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〘94㌻〙

第1章

1 イスラエルの子等こらのエジプトにいたりしもののごとし衆人ひと〴〵おの〳〵その家族かぞくをたづさへてヤコブとともにいたれり 2 すなはちルベン、シメオン、レビ、ユダ、 3 イツサカル、ゼブルン、ベニヤミン、 4 ダン、ナフタリ、ガド、アセルなり 5 ヤコブのこしよりいでたるもの都合あはせて七十にんヨセフはすでにエジプトにありき 6 ヨセフとそのすべて兄弟きやうだいおよび當世そのよひとみなしにたり 7 イスラエルの子孫ひと〴〵おほ彌增いやましはなはだしくおほいつよくなりてくに滿みつるにいたれり

8 こゝにヨセフのことをしらざるあたらしわうエジプトに起󠄃おこりしが 9 かれそのたみにいひけるはこのたみイスラエルの子孫ひと〴〵われらよりもおほかつつよ 10 きたれわれら機巧かしこ彼等かれらことをなさんおそらくは彼等かれらおほくならん又󠄂また戰爭いくさ起󠄃おこることあるとき彼等かれらてきにくみして我等われらたゝか遂󠄅つひくによりいでさらんと 11 すなはち督者をさをかれらのうへかれらに重荷おもにをおはせてこれくるし彼等かれらパロのために府庫くらまちピトムとラメセスをたてたり 12 しかるにイスラエルの子孫ひと〴〵くるしむるにしたがひてふえたればみなこれをおそれたり 13 エジプトびとイスラエルの子孫ひと〴〵きびし動作はたらかしめ 14 から力役つとめをもて彼等かれらをしてくるしみてわたらしむすなは和泥どろこね作甎かはらづくりおよび田圃はたけもろ〳〵わざにはたらかしめけるがそのはたらかしめし工作わざみなきびしかりき

15 エジプトのわう又󠄂またヘブルの產婆とりあげをんなシフラとなづくるものとブワとなづくるもの二人ふたりさとして 16 いひけるは汝等なんぢらヘブルの婦󠄃女をんなのために收生とりあげをなすときとこうへてそのもし男子をとこのこならばこれをころ女子をんなのこならばいかしおくべしと
 94㌻ 
17 しかる產婆とりあげをんなかみおそれエジプトわうめいぜしごとくなさずして男子をのこをもいかしおけり 18 エジプトわう產婆とりあげをんなめしこれにいひけるは汝等なんぢらなんぞ此事このことをなし男子をのこいかしおくや 19 產婆とりあげをんなパロにいひけるはヘブルの婦󠄃をんなはエジプトの婦󠄃をんなのごとくならず彼等かれらつよくして產婆とりあげをんなのかれらにいたらぬ前󠄃さきうみをはるなりと 20 これによりてかみその產婆とりあげをんなどもめぐみをほどこしたまへりこゝにおいてたみましゆきてはなはつよくなりぬ 21 產婆とりあげをんなかみおそれたるによりてかみかれらのためにいへなしたまへり 22 斯有かゝりしかばパロそのすべてたみめいじていふ男子をとこのとうまるるあらば汝等なんぢらこれをこと〴〵かはなげいれよ女子をんなのこみないかしおくべし〘73㌻〙

第2章

1 こゝにレビのいへ一箇ひとりひとゆきてレビのをんなめとれり 2 をんなはらみて男子なんしみそのうるはしきを三月みつきのあひだこれをかくせしが 3 すでにこれをかくすあたはざるにいたりければよし箱舟はこぶねこれがためにとりこれ瀝靑ちやん樹脂やにをそのうち納󠄃いれてこれを河邊かはべあしなかおけ 4 そのあねはるかたちてその如何いかになるかをうかゞ 5 こゝにパロのむすめあらはんとてかはにくだりそのしもめかはほとりにあゆむかれあしなか箱舟はこぶねあるを使女めのわらはをつかはしてこれをとりきたらしめ 6 これをひらきてそののをるを嬰兒みどりごすなはちかれこれをあはれみていひけるはこれはヘブルびとなりと 7 ときにそのあねパロのむすめにいひけるはわれゆきてヘブルのをんなうちよりこのをなんぢのために養󠄄やしなふべき乳󠄃母うばよびきたらんか 8 パロのむすめゆけよとこれにいひければ女子むすめごすなはちゆきてそのはゝよびきたる 9 パロのむすめかれにいひけるはこのをつれゆきてわがためにこれ養󠄄やしなわれそのあたひをなんぢにとらせんと婦󠄃をんなすなはちそのとりてこれを養󠄄やしな 10 かくてそのちやうずるにおよびてこれをパロのむすめ所󠄃もとにたづさへゆきければすなはちこれがとなるかれそのをモーセ(援出ひきいだし)となづけてわれこれをみづよりひきいだせしにると

 95㌻ 
11 こゝにモーセ生長ひとゝなるにおよびて一時あるときいでてその兄弟きやうだいたち所󠄃ところにいたりその重荷おもに負󠄅ふをしがたま〳〵一箇ひとりのエジプトびと一箇ひとりのイスラエルびとすなはちおのれの兄弟きやうだいつをたれば 12 右左みぎひだりまはしてひとのをらざるをてそのエジプトびとうちころしこれすななかうづかくせり 13 つぎまたいで二人ふたりのヘブルびとあひあらそふをたればそのあしものにむかひなんぢなんぞなんぢ隣人となりびとつやといふに 14 かれいひけるはなんぢたててわれらのきみとし判󠄄官さばきびととしたるやなんぢかのエジプトびとをころせしごとくわれをもころさんとするやとこゝにおいてモーセおそれてそのことかならずれたるならんとおもへり 15 パロ此事このこときゝてモーセをころさんともとめければモーセすなはちパロのかほをさけて逃󠄄げのびミデアンの住󠄃すめかれゐどかたはらせり

16 ミデアンの祭司さいしに七にん女子むすめありしが彼等かれらきたりてみづみづばちみて父󠄃ちゝ羊群むれみづかはんとしけるに 17 牧羊者ひつじかひきたりてかれらを逐󠄃おひはらひければモーセ起󠄃たちあがりて彼等かれらをたすけその羊群むれみづか 18 彼等かれらその父󠄃ちゝリウエルにいたれるとき父󠄃ちゝいひけるは今日けふはなんぢらなんぞかく速󠄃すみやにかへりしや 19 かれらいひけるは一箇ひとりのエジプトびとわれらを牧羊者ひつじかひどもよりすくひいだしまたわれらのためにみづおほくみ羊群むれのましめたり〘74㌻〙 20 父󠄃ちゝ女等むすめらにいひけるはかれ何處いづくにをるや汝等なんぢらなんぞそのひと遺󠄃すててきたりしやかれをよびてもの食󠄃くはしめよと 21 モーセこのひととともにることをこのめりかれすなはちその女子むすめチツポラをモーセにあた 22 かれ男子をとこのこみければモーセそのをゲルシヨム(かく)となづけてわれ異邦ことくにかくとなりをればなりと

 96㌻ 
23 かくときをふるほどにジプトのわうしねりイスラエルの子孫ひと〴〵その勞役つとめゆゑによりてなげさけぶにその勞役つとめゆゑによりてさけぶところのこゑかみ達󠄃いたりければ 24 かみその長呻うめきかみそのアブラハム、イサク、ヤコブになしたる契約けいやくおぼ 25 かみイスラエルの子孫ひと〴〵かへりかみしろしめしたまへり

第3章

1 モーセそのつま父󠄃ちゝなるミデアンの祭司さいしヱテロのむれひをりしがそのむれ曠野あらのおくにみちびきてかみやまホレブにいたるに 2 ヱホバの使者つかひしばなか火燄ほのほうちにてかれにあらはるかれるにしばもゆれどもそのしばやけ 3 モーセいひけるはわれゆきてこのおほいなるみもの 何故なにゆゑしばもえたえざるかを 4 ヱホバかれがきたりんとするをたまふすなはかみしばなかよりモーセよモーセよとかれをよびたまひければわれこゝにありといふに 5 かみいひたまひけるはこゝ近󠄃ちかよるなかれなんぢあしよりくつ脫󠄁ぐべしなんぢところ聖󠄄きよなればなり 6 又󠄂またいひたまひけるはわれはなんぢの父󠄃ちゝかみアブラハムのかみイサクのかみヤコブのかみなりとモーセかみることをおそれてそのかほかくせり 7 ヱホバいひたまひけるはわれまことにエジプトにをるわがたみ苦患なやみまた彼等かれらがその驅使者おひつかふものゆゑをもてさけぶところのこゑきけわれかれらの憂苦うれひるなり 8 われくだりてかれらをエジプトびとよりすくひいだしこれかのより導󠄃みちびきのぼりてひろ乳󠄃ちゝみつとのながるゝすなはちカナンびとヘテびとアモリびとベリジびとヒビびとヱブスびとのをるところいたらしめんとす 9 いまイスラエルの子孫ひと〴〵號呼さけびわれに達󠄃いたわれまたエジプトびとかれらをくるしむるその暴虐󠄃くるしめたり 10 されきたわれなんぢをパロにつかはしなんぢをしてわがたみイスラエルの子孫ひと〴〵をエジプトより導󠄃みちびきいださしめん 11 モーセかみにいひけるはわれ如何いかなるものぞやわれあにパロのもときイスラエルの子孫ひと〴〵をエジプトより導󠄃みちびきいだすべきものならんや
 97㌻ 
12 かみいひたまひけるはわれかならずなんぢとともにあるべしこれはわがなんぢをつかはせる證據しるしなりなんぢたみをエジプトより導󠄃みちびきいだしたるとき汝等なんぢらこのやまにてかみつかへん
〘75㌻〙
13 モーセかみにいひけるはわれイスラエルの子孫ひと〴〵所󠄃ところにゆきてなんぢらの先祖せんぞたちかみわれなんぢらに遣󠄃つかはしたまふといはんに彼等かれらもしそのなにわれいはなにとかれらにいふべきや 14 かみモーセにいひたまひけるはわれありものなり又󠄂またいひたまひけるはなんぢかくイスラエルの子孫ひと〴〵にいふべし我有われありといふものわれなんぢらに遣󠄃つかはしたまふと 15 かみまたモーセにいひたまひけるはなんぢかくイスラエルの子孫ひと〴〵にいふべしなんぢらの先祖せんぞたちかみアブラハムのかみイサクのかみヤコブのかみヱホバわれをなんぢらにつかはしたまふとこれ永遠󠄄とこしなへにわがとなり世々よゝにわがしるしとなるべし 16 なんぢゆきてイスラエルの長老等としよりたちをあつめてこれにいふべしなんぢらの先祖せんぞたちかみアブラハム、イサク、ヤコブのかみヱホバわれにあらはれていひたまひけらくわれまことになんぢらをかへりなんぢらがエジプトにてかうむるところのことたり 17 われすなはちいへわれなんぢらをエジプトの苦患なやみうちより導󠄃みちびいだしてカナンびとヘテびとアモリびとペリジびとヒビびとエブスびとすなはち乳󠄃ちゝみつながるゝにのぼりいたらしめんと 18 彼等かれらなんぢのことばきゝしたがふべしなんぢとイスラエルの長老等としよりたちエジプトのわうもとにいたりてこれへヘブルびとかみヱホバわれらにのぞめりされ請󠄃ふわれらをして三日みつかほどほど曠野あらのいらしめわれらのかみヱホバに犧牲いけにへをさゝぐることをせしめよと 19 われしるエジプトのわう假令たとひ能力ちからあるをくはふるも汝等なんぢらゆくをゆるさゞるべし 20 われすなはちわがベエジプトのうちもろ〳〵奇跡ふしぎおこなひてエジプトをうたそののちかれ汝等なんぢらさらしむべし 21 われエジプトびとをしてこのたみをめぐましめんなんぢとき空󠄃むなしうしてるべからず 22 婦󠄃女をんなみなその隣人となりびととおのれのいへやどものとにきん飾󠄃品かざりぎん飾󠄃品かざりおよび衣服󠄃きぬこふべししかしてなんぢらこれをなんぢらの子女むすこむすめ穿戴きかぶらせよ汝等なんぢらかくエジプトびとものとるべし
 98㌻ 

第4章

1 モーセこたへていひけるはさりながら彼等かれらわれしんぜず又󠄂またわがことばきゝしたがはずしていはんヱホバなんぢにあらはれたまはずと 2 ヱホバかれにいひたまひけるはなんぢにあるものなになるやかれいふつゑなり 3 ヱホバいひたまひけるはそれなげよとすなはちこれになぐるにへびとなりければモーセその前󠄃まへ避󠄃さけたり 4 ヱホバ、モーセにいひたまひけるはなんぢをのべてそのれとすなはちをのべてこれとれにいりてつゑとなる 5 ヱホバいひたまふかれらの先祖せんぞたちかみアブラハムのかみイサクのかみヤコブのかみヱホバのなんぢにあらはれたることをかれらにしんぜしめんためなり〘76㌻〙 6 ヱホバまたかれにいひたまひけるはなんぢふところ納󠄃いれよとすなはちふところにいれてこれいだるにその癩病らいびやうしやうじて雪󠄃ゆきのごとくなれり 7 ヱホバまたいひたまひけるはなんぢをふたゝびふところにいれよとかれすなはちふたゝびそのふところにいれてこれふところよりいだるにかはりて他處ほか肌膚はだへのごとくになる 8 ヱホバいひたまふ彼等かれらもしなんぢしんぜずまたその最初はじめしるしこゑきゝしたがはざるならばのちしるしこゑしんぜん 9 かれらもしこのふたつのしるしをもしんぜすしてなんぢことばきゝしたがはざるならばなんぢかはみづをとりてこれ陸地くがにそゝげなんぢかはよりとりたるみづ陸地くがにてとなるべし

10 モーセ、ヱホバにいひけるはわがしゆわれもと言辭ことばひとにあらずなんぢしもべかたりたまへるにおよびてもなほしかりわれくちおもしたおもものなり 11 ヱホバかれにいひたまひけるはひとくち造󠄃つくものたれなるや啞者おふし聾者みゝしひ目明者めあき瞽者めしひなどを造󠄃つくものたれなるやわれヱホバなるにあらずや 12 されけよわれなんぢのくちにありてなんぢふべきことををしへん 13 モーセいひけるはわがしゆねがはくは遣󠄃つかはすべきものをつかはしたまへ 14 こゝにおいてヱホバ、モーセにむかひいかりはつしていひたまひけるはレビびとアロンはなんぢ兄弟きやうだいなるにあらずやわれかれがことばよくするをるまたかれなんぢに遇󠄃あはんとていできたかれなんぢときこゝろよろこばん
 99㌻ 
15 なんぢかれにかたりてことばをそのくちさづくべしわれなんぢのくちかれくちにありてなんぢらのなすべきことをしへん 16 かれなんぢにかはりたみかたらんかれなんぢくちかはらんなんぢかれのためにかみかはるべし 17 なんぢこのつゑこれをもて奇蹟しるしをおこなふべし

18 こゝにおいてモーセゆきてそのつま父󠄃ちゝヱテロのもとにかへりてこれにいふ請󠄃われをしてゆきてわがエジプトにある兄弟きやうだい所󠄃ところにかへらしめ彼等かれらのなほいきながらへをるやいなさしめよヱテロ、モーセに安然やすらかくべしといふ 19 こゝにヱホバ、ミデアンにてモーセにいひたまひけるはゆきてエジプトにかへれなんぢ生命いのちをもとめしひとみなしにたりと 20 モーセすなはちそのつま子等こどもをとりこれ驢馬ろばのせてエジプトのにかへるモーセはかみつゑとれ 21 ヱホバ、モーセにいひたまひけるはなんぢエジプトにかへりゆけるときはかならずがなんぢのさづけたるところの奇跡ふしぎこと〴〵くパロのまへにおこなふべしたゞわれかれのこゝろ剛愎かたくなにすればかれたみさらしめざるべし 22 なんぢパロにいふべしヱホバかくふイスラエルはわがわが冢子うひごなり 23 われなんぢにいふらしめてわれつかふることをえせしめよなんぢもしかれをさらしむることをこばまわれなんぢのなんぢの冢子うひごころすべしと〘77㌻〙 24 モーセ途󠄃みちにあるときヱホバかれの宿所󠄃やどりにてかれ遇󠄃あひてころさんとしたまひければ 25 チツポラするどいしをとりてその男子むすこまへかは割󠄅りモーセの足下あしもとになげうちてなんぢはまことにわがためにはをつとなりと 26 こゝにおいてヱホバ、モーセをゆるしたまふ此時このときチッポラがをつとといひしは割󠄅禮かつれいゆゑによりてなり

27 こゝにヱホバ、アロンにいひたまひけるに曠野あらのにゆきてモーセを迎󠄃むかへよとかれすなはちゆきてかみやまにてモーセに遇󠄃これ接吻くちつけ
 100㌻ 
28 モーセ、ヱホバがおのれにいひふくめて遣󠄃つかはしたまへるすべてことばとヱホバのおのれにめいじたまひしすべて奇跡しるしとをアロンにつげたり 29 かくてモーセとアロンゆきてイスラエルの子孫ひと〴〵長老としよりこと〴〵あつ 30 しかしてアロン、ヱホバのモーセにかたりたまひしことばこと〴〵くつぐ又󠄂またかれたみのまへにて奇蹟ふしぎをなしければ 31 たみすなはちしん彼等かれらヱホバがイスラエルのたみをかへりみその苦患なやみをおもひたまふをきゝをかゞめてはいをなせり

第5章

1 そののちモーセとアロンいりてパロにいふイスラエルのかみヱホバかくいひたまふ我民わがたみさらしめ彼等かれらをして曠野あらのおいわれまつることをえせしめよと 2 パロいひけるはヱホバはたれなればかわれそのこゑにしたがひてイスラエルをさらしむべきわれヱホバをしらまたイスラエルをさらしめじ 3 かれいひけるはヘブルびとかみわれらにあらはれたまへり請󠄃我等われらをして三日みつかほど曠野あらのにいりてわれらのかみヱホバに犧牲いけにへをさゝぐることをえせしめよおそらくはヱホバ疫病えきびやう又󠄂また刀兵つるぎをもてわれらをなやましたまはん 4 エジプトわうかれらにいひけるは汝等なんぢらモーセ、アロンなんぞたみ操作はたらきさまたぐるやゆきてなんぢらの負󠄅 5 パロまたいふ土民どみんいまおほかりしかるに汝等なんぢらかれらをしてをおふことをやめしめんとす 6 パロこのたみおひ使つか者等ものどもおよびたみ有司つかさめいじていふ 7 汝等なんぢらふたゝ前󠄃まへのごとくたみ磚瓦かはら造󠄃つく禾稈わらあたふべからず彼等かれらをしてゆきてみづから禾稈わらをあつめしめよ 8 また彼等かれら前󠄃さき造󠄃つくりし磚瓦かはらかずのごとくになほかれらにこれをつくらしめよそれへらすなかれ彼等かれら懶惰ものうきゆゑ我儕われらをしてゆきてわれらのかみ犧牲いけにへをささげしめよとよばはりふなり 9 人々ひと〴〵工作はたらきおもくしてこれはたらかしめよさらいつはりことばきくことあらじと

10 たみおひ使つか者等ものどもおよびその有司つかさいでゆきてたみにいひけるはパロかくいひたまふわれなんぢらに禾稈わらをあたへじ〘78㌻〙 11 汝等なんぢらゆき禾稈わらのあるところにてこれをとれたゞしなんぢらの工作はたらき分󠄃毫すこしへらさゞるべしと 12 こゝにおいてたみ遍󠄃あまねくエジプトのちり草藁わらをあつめて禾稈つたとなす
 101㌻ 
13 驅使者おひつかふものかれらをせきたてて禾稈つたのありしときのごとくなんぢらの工作はたらきなんぢらの日々ひゞわざをなしをふべしと 14 パロの驅使者おひつかふものがイスラエルの子孫ひと〴〵うへたてたるところの有司つかさうたれなんぢらなん昨日きのふ今日けふ磚瓦かはらつくるところのなんぢらのわざ前󠄃さきのごとくにしをへざるやといは

15 こゝおいてイスラエルの子孫ひと〴〵有司つかさたちきたりてパロによばはりてなんぢなんぞかくしもべになすや 16 しもべ禾稈つたあたへずしてわれらに磚瓦かはらつくれといふしもべうたこれなんぢのたみ過󠄃あやまちなりと 17 しかるにパロいふ汝等なんぢら懶惰ものう懶惰ものうゆゑなんぢらはわれらをしてゆきてヱホバに犧牲いけにへをさゝげしめよとふなり 18 されなんぢゆき操作はたらけよ禾稈つたはなんぢらにあたふることなかるべけれどなんぢらなほかずのごとくに磚瓦かはら交納󠄃をさむべしと 19 イスラエルの子孫ひと〴〵有司つかさたち汝等なんぢらその日々ひゞにつくる磚瓦かはらへらすべからずといへるをきゝ災害󠄅わざはひにおよぶをしれ 20 かれらパロをはなれていでたるときモーセとアロンの對面むかひにたてるをたれば 21 これにいひけるはねがはくはヱホバ汝等なんぢらかんがみてさばきたまへ汝等なんぢらはわれらのにほひをパロのかれしもべ忌嫌󠄃いみきらはれしめかたな彼等かれらにわたして我等われらころさしめんとするなりと

22 モーセ、ヱホバに返󠄄かへりてふわがしゆなどこれたみをあしくしたまふやなにのためにわれをつかはしたまひしや 23 わがパロのもときたりてなんぢをもてかたりしよりしてかれこのたみをあしくすなんぢまたたえてなんぢのたみをすくひたまはざるなり

第6章

1 ヱホバ、モーセにいひたまひけるはいまなんぢわがパロになさんところのことるべしちからあるくははるによりてパロかれらをさらしめんちからあるくははるによりてパロかれらをそのくにより逐󠄃おひいだすべし

2 かみモーセにかたりてこれにいひたまひけるはわれはヱホバなり 3 われ全󠄃能ぜんのうかみといひてアブラハム、イサク、ヤコブにあらはれたりされわがのヱホバのこと彼等かれらしらざりき
 102㌻ 
4 われまたかれらとわが契約けいやく彼等かれらたびしてやどりたるくにカナンのをかれらにあた 5 われまたエジプトびと奴隸どれいとなせるイスラエルの子孫ひと〴〵呻吟うめきかつ契約けいやくおも 6 ゆゑにイスラエルの子孫ひと〴〵われはヱホバなりわれなんぢらをエジプトびと重負󠄅おもにしたより携出ひきいだその使役はたらきをまぬかれしめ又󠄂またうでをのべおほいなるばつをほどこして汝等なんぢらあがなはん〘79㌻〙 7 われ汝等なんぢらとりわがたみとなし汝等なんぢらかみとなるべし汝等なんぢらはわがエジプトびと重擔おもにしたよりなんぢらを携出ひきいだしたるなんぢらのかみヱホバなることをしら 8 われわがをあげてアブラハム、イサク、ヤコブにあたへんとちかひし汝等なんぢら導󠄃みちびきいたりこれ汝等なんぢらあたへて產業もちものとなさしめんわれはヱホバなり 9 モーセかくイスラエルの子孫ひと〴〵かたりけれども彼等かれらこゝろいためると役事はたらきくるしきとのためにモーセにきかざりき

10 ヱホバ、モーセにつげていひたまひけるは 11 いりてエジプトのわうパロにかたりイスラエルの子孫ひと〴〵をそのくによりさらしめよ 12 モーセ、ヱホバの前󠄃まへまうしていふイスラエルの子孫ひと〴〵すでわれきかわれくち割󠄅禮かつれいをうけざるものなればパロいかでわれにきかんや 13 ヱホバ、モーセとアロンにかた彼等かれらめいじてイスラエルの子孫ひと〴〵とエジプトのわうパロの所󠄃ところゆかしめイスラエルの子孫ひと〴〵をエジプトのより導󠄃みちびきいださしめたまふ

14 かれらの父󠄃ちゝ家々いへ〳〵かしらのごとしイスラエルの冢子うひごルベンのヘノク、パル、ヘヅロン、カルミ是等これらはルベンの家族やからなり 15 シメオンのヱムエル、ヤミン、オハデ、ヤキン、ゾハルおよびカナンのをんなうみしシヤウルこれらはシメオンの家族やからなり 16 レビのはその世代にしたがひていへのごとしゲルシヨン、コハテ、メラリこれなりレビのよはひとしは百三十七ねんなりき 17 ゲルシヨンのはその家族やからにしたがひていへばリブニおよびシメイなり 18 コハテのはアムラム、イヅハル、ヘブロン、ウジエルなりコハテのよはひとしは百三十三ねんなりき
 103㌻ 
19 メラリのはマヘリおよびムシなり是等これらはレビの家族やからにしてその世代にしたがひていへるものなり 20 アムラムその伯母をばヨケベデをつまにめとれりかれアロンとモーセをむアムラムのよはひとしは百三十七ねんなりき 21 イヅハルのはコラ、ネペグ、ジクリなり 22 ウジエルのはミサエル、エルザパン、シテリなり 23 アロン、ナシヨンのあねアミナダブのむすめエリセバをつまにめとれりかれナダブ、アビウ、エレアザル、イタマルを 24 コラのはアツシル、エルカナ、アビアサフ是等これらはコラびとやからなり 25 アロンのエレアザル、ブテエルのむすめうちよりつまをめとれりかれピネハスを是等これらはレビびと父󠄃ちゝ家々いへ〳〵かしらにしてその家族やからしたがひていへものなり 26 ヱホバがイスラエルの子孫ひと〴〵その軍隊ぐんたいにしたがひてエジプトのより導󠄃みちびきいだせよといひたまひしはこのアロンとモーセなり〘80㌻〙 27 彼等かれらはイスラエルの子孫ひと〴〵をエジプトより導󠄃みちびきいださんとしてエジプトのわうパロにかたりしものにしてすなはこのモーセとアロンなり

28 ヱホバ、エジプトのにてモーセにかたりたまへる 29 ヱホバ、モーセにかたりていひたまひけるはわれはヱホバなりなんぢわがなんぢにいふ所󠄃ところ悉皆こと〴〵くエジプトのわうパロにかたるべし 30 モーセ、ヱホバの前󠄃まへいひけるはわれくち割󠄅禮かつれいうけざるものなればパロいかでわれきかんや

第7章

1 ヱホバ、モーセにいひたまひけるはわれなんぢをしてパロにおけることかみのごとくならしむなんぢ兄弟きやうだいアロンはなんぢ預言者よげんしやとなるべし 2 なんぢはわがなんぢめいずる所󠄃ところこと〴〵のぶべしなんぢ兄弟きやうだいアロンはパロにつぐることをなすべしかれイスラエルの子孫ひと〴〵をそのくによりいだすにいたらん 3 われパロのこゝろ剛愎かたくなにしてわがしるし奇跡ふしぎをエジプトのくにおほくせん 4 されどパロなんぢきかざるべしわれすなはちわがをエジプトにくはおほいなるばつをほどこしてわが軍隊ぐんたいわがたみイスラエルの子孫ひと〴〵をエジプトのくによりいださん 5 われわがをエジプトのうへのべてイスラエルの子孫ひと〴〵をエジプトびとうちよりいだときには彼等かれらわれのヱホバなるをしら
 104㌻ 
6 モーセとアロンかくおこなひヱホバのめいじたまへるごとくにしかなしぬ 7 そのパロと談論ものいひけるときモーセは八十さいアロンは八十三さいなりき

8 ヱホバ、モーセとアロンにつげいひたまひけるは 9 パロ汝等なんぢらかたりてなんぢみづか奇蹟ふしぎおこなへといふときにはなんぢアロンにいふべしなんぢつゑをとりてパロの前󠄃まへなげうてよとそれへびとならん 10 こゝおいてモーセとアロンはパロのもとにいたりヱホバのめいじたまひしごとくにおこなへりすなはちアロンそのつゑをパロとその臣下しんか前󠄃まへなげうちしにへびとなりぬ 11 斯在かゝりしかばパロもまた博士はかせ魔󠄃術まじゆつめしよせたるにエジプトの法術士はふじゆつしもその祕術ひじゆつをもてかくおこなへり 12 すなはかれ各人おの〳〵そのつゑなげたればへびとなりけるがアロンのつゑかれらのつゑのみつくせり 13 しかるにパロのこゝろ剛愎かたくなになりてかれらにきくことをせざりきヱホバのいひたまひしごと

14 ヱホバ、モーセにいひたまひけるはパロはこゝろかたくなにしてたみさらしむることをこばむなり 15 朝󠄃あしたにおよびてなんぢパロのもとにいたれかれみづのぞなんぢかはふちにたちてかれ逆󠄃むかふべしなんぢかのへびなりつゑにとりて 16 かれふべしヘブルびとかみヱホバわれなんぢにつかはしていはしむわがたみさらしめて曠野あらのにてわれつかふることをせしめよいままでなんぢきゝいれざりしなり〘81㌻〙 17 ヱホバかくなんぢこれによりてがヱホバなるをしらわれわがつゑをもてかはみづうたこれへんずべし 18 しかしてかはうをかはくさくならんエジプトびとかはみづのむことをいとふにいたるべし 19 ヱホバまたモーセにいひたまはくなんぢアロンになんぢつゑをとりてなんぢをエジプトのうへ流水ながれうへ河々かはがはうへ池塘ためいけうへ一切すべて湖水みづうみうへのべとならしめよエジプト全󠄃國ぜんこくおいぼくせきうつはうちすべあるにいたらん

 105㌻ 
20 モーセ、アロンすなはちヱホバのめいじたまへるごとくになせすなはかれパロとその臣下しんか前󠄃まへにてつゑをあげてかはみづうちしにかはみづみなへんじたり 21 こゝにおいてかはうをしにかはくさくなりエジプトびとかはみづのむことをざりきかくエジプト全󠄃國ぜんこくありき 22 エジプトの法術士はふじゆつしもその祕術ひじゆつをもてかくのごとくおこなへりパロはこゝろ頑固かたくなにして彼等かれらきくことをせざりきヱホバのいひたまひしごと 23 パロすなはちをめぐらしてそのいへ此事このことにもこゝろをとめざりき 24 エジプトびとかはみづのむことをざりしかばみなのみみづんとてかはのまはりをほりたりヱホバかはうちたまひてよりのち七日なぬかたちぬ

第8章

1 ヱホバ、モーセにいひたまひけるはなんぢパロにいたりてかれへヱホバかくいひたまふわがたみさらしめてわれつかふることをせしめよ 2 なんぢもしさらしむることをいなまばわれかはづをもてなんぢ四方よもさかひなやまさん 3 かはかはづむらがりのぼりきたりてなんぢいへにいりなんぢ寢室ねやにいりなんぢとこにのぼりなんぢ臣下しんかいへにいりなんぢたみ所󠄃ところにいたりなんぢかまどにおよびなんぢ搓鉢こねばちにいらん 4 かはづなんぢのにのぼりなんぢたみなんぢ臣下しんかうへにのぼるべし 5 ヱホバ、モーセにいひたまはくなんぢアロンになんぢつゑをとりて流水ながれうへ河々かは〴〵うへ池塘ためいけうへのべかはづをエジプトののぼらしめよ 6 アロンをエジプトのみづのうへにのべたればかはづのぼりきたりてエジプトのおほ 7 法術士はふじゆつしもその祕術ひじゆつをもてかくおこなひかはづをエジプトののぼらしめたり

8 パロ、モーセとアロンをめしいひけるはヱホバにねがひてこのかはづわれとわがたみ所󠄃ところよりとりさらしめよわれこのたみさらしめてヱホバに犧牲いけにへをさゝぐることをせしめん 9 モーセ、パロにいひけるはわれなんぢとなんぢ臣下しんかなんぢたみのためにねがひて何時いつこのかはづなんぢなんぢいへよりたちさりてかはにのみとゞまらしむべきやわれしめせと〘82㌻〙 10 かれ明日あすといひければモーセなんぢことばのごとくになんぢをしてわれらのかみヱホバのごときものなきことをしらしめん
 106㌻ 
11 かはづなんぢなんぢいへはななんぢ臣下しんかなんぢたみはなれてかはにのみとゞまるべしと 12 モーセとアロンすなはちパロをはなれてでモーセそのパロにいたらしめたまひしかはづのためにヱホバによばはりしに 13 ヱホバ、モーセのことばのごとくなしたまひてかはづいへよりむらより田野はたけより死亡しにうせたり 14 こゝにこれをあつむるにやまをなしくさくなりぬ 15 しかるにパロは嘘氣いきつくひまあるをてそのこゝろ頑固かたくなにして彼等かれらきくことをせざりきヱホバのいひたまひしごと

16 ヱホバ、モーセにいひたまひけるはなんぢアロンになんぢつゑちりうちてエジプト全󠄃國ぜんこくのみとならしめよと 17 彼等かれらかくなせりすなはちアロンつゑをとりてちりうちけるにのみとなりてひとけものにつけりエジプト全󠄃國ぜんこくにおいてちりみなのみとなりぬ 18 法術士はふじゆつしその祕術ひじゆつをもてかくおこなひてのみいださんとしたりしがあたはざりきのみひとけもの 19 こゝにおいて法術士はふじゆつしパロにこれかみゆびなりとしかるにパロはこゝろ剛愎かたくなにして彼等かれらきかざりきヱホバのいひたまひしごと

20 ヱホバ、モーセにいひたまはくなんぢ朝󠄃あさはや起󠄃おきてパロの前󠄃まへかれみづのぞなんぢかれへヱホバかくいひたまふわがたみさらしめてわれつかふることをせしめよ 21 なんぢもしわがたみさらしめずばわれなんぢなんぢ臣下しんかなんぢたみなんぢいへとにあぶをおくらんエジプトびと家々いへ〳〵にはあぶみつべしかれらのるところのしからん 22 そのわれわがたみるゴセンの區別わかちおきて其處そこあぶあらしめじこれうちにありてわれのヱホバなることをなんぢしらんためなり 23 われわがたみなんぢたみあひだ區別わかちをたてん明日あすこのしるしあるべし 24 ヱホバかくなしたまひたればあぶおびたゞしくいできたりてパロのいへにいりその臣下しんかいへにいりエジプト全󠄃國ぜんこくにいたりあぶのために害󠄅そこなはる

 107㌻ 
25 こゝにおいてパロ、モーセとアロンをめしていひけるは汝等なんぢらゆきくにうちにてなんぢらのかみ犧牲いけにへさゝげよ 26 モーセしかするはよろしからず我等われらはエジプトびと崇拜をがもの犧牲いけにへとしてわれらのかみヱホバにさゝぐべければなり我等われらもしエジプトびと崇拜をがものをその前󠄃まへにて犧牲いけにへさゝげなば彼等かれらいしにて我等われらうたざらんや 27 我等われら三日みつかほど曠野あらのにいりてわれらのかみヱホバに犧牲いけにへさゝげそのめいじたまひしごとくせんとす 28 パロいひけるはわれなんぢらをさらしめてなんぢらのかみヱホバに曠野あらのにて犧牲いけにへさゝぐることをせしめんたゞあまり遠󠄄とほくはゆくべからずわがためにいのれよ〘83㌻〙 29 モーセいひけるはわれなんぢをはなれてわれヱホバにいのら明日あすあぶパロとその臣下しんかとそのたみはなれんたゞパロふたゝいつはりをおこなひたみさらしめてヱホバに犧牲いけにへをさゝぐるをせしめざるがごときことをなさざれ 30 かくてモーセ、パロをはなれてでヱホバにいのりたれば 31 ヱホバ、モーセのことばのごとくしたまへりすなはちそのあぶをパロとその臣下しんかとそのたみよりはなれしめたまふひとつものこらざりき 32 しかるにパロ此時このときにもまたそのこゝろ頑固かたくなにしてたみさらしめざりき

第9章

1 こゝにヱホバ、モーセにいひたまひけるはパロの所󠄃ところにいりてかれにつげよヘブルびとかみヱホバかくいひたまふわがたみさらしめてわれにつかふることをえせしめよ 2 なんぢもし彼等かれらをさらしむることをこばみてなほかれらを拘留おさへなば 3 ヱホバのにをるなんぢ家畜かちく うま 驢馬ろば 駱駝らくだ うし およびひつじくははらんすなははなはあしやまひあるべし 4 ヱホバ、イスラエルの家畜かちくとエジプトの家畜かちくとをわかちたまはんイスラエルの子孫ひと〴〵ぞくするものしぬものあらざるべしと 5 ヱホバまたときをさだめていひたまふ明日あすヱホバこのことくにになさんと 6 明日あくるひヱホバこのことをなしたまひければエジプトの家畜かちくみなしねされどイスラエルの子孫ひと〴〵家畜かちくひとつしなざりき 7 パロひとをつかはしてさしめたるにイスラエルの家畜かちく一頭ひとつだにもしなざりきしかれどもパロはこゝろ剛愎かたくなにしてたみをさらしめざりき

 108㌻ 
8 またヱホバ、モーセとアロンにいひたまひけるは汝等なんぢら竈爐かまど灰󠄃はひ一握ひとつかみとれしかしてモーセ、パロの前󠄃まへにててんにむかひてこれをまきちらすべし 9 その灰󠄃はひエジプト全󠄃國ぜんこくちりとなりてエジプト全󠄃國ぜんこくひと畜獸けものにつきうみをもちてふくるゝ腫物はれものとならんと 10 彼等かれらすなはち竈爐かまど灰󠄃はひをとりてパロの前󠄃まへちモーセてんにむかひてこれをまきちらしければひと獸畜けものにつきうみをもちてふくるゝ腫物はれものとなれり 11 法術士はふじゆつしはその腫物はれもののためにモーセの前󠄃まへつことをざりき腫物はれもの法術士はふじゆつしよりしてすべてのエジプトびとにまでしやうじたり 12 されどヱホバ、パロのこゝろ剛愎かたくなにしたまひたればかれらにきかざりきヱホバのモーセにいひたまひしごと

13 こゝにヱホバ、モーセにいひたまひけるは朝󠄃あさはやくおきてパロの前󠄃まへにたちてかれへヘブルびとかみヱホバかくいひたまふわがたみさらしめてわれつかふるをえせしめよ〘84㌻〙 14 われ此度このたびわがもろ〳〵災害󠄅わざはひなんぢこゝろとなんぢの臣下しんかおよびなんぢのたみくだ全󠄃地ぜんちわがごときものなきことをなんぢしらしめん 15 われもしわが疫病えきびやうをもてなんぢとなんぢのたみうちたらばなんぢよりたゝれしならん 16 そも〳〵わがなんぢをたてたるはすなはちなんぢをしてわが權能ちからさしめわが全󠄃地ぜんちつたへんためなり 17 なんぢなほわがたみ前󠄃まへたちふさがりてこれさらしめざるや 18 明日あすいまごろわれはなはだおほいなるへうふらすべしこれはエジプトの開國はじめよりいままでにかつてあらざりしものなり 19 されひとをやりてなんぢ家畜かちくおよびすべなんぢもてものあつめよひと獸畜けものすべにありていへかへらざるものへうそのうへにふりくだりてしぬるにたらん 20 パロの臣下しんかうちヱホバのことばおそるものはそのしもべ家畜かちくいへ逃󠄄にげいらしめしが 21 ヱホバのことば意󠄃こゝろにとめざるものはそのしもべ家畜かちくおけ

22 ヱホバ、モーセにいひたまひけるはなんぢてんのべてエジプト全󠄃國ぜんこくへうあらしめエジプトのこくちうひと獸畜けもの田圃たはたすべてくさにふりくだらしめよと
 109㌻ 
23 モーセてんにむかひてつゑのべたればヱホバいかづちへう遣󠄃おくりたまふ又󠄂またいでてすヱホバへうをエジプトのふらせたまふ 24 かくへうふり又󠄂またかたまりへうまじりてはなははげしエジプト全󠄃國ぜんこくにはそのくになしてよりこのかたいまかゝものあらざりしなり 25 へうエジプト全󠄃國ぜんこくおいひと獸畜けものとをいはずすべ田圃たはたにをるものうてへうまた田圃たはたもろ〳〵くさもろ〳〵をれ 26 たゞイスラエルの子孫ひと〴〵のをるゴセンのにはへうあらざりき

27 こゝおいてパロひとをつかはしてモーセとアロンをめしてこれにいひけるはわれ此度このたびつみををかしたりヱホバはたゞしわれとわがたみ 28 ヱホバにねがひてこの神鳴かみなりへう最早もはやこれにてたらしめよわれなんぢらをさらしめん汝等なんぢらいまとゞまるにおよばず 29 モーセかれにいひけるはわれまちよりいでわがをヱホバにのべひろげんしかせいかづちやみてへうかさねてあらざるべしかくしてはヱホバの所󠄃屬ものなるをなんぢにしらしめん 30 されわれしるなんぢとなんぢの臣下しんかはなほヱホバかみおそれざるならんと 31 さて麻󠄃あさおほむぎうたれたりおほむぎいで麻󠄃あさはなさきゐたればなり 32 され小麥こむぎはだかむぎいまのびざりしによりてうたれざりき 33 モーセ、パロをはなれてまちよりでヱホバにむかひてをのべひろげたればいかづちへうやみてあめにふらずなりぬ 34 しかるにパロあめへう雷鳴いかづちのやみたるをまたつみをかそのこゝろ剛硬かたくなにすかれもその臣下しんかしか 35 すなはちパロはこゝろ剛愎かたくなにしてイスラエルの子孫ひと〴〵さらしめざりきヱホバのモーセによりていひたまひしごとし〘85㌻〙

第10章

1 こゝにヱホバ、モーセにいひたまひけるはパロの所󠄃ところわれかれのこゝろとその臣下しんかこゝろ剛硬かたくなにせりはわがこれしるし彼等かれらうちしめさんため 2 又󠄂またなんぢをしてがエジプトにておこなひし事等ことどもすなはちがエジプトのうちにてなしたるしるしをなんぢのとなんぢのみゝかたらしめんためなりかくして汝等なんぢらわがヱホバなるをしるべし
 110㌻ 
3 モーセとアロン、パロの所󠄃ところにいりてかれにいひけるはヘブルびとかみヱホバかくいひたまふ何時いつまでなんぢわれくだることをこばむや我民わがたみをさらしめてわれつかふることをえせしめよ 4 なんぢもしわがたみさらしむることをこばまば明日あすわれいなごをなんぢのさかひいらしめん 5 いなごおもておほひひとるあたはざるべしいなごかのまぬかれてなんぢに遺󠄃のこれるものすなはちへううちのこされたるもの食󠄃くらなんぢらのためにおふもろ〳〵をくらはん 6 又󠄂またなんぢのいへとなんぢの臣下しんか家々いへ〳〵およびすべてのエジプトびといへ滿みつべしこれはなんぢの父󠄃ちゝとなんぢの父󠄃ちゝ父󠄃ちゝにいでしより今日こんにちにいたるまでいまかつざるものなりとかくかれをめぐらしてパロの所󠄃ところよりいでたり 7 ときにパロの臣下しんかパロにいひけるは何時いつまで此人このひとわれらのわなとなるや人々ひと〴〵さらしめてそのかみヱホバにつかふることをえせしめよなんぢなほエジプトのほろぶるをしらざるやと 8 こゝをもてモーセとアロンふたゝびめされてパロのもとにいたるにパロかれらにいふゆきてなんぢらのかみヱホバにつかへたゞものたれたれなるや 9 モーセいひけるは我等われら幼者わかきものをもおいたるものをも子息むすこをも息女むすめをもたづさへてひつじをもうしをもたづさへてくべしわれらヱホバの祭禮まつりをなさんとすればなり 10 パロかれらにいひけるはわれ汝等なんぢらとなんぢらの子等こどもさらしむるときはヱホバなんぢらとともつゝしめよあしことなんぢらのかほのまへにあり 11 そはよろしからずなんぢ男子をとこのみゆきてヱホバにつかへこれなんぢらがもとむるところなりと彼等かれらつひにパロの前󠄃まへより逐󠄃おひいださる

12 こゝにヱホバ、モーセにいひたまひけるはなんぢをエジプトののうへにのべいなごをエジプトのくににのぞませてへううちのこしたるすべてくさこと〴〵食󠄃くらはしめよ 13 モーセすなはちエジプトのうへそのつゑをのべければヱホバ東風ひがしかぜをおこしてその一日いちにち一夜いちやにふかしめたまひしが東風ひがしかぜ朝󠄃あしたにおよびていなごふききたりて 14 いなごエジプト全󠄃國ぜんこくにのぞみエジプトの四方よもさかひをり害󠄅がいをなすこと太甚はなはだこれよりさきにはかくのごときいなごなかりしこれよりのちにもあらざるべし〘86㌻〙
 111㌻ 
15 いなご全󠄃國ぜんこくうへおほひければくに暗󠄃くらくなりぬしかしていなごすべてくさおよびへううちのこせし食󠄃くらひたればエジプト全󠄃國ぜんこくおいにも田圃たはたくさにもあをものとてはのこらざりき 16 こゝをもてパロ急󠄃いそぎモーセとアロンをめしわれなんちらのかみヱホバと汝等なんぢらとにむかひてつみををかせり 17 され請󠄃いま一次ひとたびのみわがつみゆるしてなんぢらのかみヱホバにねがたゞこのわれよりとりはなさしめよと 18 かれすなはちパロの所󠄃ところよりいでてヱホバにねがひければ 19 ヱホバはなはだつよ西にしかぜふきめぐらせていなごふきはらはしめこれ紅海こうかいかりいれたまひてエジプトの四方よもさかひいなごひとつも遺󠄃のこらざるにいたれり 20 しかれどもヱホバ、パロのこゝろ剛愎かたくなにしたまひたればイスラエルの子孫ひと〴〵をさらしめざりき

21 ヱホバまたモーセにいひたまひけるはてんにむかひてなんぢべエジプトのくに黑暗󠄃やみ起󠄃おこすべしその暗󠄃黑やみさぐるべきなりと 22 モーセすなはちてんにむかひてのべければ稠密あつき黑暗󠄃やみ三日みつかのあひだエジプト全󠄃國ぜんこくにありて 23 三日みつかあひだ人々ひと〴〵たがひにあひるあたはず又󠄂またおのれのところより起󠄃たつものなかりきされどイスラエルの子孫ひと〴〵居處すまひにはみなひかりありき 24 こゝおいてパロ、モーセをよびていひけるは汝等なんぢらゆきてヱホバにつかへたゞなんぢらのひつじうしとゞめおくべしなんぢらの子女こどもまたなんぢらとともにゆくべし 25 モーセいひけるはなんぢまた我等われらかみヱホバにさゝぐべき犧牲いけにへ燔祭はんさいものをも我儕われらあたふべきなり 26 われらの家畜かちくもわれらとともにゆくべしひとひづめあとにのこすべからず我等われらそのうちとりてわれらのかみヱホバにつかふべきがゆゑなりまたわれら彼處かしこにいたるまではなにをもてヱホバにつかふべきかをしらざればなりと 27 しかれどもヱホバ、パロのこゝろ剛愎かたくなにしたまひたればパロかれらをさらしむることをがへんぜざりき 28 すなはちパロ、モーセにわれをはなれてされみづかつゝしかさねてわがかほるなかれなんぢわがかほにはしぬべし
 112㌻ 
29 モーセいひけるはなんぢふところはわれかさねまたなんぢのかほざるべし

第11章

1 ヱホバ、モーセにいひたまひけるはわれいま一箇ひとつわざはひをパロおよびエジプトにくださんしかるのちかれ汝等なんぢら此處こゝよりさらしむべしかれなんぢらを全󠄃まつたさらしむるにはかならなんぢらをこゝより逐󠄃おひはらはん 2 されなんぢたみみゝにかたり男女をとこをんなをしておのおのその隣々となり〴〵ぎん飾󠄃品かざりきん飾󠄃具󠄄かざりこはしめよと 3 ヱホバつひにたみをしてエジプトびとめぐみかうむらしめたまふ又󠄂またそのひとモーセはエジプトのくににてパロの臣下しんかたみはなはおほいなるものえたり
〘87㌻〙
4 モーセいひけるはヱホバかくいひたまふ夜半󠄃よなかごろわれいでてエジプトのなかいたらん 5 エジプトのくにうち長子うひごたるものくらゐするパロの長子うひごよりうすうしろにをるしもめ長子うひごまでこと〴〵しぬべし又󠄂また獸畜けもの首出うひごもしかり 6 しかしてエジプト全󠄃國ぜんこくおほいなる號哭さけびあるべしこれまでかくのごときことはあらずまたふたゝかゝることあらざるべし 7 されどイスラエルの子孫ひと〴〵にむかひてはいぬもそのしたをうごかさじひとにむかひても獸畜けものにむかひてもしか汝等なんぢらこれによりてヱホバがエジプトびととイスラエルのあひだに區別わかちをなしたまふをしるべし 8 なんぢこのしんみなわがもとくだてわれをはいなんぢとなんぢにしたがふたみみないでよといはしかのちわれいづべしとはげしくいかりてパロの所󠄃ところよりいでたり

9 ヱホバ、モーセにいひたまひけるはパロなんぢきかざるべしこゝをもてがエジプトのくに奇蹟ふしぎをおこなふことますべし 10 モーセとアロンこのもろ〳〵奇蹟ふしぎをことごとくパロの前󠄃まへおこなひたれどもヱホバ、パロのこゝろ剛愎かたくなにしたまひければかれイスラエルの子孫ひと〴〵をそのくによりさらしめざりき

第12章

1 ヱホバ、エジプトのくににてモーセとアロンにつげていひたまひけるは 2 このつきなんぢらのつきはじめとなせなんぢこれとし正月しやうぐわつとなすべし 3 汝等なんぢらイスラエルの全󠄃ぜん會衆くわいしうつげいふべしこのつき十日とをかいへ父󠄃ちゝたるものおのおの羔羊こひつじとるべしすなはいへごとに一箇ひとつ羔羊こひつじとるべし
 113㌻ 
4 もし家族かぞくすくなくしてその羔羊こひつじつくすことあたはずばそのいへとなりなるひととともにひとかずにしたがひてこれとるべし各人おの〳〵食󠄃くら所󠄃ところにしたがひて汝等なんぢら羔羊こひつじはかるべし 5 なんぢらの羔羊こひつじきずなき當歳たうさいをすなるべし汝等なんぢら綿羊ひつじあるひは山羊やぎうちよりこれをとるべし 6 しかしてこのつき十四日じふよつかまでこれまもりおきイスラエルの會衆くわいしうみな薄暮ゆふぐれこれほふ 7 そのをとりてそのこれ食󠄃くらいへ門口かどぐち兩旁ふたつはしら鴨居かもゐぬるべし 8 しかしてこのそのにくやき食󠄃くら又󠄂またたねいれぬパンに苦菜にがなをそへて食󠄃くらふべし 9 それなまにてもみづても食󠄃くらふなかれやくべしそのあたまあし臓腑ざうふとをみなくらへ 10 それ明朝󠄃あしたまでのこしおくなかれその明朝󠄃あしたまでのこれるものにてやきつくすべし 11 なんぢらかくこれ食󠄃くらふべしすなはこしをひきからげあしくつ穿つゑをとりて急󠄃いそぎこれ食󠄃くらふべしこれヱホバの逾越節󠄄すぎこしなり 12 このわれエジプトのくに巡󠄃めぐりてひとけものとをいはずエジプトのくにうち長子うひごたるものこと〴〵うちころ又󠄂またエジプトのもろ〳〵かみばつをかうむらせんわれはヱホバなり〘88㌻〙 13 そのなんぢらがるところのいへにありて汝等なんぢらのために記號しるしとならんわれときなんぢらを逾越すぎこすべし又󠄂またわがエジプトのくにときわざはひなんぢらにくだりてほろぼすことなかるべし 14 なんぢこの記念おぼえてヱホバの節󠄄期いはひびとなし世々よゝこれをいはふべし汝等なんぢらこれ常例じやうれいとなしていはふべし

15 七日なぬかあひだたねいれぬパンを食󠄃くらふべしそのはじめにパンだね汝等なんぢらいへよりのぞすべはじめより七日なぬかまでにたねいれたるパンを食󠄃くらひとはイスラエルよりたゝるべきなり 16 かつはじめ聖󠄄せいくわいをひらくべし又󠄂また第七日なぬかめ聖󠄄せいくわいなんぢらのうちひらこのふたつのにはなにわざをもなすべからずたゞ各人おの〳〵食󠄃くらもののみ汝等なんぢらつくることをべし 17 なんぢたねいれぬパンの節󠄄期いはひまもるべしこのわれなんぢらの軍隊ぐんたいをエジプトのくにより導󠄃みちびきいだせばなりゆゑなんぢ常例じやうれいとなして世々よゝこのをまもるべし
 114㌻ 
18 正月しやうぐわつおいてそのつきの十四よひよりおなじつきの二十一にちよひまでなんぢたねいれぬパンを食󠄃くら 19 七日なぬかあひだなんぢらのいへにパンだねをおくべからずすべたねいれたるもの食󠄃くらひとその異邦人ことくにびとたると本國くにうまれしものたるとをとはみなイスラエルの聖󠄄せいくわいよりたゝるべし 20 なんぢたねいれたるものなにをも食󠄃くらふべからずすべなんぢらの居處すまひおいてはたねいれぬパンを食󠄃くらふべし

21 こゝおいてモーセ、イスラエルの長老としよりこと〴〵くまねきてこれにいふ汝等なんぢらその家族かぞくしたがひて一頭ひとつ羔羊こひつじえらこれほふりて逾越節󠄄すぎこしのためにそなへよ 22 又󠄂また牛膝草ひそぷ一束ひとたばとりさらひたさらかどぐち鴨居かもゐおよび二旁ふたつはしらにそそぐべし明朝󠄃あしたにいたるまで汝等なんぢら一人ひとりいへをいづるなかれ 23 はヱホバ、エジプトをうち巡󠄃めぐりたまふとき鴨居かもゐ兩旁ふたつはしらのあるをばヱホバそのかど逾越すぎこ殺滅ほろぼすものをして汝等なんぢらいへいりうたざらしめたまふべければなり 24 なんぢこのことれいとなしてなんぢとなんぢの子孫しそんながくこれをまもるべし 25 汝等なんぢらヱホバがそのいひたまひしごとくになんぢらにあたへたまはんところのいたときはこのれいしきをまもるべし 26 もしなんぢらの子女こどもこのれいしきなに意󠄃こゝろなるやとなんぢらにとは 27 なんぢふべしこれはヱホバの逾越節󠄄すぎこし祭祀まつりなりヱホバ、エジプトびとうちたまひしときエジプトにをるイスラエルの子孫ひと〴〵いへ逾越すぎこしてわれらのいへすくひたまへりとたみすなはちかゞみはいせり 28 イスラエルの子孫ひと〴〵さりてヱホバのモーセとアロンにめいじたまひしごとくなしかくおこなへり

29 こゝにヱホバ夜半󠄃よなかにエジプトのくにうち長子うひごたるものくらゐするパロの長子うひごより牢獄ひとやにある俘虜とりこ長子うひごまでこと〴〵うちたまふまた家畜かちく首生うひごもしかり〘89㌻〙 30 期有かゝりしかばパロとそのすべて臣下しんかおよびエジプトびとみなうち起󠄃おきあがりエジプトにおほいなる號哭さけびありきにんあらざるいへなかりければなり
 115㌻ 
31 パロすなはちうちにモーセとアロンをめしていひけるはなんぢらとイスラエルの子孫ひと〴〵起󠄃たちてわがたみうちよりいでさりなんぢらがいへるごとくにゆきてヱホバにつかへよ 32 またなんぢらがいへるごとくなんぢらのひつじうしをひきてなんぢらまたわれしゆくせよと 33 こゝにおいてエジプトびと我等われらみなしぬるといひたみ催逼せきたて速󠄃すみやかにくにさらしめんとせしかば 34 たみねりいまたねいれざるをこねばち衣服󠄃ころもつゝみてかた負󠄅 35 しかしてイスラエルの子孫ひと〴〵モーセのことばのごとくしエジプトびとぎん飾󠄃物かざりきん飾󠄃物かざりおよび衣服󠄃きぬこひたるに 36 ヱホバ、エジプトびとをしてたみをめぐましめ彼等かれらにこれをあたへしめたまふかくかれらエジプトびとものとれ

37 かくてイスラエルの子孫ひと〴〵ラメセスよりスコテに進󠄃すゝみしが子女こどもほかかちにてあゆめるをとこ六十萬人まんにんありき 38 又󠄂また衆多おほくよりあつまりびとおよびひつじうしなどはなはだおほく家畜かちく彼等かれらとともにのぼれり 39 こゝ彼等かれらエジプトよりたづさへいでたるねりをもてたねいれぬパンをやけいまたねをいれざりければなりこれかれらエジプトより逐󠄃おひいだされてとゞこほるをざりしに又󠄂またなに食󠄃糧くひものをもそなへざりしに 40 さてイスラエルの子孫ひと〴〵のエジプトに住󠄃居すまひしその住󠄃居すまひあひだは四百三十ねんなりき 41 四百三十ねん終󠄃をはりにいたりすなはそのにヱホバの軍隊ぐんたいみなエジプトのくによりいでたり 42 これはヱホバが彼等かれらをエジプトのくにより導󠄃みちびきいだしたまひしことのためにヱホバの前󠄃まへまもるべきなりこれはヱホバのにしてイスラエルの子孫ひと〴〵みな世々よゝまもるべきものなり

43 ヱホバ、モーセとアロンにいひたまひけるは逾越節󠄄すぎこしれいかくのごとし異邦人ことくにびとはこれを食󠄃くらふべからず 44 たゞ各人おの〳〵かねにてかひたるしもべ割󠄅禮かつれいほどこしてしかのちこれ食󠄃くらはしむべし 45 外國ことくにかくおよび傭人やとひびとこれ食󠄃くらふべからず 46 ひとついへにてこれを食󠄃くらふべしそのにくすこしいへそともちいづるなかれ又󠄂またそのほねをるべからず 47 イスラエルの會衆くわいしうみなこれまもるべし
 116㌻ 
48 異邦人ことくにびとなんぢとともに寄居やどりてヱホバの逾越節󠄄すぎこしまもらんとせばそのをとここと〴〵割󠄅禮かつれいうけしかのち近󠄃ちかよりてまもるべしすなはかれくにうまれたるもののごとくなるべし割󠄅禮かつれいをうけざるひとはこれを食󠄃くらふべからざるなり 49 くにうまれたるものにもまたなんぢらのうち寄居やどれ異邦人ことくにびとにもこのおきて同一ひとつなり〘90㌻〙 50 イスラエルの子孫ひと〴〵みなかくおこなひヱホバのモーセとアロンにめいじたまひしごとくなしたり 51 そのおなにヱホバ、イスラエルの子孫ひと〴〵をその軍隊ぐんたいにしたがひてエジプトのくにより導󠄃みちびきいだしたまへり

第13章

1 こゝにヱホバ、モーセにつげていひたまひけるは 2 ひとけものとをいはすべてイスラエルの子孫ひと〴〵うちはじめうまれたる首生うひごをばみな聖󠄄別きよめわれせしむべしこれわが所󠄃屬ものなればなり

3 モーセたみにいひけるは汝等なんぢらエジプトを奴隸どれいたるいへいづるこのおぼえよヱホバちからあるをもて汝等なんぢらこゝより導󠄃みちびきいだしたまへばなりたねいれたるパンを食󠄃くらふべからず 4 アビブのつきこのなんぢら 5 ヱホバなんぢ導󠄃みちびきてカナンびとヘテびとアモリびとヒビびとエブスびとすなはちそのなんぢにあたへんとなんぢ先祖せんぞたちにちかひたまひしかの乳󠄃ちゝみつながるゝいたらしめたまはんときなんぢこのつきこのれいしきまもるべし 6 七日なぬかあひだなんぢたねいれぬパンを食󠄃くら第七日なぬかめにヱホバの節󠄄筵いはひをなすべし 7 たねいれぬパンを七日なぬかくらふべしたねいれたるパンをなんぢ所󠄃ところにおくなかれ又󠄂またなんぢさかひうちにてなんぢもとにパンだねをおくなかれ 8 なんぢそのなんぢしめしていふべしこれがエジプトよりいづときにヱホバのわれしたまひしことのためなりと 9 かくこれをなんぢのにおきて記號しるしとなしなんぢあひだにおきて記號おぼえとなしてヱホバの法律おきてなんぢくちあらしむべしはヱホバちからあるをもてなんぢをエジプトより導󠄃みちびきいだしたまへばなり
 117㌻ 
10 是故このゆえ年々とし〴〵そのにいたりてこのれいをまもるべし

11 ヱホバなんぢとなんぢの先祖せんぞたちちかひたまひしごとくなんぢをカナンびとにみちびきてこれなんぢあたへたまはんとき 12 なんぢすべはじめうまれたるものおよなんぢもてけもの初生うひごこと〴〵分󠄃わかちてヱホバにせしむべし男牡をとこはヱホバの所󠄃屬ものなるべし 13 又󠄂また驢馬ろば初子うひごみな羔羊こひつじをもてあがなふべしもしあがなはずばそのくびるべしなんぢ子等こどもうち長子うひごなるひとはみなあがなふべし 14 のちなんぢなんぢとふこれなになるといはばこれにいふべしヱホバちからあるをもて我等われらをエジプトよりいだ奴隸どれいたりしいへよりいだしたまへり 15 當時そのときパロ剛愎かたくなにして我等われらさらしめざりしかばヱホバ、エジプトのくにうち長子うひごたるものひと長子うひごよりけもの初生うひごまでこと〴〵ころしたまへり是故このゆえはじめてうまれしをすこと〴〵くヱホバに犧牲いけにへさゝたゞしわが子等こどもうち長子うひごこれあがなふなり 16 これをなんぢのにおきてしるしとなしなんぢあひだにおきておぼえとなすべしヱホバちからあるをもて我等われらをエジプトより導󠄃みちびきいだしたまひたればなりと
〘91㌻〙
17 さてパロたみをさらしめしときペリシテびと近󠄃ちかかりけれどもかみ彼等かれらをみちびきてその通󠄃とほりたまはざりきたみ戰爭いくさくいてエジプトにかへるならんとかみおもひたまひたればなり 18 かみ紅海こうかい曠野あらの道󠄃みちよりたみ導󠄃みちびきたまふイスラエルの子孫ひと〴〵行伍くみをたてゝエジプトのくにより 19 其時そのときモーセはヨセフのほねたづさはヨセフかみかならずなんぢらをかへりみたまふべければなんぢらわがほねこゝよりたづさづべしといひてイスラエルの子孫ひと〴〵かたちかはせたればなり 20 かくてかれらスコテより進󠄃すゝみて曠野あらのはしなるエタム幕張まくはり 21 ヱホバかれらの前󠄃さきゆきたまひひるくもはしらをもてかれらを導󠄃みちびよるはしらをもてかれらをてらして晝夜よるひるゆきすゝましめたまふ 22 たみ前󠄃まへひるくもはしらのぞきたまはずよるはしらをのぞきたまはず
 118㌻ 

第14章

1 こゝにヱホバ、モーセにつげていひたまひけるは 2 イスラエルの子孫ひと〴〵いひ轉回めぐりてミグドルとうみあひだなるピハヒロテの前󠄃まへにあたりてバアルゼポンの前󠄃まへまくはらしめよそれにむかひてうみかたはらまくるべし 3 パロ、イスラエルの子孫ひと〴〵ことをかたりて彼等かれらはその迷󠄃まよひをりて曠野あらのとぢこめられたるならんといふべければなり 4 われパロのこゝろ剛愎かたくなにすべければパロ彼等かれらあと追󠄃はんわれパロとそのすべて軍勢ぐんぜいよりほまれエジプトびとをしてわがヱホバなるをしらしめんと彼等かれらすなはちかくなせり 5 こゝたみ逃󠄄にげさりたることエジプトわうきこえければパロとその臣下しんかたみことにつきてこゝろへんじて我等われらなどかくイスラエルをさらしめてわれつかへざらしむるがごときことをなしたるやと 6 パロすなはちそのくるまそなたみおのれにしたがはしめ 7 えりぬき戰車いくさぐるま六百りやうにエジプトのすべて戰車いくさぐるまおよびすべて軍長かしらたち率󠄃ひきゐたり 8 ヱホバ、エジプトわうパロのこゝろ剛愎かたくなにしたまひたればかれイスラエルの子孫ひと〴〵あと追󠄃ふイスラエルの子孫ひと〴〵たからかなるによりていでしなり 9 エジプトびとパロのむまくるまおよびその騎兵きへい軍勢ぐんぜい彼等かれらあと追󠄃おふてそのバアルゼポンの前󠄃まへなるピハヒロテのほとりにてうみかたはらまくはれるに追󠄃おひつけり

10 パロの近󠄃ちかよりしときイスラエルの子孫ひと〴〵をあげてしにエジプトびとおのれうしろ進󠄃すゝきたりしかばいたおそれたりこゝおいてイスラエルの子孫ひと〴〵ヱホバに呼號よばは 11 かつモーセにいひけるはエジプトにはかのあらざるがためになんぢわれらをたづさへいだして曠野あらのしなしむるや何故なにゆゑなんぢわれらをエジプトより導󠄃みちびいだしてかくわれらになす 12 我等われらがエジプトにてなんぢつげ我儕われらすておきわれらをしてエジプトびとつかへしめよといひことばこれならずや曠野あらのにてしぬるよりもエジプトびとつかふるはよければなり〘92㌻〙 13 モーセたみにいひけるはなんぢおそるゝなかれたちてヱホバが今日けふ汝等なんぢらのためになしたまはんところのすくひなんぢらが今日けふたるエジプトびとをばなんぢらかさねてまたこれをることたえてなかるべきなり
 119㌻ 
14 ヱホバ汝等なんぢらのためにたゝかひたまはん汝等なんぢらしづまりてるべし

15 ときにヱホバ、モーセにいひたまひけるはなんぢなんぞわれよばはるやイスラエルの子孫ひと〴〵いひ進󠄃すゝみゆかしめよ 16 なんぢつゑうみうへのべこれ分󠄃わかちイスラエルの子孫ひと〴〵をしてうみなかかはける所󠄃ところゆかしめよ 17 われエジプトびとこゝろ剛愎かたくなにすべければ彼等かれらそのあとにしたがひてるべしわれかくしてパロとそのすべて軍勢ぐんぜいおよびその戰車いくさぐるま騎兵きへいより榮譽ほまれ 18 がパロとその戰車いくさぐるま騎兵きへいとによりて榮譽ほまれをえんときエジプトびとわれのヱホバなるをしら 19 こゝにイスラエルのぢんえい前󠄃まへゆけかみ使者つかひうつりてそのうしろけりすなはくもはしらその前󠄃面まへをはなれてうしろ 20 エジプトびとぢんえいとイスラエルびとぢんえいあひだいたりけるがかれがためにはくもとなり暗󠄃やみとなりこれがためにはてらせりこれをもてかれこれうちあひ近󠄃ちかづかざりき

21 モーセうみうへのべければヱホバ終󠄃夜よもすがらつよ東風ひがしかぜをもてうみ退󠄃しりぞかしめうみ陸地くがとなしたまひてみづ遂󠄅つひ分󠄃わかれたり 22 イスラエルの子孫ひと〴〵うみなかかわける所󠄃ところくにみづ彼等かれら右左みぎひだりかきとなれり 23 エジプトびとパロの馬車むまくるま 騎兵きへいみなそのあとにしたがひてうみなか 24 あかつきにヱホバくもとのはしらうちよりエジプトびと軍勢ぐんぜい望󠄇のぞみエジプトびと軍勢ぐんぜいなやまし 25 そのくるま脫󠄁はづしてゆくおもくならしめたまひければエジプトびと我儕われらイスラエルをはなれて逃󠄄にげはヱホバかれらのためにエジプトびとたゝかへばなりと

26 ときにヱホバ、モーセにいひたまひけるなんぢうみうへのべみづをエジプトびととその戰車いくさぐるま騎兵きへいうへながかへらしめよと
 120㌻ 
27 モーセすなはちうみうへのべけるに夜明よあけにおよびてうみもと勢力いきほひにかへりたればエジプトびとこれ逆󠄃むかひて逃󠄄にげたりしがヱホバ、エジプトびとうみなかなげうちたまへり 28 すなはみづながれかへりて戰車いくさぐるま騎兵きへいおほひイスラエルのあとにしたがひてうみにいりしパロの軍勢ぐんぜいこと〴〵おほへり一人ひとり遺󠄃のこれるものあらざりき 29 されどイスラエルの子孫ひと〴〵うみなかかわける所󠄃ところあゆみしがみづはその右左みぎひだりかきとなれり 30 かくヱホバこのイスラエルをエジプトびとよりすくひたまへりイスラエルはエジプトびと海邊うみべしにをるをたり〘93㌻〙 31 イスラエルまたヱホバがエジプトびとなしたまひしおほいなるわざたりこゝおいたみヱホバをおそれヱホバとそのしもべモーセをしんじたり

第15章

1 こゝおいてモーセおよびイスラエルの子孫ひと〴〵このうたをヱホバにうたいはわれヱホバをうたほめかれたからかにたかくいますなりかれむまとその乘者のりてうみになげうちたまへり 2 わがちからわがうたはヱホバなりかれはわが救拯すくひとなりたまへりかれはわがかみなりわれこれを頌美たゝへかれはわが父󠄃ちゝかみなりわれこれをあがめん 3 ヱホバは軍人いくさびとにしてそのはヱホバなり 4 かれパロの戰車いくさぐるまとその軍勢ぐんぜいうみなげすてたまふパロの勝󠄃すぐれたる軍長かしらたち紅海こうかいしづめり 5 大水おほみづかれらをおほひて彼等かれらいしのごとくにふちそこくだ 6 ヱホバよなんぢみぎちからをもて榮光さかえをあらはすヱホバよなんぢみぎてきくだ 7 なんぢおほいなる榮光さかえをもてなんぢなんぢにたち逆󠄃さからものほろぼしたまふなんぢいかりはつすれば彼等かれらわらのごとくにやきつくさる 8 なんぢはないきによりてみづつみかさなりなみかたたちきしのごとくに大水おほみづうみうち 9 あたわれ追󠄃おふ追󠄃おひつき掠取物ぶんどりもの分󠄃わかたんわれかれらによりてわがこゝろ飽󠄄あかしめんわれつるぎぬかんわがかれらをほろぼさんと 10 なんぢふきたまへばうみかれらをおほひて彼等かれら猛烈はげしみづなまりのごとくにしづめり
 121㌻ 
11 ヱホバよかみうちたれなんぢしくものあらんたれなんぢのごとく聖󠄄きよくしてさかえありたゝふべくしてありて奇事ふしぎおこなふものあらんや 12 なんぢそのみぎのべたまへばかれらを 13 なんぢはそのあがなひしたみ恩惠めぐみをもて導󠄃みちびなんぢちからをもて彼等かれらなんぢ聖󠄄きよ居所󠄃すみかひきたまふ 14 國々くに〴〵たみきゝふるへペリシテに住󠄃もの畏懼おそれいだ 15 エドムの君等きみたちおどろきモアブの剛者つよきもの戰慄をのゝくカナンに住󠄃すめものみな消󠄃きえうせん 16 畏懼おそれ戰慄をのゝきかれらにおよなんぢうでおほいなるがためにかれらはいしのごとくに默然もくねんたりヱホバよなんぢたみ通󠄃とほ過󠄃すぐるまでなんぢかひたまひしたみ通󠄃とほ過󠄃すぐるまでしかるべし 17 なんぢたみ導󠄃みちびきてこれをなんぢ產業さんげふやまうゑたまはんヱホバよこれすなはちなんぢ居所󠄃すみかとせんとてなんぢまうけたまひしものなりしゆこれなんぢたてたる聖󠄄所󠄃きよきところなり 18 ヱホバは世々よゝかぎりなくわうたるべし

19 かくパロのうまそのくるまおよび騎兵きへいとともにうみにいりしにヱホバうみみづ彼等かれらうへなが還󠄃かへらしめたまひしがイスラエルの子孫ひと〴〵うみなかにありて旱地かわけるち通󠄃とほれり 20 ときにアロンのあねなる預言者よげんしやミリアムつづみにとるに婦󠄃をんなたちみなかれにしたがひてつづみをとりかつをど〘94㌻〙 21 ミリアムすなはち彼等かれらこたへて汝等なんぢらヱホバをうたほめかれたからかにたかくいますなりかれむまとその乘者のりてうみなげうちたまへりと

22 かくてモーセ紅海こうかいよりイスラエルを導󠄃みちびきてシユルの曠野あらのにいり曠野あらの三日みつかあゆみたりしがみづざりき 23 かれ遂󠄅つひにメラにいたりしがメラのみづにがくしてのむことをざりきこゝをもてそのはメラ(にがし)とよば 24 こゝおいたみモーセにむかひてつぶや我儕われらなにのまんかといひければ
 122㌻ 
25 モーセ、ヱホバによばはりしにヱホバこれに一本ひとつしめしたまひたればすなはちこれをみづなげいれしにみづあまくなれり彼處かしこにてヱホバたみのために法度のり法律おきてをたてたまひ彼處かしこにてこれをこゝろみて 26 いひたまはくなんぢもしなんぢかみヱホバのこゑきゝしたがひヱホバのよしみゆることをしその誡命いましめみゝかたむけそのすべて法度のりまもらわれわがエジプトびとくはへしところのその疾病やまひひとつなんぢくはへざるべしわれはヱホバにしてなんぢいやものなればなりと

27 かく彼等かれらエリムにいたれり其處そこみづゐど十二棕櫚しゆろ七十ぽんあり彼處かしこにて彼等かれらみづかたはらまくばり

第16章

1 かくてエリムをいでたちてイスラエルの子孫ひと〴〵會衆くわいしうそのエジプトのいでしより二箇月ふたつきめの十五にちみなエリムとシナイのあひだなるシンの曠野あらのにいたりけるが 2 その曠野あらのにおいてイスラエルの全󠄃ぜん會衆くわいしうモーセとアロンにむかひてつぶやけり 3 すなはちイスラエルの子孫ひと〴〵かれらにいひけるは我儕われらエジプトのおいにくなべそばすわ飽󠄄あくまでにパンを食󠄃くらひしときにヱホバのによりてしにたらばよかりしもの汝等なんぢらはこの曠野あらの我等われら導󠄃みちびきいだしてこの全󠄃ぜんくわいうゑしなしめんとするなり

4 ときにヱホバ、モーセにいひたまひけるはわれパンをなんぢらのためにてんよりふらさんたみいでてにちよう分󠄃ぶん每日まいにちあつむべしかくしてわれかれらがわれ法律おきてにしたがふやいなこゝろみん 5 第六日むいかめには彼等かれらそのとりいれたるもの調理とゝのふべしそれ日々ひびあつむものの二ばいなるべし 6 モーセとアロン、イスラエルの全󠄃すべて子孫ひと〴〵いひけるはゆふべにいたらば汝等なんぢらはヱホバがなんぢらをエジプトのより導󠄃みちびきいだしたまひしなるをしるにいたらん 7 又󠄂また朝󠄃あしたにいたらば汝等なんぢらヱホバの榮光さかえはヱホバなんぢらがヱホバにむかひてつぶやくをきゝたまへばなり我等われらたれとなして汝等なんぢら我儕われらむかひてつぶやくや
 123㌻ 
8 モーセまたいひけるはヱホバゆふべには汝等なんぢらにくあたへて食󠄃くらはしめ朝󠄃あしたにはパンをあたへて飽󠄄あかしめたまはんはヱホバおのれにむかひて汝等なんぢらつぶやくところの怨言つぶやききゝたまへばなり我儕われらたれなす汝等なんぢら怨言つぶやき我等われらにむかひてするにあらずヱホバにむかひてするなり〘95㌻〙 9 モーセ、アロンにいひけるはイスラエルの子孫ひと〴〵全󠄃ぜん會衆くわいしう汝等なんぢらヱホバの前󠄃まへ近󠄃ちかよれヱホバなんぢらの怨言つぶやききゝたまへりと 10 アロンすなはちイスラエルの子孫ひと〴〵全󠄃ぜん會衆くわいしうつげしかば彼等かれら曠野あらの望󠄇のぞむにヱホバの榮光さかえくもうちあらはる 11 ヱホバ、モーセにつげいひたまひけるは 12 われイスラエルの子孫ひと〴〵怨言つぶやききけ彼等かれらつげ汝等なんぢらゆふべにはにく食󠄃くら朝󠄃あしたにはパンに飽󠄄あくべししかしてわれのヱホバにして汝等なんぢらかみなることをしるにいたらんと

13 すなはゆふべにおよびてうづらきたりてえいおほ又󠄂また朝󠄃あしたにおよびてつゆえい四圍まはりにおきしが 14 そのおけるつゆかわくにあたりて曠野あらのおもてしものごときちひさまろものにあり 15 イスラエルの子孫ひと〴〵これをこれなにぞやとたがひはそのなにたるをしらざればなりモーセかれらにいひけるはこれはヱホバが汝等なんぢら食󠄃しよくにあたへたまふパンなり 16 ヱホバのめいじたまふところのことこれなりすなはおの〳〵その食󠄃くらふところにしたがひてこれあつ汝等なんぢらひとかずにしたがひて一人ひとりに一オメルを各人おの〳〵そのてんまくにをる者等ものどものためにこれをとるべし 17 イスラエルの子孫ひと〴〵かくなせしにそのあつむるところにおほきとすくなきとありしが 18 オメルをもてこれをはかるにおほあつめしものにもあまるところすくなあつめしものにもたらぬところなかりきみなその食󠄃くらふところにしたがひてこれをあつめたり 19 モーセ彼等かれらたれ朝󠄃あしたまでこれをのこしおくべからずといへ 20 しかるに彼等かれらモーセにきゝしたがはずしてあるものはこれを朝󠄃あしたまでのこしたりしがむしたかりてくさくなりぬモーセこれをいか

 124㌻ 
21 人々ひと〴〵おの〳〵その食󠄃くらふところにしたがひて朝󠄃あさごとこれあつめしがあつくなれば消󠄃 22 第六日むいかめにいたりて人々ひと〴〵ばいのパンをあつめたりすなは一人ひとりに二オメルをあつむるに會衆くわいしうかしらみなきたりてこれをモーセに 23 モーセかれらにふヱホバのいひたまふところかくのごとし明日あすはヱホバの聖󠄄せい安息日あんそくにちにして休息やすみなり今日けふ汝等なんぢらやかんとするものんとするものそののこれるものみな明朝󠄃あしたまでをさめおくべし 24 彼等かれらモーセのめいぜしごとくに翌󠄃朝󠄃あしたまでをさめおきしがくさくなること又󠄂またむしもそのうちしやうぜざりき 25 モーセ汝等なんぢら今日けふそれ食󠄃くら今日けふはヱホバの安息日あんそくにちなれば今日けふ汝等なんぢらこれをざるべし 26 六日むいかあひだ汝等なんぢらこれをあつむべし第七日なぬか安息日あんそくにちなればそのにはあらざるべし〘96㌻〙 27 しかるにたみうち七日なぬかいであつめんとせしものありしがうるところなかりき 28 こゝおいてヱホバ、モーセにいひたまひけるは何時いつまで汝等なんぢら誡命いましめとわが律法おきてをまもることをせざるや 29 汝等なんぢらよヱホバなんぢらに安息日あんそくにちたまへりゆゑ第六日むいかめ二日ふつか食󠄃物しよくもつ汝等なんぢらにあたへたまふなり汝等なんぢらおのおのそのところやすみをれ第七日なぬかにはそのところよりいづものあるべからず 30 かくたみ第七日なぬか休息やすめ

31 イスラエルのいへそのものをマナとよべこれいはきのごとくにしてしろそのあじはひみつをいれたるくわのごとし 32 モーセふヱホバのめいじたまふところかくのごとしこれを一オメルもり汝等なんぢら代々よゝ子孫しそんのためにたくはへおくべしはわが汝等なんぢらをエジプトのより導󠄃みちびきいだせしとき曠野あらのにて汝等なんぢら養󠄄やしなひしところのパンをこれさしめんためなり 33 しかしてモーセ、アロンにいひけるはつぼとりてそのうちにマナ一オメルをもりてこれをヱホバの前󠄃まへにおき汝等なんぢら代々よゝ子孫しそんのためにたくはふべし 34 ヱホバのモーセにめいじたまひしごとくにアロンこれを律法おきて前󠄃まへにおきてたくはふ 35 イスラエルの子孫ひと〴〵ひと住󠄃すめいたるまで四十ねんあひだマナを食󠄃くらへりすなはちカナンのさかひにいたるまでマナを食󠄃くらへり
 125㌻ 
36 オメルはエパの十分󠄃ぶんの一なり

第17章

1 イスラエルの子孫ひと〴〵會衆くわいしうヱホバのめいにしたがひてみなシンの曠野あらのたちたびをかさねてレピデムにまくばりせしがたみみづあらざりき 2 こゝをもてたみモーセとあらそひて我儕われらみづをあたへてのましめよモーセかれらにいひけるはなんぢなんわれとあらそふやなんぞヱホバをこゝろむるや 3 彼處かしこにてたみみづかわたみモーセにむかひてつぶやなんぢなどて我等われらをエジプトより導󠄃みちびきいだして我等われらとわれらの子女こどもとわれらの家畜かちくかわきしなしめんとするや 4 こゝおいてモーセ、ヱホバによばはりてわれこのたみなにをなすべきや彼等かれらほとんわれいしにてうたんとするなり 5 ヱホバ、モーセにいひたまひけるはなんぢたみ前󠄃まへ進󠄃すゝたみうちある長老等としよりたち伴󠄃ともなひかのなんぢかはうちつゑとりゆけ 6 われそこにてなんぢ前󠄃まへにあたりてホレブのいはうへたゝなんぢいはうつべししかせばそれよりみづいでたみこれをのむべしモーセすなはちイスラエルの長老等としよりたち前󠄃まへにてかくおこなへり 7 かくてかれそのところをマッサと又󠄂またメリバとよべはイスラエルの子孫ひと〴〵あらそひしに又󠄂またそのヱホバはわれらのうちいますやいないひてヱホバをこゝろみしによるなり
〘97㌻〙
8 ときにアマレクきたりてイスラエルとレピデムにたゝか 9 モーセ、ヨシユアにいひけるは我等われらのためにひとえらいでてアマレクとたゝか明日あすわれかみつゑにとりてをかいたゞきたゝ 10 ヨシユアすなはちモーセのおのれいひしごとくにしアマレクとたゝかふモーセ、アロンおよびホルはをかいたゞきのぼりしが 11 モーセあげをればイスラエル勝󠄃たるればアマレク勝󠄃かて 12 しかるにモーセのおもくなりたればアロンとホルいしをとりてモーセのしたにおきてそのうへせしめ一人ひとり此方こなた一人ひとり彼方かなたにありてモーセのさゝへたりしかばそのいりまで垂下さがらざりき 13 こゝにおいてヨシユア刃󠄃やいばをもてアマレクとそのたみやぶれり
 126㌻ 
14 ヱホバ、モーセにいひたまひけるはこれしよしるして記念おぼえとなしヨシユアのみゝにこれをいれよわれかならずアマレクの塗抹けしさりてんにこれをおぼゆることなからしめんと 15 かくてモーセ一座ひとつだんきづきそのをヱホバニシ(ヱホバわがはた)ととな 16 モーセいひけらくヱホバの寶位くらゐにむかひてあぐることありヱホバ世々よゝアマレクとたゝかひたまはん

第18章

1 こゝにモーセの外舅しうとなるミデアンの祭司さいしヱテロかみすべてモーセのため又󠄂またそのたみイスラエルのためにしたまひしことヱホバがイスラエルをエジプトより導󠄃みちびいだしたまひしこときけ 2 こゝおいてモーセの外舅しうとヱテロかの遣󠄃おく還󠄃かへされてありしモーセのつまチッポラとその二人ふたりたづさきた 3 その一人ひとりはゲルシヨムとはモーセわれ他國たこくかくとなりをるといひたればなり 4 いま一人ひとりはエリエゼルとはかれわが父󠄃ちゝかみわれをたすわれすくひてパロのつるぎまぬかれしめたまふといひたればなり 5 かくモーセの外舅しうとヱテロ、モーセの子等こどもつまをつれて曠野あらのきたりモーセがかみやまぢんはれところにいたる 6 かれすなはちモーセにいひけるはなんぢ外舅しうとなるわれヱテロなんぢつまおよびこれともなるその二人ふたりをたづさへてなんぢいたると 7 モーセいでてその外舅しうと迎󠄃むかれいをなしてこれ接吻くちつけたがひその安否あんぴとふともてんまく 8 しかしてモーセ、ヱホバがイスラエルのためにパロとエジプトびととになしたまひしもろ〳〵こと途󠄃みちにて遇󠄃あひもろ〳〵艱難かんなんおよびヱホバのおのれすくひたまひしことをその外舅しうとかたりければ 9 ヱテロ、ヱホバがイスラエルをエジプトびとよりすくひいだしてこれもろ〳〵恩典めぐみをたまひしことよろこべり 10 ヱテロすなはちいひけるはヱホバはほむべきかな汝等なんぢらをエジプトびととパロのよりすくひいだしたみをエジプトびとしたよりすくひいだせり〘98㌻〙
 127㌻ 
11 いまわれるヱホバはもろ〳〵かみよりもおほいなり彼等かれら傲慢がうまんたくましうしてことをなせしがヱホバかれらに勝󠄃かてりと 12 しかしてモーセの外舅しうとヱテロ燔祭はんさい犧牲いけにへをヱホバにもちきたれりアロンおよびイスラエルの長老等としよりたちみなきたりてモーセの外舅しうととともにかみ前󠄃まへ食󠄃しよくをなす

13 つぎにいたりてモーセしてたみ審判󠄄さばきしがたみ朝󠄃あさよりゆふまでモーセのかたはらたて 14 モーセの外舅しうとモーセのすべたみなすところをいひけるはなんぢたみになす此事このことなになるや何故なにゆゑなんぢ一人ひとりしをりてたみ朝󠄃あさよりゆふまでなんぢかたはらにたつや 15 モーセその外舅しうといひけるはたみかみとはんとてわれきたるなり 16 彼等かれらことあるときわれきたればわれこれかれとを審判󠄄さばきてかみ法度のり律法おきてしらしむ 17 モーセの外舅しうとこれにいひけるはなんぢのなすところよからず 18 なんぢかならず氣力ちからおとろへんなんぢなんぢとともなるたみしからんこのことなんぢにはおもき過󠄃なんぢ一人ひとりにてはこれなすことあたはざるべし 19 いまわがことばわれなんぢにさくさづけんねがはくはかみなんぢとともにいまなんぢたみのためにかみ前󠄃まへ訴訟うつたへかみのべ 20 なんぢかれらに法度のり律法おきてをし彼等かれらあゆむべき道󠄃みちなすべきこととを彼等かれらしめ 21 又󠄂またなんぢ全󠄃躰すべてたみうちよりかしこくしてかみおそ眞實まことおもんじにくむところのひと選󠄄えらこれたみうへせんにんつかさとなしひやくにんつかさとなし五十にんつかさとなし十にんつかさとなすべし 22 しかして彼等かれらをしてつねたみさばかしめ大事だいじすべてこれをなんぢのべしめ小事せうじすべ彼等かれらみづからこれを判󠄄さばかしむべしかくなんぢ煩瑣わづらひはぶかれらをしてなんぢとそのにんともにせしめよ 23 なんぢもし此事このことかみまたかくなんぢめいじなばなんぢはこれに勝󠄃たへこのたみもまた安然やすらかにその所󠄃ところいたることをべし 24 モーセその外舅しうとことばにしたがひてそのすべいひしごとくなせ 25 モーセすなはちイスラエルのうちより遍󠄃あまねかしこひとえらみてこれをたみかしらとなしせんにんつかさとなしひやくにんつかさとなし五十にんつかさとなし十にんつかさとなせり
 128㌻ 
26 彼等かれらつねたみさば難事なんじはこれをモーセに小事せうじすべみづからこれを判󠄄さばけり 27 かくてモーセその外舅しうと還󠄃かへしたればそのくにゆき

第19章

1 イスラエルの子孫ひと〴〵エジプトのいでのち第三月みつきめにいたりてそのにシナイの曠野あらのいた 2 すなはちかれらレピデムをいでたちてシナイの曠野あらのにいたり曠野あらのまくはれ彼處かしこにてイスラエルはやま前󠄃まへえいまうけたり 3 こゝにモーセのぼりてかみいたるにヱホバやまよりかれよびいひたまはくなんぢかくヤコブのいへひイスラエルの子孫ひと〴〵つぐべし〘99㌻〙 4 なんぢらはエジプトびとがなしたるところのことわしつばさをのべてなんぢらを負󠄅おひわれにいたらしめしをたり 5 され汝等なんぢらもしことばきわが契約けいやくまもらば汝等なんぢらもろ〳〵たみまさりてわがたからとなるべし全󠄃地ぜんちはわが所󠄃有ものなればなり 6 汝等なんぢらわれたいして祭司さいしくにとなり聖󠄄きよたみとなるべし是等これら言語ことばなんぢイスラエルの子孫ひと〴〵つぐべし

7 こゝおいてモーセきたりてたみ長老等としよりたちびヱホバのおのれめいじたまひしことばこと〴〵くその前󠄃まへのべたれば 8 たみみなひとしこたへていひけるはヱホバのいひたまひし所󠄃ところみなわれらこれなすべしとモーセすなはちたみことばをヱホバに 9 ヱホバ、モーセにいひたまひけるはわれ密雲あつきくもうちにをりてなんぢのぞこれたみをしてなんぢかたるをきかしめてなんぢながしんぜしめんがためなりとモーセたみことばをヱホバにつげたり 10 ヱホバ、モーセにいひたまひけるはなんぢたみ所󠄃ところゆき今日けふ明日あすこれを聖󠄄きよこれにその衣服󠄃ころもあらは 11 準備そなへをなして三日みつか第三日みつかめにヱホバ全󠄃體すべてたみ前󠄃まへにてシナイやまくだればなり
 129㌻ 
12 なんぢたみのために四周󠄃まはり境界さかひまうけていふべし汝等なんぢらつゝしんでやまのぼるなかれその境界さかひさはるべからずやまさはものはかならずころさるべし 13 これふるべからずそのものはかならすいしにてうちころされあるひころさるべしけものひととをいはいくることを喇叭らつぱながふきならさば人々ひと〴〵やまのぼるべしと 14 モーセすなはちやまくだたみにいたりてたみ聖󠄄きよたみその衣服󠄃ころも濯󠄄あら 15 モーセたみいひけるは準備そなへをなして三日みつか婦󠄃人をんな近󠄃ちかづくべからず

16 かくて三日みつか朝󠄃あさにいたりていかづちいなびかりおよび密雲あつきくもやまうへにあり又󠄂また喇叭らつぱこゑありてはなはたかかりえいにあるたみみなふる 17 モーセえいよりたみひきいでてかみあはしむたみやまふもとたつ 18 シナイやますべけむりいだせりヱホバうちにありてそのうへくだりたまへばなりそのけむりかまどけむりのごとくたちのぼりやますべてふる 19 喇叭らつぱこゑいよ〳〵たかくなりゆきてはげしくなりけるときモーセことばいだすにかみこゑをもてこたへたまふ 20 ヱホバ、シナイやまくだりそのやま頂上いたゞきにいまししかしてヱホバやま頂上いたゞきにモーセをめしたまひければモーセのぼれり 21 ヱホバ、モーセにいひたまひけるはくだりてたみいましめよおそらくはたみおしやぶりてヱホバにきたりてんとしおほくものしぬるにいたらん 22 又󠄂またヱホバに近󠄃ちかづくところの祭司さいしにその潔󠄄きよめしめよおそらくはヱホバかれらをうた 23 モーセ、ヱホバにいひけるはたみはシナイやまのぼらじなんぢわれらをいましめてやま四周󠄃まはり境界さかひをたてやま聖󠄄きよめよといひたまひたればなり〘100㌻〙 24 ヱホバかれにいひたまひけるはくだしかしてなんぢとアロンともにのぼきたるべしたゞ祭司さいしたみにはおしやぶりてわれにのぼりきたらしめざれおそらくはわれかれらをうた 25 モーセたみにくだりゆきてこれにつげたり

第20章

1 かみこの一切すべてことばのべいひたまはく

 130㌻ 
2 われなんぢかみヱホバなんぢをエジプトのその奴隸どれいたるいへより導󠄃みちびいだせしものなり

3 なんぢわがかほ前󠄃まへわれほかなにものをもかみとすべからず

4 なんぢ自己おのれのためになに偶像ぐうざうをもきざむべからず又󠄂またかみてんにあるものしもにあるものならびにしたみづなかにあるものなに形狀かたちをもつくるべからず 5 これをがむべからずこれにつかふべからずわれヱホバなんぢかみねたかみなればわれにくものにむかひては父󠄃ちゝつみにむくいてさんだいにおよぼし 6 われあいしわが誡命いましめまもものには恩惠めぐみをほどこしてせんだいにいたるなり

7 なんぢかみヱホバのみだりくちにあぐべからずヱホバはおのれのみだりくちにあぐるものつみせではおかざるべし

8 安息日あんそくにちおぼえてこれを聖󠄄潔󠄄きよくすべし 9 六日むいかあひだはたらきてなんぢ一切すべてわざなすべし 10 七日なぬかなんぢかみヱホバの安息あんそくなればなに業務わざをもなすべからずなんぢなんぢ息子むすこ息女むすめなんぢしもべしもめなんぢ家畜けものなんぢもんうちにをるよそぐにひとしか 11 はヱホバ六日むいかうちてんうみそれうち一切すべてものつくりて第七日なぬかやすみたればなりこゝをもてヱホバ安息日あんそくにちいはひて聖󠄄せいじつとしたまふ

12 なんぢ父󠄃母ちゝはゝうやまなんぢかみヱホバのなんぢにたまふ所󠄃ところなんぢ生命いのちながからんためなり

13 なんぢころすなかれ

14 なんぢ姦淫かんいんするなかれ

 131㌻ 
15 なんぢぬすむなかれ

16 なんぢその隣人となりたいして虛妄いつはり證據あかしをたつるなかれ

17 なんぢその隣人となりいへ貧󠄃むさぼるなかれ又󠄂またなんぢ鄰人となりつまおよびそのしもべ しもめ うし 驢馬ろばならびにすべなんぢ隣人となり所󠄃有もちもの貧󠄃むさぼるなかれ

18 たみみないかづちいなびかり喇叭らつぱ音󠄃おとやまけむれるとをたりたみこれをおそれをのゝきて遠󠄄とほ 19 モーセにいひけるはなんぢわれらにかた我等われらきかたゞかみわれらにかたりたまふことあらざらしめよおそらくは我等われらしな 20 モーセたみいひけるはおそるゝなかれかみなんぢらをこゝろみんため又󠄂またその畏怖おそれなんぢらのかほ前󠄃まへにおきてなんぢらにつみをかさざらしめんためにのぞみたまへるなり〘101㌻〙 21 こゝにおいてたみ遠󠄄とほくにちしがモーセはかみいますところの濃雲あつきくも進󠄃すゝみいたる

22 ヱホバ、モーセにいひたまひけるはなんぢイスラエルの子孫ひと〴〵かくいふべし汝等なんぢらてんよりわが汝等なんぢらものいふをたり 23 汝等なんぢらなにをもわれにならべて造󠄃つくるべからずぎんかみをもきんかみをも汝等なんぢらのために造󠄃つくるべからず 24 なんぢつちだんわれきづきてそのうへなんぢ燔祭はんさい酬恩祭しうおんさいなんぢひつじうしをそなふべしわれすべてわがおぼえしむるところにてなんぢのぞみてなんぢめぐまん 25 なんぢもしいしだんわれにつくるならばきりいしをもてこれをきづくべからずなんぢもしのみをこれにあてなばこれけがすべければなり 26 なんぢきざはしよりわがだんのぼるべからずこれなんぢはづところのそのうへあらはるゝことなからんためなり

第21章

1 これなんぢたみ前󠄃まへたつべき律例おきてなり

2 なんぢヘブルのしもべときろくねんあひだこれ職業つとめなさしめだいしちねんにはつくのひもとめずしてこれをはなつべし
 132㌻ 
3 かれもしひとりにてきたらばひとりにてさるべしもしつまあらばそのつまこれとともにさるべし 4 もしその主人しゆじんこれにつまをあたへて男子をとこのこ又󠄂また女子をんなのここれにうまれたらばつまとその子等こどもら主人しゅじんぞくすべしかれひとりにてさるべし 5 しもべもしわれわが主人しゆじんつまあいわれはなたるゝをこのまずと明白あきらかいは 6 その主人しゆじんこれを士師さばきびと所󠄃もとつれゆき又󠄂またあるひはばしら所󠄃ところにつれゆくべししかして主人しゆじんきりをもてかれのみゝさしとほすべしかれ何時いつまでもこれにつかふべきなり

7 ひともしそのむすめうりしもめとなすときしもべのごとくにさるべからす 8 かれもしそのやくせし主人しゆじんこゝろ適󠄄かなはざるときはその主人しゆじんこれをあがなはしむることをべしされこれ眞實まことならずしてまたこれを異邦人ことくにびとうることをなすをべからず 9 又󠄂またもしこれおのれあたへんとやくしなばこれを女子むすめのごとくにあしらふべし 10 父󠄃ちゝもしそののためにほかめとることあるともかれ食󠄃物くひもの衣服󠄃ころもあたふることとその交接とつぎ道󠄃みちとはこれを間斷たえしむべからず 11 其人そのひとかれにこのみつおこなはずばかれかねをつくのはずしていでさることをべし

12 ひとうちしなしめたるつまかならころさるべし 13 もしひとみづから畫策たくむことなきにかみひとをそのにかゝらしめたまふことあるときわれなんぢのために一箇ひとつところまうくればそのひと其處そこ逃󠄄のがるべし 14 ひともしことさらにその隣人となりびとはかりてころときなんぢこれをわがだんよりもとらへゆきてころすべし
〘102㌻〙
15 その父󠄃ちゝあるひははゝうつものはかならころさるべし

16 ひと拐帶かどはかしたるものこれうりたるもなほそのにあるもかならころさるべし

17 その父󠄃ちゝあるひははゝのゝしものころさるべし

 133㌻ 
18 ひとあひあらそとき一人ひとりいしまたはこぶしをもてそのあひちしににいたらずしてとこにつくことあらんに 19 もし起󠄃おきあがりてつゑによりてあゆむにいたらばこれうちたるものゆるさるべしたゞしそのわざやすめる賠償つくのひをなしてこれ全󠄃まつたいえしむべきなり

20 ひともしつゑをもてそのしもべあるひはしもめうたんにそのしたしなかならばつせらるべし 21 されかれもし一日いちにち二日ふつかいきのびなば其人そのひとばつせられざるべしかれはそのひと金子かねなればなり

22 ひともしあひあらそひてはらめる婦󠄃をんなちそのおりさせんにほか害󠄅がいなきときかならずその婦󠄃人をんなをつと要󠄃もとむる所󠄃ところにしたがひてつみせられ法官さばきびとさだむる所󠄃ところなすべし 23 もし害󠄅がいあるとき生命いのちにて生命いのちつくの 24 にてつくのにてつくのにてつくのあしにてあしつくの 25 やきにてやきつくのきずにてきずつくのうちきずにてうちきずつくのふべし

26 ひともしそのしもべひとつあるひはしもめひとつうちてこれをつぶさばそののためにこれはなつべし 27 又󠄂またもしそのしもべ一箇ひとつしもめ一箇ひとつうちかゝばそののためにこれはなつべし

28 うしもしをとこあるひはをんなつきしなしめなばそのうしをばかならいしにてうちころすべしそのにく食󠄃くらべからずたゞしそのうしぬしつみなし 29 されうしもしもとよりくことをなすものにしてそのぬしこれがために忠吿いさめをうけしことあるにこれまもりおかずして遂󠄅つひをとこあるひはをんなころすにいたらしめなばそのうしいしにてうたれそのぬしもまたころさるべし 30 もしかれ贖罪金あがなひめいぜられなばすべてそのめいぜられしもの生命いのちつくのひいだすべし 31 男子むすこつく女子むすめつくもこのれいにしたがひてなすべし 32 うしもししもべあるひはしもめつかばその主人しゆじんぎん三十シケルをあたふべし又󠄂またそのうしいしにてうちころすべし

33 ひともしあなひらくか又󠄂またひともし穴󠄄あなほることをなしこれをおほはずしてうしあるひは驢馬ろばこれにおちいら 34 穴󠄄あなぬしこれをつくのかねをその所󠄃有主もちぬしあたふべしたゞしそのしにたるけものおのれものとなるべし

 134㌻ 
35 此人このひとうしもし彼人かのひとのをつきころさば二人ふたりそのいけうしうりてそのあたひ分󠄃わかつべし又󠄂またそのしにたるものをも分󠄃わかつべし 36 されどそのうしもとよりつくことをなすものなることしれをるにそのぬしこれをまもりおかざりしならばそのひとかならずうしをもてうしつくのふべしたゞしそのしにたるものおのれものとなるべし〘103㌻〙

第22章

1 ひともしうしあるひはひつじぬすみてこれをころ又󠄂またときいつゝうしをもてひとつうしつくのよつひつじをもてひとつひつじつくのふべし 2 もし盜賊ぬすびとやぶるをてこれをうちしなしむるときはこれがためにをながすにおよばず 3 されもしいでてよりならばこれがためにをながすべし盜賊ぬすびと全󠄃まつたつくのひをなすべしもしものあらざるときをうりてそのぬすめるものつくのふべし 4 もしそのぬすめるものまこといきてそのにあらばそのうし 驢馬ろば ひつじたるにかゝはらずばいしてこれをつくのふべし

5 ひともし田圃はたけあるひは葡萄園ぶだうばたけもの食󠄃くらはせその家畜かちくをはなちてひと田圃はたけもの食󠄃くらふにいたらしむるとき自己おのれ田圃はたけ嘉物よきもの自己おのれ葡萄園ぶだうばたけ嘉物よきものをもてそのつくのひをなすべし

6 もしとび荊棘いばらにうつりそのつみあげたる穀物こくもつあるひはいまからざる穀物こくもつあるひは田野はたけやかばそのやきたるものかならずこれをつくのふべし

7 ひともしかねあるひはものひとあづくるにそのひといへよりぬすみとられたるときはその盜者ぬすびとあらはれなばこれをばいしてつくのはしむべし 8 盜者ぬすびともしあらはれずばいへ主人あるじ法官さばきびとにつれゆきてかれがそのひとものをかけたるやいなるべし 9 なに過󠄃愆とがいはうしにもあれ驢馬ろばにもあれひつじにもあれ衣服󠄃ころもにもあれ又󠄂またなにうせものにもあれすべひとこれそれなりとものあるとき法官さばきびとそのりよう造󠄃ざうことばきくべししかして法官さばきびとつみありとするものこれをばいしてその對手あひてつくのふべし

 135㌻ 
10 ひともし驢馬ろばうしひつじ又󠄂またはそのほか家畜かちくをその隣人となりにあづけんにしぬきずつけらるゝか又󠄂またうばひさらるゝことありてたれもこれをものなきとき 11 二人ふたりあひだにその隣人となりものをかけずとヱホバをさしちかふことあるべししかときはその持主もちぬしこれをうけいるべし彼人かのひとつくのひをなすにおよばず 12 されもし自己おのれもとよりぬすまれたるときはその所󠄃有主もちぬしにこれをつくのふべし 13 もしまたそのさきころされしときそれ證據あかしのためにもちきたるべしそのさきころされしものつくのふにおよばず

14 ひともしその隣人となりよりかりたるものあらんにそのものきずつけられ又󠄂またしぬることありてその所󠄃有主もちぬしそれとともにをらざるときかならずこれをつくのふべし 15 その所󠄃有主もちぬしそれとともにをらばこれをつくのふにおよばずやとひものなるときもしかりやとはれてきたりしなればなり
〘104㌻〙
16 ひともし聘定いひなづけあらざる處女をとめいざなひてこれといねたらばかならずこれに聘禮おくりものしてつまとなすべし 17 その父󠄃ちゝもしこれをそのひとあたふることをかたこばまば處女をとめにする聘禮おくりものにてらしてかねをはらふべし

18 魔󠄃術まじゆつをつかふをんないかしおくべからず

19 すべけものをかものをばかならころすべし

20 ヱホバをおきてほかかみ犧牲いけにへさゝぐものをばころすべし 21 なんぢこくひとなやますべからず又󠄂またこれを虐󠄃しへたぐべからずなんぢらもエジプトのくににをるとき他國たこくひとたりしなり
 136㌻ 
22 なんぢすべ寡婦󠄃やもめあるひは孤子みなしごなやますべからず 23 なんぢもし彼等かれらなやまして彼等かれらわれによばはらばわれかならずその號呼よばはりきくべし 24 わがいかりはげしくなりわれつるぎをもてなんぢらをころさんなんぢらのつま寡婦󠄃やもめとなりなんぢらの子女こども孤子みなしごとならん

25 なんぢもしなんぢとともにあるわがたみ貧󠄃まづしものかねときかねかしのごとくなすべからず又󠄂またこれよりそくをとるべからず 26 なんぢもしひと衣服󠄃ころもしちにとらばのいるときまでにこれをかへすべし 27 はそのおほものこれのみにしてこれはそのはだころもなればなりかれなにうちいねんやかれわれによばはらばわれきかんわれ慈悲あはれみあるものなればなり

28 なんぢかみのゝしるべからずたみ主長つかさのろふべからず 29 なんぢ豐滿ゆたかなるものなんぢしぼりたるものとをさゝぐることをおこたるなかれなんぢ長子うひごわれあたふべし 30 なんぢまたなんぢうしひつじをもかくなすべしすなは七日なぬかはゝとともにをらしめて八日やうかにこれをわれあたふべし 31 汝等なんぢらわれ聖󠄄きよきたみとなるべしなんぢらはにてけものさかれしものにく食󠄃くらふべからずなんぢらこれをいぬなげあたふべし

第23章

1 なんぢ虛妄いつはり風説うはさいひふらすべからずあしひとをあはせてひとしふ證人あかしびととなるべからず 2 なんぢおほくひとにしたがひてあくをなすべからず訴訟うつたへにおいてこたへをなすにあたりておほくひとにしたがひて道󠄃みちまぐべからず 3 なんぢまた貧󠄃まづしひと訴訟うつたへまぐたすくべからず

4 なんぢもしなんぢてきうしあるひは驢馬ろば迷󠄃まよさる遭󠄃あはばかならずこれをひきてそのひとかへすべし 5 なんぢもしなんぢにくもの驢馬ろばのその負󠄅したたふすをつゝしみてこれを遺󠄃すてさるべからずかならずこれをたすけてその負󠄅とくべし

 137㌻ 
6 なんぢ貧󠄃まづしもの訴訟うつたへあるときにその判󠄄決さばきまぐべからず 7 虛假いつはりこと遠󠄄とほざかれ無辜者つみなきもの義者ただしきものとはこれをころすなかれわれあしものとすることあらざるなり〘105㌻〙 8 なんぢ賄賂まひなひうくべからず賄賂まひなひひと暗󠄃くらまし義者たゞしきものことばまげしむるなり 9 こくひと虐󠄃しへたぐべからず汝等なんぢらはエジプトのくににをるとき他國たこくひとにてありたれば他國たこくひとこゝろしるなり

10 なんぢろくねんあひだなんぢ種播たねまきそのかりいるべし 11 たゞだいしちねんにはこれをやすませてたがへさずにおくべししかしてなんぢたみ貧󠄃まづしもの食󠄃くらふことをせしめよそのあまれるものけものこれを食󠄃くらはんなんぢ葡萄園ぶだうばたけ橄欖かんらんばたけかくのごとくなすべし 12 なんぢ六日むいかあひだなんぢわざをなし七日なぬかやすむべしかくなんぢうしおよび驢馬ろばやすませなんぢしもめおよび他國たこくひとをしていきをつかしめよ 13 わがなんぢいひことすべこゝろもちひよほか神々かみ〴〵となふべからずまたこれなんぢくちよりきこえしめざれ

14 なんぢとし三度みたびわがために節筵いはひまもるべし 15 なんぢ無酵たねいれぬパンの節禮いはひをまもるべしすなはちわがなんぢめいぜしごとくアビブのつきさだめときにおいて七日なぬかあひだたねいれぬパンを食󠄃くらふべしはそのつきなんぢエジプトよりいでたればなりむなしにてわが前󠄃まへいづものあるべからず 16 またかりいれどき節筵いはひまもるべしこれすなはちなんぢ勞苦ほねをり田野はたけまけものはじめいはふなり又󠄂また收藏とりいれ節筵いはひまもるべしこれすなはちなんぢ勞苦ほねをりによりてなれものとし終󠄃をはり田野はたけより收藏とりいるものなり 17 なんぢをとこたるものみなとし三次みたびしゆヱホバの前󠄃まへいづべし

 138㌻ 
18 なんぢわが犧牲いけにへたねいれしパンとともにさゝぐべからず又󠄂またわが節筵いはひあぶら翌󠄃朝󠄃あくるあさまでのこしおくべからず 19 なんぢはじめむすべるはつなんぢかみヱホバのいへもちきたるべしなんぢ山羊羔こやぎをそのはゝ乳󠄃ちゝにてにるべからず

20 われてん使つかひをかはしてなんぢさきだたせ途󠄃みちにてなんぢまもらせなんぢをわがそなへしところ導󠄃みちびかしめん 21 汝等なんぢらその前󠄃まへつゝしみをりそのことばにしたがへこれいからするなかれかれなんぢらのとがゆるさざるべしわがかれのうちにあればなり 22 なんぢもしかれことばにしたがひすべてわがいふところをなさわれなんぢのてきてきとなりなんぢあたあたとなるべし 23 わが使つかひなんぢにさきだちゆきてなんぢをアモリびとヘテびとペリジびとカナンびとヒビびとおよびヱブスびと導󠄃みちびきたらんわれかれらをたつべし 24 なんぢかれらのかみをがむべからずこれに奉事つかふべからずかれらのさくにならふなかれなんぢそれこと〴〵こぼちその偶像ぐうざううちくだくべし 25 汝等なんぢらかみヱホバにつかへよさらばヱホバなんぢらのパンとみづしゆくなんぢらのうちより疾病やまひのぞきたまはん 26 なんぢくにうちには流產りうざんするものなくはらまざるものなかるべしわれなんぢかずみたさん〘106㌻〙 27 われわが畏懼おそれをなんぢの前󠄃まへ遣󠄃つかはなんぢいたるところのたみをことごとくやぶなんぢもろ〳〵てきをしてなんぢうしろせしめん 28 われ黄蜂くまばちなんぢさきにつかはさんこれヒビびとカナンびとおよびヘテびとなんぢ前󠄃まへより逐󠄃おひはらふべし 29 われかれらをいちねんうちにはなんぢ前󠄃まへより逐󠄃おひはらはじおそらくは土地とちけものましなんぢ害󠄅がいせん 30 われ漸々やうやくにかれらをなんぢ前󠄃まへより逐󠄃おひはらはんなんぢらは遂󠄅つひましてそのうるにいたらん 31 われなんぢのさかひをさだめて紅海こうかいよりペリシテびとうみにいたらせ曠野あらのよりかはにいたらしめんわれこの住󠄃すめものなんぢわたさんなんぢかれらをなんぢ前󠄃まへより逐󠄃おひはらふべし
 139㌻ 
32 なんぢかれらおよびかれらのかみなに契約けいやくをもなすべからず 33 かれらはなんぢくに住󠄃すむべきにあらずおそらくはかれなんぢをしてわれつみをかさしめんなんぢもし彼等かれらかみつかへなばそのことかならずなんぢ機檻わなとなるべきなり

第24章

1 又󠄂またモーセにいひたまひけるはなんぢアロン、ナダブ、アビウおよびイスラエルの七十にん長老としよりとともにヱホバのもとのぼりきたれしかして汝等なんぢらはるかにたちてをがむべし 2 モーセ一人ひとりヱホバに近󠄃ちかづくべし彼等かれら近󠄃ちかよるべからず又󠄂またたみもかれとともにのぼるべからず 3 モーセきたりてヱホバのすべてことばおよびそのすべて典例おきてたみつげしにたみみなどう音󠄃おんこたへふヱホバののたまひしことばみなわれらこれをなすべし 4 モーセ、ヱホバのことばをことごとく書記かきしる朝󠄃あさつとおきいでてやまふもとだんきづきイスラエルの十二の支派わかれにしたがひて十二のはしら 5 しかしてイスラエルの子孫ひと〴〵うちわか人等ひとたち遣󠄃つかはしてヱホバに燔祭はんさいさゝげしめうしをもて酬恩祭しうおんさいそなへしむ 6 モーセときにその半󠄃なかばをとりてはち又󠄂またその半󠄃なかばだんうへそゝげり 7 しかして契約けいやくふみをとりてたみよみきかせたるにかれこたへてふヱホバののたま所󠄃ところみなわれらこれをなし遵󠄅したがふべしと 8 モーセすなはちそのをとりてたみそゝぎてこれすなはちヱホバがこのすべてことばにつきてなんぢむすびたまへる契約けいやくなり

9 かくてモーセ、アロン、ナダブ、アビウおよびイスラエルの七十にん長老としよりのぼりゆきて 10 イスラエルのかみるにそのあししたには透󠄃明すきとほれる靑玉あをだまをもてつくれるごときものありて耀かゞやける天空󠄃そらにさもたり 11 かみはイスラエルのこの頭人かしらたちにそのをかけたまはざりき彼等かれらかみ又󠄂また食󠄃くひのみをなせり

 140㌻ 
12 こゝにヱホバ、モーセにいひたまひけるはやまのぼりてわれきた其處そこにをれわれわが彼等かれらをしへんためにかきしるせる法律おきて誡命いましめのするところのいしいたなんぢあたへん〘107㌻〙 13 モーセその從者じうしやヨシユアとともに起󠄃たちあがりモーセのぼりてかみやまいた 14 ときかれ長老等としよりたちいひけるは我等われら汝等なんぢらかへるまで汝等なんぢらこゝちをれよアロンとホル汝等なんぢらとともにすべことあるもの彼等かれらにいたるべし 15 しかしてモーセやまにのぼりしがくもやまおほひをる 16 すなはちヱホバの榮光えいくわうシナイやまうへとゞまりてくもやまおほふこと六日むいかなりしが七日なぬかにいたりてヱホバくもうちよりモーセをよびたまふ 17 ヱホバの榮光えいくわうやまいただきもゆのごとくにイスラエルの子孫ひと〴〵えたり 18 モーセくもうちやまのぼれりモーセ四十にち四十やま

第25章

1 ヱホバ、モーセにつげいひたまひけるは 2 イスラエルの子孫ひと〴〵つげわれささげものもちきたれとすべてそのこゝろこのんでいだものよりは汝等なんぢらそのわれさゝぐるところのものとるべし 3 汝等なんぢらがかれらよりとるべきそのささげものこれなりすなはこがね しろかね あかゞね 4 あを むらさき くれなゐいと 麻󠄃あさ 山羊やぎの 5 あかぞめ牡羊をひつじかは まみかは 合歡木ねむのき 6 ともしあぶら ぬりあぶらかうばしきかう調とゝのふところの香料かうれう 7 𤧚珩そうかうおよびエポデと胸牌むねあてはむたま 8 彼等かれらわがために聖󠄄所󠄃きよきところつくるべしわれかれらのうち住󠄃すま 9 すべてわがなんぢらにしめすところにしたが幕屋まくや式樣ひながたおよびその器具󠄄うつは式樣ひながたにしたがひてこれをつくるべし

10 彼等かれら合歡木ねむのきをもてはこつくるべしそのながさは二キユビト半󠄃はんそのはゞは一キユビト半󠄃はんそのたかさは一キユビト半󠄃はんなるべし 11 なんぢ純金じゆんきんをもてこれおほふべしすなは內外うちそとともにこれをおほひそのうへ周󠄃圍まはりきんふち造󠄃つくるべし 12 なんぢきん四箇よつてそのよつあしにつくべしすなは此旁こなた二箇ふたつ彼旁かなた二箇ふたつをつくべし
 141㌻ 
13 なんぢまた合歡木ねむのきをもてさをつくりてこれにきんすべし 14 しかしてそのさをはこ邊旁かたはらにさしいれてこれをもてはこかくべし 15 さをはこさしいれおくべしそれより脫󠄁ぬきはなすべからず 16 なんぢわがなんぢあたふる律法おきてをそのはこをさむべし 17 なんぢ純金じゆんきんをもてしよくざい所󠄃しよ造󠄃つくるべしそのながさは二キユビト半󠄃はんそのはゞは一キユビト半󠄃はんなるべし 18 なんぢかねをもて二箇ふたつのケルビムをつくるべしすなはつちにてうちてこれをつくしよくざい所󠄃しよりやうはうおくべし 19 ひとつのケルブを此旁こなたひとつのケルブを彼旁かなた造󠄃つくすなはちケルビムをしよくざい所󠄃しよりやうはう造󠄃つくるべし 20 ケルビムはつばさたかべそのつばさをもてしよくざい所󠄃しよおほひそのかほたがひあひくべしすなはちケルビムのかほしよくざい所󠄃しよむかふべし〘108㌻〙 21 なんぢしよくざい所󠄃しよはこうへゑまたなんぢあたふる律法おきてはこうちをさむべし 22 其處そこにてわれなんぢにしよくざい所󠄃しようへより律法おきてはこうへなる二箇ふたつのケルビムのあひだよりしてわれイスラエルの子孫ひと〴〵のためにわがなんぢめいぜんとするもろ〳〵ことなんぢかたら

23 なんぢまた合歡木ねむのきをもてつくゑつくるべしそのながさは二キユビトそのはゞは一キユビトそのたかさは一キユビト半󠄃はんなるべし 24 しかしてなんぢ純金じゆんきんをこれにせその周󠄃圍まはりかねふちをつくるべし 25 なんぢその四圍まはり掌寛てはゞふちをつくりそのふち周󠄃圍まはりきん小緣こぶちつくるべし 26 またそれがためにきん四箇よつつくりそのあし四隅よすみにそのをつくべし 27 ふちそばつくべしつくゑかくところのさををいるるところなり 28 また合歡木ねむのきをもてそのさををつくりてこれにきんすべしつくゑはこれによりかゝるべきなり 29 なんぢまたそれもちふるさら さじ しやくおよびさけそゝぐところのさかづきつくるべしすなは純金じゆんきんをもてこれを造󠄃つくるべし 30 なんぢつくゑうへ供前󠄃そなへのパンをおきつねにわが前󠄃まへにあらしむべし

31 なんぢ純金じゆんきんをもて一箇ひとつ燈臺とうだい造󠄃つくるべし燈臺とうだいつちをもてうちてこれつくるべしそのだい じく うてな ふし はなそれつらならしむべし
 142㌻ 
32 又󠄂またむつえだをそのかたはらよりいでしむべしすなは燈臺とうだいみつえだこのかたはらより燈臺とうだいみつえだかのかたはらよりいでしむべし 33 巴旦杏はだんきやうはなかたちせるみつうてなふしおよびはなとともにこのえだにあり又󠄂また巴旦杏はだんきやうはなかたちせるみつうてな節󠄄ふしおよびはなとともにかのえだにあるべし燈臺とうだいよりいづむつえだみなかくのごとくにすべし 34 巴旦杏はだんきやうはなかたちせるよつうてなそのふしおよびはなとともに燈臺とうだいにあるべし 35 兩箇ふたつえだした一箇ひとつふしあらしめ又󠄂またその兩箇ふたつえだした一箇ひとつふしあらしめ又󠄂またその兩箇ふたつえだした一箇ひとつ節󠄄ふしあらしむべし燈臺とうだいよりいづむつえだみなかくのごとくなるべし 36 そのふしえだとはそれつらならしめみなつちにてうち純金じゆんきんをもて造󠄃つくるべし 37 又󠄂またそれがために七箇なゝつ燈盞ともしびざら造󠄃つくりその燈盞ともしびざらうへすゑてその對向むかふてらさしむべし 38 その燈鉗しんかき剪燈盤しんとりざらをも純金じゆんきんならしむべし 39 燈臺とうだいすべて器具󠄄うつは造󠄃つくるには純金じゆんきん一タラントをもちふべし 40 なんぢやまにてしめされし式樣ひながたにしたがひてこれつくることにこゝろもちひよ

第26章

1 なんぢまた幕屋まくやのためにとをまく造󠄃つくるべしそのまくすなは麻󠄃あさ撚絲よりいとあをむらさきおよびくれなゐいとをもてこれ造󠄃つく精巧たくみにケルビムをそのうへおりいだすべし 2 ひとつまくながさは二十八キユビトひとつまくはゞは四キユビトなるべしまくみなその寸尺すんしやくおなじうすべし〘109㌻〙 3 そのまく五箇いつゝたがひつらねあはせ又󠄂またそのほかまく五箇いつゝをもたがひつらねあはすべし 4 しかしてその一聯ひとつらねまくふちにおいてその聯絡處あはせどころはしあをいろつくべし又󠄂またほか一聯ひとつらねまく聯絡處あはせどころふちにもかくなすべし 5 なんぢ一聯ひとつらねまく五十をつけ又󠄂またほか一聯ひとつらねまく聯絡處あはせどころふちにも五十をつけかくそのをしてかれこれ相對あひたいせしむべし 6 しかしてきんくわん五十を造󠄃つくりそのくわんをもてまくつらねあはせてひとつ幕屋まくやとなすべし

7 なんぢまた山羊やぎをもてまくをつくりて幕屋まくやうへおひとなすべしすなはまく十一をつくるべし 8 その一箇ひとつまくながさは三十キユビトその一箇ひとつまくはゞは四キユビトなるべしすなはちその十一のまく寸尺すんしやくひとつにすべし 9 しかしてそのまくいつゝひとつつらねまたそのまくむつひとつつらねその第六むつめまく幕屋まくや前󠄃まへたゝむべし
 143㌻ 
10 又󠄂またその一聯ひとつらねまくふちすなはちその聯絡處あはせどころはし五十を又󠄂またほか一聯ひとつらねまく聯絡處あはせどころにも五十をつくべし 11 しかしてあかゞねくわん五十をつくりそのくわんにかけてそのまくつらねあはせてひとつとなすべし 12 そのてんまくまくあまれる遺󠄃餘のこりすなはちそのあまれる半󠄃はんまくをば幕屋まくやうしろたれしむべし 13 てんまくまくあまれるもの此旁こなたいちキユビト彼旁かなたいちキユビトありこれ幕屋まくやりやうはう此方こなた彼方かなたたれてこれをおほふべし 14 なんぢあかそめたる山羊やぎかはをもて幕屋まくやおひをつくりそのうへまみかはおひをほどこすべし

15 なんぢ合歡木ねむのきをもて幕屋まくやのためにたていた造󠄃つくるべし 16 一枚ひとひらいたながさは十キユビト一枚ひとひらいたはゞいちキユビト半󠄃はんなるべし 17 いたごとにふたつほぞをつくりてかれこれ交指くひあはしめよ幕屋まくやいたにはみなかくのごとくなすべし 18 なんぢ幕屋まくやのためにいた造󠄃つくるべしすなはみなみむきかたのためにいた二十まいつくるべし 19 しかしてその二十まいいたしたぎん四十を造󠄃つくるべしすなはこのいたしたにもそのふたつほぞのためにふたつあらしめかのいたしたにもそのふたつほぞのためにふたつあらしむべし 20 幕屋まくやほかかたすなはちそのきたかたのためにもいた二十まいつくるべし 21 しかしてこれにぎん四十をつくこのいたしたにもふたつかのいたしたにもふたつあらしむべし 22 幕屋まくやうしろすなはちその西にしかたのためにいたまい造󠄃つくるべし 23 又󠄂また幕屋まくやうしろふたつすみのためにいたまい造󠄃つくるべし 24 その二まいしたにてあひがつせしめそのいたゞきまでひとつつらならしむべし一箇ひとつおいしかりそのまいともにかくごとくなるべしそれふたつすみのためにまうくるものなり 25 そのいたあはせて八まいそのぎんは十六このいたにもふたつかのいたにもふたつあらしむべし
〘110㌻〙
26 なんぢ合歡木ねむのきをもてよこつく幕屋まくや此方こなたいたのために五本いつゝまうくべし 27 また幕屋まくや彼方かなたいたのためによこ五本いつゝまう幕屋まくやうしろすなはちその西にしかたいたのためによこ五本いつゝまうくべし 28 いた眞中たゞなかにある中間なかよこをばはしよりはしまで通󠄃とほらしむべし 29 しかしてそのいたきんきんをもてこれがためにつくりてよこをこれにつらぬ又󠄂またそのよこきんすべし
 144㌻ 
30 なんぢやまにてしめされしところのその模範のりにしたがひて幕屋まくやたつべし

31 なんぢまたあを むらさき くれなゐいとおよび麻󠄃あさよりいとをもてまくつくたくみにケルビムをそのうへおりいだすべし 32 しかしてきんきせたる四本よつ合歡木ねむのきはしらうへこれかくべしそのかぎきんにしそのはしらよつぎんうへすうべし 33 なんぢそのまくくわんした其處そこにそのまくうち律法おきてはこをさむべしそのまくすなはちなんぢらのために聖󠄄所󠄃きよきところいと聖󠄄所󠄃きよきところ分󠄃わかたん 34 なんぢいと聖󠄄所󠄃きよきところにある律法おきてはこうへしよくざい所󠄃しよすうべし 35 しかしてそのまくそとつくゑ幕屋まくやみなみかたとうだいすゑつくゑむかはしむべしつくゑきたかたすうべし

36 又󠄂またあを むらさき くれなゐいとおよび麻󠄃あさよりいとをもてとばりおりなして幕屋まくやいりぐちかくべし 37 又󠄂またそのとばりのために合歡木ねむのきをもてはしら五本いつゝ造󠄃つくりてこれにきんせそのかぎきんにすべし又󠄂またそのはしらのためにあかゞねをもて五箇いつゝいるべし

第27章

1 なんぢ合歡木ねむのきをもてながさ五キユビトはゞ五キユビトのだんつくるべしそのだん四角しかくそのたかさは三キユビトなるべし 2 その四隅よすみうへそれつのつくりてそのつのそれよりいだしめそのだんにはあかゞねすべし 3 又󠄂また灰󠄃はひうくつぼ火鏟じうのうはち肉叉にくさしざらつくるべしだんうつはみなあかゞねをもてこれつくるべし 4 なんぢだんのためにあかゞねをもてかなあみつくりそのあみうへにその四隅よすみあかゞね四箇よつつくるべし 5 しかしてそのあみだんなかほどふちしたすゑこれだん半󠄃なかば達󠄃たつせしむべし 6 又󠄂まただんのためにさをつくるべしすなは合歡木ねむのきをもてさを造󠄃つくあかゞねをこれにすべし 7 そのさをつらぬきそのさをだんりようはうにあらしめてこれかくべし 8 だんなんぢいたをもてこれ空󠄃うつろ造󠄃つくなんぢやまにてしめされしごとくにこれを造󠄃つくるべし

 145㌻ 
9 なんぢまた幕屋まくやにはをつくるべしみなみむかひてはにはのためにみなみかたながさ百キユビトの細布ほそぬのまくまうけてその一方いつぱうあつべし 10 その二十のはしらおよびその二十のあかゞねにしそのはしらかぎおよびそのけたぎんにすべし 11 又󠄂またきたかたにあたりてながさ百キユビトのまくをそのたてまうくべしその二十のはしらとそのはしらの二十のあかゞねにしはしらかぎとそのけたぎんにすべし〘111㌻〙 12 にはよこすなはちその西にしかたには五十キユビトのまくまうくべしそのはしらとをそのとを 13 またひがしむかひてはにはひがしかたはゞは五十キユビトにすべし 14 しかしてこの一旁いつぱうに十五キユビトのまくまうくべしそのはしらみつそのみつ 15 又󠄂またかの一旁いつぱうにも十五キユビトのまくまうくべしそのはしらみつそのみつ 16 にはもんのためにあを むらさき くれなゐいとおよび麻󠄃あさ撚絲よりいとをもておりなしたる二十キユビトのとばりまうくべしそのはしらよつそのよつ 17 には四周󠄃まはりはしらみなぎんけたをもてつゞけそのかぎぎんにしそのあかゞねにすべし 18 にはたては百キユビトそのよこは五十キユビトづゝそのたかさは五キユビト麻󠄃あさ撚絲よりいとをもてつくりなしそのあかゞねにすべし 19 すべ幕屋まくやもちふるところのもろ〳〵器具󠄄うつはものならびにそのくぎおよびにはくぎあかゞねをもてつくるべし

20 なんぢ又󠄂またイスラエルの子孫ひと〴〵めい橄欖かんらんかてとりたるきよあぶら燈火ともしびのためになんぢもちきたらしめてたえ燈火ともしびをともすべし 21 集會しふくわい幕屋まくやおい律法おきて前󠄃まへなるまくそとにアロンとその子等こらよひより朝󠄃あさまでヱホバの前󠄃まへにその燈火ともしびとゝのふべしこれはイスラエの子孫ひと〴〵世々よゝたえずまもるべき定例のりなり

第28章

1 なんぢイスラエルの子孫ひと〴〵うちよりなんぢ兄弟きやうだいアロンとその子等こらすなはちアロンとそのナダブ、アビウ、エレアザル、イタマルをなんぢいたらしめてかれをしてわれにむかひて祭司さいしつとめをなさしむべし 2 なんぢまたなんぢ兄弟きやうだいアロンのために聖󠄄きよきころもつくりてかれ顯榮ほまれ榮光さかえあらしむべし 3 なんぢすべこゝろ智慧󠄄ちゑあるものすなはち智慧󠄄ちゑれいみたしおきたる者等ものどもかたりてアロンの衣服󠄃ころもつくらしめこれてアロンを聖󠄄別きよめわれ祭司さいしつとめをなさしむべし
 146㌻ 
4 彼等かれらつくるべき衣服󠄃ころもこれなりすなはむねあてエポデ明衣うはぎ間格いちまつ裏衣したぎ頭帽かしらづゝみおよびおび彼等かれらなんぢ兄弟きやうだいアロンとその子等こらのために聖󠄄きよきころもをつくりてかれをして祭司さいしつとめわれにむかひてなすことをえせしむべし 5 すなは彼等かれらきん あを むらさき くれなゐいとおよび麻󠄃あさいとをとりてもちふべし

6 又󠄂またきん あを むらさき くれなゐいとおよび麻󠄃あさ撚糸よりいとをもてたくみにエポデをおりなすべし 7 エポデにはふたつかたあてをほどこしそのふたつはしつらねてこれあはすべし 8 エポデのうへにありてこれをつかぬるところのおびはそのものおなじうしてエポデのつくりのごとくにすべしすなはきん あを むらさき くれなゐいとおよび麻󠄃あさ撚糸よりいとをもてこれをつくるべし 9 なんぢ二箇ふたつ葱珩そうかうをとりてそのうへにイスラエルの子等こらえりつくべし〘112㌻〙 10 すなは彼等かれら誕生うまれにしたがひてそのむつひとつたまりその遺󠄃餘のこりむつほかたまえるべし 11 たま雕刻ほりものするひといんほるごとくになんぢイスラエルの子等こらをそのふたつたまえりつけそのたまきんふちはむべし 12 このふたつたまをエポデのかたあてうへにつけてイスラエルの子等こら記念おぼえたまとならしむべしすなはちアロン、ヱホバの前󠄃まへにおいて彼等かれらをそのふたつかた負󠄅おふ記念おぼえとならしむべし 13 なんぢきんふちつくるべし 14 しかして純金じゆんきんくみひもごと二箇ふたつくさりつくりそのくめくさりをかのふちにつくべし

15 なんぢまた審判󠄄さばきむねあてたくみおりなしエポデのつくりのごとくにこれをつくるべしすなはきん あを むらさき くれなゐいとおよび麻󠄃あさ撚糸よりいとをもてこれをつくるべし 16 これ四角しかくにして二重ふたへなるべくそのたけ半󠄃はんキユビトそのはゞ半󠄃はんキユビトなるべし 17 なんぢまたそのなかたまはめたま四行よならびにすべしすなはあかだま 黄玉きのたま 瑪瑙めのう一行ひとならび第一だいいちぎやうとすべし 18 だいぎやうくれなゐのたま 靑玉あをだま 金剛石こんがうせき 19 だいさんぎやうこきくれなゐのたま しろ瑪瑙めのう むらさきのたま 20 だいぎやう黄緑きみどりのたま 葱珩そうかう 碧玉みどりのたま すべきんふちなかにこれをはむべし
 147㌻ 
21 そのたまはイスラエルの子等こらしたがひそののごとくにこれを十二じふににすべししかしてその十二の支派わかれ各各おのおのいんほるごとくにこれをえりつくべし 22 なんぢ純金じゆんきんひものごとくにくみたるくさりむねあてうへにつくべし 23 またむねあてうへきん二箇ふたつつくむねあてふたつはしにその二箇ふたつをつけ 24 かのきんひも二條ふたすぢむねあてはし二箇ふたつにつくべし 25 しかしてその二條ふたすぢひもふたつはし二箇ふたつふちひエポデのかたあてうへにつけてその前󠄃まへにあらしむべし 26 又󠄂また二箇ふたつきんをつくりてこれむねあてふたつはしにつくべしすなはちそのエポデにむかふところのうちふちこれをつくべし 27 なんぢまたきん二箇ふたつ造󠄃つくりてこれをエポデのりやうはうしたかたにつけその前󠄃まへかたにてその聯接つらなれところむかひてエポデのおびうへにあらしむべし 28 むねあてあをひもをもてそのによりてこれをエポデのひつけエポデのおびうへにあらしむべししかせばむねあてエポデをはなるゝことなかるべし 29 アロン聖󠄄所󠄃きよきところときはそのむねにある審判󠄄さばきむねあてにイスラエルの子等こらおびてこれをそのこゝろうへきヱホバの前󠄃まへつね記念おぼえとならしむべし 30 なんぢ審判󠄄さばきむねあてにウリムとトンミムをいれアロンをしてそのヱホバの前󠄃まへときにこれをそのこゝろうへおかしむべしアロンはヱホバの前󠄃まへつねにイスラエルの子孫ひと〴〵審判󠄄さばきおびてそのこゝろうへおくべし

31 エポデにぞくする明衣うはぎすべてこれをあをつくるべし〘113㌻〙 32 くびをいるゝあなはその眞中まんなかまうくべし又󠄂またそのあな周󠄃圍まはりにはおりものへりをつけてよろひ領盤えりまはりのごとくになしてこれほころびざらしむべし 33 そのすそにはあを むらさき くれなゐいとをもて石榴ざくろをつくりてそのすそ周󠄃圍まはりにつけ又󠄂また四周󠄃まはりきんすゞをその間々あひだ〳〵につくべし 34 すなは明衣うはぎすそにはきんすゞ石榴ざくろ又󠄂またきんすゞ石榴ざくろとその周󠄃圍まはりにつくべし

35 アロン奉事つとめをなすときにこれをきるべしかれ聖󠄄所󠄃きよきところにいりてヱホバの前󠄃まへいたときまたいできたるときにはそのすゞ音󠄃おときこゆべしかくせばかれしぬることあらじ
 148㌻ 
36 なんぢ純金じゆんきんをもて一枚ひとつ前󠄃まへいたつくいんほるがごとくにそのうへにヱホバに聖󠄄きよしえりつけ 37 これあをひもにつけて頭帽かしらづゝみうへにあらしむべしすなは頭帽かしらづゝみ前󠄃まへかたにこれをつくべし 38 これはアロンのひたひにあるべしアロンはイスラエルの子孫ひと〴〵さゝぐるところの聖󠄄物きよきものすなはちそのさゝぐるもろ〳〵聖󠄄きよ供物そなへものうへにあるとこるのつみ負󠄅おふべしこのいたをばつねにアロンのひたひにあらしむべしこれヱホバの前󠄃まへそれ受納󠄃うけいれられんためなり 39 なんぢ麻󠄃あさいとをもて裏衣したぎ間格いちまつ麻󠄃あさいとをもて頭帽かしらづゝみつくりまたおび繍工あやおりなすべし

40 なんぢまたアロンの子等こらのために裏衣したぎつくかれらのためにおびつくかれらのために頭巾づきんつくりてその顯榮ほまれ榮光さかえあらしむべし 41 しかしてなんぢこれをなんぢ兄弟きやうだいアロンおよびかれとともなるその子等こらあぶら彼等かれらそゝぎこれをてこれを聖󠄄別きよめてこれをして祭司さいしつとめわれになさしむべし 42 又󠄂またかれらのためにその陰所󠄃かくしどころおほ麻󠄃あさもゝひきつくこしよりもゝ達󠄃いたらしむべし 43 アロンとその子等こら集會しふくわい幕屋まくやとき又󠄂また祭壇さいだん近󠄃ちかづきて聖󠄄所󠄃きよきところ職事つとめをなすときはこれをきるべしかくせばとがをかうむりてしぬることなからんこれかれおよびかれのち子孫しそんながまもるべきのりなり

第29章

1 なんぢかれらを聖󠄄別きよめかれらをしてわれにむかひて祭司さいしつとめをなさしむるにはかくこれになすべしすなはわか牡牛をうしふたつ全󠄃まつた牡山羊をやぎ 2 無酵たねいれぬパンあぶらまぜたる無酵たねいれぬ菓子くわしおよびあぶらぬりたる無酵たねいれぬ煎餅せんべいとるべし是等これらむぎをもてつくるべし 3 しかしてこれを一箇ひとつかごにいれ牡牛をうしおよびふたつ牡山羊をやぎとともにこれをそのかごのまゝにもちきたるべし 4 なんぢまたアロンとその子等こら集會しふくわい幕屋まくやくちつれきたりてみづをもてかれらをあらきよ 5 衣服󠄃ころもをとりて裏衣したぎエポデにぞくする明衣うはぎエポデおよびむねあてをアロンにせエポデのおびこれおびしむべし 6 しかしてかれのかうべ頭帽かしらづゝみをかむらせその頭帽かしらづゝみうへにかの聖󠄄きよききんのいたいたゞかしめ〘114㌻〙
 149㌻ 
7 そゝぎあぶらとりてこれをかれかうべかたむそゝぐべし 8 又󠄂またかれの子等こらつれきたりてこれ裏衣したぎ 9 これおびおびしめ頭巾づきんをこれにかむらすべしすなはちアロンとその子等こらかくなすべし祭司さいしつとめはかれらにながくこれをのりとなすべしなんぢかくアロンとその子等こらたつべし

10 なんぢ集會しふくわい幕屋まくや前󠄃まへ牡牛をうしをひききたらしむべししかしてアロンとその子等こらその牡牛をうしかしらおくべし 11 かくしてなんぢ集會しふくわい幕屋まくやくちにてヱホバの前󠄃まへにその牡牛をうしころすべし 12 なんぢその牡牛をうしをとりなんぢゆびをもてこれをだんつのりそのをばことごとくだんしたそゝぐべし 13 なんぢまたその臓腑ざうふつゝむところのすべてあぶらかんうへまうまくおよびふたつじんとそのうへあぶらとりてこれをだんうへやくべし 14 たゞしその牡牛をうしにくとそのかはおよびふんえいそとにてやくべしこれ罪祭ざいさいなり

15 なんぢかの牡山羊をやぎ一頭ひとつるべししかしてアロンとその子等こらその牡山羊をやぎうへおくべし 16 なんぢその牡山羊をやぎころしそのをとりてこれをだんうへ周󠄃圍まはりそゝぐべし 17 なんぢその牡山羊をやぎきり割󠄅きその臓腑ざうふとそのあしあらひてこれをそのにくきれとそのかしらうへにおくべし 18 なんぢその牡山羊をやぎだんうへこと〴〵やくべしこれヱホバにたてまつる燔祭はんさいなりこれかうばしきにほひにしてヱホバにたてまつるくわさいなり

19 なんぢまたいまひとつ牡山羊をやぎをとるべししかしてアロンとその子等こらその牡山羊をやぎかしらうへおくべし 20 なんぢすなはちその牡山羊をやぎころしそのをとりてこれをアロンのみぎみゝはしおよびその子等こらみぎみゝはしにつけ又󠄂またそのみぎおほゆびみぎあしおやゆびにつけそのだん周󠄃圍まはりそゝぐべし 21 又󠄂まただんうへをとりそゝぎあぶらをとりてこれをアロンとその衣服󠄃ころもおよびその子等こらとその子等こら衣服󠄃ころもそゝぐべしかくかれとその衣服󠄃ころもおよびその子等こらとその子等こら衣服󠄃ころも淸淨きよくなるべし
 150㌻ 
22 なんぢその牡山羊をやぎあぶらあぶらおよびその臓腑ざうふつゝめあぶらかんうへまうまく二箇ふたつじんそのうへあぶらおよびみぎもゝとるべしこれにんしよく牡山羊をやぎなり 23 なんぢまたヱホバの前󠄃まへにある無酵たねいれぬパンのかごうちよりパン一個ひとつあぶらぬりたる菓子くわし一箇ひとつ煎餅せんべい一個ひとつとるべし 24 なんぢこれらをこと〴〵くアロンのその子等こらさづけこれをふりてヱホバにえうさいとなすべし 25 しかしてなんぢこれらを彼等かれらよりとりだんうへにて燔祭はんさいにくはへてくべしこれヱホバの前󠄃まへかうばしきにほひとなるべしこれすなはちヱホバにたてまつるくわさいなり

26 なんぢまたアロンのにんしよく牡山羊をやぎむねとりてこれをヱホバの前󠄃まへふりえうさいとなすべしこれなんぢうくるところの分󠄃ぶんなり〘115㌻〙 27 なんぢそのふるところのえうさいものむねおよびそのあぐるところのきよさいものもゝすなはちアロンとその子等こらにんしよく牡山羊をやぎむねもゝ聖󠄄別きよめわかつべし 28 これはアロンとその子等こらすべしイスラエルの子孫ひと〴〵ながくこののりまもるべきなりこれはイスラエルの子孫ひと〴〵酬恩祭しうおんさい犧牲いけにへうちよりとるところのきよさいにしてヱホバになすところのきよさいなり

29 アロンの聖󠄄きよきころもそののち子孫しそんすべし子孫しそんこれをあぶらをそゝがれしよくにんぜらるべきなり 30 アロンの子孫しそんうちかれにかはりて祭司さいしとなりしふくわい幕屋まくやにいりて聖󠄄所󠄃きよきところつとめをなすものまづ七日なぬかあひだこれをきるべし

31 なんぢにんしよく牡山羊をやぎ聖󠄄所󠄃きよきところにてそのにくにるべし 32 アロンとその子等こら集會しふくわい幕屋まくや戶口とぐちにおいてその牡山羊をやぎにくかごうちのパンを食󠄃くらふべし 33 つみあがなものすなはちかれらをかれらを聖󠄄別きよむるにもちふるところのものかれらは食󠄃くらふべしほかひと食󠄃くらふべからず聖󠄄物きよきものなればなり 34 もしにんしよくにくあるひはパンあしたまで遺󠄃のこりをらばその遺󠄃者のこりをもてこれをやくべしこれ聖󠄄きよければ食󠄃くらふべからず

35 なんぢわがすべなんぢめいずるごとくにアロンとその子等こらかくなすべしすなはちかれらのために七日なぬかのあひだにんしよくれいをおこなふべし
 151㌻ 
36 なんぢ日々ひゞ罪祭ざいさい牡牛をうし一頭ひとつをさゝげてあがなひをなすべし又󠄂まただんのために贖罪あがなひをなしてこれをきよめこれにあぶらそゝぎこれを聖󠄄別きよむべし 37 なんぢ七日なぬかのあひだだんのためにあがなひをなしてこれ聖󠄄別きよいと聖󠄄きよだんとならしむべしすべだんさはもの聖󠄄きよくなるべし

38 なんぢだんうへにさゝぐべきものこれなりすなは一歳いつさいこひつじふたつ日々ひゞたえさゝぐべし 39 ひとつこひつじ朝󠄃あさにこれをさゝひとつこひつじゆふにこれをさゝぐべし 40 ひとつこひつじむぎじふ分󠄃ぶんいちかてたるあぶら一ヒンの分󠄃ぶんいちまぜたるを又󠄂またくわんさいとしてさけいちヒンの分󠄃ぶんいちそふべし 41 いまひとつ羔羊こひつじゆふにこれをさゝ朝󠄃あさとおなじき素祭そさい灌祭くわんさいをこれとともにさゝげかうばしきにほひとならしめヱホバにくわさいたらしむべし 42 これすなはちなんぢらが代々よゝたえ集會しふくわい幕屋まくやかどぐちにてヱホバの前󠄃まへさゝぐべき燔祭はんさいなりわれ其處そこにて汝等なんぢらなんぢものいふべし 43 其處そこにてわれイスラエルの子孫ひと〴〵あは幕屋まくやはわが榮光さかえによりて聖󠄄きよくなるべし 44 われ集會しふくわい幕屋まくや祭壇さいだん聖󠄄きよめんまたアロンとその子等こら聖󠄄きよめてわれ祭司さいしつとめをなさしむべし 45 われイスラエルの子孫ひと〴〵うちをりかれらのかみとならん 46 彼等かれらかれらのかみヱホバにして彼等かれらうち住󠄃すまんとて彼等かれらをエジプトのより導󠄃みちびいだせしものなることをしらわれはかれらのかみヱホバなり〘116㌻〙

第30章

1 なんぢかうだん造󠄃つくるべしすなは合歡木ねむのきをもてこれを造󠄃つくるべし 2 そのながさは一キユビトそのはゞも一キユビトにして四角しかくならしめそのたかさは三キユビトにしそのつのそれよりいでしむべし 3 しかしてそのうへその四傍しはうそのつのともに純金じゆんきんせその周󠄃圍まはりきんふちつくるべし 4 なんぢまたその兩面りやうめんきんふちしたきん二箇ふたつこれがためにつくるべしすなはちそのりやうはうにこれをつくるべしこれすなはちこれをかくところのさをつらぬ所󠄃ところなり 5 そのさを合歡木ねむのきをもてこれをつくりてこれきんすべし
 152㌻ 
6 なんぢこれを律法おきてはこかたはらなるまく前󠄃まへすゑ律法おきてうへなるしよくざい所󠄃しよむかはしむべし其處そこはわがなんぢところなり 7 アロン朝󠄃あさごとにそのうへかうばしきかうたくべしかれ燈火ともしびとゝのふるときはそのうへかうたくべきなり 8 アロンゆふべ燈火ともしびともときはそのうへかうたくべしこのかうはヱホバの前󠄃まへ汝等なんぢら代々よゝたやすべからざるものなり 9 汝等なんぢらそのうへことなかうたくべからず燔祭はんさいをも素祭そさいをもさゝぐべからず又󠄂またそのうへ灌祭くわんさいさけそゝぐべからず 10 アロンとし一回ひとたび贖罪つみあがなひ罪祭ざいさいをもてそのだんつののためにあがなひをなすべし汝等なんぢら代々よゝとし一度ひとたびこれがためにあがなひをなすべしこれはヱホバにもつと聖󠄄きよものたるなり

11 ヱホバ、モーセにつげいひたまはく 12 なんぢがイスラエルの子孫ひと〴〵かずかぞへしらぶるにあたりて彼等かれら各人おの〳〵そのかぞへらるゝときにその生命いのちあがなひをヱホバにたてまつるべしはそのかぞふるときにあたりて彼等かれらうち災害󠄅わざはひのあらざらんためなり 13 すべかぞへらるゝものうちもの聖󠄄所󠄃きよきところのシケルに遵󠄅したがひて半󠄃はんシケルをいだすべし一シケルは二十ゲラなりすなは半󠄃はんシケルをヱホバにたてまつるべし 14 すべかぞへらるゝものうちものすなはち二十さい以上いじやうものはヱホバに献納󠄃さゝげものをなすべし 15 なんぢらの生命いのちあがなふためにヱホバに献納󠄃さゝげものをなすにあたりては富者とめるもの半󠄃はんシケルよりおほいだすべからず貧󠄃者まづしきものそれよりすくないだすべからず 16 なんぢイスラエルの子孫ひと〴〵よりあがなひかねとりてこれを幕屋まくやようそなふべしこれはヱホバの前󠄃まへにイスラエルの子孫ひと〴〵記念おぼえとなりてなんぢ生命いのちあがなふべし

17 ヱホバ、モーセにつげいひたまはく 18 なんぢまたあかゞねをもて洗盤たらひをつくりそのだいをもあかゞねになしてあらふことのためにそなこれ集會しふくわい幕屋まくやだんとのあひだすゑてそのなかみづをいれおくべし 19 アロンとその子等こらはそれにつきあしあらふべし〘117㌻〙
 153㌻ 
20 彼等かれら集會しふくわい幕屋まくやときみづをもてあらふことをなしをまぬかるべしまただんにちかづきてそのつとめをなしくわさいをヱホバの前󠄃まへときしかすべし 21 すなはかくそのあしあらひてまぬかるべしこれかれとその子孫しそん代々よゝつねまもるべきのりなり

22 ヱホバまたモーセにいひたまひけるは 23 なんぢまたおもだちたる香物かうもつすなはきよき沒藥もつやく五百シケルかうばしき肉桂にくけいその半󠄃はん二百五十シケルかうばしき菖蒲あやめ二百五十シケル 24 桂枝けいし五百シケルを聖󠄄所󠄃きよきところのシケルに遵󠄅したがひて又󠄂また橄欖かんらんあぶら一ヒンをとるべし 25 なんぢこれをもて聖󠄄きよきそゝぎあぶらつくるべしすなはち薫物かをりものつくはふにしたがひて香膏にほひあぶらつくるべしこれ聖󠄄きよきそゝぎあぶらたるなり 26 なんぢこれを集會しふくわい幕屋まくや律法おきてはこ 27 つくゑとそのもろもろの器具󠄄うつは燈臺とうだいとそのもろもろの器具󠄄うつはおよびかうだん 28 ならび燔祭はんさいだんとそのもろもろの器具󠄄うつはおよび洗盤たらひとそのだいとにぬるべし 29 なんぢ是等これら聖󠄄きよめていと聖󠄄きよからしむべしすべてこれにさはもの聖󠄄きよくならん 30 なんぢアロンとその子等こらあぶらをそゝぎてこれかれらをしてわれ祭司さいしつとめをなさしむべし 31 なんぢイスラエルの子孫ひと〴〵つげていふべしこれなんぢらが代々よゝわれためもちふべき聖󠄄きよきそゝぎあぶらなり 32 これひとそゝぐべからず汝等なんぢらまたこのりやうをもてこれひとしものつくるべからずこれ聖󠄄きよ汝等なんぢらこれを聖󠄄物きよきものとなすべし 33 すべこれひとしものつくものすべてこれをほかのひとにつくるものはそのたみうちよりたゝるべし

34 ヱホバ、モーセにいひたまはくなんぢナタフ、シケレテ、へルベナの香物かうもつりその香物かうもつきよ乳󠄃香にうかうまぜあはすべしそのりやうおの〳〵ひとしからしむべきなり 35 なんぢこれをかうつくるべしすなは薫物かをりものつくはふにしたがひてこれをもて薫物かをりものつくしほをこれにくはへ潔󠄄いさぎよかつ聖󠄄きよからしむべし 36 なんぢまたそのいく分󠄃ぶんこまかかてなんぢふところなる集會しふくわい幕屋まくやうちにある律法おきて前󠄃まへにこれをそなふべしこれ汝等なんぢらにおいてもつと聖󠄄きよものなり 37 なんぢつくるところのかう汝等なんぢらそのりやうをもてこれを自己おのれのためにつくるべからずこれなんぢにおいてヱホバのために聖󠄄きよものたるなり
 154㌻ 
38 すべこれひとしものつくりてこれをものはそのたみうちよりたゝるべし

第31章

1 ヱホバ、モーセにつげいひたまひけるは 2 われユダの支派わかれのホルのなるウリのベザレルをざし 3 かみれいをこれにみたして智慧󠄄ちゑ了知さとりしきもろ〳〵たぐひわざたけしめ 4 奇巧たくみつくして金銀きんぎんおよあかゞねさくをなすことをせしめ 5 たま彫刻ほりきざみてもろ〳〵たぐひわざをなすことをせしむ〘118㌻〙 6 われまたダンの支派わかれのアヒサマクのアホリアブをあたへてかれとともならしむすべこゝろあるものわれ智慧󠄄ちゑさづ彼等かれらをしてなんぢめいずる所󠄃ところことこと〴〵くなさしむべし 7 すなは集會しふくわい幕屋まくや律法おきてはこそのうへしよくざい所󠄃しよ幕屋まくやもろ〳〵器具󠄄うつは 8 つくゑならびにその器具󠄄うつは純金じゆんきん燈臺とうだいとそのもろ〳〵器具󠄄うつはおよびかうだん 9 燔祭はんさいだんとそのもろ〳〵器具󠄄うつは洗盤たらひとそのだい 10 供職つとめ衣服󠄃ころも祭司さいしつとめをなすときもちふるアロンの聖󠄄きよきころもおよびその子等こら衣服󠄃ころも 11 およびそゝぎあぶらならびに聖󠄄所󠄃きよきところかうばしきかう是等これらわれすべなんぢめいぜしごとくに彼等かれら製造󠄃つくるべきなり

12 ヱホバ、モーセにつげいひたまひけるは 13 なんぢイスラエルの子孫ひと〴〵つげいふべし汝等なんぢらかならずわが安息日あんそくにちまもるべしこれわれ汝等なんぢらあひだ代々よよしるしにして汝等なんぢらわれ汝等なんぢら聖󠄄きよからしむるヱホバなるをしらしむるためものなればなり 14 すなは汝等なんぢら安息日あんそくにちまもるべしこれ汝等なんぢら聖󠄄きよきなればなりすべこれけがものかならころさるべしすべてその働作はたらきをなすひとはそのたみうちよりたゝるべし 15 六日むいかあひだわざをなすべし第七日なぬかめだい安息あんそくにしてヱホバに聖󠄄きよきなりすべ安息日あんそくにち働作はたらきをなすものかならころさるべし 16 かくイスラエルの子孫ひと〴〵安息日あんそくにちまも代々よよ安息日あんそくにちいはふべしこれ永遠󠄄えいゑん契約けいやくなり
 155㌻ 
17 これ永久とこしなへわれとイスラエルの子孫ひと〴〵あひだしるしたるなりはヱホバ六日むいかうち天地てんちをつくりて七日なぬかやすみて安息あんそくいりたまひたればなり

18 ヱホバ、シナイやまにてモーセにかたることを終󠄃をへたまひしとき律法おきていたまいをモーセにたまこれいしいたにしてかみをもてしるしたまひしものなり

第32章

1 こゝたみモーセがやまくだることのおそきをたみあつまりてアロンのもといたこれいひけるは起󠄃たてなんぢわれらを導󠄃みちびかみ我儕われらのためにつくわれらをエジプトのくにより導󠄃みちびのぼりしかのモーセ其人そのひと如何いかになりしかしれざればなり 2 アロンかれらにいひけるは汝等なんぢらつま息子むすこ息女むすめみゝにあるきんをとりはづしてわれもちきたれと 3 こゝにおいてたみみなそのみゝにあるきんをとりはづしてアロンのもともちきたりければ 4 アロンこれを彼等かれらより鎚鑿のみをもてこれかたち造󠄃つくりてこうしなしたるに人々ひと〴〵ふイスラエルよこれなんぢをエジプトのくにより導󠄃みちびきのぼりしなんぢかみなりと 5 アロンこれをてその前󠄃まへだんきづしかしてアロン宣吿ふれ明日あすはヱホバの祭禮まつりなりと 6 こゝにおいて人衆ひと〴〵あくる朝󠄃あさはや起󠄃おきいでて燔祭はんさいさゝ酬恩祭しうおんさいそなたみしてのみ食󠄃くひ起󠄃たちたはむ
〘119㌻〙
7 ヱホバ、モーセにいひたまひけるはなんぢゆきくだれよなんぢがエジプトのより導󠄃みちびいだせしなんぢたみあしことおこなふなり 8 彼等かれらはやくも彼等かれらめいぜし道󠄃みちはなおのれのためにこうしなしてそれををがそれ犧牲いけにへさゝげてふイスラエルよこれなんぢをエジプトのより導󠄃みちびきのぼりしなんぢかみなりと 9 ヱホバまたモーセにいひたまひけるはわれこのたみたりこれうなじこはたみなり 10 されわれとゞむるなかれわれかれらにむかひていかりはつして彼等かれらほろぼつくさんしかしてなんぢをしておほいなるくにをなさしむべし
 156㌻ 
11 モーセそのかみヱホバのかほなだめていひけるはヱホバよなんぢなどておほいなる權能ちからつよをもてエジプトのくにより導󠄃みちびきいだしたまひしなんぢたみにむかひていかりはつしたまふや 12 なんぞエジプトびとをしてかくいはしむべけんやいはかれわざはひをくだして彼等かれらやまころおもてよりほろぼつくさんとて彼等かれら導󠄃みちびいだせしなりとされなんぢはげしいかりなんぢたみにこのわざはひくださんとせしをおもなほしたまへ 13 なんぢしもべアブラハム、イサク、イスラエルをおもひたまへなんぢ自己みづからさして彼等かれらちかひてわれてんほしのごとくに汝等なんぢら子孫しそん又󠄂またわがいふところのこのをことごとく汝等なんぢら子孫しそんにあたへてながくこれをたもたしめんと彼等かれらいひたまへりと 14 ヱホバこゝにおいてそのたみわざはひくださんとせしをおもなほしたまへり

15 モーセすなはちめぐらしてやまよりくだれりかの律法おきて二枚ふたついたそのにありこれいたはその兩面ふたおも文字もじありすなは此面こなたにも彼面かなたにも文字もじあり 16 このいたかみさくなりまた文字もじかみしよにしていたほりつけてあり 17 ヨシユアたみよばはるこゑきゝてモーセにむかひえいうち戰爭いくさこゑすといひければ 18 モーセこれ勝󠄃鬨かちどきこゑにあらず又󠄂また敗北まけ號呼さけびごゑにもあらずきくところのものはうたうたこゑなりと 19 かくてモーセえい近󠄃ちかづくにおよびてこうし舞跳をどりたればいかりはつしてそのよりかのいたなげうちこれをやましたくだけり 20 しかして彼等かれらつくりしこうしをとりてこれをくだきてとなしてこれをみづきイスラエルの子孫ひと〴〵これをのましむ

21 モーセ、アロンにいひけるはこのたみなんぢなにをなしてかなんぢかれらにおほいなるつみをかさせしや 22 アロンいひけるはわがしゆいかりはつしたまふなかこのたみあくなるはなんぢしるところなり 23 彼等かれらわれにいひけらくわれらを導󠄃みちびかみをわれらのためにつくわれらをエジプトのくにより導󠄃みちびのぼりしかのモーセ其人そのひと如何いかになりしかしれざればなりと
 157㌻ 
24 こゝにおいてわれすべきんをもつものはそれをとりはづせと彼等かれらいひければすなはちそれをわれあたへたりわれこれをなげたればこのこうしいできたれりと
〘120㌻〙
25 モーセたみるに縱肆ほしいまゝことをなすアロン彼等かれらをして縱肆ほしいまゝことをなさしめたれば彼等かれらはそのてきなか嘲笑あざけりとなれるなり 26 こゝにモーセえいもんすべてヱホバにするものわれきたれといひければレビの子孫しそんみなあつまりてかれにいた 27 モーセすなはち彼等かれらいひけるはイスラエルのかみヱホバかくいひたまふ汝等なんぢらおのおのつるぎよこたへてもんよりもんえいうち彼處そこ此處こゝゆきめぐりて各人おの〳〵その兄弟きやうだいころ各人おの〳〵その伴󠄃侶ともころ各人おの〳〵その隣人となりびところすべしと 28 レビの子孫しそんすなはちモーセのことばのごとくになしたればそのたみおよそ三千にんころされたり 29 こゝおいてモーセ汝等なんぢらおのおのそのをもその兄弟きやうだいをも顧󠄃かへりみずして今日こんにちヱホバにさゝしかして今日こんにち福祉さいはひ

30 明日あくるひモーセたみいひけるは汝等なんぢらおほいなるつみをかせりいまわれヱホバのもとのぼりゆかんとすわれなんちらのつみあがなふをることもあらん 31 モーセすなはちヱホバにかへりていひけるは嗚呼あゝこのたみつみおほいなるつみなり彼等かれら自己おのれのためにきんかみつくれり 32 されどかなはゞ彼等かれらつみゆるしたまへしかせずばねがはくはなんぢかきしるしたまへるふみうちよりわがけしさりたまへ 33 ヱホバ、モーセにいひたまひけるはすべてわれにつみをかものをばわれこれをわがふみよりけしさらん 34 されいまゆきたみなんぢにつげたる所󠄃ところ導󠄃みちびけよわが使者つかひなんぢさきだちてゆかたゞしわがばつをなこなふにはわれかれらのつみばつせん 35 ヱホバすなはちたみうちたまへりはかれらこうし造󠄃つくりたるにすなはちアロンこれを造󠄃つくりしなり
 158㌻ 

第33章

1 こゝにヱホバ、モーセにいひたまひけるはなんぢなんぢがエジプトのくにより導󠄃みちびのぼりしたみこゝ起󠄃たちいでてがアブラハム、イサク、ヤコブにちかひてこれなんぢ子孫しそんあたへんといひしそののぼるべし 2 われひとり使つかひ遣󠄃つかはしてなんぢさきだたしめんわれカナンびとアモリびとヘテびとペリジびとヒビびとヱブスびと逐󠄃おひはらひ 3 なんぢらをして乳󠄃ちゝみつながるゝにいたらしむべしわれなんぢうちにをりてはとものぼらじなんぢうなじこはたみなればおそらくはわれ途󠄃みちにてなんぢほろぼすにいたらん 4 たみこのあしつげきゝうれ一人ひとりもその妝飾󠄃かざりにつくるものなし 5 ヱホバ、モーセにいひたまひけるはイスラエルの子孫ひと〴〵汝等なんぢらうなじこはたみなりわれもし一刻いつこくなんぢうちにありてゆかなんぢほろぼすにいたらんされいまなんぢらの妝飾󠄃かざりよりとりすてよしかせばわれなんぢなすべきことをしらんと〘121㌻〙 6 こゝをもてイスラエルの子孫ひと〴〵ホレブやまより以來このかたはその妝飾󠄃かざりとりすてゝをり

7 モーセ幕屋まくやをとりてこれをえいそとはりえいはるかはなれしめこれ集會しふくわい幕屋まくやなづけたりすべてヱホバにもとむることのあるものいでゆきてえいそとなるその集會しふくわい幕屋まくやにいたる 8 モーセのいで幕屋まくやにいたるときにはたみみな起󠄃たちあがりてモーセが幕屋まくやにいるまで各々おの〳〵そのてんまくかどぐちたちてかれを 9 モーセ幕屋まくやにいればくもはしらくだりて幕屋まくやかどぐちしかしてヱホバ、モーセとものいひたまふ 10 たみみな幕屋まくやかどぐちくもはしらつをればたみみな起󠄃たち各人おの〳〵そのてんまくかどぐちにてはいをなす 11 ひとがそのとも言談ものいふごとくにヱホバ、モーセとかほをあはせてものいひたまふモーセはそのてんまくかへりしがそのしもべなる少者わかものヌンのヨシユアは幕屋まくやはなれざりき

12 こゝにモーセ、ヱホバにいひけるはたまへなんぢはこのたみ導󠄃みちびのぼれとわれいひたまひながらたれわれとともに遣󠄃つかはしたまふかをわれにしらしめたまはずなんぢかつていひたまひけらくわがをもてなんぢなんぢはまたわが前󠄃まへめぐみたりと
 159㌻ 
13 されわれもしまことなんぢ前󠄃まへめぐみたらばねがはくはなんぢ道󠄃みちわれしめしてわれなんぢしらしめわれをしてなんぢ前󠄃まへめぐみせしめたまへ又󠄂またなんぢこのたみなんぢものなるをおもひたまへ 14 ヱホバいひたまひけるはわれみづからなんぢともにゆくべしわれなんぢをして安泰やすらかにならしめん 15 モーセ、ヱホバにいひけるはなんぢもしみづからゆきたまはずば我等われらこゝよりのぼらしめたまふなか 16 われなんぢたみとがなんぢ前󠄃まへめぐみることは如何いかにしてるべきやこれなんぢ我等われらとともにゆきたまひてわれなんぢたみとがもろ〳〵たみことなものとなるによるにあらずや

17 ヱホバ、モーセにいひたまひけるはなんぢいへるこのことをもわれなさなんぢはわが前󠄃まへめぐみたればなりわれをもてなんぢしるなり 18 モーセねがはくはなんぢ榮光さかえわれしめしたまへといひければ 19 ヱホバいひたまはくわれわがもろ〳〵ぜんなんぢ前󠄃まへ通󠄃とほらしめヱホバのなんぢ前󠄃まへのべわれめぐまんとするものめぐあはれまんとするものあはれむなり 20 又󠄂またいひたまはくなんぢはわがかほることあたはずわれいくひとあらざればなり 21 しかしてヱホバいひたまひけるはかたはらひとつところありなんぢいはうへたつべし 22 わが榮光さかえ其處そこ過󠄃とほときわれなんぢをいは穴󠄄あなにいれ過󠄃とほときにわがをもてなんぢおほはん 23 しかしてわがのくときなんぢわが背後うしろるべしわがかほるべきにあらず〘122㌻〙

第34章

1 こゝにヱホバ、モーセにいひたまひけるはなんぢいしいたまい前󠄃まへのごとくにきりつくなんぢくだきし前󠄃まへいたにありしことばわれそのいたしるさん 2 詰朝󠄃あしたまでに準備そなへをなし朝󠄃あさうちにシナイやまのぼやまいただきおいわが前󠄃まへ
 160㌻ 
3 たれなんぢとともにのぼるべからず又󠄂またたれやまうちをるべからず又󠄂またそのやま前󠄃まへにてひつじうしふべからず 4 モーセすなはちいしいたまい前󠄃まへのごとくにきり造󠄃つく朝󠄃あさはや起󠄃おきに二まいいしいたをとりヱホバのめいじたまひしごとくにシナイやまにのぼりゆけり 5 ヱホバくもうちにありてくだかれとともに其處そこちてヱホバののべたまふ 6 ヱホバすなはちかれ前󠄃まへ過󠄃すぎのべたまはくヱホバ、ヱホバ憐憫あはれみあり恩惠めぐみありいかることのおそ恩惠めぐみ眞實まことおほいなるかみ 7 恩惠めぐみせんだいまでもほどこあく過󠄃とがつみとをゆるもの又󠄂またばつすべきものをばかならゆるすことをせず父󠄃ちゝつみむくむくいてさんだいにおよぼすもの 8 モーセ急󠄃いそかゞめてはい 9 いひけるはヱホバよわれもしなんぢ前󠄃まへめぐみたらばねがはくはしゆ我等われらうちにいましてゆきたまへこれうなじこはたみなればなり我等われらあくつみゆる我等われらなんぢ所󠄃有もちものとなしたまへ

10 ヱホバいひたまふわれ契約けいやくをなすわれいま全󠄃地ぜんちおこなはれしことあらずいづれ國民くにたみうちにもおこなはれしことあらざるところの奇跡ふしぎなんぢ總躰すべてたみ前󠄃まへおこなふべしなんぢ住󠄃すむところのくにたみみなヱホバの所󠄃行わざなんぢをもてなすところのことおそるべきものなれば 11 なんぢわが今日けふなんぢめいずるところのことまもわれアモリびとカナンびとヘテびとペリジびとヒビびとヱブスびとなんぢ前󠄃まへより逐󠄃おひはらふ 12 なんぢみづからつゝしなんぢゆくところのくに居民たみ契約けいやくをむすぶべからずおそらくはなんぢうちにおいて機檻わなとなることあらん 13 なんぢらかへつて彼等かれら祭壇さいだん崩󠄃くづしその偶像ぐうざうこぼちそのアシラざうきりたふすべし 14 なんぢほかかみをがむべからずはヱホバはその嫉妒ねたみいひ嫉妒ねたむかみなればたり 15 されなんぢその居民たみ契約けいやくむすぶべからずおそらくは彼等かれらがその神々かみ〴〵したひてそれ姦淫かんいんをおこなひその神々かみ〴〵犧牲いけにへをさゝぐるときなんぢまねきてその犧牲いけにへつき食󠄃くらはしむるものあらん
 161㌻ 
16 又󠄂またおそらくはなんぢかれらの女子等むすめらなんぢ息子むすこめあはすことありて彼等かれら女子むすめその神々かみ〴〵したひて姦淫かんいんおこななんぢ息子むすこをして彼等かれら神々かみ〴〵したひ姦淫かんいんをおこなはしむるにいたらん 17 なんぢおのれのために神々かみ〴〵なすべからず

18 なんぢ無酵たねいれぬパンの節筵いはひまもるべしすなはなんぢめいぜしごとくアビブのつきのそのにおよびて七日なぬかあひだ無酵たねいれぬパンを食󠄃くらふべしなんぢアビブのつきにエジプトよりいでたればなり〘123㌻〙 19 首出うひごたるものみなわれ所󠄃有もちものなりまたなんぢ家畜かちく首出うひごをすたるものうしひつじともにみなしかり 20 たゞ驢馬ろば首出うひご羔羊こひつじをもてあがなふべしあがなはずばそのくびをるべしなんぢ息子むすこうち初子うひごみなあがなふべしわが前󠄃まへ空󠄃手むなしでにていづるものあるべからず

21 六日むいかあひだなんぢ働作はたらきをなし第七日なぬかめやすむべし耕耘たがへしどきにも收穫かりいれどきにもやすむべし 22 なんぢなゝ週󠄃まはり節筵いはひすなはち麥秋むぎかりはつ節筵いはひ又󠄂またとし終󠄃をはり收藏とりいれ節󠄄筵いはひをなすべし 23 とし三回みたびなんぢ男子をのこみなしゆヱホバ、イスラエルのかみ前󠄃まへいづべし 24 われ國々くに〴〵たみなんぢ前󠄃まへより逐󠄃おひはらひてなんぢさかひひろくせんなんぢとし三回みたびのぼりてなんぢかみヱホバのまへにいづときにはたれなんぢくにとらんとするものあらじ

25 なんぢわが犧牲いけにへ有酵たねいれしパンとともにそなふべからず又󠄂また逾越すぎこしいはひ犧牲いけにへあくる朝󠄃あさまでのこしおくべからざるなり 26 なんぢ土地とちはつはつなんぢかみヱホバのいへたづさふべしなんぢ山羊羔こやぎをそのはゝ乳󠄃ちゝにてにるべからず

27 かくてヱホバ、モーセにいひたまひけるはなんぢ是等これら言語ことばかきしるせわれ是等これら言語ことばをもてなんぢおよびイスラエルと契約けいやくをむすべばなり
 162㌻ 
28 かれはヱホバとともに四十にち四十其處そこをりしが食󠄃物くひものをも食󠄃くはみづをものまざりきヱホバその契約けいやくことばなる十誡じつかいをかのいたうへしるしたまへり

29 モーセその律法おきていたまいおのれとりてシナイやまよりくだりしがそのやまよりくだりしときにモーセはそのかほおのれがヱホバとものいひしによりてひかりはなつをしらざりき 30 アロンおよびイスラエルの子孫ひと〴〵モーセをてそのかほかはひかりはなつをおそれてかれ近󠄃ちかづかざりしかば 31 モーセかれらをよべりアロンおよび會衆くわいしうかしらたちすなはちモーセの所󠄃ところかへりたればモーセ彼等かれらものい 32 かくありてのちイスラエルの子孫ひと〴〵みな近󠄃ちかよりければモーセ、ヱホバがシナイやまにておのれつげたまひし事等ことどもこと〴〵くこれにさとせり 33 モーセかれらとものいふことを終󠄃をへ覆面帕かほおほひをそのかほにあてたり 34 たゞしモーセはヱホバの前󠄃まへにいりてともにかたることあるときはそのいづるまで覆面帕かほおほひのぞきてをりまたいできたりてそのめいぜられしことをイスラエルの子孫ひと〴〵 35 イスラエルの子孫ひと〴〵モーセのかほるにモーセのかほかはひかりはなつモーセはいりてヱホバとものいふまでまたその覆面帕かほおほひかほにあてをる〘124㌻〙

第35章

1 モーセ、イスラエルの子孫ひと〴〵會衆くわいしうこと〴〵あつめてこれにこれはヱホバがせとめいじたまへることばなり 2 すなは六日むいかあひだ働作はたらきなすべし第七日なぬかめ汝等なんぢら聖󠄄せいじつヱホバのだい安息あんそくにちなりすべてこの働作はたらきをなすものころさるべし 3 安息日あんそくにちには汝等なんぢら一切すべて住󠄃處すみかをたくべからず

4 モーセ、イスラエルの子孫ひと〴〵會衆くわいしうあまねつげこれはヱホバのめいじたまへるところのことなり 5 いは汝等なんぢらもてものうちより汝等なんぢらヱホバにさゝぐるものとるべしすべこゝろよりねがものそれたづさへきたりてヱホバにさゝぐべしすなはきん ぎん あかゞね
 163㌻ 
6 あを むらさき くれなゐいと 麻󠄃あさいと 山羊やぎ 7 あかぞめ牡羊をひつじかは まみかは 合歡木ねむのき 8 ともしびあぶら そゝぎあぶらかうばしきかうをつくる香物かうもつ 9 葱珩そうかう エポデとむねあてはむたま

10 すべ汝等なんぢらうちこゝろ智慧󠄄ちゑあるものきたりてヱホバのめいじたまひしものこと〴〵造󠄃つくるべし 11 すなは幕屋まくやそのてんまくその頂蓋おひそのかぎそのいたそのよこそのはしらその 12 かのはことそのさを しよくざい所󠄃しよ 障蔽へだてまく 13 案子つくゑとそのさをおよびそのもろ〳〵器具󠄄うつは供前󠄃そなへのパン 14 燈明とうみやうだいその器具󠄄うつはとそのさらおよび燈火ともしびあぶら 15 かうだんとそのさを そゝぎあぶら かうばしきかう 幕屋まくやいりくちとばり 16 燔祭はんさいだんおよびそのあかゞねあみそのさをそのもろ〳〵器具󠄄うつは洗盤たらひとそのだい 17 にはまくそのはしらそのにはくちとばり 18 幕屋まくやくぎにはくぎおよびそのひも 19 聖󠄄所󠄃きよきところにてつとめをなすところの供職つとめころもすなは祭司さいしつとめをなすときもちふるものなる祭司さいしアロンの聖󠄄きよきころもおよびその子等こら衣服󠄃ころも

20 かくてイスラエルの子孫ひと〴〵會衆くわいしうみなモーセの前󠄃まへはなれてさりしが 21 すべこゝろかんじたるものすべこゝろよりねがものきたりてヱホバへの献納󠄃さゝげものたづさへいたり集會しふくわい幕屋まくやとそのもろ〳〵ようそな又󠄂また聖󠄄きよきころものためにそなへたり 22 すなはすべこゝろよりねがものをとこをんなともに環釦わどめ みゝ 指環ゆびわ 頸玉くびたま もろ〳〵きんものたづさへいたれり又󠄂またすべきん献納󠄃さゝげものをヱホバにものしかせり 23 すべあを むらさき くれなゐいとおよび麻󠄃あさいと 山羊やぎ あかぞめ牡羊をひつじかは まみかはあるものこれたづさへいたり 24 すべしろがねおよびあかゞね献納󠄃さゝげものをなすものはこれをたづさへきたりてヱホバにさゝ又󠄂またもの造󠄃つくるにもちふべき合歡木ねむのきあるものそれたづさへいたれり 25 またすべこゝろ智慧󠄄ちゑある婦󠄃女等をんなどもはそのをもてつむぐことをなしそのつむぎたるものなるあを むらさき くれなゐいとおよび麻󠄃あさいとたづさへきたり 26 すべ智慧󠄄ちゑありてこゝろかんじたる婦󠄃人をんな山羊やぎつむげり 27 又󠄂またかしらたるものどもは葱珩そうかうおよびエポデとむねあてはむべきたまたづさへいたり 28 燈火ともしびそゝぎあぶらかうばしきかうとにもちふる香物かうもつあぶらたづさへいたれり〘125㌻〙 29 かくイスラエルの子孫ひと〴〵よろんでヱホバに獻納󠄃さゝげものをなせりすなはちヱホバがモーセによりせとめいじたまひしもろ〳〵工事わざをなさしむるためにものたづさへきたらんとこゝろよりねがふところのをとこをんなみなかくのごとくになしたり

 164㌻ 
30 モーセ、イスラエルの子孫ひと〴〵よヱホバ、ユダの支派わかれのホルのなるウリのベザレルをざしめしたまひ 31 かみれいをこれにみたして智慧󠄄ちゑ了知さとり知識ちしきもろ〳〵たぐひ工事わざたけしめ 32 奇巧たくみつくして金銀きんぎんおよびあかゞねさくをなすことをせしめ 33 たま彫刻ほりきざみてもろ〳〵たぐひわざをなすことをせしめ 34 かれこゝろあきらかにしてをしふることをせしめたまふかれとダンの支派わかれのアヒサマクのアホリアブともしか 35 かく智慧󠄄ちゑこゝろ彼等かれらみたしてもろ〳〵たぐひ工事わざをなすことをせしめたまふすなは彫刻ほりもの文織あやおりおよびあを むらさき くれなゐいと麻󠄃あさいと刺繍ぬひとりならび機織はたおりなどすべもろ〳〵たぐひわざをなすことをせしめ奇巧たくみをこれにつくさしめたまふなり

第36章

1 さてベザレルとアホリアブおよびすべこゝろ頴敏かしこひとすなはちヱホバが智慧󠄄ちゑ了知さとりをあたへて聖󠄄所󠄃きよきところようそなふるところのもろ〳〵わざをなすことをしりせしめたまへる者等ものどもはヱホバのすべめいじたまひしごとくにことをなすべかりし

2 モーセすなはちベザレルとアホリアブおよびすべこゝろ頴敏かしこひとすなはちそのこゝろにヱホバが智慧󠄄ちゑをさづけたまひしものおほよきたりてそのわざをなさんとこゝろ望󠄇のぞむところのものめしよせたり 3 彼等かれら聖󠄄所󠄃きよきところようにそなふるところの工事わざをなさしむるためにイスラエルの子孫ひと〴〵たづさへきたりしもろ〳〵献納󠄃さゝげものをモーセのよりうけとりしがたみなほまた朝󠄃あさごとに自意󠄃こゝろから献納󠄃さゝげものをモーセにもちきたる 4 こゝおい聖󠄄所󠄃きよきところもろ〳〵わざをなすところのかしこ人等ひとたちみな各々おの〳〵そのなすところのわざをやめてきた 5 モーセにつげいひけるはたみあまりにおほもちきたればヱホバがせとめいじたまひし工事わざをなすにもちふるにあまりありと
 165㌻ 
6 モーセすなはちめいつたへてえいちう宣布ふれしめていはをとこをんなともにいまよりは聖󠄄所󠄃きよきところ獻納󠄃さゝげものをなすにおよばずとこゝをもてたみたづさへきたることをやめたり 7 はそのあるところのものすでに一切すべてわざをなすにたりかつあまりあればなり

8 さて彼等かれらうちこゝろ智慧󠄄ちゑありてそのわざなせるところのものとをまくをもて幕屋まくや造󠄃つくれりそのまく麻󠄃あさ撚糸よりいとあを むらさき くれなゐいとをもてたくみにケルビムをおりなしてつくれるものなり 9 そのまく各々おの〳〵ながさ二十八キユビトそのまくおの〳〵はゞ四キユビトそのまくはみな寸尺すんしやくひとつなり〘126㌻〙 10 しかしてそのまく五箇いつゝたがひつらねあはせ又󠄂またそのまく五箇いつつをたがひにつらねあはせ 11 一聯ひとつらねまくふちにおいてその連絡處あはせどころはしあをいろ造󠄃つく又󠄂またほか一聯ひとつらねまくふちにおいてその連絡處あはせどころにこれを造󠄃つくれり 12 一聯ひとつらねまく五十をつくりまたほか一聯ひとつらねまく連絡處あはせどころふちにも五十をつくれりそのかれこれ相對あひたひ 13 しかしてきんかぎ五十をつくりそのかぎをもてそのまくかれこれあひつらねたれば一箇ひとつ幕屋まくやとなる

14 又󠄂また山羊やぎをもてまくをつくりて幕屋まくやうへてんまくとなせりその造󠄃つくれるまくは十一なり 15 そのまく各々おの〳〵ながさ三十キユビトそのまくはおのおのはゞ四キユビトにして十一のまく寸尺すんしやく同一ひとつなり 16 そのまくいつゝ一幅ひとつつらねまたそのまくむつ一幅ひとつつら 17 そのまくふちにおいて連絡處あはせどころ五十をつくり又󠄂またつぎ一連ひとつらまくふちにも五十をつくれり 18 又󠄂またあかゞねかぎ五十をつくりてそのてんまくをつらねあはせてひとつとならしめ 19 あかぞめ牡羊をひつじかはをもてそのてんまく頂蓋おひをつくりてそのうへまみかはおひまうけたり

20 又󠄂また合歡木ねむのきをもて幕屋まくやたていたをつくれり 21 いたながさは十キユビトいたはゞは一キユビト半󠄃はん 22 ひとついたふたつほぞありてかれこれ交指くひあ幕屋まくやいたにはみなかくのごとく造󠄃つくりなせり 23 又󠄂また幕屋まくやのためにいたつくれりすなはみなみおいてみなみかたいた二十まい 24 その二十まいいたしたぎん四十をつくれりすなはこのいたしたにもふたつありてそのふたつほぞかのいたしたにもふたつありてそのふたつほぞ
 166㌻ 
25 幕屋まくやほかかたすなはちそのきたかたのためにもいた二十まいつく 26 又󠄂またそのぎん四十をつくれりすなはこのいたしたにもふたつありかのいたしたにもふたつあり 27 又󠄂また幕屋まくや後面うしろすなはちその西にしのためにいたまいをつくり 28 幕屋まくやうしろふたすみのためにいたまいづゝをつくれり 29 その二まいしたにてあひがつしそのいたゞきまでひとつつらなれり一箇ひとつおいしかりその二まいともにかくのごとし是等これらふたすみのためにまうけたるものなり 30 そのいたは八まいありそのぎん十六あり各々おの〳〵いたしたふたつあり

31 又󠄂また合歡木ねむのきをもてよこつくれりすなは幕屋まくや此方こなたいたのために五本いつゝまう 32 幕屋まくや彼方かなたいたのためによこ五本いつゝまう幕屋まくやうしろすなはちその西にしいたのためによこ五本いつゝまうけたり 33 又󠄂また中間なかよこをつくりていた眞中たゞなかにおいてはしよりはしまで通󠄃とほらしめ 34 しかしてそのいたきんきんをもてこれがためにをつくりてよこをこれにつらぬ又󠄂またそのよこきんきせたり
〘127㌻〙
35 又󠄂またあを むらさき くれなゐいとおよび麻󠄃あさ撚絲よりいとをもてまくをつくりたくみにケルビムをそのうへおりいだし 36 それがために合歡木ねむのきをもて四ほんはしらをつくりてこれにきんせたりそのかぎきんなり又󠄂またぎんをもてこれがためによつたり 37 又󠄂またあを むらさき くれなゐいとおよび麻󠄃あさ撚絲よりいとをもて幕屋まくやいりくちかくとばりおりなし 38 その五本いつゝはしらとそのかぎとを造󠄃つくりそのはしらかしらけたきんせたりたゞしそのいつゝあかゞねなりき

第37章

1 ベザレル合歡木ねむのきをもてはこをつくれりそのながさは二キユビト半󠄃はんそのはゞは一キユビト半󠄃はん、そのたかさは一キユビト半󠄃はん 2 しかして純金じゆんきんをもてその內外うちそとおほひてそのうへ周󠄃圍まはりきんふち造󠄃つくれり 3 又󠄂またきん四箇よつてそのよつあしにつけたりすなは此旁こなた二箇ふたつ彼旁かなた二箇ふたつ 4 又󠄂また合歡木ねむのきをもてさをつくりてこれにきん
 167㌻ 
5 そのさをはこかたはらにさしいれてこれをもてはこをかくべからしむ 6 又󠄂また純金じゆんきんをもてしよくざい所󠄃しよ造󠄃つくれりそのながさは二キユビト半󠄃はんそのはゞは一キユビト半󠄃はんなり 7 又󠄂またきんをもて二箇ふたつのケルビムをつくれりすなはつちにてうちこれしよくざい所󠄃しよりやうはうつく 8 一箇ひとつのケルブを此方こなたはし一箇ひとつのケルブを彼方かなたはしおけすなはしよくざい所󠄃しよりやうはうにケルビムをつくれり 9 ケルビムはつばさたかそのつばさをもてしよくざい所󠄃しよおほそのかほをたがひにあひすなはちケルビムのかほしよくざい所󠄃しよむか

10 又󠄂また合歡木ねむのきをもてつくゑつくれりそのながさは二キユビトそのはゞは一キユビトそのたかさは一キユビト半󠄃はん 11 しか純金じゆんきんこれその周󠄃圍まはりきんふちをつけ 12 又󠄂またその四圍まはり掌寛てはゞふちつくそのふち周󠄃圍まはりきんぶちつくれり 13 しかしこれためきん四箇よつそのあしすみそのつけたり 14 すなはふちそばありつくゑさをいるところなり 15 しかし合歡木ねむのきをもてつくゑさをつくりてこれきんせたり 16 又󠄂またつくゑうへ器具󠄄うつはすなはさらさじしやくおよさけそゝさかづき純金じゆんきんにてつくれり

17 又󠄂また純金じゆんきんをもて一箇ひとつ燈臺とうだい造󠄃つくれりすなはつちをもてうちその燈臺とうだいつくれりそのだいじくうてなふしおよはなそれつらな 18 むつえだそのかたはらよりすなは燈臺とうだいみつえだこのかたはらより燈臺とうだいみつえだかのかたはらより 19 巴旦杏はたんきやうはなかたちせるみつうてなふしおよびはなとともにこのえだにあり又󠄂また巴旦杏はたんきやうはなかたちせるみつうてなふしおよびはなとともにかのえだにあり燈臺とうだいよりいづむつえだみなかくのごとし 20 巴旦杏はたんきやうはなかたちせるよつうてなそのふしおよびはなとともに燈臺とうだいにあり〘128㌻〙 21 兩箇ふたつえだした一箇ひとつふしあり又󠄂また兩箇ふたつえだした一箇ひとつふしあり又󠄂また兩箇ふたつえだした一箇ひとつふしあり燈臺とうだいよりいづむつえだみなかくのごとし 22 そのふしえだとはそれつらなれりみなつちにてうち純金じゆんきんをもて造󠄃つくれり 23 又󠄂また純金じゆんきんをもて七箇なゝつ燈盞ともしびざら燈鉗しんかき剪燈しんとりざら造󠄃つくれり 24 燈臺とうだいとそのすべて器具󠄄うつは純金じゆんきん一タラントをもてつくれり

25 又󠄂また合歡木ねむのきをもてかうだん造󠄃つくれりそのながさ一キユビトそのはゞ一キユビトにして四かくなりそのたかさは二キユビトにしてそのつのそれより
 168㌻ 
26 そのうへその四旁しはうそのつのともに純金じゆんきんせその周󠄃圍まはりきんふちつくれり 27 又󠄂またその兩面りやうめんきんふちしたきん二箇ふたつをこれがためにつくれりすなはちそのりやうはうにこれをつくこれすなはちこれかくところのさをつらぬくところなり 28 又󠄂また合歡木ねむのきをもてそのさををつくりてこれきんせたり 29 又󠄂また薫物かをりものをつくるはふにしたがひて聖󠄄きよき灌膏そゝぎあぶら香物かうもつきよかうとをつくれり

第38章

1 又󠄂また合歡木ねむのきをもて燔祭はんさいだんきづけりそのながさは五キユビトそのはゞは五キユビトにして四角しかくそのたかさは三キユビト 2 しかしてそのすみうへそれつのつくりてそのつのそれよりいでしめそのだんにはあかゞねせたり 3 又󠄂またそのだんもろ〳〵器具󠄄うつはすなはちつぼ火鏟じふのうはち肉叉にくさしざらつくれりだんうつははみなあかゞねにて造󠄃つく 4 又󠄂まただんのためにあかゞねあみをつくりこれをだんなかほどふちしたゑてだん半󠄃なかば達󠄃たつせしめ 5 そのあかゞねあみすみ四箇よつさをつらぬところとなし 6 合歡木ねむのきをもてそのさををつくりてこれあかゞね 7 だんりやうはうにそのさををつらぬきてこれかくべからしむそのだんいたをもてこれを空󠄃うつろにつくれり

8 またあかゞねをもて洗盤たらひをつくりそのだいをもあかゞねにすすなは集會しふくわい幕屋まくやかどにて役事つとめをなすところの婦󠄃人等をんなたちかゞみをもてこれつくれり

9 又󠄂またにはつくれりみなみおいてはにはみなみかたに百キユビトの細布ほそぬのまくまう 10 そのはしらは二十そのは二十にしてともあかゞねなりそのはしらかぎおよびけたぎんなり 11 きたかたには百キユビトのまくまうくそのはしらは二十そのは二十にしてともあかゞねなりそのはしらかぎけたぎんなり 12 西にしかたには五十キユビトのまくまうくそのはしらとをそのとをそのはしらかぎけたぎんなり 13 ひがしにおいてはひがしかたに五十キユビトのまくまう 14 しかしてこの一旁いつぱうに十五キユビトのまくまうくそのはしらみつそのみつ
 169㌻ 
15 又󠄂またかの一旁いつぱうにも十五キユビトのまくまうくそのはしらみつそのみつすなはにはもん此旁こなた彼旁かなたともにしか 16 には周󠄃圍まはりまくはみな細布ほそぬのなり〘129㌻〙 17 はしらあかゞねはしらかぎけたぎんはしらかしらつゝみぎんなりにははしらはみなぎんけたにてつらな 18 にはもんとばりあを むらさき くれなゐいとおよび麻󠄃あさ撚絲よりいとをもておりなしたるものなりそのながさは二十キユビトそのはゞにおけるたかさは五キユビトにしてにはまくひと 19 そのはしらよつそのよつにしてともあかゞねそのかぎぎんそのかしらつゝみけたぎんなり 20 幕屋まくやおよびその周󠄃圍まはりにはくぎはみなあかゞねなり

21 幕屋まくやにつけるものすなはち律法おきて幕屋まくやにつけるものはかるにのごとし祭司さいしアロンのイタマル、モーセのめいにしたがひてレビびと率󠄃ひきもちひてこれをはかれるなり 22 ユダの支派わかれのホルのなるウリのベザレルすべてヱホバのモーセにめいじたまひし事等ことどもをなせり 23 ダンの支派わかれのアヒサマクのアホリアブかれとともにありて雕刻ほりもの織文おりものをなしあを むらさき くれなゐいとおよび麻󠄃あさいとをもて文繍ぬひとりをなせり

24 聖󠄄所󠄃きよきところもろ〳〵工作わざをなすにもちひたるきん聖󠄄所󠄃きよきところのシケルにしたがひていへ都合あはせて二十九タラント七百三十シケルなりこれすなはち献納󠄃さゝげたるところのきんなり 25 會衆くわいしううち核數かぞへられしものさゝげしぎん聖󠄄所󠄃きよきところのシケルにしたがひていへば百タラント千七百七十五シケルなり 26 すべかぞへらるゝものうちいりものすなはち二十さい以上いじやうもの六十まん三千五百五十にんありたれば聖󠄄所󠄃きよきところのシケルにしたがひていへ一人ひとりに一ベカとなるこれすなはち半󠄃はんシケルなり 27 百タラントのぎんをもて聖󠄄所󠄃きよきところまくたり百タラントをもて百をつくれば一すなはち一タラントなり 28 又󠄂また千七百七十五シケルをもてはしらかぎをつくりはしらかしらつゝ又󠄂またはしらつらねあはせたり 29 又󠄂また獻納󠄃さゝげたるところのあかゞねは七十タラント二千四百シケルなり 30 これをもちひて集會しふくわい幕屋まくやかどをつくりあかゞねだんとそのあかゞねあみおよびだんすべて器具󠄄うつはをつくり
 170㌻ 
31 には周󠄃圍まはりにはもんおよび幕屋まくやすべてくぎには周󠄃圍まはりすべてくぎつくれり

第39章

1 あを むらさき くれなゐいとをもて聖󠄄所󠄃きよきところにてつとめをなすところの供職つとめ衣服󠄃ころもつくまたアロンのために聖󠄄きよきころもつくりヱホバのモーセにめいじたまひしごとくせり

2 又󠄂またきんあを むらさき くれなゐいとおよび麻󠄃あさ撚絲よりいとをもてエポデをつく 3 きんうすいたうちきりいととなしこれをあを むらさき くれなゐいとおよび麻󠄃あさいとまじへてこれをおりなし 4 又󠄂またこれがためにかたあてをつくりてこれつらねそのふたつはしにおいてこれつら 5 エポデのうへにありてこれつがぬるところのおびはそのものおなじうしてそれつくりのごとしすなはきんあを むらさき くれなゐいとおよび麻󠄃あさ撚絲よりいとをもてつくれものなりヱホバのモーセにめいじたまひしごとくなり
〘130㌻〙
6 又󠄂また葱珩そうかうすりかねふちいんほるがごとくにイスラエルの子等こらをこれにえりつけ 7 これをエポデのかたあてうへにつけてイスラエルの子孫ひと〴〵記念おぼえたまとならしむヱホバのモーセにめいじたまひしごとし

8 またむねあてたくみおりなしエポデのつくりのごとくにきん あを むらさき くれなゐいとおよび麻󠄃あさ撚絲よりいとをもてこれをつくれり 9 むねあてかくにしてこれ二重ふたへにつくりたれば二重ふたへにしてそのたけ半󠄃はんキユビトそのはゞ半󠄃はんキユビトなり 10 そのなかたま四行よならびすなはあかだま 黄玉きのたま 瑪瑙めのう一行ひとならびだいぎやうとす 11 だいぎやうくれなゐのたま 靑玉あをだま 金剛石こんごうせき 12 だいぎやうふかきくれなゐのたま しろ瑪瑙めのう むらさきのたま 13 だいぎやう黄緑きみどりのたま 葱珩そうかう 碧玉みどりのたま すべきんふちなかにこれをはめたり 14 そのたまはイスラエルの子等こらにしたがひそののごとくにこれを十二になししかしていんほるがごとくにその十二の支派わかれおの〳〵をこれにえりつけたり 15 又󠄂また純金じゆんきんひものごとくにくみたるくさりむねあてうへにつけたり 16 又󠄂またきんをもて二箇ふたつふちをつくりふたつきんをつくりそのふたつむねあてふたつはしにつけ 17 かのきんひも二條ふたすぢむねあてはし二箇ふたつにつけたり 18 しかしてその二條ふたすぢひもふたつはし二箇ふたつふちひエポデのかたあてうへにつけてその前󠄃まへにあらしむ
 171㌻ 
19 又󠄂また二箇ふたつきんをつくりてこれむねあてふたつはしにつけたりすなはちそのエポデにむかふところのうちふちにこれを 20 またきん二箇ふたつ造󠄃つくりてこれをエポデのりやうはうしたかたにつけてその前󠄃まへかたにてその聯接つらなれところむかひてエポデのおびうへにあらしむ 21 むねあてあをひもをもてそのによりてこれをエポデのゆひつけエポデのおびうへにあらしめむねあてをしてエポデをはなるゝことなからしむヱホバのモーセにめいじたまひしごとし

22 又󠄂またエポデにぞくする明衣うはぎすべてこれをあをおりなせり 23 上衣うはぎあなはその眞中まんなかにありてよろひ領盤えりまはりのごとしそのあな周󠄃圍まはりへりありてほころびざらしむ 24 しかして明衣うはぎすそあを むらさき くれなゐ撚絲よりいとをもて石榴ざくろつくりつけ 25 又󠄂また純金じゆんきんをもてすゞをつくりそのすゞ明衣うはぎすそ石榴ざくろあひだにつけ周󠄃圍まはりにおいて石榴ざくろ間々あひだ〳〵にこれをつけたり 26 すなはすゞ石榴ざくろすゞ石榴ざくろ供職つとめ明衣うはぎすそ周󠄃圍まはりにつけたりヱホバのモーセにめいじたまひしごとし

27 又󠄂またアロンとその子等こらのためにおりぬのをもて裏衣したぎつく 28 細布ほそぬのをもてかしらづゝみつく細布ほそぬのをもてうるはしききんをつくり麻󠄃あさ撚絲よりいとをもてもゝひきをつくり〘131㌻〙 29 麻󠄃あさ撚絲よりいとおよびあを むらさき くれなゐいとをもておびおりなせりヱホバのモーセにめいじたまひしごとし

30 又󠄂また純金じゆんきんをもて聖󠄄きよきかんむり前󠄃まへいたをつくりいんほるがごとくにそのうへにヱホバに聖󠄄きよしといふ文字もじかきつけ 31 これあをひもをつけてこれかしらづゝみうへゆひつけたりヱホバのモーセにめいじたまひしごと

32 かく集合しふくわいてんまくなる幕屋まくやもろ〳〵工事わざなりぬイスラエルの子孫ひと〴〵ヱホバのすべてモーセにめいじたまひしごとくになしかくおこなへり 33 人衆ひと〴〵幕屋まくやてんまくとそのもろ〳〵器具󠄄うつはをモーセのもとたづさへいたるすなはちそのかぎそのいたそのよこそのはしらその
 172㌻ 
34 あかぞめ牡羊をひつじかはおひまみかはおひ障蔽へだてまく 35 律法おきてはことそのさをしよくざい所󠄃しよ 36 つくゑとそのもろ〳〵器具󠄄うつは供前󠄃そなへのパン 37 純金じゆんきん燈臺とうだいとそのさらすなはち陳列ならぶ燈盞ともしびざらとそのもろ〳〵器具󠄄うつはならびにその燈火ともしびあぶら 38 きんだん そゝぎ あぶら かう幕屋まくやかど幔子とばり 39 あかゞねだんそのあかゞねあみとそのさをおよびそのもろ〳〵器具󠄄うつは 洗盤たらひとそのだい 40 にはまくそのはしらとそのにはもん幔子とばり そのひもとそのくぎならびに幕屋まくやもちふるもろ〳〵器具󠄄うつは 集會しふくわいてんまくのためにもちふるもの 41 聖󠄄所󠄃きよきところにてつとめをなすところの供職つとめ衣服󠄃ころも すなは祭司さいしつとめをなすときもちふるものなる祭司さいしアロンの聖󠄄きよきころもおよびその子等こら衣服󠄃ころも 42 かくヱホバのすべてモーセにめいじたまひしごとくにイスラエルの子孫ひと〴〵そのもろ〳〵工事わざをなせり 43 モーセその一切すべて工作わざるにヱホバのめいじたまひしごとくに造󠄃つくりてありすなはかくのごとくにつくりてあればモーセ人衆ひと〴〵しゆくせり

第40章

1 こゝにヱホバ、モーセにつげいひたまひけるは 2 しやうぐわつぐわんじつなんぢ集會しふくわいてんまく幕屋まくやたつべし 3 しかしてなんぢそのうち律法おきてはこまくをもてそのはこへだてかく 4 又󠄂またつくゑたづさへいりそなへつけものそなへかつ燈臺とうだいたづさへいりてその燈盞ともしびざらうべし 5 なんぢまたきんかうだん律法おきてはこ前󠄃まへ幔子とばり幕屋まくやかど 6 燔祭はんさいだん集會しふくわいてんまく幕屋まくやかど前󠄃まへ 7 洗盤たらひ集會しふくわいてんまくとそのだんあひだゑてこれみづをいれ 8 には周󠄃圍まはり藩籬かこひをたてにはもん幔子とばり 9 しかしてそゝぎあぶらをとりて幕屋まくやとそのうち一切すべてものそゝぎてそれとそのもろ〳〵器具󠄄うつは聖󠄄別きよむべしこれ聖󠄄物きよきものとならん 10 なんぢまた燔祭はんさいだんとその一切すべて器具󠄄うつはあぶらをそゝぎてそのだん聖󠄄別きよむべしだん至聖󠄄物いときよきものとならん 11 又󠄂また洗盤たらひとそのだいあぶらをそゝぎてこれ聖󠄄別きよ 12 アロンとその子等こら集會しふくわい幕屋まくやかどにつれきたりてみづをもて彼等かれらあら〘132㌻〙 13 アロンに聖󠄄きよきころもかれあぶらをそゝぎてこれを聖󠄄別きよかれをして祭司さいしつとめわれになさしむべし 14 又󠄂またかれの子等こらをつれきたりてこれ明衣うはぎ 15 その父󠄃ちゝになせるごとくにこれあぶらそゝぎて祭司さいしつとめわれになさしむべし彼等かれらあぶらそゝがれて祭司さいしたることは代々よゝかはらざるべきなり
 173㌻ 
16 モーセかくおこなへりすなはちヱホバのおのれめいじたまひしごとくになしたり

17 だいねんしやうぐわつにいたりてそのつきぐわんじつ幕屋まくやたち 18 すなはちモーセ幕屋まくやてそのゑそのいたをたてそのよこをさしこみそのはしら 19 幕屋まくやうへてんまくてんまくおひをそのうへにほどこせりヱホバのモーセにめいたまひしごと 20 しかしてかれ律法おきてをとりてはこをささをはこにつけしよくざい所󠄃しよはこうへ 21 はこ幕屋まくやたづさへいり障蔽へだてまくたれ律法おきてはこかくせりヱホバのモーセにめいじたまひしごとし 22 かれまた集會しふくわい幕屋まくやにおいて幕屋まくやきたかたにてかのまくそとつくゑ 23 供前󠄃そなへのパンをそのうへにヱホバの前󠄃まへそなへつけたりヱホバのモーセにめいじたまひしごと 24 又󠄂また集會しふくわい幕屋まくやにおいて幕屋まくやみなみかた燈臺とうだいをおきてつくゑにむかはしめ 25 燈盞ともしびざらをヱホバの前󠄃まへにかゝげたりヱホバのモーセにめいじたまひしごとし 26 又󠄂また集會しふくわい幕屋まくやにおいてかのまく前󠄃まへきんだん 27 そのうへかうばしきかうたけりヱホバのモーセにめいじたまひしごとし 28 又󠄂また幕屋まくやかど幔子とばり 29 集會しふくわいてんまく幕屋まくやかど燔祭はんさいだんゑそのうへ燔祭はんさい素祭そさいをさゝげたりヱホバのモーセにめいじたまひしごと 30 又󠄂また集會しふくわいてんまくとそのだんあひだ洗盤たらひをおきそれみづをいれてあらふことのためにす 31 モーセ、アロンおよびその子等こらそれにつきてあしあら 32 すなは集會しふくわい幕屋まくやときまたはだん近󠄃ちかづくときあらふことをせりヱホバのモーセにめいじたましごとし 33 また幕屋まくやだん周󠄃圍まはりには藩籬かこひをたてにはもん幔子とばりたれかくモーセその工事わざをへたり

34 かくくも集會しふくわいてんまくおほひてヱホバの榮光えいくわう幕屋まくやみちたり 35 モーセは集會しふくわい幕屋まくやにいることをざりきこれくもそのうへとゞまかつヱホバの榮光えいくわう幕屋まくやみちたればなり
 174㌻ 
36 くも幕屋まくやうへよりのぼときにはイスラエルの子孫ひと〴〵途󠄃みち進󠄃すゝめりその途󠄃々みち〳〵すべしか 37 されくものぼらざるときにはそののぼまで途󠄃みち進󠄃すゝむことをせざりき 38 すなはひる幕屋まくやうへにヱホバのくもありよるはそのうちありイスラエルのいへものみなこれをるその途󠄃々みち〳〵すべてしか〘133㌻〙
 175㌻