠄅おはせたればなりかくてそのひとはこれをつまとすべし一生いつしやうこれをさることを 20 されどこのこともしまことにしてそのをんな處女をとめなる證跡しるしあらざるとき 21 そのをんなをこれが父󠄃ちちいへもんひきいだしそのまち人々ひと〴〵いしをもてこれをうちころすべしかれその父󠄃ちちいへにてみだりなることをなしてイスラエルのうちあくをおこなひたればなりなんぢかく惡事あくじなんぢらのうちよりのぞくべし

22 もしをつと適󠄄ゆき婦󠄃をんないぬをとこあるをばその婦󠄃をんないねたるをとこその婦󠄃をんなとをともにころかくして惡事あくじをイスラエルのうちよりのぞくべし

23 處女をとめなる婦󠄃人をんなすでにをつと適󠄄ゆくやくをなせるのちあるをとここれにまちうち遇󠄃あひてこれををかさば 24 なんぢらその二人ふたりまちもんひきいだしいしをもてこれをうちころすべしこれそのをんなまちうちにありながらさけぶことをせざるにりまたそのをとこはそのとなりつまはづかしめたるによりてなりなんぢかく惡事あくじなんぢらのうちよりのぞくべし

25 されをとこもしひと適󠄄ゆくやくをなししむすめにて遇󠄃ひこれをしひをかすあらばこれをかししをとこのみをころすべし 26 そのをんなにはなにをもなすべからずをんなにはにあたるつみなしひとそのとなりびと起󠄃たちむかひてこれをころせるとそのことおなじ 27 をとこにてこれに遇󠄃あひたるがゆゑにそのひと適󠄄ゆくやくをなししをんなさけびたれどもすくものなかりしなり

28 をとこもしいまひと適󠄄ゆくやくをなさざる處女をとめなる婦󠄃をんな遇󠄃ひこれをとらへてをかすありてその二人ふたりあらはされなば 29 これををかせるをとこそのをんな父󠄃ちちぎん五十シケルをあたへてこれおのれつまとすべしかれそのをんなはづかしめたれば一生いつしやうこれをるべからざるなり

30 ひとその父󠄃ちちつまめとるべからずその父󠄃ちちふすま掀開まくるべからず
 366㌻ 

第23章

1 ぐわいじんそこなひたるものまたはぎよくきやうりたるものはヱホバのくわいいるべからず 2 私子かくしごはヱホバのくわいにいるべからずこれじふだいまでもヱホバのくわいにいるべからざるなり

3 アンモンびとおよびモアブびとはヱホバのくわいにいるべからずかれらはじふだいまでも何時いつまでもヱホバのくわいにいるべからざるなり〘279㌻〙 4 これなんぢらがエジプトよりいできたりしときかれらはパンとみづとをもてなんぢらを途󠄃みち迎󠄃むかへずメソポタミアのペトルびとベオルのバラムをやとひてなんぢのろはせんとたればなり 5 しかれどもなんぢかみヱホバ、バラムにきくことをなしたまはずしてなんぢかみヱホバその呪詛のろひかへなんぢのために祝福めぐみとなしたまへりこれなんぢかみヱホバなんぢあいしたまふがゆゑなり 6 なんぢ一生いつしやういつまでもかれらのために平󠄃安へいあんをもまた福祿さいはひをももとむべからず

7 なんぢエドムびとにくむべからずこれなんぢ兄弟きやうだいなればなりまたエジプトびとにくむべからずなんぢもこれがくにかくたりしことあればなり 8 彼等かれらうみたる子等こどもは三だいにおよばばヱホバのくわいにいることをべし

9 なんぢ軍旅ぐんりよいだしてなんぢてきせむときもろ〳〵あしことみづかつゝしむべし 10 なんぢらの中間うちにもし夜中やちうはからずも汚穢けがれにふれて潔󠄄きよからざるひとあらばぢんえいそとにいづべしじんえいうちいるべからず 11 しかして薄暮ゆふぐれみづをもてあらいりのちぢんえいいるべし 12 なんぢぢんえいそと一箇ひとつところまうけおき便べんするとき其處そこゆくべし 13 また器具󠄄うつはうちすきそなへおきそといで便べんするときはこれをもてつち返󠄄かへしてそのなんぢよりいでたるものおほふべし 14 なんぢかみヱホバなんぢすくなんぢてきなんぢわたさんとてなんぢぢんえいなかあるきたまへばなりこゝをもてなんぢぢんえい聖󠄄潔󠄄きよくすべししかせばなんぢうち汚穢きたなきものあるをなんぢはなれたまふことあらざるべし

15 その主人しゆじん避󠄃さけなんぢもと逃󠄄にげきたるしもべをその主人しゆじんわたすべからす 16 そのものをしてなんぢらのうちなんぢとともにをらしめなんぢひとつまちうちにてこれよしえらところ住󠄃すましむべしこれ虐󠄃遇󠄃しへたぐべからず

 367㌻ 
17 イスラエルの女子によしうち娼妓あそびめあるべからずイスラエルの男子なんしうち男娼なんしやうあるべからず 18 娼妓あそびめたるあたひおよびいぬあたひなんぢかみヱホバのいへたづさへいりてなに誓願せいぐわんにももちゐるべからず是等これらはともになんぢかみヱホバの憎にくみたまふものなればなり

19 なんぢ兄弟きやうだいより利息りそくとるべからずすなはかね利息りそく食󠄃物しよくもつ利息りそくなどすべ利息りそくしやうずべきもの利息りそくとるべからず 20 他國よそぐにひとよりはなんぢ利息りそくとるよろたゞなんぢ兄弟きやうだいよりは利息りそくとるべからずさらなんぢゆきうるところのにおいてなんぢかみヱホバすべなんぢなすところのこと福祥さいはひをくだしたまふべし

21 なんぢかみヱホバに誓願せいぐわんをかけなばこれ還󠄃はたすことをおこたるべからずなんぢかみヱホバかならずこれをなんぢ要󠄃もとめたまふべしおこたときなんぢつみあり〘280㌻〙 22 なんぢ誓願せいぐわんをかけざるもつみることあら 23 なんぢくちよりいだししことまもりておこなふべしすべ自意󠄃こゝろより禮物そなへものなんぢかみヱホバになんぢ誓願せいぐわんくちをもてやくせしごとくにおこなふべし

24 なんぢとなり葡萄園ぶだうばたけいたときなんぢ意󠄃こころにまかせてその葡萄ぶだう飽󠄄あくまで食󠄃くらふもされうつはうちとりいるべからず 25 またなんぢとなりむぎばたけにいたるときなんぢにてそのつみ食󠄃くらふもされなんぢとなりむぎばたけかまをいるべからず

第24章

1 ひとつまとりてこれをめとれるのちはづべき所󠄃ところのこれにあるをてこれをこのまずなりたらば離緣りえんじやうかきてこれがわたしこれをそのいへよりいだすべし 2 その婦󠄃をんなこれがいへよりいでたるのちゆきほかひととつぐことをせんに 3 のちをつともこれを嫌󠄃きら離緣りえんじやうかきてそのにわたしてこれいへよりいだ又󠄂またはこれをつまにめとれるそののちをつとしぬるあるも 4 これすで汚玷けがしたるによりこれいだしたるそのさきをつとふたたびこれをつまにめとるべからずこれヱホバの憎にくみたまふことなればなりなんぢかみヱホバのなんぢあたへて產業さんげふとなさしめたまふなんぢつみ負󠄅おはすなかれ

 368㌻ 
5 ひとあらたにつまめとりたるときこれいくさいだすべからずまたなに職務つとめをもこれにまかすべからずそのひとは一ねんいへ間居かんきよしてそのめとれるつまなぐさむべし

6 ひとその磨礱ひきうすしちにおくべからずこれその生命いのちをつなぐものしちにおくなればなり

7 イスラエルの子孫ひと〴〵うちなるその兄弟きやうだい拐帶かどわかしてこれを使つかひまたはこれをひとあるをばその拐帶者かどわかしころしかしてなんぢらのうちよりあくのぞくべし

8 なんぢらいびやうつゝしすべ祭司さいしたるレビびとなんぢらにをしふる所󠄃ところまもりておこなふべしすなはかれらにめいぜしごとくになんぢまもりておこなふべし 9 なんぢらがエジプトよりいできたれるみちにてなんぢかみヱホバがミリアムになしたまひしところのことおぼえよ

10 すべなんぢとなりものかしあたふるときなんぢみづからこれがいへにいりてその質物しちもつとるべからず 11 なんぢそとたちをりなんぢかしたるひとその質物しちもつそともちいだしてなんぢわたすべし 12 そのひともし困苦なやめるものならばこれ質物しちもつとめおきて睡眠ねむりつくべからず 13 かならずころその質物しちもつこれ還󠄃かへすべししかせばそのひとおのれの上衣うはぎをまとふて睡眠ねむりにつくことをなんぢしゆくせんこれなんぢかみヱホバの前󠄃まへにおいてなんぢとなるべし

14 困苦なやめ貧󠄃まづし傭人やとひびとなんぢ兄弟きやうだいにもあれ又󠄂またなんぢにてなんぢのもんうち寄寓やどよそぐにひとにもあれこれ虐󠄃しへたぐべからず〘281㌻〙 15 當日そのひにこれがあたひをはらふべしるまでのばすべからず貧󠄃まづしものにてそのこゝろにこれをしたへばなりおそらくはかれヱホバになんぢうつたふるありてなんぢつみ

 369㌻ 
16 父󠄃ちちはその子等こどもゆゑによりてころさるべからず子等こどもはその父󠄃ちちゆゑによりてころさるべからず各人おのおのおのれのつみによりてころさるべきなり

17 なんぢよそぐにひとまたは孤子みなしご審判󠄄さばきまぐべからずまた寡婦󠄃やもめ衣服󠄃ころもしちとるべからず 18 なんぢおぼゆべしなんぢはエジプトに奴隸どれいたりしがなんぢかみヱホバなんぢ其處そこよりあがなひいだしたまへりこれをもてわれこのことをなせとなんぢめいずるなり

19 なんぢ田野はたけにて穀物こくもつときもしそのひとたば田野はたけわすれおきたらば返󠄄かへりてこれをとるべからずよそぐにひと孤子みなしご寡婦󠄃やもめとにこれをとらすべししかせばなんぢかみヱホバすべなんぢなすところのこと祝福さいはひくだしたまはん 20 なんぢ橄欖かんらんうちおとときふたゝびそのえだをさがすべからずその遺󠄃のこれるものよそぐにひと孤子みなしご寡婦󠄃やもめとにとらすべし 21 また葡萄園ぶだうばたけ葡萄ぶだうつみとるときはその遺󠄃のこれるものふたゝびさがすべからずよそぐにひと孤子みなしご寡婦󠄃やもめとにこれをとらすべし 22 なんぢおぼゆべしなんぢはエジプトのくに奴隸どれいたりしなりこゝをもてわれこのことせとなんぢめい

第25章

1 ひとひととのあひだ爭辯あらそひありてきたりて審判󠄄さばきもとむるとき士師さばきびとこれをさばきそのただしものただしとしあしものあしとすべし 2 そのあしものもしつべきものならば士師さばきびとこれをふさせそのつみにしたがひてかずのごとく自己おのれ前󠄃まへにてこれをうたすべし 3 これをうつことは四十をこゆべからずもしこれをこえこれよりもおほうつときはなんぢそのなんぢ兄弟きやうだいいやしみるにいたらん

4 穀物こくもつこなうし口籠くつごをかくべからず

5 兄弟きやうだいともにをらんにそのうち一人ひとりしに遺󠄃のこさざるときはそのしにたるものつまいでて他人たにんとつぐべからずそのをつと兄弟きやうだいこれの所󠄃ところりこれをめとりてつまとなしかくしてそのをつと兄弟きやうだいたる道󠄃みちをこれにつく
 370㌻ 
6 しかしてその婦󠄃をんなうむところの初子うひごをもてそのしにたる兄弟きやうだいあとつがしめそのをイスラエルのうちたえざらしむべし 7 されどそのひともしその兄弟きやうだいつまをめとることをがへんぜずばその兄弟きやうだいつまもんにいたりて長老等としよりたちいふべしわがをつと兄弟きやうだいはその兄弟きやうだいをイスラエルのうちたつることをがへんぜずわがをつと兄弟きやうだいたる道󠄃みちつくすことをせずと〘282㌻〙 8 しかときはそのまち長老等としよりたちかれをよびよせてさとすべししかるもかれかたとりわれはこれをめとることをこのまずといは 9 その兄弟きやうだいつま長老等としよりたち前󠄃まへにてかれそばにいたりこれがくつをそのあしより脫󠄁ぬがせそのかほつばきしてこたへいふべしその兄弟きやうだいいへたつることをがへんぜざるものにはかくのごとくすべきなりと 10 またそのひとくつ脫󠄁ぬぎたるものいへとイスラエルのうちとなへらるべし

11 ひと二人ふたりあひあらそふとき一人ひとりものつまそのをつとものよりをつとすくはんとて進󠄃すゝみよりのべてそのひと陰所󠄃かくしどころとらふるあらば 12 なんぢその婦󠄃をんなきりおとすべしこれあはれみるべからず

13 なんぢふくろうち一箇ひとつおほき一箇ひとつちひさ二種ふたいろ權衡はかりいしをいれおくべからず 14 なんぢいへ一箇ひとつおほき一箇ひとつちひさ二種ふたいろ升斗ますをおくべからず 15 たゞ十分󠄃じうぶんなる公正たゞし權衡はかりもつべくまた十分󠄃じうぶんなる公正たゞし升斗ますもつべししかせばなんぢかみヱホバのなんぢにたまふなんぢながからん 16 すべかゝことをなすものすべたゞしからざることをなすものなんぢかみヱホバこれを憎にくみたまふなり

17 なんぢらがエジプトよりいできたりしときそのみちにおいてアマレクがなんぢなしたりしこと記憶おぼえ 18 すなはかれらはなんぢ途󠄃みち迎󠄃むかなんぢつかうみたるにじやうじてなんぢうしろなる弱󠄃よわ者等ものども攻擊せめうてかくかれらはかみおそれざりき 19 されなんぢかみヱホバのなんぢあたへて產業さんげふとなさしめたまふにおいてなんぢかみヱホバなんぢにその周󠄃圍まはりてきこと〴〵せめふせて安泰やすらかならしめたまふにいたらばなんぢアマレクのあめしたより塗抹けしさりこれをおぼゆるものなからしむべし
 371㌻ 

第26章

1 なんぢそのかみヱホバのなんぢあたへて產業さんげふとなさしめたまふにいりこれをてそこに住󠄃すむにいたらば 2 なんぢかみヱホバのなんぢあたへたまへるもろ〳〵土產とさんはつとりかごにいれなんぢかみヱホバのそのおかんとて選󠄄えらびたまふところにこれをたづさへゆくべし 3 しかしてなんぢ當時そのとき祭司さいしいたこれにいふべしわれ今日けふなんぢのかみヱホバにまうさんわれはヱホバがわれらにあたへんとわれらの先祖せんぞたちちかひたまひしいたれりと 4 しかとき祭司さいしなんぢよりそのかごをとりてなんぢかみヱホバのだんのまへにこれおくべし 5 なんぢまたなんぢかみヱホバの前󠄃まへのべいふべしわが先祖せんぞ憫然あはれなる一人ひとりのスリアびとなりしが僅少わづかひとてエジプトにくだりゆきて其處そこ寄寓やどりをりそこにて終󠄃つひおほいにしてつよ人口ひとかずおほきたみとなれり 6 しかるにエジプトびとわれらに害󠄅がいくはわれらをなやましから力役つとめわれらに負󠄅おはせたりしにより 7 我等われら先祖せんぞたちかみヱホバにむかひてよばはりければヱホバわれらのこゑわれらの艱難なやみ勞苦ほねをり虐󠄃遇󠄃しへたげ顧󠄃かへりみたまひ〘283㌻〙 8 しかしてヱホバつよいだうでおほいなる威嚇おどし徴證しるし奇跡ふしぎとをもてエジプトよりわれらを導󠄃みちびきいだし 9 このところわれらをたづさへいりてこのすなはち乳󠄃ちゝみつとのながるるわれらにたまへり 10 ヱホバよいまわれなんぢがわれたまひし產物さんぶつはつもちきたれりとかくいひてなんぢそのかごなんぢかみヱホバの前󠄃まへにそなへなんぢかみヱホバの前󠄃まへ禮拜をがみをなすべし 11 しかしてなんぢなんぢかみヱホバのなんぢなんぢいへくだしたまへるもろ〳〵善事よきことのためにレビびとおよびなんぢ中間なかなる旅客たびゞととともにたのしむべし

12 だいねんすなはち十に一をとるとしなんぢそのもろ〳〵產物さんぶつ什一じふいちりレビびと客旅たびゞと孤子みなしご寡婦󠄃やもめとにこれをあたへてなんぢもんうち食󠄃くら飽󠄄あかしめたるとき 13 なんぢかみヱホバの前󠄃まへいふべしわれ聖󠄄物きよきものいへよりとりいだしまたレビびと客旅たびゞと孤子みなしご寡婦󠄃やもめとにこれをあた全󠄃まつたなんぢわれめいじたまひし命令めいれいのごとくせりわれなんぢ命令めいれいそむかずまたこれをわすれざるなり
 372㌻ 
14 われはこの聖󠄄物きよきものうち食󠄃くらひしことなくをた汚穢けがれたるをもてこれたづさいだししことなくまたにんのためにこれをおくりしことなきなりわれはわがかみヱホバのことばきゝしたがひてすべなんぢわれめいじたまへるごとくおこなへり 15 ねがはくはなんぢ聖󠄄住󠄃所󠄃きよきすみかなるてんよりのぞなんぢたみイスラエルとなんぢわれらにあたへしとに福祉さいはひをくだしたまへこれがわれらの先祖せんぞたちちかひたまひし乳󠄃ちゝみつとのながるるなり

16 今日けふなんぢかみヱホバこれらの法度のり律法おきてとをおこなふことをなんぢめいじたまふされなんぢこゝろつく精心せいしんつくしてこれをまもりおこなふべし 17 今日けふなんぢヱホバを認󠄃みとめてなんぢかみとなしかつその道󠄃みちあゆみその法度のり誡法いましめ律法おきてとをまもりそのこゑきゝしたがはんといへ 18 今日けふヱホバまたそのいひしごとくなんぢ認󠄃みとめてそのたからたみとなしかつなんぢにそのもろ〳〵誡命いましめまもれといひたまへり 19 ヱホバなんぢ名譽ほまれ聲聞きこえ榮耀さかえとをしてその造󠄃つくれるもろ〳〵くにひとにまさらしめたまはんなんぢはそのかみヱホバの聖󠄄きよきたみとなることそのいひたまひしごとくならん

第27章

1 モーセ、イスラエルの長老等としよりたちとともにありてたみめいじて今日けふなんぢらにめいずるこの誡命いましめなんぢ全󠄃まつたまもるべし 2 なんぢらヨルダンをわたなんぢかみヱホバがなんぢあたへたまふにいるときおほいなるいしすうたて石灰󠄃しつくいをそのうへ 3 すでわたりてのちこの律法おきてもろ〳〵言語ことばをそのうへしるすべしすればなんぢかみヱホバのなんぢにたまふなる乳󠄃ちゝみつながるるくになんぢいるをることなんぢ先祖せんぞたちかみヱホバのなんぢいひたまひしごとくならん〘284㌻〙 4 すなはなんぢらヨルダンをわたるにおよばば今日けふなんぢらにめいずるそのいしをエバルやま石灰󠄃しつくいをそのうへぬるべし 5 また其處そこなんぢかみヱホバのためにいしだん一座ひとつきづくべしたゞこれきづくにはてつうつはもちゐるべからず 6 なんぢあらいしをもてなんぢかみヱホバのそのだんきづきそのうへにてなんぢかみヱホバに燔祭はんさいさゝぐべし
 373㌻ 
7 なんぢまた彼處かしこにてしうおんさいささげそのもの食󠄃くらひてなんぢかみヱホバの前󠄃まへたのしむべし 8 なんぢこの律法おきてもろ〳〵言語ことばをそのいしうへ明白あきらかしるすべし

9 モーセまた祭司さいしたるレビびととともにイスラエルの全󠄃家ぜんかつげふイスラエルよつゝしみてなんぢ今日けふなんぢかみヱホバのたみとなれり 10 されなんぢかみヱホバのこゑきゝしたが今日けふなんぢめいずるこれ誡命いましめ法度のりをおこなふべし 11 そのにモーセまたたみめいじて 12 なんぢらがヨルダンをわたりしのちこれらのものゲリジムやまにたちてたみしゆくすべしすなはちシメオン、レビ、ユダ、イツサカル、ヨセフおよびベニヤミン 13 またこれらのものはエバルやまにたちて呪詛のろふことをすべしすなはちルベン、ガド、アセル、ゼブルン、ダンおよびナフタリ 14 レビびとおほごゑにてイスラエルの人々ひと〴〵つげいふべし

15 偶像ぐうざう工人こうじんさくにしてヱホバの憎にくみたまふものなればすべてこれをきざみまたは造󠄃つくりてひそか安置かざりおひとのろはるべしとたみみなこたへてアーメンといふべし 16 その父󠄃母ちちははかろんずるもののろはるべしたみみなこたへてアーメンといふべし 17 そのとなり地界ちざかひをかもののろはるべしたみみなこたへてアーメンといふべし 18 盲者めしひをしてみち迷󠄃まよはしむるもののろはるべしたみみなこたへてアーメンといふべし 19 客旅たびゞと孤子みなしごおよび寡婦󠄃やもめ審判󠄄さばきまぐもののろはるべしたみみなこたへてアーメンといふべし 20 その父󠄃ちちつまいぬものはその父󠄃ちちはづかしむるなればのろはるべしたみみなこたへてアーメンといふべし 21 すべ獸畜けものまじはもののろはるべしたみみなこたへてアーメンといふべし 22 その父󠄃ちち女子むすめまたはそのはゝ女子むすめたるおのれ姉妹しまいいぬもののろはるべしたみみなこたへてアーメンとふべし 23 そのつまはゝいぬもののろはるべしたみみなこたへてアーメンといふべし
 374㌻ 
24 暗󠄃やみうちにそのとなりもののろはるべしたみみなこたへてアーメンといふべし 25 報酬むくいをうけて無辜者つみなきものころしてそのながもののろはるべしたみみなこたへてアーメンといふべし 26 この律法おきてことばまもりておこなはざるもののろはるべしたみみなこたへてアーメンといふべし〘285㌻〙

第28章

1 なんぢもしなんぢかみヱホバのことばきゝしたがひ今日けふなんぢにめいずるその一切すべて誡命いましめまもりておこなはばなんぢかみヱホバなんぢをしてもろ〳〵國人くにびとうへたたしめたまふべし 2 なんぢもしなんぢかみヱホバのことばきゝしたがふときはこのもろ〳〵福祉さいはひなんぢのぞなんぢにおよばん 3 なんぢまちうちにても福祉さいはひ田野はたけにても福祉さいはひ 4 またなんぢたいさんなんぢさんなんぢ家畜かちくさんなんぢうしさんなんぢひつじさん福祉さいはひあらん 5 またなんぢめしかごなんぢこねばち福祉さいはひあらん 6 なんぢいるにも福祉さいはひいづるにも福祉さいはひべし

7 なんぢてき起󠄃たちなんぢせむるあればヱホバなんぢをしてこれ打敗うちやぶらしめたまふべしかれらは一條ひとつみちよりせめきたりなんぢ前󠄃まへにて七條ななつみちより逃󠄄にげはしらん 8 ヱホバめいじて福祉さいはひなんぢ倉庫くらくだしまたなんぢにてなすところのことくだなんぢかみヱホバのなんぢあたふるにおいてヱホバなんぢ祝福めぐみたまふべし 9 なんぢもしなんぢかみヱホバの誡命いましめまもりてその道󠄃みちあゆまばヱホバなんぢちかひしごとくなんぢおのれ聖󠄄きよきたみとなしたまふべし 10 しかときたみみななんぢがヱホバのをもてとなへらるるをなんぢおそれん 11 ヱホバがなんぢあたへんとなんぢ先祖せんぞたちちかひたまひしにおいてヱホバなんぢ佳物よきものすなはちなんぢさんなんぢ家畜かちくさんなんぢさんとをゆたかにしたまふべし 12 ヱホバそのたからくらなるてんひらあめをそのときにしたがびてなんぢくだなんぢもろ〳〵行爲わざ祝福めぐみをたまはんなんぢ許多あまた國々くに〴〵たみかすことをなすにいたらんかることなかるべし
 375㌻ 
13 ヱホバなんぢをしてかしらとならしめたまはんとはならしめたまはじなんぢたゞうへにおらんしたにはをらなんぢもし今日けふなんぢめいずるなんぢかみヱホバの誡命いましめきゝしたがひてこれをまもりおこなはばかならずかくのごとくなるべし 14 なんぢわが今日けふなんぢめいずるこの言語ことばはなみぎまたはにまがりてほか神々かみ〴〵にしたがひつかふることをすべからず

15 なんぢもしなんぢかみヱホバのことばきゝしたがはず今日けふなんぢにめいずるその一切すべて誡命いましめ法度のりとをまもりおこなはずばこのもろもろの呪詛のろひなんぢのぞなんぢにおよぶべし 16 なんぢまちうちにてものろはれ田野はたけにてものろはれん 17 またなんぢめしかごなんぢこねばちのろはれん 18 なんぢたいさんなんぢさんなんぢうしさんなんぢひつじさんのろはれん 19 なんぢいるにものろはれいづるにものろはれん

20 ヱホバなんぢをしてそのすべをもてなすところにおいて呪詛のろひ恐懼おそれ鑓責いましめかうむらしめたまふべければなんぢほろびて速󠄃すみやかにうせはてんなんぢあしことをおこなひてわれすつるによりてなり〘286㌻〙 21 ヱホバ疫病えきびやうなんぢつかせて遂󠄅つひなんぢをそのゆきるとこるのよりほろぼしたちたまはん 22 ヱホバまた癆瘵らうさい熱病ねつびやうしやうかん瘧疾おこり刀劍つるぎ枯死ふけ汚腐くさりとをもてなんぢうちなやましたまふべしこれらのものなんぢ追󠄃なんぢをしてほろびうせしめん 23 なんぢかしらうへなるてんあかがねのごとくになりなんぢしたなるくろがねのごとくになるべし 24 ヱホバまたあめのかはりにすな灰󠄃はひとをなんぢふらせたまはんこれらのものてんよりなんぢうへくだりて遂󠄅つひなんぢほろぼさん

25 ヱホバまたなんぢをしてなんぢてき打敗うちやぶられしめたまふべしなんぢかれらにむかひて一條ひとつみちより進󠄃すゝかれらの前󠄃まへにて七條ななつみちより逃󠄄にげはしらんしかしてなんぢはまたもろ〳〵くににて虐󠄃遇󠄃しへたげにあはん 26 なんぢ死屍しかばね空󠄃そらもろ〳〵とりけもの食󠄃しよくとならんしかるもこれを逐󠄃おひはらふものあらじ
 376㌻ 
27 ヱホバまたエジプトの瘍瘡はれものようしつとをもてなんぢうちたまはんなんぢはこれよりいゆることあらじ 28 ヱホバまたなんぢなんぢをしてくるかつくらみてこゝろおどろおそれしめたまはん 29 なんぢ瞽者めしひ暗󠄃やみにたどるごとく眞晝まひるにおいてもなほたどらんなんぢその途󠄃みちによりて福祉さいはひることあらじなんぢたゞつねに虐󠄃しへたげられかすめられんのみなんぢすくものなかるべし 30 なんぢつまめとときほかひとこれといねなんぢいへたつるもそのうち住󠄃すむことを葡萄園ぶだうばたけつくるもその葡萄ぶだうつみとることを 31 なんぢうしなんぢ前󠄃まへほふらるるもなんぢこれ食󠄃くらふことをなんぢ驢馬ろばなんぢ前󠄃まへにてうばひさられんふたゝなんぢにかへることあらじ又󠄂またなんぢのひつじなんぢてきものとならんされなんぢにはこれをすく道󠄃みちあらじ 32 なんぢ男子むすこなんぢ女子むすめよそぐにたみものとならんなんぢ終󠄃日ひねもすこれをした望󠄇のぞみてうしなふにいたらんなんぢにはなにちからもあらじ 33 なんぢ產物さんぶつおよびなんぢ努苦ほねをりたるものなんぢしらざるたみこれを食󠄃くらはんなんぢたゞつねに虐󠄃しへたげられくるしめられん而已のみ 34 なんぢはそのるところのことによりてこゝろくるふにいたらん 35 ヱホバなんぢひざはぎとにあしくしていえざる瘍瘡はれものしやうぜしめて終󠄃つひあしうらよりかしらいたゞきにまでおよぼしたまはん

36 ヱホバなんぢなんぢたてたるわうとをたづさへてなんぢなんぢ先祖せんぞたちしらざりし國々くに〴〵うつたまはんなんぢ其處そこにてまたはいしなるほか神々かみ〴〵つかふるあらん 37 なんぢはヱホバのなんぢ遣󠄃つかはしたまふ國々くに〴〵にてひと詑異あやしものとなり諺語ことわざとなり諷刺そしりとならん 38 なんぢ多分󠄃おほくたね田野はたけたづさいだすもそのかりとるとこるはすくなかるべしいなごこれを食󠄃くらふべければなり〘287㌻〙 39 なんぢ葡萄園ぶだうばたけつくりてこれにつちかふもそのさけのむことをずまたそのあつむることをむしこれを食󠄃くらふべければなり 40 なんぢくにには遍󠄃あまね橄欖かんらんあらんされなんぢはそのあぶらぬることをそのみなおつべければなり 41 なんぢ男子なんし女子によしもうくるもこれをなんぢものとすることをみなとらへゆかるべければなり 42 なんぢもろ〳〵およびなんぢ產物さんぶつはみないなごこれをとり食󠄃くらふべし
 377㌻ 
43 なんぢ中間うちにある他國よそぐにひとはますますたかくなりゆきてなんぢうへなんぢはますますひくくなりゆかん 44 かれなんぢかすことをせんなんぢかれかすことをかれかしらとなりなんぢとならん 45 このもろ〳〵災禍わざはひなんぢのぞなんぢ追󠄃なんぢおよびてつひになんぢほろぼさんなんぢそのかみヱホバのことばきくしたがはずそのなんぢにめいじたまへる誡命いましめ法度のりとをまもらざるによるなり 46 是等これらことつねになんぢとなんぢ子孫しそんうへにありて徴證しるしとなりひとおどろかすものとなるべし

47 なんぢよろづもの豐饒ゆたかなるなかにてこゝろよろこたのしみてなんぢかみヱホバにつかへざるに 48 かわきかつはだかになりよろづものとぼしくしてヱホバのなんぢせめきたらせたまふところのてきつかふるにいたらんかれてつくびきをなんぢのくびにつけて遂󠄅つひなんぢをほろぼさん 49 すなはちヱホバ遠󠄄方とほきところよりはて所󠄃ところよりひとつたみわしとぶがごとくになんぢせめきたらしめたまはんこれなんぢがその言語ことばしらざるたみ 50 そのかほまうあくなるたみにしておいたるもの顧󠄃かへりみず幼稚をさなきものあはれまず 51 なんぢ家畜かちくさんなんぢさん食󠄃くらひてなんぢをほろぼし穀物こくもつをもさけをもあぶらをもうしさんをもひつじさんをもなんぢのために遺󠄃のこさずして終󠄃つひ全󠄃まつたなんぢほろぼさん 52 そのたみなんぢ全󠄃國ぜんこくにおいてなんぢ一切すべて邑々まちまちせめかこ遂󠄅つひにそのなんぢたの堅固けんごなるたか石垣いしがきをことごとくうちくづなんぢかみヱホバのなんぢにたまへるくにうちなる一切すべて邑々まちまちをことごとくせめかこむべし 53 なんぢてきかこまれはげしくせめなやまさるるによりて終󠄃つひにそのなんぢかみヱホバにたまはれるなんぢはらさんなる男子むすこ女子むすめにく食󠄃くらふにいたらん 54 なんぢらのうちやはらか生育そだちにして軟弱󠄃たよわなるをとこすらもその兄弟きやうだいとそのふところつまとその遺󠄃のこれる子女こどもとをにくみ 55 自己おのれ食󠄃くらふその子等こどもにくをこのうちたれにもあたふることをこのまざらんなんぢてきなんぢ一切すべて邑々まちまちかこはげしくなんぢせめなやましてなにものをも其人そのひと遺󠄃のこさざればなり
 378㌻ 
56 又󠄂またなんぢらのうちやはらか生育そだちにして纎弱󠄃たよわなる婦󠄃女をんなすなはちそのやはらか生育そだちにして纎弱󠄃たよわなるがためにあしうらつちにつくることをもあへてせざるものすらもそのふところをつととその男子むすことその女子むすめとをにくみ 57 おのれあしあひだよりいづ胞衣えなおのれうむところのとりひそかにこれを食󠄃くらはんこれなんぢてきなんぢの邑々まちまちかこはげしくこれをせめなやますによりてなにものをもざればなり
〘288㌻〙
58 なんぢもしこのふみしるしたるこの律法おきて一切すべてことばまもりておこなはずなんぢかみヱホバといふさかえあるおそるべきおそれずば 59 ヱホバなんぢ災禍わざはひなんぢ子孫しそん災禍わざはひはげしくしたまはんその災禍わざはひおほいにしてひさしくその疾病やまひおもくしてひさしかるべし 60 ヱホバまたなんぢおそれし疾病やまひなるエジプトのもろ〳〵疾病やまひもちきたりてなんぢまとつかしめたまはん 61 またこの律法おきてふみのせざるもろ〳〵疾病やまひもろ〳〵災害󠄅わざはひなんぢほろぶるまでヱホバなんぢくだしたまはん 62 なんぢらは空󠄃そらほしのごとくに衆多おほかりしもなんぢかみヱホバのことばきゝしたがはざるによりてのこすくなうちなさるべし 63 ヱホバさきになんぢらをよくして汝等なんぢらおほくすることをよろこびしごとくいまはヱホバなんぢらをほろぼしたやすことをよろこびたまはんなんぢらはそのゆきうるところのよりぬきさらるべし 64 ヱホバのこのはてよりかのはてまでの國々くに〴〵うちなんぢちらしたまはんなんぢ其處そこにてなんぢなんぢ先祖せんぞたちしらざりしまたはいしなるほか神々かみ〴〵つかへん 65 その國々くに〴〵うちにありてなんぢ安寧あんねいずまたなんぢあしうらやすむる所󠄃ところ其處そこにてヱホバなんぢをしてこゝろをののくら精神せいしんみだれしめたまはん 66 なんぢ生命いのちほそいとかかるがごとなんぢなんぢよるひるとなく恐怖おそれをいだきなんぢ生命いのちおぼつかなしとおもはん 67 なんぢこゝろおそるる所󠄃ところによりまた所󠄃ところによりて朝󠄃あしたにおいてはいは嗚呼ああゆふべならばよからんとまたゆふべにおいてはいは嗚呼ああ朝󠄃あしたならばよからんと 68 ヱホバなんぢをふねにのせむかしわがなんぢつげなんぢふたゝびこれをることあらじといひたるそのみちよりなんぢをエジプトにひきゆきたまはん彼處かしこにてひとなんぢらをうりなんぢらのてき奴婢ぬひとなさんなんぢらをひともあらじ
 379㌻ 

第29章

1 ヱホバ、モーセにめいじモアブのにてイスラエルの子孫ひと〴〵契󠄅約けいやくむすばしめたまふそのことばかくのごとしこれはホレブにてかれらとむすびし契󠄅約けいやくほかなるものなり

2 モーセ、イスラエルの全󠄃家ぜんかよびあつめてこれいひけるはなんぢらはヱホバがエジプトのにおいてなんぢらの前󠄃まへにてパロとその臣下しんかとその全󠄃地ぜんちとになしたまひし一切すべてことたり 3 すなはそのおほいなる試煉こゝろみ徴證しるしおほいなる奇跡ふしぎとをなんぢたるなり 4 しかるにヱホバ今日こんにちにいたるまでなんぢらのこゝろをしてさとることなくをしてることなくみゝをしてきくことなからしめたまへり 5 四十ねんあひだわれなんぢらを導󠄃みちびきて曠野あらの通󠄃とほりしがなんぢらの衣服󠄃ころもふるびずなんぢあしくつふるびざりき〘289㌻〙 6 なんぢらはまたパンをも食󠄃くらはず葡萄ぶだうしゆをも濃酒こきさけをものまざりきかくありてなんぢらはなんぢらのかみヱホバなることをしれ 7 なんぢらこのところきたりしときヘシボンのわうシホンおよびバシヤンのわうオグわれらを迎󠄃むかへてたゝかひしがわれらこれを打敗うちやぶりて 8 そのりこれをルベンびととガドびととマナセの半󠄃はん支派わかれとにあたへて產業さんげふとなさしめたり 9 されなんぢらこの契󠄅約けいやくことばまもりてこれをおこなふべしさすればなんぢらのすべなすところにさいはひあらん

10 なんぢらみな今日けふなんぢらのかみヱホバの前󠄃まへすなはなんぢらの首領をさたちなんぢらの支派わかれなんぢらの長老等としよりたちおよびなんぢらの牧司つかさたちなどイスラエルの一切すべてひと 11 なんぢらのちひさ者等ものどもなんぢらのつまならびになんぢらのえいうちにをる客旅たびゞとなどすべなんぢのためにたきぎ割󠄅ものよりみづものにいたるまでみなヱホバの前󠄃まへたち 12 なんぢかみヱホバの契󠄅約けいやくいらんとし又󠄂またなんぢかみヱホバのなんぢにむかひて今日けふなしたまふところのちかひいらんとす 13 さればヱホバさきになんぢいひしごとくまたなんぢ先祖せんぞアブラハム、イサク、ヤコブにちかひしごとく今日けふなんぢをたておのれたみとなしおのれみづからなんぢかみとなりたまはん

 380㌻ 
14 われはただなんぢらと而已のみこの契󠄅約けいやくちかひとをむすぶにあらず 15 今日けふこゝにてわれらのかみヱホバの前󠄃まへわれらとともにたちをるものならびに今日けふわれらとともにこゝにたちをらざるものともこれをむすぶなり 16 われらは如何いかにエジプトの住󠄃すみをりしか如何いか國々くに〴〵通󠄃とほきたりしかなんぢらこれをしれ 17 なんぢらはまたぼくせき金銀きんぎんにて造󠄃つくれる憎にくむべきものおよび偶像ぐうざうのその國々くに〴〵にあるをたり 18 されなんぢらのうち今日けふそのこゝろわれらのかみヱホバをはなれてそれ國々くに〴〵かみゆきつかふるをとこをんな宗族やから支派わかれなどあるべからず又󠄂またなんぢらのうち葶藶にがぜりまたは茵蔯いんちんしやうずるあるべからず 19 かゝひとはこの呪詛のろひことばきくもそのこゝろみづか幸福さいはひなりとおもひていはわれはわがこゝろ剛愎かたくなにしてことをなすもなほ平󠄃安へいあんなり終󠄃つひにはゑひ飽󠄄あけものをもてかわけるもののぞくにいたらんと 20 かくのごときひとはヱホバかならずこれゆるしたまはじ還󠄃かへつてヱホバの忿怒いかり嫉妬ねたみこれがうへえまたこのふみにしるしたる災禍わざはひみなそのくははらんヱホバつひにそのひとあましたよりけしさりたまふべし 21 ヱホバすなはちイスラエルのすべて支派わかれうちよりそのひと分󠄃わかちてこれに災禍わざはひくだしこの律法おきてふみにしるしたる契󠄅約けいやくちうもろ〳〵呪詛のろひのごとくしたまはん
〘290㌻〙
22 汝等なんぢらのち起󠄃おこなんぢらの子孫しそんひとおよび遠󠄄とほくによりきた客旅たびゞとこの災禍わざはひまたヱホバがこの流行はやらせたまふ疾病やまひいふところあらん 23 すなはかれるにその全󠄃地ぜんち硫黄いわうとなりしほとなりかつやけつちとなりてたねまかれずさんする所󠄃ところもなくなにくさもそのうへしやうせずしてむかしヱホバがその震怒いかり忿恨いきどほりとをもてこぼちたましソドム、ゴモラ、アデマ、ゼポイムのこぼたれたるとおなじかるべければ 24 かれらも國々くに〴〵ひともみないはんヱホバなにとてかくこのになしたるやこのはげしきおほいなる震怒いかり何事なにごとぞやと 25 そのときひとこたへていはかれらはその先祖せんぞたちのかみヱホバがエジプトのよりかれらを導󠄃みちびきいだしてかれらとむすびたるその契󠄅約けいやく
 381㌻ 
26 ゆきおのれしらずまたさづからざるほか神々かみ〴〵つかへてこれををがみたるがゆゑなり 27 こゝをもてヱホバこのにむかひて震怒いかりはつしこのふみにしるしたるもろ〳〵災禍わざはひをこれにくだ 28 しかしてヱホバ震怒いかり忿恨いきどほりおほいなる憤怨ふづくみをもてかれらをこのよりぬきとりてこれをくになげやれりそのさま今日こんにちのごとし 29 隱微かくれたることわれらのかみヱホバにぞくするものなりまた顯露あらはされたることわれらとわれらの子孫しそんぞくわれらをしてこの律法おきてすべてことばおこなはしむるものなり

第30章

1 なんぢらの前󠄃まへのべたるこのもろ〳〵祝福めぐみ呪詛のろひことすでになんぢのぞなんぢそのかみヱホバに逐󠄃おひやられたるもろ〳〵國々くに〴〵において此事このことこゝろかんがふるにいたり 2 なんぢなんぢ子等こどもともになんぢかみヱホバに起󠄃たちかへり今日けふなんぢにめいずる所󠄃ところ全󠄃まつたくしたがひてこゝろをつくし精神せいしんをつくしてヱホバのことばきゝしたがはば 3 なんぢかみヱホバなんぢ俘擄とらはれときなんぢあはれみなんぢかみヱホバなんぢ顧󠄃かへりみそのなんぢちらしし國々くに〴〵よりなんぢあつめたまはん 4 なんぢたとひてんがい逐󠄃おひやらるるともなんぢかみヱホバ其處そこよりなんぢあつ其處そこよりなんぢたづさへかへりたまはん 5 なんぢかみヱホバなんぢをしてその先祖せんぞたもちしかへらしめたまふてなんぢまたこれをたもつにいたらんヱホバまたなんぢよくなんぢましなんぢ先祖せんぞよりもおほからしめたまはん 6 しかしてなんぢかみヱホバなんぢこゝろなんぢ子等こどもこゝろ割󠄅禮かつれいほどこしなんぢをしてこゝろつく精神せいしんをつくしてなんぢかみヱホバをあいせしめかくしてなんぢ生命いのちさせたまふべし 7 なんぢかみヱホバまたなんぢてきなんぢにくせむものとにこのもろ〳〵災禍わざはひをかうむらせたまはん 8 されなんぢふたゝびヱホバのことばきゝしたがひ今日けふなんぢにめいずるその一切すべて誡命いましめおこなふにいたらん 9 しかときなんぢかみヱホバなんぢをしてなんぢをかくるすべてものなんぢはらさんなんぢ家畜かちくさんなんぢさんとましめてなんぢよくしたまはんすなはちヱホバなんぢ先祖せんぞたちをよろこびしごとくふたゝなんぢよろこびてなんぢよくしたまはん〘291㌻〙
 382㌻ 
10 なんぢそのかみヱホバのことばきゝしたがひこの律法おきてふみにしるされたる誡命いましめ法度のりまもこゝろをつくし精神せいしんつくしてなんぢかみヱホバにするによりてなり

11 今日けふなんぢにめいずる誡命いましめなんぢ理會さとりがたきものにあらずまたなんぢ遠󠄄とほものにあらず 12 これてんあるならねばなんぢたれわれらのためにてんにのぼりてこれをわれらにもちくだりわれらにこれをきかせておこなはせんかとふにおよばず 13 またこれうみそとにあるならねばなんぢたれわれらのためにうみをわたりゆきてこれをわれらにもちきたりわれらにこれをきかせておこなはせんかといふにおよばず 14 このことばはなはなんぢ近󠄃ちかくしてなんぢくちにありなんぢこゝろにあればなんぢこれをおこなふことをべし

15 われ今日けふ生命いのち福德さいはひおよび災禍わざはひなんぢ前󠄃まへおけ 16 すなはわれ今日けふなんぢにむかひてなんぢかみヱホバをあいしその道󠄃みちあゆみその誡命いましめ法度のり律法おきてとをまもることをめいずるなりしかなさばなんぢいきながらへてそのかずおほくならんまたなんぢかみヱホバなんぢゆきるところのにてなんぢ祝福めぐみたまふべし 17 されなんぢもしこゝろをひるがへしてきゝしたがはずいざなはれてほか神々かみ〴〵をがみまたこれにつかへなば 18 われ今日けふなんぢらになんぢらはかならほろびんなんぢらはヨルダンをわたりゆきてるところのにてなんぢらのながうすることをざらん 19 われ今日けふてんよびあかしとなすわれ生命いのちおよび祝福めぐみ呪詛のろひなんぢらの前󠄃まへおけなんぢ生命いのちをえらぶべししかせばなんぢなんぢ子孫しそん生存いきながらふることを 20 すなはなんぢかみヱホバをあいしてそのことばかつこれにつきしたがふべしかくするときなんぢ生命いのちかつそのながうすることをヱホバがなんぢ先祖せんぞアブラハム、イサク、ヤコブにあたへんとちかひたまひし住󠄃すむことを

第31章

1 ここにモーセゆきてイスラエルの一切すべてひとにこのことばをのべたり 2 すなはちこれにいひけるはわれ今日こんにちすでに百二十さいなれば最早もはやいりをすることあたはずかつまたヱホバわれにむかひてなんぢはこのヨルダンをわたることをずとのたまへり
 383㌻ 
3 なんぢかみヱホバみづからなんぢさきだちてわたりゆきなんぢ前󠄃まへよりこの國々くに〴〵ひとほろぼしさりてなんぢにこれをさせたまふべしまたヱホバのかつてのたまひしごとくヨシユアなんぢ率󠄃ひきゐてわたるべし 4 ヱホバさきにアモリびとわうシホンとオグおよびこれになしたるごとくまたかれらにもなしてこれをほろぼしたまはん〘292㌻〙 5 ヱホバかれらをなんぢらの前󠄃まへわたしたまふべければなんぢらはなんぢらにめいぜし一切すべて命令めいれいのごとくこれになすべし 6 なんぢこゝろつよくしかついさかれらをおそるるなかかれらの前󠄃まへをののくなかれなんぢかみヱホバみづからなんぢとともにきたまへばなりかならなんぢはなれずなんぢすてたまはじ 7 かくてモーセ、ヨシユアをびイスラエルの一切すべてひと前󠄃まへにてこれになんぢはこのたみとともに在昔むかしヱホバがかれらの先祖せんぞたちにあたへんとちかひたまひしるべきがゆゑこゝろつよくしかついさなんぢかれらにこれをさすることをべし 8 ヱホバみづからなんぢさきだちてきたまはんまたなんぢとともになんぢはなれずなんぢすてたまはじおそるるなかおどろくなかれ

9 モーセこの律法おきてきヱホバの契󠄅約けいやくはこかくところのレビの子孫しそんたる祭司さいしおよびイスラエルのすべて長老等としよりたちさづけたり 10 しかしてモーセかれらにめいじていひけるは七ねんすゑのとしすなはち放釋ゆるしとし節󠄄せつにいたり結茅かりほずまひ節󠄄いはひにおいて 11 イスラエルのひとみななんぢのかみヱホバの前󠄃まへいでんとてヱホバの選󠄄えらびたまふところきたらんそのときなんぢイスラエルの一切すべてひと前󠄃まへにこの律法おきてよみてこれにきかすべし 12 すなはをとこをんな子等こどもおよびなんぢもんうちなるよそぐにひとなど一切すべてたみあつかれらをしてこれをきゝかつまなばしむべしすれば彼等かれらなんぢらのかみヱホバをおそれてこの律法おきてことばまもおこなはん
 384㌻ 
13 またかれらの子等こどものこれをしらざるものこれきゝなんぢらのかみヱホバをおそるることをまなばんなんぢらそのヨルダンをわたりゆきてうるところのながらふるあひだつねにかくすべし

14 ヱホバまたモーセにいひたまひけるはなんぢしぬ近󠄃ちかしヨシユアをめしてともに集會しふくわい幕屋まくやわれかれにめいずるところあらんとモーセとヨシユアすなはちゆき集會しふくわい幕屋まくやたちけるに 15 ヱホバ幕屋まくやにおいてくもはしらうちあらはれたまへりそのくもはしら幕屋まくや門口かどぐちうへとどまれり 16 ヱホバ、モーセにいひたまひけるはなんぢ先祖せんぞたちとともにねむらんこのたみ起󠄃たちあがりそのゆくところのよそぐに神々かみ〴〵したひてこれ姦淫かんいんおこなひかつわれすてかれらとむすびし契󠄅約けいやくやぶらん 17 そのにはわれかれらにむかひていかりはつかれらをわがかほをかれらにかくすべければかれらはのみほろぼされ許多あまた災害󠄅わざはひ艱難なやみかれらにのぞまんこゝをもてそのかれいは是等これら災禍わざはひわれらにのぞむはわれらのかみヱホバわれらとともにいまさざるによるならずやと 18 しかるもかれもろ〳〵あくをおこなひてほか神々かみ〴〵するによりてわれそのにはかならずわがかほをかれらにかくさん〘293㌻〙 19 されなんぢいまこのうたきイスラエルの子孫ひと〴〵にこれををしへてそのくちねんぜしめこのうたをしてイスラエルの子孫ひと〴〵にむかひてわれあかしとならしめよ 20 われかれらの先祖せんぞたちにちかひし乳󠄃ちゝみつながるるにかれらを導󠄃みちびきいらんにかれらは食󠄃くらひて飽󠄄肥太こえふとるにおよばばひるがへりてほか神々かみ〴〵してこれにつかわれかろんじわが契󠄅約けいやくやぶらん 21 しかして許多あまた災禍わざはひ艱難なやみかれらにのぞむにいたるときはこのうたかれらにむかひてあかしをなすものとならんはこのうたかれらのくちにありてわするることなかるべければなりわれいまだわがちかひしかれらを導󠄃みちびきいらざるにかれらははやすでおもはか所󠄃ところありわれこれをると 22 モーセすなはちそのにこのうたかきてこれをイスラエルの子孫ひと〴〵をしへたり 23 ヱホバまたヌンのヨシユアにめいじていひたまはくなんぢはイスラエルの子孫ひと〴〵それちかひし導󠄃みちびきいるべきがゆゑこゝろつよくしかついさわれなんぢとともにあるべしと

 385㌻ 
24 モーセこの律法おきてことばをことごとくふみかきしるすことを終󠄃をへたるとき 25 モーセ、ヱホバの契󠄅約けいやくはこかくところのレビびとめいじていひけるは 26 この律法おきてふみをとりてなんぢらのかみヱホバの契󠄅約けいやくはこかたはらにこれをこれをしてなんぢにむかひてあかしをなすものたらしめよ 27 われなんぢのもとこと頑梗かたくななるとを今日こんにちわが生存いきながらへてなんぢらとともにあるあひだすらなんぢらはヱホバにもとれりましてわがしにたるのちにおいてをや 28 なんぢらのわかれ支派わかれ長老等としよりたちおよび牧伯つかさたちをわがもとあつめよわれこれらのことばをかれらにかたきかてんとをよびてかれらにあかしをなさしめん 29 われしるしにたるのちにはなんぢかならずあしことおこななんぢらにめいぜし道󠄃みちはなれんしかしてのち災害󠄅わざはひなんぢらにのぞまんこれなんぢらヱホバのあくたまふことをおこなひなんぢらの行爲わざをもてヱホバをいからするによりてなり

30 かくてモーセ、イスラエルの全󠄃ぜん會衆くわいしうにこのうたことばをことごとくかたきかせたり

第32章

1 てんみゝかたむけよわれかたらんつちわがくちことば 2 わがをしへあめくだるがごとしわがことばつゆのおくがごとくこさめわかくさうへにふるごとく細雨きりさめあをくさうへにくだるがごと 3 われはヱホバの御名みなたたへあげわれらのかみなんぢ榮光さかえせよ 4 ヱホバはいはにましましてその行爲わざまつたくその道󠄃みちはみなたゞしまた眞實まことあるかみにましましてあしきところたゞたゞしくしてなほくいます 5 かれらはヱホバにむかひてあしことをおこなふものにてそのにはあらずたゞこれがきずとなるのみ其人そのひとなり邪僻よこしまにしてまがれり〘294㌻〙 6 おろかにして智慧󠄄ちゑなきたみなんぢらがヱホバにむくゆることかくのごとくなるかヱホバはなんぢ父󠄃ちちにしてなんぢあがなひまたなんぢ造󠄃つくなんぢたてたまはずや 7 むかしおぼ過󠄃すぎにしとしおもへよなんぢ父󠄃ちちとふべしかれなんぢしめさんなんぢうち年老としよりとふべしかれなんぢかたらん
 386㌻ 
8 至高者いとたかきものひと四方よもちらしてよろづたみにその產業もちもの分󠄃わかちイスラエルの子孫ひと〴〵かずてらしてもろ〳〵たみ境界さかひさだめたまへり 9 ヱホバの分󠄃ぶんはそのたみにしてヤユブはその產業もちものたり 10 ヱホバこれを荒野あれのこれにけものほゆ曠野あらの遇󠄃めぐりかこみてこれをいたはりたまのごとくにこれをまもりたまへり 11 わしのそのびな喚起󠄃よびおこしそのうへ翺翔まひかけるごとくヱホバそのはねのべかれらをのせせそのつばさをもてこれを負󠄅おひたまへり 12 ヱホバはたゞひとりにてかれを導󠄃みちびきたまへりあだしがみはこれとともならざりき 13 ヱホバかれに高處たかみのりとほらせ田園たはた產物なりいでもの食󠄃くらはせいしなかよりみつすはしめいはなかよりあぶらすはしめ 14 うし乳󠄃ちゝ ひつじ乳󠄃ちゝ 羔羊こひつじあぶら バシヤンよりいづ牡羊をひつじ 牡山羊をやぎおよび小麥こむぎもつとものをこれに食󠄃くらはせたまひきなんぢはまた葡萄ぶだうしるあかさけのめ 15 しかるにヱシユルンはこえけることをなんぢ肥太こえふとりておほきくなりおのれ造󠄃つくりしかみおの救拯すくひいはかろんず 16 かれらはあだしがみをもてこれ嫉妬ねたくをおこし憎にくむべきものをもてこれ震怒いかり 17 かれらが犧牲いけにへをささぐるものおににしてかみにあらずかれらがしらざりし鬼神かみがみ近󠄃頃ちかごろあらたいでたるものなんぢらの遠󠄄とほおやかしこまざりしものなり 18 なんぢうみいはをばなんぢこれをなんぢ造󠄃つくりしかみをばなんぢこれをわす 19 ヱホバこれをその男子むすこ女子むすめいかりてこれをすてたまふ 20 すなはちいひたまはくわれわがかほをかれらにかくさんわれかれらの終󠄃をはりかれらはみなそむもとたぐひもの眞實まことあらざる子等こどもなり 21 かれらはかみならぬものをもてわれ嫉妬ねたみ起󠄃おこさせむなしものをもてわれいからせたればわれたみならぬものをもてかれらに嫉妬ねたみ起󠄃おこさせおろかなるたみをもてかれらをいからせん 22 すなはちわが震怒いかりによりてもえいでふか陰府よみぢもえいたりまたつちとその產物なりいでものとをやきつくし山々やまやまもとゐをもやさん
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23 われ禍災わざはひをかれらのうへつみかさねわがをかれらにむかひてつくさん 24 かれらはうゑやせおとろへねつ病患わづらひあしえやみとによりてほろびんわれまたかれらをしてけものにかからしめつちものどくにあたらしめん 25 そとにはつるぎうちには恐惶おそれありてわかをとこをもわかをんなをも幼兒をさなごをも白髮しらがひとをもほろぼさん 26 われわれ彼等かれらふきはらかれらのことをしてなか記憶おぼえらるることなからしめんと〘295㌻〙 27 しかれどもわれ敵人あたびといかりおそすなは敵人あたびとどれをあやまりていはわれらのくこれをなせこれはすべてヱホバのなせるにあらずと 28 かれらはまつたく智慧󠄄ちゑなきたみなりそのうちには知識ちしきあるものなし 29 嗚呼ああかれらもし智慧󠄄ちゑあらばこれさとりてその終󠄃をはり思慮おもんぱからんものを 30 かれらのいはこれをうらずヱホバごれをわたさずばいかで一人ひとりにてせんにん逐󠄃二人ふたりにて萬人まんにんやぶることを 31 かれらのいはわれらのいはにしかずわれらのあだたる者等ものどもしか認󠄃みとめたり 32 かれらの葡萄ぶだうはソドムの葡萄ぶだうまたゴモラのよりいでたるものその葡萄ぶだうどく葡萄ぶだうそのふさにが 33 その葡萄ぶだうしゆへびどくのごとくまむしあしどくのごとし 34 これわれもとたくはへありわれくらふうじこめあるにあらずや 35 かれらのあしよろめかんときわれあだをかへし應報むくいをなさんその災禍わざはひ近󠄃ちかそれがためにそなへられたること迅󠄄速󠄃すみやかにいたる 36 ヱホバつひにそのたみさばきまたそのしもべ憐憫あはれみをくはへたまはんかれらのちからのすでにさりうせてつながれたるものつながれざるものもあらずなれるをたまへばなり 37 ヱホバいひたまはんかれらの神々かみ〴〵何處いづくにをるやかれらがたのめるいは何處いづくぞや 38 すなはちその犧牲いけにへ膏油あぶら食󠄃くらひその灌祭くわんさいさけのみたるもの何處いづくにをるやそれをして起󠄃たちなんぢらをたすけしめなんぢらをまもらしめよ 39 なんぢいまわれこそはかれなりわれほかにはかみなしころすこといかすことうつこといやすことはすべわれこれわがよりすくいだすことをものあらず
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40 われてんにむかひてをあげてわれ永遠󠄄とこしへ 41 われわが閃爍きらめ刃󠄃やいば審判󠄄さばきをわがにぎときはかならずあだをわがてきにかへしわれにくもの返󠄄報むくいをなさん 42 われわがをしてよはしめわがつるぎをしてにく食󠄃くらはしめんすなはころさるるものとらへらるるものこれのまてきかみおほきかうべにくをこれに食󠄃くらはせん 43 國々くに〴〵たみなんぢらヱホバのたみのために歡悅よろこびをなせはヱホバそのしもべのために返󠄄報むくいをなしそのてきあだをかへしそのとそのたみ汚穢けがれをのぞきたまへばなり

44 モーセ、ヌンのヨシユアとともにいたりてこのうたことばをことごとくたみよみきかせたり 45 モーセこの言語ことばをことごとくイスラエルの一切すべてひとつげをはりて 46 これにいひけるは今日けふなんぢらにむかひてあかしするこの一切すべて言語ことばなんぢこゝろをさなんぢらの子等こどもにこの律法おきて一切すべて言語ことばまもりおこなふことをめいずべし 47 そもそもこのことばなんぢらにはむなしきことばにあらずこれなんぢらの生命いのちなりこのことばによりてなんぢらはそのヨルダンをわたりゆきてうるところのにてなんぢらの生命いのちながうすることをるなり
〘296㌻〙
48 このにヱホバ、モーセにつげいひたまはく 49 なんぢヱリコにたいするモアブののアバリムやまのぼりてネボやまにいたりがイスラエルの子孫ひと〴〵にあたへて產業さんげふとなさしむるカナンのわたせよ 50 なんぢはそののぼれるやましになんぢたみつらならんこれなんぢ兄弟きやうだいアロンがホルやましにてそのたみつらなりしごとくなるべし 51 なんぢらチンの曠野あらのなるカデシのメリバのみづほとりにおいてイスラエルの子孫ひと〴〵中間なかにてわれもとりイスラエルの子孫ひと〴〵うちわれ聖󠄄きよきことをあらはさざりしがゆゑなり 52 されどもなんぢがイスラエルの子孫ひと〴〵あたふるなんぢ前󠄃まへわたすことをたゞしそのにはなんぢいることを
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第33章

1 かみひとモーセそのしぬ前󠄃まへにイスラエルの子孫ひと〴〵しゆくせりそのしゆくせしことばかくのごとしいは 2 ヱホバ、シナイよりきたりセイルよりかれらにむかひてのぼりバランのやまより光明ひかりはなちて千萬ちよろず聖󠄄者きよきもの中間なかよりしていたりたまへりそのみぎにはかがやけるありき 3 ヱホバはたみあいしたまふその聖󠄄者きよきものみなそのにありみなその足下あしもとすわりそのことばによりて起󠄃たちあがる 4 モーセわれらに律法おきてめいぜりこれはヤコブの會衆くわいしう產業もちものたり 5 たみ首領かしらたちイスラエルのすべて支派わかれあひあつまれるときかれはヱシユルンのうちわうたりき 6 ルベンはいきしにはせじされどそのひとかず寡少すくなくならん 7 ユダにつきてはかくいふヱホバよユダのこゑきこれをそのたみひきかへしたまへかれはそのをもておのれのためにたゝかはんねがはくはなんぢこれをたすけてそのてきにあたらしめたまへ 8 レビについてはなんぢのトンミムとウリムはなんぢ聖󠄄きよきひとなんぢかつてマツサにてかれこゝろみメリバのみづほとりにてかれとあらそへり 9 かれはその父󠄃ちちまたはそのはゝにつきていへわれはこれをずと又󠄂またかれ自己おのれ兄弟きやうだい認󠄃みとめずまた自己おのれ子等こども顧󠄃かへりみざりきはなんぢのことば遵󠄅したがひなんぢ契󠄅約けいやくまもりてなり 10 かれらはなんぢ式例さだめをヤコブにをしなんぢ律法おきてをイスラエルにをし又󠄂またかうなんぢはな前󠄃まへにそなへ燔祭はんさいなんぢだんうへにささぐ 11 ヱホバよかれ所󠄃有もちものしゆくかれ作爲わざよろこびて納󠄃れたまへ又󠄂また起󠄃たちてこれに逆󠄃さからふものとこれをにくものとのこしくだきてまた起󠄃たちあがることあたはざらしめたまへ 12 ベニヤミンについてはふヱホバのあいするもの安然やすらかにヱホバとともにあり日々ひびにその庇護まもりをかうむりてそのかたあひだをら〘297㌻〙 13 ヨセフについてはねがはくはそのヱホバの祝福めぐみをかうむらんことをすなはてん寶物たからものなるつゆわだそこなるみづ 14 によりてさんする寶物たからものつきによりてしやうずる寶物たからもの
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15 ふるきやまいただき寶物たからものおいたるをか寶物たからもの 16 寶物たからものうち產物さんぶつおよびしばうちたまひしもの恩惠めぐみなどヨセフのかうべのぞみその兄弟きやうだいべつになりたるものいたゞきくだらん 17 かれうし首出うひごはその榮光さかえありてそのつののうしつののごとくこれをもて國々くに〴〵たみつきたふしてただち四方よもはてにまでいたこれはエフライムの萬々まんまんこれはマナセの千々せんせんなり 18 ゼブルンについてはふゼブルンよなんぢそといで快樂たのしみよイツサカルよなんぢいへをり快樂たのしみ 19 かれらは國々くに〴〵たみやままね其處そこにて犧牲いけにへさゝげん又󠄂またうみなかみてもの食󠄃くらすななかかくれたるもの食󠄃くらはん 20 ガドについてはふガドをしておほいならしむるものほむべきかなガドは獅子ししのごとくにうでかしらいたゞきとをかきさか 21 かれはつ自己おのれのために選󠄄えらべり其處そこにはたいしやう分󠄃ぶんもこもれりかれたみ首領かしらたちとともにいたりイスラエルとともにヱホバの公義ただしき審判󠄄さばきとをなこなへり 22 ダンについてはふダンは小獅子こじしのごとくバシヤンよりをど 23 ナフタリについてはふナフタリよなんぢおほい福祉さいはひをかうむりヱホバの恩惠めぐみにうるほふて西にしみなみ 24 アセルについてはふアセルはほか子等こらよりも幸福さいはひなりまたその兄弟きやうだいたちにこえてめぐまれそのあしあぶらなかひたさん 25 なんぢ門閂かんのきくろがねのごとくあかがねのごとしなんぢ能力ちからなんぢ日々ひびもとむるところにしたがはん 26 ヱシユルンよ全󠄃能ぜんのうかみのごときものほかこれてんのりなんぢたすくものりてその威光ゐくわうをあらはしたまふ 27 永久とこしなへいまかみ住󠄃所󠄃すみかなりしたには永遠󠄄とこしへうであり敵人あたびとなんぢ前󠄃まへよりおひはらひていひたまふほろぼせよと 28 イスラエルは安然やすらか住󠄃すみをりヤコブのいづみこくさけとのおほひとらんそのてんはまたつゆをこれにくだすべし 29 イスラエルよなんぢ幸福さいはひなりたれなんぢのごとくヱホバにすくはれしたみたらんヱホバはなんぢまもたてなんぢ榮光さかえつるぎなりなんぢてきなんぢへつら服󠄃ふくせんなんぢはかれらの高處たかきところふま
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第34章

1 かくてモーセ、モアブの平󠄃野ひらのよりネボやまにのぼりヱリコにたいするピスガのいたゞきにいたりければヱホバこれにギレアデの全󠄃地ぜんちをダンまでしめ 2 ナフタリの全󠄃部ぜんぶエフライムとマナセのおよびユダの全󠄃地ぜんち西にしうみまでしめ 3 みなみ棕櫚しゆろまちなるヱリコのたにはらをゾアルまでしめしたまへり〘298㌻〙 4 しかしてヱホバかれにいひたまひけるはがアブラハム、イサク、ヤコブにむかひこれなんぢ子孫しそんにあたへんといひちかひたりしこれなりわれなんぢをしてこれなんぢみることをせしむされなんぢ彼處かしこわたりゆくことをずと 5 かくごとくヱホバのしもべモーセはヱホバのことばごとくモアブのしね 6 ヱホバ、ベテペオルにたいするモアブのたににこれをはうむたまへり今日こんにちまでそのはかひとなし 7 モーセはそのしにたるとき百二十さいなりしがそのかすまずそのりよくおとろへざりき 8 イスラエルの子孫ひと〴〵モアブのにおいて三十にちのあひだモーセのために哭泣なげきをなしけるがモーセのためにかなしむつひに滿みて

9 ヌンのヨシユアはこゝろ智慧󠄄ちゑみてものなりモーセそのをこれがうへおきたるによりてしかるなりイスラエルの子孫ひと〴〵これきゝしたがひヱホバのモーセにめいじたまひしごとくおこなへり 10 イスラエルのうちにはこののちモーセのごとき預言者よげんしやおこらざりきモーセはヱホバがかほあはせてしりたまへるものなりき 11 すなはちヱホバ、エジプトのにおいてかれをパロとその臣下しんかとその全󠄃地ぜんちとにつかはして諸々もろ〳〵徴證しるし奇蹟ふしぎおこなはせたまへり 12 またイスラエルの一切すべてひと前󠄃まへにてモーセそのおほいなる能力ちからをあらはしおほいなるおそるべきことおこなへり〘299㌻〙
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