〘94㌻〙
第1章
1 イスラエルの子等のエジプトに至りし者の名は左のごとし衆人各その家族をたづさへてヤコブとともに至れり
2 すなはちルベン、シメオン、レビ、ユダ、
3 イツサカル、ゼブルン、ベニヤミン、
4 ダン、ナフタリ、ガド、アセルなり
5 ヤコブの腰より出たる者は都合七十人ヨセフはすでにエジプトにありき
6 ヨセフとその諸の兄弟および當世の人みな死たり
7 イスラエルの子孫饒く子を生み彌增殖え甚だしく大に强くなりて國に滿るにいたれり
8 茲にヨセフの事をしらざる新き王エジプトに起󠄃りしが
9 彼その民にいひけるは視よ此民イスラエルの子孫われらよりも多く且强し
10 來れわれら機巧く彼等に事をなさん恐くは彼等多ならん又󠄂戰爭の起󠄃ることある時は彼等敵にくみして我等と戰ひ遂󠄅に國よりいでさらんと
11 すなはち督者をかれらの上に立て彼らに重荷をおはせて之を苦む彼等パロのために府庫の邑ピトムとラメセスを建たり
12 然るにイスラエルの子孫は苦むるに隨ひて增し殖たれば皆これを懼れたり
13 エジプト人イスラエルの子孫を嚴く動作かしめ
14 辛き力役をもて彼等をして苦みて生を度らしむ即ち和泥、作甎および田圃の諸の工にはたらかしめけるが其働かしめし工作は皆嚴かりき
15 エジプトの王又󠄂ヘブルの產婆シフラと名くる者とブワと名くる者の二人に諭して
16 いひけるは汝等ヘブルの婦󠄃女のために收生をなす時は床の上を見てその子若男子ならばこれを殺せ女子ならば生しおくべしと
94㌻
17 然に產婆神を畏れエジプト王の命ぜしごとく爲ずして男子をも生しおけり
18 エジプト王產婆を召て之にいひけるは汝等なんぞ此事をなし男子を生しおくや
19 產婆パロに言けるはヘブルの婦󠄃はエジプトの婦󠄃のごとくならず彼等は健して產婆のかれらに至らぬ前󠄃に產をはるなりと
20 是によりて神その產婆等に恩をほどこしたまへり是において民增ゆきて甚だ强くなりぬ
21 產婆神を畏れたるによりて神かれらのために家を成たまへり
22 斯有しかばパロその凡の民に命じていふ男子の生るあらば汝等これを悉く河に投いれよ女子は皆生しおくべし〘73㌻〙
第2章
1 爰にレビの家の一箇の人徃てレビの女を娶れり
2 女妊みて男子を生みその美きを見て三月のあひだこれを匿せしが
3 すでにこれを匿すあたはざるにいたりければ萑の箱舟を之がために取て之に瀝靑と樹脂を塗り子をその中に納󠄃てこれを河邊の葦の中に置り
4 その姉遙に立てその如何になるかを窺ふ
5 茲にパロの女身を洗んとて河にくだりその婢等河の傍にあゆむ彼葦の中に箱舟あるを見て使女をつかはしてこれを取きたらしめ
6 これを啓きてその子のをるを見る嬰兒すなはち啼く彼これを憐みていひけるは是はヘブル人の子なりと
7 時にその姉パロの女にいひけるは我ゆきてヘブルの女の中より此子をなんぢのために養󠄄ふべき乳󠄃母を呼きたらんか
8 パロの女徃よと之にいひければ女子すなはち徃てその子の母を呼きたる
9 パロの女かれにいひけるは此子をつれゆきて我ために之を養󠄄へ我その値をなんぢにとらせんと婦󠄃すなはちその子を取てこれを養󠄄ふ
10 斯てその子の長ずるにおよびて之をパロの女の所󠄃にたづさへゆきければすなはちこれが子となる彼その名をモーセ(援出)と名けて言ふ我これを水より援いだせしに因ると
95㌻
11 茲にモーセ生長におよびて一時いでてその兄弟等の所󠄃にいたりその重荷を負󠄅ふを見しが會一箇のエジプト人が一箇のイスラエル人即ちおのれの兄弟を擊つを見たれば
12 右左を視まはして人のをらざるを見てそのエジプト人を擊ころし之を沙の中に埋め匿せり
13 次の日また出て二人のヘブル人の相爭ふを見たればその曲き者にむかひ汝なんぞ汝の隣人を擊つやといふに
14 彼いひけるは誰が汝を立てわれらの君とし判󠄄官としたるや汝かのエジプト人をころせしごとく我をも殺さんとするやと是においてモーセ懼れてその事かならず知れたるならんとおもへり
15 パロ此事を聞てモーセを殺さんともとめければモーセすなはちパロの面をさけて逃󠄄げのびミデアンの地に住󠄃り彼井の傍に坐せり
16 ミデアンの祭司に七人の女子ありしが彼等來りて水を汲み水鉢に盈て父󠄃の羊群に飮はんとしけるに
17 牧羊者等きたりて彼らを逐󠄃はらひければモーセ起󠄃あがりて彼等をたすけその羊群に飮ふ
18 彼等その父󠄃リウエルに至れる時父󠄃言けるは今日はなんぢら何ぞかく速󠄃にかへりしや
19 かれらいひけるは一箇のエジプト人我らを牧羊者等の手より救いだし亦われらのために水を多く汲て羊群に飮しめたり〘74㌻〙
20 父󠄃女等にいひけるは彼は何處にをるや汝等なんぞその人を遺󠄃てきたりしや彼をよびて物を食󠄃しめよと
21 モーセこの人とともに居ることを好めり彼すなはちその女子チツポラをモーセに與ふ
22 彼男子を生みければモーセその名をゲルシヨム(客)と名けて言ふ我異邦に客となりをればなりと
96㌻
23 斯て時をふる程にジプトの王死りイスラエルの子孫その勞役の故によりて歎き號ぶにその勞役の故によりて號ぶところの聲神に達󠄃りければ
24 神その長呻を聞き神そのアブラハム、イサク、ヤコブになしたる契約を憶え
25 神イスラエルの子孫を眷み神知しめしたまへり
第3章
1 モーセその妻の父󠄃なるミデアンの祭司ヱテロの群を牧ひをりしがその群を曠野の奧にみちびきて神の山ホレブに至るに
2 ヱホバの使者棘の裏の火燄の中にて彼にあらはる彼見るに棘火に燃れどもその棘燬ず
3 モーセいひけるは我ゆきてこの大なる觀を見 何故に棘の燃たえざるかを見ん
4 ヱホバ彼がきたり觀んとするを見たまふ即ち神棘の中よりモーセよモーセよと彼をよびたまひければ我こゝにありといふに
5 神いひたまひけるは此に近󠄃よるなかれ汝の足より履を脫󠄁ぐべし汝が立つ處は聖󠄄き地なればなり
6 又󠄂いひたまひけるは我はなんぢの父󠄃の神アブラハムの神イサクの神ヤコブの神なりとモーセ神を見ることを畏れてその面を蔽せり
7 ヱホバ言たまひけるは我まことにエジプトにをるわが民の苦患を觀また彼等がその驅使者の故をもて號ぶところの聲を聞り我かれらの憂苦を知るなり
8 われ降りてかれらをエジプト人の手より救ひいだし之を彼地より導󠄃きのぼりて善き廣き地乳󠄃と蜜との流るゝ地すなはちカナン人ヘテ人アモリ人ベリジ人ヒビ人ヱブス人のをる處に至らしめんとす
9 今イスラエルの子孫の號呼われに達󠄃る我またエジプト人が彼らを苦むるその暴虐󠄃を見たり
10 然ば來れ我なんぢをパロにつかはし汝をしてわが民イスラエルの子孫をエジプトより導󠄃きいださしめん
11 モーセ神にいひけるは我は如何なる者ぞや我豈パロの許に徃きイスラエルの子孫をエジプトより導󠄃きいだすべき者ならんや
97㌻
12 神いひたまひけるは我かならず汝とともにあるべし是はわが汝をつかはせる證據なり汝民をエジプトより導󠄃きいだしたる時汝等この山にて神に事へん
〘75㌻〙
13 モーセ神にいひけるは我イスラエルの子孫の所󠄃にゆきて汝らの先祖等の神我を汝らに遣󠄃はしたまふと言んに彼等もし其名は何と我に言ば何とかれらに言べきや
14 神モーセにいひたまひけるは我は有て在る者なり又󠄂いひたまひけるは汝かくイスラエルの子孫にいふべし我有といふ者我を汝らに遣󠄃したまふと
15 神またモーセにいひたまひけるは汝かくイスラエルの子孫にいふべし汝らの先祖等の神アブラハムの神イサクの神ヤコブの神ヱホバわれを汝らにつかはしたまふと是は永遠󠄄にわが名となり世々にわが誌となるべし
16 汝徃てイスラエルの長老等をあつめて之にいふべし汝らの先祖等の神アブラハム、イサク、ヤコブの神ヱホバ我にあらはれて言たまひけらく我誠になんぢらを眷み汝らがエジプトにて蒙るところの事を見たり
17 我すなはち言り我汝らをエジプトの苦患の中より導󠄃き出してカナン人ヘテ人アモリ人ペリジ人ヒビ人エブス人の地すなはち乳󠄃と蜜の流るゝ地にのぼり至らしめんと
18 彼等なんぢの言に聽したがふべし汝とイスラエルの長老等エジプトの王の許にいたりて之に言へヘブル人の神ヱホバ我らに臨めり然ば請󠄃ふわれらをして三日程ほど曠野に入しめわれらの神ヱホバに犧牲をさゝぐることを得せしめよと
19 我しるエジプトの王は假令能力ある手をくはふるも汝等の徃をゆるさゞるべし
20 我すなはちわが手を舒ベエジプトの中に諸の奇跡を行ひてエジプトを擊ん其後かれ汝等を去しむべし
21 我エジプト人をして此民をめぐましめん汝ら去る時手を空󠄃うして去るべからず
22 婦󠄃女皆その隣人とおのれの家に寓る者とに金の飾󠄃品銀の飾󠄃品および衣服󠄃を乞べし而して汝らこれを汝らの子女に穿戴せよ汝等かくエジプト人の物を取べし
98㌻
第4章
1 モーセ對へていひけるは然ながら彼等我を信ぜず又󠄂わが言に聽したがはずして言んヱホバ汝にあらはれたまはずと
2 ヱホバかれにいひたまひけるは汝の手にある者は何なるや彼いふ杖なり
3 ヱホバいひたまひけるは其を地に擲よとすなはち之を地になぐるに蛇となりければモーセその前󠄃を避󠄃たり
4 ヱホバ、モーセにいひたまひけるは汝の手をのべて其尾を執れとすなはち手をのべて之を執ば手にいりて杖となる
5 ヱホバいひたまふ是は彼らの先祖等の神アブラハムの神イサクの神ヤコブの神ヱホバの汝にあらはれたることを彼らに信ぜしめんためなり〘76㌻〙
6 ヱホバまたかれに言たまひけるは汝の手を懷に納󠄃よとすなはち手を懷にいれて之を出し見るにその手癩病を生じて雪󠄃のごとくなれり
7 ヱホバまた言たまひけるは汝の手をふたゝび懷にいれよと彼すなはちふたゝび其手を懷にいれて之を懷より出し見るに變りて他處の肌膚のごとくになる
8 ヱホバいひたまふ彼等もし汝を信ぜずまたその最初の徴の聲に聽從はざるならば後の徴の聲を信ぜん
9 彼らもし是ふたつの徴をも信ぜすして汝の言に聽從はざるならば汝河の水をとりて之を陸地にそゝげ汝が河より取たる水陸地にて血となるべし
10 モーセ、ヱホバにいひけるはわが主よ我は素言辭に敏き人にあらず汝が僕に語りたまへるに及びても猶しかり我は口重く舌重き者なり
11 ヱホバかれにいひたまひけるは人の口を造󠄃る者は誰なるや啞者聾者目明者瞽者などを造󠄃る者は誰なるや我ヱホバなるにあらずや
12 然ば徃けよ我なんぢの口にありて汝の言ふべきことを敎へん
13 モーセいひけるはわが主よ願くは遣󠄃すべき者をつかはしたまへ
14 是においてヱホバ、モーセにむかひ怒を發していひたまひけるはレビ人アロンは汝の兄弟なるにあらずや我かれが言を善するを知るまた彼なんぢに遇󠄃んとていで來る彼汝を見る時心に喜ばん
99㌻
15 汝かれに語りて言をその口に授くべし我なんぢの口と彼の口にありて汝らの爲べき事を敎へん
16 彼なんぢに代て民に語らん彼は汝の口に代らん汝は彼のために神に代るべし
17 なんぢこの杖を手に執り之をもて奇蹟をおこなふべし
18 是においてモーセゆきてその妻の父󠄃ヱテロの許にかへりて之にいふ請󠄃ふ我をして徃てわがエジプトにある兄弟等の所󠄃にかへらしめ彼等のなほ生ながらへをるや否を見さしめよヱテロ、モーセに安然に徃くべしといふ
19 爰にヱホバ、ミデアンにてモーセにいひたまひけるは徃てエジプトにかへれ汝の生命をもとめし人は皆死たりと
20 モーセすなはちその妻と子等をとり之を驢馬に乘てエジプトの地にかへるモーセは神の杖を手に執り
21 ヱホバ、モーセにいひたまひけるは汝エジプトにかへりゆける時はかならず我がなんぢの手に授けたるところの奇跡を悉くパロのまへにおこなふべし但し我かれの心を剛愎にすれば彼民を去しめざるべし
22 汝パロに言べしヱホバかく言ふイスラエルはわが子わが冢子なり
23 我なんぢにいふ我が子を去らしめて我に事ふることをえせしめよ汝もし彼をさらしむることを拒ば我なんぢの子なんぢの冢子を殺すべしと〘77㌻〙
24 モーセ途󠄃にある時ヱホバかれの宿所󠄃にて彼に遇󠄃てころさんとしたまひければ
25 チツポラ利き石をとりてその男子の陽の皮を割󠄅りモーセの足下になげうちて言ふ汝はまことにわがためには血の夫なりと
26 是においてヱホバ、モーセをゆるしたまふ此時チッポラが血の夫といひしは割󠄅禮の故によりてなり
27 爰にヱホバ、アロンにいひたまひけるに曠野にゆきてモーセを迎󠄃へよと彼すなはちゆきて神の山にてモーセに遇󠄃ひ之に接吻す
100㌻
28 モーセ、ヱホバがおのれに言ふくめて遣󠄃したまへる諸の言とヱホバのおのれに命じたまひし諸の奇跡とをアロンにつげたり
29 斯てモーセとアロン徃てイスラエルの子孫の長老を盡く集む
30 而してアロン、ヱホバのモーセにかたりたまひし言を盡くつぐ又󠄂彼民の目のまへにて奇蹟をなしければ
31 民すなはち信ず彼等ヱホバがイスラエルの民をかへりみその苦患をおもひたまふを聞て身をかゞめて拜をなせり
第5章
1 その後モーセとアロン入てパロにいふイスラエルの神ヱホバ斯いひたまふ我民を去しめ彼等をして曠野に於て我を祭ることをえせしめよと
2 パロいひけるはヱホバは誰なればか我その聲にしたがひてイスラエルを去しむべき我ヱホバを識ず亦イスラエルを去しめじ
3 彼ら言けるはヘブル人の神我らに顯れたまへり請󠄃ふ我等をして三日程ほど曠野にいりてわれらの神ヱホバに犧牲をさゝぐることをえせしめよ恐くはヱホバ疫病か又󠄂は刀兵をもて我らをなやましたまはん
4 エジプト王かれらに言けるは汝等モーセ、アロンなんぞ民の操作を妨ぐるや徃てなんぢらの荷を負󠄅へ
5 パロまたいふ土民今は多かり然るに汝等かれらをして荷をおふことを止しめんとす
6 パロ此日民が驅使ふ者等および民の有司等に命じていふ
7 汝等再び前󠄃のごとく民に磚瓦を造󠄃る禾稈を與ふべからず彼等をして徃てみづから禾稈をあつめしめよ
8 また彼等が前󠄃に造󠄃りし磚瓦の數のごとくに仍かれらに之をつくらしめよ其を減すなかれ彼等は懶惰が故に我儕をして徃てわれらの神に犧牲をささげしめよと呼はり言ふなり
9 人々の工作を重くして之に勞かしめよ然ば僞の言を聽ことあらじと
10 民を驅使ふ者等およびその有司等出ゆきて民にいひけるはパロかく言たまふ我なんぢらに禾稈をあたへじ〘78㌻〙
11 汝等徃て禾稈のある處にて之をとれ但しなんぢらの工作は分󠄃毫も減さゞるべしと
12 是において民遍󠄃くエジプトの地に散て草藁をあつめて禾稈となす
101㌻
13 驅使者かれらを促たてて言ふ禾稈のありし時のごとく汝らの工作汝らの日々の業をなしをふべしと
14 パロの驅使者等がイスラエルの子孫の上に立たるところの有司等撻れなんぢら何ぞ昨日も今日も磚瓦を作るところの汝らの業を前󠄃のごとくに爲しをへざるやと言る
15 是に於てイスラエルの子孫の有司等來りてパロに呼はりて言ふ汝なんぞ斯僕等になすや
16 僕等に禾稈を與へずしてわれらに磚瓦を作れといふ視よ僕等は撻る是なんぢの民の過󠄃なりと
17 然るにパロいふ汝等は懶惰し懶惰し故に汝らは我らをして徃てヱホバに犧牲をさゝげしめよと言ふなり
18 然ば汝ら徃て操作けよ禾稈はなんぢらに與ふることなかるべけれどなんぢら尙數のごとくに磚瓦を交納󠄃むべしと
19 イスラエルの子孫の有司等汝等その日々につくる磚瓦を減すべからずと言るを聞て災害󠄅の身におよぶを知り
20 彼らパロをはなれて出たる時モーセとアロンの對面にたてるを見たれば
21 之にいひけるは願くはヱホバ汝等を鑒みて鞫きたまへ汝等はわれらの臭をパロの目と彼の僕の目に忌嫌󠄃はれしめ刀を彼等の手にわたして我等を殺さしめんとするなりと
22 モーセ、ヱホバに返󠄄りて言ふわが主よ何て此民をあしくしたまふや何のために我をつかはしたまひしや
23 わがパロの許に來りて汝の名をもて語りしよりして彼この民をあしくす汝また絕てなんぢの民をすくひたまはざるなり
第6章
1 ヱホバ、モーセに言たまひけるは今汝わがパロに爲んところの事を見るべし能ある手の加はるによりてパロ彼らをさらしめん能ある手の加はるによりてパロ彼らを其國より逐󠄃いだすべし
2 神モーセに語りて之にいひたまひけるは我はヱホバなり
3 我全󠄃能の神といひてアブラハム、イサク、ヤコブに顯れたり然ど我名のヱホバの事は彼等しらざりき
102㌻
4 我また彼らとわが契約を立て彼等が旅して寄居たる國カナンの地をかれらに與ふ
5 我またエジプト人が奴隸となせるイスラエルの子孫の呻吟を聞き且我が契約を憶ひ出づ
6 故にイスラエルの子孫に言へ我はヱホバなり我汝らをエジプト人の重負󠄅の下より携出し其使役をまぬかれしめ又󠄂腕をのべ大なる罰をほどこして汝等を贖はん〘79㌻〙
7 我汝等を取て吾民となし汝等の神となるべし汝等はわがエジプト人の重擔の下より汝らを携出したるなんぢらの神ヱホバなることを知ん
8 我わが手をあげてアブラハム、イサク、ヤコブに與へんと誓ひし地に汝等を導󠄃きいたり之を汝等に與へて產業となさしめん我はヱホバなり
9 モーセかくイスラエルの子孫に語けれども彼等は心の傷ると役事の苦きとの爲にモーセに聽ざりき
10 ヱホバ、モーセに吿ていひたまひけるは
11 入てエジプトの王パロに語りイスラエルの子孫をその國より去しめよ
12 モーセ、ヱホバの前󠄃に申していふイスラエルの子孫旣に我に聽ず我は口に割󠄅禮をうけざる者なればパロいかで我にきかんや
13 ヱホバ、モーセとアロンに語り彼等に命じてイスラエルの子孫とエジプトの王パロの所󠄃に徃しめイスラエルの子孫をエジプトの地より導󠄃きいださしめたまふ
14 かれらの父󠄃の家々の長は左のごとしイスラエルの冢子ルベンの子ヘノク、パル、ヘヅロン、カルミ是等はルベンの家族なり
15 シメオンの子ヱムエル、ヤミン、オハデ、ヤキン、ゾハルおよびカナンの女の生しシヤウル是らはシメオンの家族なり
16 レビの子の名はその世代にしたがひて言ば左のごとしゲルシヨン、コハテ、メラリ是なりレビの齡の年は百三十七年なりき
17 ゲルシヨンの子はその家族にしたがひて言ばリブニおよびシメイなり
18 コハテの子はアムラム、イヅハル、ヘブロン、ウジエルなりコハテの齡の年は百三十三年なりき
103㌻
19 メラリの子はマヘリおよびムシなり是等はレビの家族にしてその世代にしたがひて言るものなり
20 アムラム其伯母ヨケベデを妻にめとれり彼アロンとモーセを生むアムラムの齡の年は百三十七年なりき
21 イヅハルの子はコラ、ネペグ、ジクリなり
22 ウジエルの子はミサエル、エルザパン、シテリなり
23 アロン、ナシヨンの姉アミナダブの女エリセバを妻にめとれり彼ナダブ、アビウ、エレアザル、イタマルを生む
24 コラの子はアツシル、エルカナ、アビアサフ是等はコラ人の族なり
25 アロンの子エレアザル、ブテエルの女の中より妻をめとれり彼ピネハスを生む是等はレビ人の父󠄃の家々の長にしてその家族に循ひて言る者なり
26 ヱホバがイスラエルの子孫を其軍隊にしたがひてエジプトの地より導󠄃きいだせよといひたまひしは此アロンとモーセなり〘80㌻〙
27 彼等はイスラエルの子孫をエジプトより導󠄃きいださんとしてエジプトの王パロに語りし者にして即ち此モーセとアロンなり
28 ヱホバ、エジプトの地にてモーセに語りたまへる日に
29 ヱホバ、モーセに語りて言たまひけるは我はヱホバなり汝わが汝にいふ所󠄃を悉皆くエジプトの王パロに語るべし
30 モーセ、ヱホバの前󠄃に言けるは我は口に割󠄅禮を受ざる者なればパロいかで我に聽んや
第7章
1 ヱホバ、モーセに言たまひけるは視よ我汝をしてパロにおけること神のごとくならしむ汝の兄弟アロンは汝の預言者となるべし
2 汝はわが汝に命ずる所󠄃を盡く宣べし汝の兄弟アロンはパロに吿ることを爲べし彼イスラエルの子孫をその國より出すに至らん
3 我パロの心を剛愎にして吾徴と奇跡をエジプトの國に多くせん
4 然どパロ汝に聽ざるべし我すなはち吾手をエジプトに加へ大なる罰をほどこして吾軍隊わが民イスラエルの子孫をエジプトの國より出さん
5 我わが手をエジプトの上に伸てイスラエルの子孫をエジプト人の中より出す時には彼等我のヱホバなるを知ん
104㌻
6 モーセとアロン斯おこなひヱホバの命じたまへる如くに然なしぬ
7 そのパロと談論ける時モーセは八十歳アロンは八十三歳なりき
8 ヱホバ、モーセとアロンに吿て言たまひけるは
9 パロ汝等に語りて汝ら自ら奇蹟を行へと言時には汝アロンに言べし汝の杖をとりてパロの前󠄃に擲てよと其は蛇とならん
10 是に於てモーセとアロンはパロの許にいたりヱホバの命じたまひしごとくに行へり即ちアロンその杖をパロとその臣下の前󠄃に擲しに蛇となりぬ
11 斯在しかばパロもまた博士と魔󠄃術士を召よせたるにエジプトの法術士等もその祕術をもてかくおこなへり
12 即ち彼ら各人その杖を投たれば蛇となりけるがアロンの杖かれらの杖を呑つくせり
13 然るにパロの心剛愎になりて彼らに聽ことをせざりきヱホバの言たまひし如し
14 ヱホバ、モーセに言たまひけるはパロは心頑にして民を去しむることを拒むなり
15 朝󠄃におよびて汝パロの許にいたれ視よ彼は水に臨む汝河の邊にたちて彼を逆󠄃ふべし汝かの蛇に化し杖を手にとりて居り
16 彼に言ふべしヘブル人の神ヱホバ我を汝につかはして言しむ吾民を去しめて曠野にて我に事ふることを得せしめよ視よ今まで汝は聽入ざりしなり〘81㌻〙
17 ヱホバかく言ふ汝これによりて我がヱホバなるを知ん視よ我わが手の杖をもて河の水を擊ん是血に變ずべし
18 而して河の魚は死に河は臭くならんエジプト人は河の水を飮ことを厭ふにいたるべし
19 ヱホバまたモーセに言たまはく汝アロンに言へ汝の杖をとりて汝の手をエジプトの上に伸べ流水の上河々の上池塘の上一切の湖水の上に伸て血とならしめよエジプト全󠄃國に於て木石の器の中に凡て血あるにいたらん
105㌻
20 モーセ、アロンすなはちヱホバの命じたまへるごとくに爲り即ち彼パロとその臣下の前󠄃にて杖をあげて河の水を擊しに河の水みな血に變じたり
21 是において河の魚死て河臭くなりエジプト人河の水を飮ことを得ざりき斯エジプト全󠄃國に血ありき
22 エジプトの法術士等もその祕術をもて斯のごとく行へりパロは心頑固にして彼等に聽ことをせざりきヱホバの言たまひし如し
23 パロすなはち身をめぐらしてその家に入り此事にも心をとめざりき
24 エジプト人河の水を飮ことを得ざりしかば皆飮水を得んとて河のまはりを掘たりヱホバ河を擊たまひてより後七日たちぬ
第8章
1 ヱホバ、モーセに言たまひけるは汝パロに詣りて彼に言へヱホバかく言たまふ吾民を去しめて我に事ふることを得せしめよ
2 汝もし去しむることを拒まば我蛙をもて汝の四方の境を惱さん
3 河に蛙むらがり上りきたりて汝の家にいり汝の寢室にいり汝の牀にのぼり汝の臣下の家にいり汝の民の所󠄃にいたり汝の竈におよび汝の搓鉢にいらん
4 蛙なんぢの身にのぼり汝の民と汝の臣下の上にのぼるべし
5 ヱホバ、モーセに言たまはく汝アロンに言へ汝杖をとりて手を流水の上に伸べ河々の上と池塘の上に伸て蛙をエジプトの地に上らしめよ
6 アロン手をエジプトの水のうへに伸たれば蛙のぼりきたりてエジプトの地を蔽ふ
7 法術士等もその祕術をもて斯おこなひ蛙をエジプトの地に上らしめたり
8 パロ、モーセとアロンを召て言けるはヱホバに願ひてこの蛙を我とわが民の所󠄃より取さらしめよ我この民を去しめてヱホバに犧牲をさゝぐることを得せしめん
9 モーセ、パロに言けるは我なんぢと汝の臣下と汝の民のために願ひて何時此蛙を汝と汝の家より絕さりて河にのみ止らしむべきや我に示せと〘82㌻〙
10 彼明日といひければモーセ言ふ汝の言のごとくに爲し汝をして我らの神ヱホバのごとき者なきことを知しめん
106㌻
11 蛙汝と汝の家を離れ汝の臣下と汝の民を離れて河にのみ止るべしと
12 モーセとアロンすなはちパロを離れて出でモーセそのパロに至らしめたまひし蛙のためにヱホバに呼はりしに
13 ヱホバ、モーセの言のごとくなしたまひて蛙家より村より田野より死亡たり
14 茲にこれを攢むるに山をなし地臭くなりぬ
15 然るにパロは嘘氣時あるを見てその心を頑固にして彼等に聽ことをせざりきヱホバの言たまひし如し
16 ヱホバ、モーセに言たまひけるは汝アロンに言へ汝の杖を伸べ地の塵を打てエジプト全󠄃國に蚤とならしめよと
17 彼等斯なせり即ちアロン杖をとりて手を伸べ地の塵を擊けるに蚤となりて人と畜につけりエジプト全󠄃國において地の塵みな蚤となりぬ
18 法術士等その祕術をもて斯おこなひて蚤を出さんとしたりしが能はざりき蚤は人と畜に著く
19 是において法術士等パロに言ふ是は神の指なりと然るにパロは心剛愎にして彼等に聽ざりきヱホバの言たまひし如し
20 ヱホバ、モーセに言たまはく汝朝󠄃早く起󠄃てパロの前󠄃に立て視よ彼は水に臨む汝彼に言へヱホバかく言たまふわが民を去しめて我に事ふることを得せしめよ
21 汝もしわが民を去しめずば視よ我汝と汝の臣下と汝の民と汝の家とに蚋をおくらんエジプト人の家々には蚋充べし彼らの居るところの地も然らん
22 その日に我わが民の居るゴセンの地を區別おきて其處に蚋あらしめじ是地の中にありて我のヱホバなることを汝が知んためなり
23 我わが民と汝の民の間に區別をたてん明日この徴あるべし
24 ヱホバかく爲たまひたれば蚋おびたゞしく出來りてパロの家にいりその臣下の家にいりエジプト全󠄃國にいたり蚋のために地害󠄅はる
107㌻
25 是においてパロ、モーセとアロンを召ていひけるは汝等徃て國の中にて汝らの神に犧牲を献げよ
26 モーセ言ふ然するは宜からず我等はエジプト人の崇拜む者を犧牲としてわれらの神ヱホバに献ぐべければなり我等もしエジプト人の崇拜む者をその目の前󠄃にて犧牲に献げなば彼等石にて我等を擊ざらんや
27 我等は三日路ほど曠野にいりて我らの神ヱホバに犧牲を献げその命じたまひしごとくせんとす
28 パロ言けるは我汝らを去しめて汝らの神ヱホバに曠野にて犧牲を献ぐることを得せしめん但餘に遠󠄄くは行べからず我ために祈れよ〘83㌻〙
29 モーセ言けるは視よ我汝をはなれて出づ我ヱホバに祈ん明日蚋パロとその臣下とその民を離れん第パロ再び僞をおこなひ民を去しめてヱホバに犧牲をさゝぐるを得せしめざるが如きことを爲ざれ
30 かくてモーセ、パロをはなれて出でヱホバに祈りたれば
31 ヱホバ、モーセの言のごとく爲したまへり即ちその蚋をパロとその臣下とその民よりはなれしめたまふ一ものこらざりき
32 然るにパロ此時にもまたその心を頑固にして民を去しめざりき
第9章
1 爰にヱホバ、モーセにいひたまひけるはパロの所󠄃にいりてかれに吿よヘブル人の神ヱホバ斯いひたまふ吾民を去しめて我につかふることをえせしめよ
2 汝もし彼等をさらしむることを拒みて尙かれらを拘留へなば
3 ヱホバの手野にをる汝の家畜 馬 驢馬 駱駝 牛 および羊に加はらん即ち甚だ惡き疾あるべし
4 ヱホバ、イスラエルの家畜とエジプトの家畜とを別ちたまはんイスラエルの子孫に屬する者は死る者あらざるべしと
5 ヱホバまた期をさだめて言たまふ明日ヱホバこの事を國になさんと
6 明日ヱホバこの事をなしたまひければエジプトの家畜みな死り然どイスラエルの子孫の家畜は一も死ざりき
7 パロ人をつかはして見さしめたるにイスラエルの家畜は一頭だにも死ざりき然どもパロは心剛愎にして民をさらしめざりき
108㌻
8 またヱホバ、モーセとアロンにいひたまひけるは汝等竈爐の灰󠄃を一握とれ而してモーセ、パロの目の前󠄃にて天にむかひて之をまきちらすべし
9 其灰󠄃エジプト全󠄃國に塵となりてエジプト全󠄃國の人と畜獸につき膿をもちて脹るゝ腫物とならんと
10 彼等すなはち竈爐の灰󠄃をとりてパロの前󠄃に立ちモーセ天にむかひて之をまきちらしければ人と獸畜につき膿をもちて脹るゝ腫物となれり
11 法術士等はその腫物のためにモーセの前󠄃に立つことを得ざりき腫物は法術士等よりして諸のエジプト人にまで生じたり
12 然どヱホバ、パロの心を剛愎にしたまひたれば彼らに聽ざりきヱホバのモーセに言給ひし如し
13 爰にヱホバ、モーセにいひたまひけるは朝󠄃早くおきてパロの前󠄃にたちて彼に言へヘブル人の神ヱホバ斯いひたまふ吾民を去しめて我に事ふるをえせしめよ〘84㌻〙
14 我此度わが諸の災害󠄅を汝の心となんぢの臣下およびなんぢの民に降し全󠄃地に我ごとき者なきことを汝に知しめん
15 我もしわが手を伸べ疫病をもて汝となんぢの民を擊たらば汝は地より絕れしならん
16 抑わが汝をたてたるは即ちなんぢをしてわが權能を見さしめわが名を全󠄃地に傳へんためなり
17 汝なほ吾民の前󠄃に立ふさがりて之を去しめざるや
18 視よ明日の今頃我はなはだ大なる雹を降すべし是はエジプトの開國より今までに甞てあらざりし者なり
19 然ば人をやりて汝の家畜および凡て汝が野に有る物を集めよ人も獸畜も凡て野にありて家に歸らざる者は雹その上にふりくだりて死るにたらん
20 パロの臣下の中ヱホバの言を畏る者はその僕と家畜を家に逃󠄄いらしめしが
21 ヱホバの言を意󠄃にとめざる者はその僕と家畜を野に置り
22 ヱホバ、モーセにいひたまひけるは汝の手を天に舒てエジプト全󠄃國に雹あらしめエジプトの國中の人と獸畜と田圃の諸の蔬にふりくだらしめよと
109㌻
23 モーセ天にむかひて杖を舒たればヱホバ雷と雹を遣󠄃りたまふ又󠄂火いでて地に馳すヱホバ雹をエジプトの地に降せたまふ
24 斯雹ふり又󠄂火の塊雹に雜りて降る甚だ厲しエジプト全󠄃國には其國を成てよりこのかた未だ斯る者あらざりしなり
25 雹エジプト全󠄃國に於て人と獸畜とをいはず凡て田圃にをる者を擊り雹また田圃の諸の蔬を擊ち野の諸の樹を折り
26 唯イスラエルの子孫のをるゴセンの地には雹あらざりき
27 是に於てパロ人をつかはしてモーセとアロンを召てこれに言けるは我此度罪ををかしたりヱホバは義く我とわが民は惡し
28 ヱホバに願ひてこの神鳴と雹を最早これにて足しめよ我なんぢらを去しめん汝等今は留るにおよばず
29 モーセかれに曰けるは我邑より出て我手をヱホバに舒ひろげん然ば雷やみて雹かさねてあらざるべし斯して地はヱホバの所󠄃屬なるを汝にしらしめん
30 然ど我しる汝となんぢの臣下等はなほヱホバ神を畏れざるならんと
31 偖麻󠄃と大麥は擊れたり大麥は穗いで麻󠄃は花さきゐたればなり
32 然ど小麥と裸麥は未だ長ざりしによりて擊れざりき
33 モーセ、パロをはなれて邑より出でヱホバにむかひて手をのべひろげたれば雷と雹やみて雨地にふらずなりぬ
34 然るにパロ雨と雹と雷鳴のやみたるを見て復も罪を犯し其心を剛硬にす彼もその臣下も然り
35 即ちパロは心剛愎にしてイスラエルの子孫を去しめざりきヱホバのモーセによりて言たまひしごとし〘85㌻〙
第10章
1 爰にヱホバ、モーセにいひたまひけるはパロの所󠄃に入れ我かれの心とその臣下の心を剛硬にせり是はわが此等の徴を彼等の中に示さんため
2 又󠄂なんぢをして吾がエジプトにて行ひし事等すなはち吾がエジプトの中にてなしたる徴をなんぢの子となんぢの子の子の耳に語らしめんためなり斯して汝等わがヱホバなるを知べし
110㌻
3 モーセとアロン、パロの所󠄃にいりて彼にいひけるはヘブル人の神ヱホバかく言たまふ何時まで汝は我に降ることを拒むや我民をさらしめて我に事ふることをえせしめよ
4 汝もしわが民を去しむることを拒まば明日我蝗をなんぢの境に入しめん
5 蝗地の面を蔽て人地を見るあたはざるべし蝗かの免かれてなんぢに遺󠄃れる者すなはち雹に打のこされたる者を食󠄃ひ野に汝らのために生る諸の樹をくらはん
6 又󠄂なんぢの家となんぢの臣下の家々および凡のエジプト人の家に滿べし是はなんぢの父󠄃となんぢの父󠄃の父󠄃が世にいでしより今日にいたるまで未だ甞て見ざるものなりと斯て彼身をめぐらしてパロの所󠄃よりいでたり
7 時にパロの臣下パロにいひけるは何時まで此人われらの羂となるや人々を去しめてその神ヱホバに事ふることをえせしめよ汝なほエジプトの滅ぶるを知ざるやと
8 是をもてモーセとアロンふたゝび召れてパロの許にいたるにパロかれらにいふ徃てなんぢらの神ヱホバに事よ但し徃く者は誰と誰なるや
9 モーセいひけるは我等は幼者をも老者をも子息をも息女をも挈へて徃き羊をも牛をもたづさへて徃くべし其は我らヱホバの祭禮をなさんとすればなり
10 パロかれらにいひけるは我汝等となんぢらの子等を去しむる時はヱホバなんぢらと偕に在れ愼めよ惡き事なんぢらの面のまへにあり
11 そは宜からず汝ら男子のみ徃てヱホバに事よ是なんぢらが求むるところなりと彼等つひにパロの前󠄃より逐󠄃いださる
12 爰にヱホバ、モーセにいひたまひけるは汝の手をエジプトの地のうへに舒て蝗をエジプトの國にのぞませて彼の雹が打殘したる地の諸の蔬を悉く食󠄃しめよ
13 モーセすなはちエジプトの地の上に其杖をのべければヱホバ東風をおこしてその一日一夜地にふかしめたまひしが東風朝󠄃におよびて蝗を吹きたりて
14 蝗エジプト全󠄃國にのぞみエジプトの四方の境に居て害󠄅をなすこと太甚し是より先には斯のごとき蝗なかりし是より後にもあらざるべし〘86㌻〙
111㌻
15 蝗全󠄃國の上を蔽ひければ國暗󠄃くなりぬ而して蝗地の諸の蔬および雹の打殘せし樹の菓を食󠄃ひたればエジプト全󠄃國に於て樹にも田圃の蔬にも靑き者とてはのこらざりき
16 是をもてパロ急󠄃ぎモーセとアロンを召て言ふ 我なんちらの神ヱホバと汝等とにむかひて罪ををかせり
17 然ば請󠄃ふ今一次のみ吾罪を宥してなんぢらの神ヱホバに願ひ唯此死を我より取はなさしめよと
18 彼すなはちパロの所󠄃より出てヱホバにねがひければ
19 ヱホバはなはだ强き西風を吹めぐらせて蝗を吹はらはしめ之を紅海に驅いれたまひてエジプトの四方の境に蝗ひとつも遺󠄃らざるにいたれり
20 然れどもヱホバ、パロの心を剛愎にしたまひたればイスラエルの子孫をさらしめざりき
21 ヱホバまたモーセにいひたまひけるは天にむかひて汝の手を舒べエジプトの國に黑暗󠄃を起󠄃すべし其暗󠄃黑は摸るべきなりと
22 モーセすなはち天にむかひて手を舒ければ稠密黑暗󠄃三日のあひだエジプト全󠄃國にありて
23 三日の間は人々たがひに相見るあたはず又󠄂おのれの處より起󠄃ものなかりき然どイスラエルの子孫の居處には皆光ありき
24 是に於てパロ、モーセを呼ていひけるは汝等ゆきてヱホバに事よ唯なんぢらの羊と牛を留めおくべし汝らの子女も亦なんぢらとともに徃べし
25 モーセいひけるは汝また我等の神ヱホバに献ぐべき犧牲と燔祭の物をも我儕に與ふべきなり
26 われらの家畜もわれらとともに徃べし一蹄も後にのこすべからず其は我等その中を取てわれらの神ヱホバに事べきが故なりまたわれら彼處にいたるまでは何をもてヱホバに事ふべきかを知ざればなりと
27 然れどもヱホバ、パロの心を剛愎にしたまひたればパロかれらをさらしむることを肯ぜざりき
28 すなはちパロ、モーセに言ふ我をはなれて去よ自ら愼め重てわが面を見るなかれ汝わが面を見る日には死べし
112㌻
29 モーセいひけるは汝の言ふところは善し我重て復なんぢの面を見ざるべし
第11章
1 ヱホバ、モーセにいひたまひけるは我今一箇の災をパロおよびエジプトに降さん然後かれ汝等を此處より去しむべし彼なんぢらを全󠄃く去しむるには必ず汝らを此より逐󠄃はらはん
2 然ば汝民の耳にかたり男女をしておのおのその隣々に銀の飾󠄃品金の飾󠄃具󠄄を乞しめよと
3 ヱホバつひに民をしてエジプト人の恩を蒙らしめたまふ又󠄂その人モーセはエジプトの國にてパロの臣下の目と民の目に甚だ大なる者と見えたり
〘87㌻〙
4 モーセいひけるはヱホバかく言たまふ夜半󠄃頃われ出てエジプトの中に至らん
5 エジプトの國の中の長子たる者は位に坐するパロの長子より磨の後にをる婢の長子まで悉く死べし又󠄂獸畜の首出もしかり
6 而してエジプト全󠄃國に大なる號哭あるべし是まで是のごとき事はあらずまた再び斯ること有ざるべし
7 然どイスラエルの子孫にむかひては犬もその舌をうごかさじ人にむかひても獸畜にむかひても然り汝等これによりてヱホバがエジプト人とイスラエルのあひだに區別をなしたまふを知べし
8 汝の此臣等みなわが許に下り來てわれを拜し汝となんぢに從がふ民みな出よと言ん然る後われ出べしと烈しく怒りてパロの所󠄃より出たり
9 ヱホバ、モーセにいひたまひけるはパロ汝に聽ざるべし是をもて吾がエジプトの國に奇蹟をおこなふこと增べし
10 モーセとアロンこの諸の奇蹟をことごとくパロの前󠄃に行ひたれどもヱホバ、パロの心を剛愎にしたまひければ彼イスラエルの子孫をその國より去しめざりき
第12章
1 ヱホバ、エジプトの國にてモーセとアロンに吿ていひたまひけるは
2 此月を汝らの月の首となせ汝ら是を年の正月となすべし
3 汝等イスラエルの全󠄃會衆に吿て言べし此月の十日に家の父󠄃たる者おのおの羔羊を取べし即ち家ごとに一箇の羔羊を取べし
113㌻
4 もし家族少くして其羔羊を盡すことあたはずばその家の隣なる人とともに人の數にしたがひて之を取べし各人の食󠄃ふ所󠄃にしたがひて汝等羔羊を計るべし
5 汝らの羔羊は疵なき當歳の牡なるべし汝等綿羊あるひは山羊の中よりこれを取べし
6 而して此月の十四日まで之を守りおきイスラエルの會衆みな薄暮に之を屠り
7 その血をとりて其之を食󠄃ふ家の門口の兩旁の橛と鴨居に塗べし
8 而して此夜その肉を火に炙て食󠄃ひ又󠄂酵いれぬパンに苦菜をそへて食󠄃ふべし
9 其を生にても水に煮ても食󠄃ふなかれ火に炙べし其頭と脛と臓腑とを皆くらへ
10 其を明朝󠄃まで殘しおくなかれ其明朝󠄃まで殘れる者は火にて燒つくすべし
11 なんぢら斯之を食󠄃ふべし即ち腰をひきからげ足に鞋を穿き手に杖をとりて急󠄃て之を食󠄃ふべし是ヱホバの逾越節󠄄なり
12 是夜われエジプトの國を巡󠄃りて人と畜とを論ずエジプトの國の中の長子たる者を盡く擊殺し又󠄂エジプトの諸の神に罰をかうむらせん我はヱホバなり〘88㌻〙
13 その血なんぢらが居るところの家にありて汝等のために記號とならん我血を見る時なんぢらを逾越すべし又󠄂わがエジプトの國を擊つ時災なんぢらに降りて滅ぼすことなかるべし
14 汝ら是日を記念えてヱホバの節󠄄期となし世々これを祝ふべし汝等之を常例となして祝ふべし
15 七日の間酵いれぬパンを食󠄃ふべしその首の日にパン酵を汝等の家より除け凡て首の日より七日までに酵入たるパンを食󠄃ふ人はイスラエルより絕るべきなり
16 且首の日に聖󠄄會をひらくべし又󠄂第七日に聖󠄄會を汝らの中に開け是ふたつの日には何の業をもなすべからず只各人の食󠄃ふ者のみ汝等作ることを得べし
17 汝ら酵いれぬパンの節󠄄期を守るべし其は此日に我なんぢらの軍隊をエジプトの國より導󠄃きいだせばなり故に汝ら常例となして世々是日をまもるべし
114㌻
18 正月に於てその月の十四日の晩より同月の二十一日の晩まで汝ら酵いれぬパンを食󠄃へ
19 七日の間なんぢらの家にパン酵をおくべからず凡て酵いれたる物を食󠄃ふ人は其異邦人たると本國に生れし者たるとを問ず皆イスラエルの聖󠄄會より絕るべし
20 汝ら酵いれたる物は何をも食󠄃ふべからず凡て汝らの居處に於ては酵いれぬパンを食󠄃ふべし
21 是に於てモーセ、イスラエルの長老を盡くまねきて之にいふ汝等その家族に循ひて一頭の羔羊を撿み取り之を屠りて逾越節󠄄のために備へよ
22 又󠄂牛膝草一束を取て盂の血に濡し盂の血を門口の鴨居および二旁の柱にそそぐべし明朝󠄃にいたるまで汝等一人も家の戶をいづるなかれ
23 其はヱホバ、エジプトを擊に巡󠄃りたまふ時鴨居と兩旁の柱に血のあるを見ばヱホバ其門を逾越し殺滅者をして汝等の家に入て擊ざらしめたまふべければなり
24 汝ら是事を例となして汝となんぢの子孫永くこれを守るべし
25 汝等ヱホバがその言たまひし如くになんぢらに與へたまはんところの地に至る時はこの禮式をまもるべし
26 若なんぢらの子女この禮式は何の意󠄃なるやと汝らに問ば
27 汝ら言ふべし是はヱホバの逾越節󠄄の祭祀なりヱホバ、エジプト人を擊たまひし時エジプトにをるイスラエルの子孫の家を逾越てわれらの家を救ひたまへりと民すなはち鞠て拜せり
28 イスラエルの子孫去てヱホバのモーセとアロンに命じたまひしごとくなし斯おこなへり
29 爰にヱホバ夜半󠄃にエジプトの國の中の長子たる者を位に坐するパロの長子より牢獄にある俘虜の長子まで盡く擊たまふ亦家畜の首生もしかり〘89㌻〙
30 期有しかばパロとその諸の臣下およびエジプト人みな夜の中に起󠄃あがりエジプトに大なる號哭ありき死人あらざる家なかりければなり
115㌻
31 パロすなはち夜の中にモーセとアロンを召ていひけるは汝らとイスラエルの子孫起󠄃てわが民の中より出さり汝らがいへる如くに徃てヱホバに事へよ
32 亦なんぢらが言るごとく汝らの羊と牛をひきて去れ汝らまた我を祝せよと
33 是においてエジプト人我等みな死ると言て民を催逼て速󠄃かに國を去しめんとせしかば
34 民捏粉の未だ酵いれざるを執り捏盤を衣服󠄃に包みて肩に負󠄅ふ
35 而してイスラエルの子孫モーセの言のごとく爲しエジプト人に銀の飾󠄃物、金の飾󠄃物および衣服󠄃を乞たるに
36 ヱホバ、エジプト人をして民をめぐましめ彼等にこれを與へしめたまふ斯かれらエジプト人の物を取り
37 斯てイスラエルの子孫ラメセスよりスコテに進󠄃みしが子女の外に徒にて步める男六十萬人ありき
38 又󠄂衆多の寄集人および羊牛等はなはだ多の家畜彼等とともに上れり
39 爰に彼等エジプトより携へいでたる捏粉をもて酵いれぬパンを烘り未だ酵をいれざりければなり是かれらエジプトより逐󠄃いだされて濡滯るを得ざりしに由り又󠄂何の食󠄃糧をも備へざりしに因る
40 偖イスラエルの子孫のエジプトに住󠄃居しその住󠄃居の間は四百三十年なりき
41 四百三十年の終󠄃にいたり即ち其日にヱホバの軍隊みなエジプトの國より出たり
42 是はヱホバが彼等をエジプトの國より導󠄃きいだしたまひし事のためにヱホバの前󠄃に守るべき夜なり是はヱホバの夜にしてイスラエルの子孫が皆世々まもるべき者なり
43 ヱホバ、モーセとアロンに言たまひけるは逾越節󠄄の例は是のごとし異邦人はこれを食󠄃ふべからず
44 但し各人の金にて買たる僕は割󠄅禮を施して然る後是を食󠄃しむべし
45 外國の客および傭人は之を食󠄃ふべからず
46 一の家にてこれを食󠄃ふべしその肉を少も家の外に持いづるなかれ又󠄂其骨を折べからず
47 イスラエルの會衆みな之を守るべし
116㌻
48 異邦人なんぢとともに寄居てヱホバの逾越節󠄄を守らんとせば其男悉く割󠄅禮を受て然る後に近󠄃りて守るべし即ち彼は國に生れたる者のごとくなるべし割󠄅禮をうけざる人はこれを食󠄃ふべからざるなり
49 國に生れたる者にもまた汝らの中に寄居る異邦人にも此法は同一なり〘90㌻〙
50 イスラエルの子孫みな斯おこなひヱホバのモーセとアロンに命じたまひしごとく爲たり
51 その同じ日にヱホバ、イスラエルの子孫をその軍隊にしたがひてエジプトの國より導󠄃きいだしたまへり
第13章
1 爰にヱホバ、モーセに吿ていひたまひけるは
2 人と畜とを論ず凡てイスラエルの子孫の中の始て生れたる首生をば皆聖󠄄別て我に歸せしむべし是わが所󠄃屬なればなり
3 モーセ民にいひけるは汝等エジプトを出で奴隸たる家を出るこの日を誌えよヱホバ能ある手をもて汝等を此より導󠄃きいだしたまへばなり酵いれたるパンを食󠄃ふべからず
4 アビブの月の此日なんぢら出づ
5 ヱホバ汝を導󠄃きてカナン人ヘテ人アモリ人ヒビ人エブス人の地すなはちその汝にあたへんと汝の先祖たちに誓ひたまひし彼乳󠄃と蜜の流るゝ地に至らしめたまはん時なんぢ此月に是禮式を守るべし
6 七日の間なんぢ酵いれぬパンを食󠄃ひ第七日にヱホバの節󠄄筵をなすべし
7 酵いれぬパンを七日くらふべし酵いれたるパンを汝の所󠄃におくなかれ又󠄂汝の境の中にて汝の許にパン酵をおくなかれ
8 汝その日に汝の子に示して言べし是は吾がエジプトより出る時にヱホバの我に爲したまひし事のためなりと
9 斯是をなんぢの手におきて記號となし汝の目の間におきて記號となしてヱホバの法律を汝の口に在しむべし其はヱホバ能ある手をもて汝をエジプトより導󠄃きいだしたまへばなり
117㌻
10 是故に年々その期にいたりてこの例をまもるべし
11 ヱホバ汝となんぢの先祖等に誓ひたまひしごとく汝をカナン人の地にみちびきて之を汝に與へたまはん時
12 汝凡て始て生れたる者及び汝の有る畜の初生を悉く分󠄃ちてヱホバに歸せしむべし男牡はヱホバの所󠄃屬なるべし
13 又󠄂驢馬の初子は皆羔羊をもて贖ふべしもし贖はずばその頸を折るべし汝の子等の中の長子なる人はみな贖ふべし
14 後に汝の子汝に問て是は何なると言ばこれに言べしヱホバ能ある手をもて我等をエジプトより出し奴隸たりし家より出したまへり
15 當時パロ剛愎にして我等を去しめざりしかばヱホバ、エジプトの國の中の長子たる者を人の長子より畜の初生まで盡く殺したまへり是故に始めて生れし牡を盡くヱホバに犧牲に獻ぐ但しわが子等の中の長子は之を贖ふなり
16 是をなんぢの手におきて號となし汝の目の間におきて誌となすべしヱホバ能ある手をもて我等をエジプトより導󠄃きいだしたまひたればなりと
〘91㌻〙
17 偖パロ民をさらしめし時ペリシテ人の地は近󠄃かりけれども神彼等をみちびきて其地を通󠄃りたまはざりき其は民戰爭を見ば悔てエジプトに歸るならんと神おもひたまひたればなり
18 神紅海の曠野の道󠄃より民を導󠄃きたまふイスラエルの子孫行伍をたてゝエジプトの國より出づ
19 其時モーセはヨセフの骨を携ふ是はヨセフ神かならず汝らを眷みたまふべければ汝らわが骨を此より携へ出づべしといひてイスラエルの子孫を固く誓せたればなり
20 斯てかれらスコテより進󠄃みて曠野の端なるエタム幕張す
21 ヱホバかれらの前󠄃に徃たまひ晝は雲の柱をもてかれらを導󠄃き夜は火の柱をもて彼らを照して晝夜徃すゝましめたまふ
22 民の前󠄃に晝は雲の柱を除きたまはず夜は火の柱をのぞきたまはず
118㌻
第14章
1 茲にヱホバ、モーセに吿ていひ給ひけるは
2 イスラエルの子孫に言て轉回てミグドルと海の間なるピハヒロテの前󠄃にあたりてバアルゼポンの前󠄃に幕を張しめよ其にむかひて海の傍に幕を張るべし
3 パロ、イスラエルの子孫の事をかたりて彼等はその地に迷󠄃ひをりて曠野に閉こめられたるならんといふべければなり
4 我パロの心を剛愎にすべければパロ彼等の後を追󠄃はん我パロとその凡の軍勢に由て譽を得エジプト人をして吾ヱホバなるを知しめんと彼等すなはち斯なせり
5 茲に民の逃󠄄さりたることエジプト王に聞えければパロとその臣下等民の事につきて心を變じて言ふ我等何て斯イスラエルを去しめて我に事ざらしむるがごとき事をなしたるやと
6 パロすなはちその車を備へ民を將て己にしたがはしめ
7 撰拔の戰車六百兩にエジプトの諸の戰車および其の諸の軍長等を率󠄃ゐたり
8 ヱホバ、エジプト王パロの心を剛愎にしたまひたれば彼イスラエルの子孫の後を追󠄃ふイスラエルの子孫は高らかなる手によりて出しなり
9 エジプト人等パロの馬、車およびその騎兵と軍勢彼等の後を追󠄃てそのバアルゼポンの前󠄃なるピハヒロテの邊にて海の傍に幕を張るに追󠄃つけり
10 パロの近󠄃よりし時イスラエルの子孫目をあげて視しにエジプト人己の後に進󠄃み來りしかば痛く懼れたり是に於てイスラエルの子孫ヱホバに呼號り
11 且モーセに言けるはエジプトに墓のあらざるがために汝われらをたづさへいだして曠野に死しむるや何故に汝われらをエジプトより導󠄃き出して斯我らに爲や
12 我等がエジプトにて汝に吿て我儕を棄おき我らをしてエジプト人に事しめよと言し言は是ならずや其は曠野にて死るよりもエジプト人に事るは善ればなり〘92㌻〙
13 モーセ民にいひけるは汝ら懼るゝなかれ立てヱホバが今日汝等のために爲たまはんところの救を見よ汝らが今日見たるエジプト人をば汝らかさねて復これを見ること絕てなかるべきなり
119㌻
14 ヱホバ汝等のために戰ひたまはん汝等は靜りて居るべし
15 時にヱホバ、モーセにいひたまひけるは汝なんぞ我に呼はるやイスラエルの子孫に言て進󠄃みゆかしめよ
16 汝杖を擧げ手を海の上に伸て之を分󠄃ちイスラエルの子孫をして海の中の乾ける所󠄃を徃しめよ
17 我エジプト人の心を剛愎にすべければ彼等その後にしたがひて入るべし我かくしてパロとその諸の軍勢およびその戰車と騎兵に囚て榮譽を得ん
18 我がパロとその戰車と騎兵とによりて榮譽をえん時エジプト人は我のヱホバなるを知ん
19 爰にイスラエルの陣營の前󠄃に行る神の使者移りてその後に行けり即ち雲の柱その前󠄃面をはなれて後に立ち
20 エジプト人の陣營とイスラエル人の陣營の間に至りけるが彼がためには雲となり暗󠄃となり是がためには夜を照せり是をもて彼と是と夜の中に相近󠄃づかざりき
21 モーセ手を海の上に伸ければヱホバ終󠄃夜强き東風をもて海を退󠄃かしめ海を陸地となしたまひて水遂󠄅に分󠄃れたり
22 イスラエルの子孫海の中の乾ける所󠄃を行くに水は彼等の右左に墻となれり
23 エジプト人等パロの馬車 騎兵みなその後にしたがひて海の中に入る
24 曉にヱホバ火と雲との柱の中よりエジプト人の軍勢を望󠄇みエジプト人の軍勢を惱まし
25 其車の輪を脫󠄁して行に重くならしめたまひければエジプト人言ふ我儕イスラエルを離れて逃󠄄ん其はヱホバかれらのためにエジプト人と戰へばなりと
26 時にヱホバ、モーセに言たまひける汝の手を海の上に伸て水をエジプト人とその戰車と騎兵の上に流れ反らしめよと
120㌻
27 モーセすなはち手を海の上に伸けるに夜明におよびて海本の勢力にかへりたればエジプト人之に逆󠄃ひて逃󠄄たりしがヱホバ、エジプト人を海の中に擲ちたまへり
28 即ち水流反りて戰車と騎兵を覆ひイスラエルの後にしたがひて海にいりしパロの軍勢を悉く覆へり一人も遺󠄃れる者あらざりき
29 然どイスラエルの子孫は海の中の乾ける所󠄃を步みしが水はその右左に墻となれり
30 斯ヱホバこの日イスラエルをエジプト人の手より救ひたまへりイスラエルはエジプト人が海邊に死をるを見たり〘93㌻〙
31 イスラエルまたヱホバがエジプト人に爲たまひし大なる事を見たり是に於て民ヱホバを畏れヱホバとその僕モーセを信じたり
第15章
1 是に於てモーセおよびイスラエルの子孫この歌をヱホバに謠ふ云く我ヱホバを歌ひ頌ん彼は高らかに高くいますなり彼は馬とその乘者を海になげうちたまへり
2 わが力わが歌はヱホバなり彼はわが救拯となりたまへり彼はわが神なり我これを頌美ん彼はわが父󠄃の神なり我これを崇めん
3 ヱホバは軍人にして其名はヱホバなり
4 彼パロの戰車とその軍勢を海に投すてたまふパロの勝󠄃れたる軍長等は紅海に沈めり
5 大水かれらを掩ひて彼等石のごとくに淵の底に下る
6 ヱホバよ汝の右の手は力をもて榮光をあらはすヱホバよ汝の右の手は敵を碎く
7 汝の大なる榮光をもて汝は汝にたち逆󠄃ふ者を滅したまふ汝怒を發すれば彼等は藁のごとくに焚つくさる
8 汝の鼻の息によりて水積かさなり浪堅く立て岸のごとくに成り大水海の中に凝る
9 敵は言ふ我追󠄃て追󠄃つき掠取物を分󠄃たん我かれらに因てわが心を飽󠄄しめん我劍を拔んわが手かれらを亡さんと
10 汝氣を吹たまへば海かれらを覆ひて彼等は猛烈き水に鉛のごとくに沈めり
121㌻
11 ヱホバよ神の中に誰か汝に如ものあらん誰か汝のごとく聖󠄄して榮あり讃べくして威ありて奇事を行なふ者あらんや
12 汝その右の手を伸たまへば地かれらを呑む
13 汝はその贖ひし民を恩惠をもて導󠄃き汝の力をもて彼等を汝の聖󠄄き居所󠄃に引たまふ
14 國々の民聞て慄へペリシテに住󠄃む者畏懼を懷く
15 エドムの君等駭きモアブの剛者戰慄くカナンに住󠄃る者みな消󠄃うせん
16 畏懼と戰慄かれらに及ぶ汝の腕の大なるがために彼らは石のごとくに默然たりヱホバよ汝の民の通󠄃り過󠄃るまで汝の買たまひし民の通󠄃り過󠄃るまで然るべし
17 汝民を導󠄃きてこれを汝の產業の山に植たまはんヱホバよ是すなはち汝の居所󠄃とせんとて汝の設けたまひし者なり主よ是汝の手の建たる聖󠄄所󠄃なり
18 ヱホバは世々限なく王たるべし
19 斯パロの馬その車および騎兵とともに海にいりしにヱホバ海の水を彼等の上に流れ還󠄃らしめたまひしがイスラエルの子孫は海の中にありて旱地を通󠄃れり
20 時にアロンの姉なる預言者ミリアム鼗を手にとるに婦󠄃等みな彼にしたがひて出で鼗をとり且踴る〘94㌻〙
21 ミリアムすなはち彼等に和へて言ふ汝等ヱホバを歌ひ頌よ彼は高らかに高くいますなり彼は馬とその乘者を海に擲ちたまへりと
22 斯てモーセ紅海よりイスラエルを導󠄃きてシユルの曠野にいり曠野に三日步みたりしが水を得ざりき
23 彼ら遂󠄅にメラにいたりしがメラの水苦くして飮ことを得ざりき是をもて其名はメラ(苦)と呼る
24 是に於て民モーセにむかひて呟き我儕何を飮んかと言ければ
122㌻
25 モーセ、ヱホバに呼はりしにヱホバこれに一本の木を示したまひたれば即ちこれを水に投いれしに水甘くなれり彼處にてヱホバ民のために法度と法律をたてたまひ彼處にてこれを試みて
26 言たまはく汝もし善く汝の神ヱホバの聲に聽したがひヱホバの目に善と見ることを爲しその誡命に耳を傾けその諸の法度を守ば我わがエジプト人に加へしところのその疾病を一も汝に加へざるべし其は我はヱホバにして汝を醫す者なればなりと
27 斯て彼等エリムに至れり其處に水の井十二棕櫚七十本あり彼處にて彼等水の傍に幕張す
第16章
1 斯てエリムを出たちてイスラエルの子孫の會衆そのエジプトの地を出しより二箇月の十五日に皆エリムとシナイの間なるシンの曠野にいたりけるが
2 其曠野においてイスラエルの全󠄃會衆モーセとアロンに向ひて呟けり
3 即ちイスラエルの子孫かれらに言けるは我儕エジプトの地に於て肉の鍋の側に坐り飽󠄄までにパンを食󠄃ひし時にヱホバの手によりて死たらば善りし者を汝等はこの曠野に我等を導󠄃きいだしてこの全󠄃會を饑に死しめんとするなり
4 時にヱホバ、モーセに言たまひけるは視よ我パンを汝らのために天より降さん民いでて日用の分󠄃を每日斂むべし斯して我かれらが吾の法律にしたがふや否を試みん
5 第六日には彼等その取いれたる者を調理ふべし其は日々に斂る者の二倍なるべし
6 モーセとアロン、イスラエルの全󠄃の子孫に言けるは夕にいたらば汝等はヱホバが汝らをエジプトの地より導󠄃きいだしたまひしなるを知にいたらん
7 又󠄂朝󠄃にいたらば汝等ヱホバの榮光を見ん其はヱホバなんぢらがヱホバに向ひて呟くを聞たまへばなり我等を誰となして汝等は我儕に向ひて呟くや
123㌻
8 モーセまた言けるはヱホバ夕には汝等に肉を與へて食󠄃はしめ朝󠄃にはパンをあたへて飽󠄄しめたまはん其はヱホバ己にむかひて汝等が呟くところの怨言を聞給へばなり我儕を誰と爲や汝等の怨言は我等にむかひてするに非ずヱホバにむかひてするなり〘95㌻〙
9 モーセ、アロンに言けるはイスラエルの子孫の全󠄃會衆に言へ汝等ヱホバの前󠄃に近󠄃よれヱホバなんぢらの怨言を聞給へりと
10 アロンすなはちイスラエルの子孫の全󠄃會衆に語しかば彼等曠野を望󠄇むにヱホバの榮光雲の中に顯はる
11 ヱホバ、モーセに吿て言たまひけるは
12 我イスラエルの子孫の怨言を聞り彼等に吿て言へ汝等夕には肉を食󠄃ひ朝󠄃にはパンに飽󠄄べし而して我のヱホバにして汝等の神なることを知にいたらんと
13 即ち夕におよびて鶉きたりて營を覆ふ又󠄂朝󠄃におよびて露營の四圍におきしが
14 そのおける露乾くにあたりて曠野の表に霜のごとき小き圓き者地にあり
15 イスラエルの子孫これを見て此は何ぞやと互に言ふ其はその何たるを知ざればなりモーセかれらに言けるは是はヱホバが汝等の食󠄃にあたへたまふパンなり
16 ヱホバの命じたまふところの事は是なり即ち各その食󠄃ふところに循ひて之を斂め汝等の人數にしたがひて一人に一オメルを取れ各人その天幕にをる者等のためにこれを取べし
17 イスラエルの子孫かくなせしに其斂るところに多きと少きとありしが
18 オメルをもてこれを量るに多く斂めし者にも餘るところ無く少く斂めし者にも足ぬところ無りき皆その食󠄃ふところに循ひてこれを斂めたり
19 モーセ彼等に誰も朝󠄃までこれを殘しおく可らずと言り
20 然るに彼等モーセに聽したがはずして或者はこれを朝󠄃まで殘したりしが蟲たかりて臭なりぬモーセこれを怒る
124㌻
21 人々各その食󠄃ふところに循ひて朝󠄃每に之を斂めしが日熱なれば消󠄃ゆ
22 第六日にいたりて人々二倍のパンを斂めたり即ち一人に二オメルを斂むるに會衆の長皆きたりて之をモーセに吿ぐ
23 モーセかれらに言ふヱホバの言たまふところ是のごとし明日はヱホバの聖󠄄安息日にして休息なり今日汝等烤んとする者を烤き煮んとする者を煮よ其殘れる者は皆明朝󠄃まで藏めおくべし
24 彼等モーセの命ぜしごとくに翌󠄃朝󠄃まで藏めおきしが臭なること無く又󠄂蟲もその中に生ぜざりき
25 モーセ言ふ汝等今日其を食󠄃へ今日はヱホバの安息日なれば今日は汝等これを野に獲ざるべし
26 六日の間汝等これを斂むべし第七日は安息日なればその日には有ざるべし〘96㌻〙
27 然るに民の中に七日に出て斂めんとせし者ありしが得ところ無りき
28 是に於てヱホバ、モーセに言たまひけるは何時まで汝等は吾が誡命とわが律法をまもることをせざるや
29 汝等視よヱホバなんぢらに安息日を賜へり故に第六日に二日の食󠄃物を汝等にあたへたまふなり汝等おのおのその處に休みをれ第七日にはその處より出る者あるべからず
30 是民第七日に休息り
31 イスラエルの家その物の名をマナと稱り是は莞の實のごとくにして白く其味は蜜をいれたる菓子のごとし
32 モーセ言ふヱホバの命じたまふところ是のごとし是を一オメル盛て汝等の代々の子孫のためにたくはへおくべし是はわが汝等をエジプトの地より導󠄃きいだせし時に曠野にて汝等を養󠄄ひしところのパンを之に見さしめんためなり
33 而してモーセ、アロンに言けるは壺を取てその中にマナ一オメルを盛てこれをヱホバの前󠄃におき汝等の代々の子孫のためにたくはふべし
34 ヱホバのモーセに命じたまひし如くにアロンこれを律法の前󠄃におきてたくはふ
35 イスラエルの子孫は人の住󠄃る地に至るまで四十年が間マナを食󠄃へり即ちカナンの地の境にいたるまでマナを食󠄃へり
125㌻
36 オメルはエパの十分󠄃の一なり
第17章
1 イスラエルの子孫の會衆ヱホバの命にしたがひて皆シンの曠野を立出で旅路をかさねてレピデムに幕張せしが民の飮む水あらざりき
2 是をもて民モーセと爭ひて言ふ我儕に水をあたへて飮しめよモーセかれらに言けるは汝ら何ぞ我とあらそふや何ぞヱホバを試むるや
3 彼處にて民水に渇き民モーセにむかひて呟き言ふ汝などて我等をエジプトより導󠄃きいだして我等とわれらの子女とわれらの家畜を渇に死しめんとするや
4 是に於てモーセ、ヱホバに呼はりて言ふ我この民に何をなすべきや彼等は殆ど我を石にて擊んとするなり
5 ヱホバ、モーセに言たまひけるは汝民の前󠄃に進󠄃み民の中の或長老等を伴󠄃ひかの汝が河を擊し杖を手に執て徃よ
6 視よ我そこにて汝の前󠄃にあたりてホレブの磐の上に立ん汝磐を擊べし然せば其より水出ん民これを飮べしモーセすなはちイスラエルの長老等の前󠄃にて斯おこなへり
7 かくて彼その處の名をマッサと呼び又󠄂メリバと呼り是はイスラエルの子孫の爭ひしに由り又󠄂そのヱホバはわれらの中に在すや否と言てヱホバを試みしに由なり
〘97㌻〙
8 時にアマレクきたりてイスラエルとレピデムに戰ふ
9 モーセ、ヨシユアに言けるは我等のために人を擇み出てアマレクと戰へ明日我神の杖を手にとりて岡の嶺に立ん
10 ヨシユアすなはちモーセの己に言しごとくに爲しアマレクと戰ふモーセ、アロンおよびホルは岡の嶺に登りしが
11 モーセ手を擧をればイスラエル勝󠄃ち手を垂ればアマレク勝󠄃り
12 然るにモーセの手重くなりたればアロンとホル石をとりてモーセの下におきてその上に坐せしめ一人は此方一人は彼方にありてモーセの手を支へたりしかばその手日の沒まで垂下ざりき
13 是においてヨシユア刃󠄃をもてアマレクとその民を敗れり
126㌻
14 ヱホバ、モーセに言たまひけるは之を書に筆して記念となしヨシユアの耳にこれをいれよ我必ずアマレクの名を塗抹て天下にこれを誌ゆること无らしめんと
15 斯てモーセ一座の壇を築きその名をヱホバニシ(ヱホバ吾旗)と稱ふ
16 モーセ云けらくヱホバの寶位にむかひて手を擧ることありヱホバ世々アマレクと戰ひたまはん
第18章
1 茲にモーセの外舅なるミデアンの祭司ヱテロ神が凡てモーセのため又󠄂その民イスラエルのために爲したまひし事ヱホバがイスラエルをエジプトより導󠄃き出したまひし事を聞り
2 是に於てモーセの外舅ヱテロかの遣󠄃り還󠄃されてありしモーセの妻チッポラとその二人の子を挈へ來る
3 その子の一人の名はゲルシヨムと云ふ是はモーセ我他國に客となりをると言たればなり
4 今一人の名はエリエゼルと曰ふ是はかれ吾父󠄃の神われを助け我を救ひてパロの劍を免かれしめたまふと言たればなり
5 斯モーセの外舅ヱテロ、モーセの子等と妻をつれて曠野に來りモーセが神の山に陣を張る處にいたる
6 彼すなはちモーセに言けるは汝の外舅なる我ヱテロ汝の妻および之と供なるその二人の子をたづさへて汝に詣ると
7 モーセ出てその外舅を迎󠄃へ禮をなして之に接吻し互に其安否を問て共に天幕に入る
8 而してモーセ、ヱホバがイスラエルのためにパロとエジプト人とに爲たまひし諸の事と途󠄃にて遇󠄃し諸の艱難およびヱホバの己等を拯ひたまひし事をその外舅に語りければ
9 ヱテロ、ヱホバがイスラエルをエジプト人の手より救ひいだして之に諸の恩典をたまひし事を喜べり
10 ヱテロすなはち言けるはヱホバは頌べき哉汝等をエジプト人の手とパロの手より救ひいだし民をエジプト人の手の下より拯ひいだせり〘98㌻〙
127㌻
11 今我知るヱホバは諸の神よりも大なり彼等傲慢を逞しうして事をなせしがヱホバかれらに勝󠄃りと
12 而してモーセの外舅ヱテロ燔祭と犧牲をヱホバに持きたれりアロンおよびイスラエルの長老等皆きたりてモーセの外舅とともに神の前󠄃に食󠄃をなす
13 次の日にいたりてモーセ坐して民を審判󠄄きしが民は朝󠄃より夕までモーセの傍に立り
14 モーセの外舅モーセの凡て民に爲ところを見て言けるは汝が民になす此事は何なるや何故に汝は一人坐しをりて民朝󠄃より夕まで汝の傍にたつや
15 モーセその外舅に言けるは民神に問んとて我に來るなり
16 彼等事ある時は我に來れば我此と彼とを審判󠄄きて神の法度と律法を知しむ
17 モーセの外舅これに言けるは汝のなすところ善らず
18 汝かならず氣力おとろへん汝も汝とともなる民も然らん此事汝には重に過󠄃ぐ汝一人にては之を爲ことあたはざるべし
19 今吾言を聽け我なんぢに策を授けん願くは神なんぢとともに在せ汝民のために神の前󠄃に居り訴訟を神に陳よ
20 汝かれらに法度と律法を敎へ彼等の步むべき道󠄃と爲べき事とを彼等に示せ
21 又󠄂汝全󠄃躰の民の中より賢して神を畏れ眞實を重んじ利を惡むところの人を選󠄄み之を民の上に立て千人の司となし百人の司となし五十人の司となし十人の司となすべし
22 而して彼等をして常に民を鞫かしめ大事は凡てこれを汝に陳しめ小事は凡て彼等みづからこれを判󠄄かしむべし斯汝の身の煩瑣を省き彼らをして汝とその任を共にせしめよ
23 汝もし此事を爲し神また斯汝に命じなば汝はこれに勝󠄃ん此民もまた安然にその所󠄃に到ることを得べし
24 モーセその外舅の言にしたがひてその凡て言しごとく成り
25 モーセすなはちイスラエルの中より遍󠄃く賢き人を擇みてこれを民の長となし千人の司となし百人の司となし五十人の司となし十人の司となせり
128㌻
26 彼等常に民を鞫き難事はこれをモーセに陳べ小事は凡て自らこれを判󠄄けり
27 斯てモーセその外舅を還󠄃したればその國に徃ぬ
第19章
1 イスラエルの子孫エジプトの地を出て後第三月にいたりて其日にシナイの曠野に至る
2 即ちかれらレピデムを出たちてシナイの曠野にいたり曠野に幕を張り彼處にてイスラエルは山の前󠄃に營を設けたり
3 爰にモーセ登りて神に詣るにヱホバ山より彼を呼て言たまはく汝かくヤコブの家に言ひイスラエルの子孫に吿べし〘99㌻〙
4 汝らはエジプト人に我がなしたるところの事を見我が鷲の翼をのべて汝らを負󠄅て我にいたらしめしを見たり
5 然ば汝等もし善く我が言を聽きわが契約を守らば汝等は諸の民に愈りてわが寶となるべし全󠄃地はわが所󠄃有なればなり
6 汝等は我に對して祭司の國となり聖󠄄き民となるべし是等の言語を汝イスラエルの子孫に吿べし
7 是に於てモーセ來りて民の長老等を呼びヱホバの己に命じたまひし言を盡くその前󠄃に陳たれば
8 民皆等く應へて言けるはヱホバの言たまひし所󠄃は皆われら之を爲べしとモーセすなはち民の言をヱホバに吿ぐ
9 ヱホバ、モーセに言たまひけるは觀よ我密雲の中にをりて汝に臨む是民をして我が汝と語るを聞しめて汝を永く信ぜしめんがためなりとモーセ民の言をヱホバに吿たり
10 ヱホバ、モーセに言たまひけるは汝民の所󠄃に徃て今日明日これを聖󠄄め之にその衣服󠄃を澣せ
11 準備をなして三日を待て其は第三日にヱホバ全󠄃體の民の目の前󠄃にてシナイ山に降ればなり
129㌻
12 汝民のために四周󠄃に境界を設けて言べし汝等愼んで山に登るなかれその境界に捫るべからず山に捫る者はかならず殺さるべし
13 手を之に觸べからず其者はかならす石にて擊ころされ或は射ころさるべし獸と人とを言ず生ることを得じ喇叭を長く吹鳴さば人々山に上るべしと
14 モーセすなはち山を下り民にいたりて民を聖󠄄め民その衣服󠄃を濯󠄄ふ
15 モーセ民に言けるは準備をなして三日を待て婦󠄃人に近󠄃づくべからず
16 かくて三日の朝󠄃にいたりて雷と電および密雲山の上にあり又󠄂喇叭の聲ありて甚だ高かり營にある民みな震ふ
17 モーセ營より民を引いでて神に會しむ民山の麓に立に
18 シナイ山都て烟を出せりヱホバ火の中にありてその上に下りたまへばなりその烟竈の烟のごとく立のぼり山すべて震ふ
19 喇叭の聲彌高くなりゆきてはげしくなりける時モーセ言を出すに神聲をもて應へたまふ
20 ヱホバ、シナイ山に下りその山の頂上にいまし而してヱホバ山の頂上にモーセを召たまひければモーセ上れり
21 ヱホバ、モーセに言たまひけるは下りて民を警めよ恐らくは民推破りてヱホバに來りて見んとし多の者死るにいたらん
22 又󠄂ヱホバに近󠄃くところの祭司等にその身を潔󠄄めしめよ恐くはヱホバかれらを擊ん
23 モーセ、ヱホバに言けるは民はシナイ山に得のぼらじ其は汝われらを警めて山の四周󠄃に境界をたて山を聖󠄄めよと言たまひたればなり〘100㌻〙
24 ヱホバかれに言たまひけるは徃け下れ而して汝とアロンともに上り來るべし但祭司等と民には推破りて我にのぼりきたらしめざれ恐らくは我かれらを擊ん
25 モーセ民にくだりゆきてこれに吿たり
第20章
1 神この一切の言を宣て言たまはく
130㌻
2 我は汝の神ヱホバ汝をエジプトの地その奴隸たる家より導󠄃き出せし者なり
3 汝我面の前󠄃に我の外何物をも神とすべからず
4 汝自己のために何の偶像をも彫むべからず又󠄂上は天にある者下は地にある者ならびに地の下の水の中にある者の何の形狀をも作るべからず
5 之を拜むべからずこれに事ふべからず我ヱホバ汝の神は嫉む神なれば我を惡む者にむかひては父󠄃の罪を子にむくいて三四代におよぼし
6 我を愛しわが誡命を守る者には恩惠をほどこして千代にいたるなり
7 汝の神ヱホバの名を妄に口にあぐべからずヱホバはおのれの名を妄に口にあぐる者を罰せではおかざるべし
8 安息日を憶えてこれを聖󠄄潔󠄄すべし
9 六日の間勞きて汝の一切の業を爲べし
10 七日は汝の神ヱホバの安息なれば何の業務をも爲べからず汝も汝の息子息女も汝の僕婢も汝の家畜も汝の門の中にをる他國の人も然り
11 其はヱホバ六日の中に天と地と海と其等の中の一切の物を作りて第七日に息みたればなり是をもてヱホバ安息日を祝ひて聖󠄄日としたまふ
12 汝の父󠄃母を敬へ是は汝の神ヱホバの汝にたまふ所󠄃の地に汝の生命の長からんためなり
13 汝殺すなかれ
14 汝姦淫するなかれ
131㌻
15 汝盜むなかれ
16 汝その隣人に對して虛妄の證據をたつるなかれ
17 汝その隣人の家を貧󠄃るなかれ又󠄂汝の鄰人の妻およびその僕 婢 牛 驢馬ならびに凡て汝の隣人の所󠄃有を貧󠄃るなかれ
18 民みな雷と電と喇叭の音󠄃と山の烟るとを見たり民これを見て懼れをのゝきて遠󠄄く立ち
19 モーセにいひけるは汝われらに語れ我等聽ん唯神の我らに語りたまふことあらざらしめよ恐くは我等死ん
20 モーセ民に言けるは畏るゝなかれ神汝らを試みんため又󠄂その畏怖を汝らの面の前󠄃におきて汝らに罪を犯さざらしめんために臨みたまへるなり〘101㌻〙
21 是において民は遠󠄄くに立ちしがモーセは神の在すところの濃雲に進󠄃みいたる
22 ヱホバ、モーセに言たまひけるは汝イスラエルの子孫に斯いふべし汝等は天よりわが汝等に語ふを見たり
23 汝等何をも我にならべて造󠄃るべからず銀の神をも金の神をも汝等のために造󠄃るべからず
24 汝土の壇を我に築きてその上に汝の燔祭と酬恩祭汝の羊と牛をそなふべし我は凡てわが名を憶えしむる處にて汝に臨みて汝を祝まん
25 汝もし石の壇を我につくるならば琢石をもてこれを築くべからず其は汝もし鑿をこれに當なば之を汚すべければなり
26 汝階よりわが壇に升るべからず是汝の恥る處のその上に露るゝことなからんためなり
第21章
1 是は汝が民の前󠄃に立べき律例なり
2 汝ヘブルの僕を買ふ時は六年の間之に職業を爲しめ第七年には贖を索ずしてこれを釋つべし
132㌻
3 彼もし獨身にて來らば獨身にて去べし若妻あらばその妻これとともに去べし
4 もしその主人これに妻をあたへて男子又󠄂は女子これに生れたらば妻とその子等は主人に屬すべし彼は獨身にて去べし
5 僕もし我わが主人と我が妻子を愛す我釋たるゝを好まずと明白に言ば
6 その主人これを士師の所󠄃に携ゆき又󠄂戶あるひは戶柱の所󠄃につれゆくべし而して主人錐をもてかれの耳を刺とほすべし彼は何時までもこれに事ふべきなり
7 人若その娘を賣て婢となす時は僕のごとくに去べからす
8 彼もしその約せし主人の心に適󠄄ざる時はその主人これを贖はしむることを得べし然ど之に眞實ならずして亦これを異邦人に賣ことをなすを得べからず
9 又󠄂もし之を己の子に與へんと約しなばこれを女子のごとくに待ふべし
10 父󠄃もしその子のために別に娶ることあるとも彼に食󠄃物と衣服󠄃を與ふる事とその交接の道󠄃とはこれを間斷しむべからず
11 其人かれに此三を行はずば彼は金をつくのはずして出さることを得べし
12 人を擊て死しめたる妻は必ず殺さるべし
13 若人みづから畫策ことなきに神人をその手にかゝらしめたまふことある時は我汝のために一箇の處を設くればその人其處に逃󠄄るべし
14 人もし故にその隣人を謀りて殺す時は汝これをわが壇よりも執へゆきて殺すべし
〘102㌻〙
15 その父󠄃あるひは母を擊ものは必ず殺さるべし
16 人を拐帶したる者は之を賣たるも尙その手にあるも必ず殺さるべし
17 その父󠄃あるひは母を罵る者は殺さるべし
133㌻
18 人相爭ふ時に一人石または拳をもてその對手を擊ちしに死にいたらずして床につくことあらんに
19 若起󠄃あがりて杖によりて步むにいたらば之を擊たる者は赦さるべし但しその業を休める賠償をなして之を全󠄃く愈しむべきなり
20 人もし杖をもてその僕あるひは婢を擊んにその手の下に死ば必ず罰せらるべし
21 然ど彼もし一日二日生のびなば其人は罰せられざるべし彼はその人の金子なればなり
22 人もし相爭ひて妊める婦󠄃を擊ちその子を墮させんに別に害󠄅なき時は必ずその婦󠄃人の夫の要󠄃むる所󠄃にしたがひて刑られ法官の定むる所󠄃を爲べし
23 若害󠄅ある時は生命にて生命を償ひ
24 目にて目を償ひ齒にて齒を償ひ手にて手を償ひ足にて足を償ひ
25 烙にて烙を償ひ傷にて傷を償ひ打傷にて打傷を償ふべし
26 人もしその僕の一の目あるひは婢の一の目を擊てこれを喪さばその目のために之を釋つべし
27 又󠄂もしその僕の一箇の齒か婢の一箇の齒を打落ばその齒のために之を釋つべし
28 牛もし男あるひは女を衝て死しめなばその牛をば必ず石にて擊殺すべしその肉は食󠄃べからず但しその牛の主は罪なし
29 然ど牛もし素より衝くことをなす者にしてその主これがために忠吿をうけし事あるに之を守りおかずして遂󠄅に男あるひは女を殺すに至らしめなばその牛は石にて擊れその主もまた殺さるべし
30 若彼贖罪金を命ぜられなば凡てその命ぜられし者を生命の償に出すべし
31 男子を衝も女子を衝もこの例にしたがひてなすべし
32 牛もし僕あるひは婢を衝ばその主人に銀三十シケルを與ふべし又󠄂その牛は石にて擊ころすべし
33 人もし坑を啓くか又󠄂は人もし穴󠄄を掘ことをなしこれを覆はずして牛あるひは驢馬これに陷ば
34 穴󠄄の主これを償ひ金をその所󠄃有主に與ふべし但しその死たる畜は己の有となるべし
134㌻
35 此人の牛もし彼人のを衝殺さば二人その生る牛を賣てその價を分󠄃つべし又󠄂その死たるものをも分󠄃つべし
36 然どその牛素より衝ことをなす者なること知をるにその主これを守りおかざりしならばその人かならず牛をもて牛を償ふべし但しその死たる者は己の有となるべし〘103㌻〙
第22章
1 人もし牛あるひは羊を竊みてこれを殺し又󠄂は賣る時は五の牛をもて一の牛を賠ひ四の羊をもて一の羊を賠ふべし
2 もし盜賊の壞り入るを見てこれを擊て死しむる時はこれがために血をながすに及ばず
3 然ど若日いでてよりならば之がために血をながすべし盜賊は全󠄃く償をなすべし若物あらざる時は身をうりてその竊める物を償ふべし
4 若その竊める物眞に生てその手にあらばその牛 驢馬 羊たるにかゝはらず倍してこれを償ふべし
5 人もし田圃あるひは葡萄園の物を食󠄃はせその家畜をはなちて人の田圃の物を食󠄃ふにいたらしむる時は自己の田圃の嘉物と自己の葡萄園の嘉物をもてその償をなすべし
6 火もし逸て荊棘にうつりその積あげたる穀物あるひは未だ刈ざる穀物あるひは田野を燬ばその火を焚たる者かならずこれを償ふべし
7 人もし金あるひは物を人に預るにその人の家より竊みとられたる時はその盜者あらはれなばこれを倍して償はしむべし
8 盜者もしあらはれずば家の主人を法官につれゆきて彼がその人の物に手をかけたるや否を見るべし
9 何の過󠄃愆を論ず牛にもあれ驢馬にもあれ羊にもあれ衣服󠄃にもあれ又󠄂は何の失物にもあれ凡て人の見て是其なりと言ふ者ある時は法官その兩造󠄃の言を聽べし而して法官の罪ありとする者これを倍してその對手に償ふべし
135㌻
10 人もし驢馬か牛か羊か又󠄂はその他の家畜をその隣人にあづけんに死か傷けらるゝか又󠄂は搶ひさらるゝことありて誰もこれを見し者なき時は
11 二人の間にその隣人の物に手をかけずとヱホバを指て誓ふことあるべし然る時はその持主これを承諾べし彼人は償をなすに及ばず
12 然ど若自己の許より竊まれたる時はその所󠄃有主にこれを償ふべし
13 若またその裂ころされし時は其を證據のために持きたるべしその裂ころされし者は償ふにおよばず
14 人もしその隣人より借たる者あらんにその物傷けられ又󠄂は死ることありてその所󠄃有主それとともにをらざる時は必ずこれを償ふべし
15 その所󠄃有主それと共にをらばこれを償ふにおよばず雇し者なる時もしかり其は雇れて來りしなればなり
〘104㌻〙
16 人もし聘定あらざる處女を誘ひてこれと寢たらば必ずこれに聘禮して妻となすべし
17 その父󠄃もしこれをその人に與ふることを固く拒まば處女にする聘禮にてらして金をはらふべし
18 魔󠄃術をつかふ女を生しおくべからず
19 凡て畜を犯す者をば必ず殺すべし
20 ヱホバをおきて別の神に犧牲を献る者をば殺すべし
21 汝他國の人を惱すべからず又󠄂これを虐󠄃ぐべからず汝らもエジプトの國にをる時は他國の人たりしなり
136㌻
22 汝凡て寡婦󠄃あるひは孤子を惱すべからず
23 汝もし彼等を惱まして彼等われに呼らば我かならずその號呼を聽べし
24 わが怒烈しくなり我劍をもて汝らを殺さん汝らの妻は寡婦󠄃となり汝らの子女は孤子とならん
25 汝もし汝とともにあるわが民の貧󠄃き者に金を貸す時は金貸のごとくなすべからず又󠄂これより利足をとるべからず
26 汝もし人の衣服󠄃を質にとらば日のいる時までにこれを歸すべし
27 其はその身を蔽ふ者は是のみにして是はその膚の衣なればなり彼何の中に寢んや彼われに龥はらば我きかん我は慈悲ある者なればなり
28 汝神を罵るべからず民の主長を詛ふべからず
29 汝の豐滿なる物と汝の搾りたる物とを献ぐることを怠るなかれ汝の長子を我に與ふべし
30 汝また汝の牛と羊をも斯なすべし即ち七日母とともにをらしめて八日にこれを我に與ふべし
31 汝等は我の聖󠄄民となるべし汝らは野にて獸に裂れし者の肉を食󠄃ふべからず汝らこれを犬に投與ふべし
第23章
1 汝虛妄の風説を言ふらすべからず惡き人と手をあはせて人を誣る證人となるべからず
2 汝衆の人にしたがひて惡をなすべからず訴訟において答をなすに方りて衆の人にしたがひて道󠄃を曲べからず
3 汝また貧󠄃き人の訴訟を曲て庇くべからず
4 汝もし汝の敵の牛あるひは驢馬の迷󠄃ひ去に遭󠄃ばかならずこれを牽てその人に歸すべし
5 汝もし汝を惡む者の驢馬のその負󠄅の下に仆れ臥すを見ば愼みてこれを遺󠄃さるべからず必ずこれを助けてその負󠄅を釋べし
137㌻
6 汝貧󠄃き者の訴訟ある時にその判󠄄決を曲べからず
7 虛假の事に遠󠄄かれ無辜者と義者とはこれを殺すなかれ我は惡き者を義とすることあらざるなり〘105㌻〙
8 汝賄賂を受べからず賄賂は人の目を暗󠄃まし義者の言を曲しむるなり
9 他國の人を虐󠄃ぐべからず汝等はエジプトの國にをる時は他國の人にてありたれば他國の人の心を知なり
10 汝六年の間汝の地に種播きその實を穫いるべし
11 但し第七年にはこれを息ませて耕さずにおくべし而して汝の民の貧󠄃き者に食󠄃ふことを得せしめよ其餘れる者は野の獸これを食󠄃はん汝の葡萄園も橄欖園も斯のごとくなすべし
12 汝六日の間汝の業をなし七日に息むべし斯汝の牛および驢馬を息ませ汝の婢の子および他國の人をして息をつかしめよ
13 わが汝に言し事に凡て心を用ひよ他の神々の名を稱ふべからずまた之を汝の口より聞えしめざれ
14 汝年に三度わがために節筵を守るべし
15 汝無酵パンの節禮をまもるべし即ちわが汝に命ぜしごとくアビブの月の定の時において七日の間酵いれぬパンを食󠄃ふべし其はその月に汝エジプトより出たればなり徒手にてわが前󠄃に出る者あるべからず
16 また穡時の節筵を守るべし是すなはち汝が勞苦て田野に播る者の初の實を祝ふなり又󠄂收藏の節筵を守るべし是すなはち汝の勞苦によりて成る者を年の終󠄃に田野より收藏る者なり
17 汝の男たる者は皆年に三次主ヱホバの前󠄃に出べし
138㌻
18 汝わが犧牲の血を酵いれしパンとともに獻ぐべからず又󠄂わが節筵の脂を翌󠄃朝󠄃まで殘しおくべからず
19 汝の地に初に結べる實の初を汝の神ヱホバの室に持きたるべし汝山羊羔をその母の乳󠄃にて煮べからず
20 視よ我天の使をかはして汝に先たせ途󠄃にて汝を守らせ汝をわが備へし處に導󠄃かしめん
21 汝等その前󠄃に愼みをりその言にしたがへ之を怒らするなかれ彼なんぢらの咎を赦さざるべしわが名かれの中にあればなり
22 汝もし彼が言にしたがひ凡てわが言ところを爲ば我なんぢの敵の敵となり汝の仇の仇となるべし
23 わが使汝にさきだちゆきて汝をアモリ人ヘテ人ペリジ人カナン人ヒビ人およびヱブス人に導󠄃きたらん我かれらを絕べし
24 汝かれらの神を拜むべからずこれに奉事べからず彼らの作にならふなかれ汝其等を悉く毀ちその偶像を打摧くべし
25 汝等の神ヱホバに事へよ然ばヱホバ汝らのパンと水を祝し汝らの中より疾病を除きたまはん
26 汝の國の中には流產する者なく妊ざる者なかるべし我汝の日の數を盈さん〘106㌻〙
27 我わが畏懼をなんぢの前󠄃に遣󠄃し汝が至るところの民をことごとく敗り汝の諸の敵をして汝に後を見せしめん
28 我黄蜂を汝の先につかはさん是ヒビ人カナン人およびヘテ人を汝の前󠄃より逐󠄃はらふべし
29 我かれらを一年の中には汝の前󠄃より逐󠄃はらはじ恐くは土地荒れ野の獸增て汝を害󠄅せん
30 我漸々にかれらを汝の前󠄃より逐󠄃はらはん汝らは遂󠄅に增てその地を獲にいたらん
31 我なんぢの境をさだめて紅海よりペリシテ人の海にいたらせ曠野より河にいたらしめん我この地に住󠄃る者を汝の手に付さん汝かれらを汝の前󠄃より逐󠄃はらふべし
139㌻
32 汝かれらおよび彼らの神と何の契約をもなすべからず
33 彼らは汝の國に住󠄃べきにあらず恐くは彼ら汝をして我に罪を犯さしめん汝もし彼等の神に事なばその事かならず汝の機檻となるべきなり
第24章
1 又󠄂モーセに言たまひけるは汝アロン、ナダブ、アビウおよびイスラエルの七十人の長老とともにヱホバの許に上りきたれ而して汝等遙にたちて拜むべし
2 モーセ一人ヱホバに近󠄃づくべし彼等は近󠄃るべからず又󠄂民もかれとともに上るべからず
3 モーセ來りてヱホバの諸の言およびその諸の典例を民に吿しに民みな同音󠄃に應て云ふヱホバの宣ひし言は皆われらこれを爲べし
4 モーセ、ヱホバの言をことごとく書記し朝󠄃夙に興いでて山の麓に壇を築きイスラエルの十二の支派にしたがひて十二の柱を建て
5 而してイスラエルの子孫の中の少き人等を遣󠄃はしてヱホバに燔祭を献げしめ牛をもて酬恩祭を供へしむ
6 モーセ時にその血の半󠄃をとりて鉢に盛れ又󠄂その血の半󠄃を壇の上に灌げり
7 而して契約の書をとりて民に誦きかせたるに彼ら應へて言ふヱホバの宣ふ所󠄃は皆われらこれを爲て遵󠄅ふべしと
8 モーセすなはちその血をとりて民に灌ぎて言ふ是すなはちヱホバが此諸の言につきて汝と結たまへる契約の血なり
9 斯てモーセ、アロン、ナダブ、アビウおよびイスラエルの七十人の長老のぼりゆきて
10 イスラエルの神を見るにその足の下には透󠄃明れる靑玉をもて作れるごとき物ありて耀ける天空󠄃にさも似たり
11 神はイスラエルの此頭人等にその手をかけたまはざりき彼等は神を見又󠄂食󠄃飮をなせり
140㌻
12 茲にヱホバ、モーセに言たまひけるは山に上りて我に來り其處にをれ我わが彼等を敎へんために書しるせる法律と誡命を載るところの石の板を汝に與へん〘107㌻〙
13 モーセその從者ヨシユアとともに起󠄃あがりモーセのぼりて神の山に至る
14 時に彼長老等に言けるは我等の汝等に歸るまで汝等は此に待ちをれ視よアロンとホル汝等とともに在り凡て事ある者は彼等にいたるべし
15 而してモーセ山にのぼりしが雲山を蔽ひをる
16 すなはちヱホバの榮光シナイ山の上に駐りて雲山を蔽ふこと六日なりしが七日にいたりてヱホバ雲の中よりモーセを呼たまふ
17 ヱホバの榮光山の嶺に燃る火のごとくにイスラエルの子孫の目に見えたり
18 モーセ雲の中に入り山に登れりモーセ四十日四十夜山に居る
第25章
1 ヱホバ、モーセに吿て言たまひけるは
2 イスラエルの子孫に吿て我に献物を持きたれと言へ凡てその心に好んで出す者よりは汝等その我に献ぐるところの物を取べし
3 汝等がかれらより取べきその献物は是なり即ち金 銀 銅
4 靑 紫 紅の線 麻󠄃 山羊毛
5 赤染の牡羊の皮 貛の皮 合歡木
6 燈油 塗膏と馨しき香を調ふところの香料
7 𤧚珩およびエポデと胸牌に嵌る玉
8 彼等わがために聖󠄄所󠄃を作るべし我かれらの中に住󠄃ん
9 凡てわが汝らに示すところに循ひ幕屋の式樣およびその器具󠄄の式樣にしたがひてこれを作るべし
10 彼等合歡木をもて櫃を作るべしその長は二キユビト半󠄃その濶は一キユビト半󠄃その高は一キユビト半󠄃なるべし
11 汝純金をもて之を蔽ふべし即ち內外ともにこれを蔽ひその上の周󠄃圍に金の緣を造󠄃るべし
12 汝金の環四箇を鑄てその四の足につくべし即ち此旁に二箇の輪彼旁に二箇の輪をつくべし
141㌻
13 汝また合歡木をもて杠を作りてこれに金を著すべし
14 而してその杠を櫃の邊旁の環にさしいれてこれをもて櫃を舁べし
15 杠は櫃の環に差いれおくべし其より脫󠄁はなすべからず
16 汝わが汝に與ふる律法をその櫃に藏むべし
17 汝純金をもて贖罪所󠄃を造󠄃るべしその長は二キユビト半󠄃その濶は一キユビト半󠄃なるべし
18 汝金をもて二箇のケルビムを作るべし即ち槌にて打てこれを作り贖罪所󠄃の兩旁に置べし
19 一のケルブを此旁に一のケルブを彼旁に造󠄃れ即ちケルビムを贖罪所󠄃の兩旁に造󠄃るべし
20 ケルビムは翼を高く展べその翼をもて贖罪所󠄃を掩ひその面を互に相向くべしすなはちケルビムの面は贖罪所󠄃に向ふべし〘108㌻〙
21 汝贖罪所󠄃を櫃の上に置ゑまた我が汝に與ふる律法を櫃の中に藏むべし
22 其處にて我なんぢに會ひ贖罪所󠄃の上より律法の櫃の上なる二箇のケルビムの間よりして我イスラエルの子孫のためにわが汝に命ぜんとする諸の事を汝に語ん
23 汝また合歡木をもて案を作るべしその長は二キユビトその濶は一キユビトその高は一キユビト半󠄃なるべし
24 而して汝純金をこれに著せその周󠄃圍に金の緣をつくるべし
25 汝その四圍に掌寛の邊をつくりその邊の周󠄃圍に金の小緣を作るべし
26 またそれがために金の環四箇を作りその足の四隅にその環をつくべし
27 環は邊の側に附べし是は案を舁ところの杠をいるる處なり
28 また合歡木をもてその杠をつくりてこれに金を著すべし案はこれに因て舁るべきなり
29 汝また其に用ふる皿 匙 杓および酒を灌ぐところの斝を作るべし即ち純金をもてこれを造󠄃るべし
30 汝案の上に供前󠄃のパンを置て常にわが前󠄃にあらしむべし
31 汝純金をもて一箇の燈臺を造󠄃るべし燈臺は槌をもてうちて之を作るべしその臺座 軸 萼 節 花は其に聯らしむべし
142㌻
32 又󠄂六の枝をその旁より出しむべし即ち燈臺の三の枝は此旁より出で燈臺の三の枝は彼旁より出しむべし
33 巴旦杏の花の形せる三の萼節および花とともに此枝にあり又󠄂巴旦杏の花の形せる三の萼節󠄄および花とともに彼枝にあるべし燈臺より出る六の枝を皆斯のごとくにすべし
34 巴旦杏の花の形せる四の萼その節および花とともに燈臺にあるべし
35 兩箇の枝の下に一箇の節あらしめ又󠄂その兩箇の枝の下に一箇の節あらしめ又󠄂その兩箇の枝の下に一箇の節󠄄あらしむべし燈臺より出る六の枝みな是のごとくなるべし
36 その節と枝とは其に連ならしめ皆槌にて打て純金をもて造󠄃るべし
37 又󠄂それがために七箇の燈盞を造󠄃りその燈盞を上に置てその對向を照さしむべし
38 その燈鉗と剪燈盤をも純金ならしむべし
39 燈臺と此の諸の器具󠄄を造󠄃るには純金一タラントを用ふべし
40 汝山にて示されし式樣にしたがひて之を作ることに心を用ひよ
第26章
1 汝また幕屋のために十の幕を造󠄃るべしその幕は即ち麻󠄃の撚絲靑紫および紅の絲をもて之を造󠄃り精巧にケルビムをその上に織出すべし
2 一の幕の長は二十八キユビト一の幕の濶は四キユビトなるべし幕は皆その寸尺を同うすべし〘109㌻〙
3 その幕五箇を互に連ねあはせ又󠄂その他の幕五箇をも互に連ねあはすべし
4 而してその一聯の幕の邊においてその聯絡處の端に靑色の襻を付べし又󠄂他の一聯の幕の聯絡處の邊にも斯なすべし
5 汝一聯の幕に襻五十をつけ又󠄂他の一聯の幕の聯絡處の邊にも襻五十をつけ斯その襻をして彼と此と相對せしむべし
6 而して金の鐶五十を造󠄃りその鐶をもて幕を連ねあはせて一の幕屋となすべし
7 汝また山羊の毛をもて幕をつくりて幕屋の上の蓋となすべし即ち幕十一をつくるべし
8 その一箇の幕の長は三十キユビトその一箇の幕の濶は四キユビトなるべし即ちその十一の幕は寸尺を一にすべし
9 而してその幕五を一に聯ねまたその幕六を一に聯ねその第六の幕を幕屋の前󠄃に摺むべし
143㌻
10 又󠄂その一聯の幕の邊すなはちその聯絡處の端に襻五十を付け又󠄂他の一聯の幕の聯絡處にも襻五十を付べし
11 而して銅の鐶五十を作りその鐶を襻にかけてその幕を聯ねあはせて一となすべし
12 その天幕の幕の餘れる遺󠄃餘すなはちその餘れる半󠄃幕をば幕屋の後に垂しむべし
13 天幕の幕の餘れる者は此旁に一キユビト彼旁に一キユビトあり之を幕屋の兩旁此方彼方に垂てこれを蓋ふべし
14 汝赤く染たる牡山羊の皮をもて幕屋の蓋をつくりその上に貛の皮の蓋をほどこすべし
15 汝合歡木をもて幕屋のために竪板を造󠄃るべし
16 一枚の板の長は十キユビト一枚の板の濶は一キユビト半󠄃なるべし
17 板ごとに二の榫をつくりて彼と此と交指しめよ幕屋の板には皆斯のごとく爲べし
18 汝幕屋のために板を造󠄃るべし即ち南向の方のために板二十枚を作るべし
19 而してその二十枚の板の下に銀の座四十を造󠄃るべし即ち此板の下にもその二の榫のために二の座あらしめ彼板の下にもその二の榫のために二の座あらしむべし
20 幕屋の他の方すなはちその北の方のためにも板二十枚を作るべし
21 而してこれに銀の座四十を作り此板の下にも二の座彼板の下にも二の座あらしむべし
22 幕屋の後すなはちその西の方のために板六枚を造󠄃るべし
23 又󠄂幕屋の後の兩の隅のために板二枚を造󠄃るべし
24 その二枚は下にて相合せしめその頂まで一に連ならしむべし一箇の鐶に於て然りその二枚ともに是の如くなるべし其等は二の隅のために設くる者なり
25 その板は合て八枚その銀の座は十六座此板にも二の座彼板にも二の座あらしむべし
〘110㌻〙
26 汝合歡木をもて横木を作り幕屋の此方の板のために五本を設くべし
27 また幕屋の彼方の板のために横木五本を設け幕屋の後すなはちその西の方の板のために横木五本を設くべし
28 板の眞中にある中間の横木をば端より端まで通󠄃らしむべし
29 而してその板に金を着せ金をもて之がために鐶を作りて横木をこれに貫き又󠄂その横木に金を着すべし
144㌻
30 汝山にて示されしところのその模範にしたがひて幕屋を建べし
31 汝また靑 紫 紅 の線および麻󠄃の撚絲をもて幕を作り巧にケルビムをその上に織いだすべし
32 而して金を着たる四本の合歡木の柱の上に之を掛べしその鈎は金にしその柱は四の銀の座の上に置べし
33 汝その幕を鐶の下に掛け其處にその幕の中に律法の櫃を藏むべしその幕すなはち汝らのために聖󠄄所󠄃と至聖󠄄所󠄃を分󠄃たん
34 汝至聖󠄄所󠄃にある律法の櫃の上に贖罪所󠄃を置べし
35 而してその幕の外に案を置ゑ幕屋の南の方に燈臺を置て案に對はしむべし案は北の方に置べし
36 又󠄂靑 紫 紅 の線および麻󠄃の撚絲をもて幔を織なして幕屋の入口に掛べし
37 又󠄂その幔のために合歡木をもて柱五本を造󠄃りてこれに金を着せその鈎を金にすべし又󠄂その柱のために銅をもて五箇の座を鑄べし
第27章
1 汝合歡木をもて長五キユビト濶五キユビトの壇を作るべしその壇は四角その高は三キユビトなるべし
2 その四隅の上に其の角を作りてその角を其より出しめその壇には銅を着すべし
3 又󠄂灰󠄃を受る壺と火鏟と鉢と肉叉と火鼎を作るべし壇の器は皆銅をもて之を作るべし
4 汝壇のために銅をもて金網を作りその網の上にその四隅に銅の鐶を四箇作るべし
5 而してその網を壇の中程の邊の下に置て之を壇の半󠄃に達󠄃せしむべし
6 又󠄂壇のために杠を作るべし即ち合歡木をもて杠を造󠄃り銅をこれに着すべし
7 その杠を鐶に貫きその杠を壇の兩旁にあらしめて之を舁べし
8 壇は汝板をもて之を空󠄃に造󠄃り汝が山にて示されしごとくにこれを造󠄃るべし
145㌻
9 汝また幕屋の庭をつくるべし南に向ひては庭のために南の方に長百キユビトの細布の幕を設けてその一方に當べし
10 その二十の柱およびその二十の座は銅にし其柱の鈎およびその桁は銀にすべし
11 又󠄂北の方にあたりて長百キユビトの幕をその樅に設くべしその二十の柱とその柱の二十の座は銅にし柱の鈎とその桁は銀にすべし〘111㌻〙
12 庭の横すなはちその西の方には五十キユビトの幕を設くべしその柱は十その座も十
13 また東に向ひては庭の東の方の濶は五十キユビトにすべし
14 而して此一旁に十五キユビトの幕を設くべしその柱は三その座も三
15 又󠄂彼一旁にも十五キユビトの幕を設くべしその柱は三その座も三
16 庭の門のために靑 紫 紅 の線および麻󠄃の撚絲をもて織なしたる二十キユビトの幔を設くべしその柱は四その座も四
17 庭の四周󠄃の柱は皆銀の桁をもて續けその鈎を銀にしその座を銅にすべし
18 庭の樅は百キユビトその横は五十キユビト宛その高は五キユビト麻󠄃の撚絲をもてつくりなしその座を銅にすべし
19 凡て幕屋に用ふるところの諸の器具󠄄並にその釘および庭の釘は銅をもて作るべし
20 汝又󠄂イスラエルの子孫に命じ橄欖を搗て取たる淸き油を燈火のために汝に持きたらしめて絕ず燈火をともすべし
21 集會の幕屋に於て律法の前󠄃なる幕の外にアロンとその子等晩より朝󠄃までヱホバの前󠄃にその燈火を整ふべし是はイスラエの子孫が世々たえず守るべき定例なり
第28章
1 汝イスラエルの子孫の中より汝の兄弟アロンとその子等すなはちアロンとその子ナダブ、アビウ、エレアザル、イタマルを汝に至らしめて彼をして我にむかひて祭司の職をなさしむべし
2 汝また汝の兄弟アロンのために聖󠄄衣を製りて彼の身に顯榮と榮光あらしむべし
3 汝凡て心に智慧󠄄ある者すなはち我が智慧󠄄の靈を充しおきたる者等に語りてアロンの衣服󠄃を製しめ之を用てアロンを聖󠄄別て我に祭司の職をなさしむべし
146㌻
4 彼等が製るべき衣服󠄃は是なり即ち胸牌エポデ明衣間格の裏衣頭帽および帶彼等汝の兄弟アロンとその子等のために聖󠄄衣をつくりて彼をして祭司の職を我にむかひてなすことをえせしむべし
5 即ち彼等金 靑 紫 紅 の糸および麻󠄃糸をとりて用ふべし
6 又󠄂金 靑 紫 紅 の線および麻󠄃の撚糸をもて巧にエポデを織なすべし
7 エポデには二の肩帶をほどこしその兩の端を連ねて之を合すべし
8 エポデの上にありてこれを束ぬるところの帶はその物同うしてエポデの製のごとくにすべし即ち金 靑 紫 紅 の糸および麻󠄃の撚糸をもてこれを作るべし
9 汝二箇の葱珩をとりてその上にイスラエルの子等の名を鐫つくべし〘112㌻〙
10 即ち彼等の誕生にしたがひてその名六を一の玉に鐫りその遺󠄃餘の名六を外の玉に鐫べし
11 玉に雕刻する人の印を刻が如くに汝イスラエルの子等の名をその二の玉に鐫つけその玉を金の槽に嵌べし
12 この二の玉をエポデの肩帶の上につけてイスラエルの子等の記念の玉とならしむべし即ちアロン、ヱホバの前󠄃において彼等の名をその兩の肩に負󠄅て記念とならしむべし
13 汝金の槽を作るべし
14 而して純金を組て紐の如き二箇の鏈を作りその組る鏈をかの槽につくべし
15 汝また審判󠄄の胸牌を巧に織なしエポデの製のごとくに之をつくるべし即ち金 靑 紫 紅 の線および麻󠄃の撚糸をもてこれを製るべし
16 是は四角にして二重なるべく其長は半󠄃キユビトその濶も半󠄃キユビトなるべし
17 汝またその中に玉を嵌て玉を四行にすべし即ち赤玉 黄玉 瑪瑙の一行を第一行とすべし
18 第二行は紅玉 靑玉 金剛石
19 第三行は深紅玉 白瑪瑙 紫玉
20 第四行は黄緑玉 葱珩 碧玉 凡て金の槽の中にこれを嵌べし
147㌻
21 その玉はイスラエルの子等の名に循ひその名のごとくにこれを十二にすべし而してその十二の支派の各各の名は印を刻ごとくにこれを鐫つくべし
22 汝純金を紐のごとくに組たる鏈を胸牌の上につくべし
23 また胸牌の上に金の環二箇を作り胸牌の兩の端にその二箇の環をつけ
24 かの金の紐二條を胸牌の端の二箇の環につくべし
25 而してその二條の紐の兩の端を二箇の槽に結ひエポデの肩帶の上につけてその前󠄃にあらしむべし
26 又󠄂二箇の金の環をつくりて之を胸牌の兩の端につくべし即ちそのエポデに對ふところの內の邊に之をつくべし
27 汝また金の環二箇を造󠄃りてこれをエポデの兩旁の下の方につけその前󠄃の方にてその聯接る處に對ひてエポデの帶の上にあらしむべし
28 胸牌は靑紐をもてその環によりて之をエポデの環に結ひつけエポデの帶の上にあらしむべし然せば胸牌エポデを離るゝこと無るべし
29 アロン聖󠄄所󠄃に入る時はその胸にある審判󠄄の胸牌にイスラエルの子等の名を帶てこれをその心の上に置きヱホバの前󠄃に恒に記念とならしむべし
30 汝審判󠄄の胸牌にウリムとトンミムをいれアロンをしてそのヱホバの前󠄃に入る時にこれをその心の上に置しむべしアロンはヱホバの前󠄃に常にイスラエルの子孫の審判󠄄を帶てその心の上に置べし
31 エポデに屬する明衣は凡てこれを靑く作るべし〘113㌻〙
32 頭をいるゝ孔はその眞中に設くべし又󠄂その孔の周󠄃圍には織物の緣をつけて鎧の領盤のごとくになして之を綻びざらしむべし
33 その裾には靑 紫 紅 の糸をもて石榴をつくりてその裾の周󠄃圍につけ又󠄂四周󠄃に金の鈴をその間々につくべし
34 即ち明衣の据には金の鈴に石榴又󠄂金の鈴に石榴とその周󠄃圍につくべし
35 アロン奉事をなす時にこれを著べし彼が聖󠄄所󠄃にいりてヱホバの前󠄃に至る時また出きたる時にはその鈴の音󠄃聞ゆべし斯せば彼死ることあらじ
148㌻
36 汝純金をもて一枚の前󠄃板を作り印を刻がごとくにその上にヱホバに聖󠄄と鐫つけ
37 之を靑紐につけて頭帽の上にあらしむべし即ち頭帽の前󠄃の方にこれをつくべし
38 是はアロンの額にあるべしアロンはイスラエルの子孫が献ぐるところの聖󠄄物すなはちその献ぐる諸の聖󠄄き供物の上にあるとこるの罪を負󠄅べしこの板をば常にアロンの額にあらしむべし是ヱホバの前󠄃に其等の受納󠄃られんためなり
39 汝麻󠄃糸をもて裏衣を間格に織り麻󠄃糸をもて頭帽を製りまた帶を繍工に織なすべし
40 汝またアロンの子等のために裏衣を製り彼らのために帶を製り彼らのために頭巾を製りてその身に顯榮と榮光あらしむべし
41 而して汝これを汝の兄弟アロンおよび彼とともなるその子等に着せ膏を彼等に灌ぎこれを立てこれを聖󠄄別てこれをして祭司の職を我になさしむべし
42 又󠄂かれらのためにその陰所󠄃を蔽ふ麻󠄃の褌を製り腰より髀に達󠄃らしむべし
43 アロンとその子等は集會の幕屋に入る時又󠄂は祭壇に近󠄃づきて聖󠄄所󠄃に職事をなす時はこれを著べし斯せば愆をかうむりて死ることなからん是は彼および彼の後の子孫の永く守るべき例なり
第29章
1 汝かれらを聖󠄄別て彼らをして我にむかひて祭司の職をなさしむるには斯これに爲べし即ち若き牡牛と二の全󠄃き牡山羊を取り
2 無酵パン油を和たる無酵菓子および油を塗たる無酵煎餅を取べし是等は麥粉をもて製るべし
3 而してこれを一箇の筐にいれ牡牛および二の牡山羊とともにこれをその筐のまゝに持きたるべし
4 汝またアロンとその子等を集會の幕屋の口に携きたりて水をもてかれらを洗ひ淸め
5 衣服󠄃をとりて裏衣エポデに屬する明衣エポデおよび胸牌をアロンに着せエポデの帶を之に帶しむべし
6 而してかれの首に頭帽をかむらせその頭帽の上にかの聖󠄄金板を戴しめ〘114㌻〙
149㌻
7 灌油を取てこれを彼の首に傾け灌ぐべし
8 又󠄂かれの子等を携來りて之に裏衣を着せ
9 之に帶を帶しめ頭巾をこれにかむらすべし即ちアロンとその子等に斯なすべし祭司の職はかれらに歸す永くこれを例となすべし汝斯アロンとその子等を立べし
10 汝集會の幕屋の前󠄃に牡牛をひき來らしむべし而してアロンとその子等その牡牛の頭に手を按べし
11 かくして汝集會の幕屋の口にてヱホバの前󠄃にその牡牛を宰すべし
12 汝その牡牛の血をとり汝の指をもてこれを壇の角に塗りその血をばことごとく壇の下に灌ぐべし
13 汝またその臓腑を裏むところの諸の脂肝の上の網膜および二の腎とその上の脂を取てこれを壇の上に燔べし
14 但しその牡牛の肉とその皮および糞は營の外にて火に燒べし是は罪祭なり
15 汝かの牡山羊一頭を取るべし而してアロンとその子等その牡山羊の上に手を按べし
16 汝その牡山羊を宰しその血をとりてこれを壇の上の周󠄃圍に灌ぐべし
17 汝その牡山羊を切割󠄅きその臓腑とその足を洗ひて之をその肉の塊とその頭の上におくべし
18 汝その牡山羊を壇の上に悉く燒べし是ヱホバにたてまつる燔祭なり是は馨しき香にしてヱホバにたてまつる火祭なり
19 汝また今一の牡山羊をとるべし而してアロンとその子等その牡山羊の頭の上に手を按べし
20 汝すなはちその牡山羊を殺しその血をとりてこれをアロンの右の耳の端およびその子等の右の耳の端につけ又󠄂その右の手の大指と右の足の栂指につけその血を壇の周󠄃圍に灌ぐべし
21 又󠄂壇の上の血をとり灌油をとりて之をアロンとその衣服󠄃およびその子等とその子等の衣服󠄃に灌ぐべし斯彼とその衣服󠄃およびその子等とその子等の衣服󠄃淸淨なるべし
150㌻
22 汝その牡山羊の脂と脂の尾および其臓腑を裏る脂肝の上の網膜二箇の腎と其上の脂および右の腿を取べし是は任職の牡山羊なり
23 汝またヱホバの前󠄃にある無酵パンの筐の中よりパン一個と油ぬりたる菓子一箇と煎餅一個を取べし
24 汝これらを悉くアロンの手と其子等の手に授けこれを搖てヱホバに搖祭となすべし
25 而して汝これらを彼等の手より取て壇の上にて燔祭にくはへて燒くべし是ヱホバの前󠄃に馨しき香となるべし是すなはちヱホバにたてまつる火祭なり
26 汝またアロンの任職の牡山羊の胸を取てこれをヱホバの前󠄃に搖て搖祭となすべし是汝の受るところの分󠄃なり〘115㌻〙
27 汝その搖ところの搖祭の物の胸およびその擧るところの擧祭の物の腿すなはちアロンとその子等の任職の牡山羊の胸と腿を聖󠄄別つべし
28 是はアロンとその子等に歸すべしイスラエルの子孫永くこの例を守るべきなり是はイスラエルの子孫が酬恩祭の犧牲の中よりとるところの擧祭にしてヱホバになすところの擧祭なり
29 アロンの聖󠄄衣は其後の子孫に歸すべし子孫これを着て膏をそゝがれ職に任ぜらるべきなり
30 アロンの子孫の中彼にかはりて祭司となり集會の幕屋にいりて聖󠄄所󠄃に職をなす者は先七日の間これを着べし
31 汝任職の牡山羊を取り聖󠄄所󠄃にてその肉を煮べし
32 アロンとその子等は集會の幕屋の戶口においてその牡山羊の肉と筐の中のパンを食󠄃ふべし
33 罪を贖ふ物すなはち彼らを立て彼らを聖󠄄別るに用るところの物を彼らは食󠄃ふべし餘の人は食󠄃ふべからず其は聖󠄄物なればなり
34 もし任職の肉あるひはパン旦まで遺󠄃りをらばその遺󠄃者は火をもてこれを燒べし是は聖󠄄ければ食󠄃ふべからず
35 汝わが凡て汝に命ずるごとくにアロンとその子等に斯なすべし即ちかれらのために七日のあひだ任職の禮をおこなふべし
151㌻
36 汝日々に罪祭の牡牛一頭をさゝげて贖をなすべし又󠄂壇のために贖罪をなしてこれを淸めこれに膏を灌ぎこれを聖󠄄別べし
37 汝七日のあひだ壇のために贖をなして之を聖󠄄別め至聖󠄄き壇とならしむべし凡て壇に捫る者は聖󠄄なるべし
38 汝が壇の上にさゝぐべき者は是なり即ち一歳の羔二を日々絕ず献ぐべし
39 一の羔は朝󠄃にこれを献げ一の羔は夕にこれを献べし
40 一の羔に麥粉十分󠄃の一に搗たる油一ヒンの四分󠄃の一を和たるを添へ又󠄂灌祭として酒一ヒンの四分󠄃の一を添べし
41 今一の羔羊は夕にこれを献げ朝󠄃とおなじき素祭と灌祭をこれと共にさゝげ馨しき香とならしめヱホバに火祭たらしむべし
42 是すなはち汝らが代々絕ず集會の幕屋の門口にてヱホバの前󠄃に献ぐべき燔祭なり我其處にて汝等に會ひ汝と語ふべし
43 其處にて我イスラエルの子孫に會ん幕屋はわが榮光によりて聖󠄄なるべし
44 我集會の幕屋と祭壇を聖󠄄めん亦アロンとその子等を聖󠄄めて我に祭司の職をなさしむべし
45 我イスラエルの子孫の中に居て彼らの神とならん
46 彼等は我が彼らの神ヱホバにして彼等の中に住󠄃んとて彼等をエジプトの地より導󠄃き出せし者なることを知ん我はかれらの神ヱホバなり〘116㌻〙
第30章
1 汝香を焚く壇を造󠄃るべし即ち合歡木をもてこれを造󠄃るべし
2 その長は一キユビトその寛も一キユビトにして四角ならしめ其高は三キユビトにし其角は其より出しむべし
3 而してその上その四傍その角ともに純金を着せその周󠄃圍に金の緣を作るべし
4 汝またその兩面に金の緣の下に金の環二箇を之がために作るべし即ちその兩傍にこれを作るべし是すなはちこれを舁ところの杠を貫く所󠄃なり
5 その杠は合歡木をもてこれを作りて之に金を着すべし
152㌻
6 汝これを律法の櫃の傍なる幕の前󠄃に置て律法の上なる贖罪所󠄃に對はしむべし其處はわが汝に會ふ處なり
7 アロン朝󠄃ごとにその上に馨しき香を焚べし彼燈火を整ふる時はその上に香を焚べきなり
8 アロン夕に燈火を燃す時はその上に香を焚べし是香はヱホバの前󠄃に汝等が代々絕すべからざる者なり
9 汝等その上に異る香を焚べからず燔祭をも素祭をも獻ぐべからず又󠄂その上に灌祭の酒を灌ぐべからず
10 アロン年に一回贖罪の罪祭の血をもてその壇の角のために贖をなすべし汝等代々年に一度是がために贖をなすべし是はヱホバに最も聖󠄄き者たるなり
11 ヱホバ、モーセに吿て言たまはく
12 汝がイスラエルの子孫の數を數へしらぶるにあたりて彼等は各人その數へらるゝ時にその生命の贖をヱホバにたてまつるべし是はその數ふる時にあたりて彼等の中に災害󠄅のあらざらんためなり
13 凡て數へらるゝ者の中に入る者は聖󠄄所󠄃のシケルに遵󠄅ひて半󠄃シケルを出すべし一シケルは二十ゲラなり即ち半󠄃シケルをヱホバにたてまつるべし
14 凡て數へらるゝ者の中に入る者即ち二十歳以上の者はヱホバに献納󠄃物をなすべし
15 汝らの生命を贖ふためにヱホバに献納󠄃物をなすにあたりては富者も半󠄃シケルより多く出すべからず貧󠄃者も其より少く出すべからず
16 汝イスラエルの子孫より贖の金を取てこれを幕屋の用に供ふべし是はヱホバの前󠄃にイスラエルの子孫の記念となりて汝ら生命を贖ふべし
17 ヱホバ、モーセに吿て言たまはく
18 汝また銅をもて洗盤をつくりその臺をも銅になして洗ふことのために供へ之を集會の幕屋と壇との間に置てその中に水をいれおくべし
19 アロンとその子等はそれに就て手と足を洗ふべし〘117㌻〙
153㌻
20 彼等は集會の幕屋に入る時に水をもて洗ふことを爲て死をまぬかるべし亦壇にちかづきてその職をなし火祭をヱホバの前󠄃に焚く時も然すべし
21 即ち斯その手足を洗ひて死を免かるべし是は彼とその子孫の代々常に守るべき例なり
22 ヱホバまたモーセに言たまひけるは
23 汝また重立たる香物を取れ即ち淨沒藥五百シケル香しき肉桂その半󠄃二百五十シケル香しき菖蒲二百五十シケル
24 桂枝五百シケルを聖󠄄所󠄃のシケルに遵󠄅ひて取り又󠄂橄欖の油一ヒンを取べし
25 汝これをもて聖󠄄灌膏を製るべしすなはち薫物を製る法にしたがひて香膏を製るべし是は聖󠄄灌膏たるなり
26 汝これを集會の幕屋と律法の櫃に塗り
27 案とそのもろもろの器具󠄄燈臺とそのもろもろの器具󠄄および香壇
28 並に燔祭の壇とそのもろもろの器具󠄄および洗盤とその臺とに塗べし
29 汝是等を聖󠄄めて至聖󠄄らしむべし凡てこれに捫る者は聖󠄄くならん
30 汝アロンとその子等に膏をそゝぎて之を立て彼らをして我に祭司の職をなさしむべし
31 汝イスラエルの子孫に吿ていふべし是は汝らが代々我の爲に用ふべき聖󠄄灌膏なり
32 是は人の身に灌ぐべからず汝等また此量をもて是に等き物を製るべからず是は聖󠄄し汝等これを聖󠄄物となすべし
33 凡て之に等き物を製る者凡てこれを餘人につくる者はその民の中より絕るべし
34 ヱホバ、モーセに言たまはく汝ナタフ、シケレテ、へルベナの香物を取りその香物を淨き乳󠄃香に和あはすべしその量は各等からしむべきなり
35 汝これを以て香を製るべし即ち薫物を製る法にしたがひてこれをもて薫物を製り鹽をこれにくはへ潔󠄄く且聖󠄄らしむべし
36 汝またその幾分󠄃を細に搗て我が汝に會ふところなる集會の幕屋の中にある律法の前󠄃にこれを供ふべし是は汝等において最も聖󠄄き者なり
37 汝が製るところの香は汝等その量をもてこれを自己のために製るべからず是は汝においてヱホバのために聖󠄄き者たるなり
154㌻
38 凡て是に均き者を製りてこれを嗅ぐ者はその民の中より絕るべし
第31章
1 ヱホバ、モーセに吿て言たまひけるは
2 我ユダの支派のホルの子なるウリの子ベザレルを名指て召し
3 神の靈をこれに充して智慧󠄄と了知と智識と諸の類の工に長しめ
4 奇巧を盡して金銀及び銅の作をなすことを得せしめ
5 玉を切り嵌め木に彫刻みて諸の類の工をなすことを得せしむ〘118㌻〙
6 視よ我またダンの支派のアヒサマクの子アホリアブを與へて彼とともならしむ凡て心に智ある者に我智慧󠄄を授け彼等をして我が汝に命ずる所󠄃の事を盡くなさしむべし
7 即ち集會の幕屋律法の櫃その上の贖罪所󠄃幕屋の諸の器具󠄄
8 案ならびにその器具󠄄純金の燈臺とその諸の器具󠄄および香壇
9 燔祭の壇とその諸の器具󠄄洗盤とその臺
10 供職の衣服󠄃祭司の職をなす時に用ふるアロンの聖󠄄衣およびその子等の衣服󠄃
11 および灌膏ならびに聖󠄄所󠄃の馨しき香是等を我が凡て汝に命ぜしごとくに彼等製造󠄃べきなり
12 ヱホバ、モーセに吿て言たまひけるは
13 汝イスラエルの子孫に吿て言べし汝等かならず吾安息日を守るべし是は我と汝等の間の代々の徴にして汝等に我の汝等を聖󠄄からしむるヱホバなるを知しむる爲の者なればなり
14 即ち汝等安息日を守るべし是は汝等に聖󠄄日なればなり凡て之を瀆す者は必ず殺さるべし凡てその日に働作をなす人はその民の中より絕るべし
15 六日の間業をなすべし第七日は大安息にしてヱホバに聖󠄄なり凡て安息日に働作をなす者は必ず殺さるべし
16 斯イスラエルの子孫は安息日を守り代々安息日を祝ふべし是永遠󠄄の契約なり
155㌻
17 是は永久に我とイスラエルの子孫の間の徴たるなり其はヱホバ六日の中に天地をつくりて七日に休みて安息に入たまひたればなり
18 ヱホバ、シナイ山にてモーセに語ることを終󠄃たまひし時律法の板二枚をモーセに賜ふ是は石の板にして神が手をもて書したまひし者なり
第32章
1 茲に民モーセが山を下ることの遲きを見民集りてアロンの許に至り之に言けるは起󠄃よ汝われらを導󠄃く神を我儕のために作れ其は我らをエジプトの國より導󠄃き上りし彼モーセ其人は如何になりしか知ざればなり
2 アロンかれらに言けるは汝等の妻と息子息女等の耳にある金の環をとりはづして我に持きたれと
3 是において民みなその耳にある金の環をとりはづしてアロンの許に持來りければ
4 アロンこれを彼等の手より取り鎚鑿をもて之が形を造󠄃りて犢を鑄なしたるに人々言ふイスラエルよ是は汝をエジプトの國より導󠄃きのぼりし汝の神なりと
5 アロンこれを見てその前󠄃に壇を築き而してアロン宣吿て明日はヱホバの祭禮なりと言ふ
6 是において人衆明朝󠄃早く起󠄃いでて燔祭を献げ酬恩祭を供ふ民坐して飮食󠄃し起󠄃て戯る
〘119㌻〙
7 ヱホバ、モーセに言たまひけるは汝徃て下れよ汝がエジプトの地より導󠄃き出せし汝の民は惡き事を行ふなり
8 彼等は早くも我が彼等に命ぜし道󠄃を離れ己のために犢を鑄なしてそれを拜み其に犧牲を献げて言ふイスラエルよ是は汝をエジプトの地より導󠄃きのぼりし汝の神なりと
9 ヱホバまたモーセに言たまひけるは我この民を觀たり視よ是は項の强き民なり
10 然ば我を阻るなかれ我かれらに向ひて怒を發して彼等を滅し盡さん而して汝をして大なる國をなさしむべし
156㌻
11 モーセその神ヱホバの面を和めて言けるはヱホバよ汝などて彼の大なる權能と强き手をもてエジプトの國より導󠄃きいだしたまひし汝の民にむかひて怒を發したまふや
12 何ぞエジプト人をして斯言しむべけんや曰く彼は禍をくだして彼等を山に殺し地の面より滅し盡さんとて彼等を導󠄃き出せしなりと然ば汝の烈き怒を息め汝の民にこの禍を下さんとせしを思ひ直したまへ
13 汝の僕アブラハム、イサク、イスラエルを憶ひたまへ汝は自己さして彼等に誓ひて我天の星のごとくに汝等の子孫を增し又󠄂わが言ところの比地をことごとく汝等の子孫にあたへて永くこれを有たしめんと彼等に言たまへりと
14 ヱホバ是においてその民に禍を降んとせしを思ひ直したまへり
15 モーセすなはち身を轉して山より下れりかの律法の二枚の板その手にあり此板はその兩面に文字あり即ち此面にも彼面にも文字あり
16 此板は神の作なりまた文字は神の書にして板に彫つけてあり
17 ヨシユア民の呼はる聲を聞てモーセにむかひ營中に戰爭の聲すと言ければ
18 モーセ言ふ是は勝󠄃鬨の聲にあらず又󠄂敗北の號呼聲にもあらず我が聞ところのものは歌唱ふ聲なりと
19 斯てモーセ營に近󠄃づくに及びて犢と舞跳を見たれば怒を發してその手よりかの板を擲ちこれを山の下に碎けり
20 而して彼等が作りし犢をとりてこれを火に燒き碎きて粉となしてこれを水に撒きイスラエルの子孫に之をのましむ
21 モーセ、アロンに言けるは此民汝に何をなしてか汝かれらに大なる罪を犯させしや
22 アロン言けるは吾主よ怒を發したまふ勿れ此民の惡なるは汝の知ところなり
23 彼等われに言けらく我らを導󠄃く神をわれらのために作れ其は我らをエジプトの國より導󠄃き上りし彼モーセ其人は如何になりしか知ざればなりと
157㌻
24 是において我凡て金をもつ者はそれをとりはづせと彼等に言ければ則ちそれを我に與へたり我これを火に投たれば此犢出きたれりと
〘120㌻〙
25 モーセ民を視るに縱肆に事をなすアロン彼等をして縱肆に事をなさしめたれば彼等はその敵の中に嘲笑となれるなり
26 茲にモーセ營の門に立ち凡てヱホバに歸する者は我に來れと言ければレビの子孫みな集りてかれに至る
27 モーセすなはち彼等に言けるはイスラエルの神ヱホバ斯言たまふ汝等おのおの劍を横たへて門より門と營の中を彼處此處に行めぐりて各人その兄弟を殺し各人その伴󠄃侶を殺し各人その隣人を殺すべしと
28 レビの子孫すなはちモーセの言のごとくに爲たればその日民凡三千人殺されたり
29 是に於てモーセ言ふ汝等おのおのその子をもその兄弟をも顧󠄃ずして今日ヱホバに身を獻げ而して今日福祉を得よ
30 明日モーセ民に言けるは汝等は大なる罪を犯せり今我ヱホバの許に上りゆかんとす我なんちらの罪を贖ふを得ることもあらん
31 モーセすなはちヱホバに歸りて言けるは嗚呼この民の罪は大なる罪なり彼等は自己のために金の神を作れり
32 然どかなはゞ彼等の罪を赦したまへ然ずば願くは汝の書しるしたまへる書の中より吾名を抹さりたまへ
33 ヱホバ、モーセに言たまひけるは凡てわれに罪を犯す者をば我これをわが書より抹さらん
34 然ば今徃て民を我が汝につげたる所󠄃に導󠄃けよ吾使者汝に先だちて徃ん但しわが罰をなこなふ日には我かれらの罪を罰せん
35 ヱホバすなはち民を擊たまへり是はかれら犢を造󠄃りたるに因る即ちアロンこれを造󠄃りしなり
158㌻
第33章
1 茲にヱホバ、モーセに言たまひけるは汝と汝がエジプトの國より導󠄃き上りし民此を起󠄃いでて我がアブラハム、イサク、ヤコブに誓ひて之を汝の子孫に與へんと言しその地に上るべし
2 我一の使を遣󠄃して汝に先だたしめん我カナン人アモリ人ヘテ人ペリジ人ヒビ人ヱブス人を逐󠄃はらひ
3 なんぢらをして乳󠄃と蜜の流るゝ地にいたらしむべし我は汝の中にをりては共に上らじ汝は項の强き民なれば恐くは我途󠄃にて汝を滅すにいたらん
4 民この惡き吿を聞て憂へ一人もその妝飾󠄃を身につくる者なし
5 ヱホバ、モーセに言たまひけるはイスラエルの子孫に言へ汝等は項の强き民なり我もし一刻も汝の中にありて徃ば汝を滅すにいたらん然ば今汝らの妝飾󠄃を身より取すてよ然せば我汝に爲べきことを知んと〘121㌻〙
6 是をもてイスラエルの子孫ホレブ山より以來はその妝飾󠄃を取すてゝ居ぬ
7 モーセ幕屋をとりてこれを營の外に張て營と遙に離れしめ之を集會の幕屋と名けたり凡てヱホバに求むることのある者は出ゆきて營の外なるその集會の幕屋にいたる
8 モーセの出て幕屋にいたる時には民みな起󠄃あがりてモーセが幕屋にいるまで各々その天幕の門口に立てかれを見る
9 モーセ幕屋にいれば雲の柱くだりて幕屋の門口に立つ而してヱホバ、モーセとものいひたまふ
10 民みな幕屋の門口に雲の柱の立つを見れば民みな起󠄃て各人その天幕の門口にて拜をなす
11 人がその友に言談ごとくにヱホバ、モーセと面をあはせてものいひたまふモーセはその天幕に歸りしがその僕なる少者ヌンの子ヨシユアは幕屋を離れざりき
12 茲にモーセ、ヱホバに言けるは視たまへ汝はこの民を導󠄃き上れと我に言たまひながら誰を我とともに遣󠄃したまふかを我にしらしめたまはず汝かつて言たまひけらく我名をもて汝を知る汝はまた我前󠄃に恩を得たりと
159㌻
13 然ば我もし誠に汝の目の前󠄃に恩を得たらば願くは汝の道󠄃を我に示して我に汝を知しめ我をして汝の目の前󠄃に恩を得せしめたまへ又󠄂汝この民の汝の有なるを念たまへ
14 ヱホバ言たまひけるは我親汝と共にゆくべし我汝をして安泰にならしめん
15 モーセ、ヱホバに言けるは汝もしみづから行たまはずば我等を此より上らしめたまふ勿れ
16 我と汝の民とが汝の目の前󠄃に恩を得ることは如何にして知るべきや是汝が我等とともに徃たまひて我と汝の民とが地の諸の民に異る者となるによるにあらずや
17 ヱホバ、モーセに言たまひけるは汝が言るこの事をも我爲ん汝はわが目の前󠄃に恩を得たればなり我名をもて汝を知なり
18 モーセ願くは汝の榮光を我に示したまへと言ければ
19 ヱホバ言たまはく我わが諸の善を汝の前󠄃に通󠄃らしめヱホバの名を汝の前󠄃に宣ん我は惠んとする者を惠み憐まんとする者を憐むなり
20 又󠄂言たまはく汝はわが面を見ることあたはず我を見て生る人あらざればなり
21 而してヱホバ言たまひけるは視よ我が傍に一の處あり汝磐の上に立べし
22 吾榮光其處を過󠄃る時に我なんぢを磐の穴󠄄にいれ我が過󠄃る時にわが手をもて汝を蔽はん
23 而してわが手を除る時に汝わが背後を見るべし吾面は見るべきにあらず〘122㌻〙
第34章
1 茲にヱホバ、モーセに言たまひけるは汝石の板二枚を前󠄃のごとくに斫て作れ汝が碎きし彼の前󠄃の板にありし言を我その板に書さん
2 詰朝󠄃までに準備をなし朝󠄃の中にシナイ山に上り山の嶺に於て吾前󠄃に立て
160㌻
3 誰も汝とともに上るべからず又󠄂誰も山の中に居べからず又󠄂その山の前󠄃にて羊や牛を牧ふべからず
4 モーセすなはち石の板二枚を前󠄃のごとくに斫て造󠄃り朝󠄃早く起󠄃て手に二枚石の板をとりヱホバの命じたまひしごとくにシナイ山にのぼりゆけり
5 ヱホバ雲の中にありて降り彼とともに其處に立ちてヱホバの名を宣たまふ
6 ヱホバすなはち彼の前󠄃を過󠄃て宣たまはくヱホバ、ヱホバ憐憫あり恩惠あり怒ることの遲く恩惠と眞實の大なる神
7 恩惠を千代までも施し惡と過󠄃と罪とを赦す者又󠄂罰すべき者をば必ず赦すことをせず父󠄃の罪を子に報い子の子に報いて三四代におよぼす者
8 モーセ急󠄃ぎ地に躬を鞠めて拜し
9 言けるはヱホバよ我もし汝の目の前󠄃に恩を得たらば願くは主我等の中にいまして行たまへ是は項の强き民なればなり我等の惡と罪を赦し我等を汝の所󠄃有となしたまへ
10 ヱホバ言たまふ視よ我契約をなす我未だ全󠄃地に行はれし事あらず何の國民の中にも行はれし事あらざるところの奇跡を汝の總躰の民の前󠄃に行ふべし汝が住󠄃ところの國の民みなヱホバの所󠄃行を見ん我が汝をもて爲ところの事は怖るべき者なれば
11 汝わが今日汝に命ずるところの事を守れ視よ我アモリ人カナン人ヘテ人ペリジ人ヒビ人ヱブス人を汝の前󠄃より逐󠄃はらふ
12 汝みづから愼め汝が徃ところの國の居民と契約をむすぶべからず恐くは汝の中において機檻となることあらん
13 汝らかへつて彼等の祭壇を崩󠄃しその偶像を毀ちそのアシラ像を斫たふすべし
14 汝は他の神を拜むべからず其はヱホバはその名を嫉妒と言て嫉妒神なればたり
15 然ば汝その地の居民と契約を結ぶべからず恐くは彼等がその神々を慕ひて其と姦淫をおこなひその神々に犧牲をさゝぐる時に汝を招きてその犧牲に就て食󠄃はしむる者あらん
161㌻
16 又󠄂恐くは汝かれらの女子等を汝の息子等に妻すことありて彼等の女子等その神々を慕ひて姦淫を行ひ汝の息子等をして彼等の神々を慕て姦淫をおこなはしむるにいたらん
17 汝おのれのために神々を鑄なすべからず
18 汝無酵パンの節筵を守るべし即ち我が汝に命ぜしごとくアビブの月のその期におよびて七日の間無酵パンを食󠄃ふべし其は汝アビブの月にエジプトより出たればなり〘123㌻〙
19 首出たる者は皆吾の所󠄃有なり亦汝の家畜の首出の牡たる者も牛羊ともに皆しかり
20 但し驢馬の首出は羔羊をもて贖ふべし若し贖はずばその頸を折べし汝の息子の中の初子は皆贖ふべし我前󠄃に空󠄃手にて出るものあるべからず
21 六日の間汝働作をなし第七日に休むべし耕耘時にも收穫時にも休むべし
22 汝七週󠄃の節筵すなはち麥秋の初穗の節筵を爲し又󠄂年の終󠄃に收藏の節󠄄筵をなすべし
23 年に三回汝の男子みな主ヱホバ、イスラエルの神の前󠄃に出べし
24 我國々の民を汝の前󠄃より逐󠄃はらひて汝の境を廣くせん汝が年に三回のぼりて汝の神ヱホバのまへに出る時には誰も汝の國を取んとする者あらじ
25 汝わが犧牲の血を有酵パンとともに供ふべからず又󠄂逾越の節の犧牲は明朝󠄃まで存しおくべからざるなり
26 汝の土地の初穗の初を汝の神ヱホバの家に携ふべし汝山羊羔をその母の乳󠄃にて煮べからず
27 斯てヱホバ、モーセに言たまひけるは汝是等の言語を書しるせ我是等の言語をもて汝およびイスラエルと契約をむすべばなり
162㌻
28 彼はヱホバとともに四十日四十夜其處に居しが食󠄃物をも食󠄃ず水をも飮ざりきヱホバその契約の詞なる十誡をかの板の上に書したまへり
29 モーセその律法の板二枚を己の手に執てシナイ山より下りしがその山より下りし時にモーセはその面の己がヱホバと言ひしによりて光を發つを知ざりき
30 アロンおよびイスラエルの子孫モーセを見てその面の皮の光を發つを視怖れて彼に近󠄃づかざりしかば
31 モーセかれらを呼りアロンおよび會衆の長等すなはちモーセの所󠄃に歸りたればモーセ彼等と言ふ
32 斯ありて後イスラエルの子孫みな近󠄃よりければモーセ、ヱホバがシナイ山にて己に吿たまひし事等を盡くこれに諭せり
33 モーセかれらと語ふことを終󠄃て覆面帕をその面にあてたり
34 但しモーセはヱホバの前󠄃にいりてともに語ることある時はその出るまで覆面帕を除きてをりまた出きたりてその命ぜられし事をイスラエルの子孫に吿ぐ
35 イスラエルの子孫モーセの面を見るにモーセの面の皮光を發つモーセは入てヱホバと言ふまでまたその覆面帕を面にあてをる〘124㌻〙
第35章
1 モーセ、イスラエルの子孫の會衆を盡く集てこれに言ふ是はヱホバが爲せと命じたまへる言なり
2 即ち六日の間は働作を爲べし第七日は汝等の聖󠄄日ヱホバの大安息日なり凡てこの日に働作をなす者は殺さるべし
3 安息日には汝等の一切の住󠄃處に火をたく可らず
4 モーセ、イスラエルの子孫の會衆に徧く吿て言ふ是はヱホバの命じたまへるところの事なり
5 曰く汝等が有る物の中より汝等ヱホバに献ぐる者を取べし凡て心より願ふ者に其を携へきたりてヱホバに献ぐべし即ち金 銀 銅
163㌻
6 靑 紫 紅の線 麻󠄃糸 山羊の毛
7 赤染の牡羊の皮 貛の皮 合歡木
8 燈油 灌膏と馨しき香をつくる香物
9 葱珩 エポデと胸牌に嵌る玉
10 凡て汝等の中の心に智慧󠄄ある者來りてヱホバの命じたまひし者を悉く造󠄃るべし
11 即ち幕屋その天幕その頂蓋その鈎その版その横木その柱その座
12 かの櫃とその杠 贖罪所󠄃 障蔽の幕
13 案子とその杠およびその諸の器具󠄄供前󠄃のパン
14 燈明の臺その器具󠄄とその盞および燈火の油
15 香壇とその杠 灌膏 馨しき香 幕屋の入口の幔
16 燔祭の壇およびその銅の網その杠その諸の器具󠄄洗盤とその臺
17 庭の幕その柱その座庭の口の幔
18 幕屋の釘庭の釘およびその紐
19 聖󠄄所󠄃にて職をなすところの供職の衣即ち祭司の職をなす時に用ふる者なる祭司アロンの聖󠄄衣および其子等の衣服󠄃
20 斯てイスラエルの子孫の會衆みなモーセの前󠄃を離れて去しが
21 凡て心に感じたる者凡て心より願ふ者は來りてヱホバへの献納󠄃物を携へいたり集會の幕屋とその諸の用に供へ又󠄂聖󠄄衣のために供へたり
22 即ち凡て心より願ふ者は男女ともに環釦 耳環 指環 頸玉 諸の金の物を携へいたれり又󠄂凡て金の献納󠄃物をヱホバに爲す者も然せり
23 凡て靑 紫 紅の線および麻󠄃絲 山羊の毛 赤染の牡羊の皮 貛の皮ある者は是を携へいたり
24 凡て銀および銅の献納󠄃物をなす者はこれを携へきたりてヱホバに獻げ又󠄂物を造󠄃るに用ふべき合歡木ある者は其を携へいたれり
25 また凡て心に智慧󠄄ある婦󠄃女等はその手をもて紡ぐことをなしその紡ぎたる者なる靑 紫 紅の線および麻󠄃絲を携へきたり
26 凡て智慧󠄄ありて心に感じたる婦󠄃人は山羊の毛を紡げり
27 又󠄂長たる者どもは葱珩およびエポデと胸牌に嵌べき玉を携へいたり
28 燈火と灌膏と馨しき香とに用ふる香物と油を携へいたれり〘125㌻〙
29 斯イスラエルの子孫悅んでヱホバに獻納󠄃物をなせり即ちヱホバがモーセに藉て爲せと命じたまひし諸の工事をなさしむるために物を携へきたらんと心より願ふところの男女は皆是のごとくになしたり
164㌻
30 モーセ、イスラエルの子孫に言ふ視よヱホバ、ユダの支派のホルの子なるウリの子ベザレルを名指て召たまひ
31 神の靈をこれに充して智慧󠄄と了知と知識と諸の類の工事に長しめ
32 奇巧を盡して金銀および銅の作をなすことを得せしめ
33 玉を切り嵌め木に彫刻みて諸の類の工をなすことを得せしめ
34 彼の心を明かにして敎ふることを得せしめたまふ彼とダンの支派のアヒサマクの子アホリアブ俱に然り
35 斯智慧󠄄の心を彼等に充して諸の類の工事をなすことを得せしめたまふ即ち彫刻文織および靑 紫 紅 の絲と麻󠄃絲の刺繍並に機織等凡て諸の類の工をなすことを得せしめ奇巧をこれに盡さしめたまふなり
第36章
1 偖ベザレルとアホリアブおよび凡て心の頴敏き人即ちヱホバが智慧󠄄と了知をあたへて聖󠄄所󠄃の用に供ふるところの諸の工をなすことを知得せしめたまへる者等はヱホバの凡て命じたまひし如くに事をなすべかりし
2 モーセすなはちベザレルとアホリアブおよび凡て心の頴敏き人すなはちその心にヱホバが智慧󠄄をさづけたまひし者凡そ來りてその工をなさんと心に望󠄇ところの者を召よせたり
3 彼等は聖󠄄所󠄃の用にそなふるところの工事をなさしむるためにイスラエルの子孫が携へきたりし諸の献納󠄃物をモーセの手より受とりしが民は尙また朝󠄃ごとに自意󠄃の献納󠄃物をモーセに持きたる
4 是に於て聖󠄄所󠄃の諸の工をなすところの智き人等みな各々その爲ところの工をやめて來り
5 モーセに吿て言けるは民餘りに多く持きたればヱホバが爲せと命じたまひし工事をなすに用ふるに餘ありと
165㌻
6 モーセすなはち命を傳へて營中に宣布しめて云く男女ともに今よりは聖󠄄所󠄃に獻納󠄃物をなすに及ばずと是をもて民は携へきたることを止たり
7 其はその有ところの物すでに一切の工をなすに足て且餘あればなり
8 偖彼等の中心に智慧󠄄ありてその工を爲るところの者十の幕をもて幕屋を造󠄃れりその幕は麻󠄃の撚糸と靑 紫 紅 の絲をもて巧にケルビムを織なして作れる者なり
9 その幕は各々長二十八キユビトその幕は各寛四キユビトその幕はみな寸尺一なり〘126㌻〙
10 而してその幕五箇を互に連ねあはせ又󠄂その幕五箇をたがひに連ねあはせ
11 一聯の幕の邊においてその連絡處の端に靑色の襻を造󠄃り又󠄂他の一聯の幕の邊においてその連絡處にこれを造󠄃れり
12 一聯の幕に襻五十をつくりまた他の一聯の幕の連絡處の邊にも襻五十をつくれりその襻は彼と此と相對す
13 而して金の鈎五十をつくりその鈎をもてその幕を彼と此と相連ねたれば一箇の幕屋となる
14 又󠄂山羊の毛をもて幕をつくりて幕屋の上の天幕となせりその造󠄃れる幕は十一なり
15 その幕は各々長三十キユビトその幕はおのおの寛四キユビトにして十一の幕は寸尺同一なり
16 その幕五を一幅に連ねまたその幕六を一幅に連ね
17 その幕の邊において連絡處に襻五十をつくり又󠄂次の一連の幕の邊にも襻五十をつくれり
18 又󠄂銅の鈎五十をつくりてその天幕をつらねあはせて一とならしめ
19 赤染の牡羊の皮をもてその天幕の頂蓋をつくりてその上に貛の皮の蓋を設けたり
20 又󠄂合歡木をもて幕屋の竪板をつくれり
21 板の長は十キユビト板の寛は一キユビト半󠄃
22 一の板に二の榫ありて彼と此と交指ふ幕屋の板には皆かくのごとく造󠄃りなせり
23 又󠄂幕屋のために板を作れり即ち南に於は南の方に板二十枚
24 その二十枚の板の下に銀の座四十をつくれり即ち此板の下にも二の座ありてその二の榫を承け彼板の下にも二の座ありてその二の榫を承く
166㌻
25 幕屋の他の方すなはちその北の方のためにも板二十枚を作り
26 又󠄂その銀の座四十をつくれり即ち此板の下にも二の座あり彼板の下にも二の座あり
27 又󠄂幕屋の後面すなはちその西のために板六枚をつくり
28 幕屋の後の兩隅のために板二枚宛をつくれり
29 その二枚は下にて相合しその頂まで一に連なれり一箇の環に於て然りその二枚ともに是のごとし是等は二隅のために設けたる者なり
30 その板は八枚ありその座は銀の座十六座あり各々の板の下に二の座あり
31 又󠄂合歡木をもて横木を作れり即ち幕屋の此方の板のために五本を設け
32 幕屋の彼方の板のために横木五本を設け幕屋の後すなはちその西の板のために横木五本を設けたり
33 又󠄂中間の横木をつくりて板の眞中において端より端まで通󠄃らしめ
34 而してその板に金を着せ金をもて之がために鐶をつくりて横木をこれに貫き又󠄂その横木に金を着たり
〘127㌻〙
35 又󠄂靑 紫 紅 の絲および麻󠄃の撚絲をもて幕をつくり巧にケルビムをその上に織いだし
36 それがために合歡木をもて四本の柱をつくりてこれに金を着せたりその鈎は金なり又󠄂銀をもてこれがために座四を鑄たり
37 又󠄂靑 紫 紅 の絲および麻󠄃の撚絲をもて幕屋の入口に掛る幔を織なし
38 その五本の柱とその鈎とを造󠄃りその柱の頭と桁に金を着せたり但しその五の座は銅なりき
第37章
1 ベザレル合歡木をもて櫃をつくれりその長は二キユビト半󠄃その寛は一キユビト半󠄃、その高は一キユビト半󠄃
2 而して純金をもてその內外を蔽ひてその上の周󠄃圍に金の緣を造󠄃れり
3 又󠄂金の環四箇を鑄てその四の足につけたり即ち此旁に二箇の輪彼旁に二箇の輪を付く
4 又󠄂合歡木をもて杠を作りてこれに金を着せ
167㌻
5 その杠を櫃の傍の環にさしいれて之をもて櫃をかくべからしむ
6 又󠄂純金をもて贖罪所󠄃を造󠄃れりその長は二キユビト半󠄃その寛は一キユビト半󠄃なり
7 又󠄂金をもて二箇のケルビムを作れり即ち槌にて打て之を贖罪所󠄃の兩傍に作り
8 一箇のケルブを此方の末に一箇のケルブを彼方の末に置り即ち贖罪所󠄃の兩傍にケルビムを作れり
9 ケルビムは翼を高く展べ其翼をもて贖罪所󠄃を掩ひ其面をたがひに相向く即ちケルビムの面は贖罪所󠄃に向ふ
10 又󠄂合歡木をもて案を作れり其長は二キユビト其寛は一キユビト其高は一キユビト半󠄃
11 而て純金を之に着せ其周󠄃圍に金の緣をつけ
12 又󠄂其四圍に掌寛の邊を作り其邊の周󠄃圍に金の小緣を作れり
13 而て之が爲に金の環四箇を鑄其足の四隅に其環を付たり
14 即ち環は邊の側に在て案を舁く杠を入る處なり
15 而て合歡木をもて案を舁く杠を作りて之に金を着せたり
16 又󠄂案の上の器具󠄄即ち皿匙杓及び酒を灌ぐ斝を純金にて作れり
17 又󠄂純金をもて一箇の燈臺を造󠄃れり即ち槌をもて打て其燈臺を作れり其臺座軸萼節及び花は其に連る
18 六の枝その旁より出づ即ち燈臺の三の枝は此旁より出で燈臺の三の枝は彼傍より出づ
19 巴旦杏の花の形せる三の萼節および花とともに此枝にあり又󠄂巴旦杏の花の形せる三の萼節および花とともに彼枝にあり燈臺より出る六の枝みな斯のごとし
20 巴旦杏の花の形せる四の萼その節および花とともに燈臺にあり〘128㌻〙
21 兩箇の枝の下に一箇の節あり又󠄂兩箇の枝の下に一箇の節あり又󠄂兩箇の枝の下に一箇の節あり燈臺より出る六の枝みな是のごとし
22 その節と枝とは其に連れり皆槌にて打て純金をもて造󠄃れり
23 又󠄂純金をもて七箇の燈盞と燈鉗と剪燈盤を造󠄃れり
24 燈臺とその諸の器具󠄄は純金一タラントをもて作れり
25 又󠄂合歡木をもて香壇を造󠄃れり其長一キユビトその寛一キユビトにして四角なりその高は二キユビトにしてその角は其より出づ
168㌻
26 その上その四旁その角ともに純金を着せその周󠄃圍に金の緣を作れり
27 又󠄂その兩面に金の緣の下に金の環二箇をこれがために作れり即ちその兩旁にこれを作る是すなはち之を舁ところの杠を貫くところなり
28 又󠄂合歡木をもてその杠をつくりて之に金を着せたり
29 又󠄂薫物をつくる法にしたがひて聖󠄄灌膏と香物の淸き香とを製れり
第38章
1 又󠄂合歡木をもて燔祭の壇を築けりその長は五キユビト其寛は五キユビトにして四角その高は三キユビト
2 而してその四隅の上に其の角を作りてその角を其より出しめその壇には銅を着せたり
3 又󠄂その壇の諸の器具󠄄すなはち壺と火鏟と鉢と肉叉と火鼎を作れり壇の器はみな銅にて造󠄃る
4 又󠄂壇のために銅の網をつくりこれを壇の中程の邊の下に置ゑて壇の半󠄃に達󠄃せしめ
5 その銅の網の四隅に四箇の環を鑄て杠を貫く處となし
6 合歡木をもてその杠をつくりて之に銅を着せ
7 壇の兩旁の環にその杠をつらぬきて之を舁べからしむその壇は板をもてこれを空󠄃につくれり
8 また銅をもて洗盤をつくりその臺をも銅にす即ち集會の幕屋の門にて役事をなすところの婦󠄃人等鏡をもて之を作れり
9 又󠄂庭を作れり南に於ては庭の南の方に百キユビトの細布の幕を設く
10 その柱は二十その座は二十にして共に銅なりその柱の鈎および桁は銀なり
11 北の方には百キユビトの幕を設くその柱は二十その座は二十にして共に銅なりその柱の鈎と桁は銀なり
12 西の方には五十キユビトの幕を設くその柱は十その座は十その柱の鈎と桁は銀なり
13 東においては東の方に五十キユビトの幕を設く
14 而してこの一旁に十五キユビトの幕を設くその柱は三その座も三
169㌻
15 又󠄂かの一旁にも十五キユビトの幕を設くその柱は三その座も三即ち庭の門の此旁彼旁ともに然り
16 庭の周󠄃圍の幕はみな細布なり〘129㌻〙
17 柱の座は銅柱の鈎と桁は銀柱の頭の包は銀なり庭の柱はみな銀の桁にて連る
18 庭の門の幔は靑 紫 紅 の絲および麻󠄃の撚絲をもて織なしたる者なりその長は二十キユビトその寛における高は五キユビトにして庭の幕と等し
19 その柱は四その座は四にして共に銅その鈎は銀その頭の包と桁は銀なり
20 幕屋およびその周󠄃圍の庭の釘はみな銅なり
21 幕屋につける物すなはち律法の幕屋につける物を量るに左のごとし祭司アロンの子イタマル、モーセの命にしたがひてレビ人を率󠄃ゐ用ひてこれを量れるなり
22 ユダの支派のホルの子なるウリの子ベザレル凡てヱホバのモーセに命じたまひし事等をなせり
23 ダンの支派のアヒサマクの子アホリアブ彼とともにありて雕刻織文をなし靑 紫 紅 の絲および麻󠄃絲をもて文繍をなせり
24 聖󠄄所󠄃の諸の工作をなすに用たる金は聖󠄄所󠄃のシケルにしたがひて言ば都合二十九タラント七百三十シケルなり是すなはち献納󠄃たるところの金なり
25 會衆の中の核數られし者の献げし銀は聖󠄄所󠄃のシケルにしたがひて言ば百タラント千七百七十五シケルなり
26 凡て數らるゝ者の中に入し者即ち二十歳以上の者六十萬三千五百五十人ありたれば聖󠄄所󠄃のシケルにしたがひて言ば一人に一ベカとなる是すなはち半󠄃シケルなり
27 百タラントの銀をもて聖󠄄所󠄃の座と幕の座を鑄たり百タラントをもて百座をつくれば一座すなはち一タラントなり
28 又󠄂千七百七十五シケルをもて柱の鈎をつくり柱の頭を包み又󠄂柱を連ねあはせたり
29 又󠄂獻納󠄃たるところの銅は七十タラント二千四百シケルなり
30 是をもちひて集會の幕屋の門の座をつくり銅の壇とその銅の網および壇の諸の器具󠄄をつくり
170㌻
31 庭の周󠄃圍の座と庭の門の座および幕屋の諸の釘と庭の周󠄃圍の諸の釘を作れり
第39章
1 靑 紫 紅 の絲をもて聖󠄄所󠄃にて職をなすところの供職の衣服󠄃を製り亦アロンのために聖󠄄衣を製りヱホバのモーセに命じたまひしごとくせり
2 又󠄂金靑 紫 紅 の絲および麻󠄃の撚絲をもてエポデを製り
3 金を薄片に打展べ剪て縷となしこれを靑 紫 紅 の絲および麻󠄃絲に和てこれを織なし
4 又󠄂これがために肩帶をつくりて之を連ねその兩の端において之を連ぬ
5 エポデの上にありて之を束ぬるところの帶はその物同じうして其の製のごとし即ち金靑 紫 紅 の絲および麻󠄃の撚絲をもて製る者なりヱホバのモーセに命じたまひしごとくなり
〘130㌻〙
6 又󠄂葱珩を琢て金の槽に嵌め印を刻がごとくにイスラエルの子等の名をこれに鐫つけ
7 これをエポデの肩帶の上につけてイスラエルの子孫の記念の玉とならしむヱホバのモーセに命じたまひしごとし
8 また胸牌を巧に織なしエポデの製のごとくに金 靑 紫 紅 の絲および麻󠄃の撚絲をもてこれを製れり
9 胸牌は四角にして之を二重につくりたれば二重にしてその長半󠄃キユビトその濶半󠄃キユビトなり
10 その中に玉四行を嵌む即ち赤玉 黄玉 瑪瑙の一行を第一行とす
11 第二行は紅玉 靑玉 金剛石
12 第三行は深紅玉 白瑪瑙 紫玉
13 第四行は黄緑玉 葱珩 碧玉 凡て金の槽の中にこれを嵌たり
14 その玉はイスラエルの子等の名にしたがひ其名のごとくに之を十二になし而して印を刻がごとくにその十二の支派の各の名をこれに鐫つけたり
15 又󠄂純金を紐のごとくに組たる鏈を胸牌の上につけたり
16 又󠄂金をもて二箇の槽をつくり二の金の環をつくりその二の環を胸牌の兩の端につけ
17 かの金の紐二條を胸牌の端の二箇の環につけたり
18 而してその二條の紐の兩の端を二箇の槽に結ひエポデの肩帶の上につけてその前󠄃にあらしむ
171㌻
19 又󠄂二箇の金の環をつくりて之を胸牌の兩の端につけたり即ちそのエポデに對ふところの內の邊にこれを付く
20 また金の環二箇を造󠄃りてこれをエポデの兩傍の下の方につけてその前󠄃の方にてその聯接る處に對てエポデの帶の上にあらしむ
21 胸牌は靑紐をもてその環によりて之をエポデの環に結つけエポデの帶の上にあらしめ胸牌をしてエポデを離るゝことなからしむヱホバのモーセに命じたまひしごとし
22 又󠄂エポデに屬する明衣は凡てこれを靑く織なせり
23 上衣の孔はその眞中にありて鎧の領盤のごとしその孔の周󠄃圍に緣ありて綻びざらしむ
24 而して明衣の裾に靑 紫 紅 の撚絲をもて石榴を作りつけ
25 又󠄂純金をもて鈴をつくりその鈴を明衣の裾の石榴の間につけ周󠄃圍において石榴の間々にこれをつけたり
26 即ち鈴に石榴鈴に石榴と供職の明衣の裾の周󠄃圍につけたりヱホバのモーセに命じたまひしごとし
27 又󠄂アロンとその子等のために織布をもて裏衣を製り
28 細布をもて頭帽を製り細布をもて美しき頭巾をつくり麻󠄃の撚絲をもて褌をつくり〘131㌻〙
29 麻󠄃の撚絲および靑 紫 紅 の絲をもて帶を織なせりヱホバのモーセに命じたまひしごとし
30 又󠄂純金をもて聖󠄄冠の前󠄃板をつくり印を刻がごとくにその上にヱホバに聖󠄄といふ文字を書つけ
31 之に靑紐をつけて之を頭帽の上に結つけたりヱホバのモーセに命じたまひし如し
32 斯集合の天幕なる幕屋の諸の工事成ぬイスラエルの子孫ヱホバの凡てモーセに命じたまひしごとくに爲て斯おこなへり
33 人衆幕屋と天幕とその諸の器具󠄄をモーセの許に携へいたる即ちその鈎その板その横木その柱その座
172㌻
34 赤染の牡羊の皮の蓋貛の皮の蓋障蔽の幕
35 律法の櫃とその杠贖罪所󠄃
36 案とその諸の器具󠄄供前󠄃のパン
37 純金の燈臺とその盞すなはち陳列る燈盞とその諸の器具󠄄ならびにその燈火の油
38 金の壇 灌 膏 香幕屋の門の幔子
39 銅の壇その銅の網とその杠およびその諸の器具󠄄 洗盤とその臺
40 庭の幕その柱とその座庭の門の幔子 その紐とその釘ならびに幕屋に用ふる諸の器具󠄄 集會の天幕のために用ふる者
41 聖󠄄所󠄃にて職をなすところの供職の衣服󠄃 即ち祭司の職をなす時に用ふる者なる祭司アロンの聖󠄄衣およびその子等の衣服󠄃
42 斯ヱホバの凡てモーセに命じたまひしごとくにイスラエルの子孫その諸の工事をなせり
43 モーセその一切の工作を見るにヱホバの命じたまひしごとくに造󠄃りてあり即ち是のごとくに作りてあればモーセ人衆を祝せり
第40章
1 茲にヱホバ、モーセに吿て言たまひけるは
2 正月の元日に汝集會の天幕の幕屋を建べし
3 而して汝その中に律法の櫃を置ゑ幕をもてその櫃を障蔽し
4 又󠄂案を携へいり陳設の物を陳設け且燈臺を携へいりてその燈盞を置うべし
5 汝また金の香壇を律法の櫃の前󠄃に置ゑ幔子を幕屋の門に掛け
6 燔祭の壇を集會の天幕の幕屋の門の前󠄃に置ゑ
7 洗盤を集會の天幕とその壇の間に置ゑて之に水をいれ
8 庭の周󠄃圍に藩籬をたて庭の門に幔子を垂れ
9 而して灌膏をとりて幕屋とその中の一切の物に灌ぎて其とその諸の器具󠄄を聖󠄄別べし是聖󠄄物とならん
10 汝また燔祭の壇とその一切の器具󠄄に膏をそゝぎてその壇を聖󠄄別べし壇は至聖󠄄物とならん
11 又󠄂洗盤とその臺に膏をそゝぎて之を聖󠄄別め
12 アロンとその子等を集會の幕屋の門につれきたりて水をもて彼等を洗ひ〘132㌻〙
13 アロンに聖󠄄衣を着せ彼に膏をそゝぎてこれを聖󠄄別め彼をして祭司の職を我になさしむべし
14 又󠄂かれの子等をつれきたりて之に明衣を着せ
15 その父󠄃になせるごとくに之に膏を灌ぎて祭司の職を我になさしむべし彼等の膏そゝがれて祭司たることは代々變らざるべきなり
173㌻
16 モーセかく行へり即ちヱホバの己に命じたまひし如くに爲たり
17 第二年の正月にいたりてその月の元日に幕屋建ぬ
18 乃ちモーセ幕屋を建てその座を置ゑその板をたてその横木をさしこみその柱を立て
19 幕屋の上に天幕を張り天幕の蓋をその上にほどこせりヱホバのモーセに命じ給ひし如し
20 而してかれ律法をとりて櫃に藏め杠を櫃につけ贖罪所󠄃を櫃の上に置ゑ
21 櫃を幕屋に携へいり障蔽の幕を垂て律法の櫃を隱せりヱホバのモーセに命じたまひしごとし
22 彼また集會の幕屋において幕屋の北の方にてかの幕の外に案を置ゑ
23 供前󠄃のパンをその上にヱホバの前󠄃に陳設たりヱホバのモーセに命じたまひし如し
24 又󠄂集會の幕屋において幕屋の南の方に燈臺をおきて案にむかはしめ
25 燈盞をヱホバの前󠄃にかゝげたりヱホバのモーセに命じたまひしごとし
26 又󠄂集會の幕屋においてかの幕の前󠄃に金の壇を居ゑ
27 その上に馨しき香を焚りヱホバのモーセに命じたまひしごとし
28 又󠄂幕屋の門に幔子を垂れ
29 集會の天幕の幕屋の門に燔祭の壇を置ゑその上に燔祭と素祭をさゝげたりヱホバのモーセに命じたまひし如し
30 又󠄂集會の天幕とその壇の間に洗盤をおき其に水をいれて洗ふことの爲にす
31 モーセ、アロンおよびその子等其につきて手足を洗ふ
32 即ち集會の幕屋に入る時または壇に近󠄃づく時に洗ふことをせりヱホバのモーセに命じたましごとし
33 また幕屋と壇の周󠄃圍の庭に藩籬をたて庭の門に幔子を垂ぬ是モーセその工事を竣たり
34 斯て雲集會の天幕を蓋てヱホバの榮光幕屋に充たり
35 モーセは集會の幕屋にいることを得ざりき是雲その上に止り且ヱホバの榮光幕屋に盈たればなり
174㌻
36 雲幕屋の上より昇る時にはイスラエルの子孫途󠄃に進󠄃めり其途󠄃々凡て然り
37 然ど雲の昇らざる時にはその昇る日まで途󠄃に進󠄃むことをせざりき
38 即ち晝は幕屋の上にヱホバの雲あり夜はその中に火ありイスラエルの家の者皆これを見るその途󠄃々すべて然り〘133㌻〙
175㌻